JP4021052B2 - 処置具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、生体の体腔内に挿入し、組織を把持、剥離、凝固及び切開することができる処置具に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、体腔内に挿入し、生体組織を把持、剥離、凝固及び切開する処置具として生体組織を把持する一対の把持部材を備え、各把持部材に高周波通電用の電極を配設したバイポーラ鉗子が知られている。そして、このバイポーラ鉗子の使用時には一対の把持部材間に処置対象の生体組織を把持させた状態で、各把持部材の電極間に高周波電流を通電して把持部材間の生体組織を凝固させるようになっている。
【0003】
この種のバイポーラ鉗子は、通常、生体組織に含まれる血管の止血、生体組織の表層の病変部、出血点の焼灼、避妊を目的とした卵管の閉塞等の多種の症例に用いられる。そして、バイポーラ鉗子が血管の止血や、卵管の閉塞を目的として用いられ、患者の処置対象の生体組織を凝固できるようになっており、また凝固した生体組織を切開することができるようになっている。
【0004】
従来、この種の内視鏡下高周波処置具としては、例えばUSP5071419、DE19606194 A1、実開平5−82401号公報等で知られている。USP5071419に示された電気外科用器械は、体腔内に挿入する挿入部の先端部に鉤状電極を設けるとともに、挿入部に送水管が設けられ、この送水管の先端部に前記鉤状電極に対向する送水ノズルが設けられ、処置部に送水できるようになっている。
【0005】
また、DE19606194 A1の手術用医療装置は、体腔内に挿入する挿入部の先端部に開閉可能な一対の把持部材が設けられているとともに、前記挿入部に送水管が設けられ、送水管の先端部には一対の把持部材の側方に開口する送水ノズルが設けられている。
【0006】
したがって、いずれの高周波処置器械においても、生体組織を高周波によって凝固し、またその処置部に送水して出血した血液等を洗い流すことができるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したUSP5071419は、鉤状電極を生体組織に押し当てて高周波によって凝固するものであり、生体組織を把持したり、剥離する機能は備えていないとともに、把持機能がないために確実に止血できない。また、DE19606194 A1は、挿入部の先端部に開閉可能な一対の把持部材を備え、組織を把持したり、剥離する機能は備えているものの、送水ノズルは、把持部材の側方でずれた位置に開口している。したがって、送水した後に把持部材を動かし、位置を調整し直す手間が必要となる。また、実開平5−82401号公報は、挿入部に送水管路が設けられ、送水源から送水でき、挿入部の先端側から噴出できるようになっているが、処置具とともに使用する光学視管の観察窓を洗浄して視野を保つものであり目的が異なる。
【0008】
この発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、出血点を確認するために組織からの出血を洗い流すことが可能で、さらに確認された出血点をすぐに把持、凝固することによって迅速な止血が可能な処置具を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記目的を達成するために、請求項1は、挿入部及び挿入部の手元側に操作部を有し、前記挿入部の先端部に前記操作部の操作により組織を把持するための一対の通電可能な把持部材を有した処置具において、前記挿入部の内部に、送水源に連通する送水管及びこの送水管の遠位端に設けられ、前記一対の把持部材の間に開口する送水ノズルとからなる送水ユニットを軸方向に進退自在に挿通したことを特徴とする。
請求項2は、請求項1の前記把持部材には、前記送水ノズルの位置を確認可能なスリットが設けられていることを特徴とする。
請求項3は、請求項1の前記送水ユニットは、前記挿入部に対して着脱可能であることを特徴とする。
前記構成によれば、組織から出血に対して送水ノズルからの送水によって血液を洗い流し確認された出血点を迅速に把持凝固し止血できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の各実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図4は第1の実施形態を示し、図1及び図2は内視鏡下手術器械としての高周波処置具の全体構成図である。図1及び図2に示すように、高周波処置具としてのバイポーラ鉗子1には患者の体腔内に挿入される細長い挿入部2と、この挿入部2の先端部に配置され、体腔内で生体組織を把持、剥離、凝固するための通電可能な処置部3と、挿入部2の基端部に連結された操作部4とが設けられている。
【0011】
挿入部2は、外シース5と、この外シース5の内部に軸方向に進退自在に挿入された内シース6とからなり、外シース5の基端部は操作部4を構成するグリップ7の延出部7aに固定され、内シース6の基端部は操作部4に設けられた内シース駆動部材8に固定されている。
【0012】
処置部3には電極を構成する把持部としての一対の把持部材11a,11bと、これらの把持部材11a,11bを拡開させる方向に付勢する弾性部材12a,12bとが設けられている。弾性部材12a,12bはばね鋼等によって形成され、弾性部材12a,12bの表面は絶縁材14によって被覆されている。さらに、把持部材11a,11bは閉じたときに互いに噛合する鋸歯状部が形成され、生体組織を確実に把持できるように形成されている。
【0013】
また、内シース6の内部には管腔としての送水管15が軸方向に進退自在に挿通されている。この送水管15は金属細管からなり、基端部は操作部4の内部まで延長し、先端部は処置部3まで延長している。さらに、送水管15の先端部には前記一対の把持部材11a,11b間に開口する送水ノズル16が設けられ、この送水管15と送水ノズル16とで送水ユニットが構成されている。
【0014】
すなわち、送水ノズル16は、図3に示すように、送水管15の先端開口部を先細に絞った形状であり、把持部材11a、11bには送水ノズル16の位置を確認できるようにスリット17が設けられている。
【0015】
さらに、図4に示すように、操作部4には送水管15の基端部を接続する送水管接続部材18が設けられている。送水管接続部材18には送水管15の軸方向、つまり横方向に開口する横穴19aと、この横穴19aの端部から直角に縦方向に開口する縦穴19bとからなる送水路19が設けられている。横穴19aにはゴム等の弾性部材20が固定リング21によって固定されており、この弾性部材20には送水管15の基端部に形成された鋭角カット部15aが軸方向に進退自在に穿刺されている。
【0016】
また、前記縦穴19aのねじ部22にはチューブ接続部材23の基端部のねじ部23aがねじ込み固定されており、前記送水管接続部材18から突出するチューブ接続部材23の先端部には送水チューブ24の基端部が接続されている。そして、送水チューブ24を介して供給された送液は送水路19を介して送水管15に導かれ、送水ノズル16から噴出するようになっている。
【0017】
また、図1及び図2に示すように、グリップ7の延出部7aには外シース5の基端部に連結固定される連結リング25が設けられている。さらに、延出部7aの後方には処置部3の後端部と電気、機械的に接続するための処置部ユニット接続部26が配設されている。
【0018】
処置部ユニット接続部26には処置部3を構成する一対の把持部材11a,11bと接続する接続手段(図示しない)が設けられ、この接続手段を介して操作部4の後端部に設けられたケーブル接続部27に電気的に接続されている。このケーブル接続部27は接続ケーブル28を介して高周波焼灼電源装置(図示しない)に接続される。
【0019】
また、グリップ7には鉗子操作手段としてのトリガー30が設けられている。このトリガー30はグリップ7の上端部に回動ピン31を中心に回動自在に連結されている。さらに、このトリガー30には回動支点の上方に長孔32が形成されている。この長孔32は内シース駆動部材8の側面に突設された係合ピン33が挿入されている。
【0020】
また、グリップ7の内部にはトリガー30の下端部の手掛け部30aをグリップ7から離れる方向(図1において回動ピン31を中心に時計回り方向)に付勢する付勢部材(図示しない)が配設されている。そして、トリガー30は付勢部材のばね力によって常時グリップ7から最も離れた定位置(解放位置)で保持されている。
【0021】
さらに、グリップ7の後端上部における側面には送水操作手段としての送水操作レバー34が設けられている。この送水操作レバー34はグリップ7に対して回動ピン35を中心に回動自在に連結されている。さらに、送水操作レバー34の回動中心より上方には長孔36が形成され、この長孔36には送水管15の後端側面から突設された係合ピン37が挿入されている。
【0022】
送水操作レバー34には略V字状に配置された前後のアーム部38a,38bが設けられている。そして、一方のアーム部38aには指掛け部39が他方のアーム38bはストッパピン40と当接して送水操作レバー34の回動範囲を規制する役目をしている。さらに、回動ピン35には送水操作レバー34を時計回り方向に付勢する付勢部材(図示しない)が装着されている。
【0023】
ここで、トリガー30の手掛け部30aを付勢部材のばね力に抗してグリップ7側に引き込み操作することにより、内シース駆動部材8を介して内シース6が外シース5の軸方向前方へ移動する。内シース6の前進に伴って弾性部材12a,12bが相対的に内シース6内に引き込まれた状態となり、把持部材11a,11bが閉じる。また、トリガー30が解放されるとグリップ7内の付勢部材のばね力によって定位置に戻り、弾性部材12a,12bが相対的に内シース6から突出して把持部材11a,11bは弾性部材12a,12bの弾性復元力によって開くようになっている。
【0024】
また、送水操作レバー34の指掛け部39に指を掛け、付勢部材の付勢力に抗して送水操作レバー34を反時計回り方向に回動すると、長孔36に挿入されている係合ピン37を介して送水管15が前進駆動し、送水管15の送水ノズル16が把持部材11a,11bの間に突出するようになっている。送水操作レバー34が解放されると付勢部材のばね力によって定位置に戻り、送水管15は後退して内シース6に引き込まれ、アーム部38bがストッパピン40に当接すると停止するようになっている。
【0025】
次に、第1の実施形態の作用について説明する。
バイポーラ鉗子1のケーブル接続部27に接続ケーブル28を接続し、バイポーラ鉗子1と高周波焼灼電源装置とを電気的に接続する。初期状態では操作部4のトリガー30の手掛け部30aはグリップ7から最も離れた定位置で保持され、処置部ユニット接続部26は挿入部2の軸方向の移動範囲の最後端位置で保持される。この状態では、図1に示すように処置部3の一対の弾性部材12a,12bが内シース6から突出して把持部材11a,11bが開いた状態にある。
【0026】
そこで、トリガー30の手掛け部30aを付勢部材のばね力に抗してグリップ7側に引き込み操作することにより、内シース駆動部材8を介して内シース6が外シース5の軸方向前方へ移動する。内シース6の前進に伴って弾性部材12a,12bが相対的に内シース6内に引き込まれた状態となり、図2に示すように、把持部材11a,11bが閉じる。
【0027】
この状態で、バイポーラ鉗子1の挿入部2を患者の体内に挿入され、この挿入部2の先端の処置部3が体内の処置対象の生体組織の近傍位置まで誘導する。トリガー30が解放されるとグリップ7内の付勢部材のばね力によって定位置に戻り、弾性部材12a,12bが相対的に内シース6から突出して把持部材11a,11bは弾性部材12a,12bの弾性復元力によって開く。
【0028】
続いて、拡開した把持部材11a,11bの間に生体組織を挿入(介在)した後、トリガー30の手掛け部30aを付勢部材のばね力に抗してグリップ7側に引き込み操作することにより、内シース駆動部材8を介して内シース6が外シース5の軸方向前方へ移動する。内シース6の前進に伴って弾性部材12a,12bが相対的に内シース6内に引き込まれた状態となり、把持部材11a,11bが閉じ、生体組織が把持される。
【0029】
このとき、把持部材11a,11bには閉じたときに互いに噛合する鋸歯状部に形成され、生体組織を確実に把持できる。この状態で、高周波焼灼電源装置から接続ケーブル28を介してコード接続部27に高周波電流が流れ、把持部材11aと11bとの間に凝固電流が流れ、生体組織の凝固が行われる。凝固が完了した後、トリガー30を解放するとグリップ7内の付勢部材のばね力によって内シース6が外シース5に対して初期位置に戻り、弾性部材12a,12bが相対的に内シース6から突出して把持部材11a,11bは弾性部材12a,12bの弾性復元力によって開き、把持部材11a,11bは生体組織から開放される。
【0030】
ここで、送水操作レバー34の指掛け部39に指を掛け、付勢部材の付勢力に抗して送水操作レバー34を反時計回り方向に回動すると、長孔36に挿入されている係合ピン37を介して送水管15が前進し、図1の破線で示すように送水ノズル16が把持部材11a,11bの間に突出する。この時、送水ノズル16の突出量は把持部材11a,11bに設けられたスリット17から確認できる。この状態で、送水源に設けられた送水コック(図示しない)を操作して送水コックを開放すると、送水チューブ24を介して送水路19に送液され、さらに送水管15を介して送水ノズル16から噴出される。このとき、送水ノズル16は開いた把持部材11a,11bの間に位置しているため、生体組織の処置部に確実に送水でき、出血した血液等を洗い流すことができる。
【0031】
送水が完了した後、送水操作レバー34を解放すると、付勢部材のばね力によって定位置に戻り、送水管15は相対的に内シース6に引き込まれて送水ノズル16が後退し、アーム部38bがストッパピン40に当接すると停止する。
【0032】
また、生体組織を剥離する場合には、トリガー30によって把持部材11a,11bを閉じた状態で、生体組織の剥離部位に把持部材11a,11bの先端部を押し当てた状態で、トリガー30を解放するとグリップ7内の付勢部材のばね力によって内シース6が外シース5に対して初期位置に戻り、把持部材11a,11bは弾性部材12a,12bの弾性復元力によって開くため、この把持部材11a,11bの開閉を繰り返すことにより生体組織の剥離を行うことができる。
【0033】
本実施形態によれば、生体組織の把持、剥離、凝固が1つのバイポーラ鉗子1で行うことができ、手術時にバイポーラ鉗子1の交換を少なくして煩わしさを軽減でき、手術時間の短縮を図ることができ、また、一対の把持部材11a,11b間に送水ノズル16が突出して処置部に送水できるため、目的部位に確実に送水できる。
【0034】
図5は第2の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。本実施形態は、送水管接続部材18に設けられた横穴19aと縦穴19bとの合流部に縦穴19bと同軸的に筒状の弾性部材41が挿入され、この弾性部材41の横穴19aに対向する内壁には硬質のスペーサ42が設けられている。さらに、送水管15の鋭角カット部15aは弾性部材41の側壁を穿刺してスペーサ42に当接されており、送水管15が送水路19に連通している。したがって、第1の実施形態と同様に、送水チューブ24から送液されると送水路19を介して送水管15に導かれる。なお、スペーサ42を設けることによって鋭角カット部15aが弾性部材41の他方の側壁を貫通して塞がれることがない。
【0035】
図6は第3の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。本実施形態は、挿入部2を構成する内シース6の内部に一対の把持部材11a,11bを備えた中空ロッド43が設けられており、この中空ロッド43には先端に切開ナイフ44を備えたナイフユニット45、先端に送水ノズル16を備えた送水管15及び先端に測温センサまたはPHセンサ46を備えた測定ユニット47が選択的に着脱交換できる。したがって、手術時にバイポーラ鉗子1の交換を少なくして煩わしさを軽減でき、手術時間の短縮を図ることができる。
【0036】
図7は第4の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。本実施形態は、グリップ7の延出部7aには送水オン・オフバルブ48が複数本のボルト48aによって着脱可能に設けられている。この送水オン・オフバルブ48には第1の接続管49aと第2の接続管49b及びコック50が設けられている。
【0037】
第1の接続管49aには送水源に連通する送水チューブ24が接続され、第2の接続管49bには送水連通チューブ51の一端部が接続され、この他端部は送水管接続部材18のチューブ接続部材23に接続されている。
【0038】
したがって、送水オン・オフバルブ48のコック50をオン側に回動すると、送水オン・オフバルブ48がオンとなり、送水源から送水チューブ24を介して送水オン・オフバルブ48に送液され、さらに送水連通チューブ51を介して送水管接続部材18に送液される。
【0039】
本実施形態においては、送水オン・オフバルブ48が操作部4に対して着脱可能であるから後付けすることも可能であり、また送水オン・オフバルブ48が操作部4に設けられているため操作性の向上を図ることができる。
【0040】
前述した実施の形態によれば、次のような構成が得られる。
(付記1)挿入部及び挿入部の手元側に操作部を有し、前記挿入部の先端部に前記操作部の操作により組織を把持するための一対の通電可能な把持部材を有した処置具において、前記挿入部に送水源に連通する管腔を設けるとともに、前記管腔の先端部に前記一対の把持部材の間に開口する送水ノズルを設けたことを特徴とする処置具。
【0041】
(付記2)前記送水ノズルは、一対の把持部材の把持面の間を軸方向に進退可能なように配設されていることを特徴とする付記1記載の処置具。
(付記3)前記操作部は、一対の把持部材を開閉する第1の操作手段と、送水ノズルを進退させる第2の操作手段を有し、第2の操作手段は、送水源に連通する第1の孔と、この第1の孔に連通する挿入部と平行に設けられた第2の孔を有し、送水ノズルの送水管の基端部が前記第1の孔に連通する状態で前記第2の孔に水密に固定された弾性部材に圧入されることによって前記第2の操作手段に水密に固定されていることを特徴とする付記1記載の処置具。
【0042】
(付記4)前記操作部は、一対の把持部材を開閉する第1の操作手段と、送水ノズルを進退させる第2の操作手段を有し、第2の操作手段は、送水源に連通する第1の孔と、この第1の孔に連通する挿入部と平行に設けられた第2の孔を有し、送水ノズルの送水管の基端部が前記第1の孔に連通する空間を有する弾性部材の空間に連通する状態で圧入されることによって前記第2の操作手段に水密に固定されていることを特徴とする付記1記載の処置具。
【0043】
(付記5)前記送水ノズルは、第2の操作手段に対して着脱自在であることを特徴とする付記3または4記載の処置具。
(付記6)前記一対の把持部材を備えた把持ユニットは、軸方向に貫通する管腔を有し、この管腔内に送水ノズル、ナイフユニット、測定ユニットが選択的に着脱交換可能であることを特徴とする付記1記載の処置具。
【0044】
(付記7)前記操作部には、送水ノズルに連通する送水管路の開閉を行う送水オン・オフバルブが着脱可能に設けられていることを特徴とする付記1,3,4のいずれかに記載の処置具。
【0045】
図8及び図9は第5の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。本実施形態は、挿入部2を構成する内シース6の内部に、構造が異なる少なくとも2種類の把持ユニットを着脱交換可能に設けたものであり、第1の把持ユニット61と第2の把持ユニット62とを備えている。
【0046】
第1の把持ユニット61は、図9(a)に示すように、挿入部2の内シース6に挿通可能な外径を有するマルチルーメンチューブ63によって形成され、外周面には硬質の被膜64が設けられている。マルチルーメンチューブ63には平行する一対の孔65a,65bが軸方向に亘って設けられ、この一対の孔65a,65bの内部には外周面が絶縁チューブ66a,66bで被覆された線材67a,67bが挿通されている。
【0047】
前記線材67a,67bの先端側は、図8に示すように、弾性部材12a,12bを介して把持部材11a,11bが設けられ、基端側はケーブル接続部27に電気的に接続される接続端子部68が設けられている。さらに、一対の孔65a,65bの側部には小径の挿通孔69が軸方向に亘って設けられ、この先端側はマルチルーメンチューブ63の先端面に開口している。
【0048】
第2の把持ユニット62も、図9(b)に示すように、挿入部2の内シース6に挿通可能な外径を有するマルチルーメンチューブ70によって形成され、外周面には硬質の被膜71が設けられている。マルチルーメンチューブ70には平行する一対の孔72a,72bが軸方向に亘って設けられ、この一対の孔72a,72bの内部には外周面が絶縁チューブ73a,73bで被覆された線材74a,74bが挿通されている。
【0049】
前記線材74a,74bの先端側は、図8に示すように、弾性部材75a,75bを介して小型把持部材76a,76bが設けられ、基端側はケーブル接続部27に電気的に接続される接続端子部77が設けられている。さらに、一対の孔72a,72bの側部には大径の送水口78が軸方向に亘って設けられ、この先端側はマルチルーメンチューブ70の先端面に開口している。
【0050】
そして、第1の把持ユニット61の挿通孔69には先端に切開ナイフ79を備えたナイフユニット80が挿脱自在であり、第2の把持ユニット62の送水口78は操作部4の送水路19に連通するようになっている。
【0051】
本実施形態によれば、第1の把持ユニット61を使用することにより、ナイフユニット80を用いて生体組織を切開でき、第2の把持ユニット62を使用することにより、十分な送水量を確保できる。また、手術時にバイポーラ鉗子1の交換を少なくして煩わしさを軽減でき、手術時間の短縮を図ることができる。
【0052】
図10は第6の実施形態を示し、第5の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。本実施形態は、第2の把持ユニット62の送水口78に送水管81を軸方向に進退自在に挿通したものである。本実施形態によれば、送水管81を進退して目的部位に対して送水管81の先端部を近付けたり、遠ざけたりでき、出血した血液等を確実に洗い流すことができる。
【0053】
前述した実施の形態によれば、次のような構成が得られる。
(付記8)ユニット挿入部の先端部に開閉自在に設けられた一対の把持部材と、前記一対の把持部材を開閉する操作手段と、前記ユニット挿入部が前記操作手段に対して着脱自在な処置具であって、前記ユニット挿入部に設けられナイフユニットを挿脱自在な挿通孔を有する第1の把持ユニットと、前記ユニット挿入部に設けられ送水口を備えた第2の把持ユニットとからなり、前記第1及び第2の把持ユニットが前記操作手段に対して着脱交換可能であることを特徴とする処置具。
【0054】
(付記9)前記第2の把持ユニットの送水口は、送水管が進退自在に挿通可能であることを特徴とする付記8記載の処置具。
(付記10)前記第1及び第2の把持ユニットは、マルチルーメンチューブで形成されていることを特徴とする付記8記載の処置具。
【0055】
図11及び図12は第7の実施形態を示し、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。図11に示すように、バイポーラ鉗子1の処置部ユニット接続部26には前後方向に沿ってスライダ支持部材91が設けられ、このスライダ支持部材91にはスライダ92が前後方向に移動自在に設けられている。スライダ92の後端部には送水管固定部材93が取付けられ、この送水管固定部材93には送水管15の後端部が係止固定されている。
【0056】
スライダ92の前端部には左右に突出する係合ピン94が設けられ、この係合ピン94には送水操作レバー34の長孔36が係合されている。そして、送水操作レバー34の回動によってスライダ92が前後方向にスライドするようになっている。
【0057】
図12に示すように、スライダ92には軸方向と直交する方向に貫通孔95が設けられ、この貫通孔95には円柱状の送水バルブ本体96が貫通した状態で固定されている。送水バルブ本体96にはこれと直交する方向に挿通孔97が穿設され、この挿通孔97の両端にはシール部材98が装着されている。そして、前記送水管15は挿通孔97に挿通され、シール部材98によってシールされている。
【0058】
送水バルブ本体96には挿通孔97と平行にシリンダ99が設けられ、このシリンダ99にはピストン100が挿入されている。ピストン100は、ピストンロッド101と、このピストンロッド101に間隔を存して設けられた2つのフランジ102とから構成され、ピストン100は板バネ103によって前方に付勢されている。
【0059】
さらに、送水バルブ本体96にはシリンダ99の前部側と連通する第1のポート104とシリンダ99の後部側と連通する第2のポート105が設けられ、第1のポート104は送水チューブ24が接続され、第2のポート105は送水管15と連通している。
【0060】
そして、ピストン100が図12の実線で示すように前部側に位置しているときにはフランジ102によって第1のポート104と第2のポート105が遮断され、同図破線で示すように後部側に位置しているときには第1のポート104と第2のポート105が連通するようになっている。
【0061】
さらに、ピストン100の前面に対向する前記スライダ支持部材91には後方に向かって突出する押しピン106が設けられ、スライダ92が前進、つまり送水管15が前進したとき押しピン106によってピストン100を板バネ103の付勢力に抗して後方へ移動させるようになっている。そして、第1のポート104と第2のポート105とを連通させるようになっている。
【0062】
次に、第7の実施形態の作用について説明する。送水操作レバー34の指掛け部39に指を掛け、反時計回りに回動させると、係合ピン94を介してスライダ92が前進し、これと一体に送水管15が前進する。スライダ92の前進に伴ってピストン100の前面が押しピン106に当接して後方へ相対的に移動すると、ピストン100のフランジ102位置が第1のポート104と第2のポート105との遮断位置から連通位置に切り替わり、送水チューブ24から供給された液体が第1のポート104、シリンダ99、第2のポート105の順に送液されて送水管15に導かれ、送水ノズル16から噴出する。したがって、送水ノズル16の前進操作と送水操作が連動し、送水ノズル16が一対の把持部材11a,11bの間に突出すると同時に送水ノズル16から送水が開始される。
【0063】
図13及び図14は第8の実施形態を示し、第7の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。給水源と接続する送水チューブ24は送水操作レバー34の回動ピン35の付近においてU字状に屈曲されており、回動ピン35の下方に設けられたチューブ支持部材110によって支持されている。回動ピン35にはこれと一体に回動するチューブ押えカム111が設けられている。
【0064】
次に、第8の実施形態の作用について説明する。図13(a)に示すように送水操作レバー34が付勢部材(図示しない)によって時計回り方向に付勢されているときには、図14の実線で示すように、チューブ押えカム111が下向きにあり、チューブ支持部材110との間で送水チューブ24を押し潰して閉塞している。
【0065】
送水操作のために、図13(b)で示すように、送水操作レバー34の指掛け部39に指を掛け、反時計回りに回動させると、チューブ押えカム111が回動ピン35と一体に回動して図14の2点鎖線で示すように横方向に回動して送水チューブ24から離れ、送水チューブ24が水圧によって復元して送液される。したがって、送水ノズル16の前進操作と送水操作が連動し、送水ノズル16が一対の把持部材11a,11bの間に突出する過程で送水ノズル16から送水が開始される。
【0066】
図15〜図17は第9の実施形態を示し、第7の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。本実施形態は、スライダ92にこれと直交する方向に送水チューブ接続部材112が設けられ、この送水チューブ接続部材112には送水管15が挿通する挿通孔113が穿設され、この挿通孔113の開口端にはシール部材114が設けられている。さらに、送水チューブ接続部材112には送水チューブ24が接続される送水ポート115が穿設され、前記送水管15と連通している。
【0067】
また、スライダ92には小径部116が設けられ、この小径部116にはナイフレバー接続部材117が前後方向に移動自在に嵌合されている。このナイフレバー接続部材117の左右には係合ピン118が突設され、この係合ピン118には送水操作レバー34の長孔36が係合している。さらに、小径部116にはナイフレバー接続部材117を後退方向に付勢する付勢ばね119が設けられている。
【0068】
さらに、送水操作レバー34の回動軌跡上に位置するグリップ7の内部には横方向にロッド120が設けられ、このロッド120にはL字状のチューブ押え部材121がロッド120の軸方向に移動自在に支持されている。チューブ押え部材121の基端部の押え部122はチューブ支持部123と離間し、この間には送水チューブ24の中途部が介在されている。また、チューブ押え部材121の先端部はグリップ7の側壁に穿設された開口124に対向しており、この先端部には傾斜部125が形成されている。
【0069】
さらに、前記ロッド120には付勢ばね126が巻装され、チューブ押え部材121の先端部の傾斜部125を開口124から突出する方向に付勢している。したがって、図17(a)に示すように、チューブ押え部材121の押え部122とチューブ支持部123との間で送水チューブ24の中途部を押し潰して閉塞しているが。第9の実施形態の作用について説明する。送水操作レバー34を図15(a)の状態から(b)の状態まで回動させると、送水管15が前進するとともに、スライダ92の先端が処置部ユニット接続部26の後端に接触して止まる。この状態からさらに送水操作レバー34を図15(b)の二点鎖線まで回動させると、スライダ92が止まった状態で、ナイフレバー接続部材117が付勢ばね119に抗して前進する。この時、送水操作レバー34の回動によって送水操作レバー34とチューブ押え部材121の傾斜部125が摺動すると、同図(b)に示すように、付勢ばね126の付勢力に抗してチューブ押え部材121が押し込まれて押え部122がチューブ支持部123から離間し、送水チューブ24が水圧によって復元して送液されるようになっている。したがって、送水ノズル16を前進して位置決めした状態で、送水操作レバー34の回動操作により送水ノズル16が一対の把持部材11a,11bの間で送水を開始できる。
【0070】
前述した実施の形態によれば、次のような構成が得られる。
(付記11)挿入部の先端部に開閉自在に設けられた一対の把持部材と、前記一対の把持部材を開閉する操作手段と、前記把持部材と前記操作手段とを連動する連動手段と、前記挿入部に設けられ前記一対の把持部材の近傍へ進退可能な送水プローブと、この送水プローブを進退操作する進退操作手段と、前記送水プローブへの送水を制御可能な開閉バルブとからなる処置具において、前記送水プローブの進退に連動して開閉バルブが開閉することを特徴とする処置具。
【0071】
(付記12)前記進退操作手段は、送水操作レバーと、この送水操作レバーと連動してスライダ支持部材上をスライドし、送水プローブを進退させるスライダとからなり、前記開閉バルブは、スライダに設けられた流路閉鎖部材を含み、スライダが移動したときスライダ支持部材の一部と前記流路閉鎖部材が接触して流路閉鎖部材が移動して流路が開くことを特徴とする付記11記載の処置具。
【0072】
(付記13)前記進退操作手段は、回動ピンによって軸支された送水操作レバーと、この送水操作レバー、送水プローブ及び送水チューブが接続されたスライダとからなり、前記開閉バルブは、前記回動ピンに設けられた流路閉鎖部材を含み、前記送水操作レバーが回動したとき前記流路閉鎖部材が移動して流路が開くことを特徴とする付記11記載の処置具。
【0073】
(付記14)前記進退操作手段は、板状壁面を有する送水操作レバーと、この送水操作レバー、送水プローブ及び送水チューブが接続されたスライダとからなり、前記開閉バルブは、前記送水操作レバーの移動範囲内に設けられた流路閉鎖部材を含み、ナイフレバーが移動したとき、前記板状壁面と前記流路閉鎖部材が接触して流路が開くことを特徴とする付記11記載の処置具。
【0074】
(付記15)前記流路閉鎖部材は、シリンダと、このシリンダ内に進退自在に設けられたピストンであることを特徴とする付記12〜14のいずれかに記載の処置具。
【0075】
(付記16)前記流路閉鎖部材は、通常時は、送水チューブの中途部を押し潰して閉塞し、移動すると送水チューブを開放することを特徴とする付記12〜14のいずれかに記載の処置具。
【0076】
(付記17)前記開閉バルブは、スライダが最も把持部材に近付いた第1の位置で、少なくとも開いた状態であり、把持部材から最も離れた第2の位置で閉じた状態であることを特徴とする付記12〜16のいずれかに記載の処置具。
【0077】
(付記18)前記開閉バルブは、第1の位置と第2の位置の略中間より第1の位置に近い位置で、少なくとも開いた状態であり、第2の位置で閉じた状態であることを特徴とする付記12〜16のいずれかに記載の処置具。
【0078】
(付記19)送水プローブの代わりにナイフロッドが挿通可能であることを特徴とする付記12〜18のいずれかに記載の処置具。
図18及び図19は第1の開示例としてのバイポーラカッタを示す。このバイポーラカッタ131には細長い挿入部132と、この挿入部132の先端部に配置され、体腔内で生体組織を把持、凝固、切開するための通電可能な処置部133と、挿入部132の基端部に連結された操作部134とが設けられている。
【0079】
挿入部132の先端部には開閉自在な一対のジョー135及びナイフ136が設けられている。操作部134を構成するグリップ137にはジョー135を開閉する開閉トリガー138及びナイフ136を進退するナイフレバー139が設けられている。
【0080】
開閉トリガー138はグリップ137の上端部に回動ピン141を中心に回動自在に連結されている。さらに、この開閉トリガー138には回動支点の上方に長孔142が形成されている。この長孔142はジョー駆動部材143の側面に突設された係合ピン144が挿入されている。
【0081】
また、グリップ137の内部には板バネ145が設けられ、開閉トリガー138に突設された荷重受けピン146を押圧することにより、開閉トリガー138の下端部の手掛け部138aをグリップ137から離れる方向、つまりジョー駆動部材143を後退させ、ジョー135を閉じる方向に付勢している。
【0082】
また、ナイフレバー139はグリップ137に対して回動ピン147を中心に回動自在に連結されている。さらに、ナイフレバー139の回動中心より上方には長孔148が形成され、この長孔148にはナイフ駆動部材149の後端側面から突設された係合ピン150が挿入されている。
【0083】
さらに、ナイフレバー139の回動ピン147には付勢バネ151が巻回され、ナイフレバー139を時計回りに付勢し、ナイフ136を後退する方向に付勢している。また、ナイフレバー139には連結棒152の一端部が連結されていて、この連結棒152の他端部にはフック部152aが設けられている。そして、このフック部152aは開閉トリガー138の側面に突設された掛止ピン153に掛止されている。
【0084】
したがって、図18に示すように、ナイフレバー139によって開閉トリガー138を板バネ145の付勢力に抗して僅かに反時計方向に引っ張り、ジョー駆動部材143を僅かに前進させた位置に保持している。したがって、一対のジョー135は僅かな隙間135aを持っており、この隙間135aによって極薄い組織を把持したときのショートを防止している。しかし、ジョー135に隙間135aがあると、ジョー135によって把持した組織をナイフ136によって切開する際に把持した組織が逃げてしまうという不具合があるが、本開示例によれば、ナイフレバー139を付勢バネ151の付勢力に抗して回動させ、ナイフ駆動部材149を介してナイフ136を前進させると、ナイフレバー139に連結された連結棒152も一緒に前進するため、図19に示すように、フック部152aが掛止ピン153から外れて開閉トリガー138の拘束が解除される。したがって、開閉トリガー138が板バネ145の付勢力によって時計回りに回動し、ジョー駆動部材143を介してジョー135を挿入部32に引き込み、ジョー135を閉じるため、把持した組織が切開時に逃げることはなく、確実に切開できる。
【0085】
図20〜図22は第2の開示例としての送水機能付き電気焼灼器具を示すが、従来、この種の器具は、DE19606194 A1によって知られている。この器具は、ハンドル内に備えられた吸引及び洗浄パイプを遮断可能な弁と、凝固電極を軸方向に移動するための取手を有したものである。この器具は、送水後に凝固する場合に、取手で凝固電極を引き込み送水弁を押して送水した後に、再び凝固電極を突出してから出力することになり、操作性が非常に面倒であり、何回も凝固する場合に効率が悪いという問題があった。
【0086】
本開示例は、前述のような問題を解決したものである。なお、バイポーラ鉗子1については第1の実施形態と同一であるため説明を省略する。バイポーラ鉗子1のケーブル接続部27は接続ケーブル28を介して高周波焼灼電源装置160に接続され、送水チューブ24は灌流機器としてのローラポンプ161に接続されている。
【0087】
高周波焼灼電源装置160は電源に接続される出力発振部162と出力制御部163とからなり、出力制御部163はフットスイッチ164に接続されている。ローラポンプ161は貯水器165と接続するポンプ部166、設定パネル167及び出力連動送水手段としてのポンプ制御部168とからなり、設定パネル167によって送水量、送水タイミング、送水時間等を設定できるようになっている。さらに、高周波焼灼電源装置160の出力制御部163とローラポンプ161のポンプ制御部168とは通信ケーブル169によって接続されている。
【0088】
したがって、図22に示すように、術者は、フットスイッチ164をオンすると、出力制御部163がオン信号を検知し、出力発振部162から高周波が発振されてバイポーラ鉗子1に導かれる。これと同時に、出力制御部163から通信ケーブル169を介してポンプ制御部168にポンプ作動信号が発信されるため、ポンプ部166が作動する。したがって、ポンプ部166から送水チューブ24を介してバイポーラ鉗子1に送液される。
【0089】
このように高周波焼灼電源装置160とローラポンプ161とを通信ケーブル169によって接続することにより、術者はフットスイッチ164を操作して高周波出力するだけで規定の送水量が得られるため、送水スイッチを操作する必要がなく、操作性の向上を図ることができる。
【0090】
なお、高周波焼灼前にジョーに送水して焦げ付きを防止でき、また、ローラポンプ161によって吸引することも可能である。さらに、高周波焼灼電源装置160とローラポンプ161を同一の台車に載置することにより、通信ケーブル169の引き回しが簡単となる。
【0091】
図23は第3の開示例を示し、生理食塩水バッグ170と接続する送水チューブ24の途中に中継ボックス171を設け、この中継ボックス171に送水チューブ24を開放・遮断する電磁弁172を設けたものである。電磁弁172は中継パネル173を介してフットスイッチ164に接続されているとともに、高周波焼灼電源装置160に接続されている。したがって、術者はフットスイッチ164を操作して高周波出力するだけで電磁弁172が開放して規定の送水量が得られるため、操作性の向上を図ることができる。しかも、ポンプが不要となり、安価に提供できるとともに、任意の場所に可搬できる。
【0092】
図24は第4の開示例を示し、一対のジョーのうち片側のみを示している。ジョー本体175の電極部176における把持側には複数個の送水孔177が設けられ、この送水孔177はジョー本体175を支持するステンレスパイプ178の送水管路179を介して送水源に連通しており、ステンレスパイプ178は絶縁チューブ180によって被覆されている。したがって、高周波焼灼前に送水孔177から送水してジョーの焦げ付きを防止できる。
【0093】
図25は第5の開示例を示し、一対のジョー本体181を透明な合成樹脂材料によって形成し、このジョー本体181の把持面に電極部182を設けたものである。このように構成すると、高周波焼灼時に組織の焼灼部をジョー本体181を透視して観察でき、焼灼時間を制御できる。
【0094】
図26は第6の開示例を示し、一対のジョーのうち片側のみを示している。ジョー本体183の電極部184の背側には絶縁部185が設けられ、この絶縁部185には例えば超音波等を発振して組織の硬さを検知する硬さセンサ186が設けられている。また、ジョー本体183を支持するステンレスパイプ187にはセンサケーブル188が挿通されており、ステンレスパイプ187は絶縁チューブ189によって被覆されている。
【0095】
したがって、高周波焼灼前に組織の硬さを硬さセンサ186によって検知し、また高周波焼灼後組織の硬さを硬さセンサ186によって検知することにより、組織が所定の硬さによったときに高周波出力を停止して過剰焼灼を防止できる。
【0096】
前述した実施の形態によれば、次のような構成が得られる。
(付記20)先端に電極及び送水孔を有する電気焼灼器具と、前記電極に高周波出力を供給する電気焼灼装置と、前記送水孔に送水を供給する灌流機器とを備えた送水機能付き電気焼灼器具において、前記電気焼灼装置の出力に連動して前記灌流機器より送水の供給を制御する出力連動送水手段を設けたことを特徴とする送水機能付き電気焼灼器具。
【0097】
(付記21)前記電気焼灼装置と前記灌流機器が通信ケーブルによって接続され、前記電気焼灼装置の出力信号により前記出力連動送水手段が動作することを特徴とする付記20記載の送水機能付き電気焼灼器具。
【0098】
(付記22)前記出力連動手段は、送水量・送水時間・送水開始タイミング等が設定できることを特徴とする送水機能付き電気焼灼器具。
(付記23)前記電気焼灼器具が双極式器具であることを特徴とする送水機能付き電気焼灼器具。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、生体組織を把持して凝固し、止血等が確実に行えるとともに、その処置部に確実に送水でき、出血した血液等を洗い流すことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示す把持部材を開いた状態のバイポーラ鉗子の側面図。
【図2】同実施形態を示す把持部材を閉じた状態のバイポーラ鉗子の側面図。
【図3】同実施形態を示し、図1の矢印A方向から見た図。
【図4】同実施形態を示し、図1のB部を拡大した縦断側面図。
【図5】この発明の第2の実施形態を示し、図4と同一部分の縦断側面図。
【図6】この発明の第3の実施形態を示すバイポーラ鉗子の全体構成図。
【図7】この発明の第4の実施形態を示すバイポーラ鉗子の全体構成図。
【図8】この発明の第5の実施形態を示すバイポーラ鉗子の全体構成図。
【図9】同実施形態を示し、(a)は図8のC−C線に沿う断面図、(b)は図8のD−D線に沿う断面図。
【図10】この発明の第6の実施形態を示し、(a)はバイポーラ鉗子の全体の構成図、(b)はE−E線に沿う断面図。
【図11】この発明の第7の実施形態を示し、(a)はバイポーラ鉗子の平面図、(b)は側面図、(c)は送水時の側面図。
【図12】同実施形態を示し、図11のF部を拡大した縦断平面図。
【図13】この発明の第8の実施形態を示し、(a)はバイポーラ鉗子の側面図、(b)は送水操作時のバイポーラ鉗子の側面図。
【図14】同実施形態を示し、図13のG−G線に沿う断面図。
【図15】この発明の第9の実施形態を示し、(a)はバイポーラ鉗子の側面図、(b)は送水操作時のバイポーラ鉗子の側面図。
【図16】図15のH部分を拡大して示し、(a)は送水管が後退した状態の縦断平面図、(b)は送水管が前進した状態の縦断平面図。
【図17】図15(a)のJ−J線に沿う断面図で、(a)は送水チューブを閉塞した状態の縦断側面図、(b)は送水チューブを開放した状態の縦断側面図。
【図18】第1の開示例を示し、バイポーラカッタの側面図。
【図19】同開示例の切開時の側面図。
【図20】第2の開示例を示し、送水機能付き電気焼灼装置の全体構成図。
【図21】同開示例のブロック図。
【図22】同開示例のフローチャート図。
【図23】第3の開示例を示す構成図。
【図24】第4の開示例を示すジョーの縦断側面図。
【図25】第5の開示例を示すジョーの斜視図。
【図26】第6の開示例を示し、(a)はジョーの斜視図、(b)はK−K線に沿う断面図。
【符号の説明】
1…パイポーラ鉗子
2…挿入部
4…操作部
11a,11b…把持部材
16…送水ノズル
Claims (3)
- 挿入部及び挿入部の手元側に操作部を有し、前記挿入部の先端部に前記操作部の操作により組織を把持するための一対の通電可能な把持部材を有した処置具において、
前記挿入部の内部に、送水源に連通する送水管及びこの送水管の遠位端に設けられ、前記一対の把持部材の間に開口する送水ノズルとからなる送水ユニットを軸方向に進退自在に挿通したことを特徴とする処置具。 - 前記把持部材には、前記送水ノズルの位置を確認可能なスリットが設けられていることを特徴とする請求項1記載の処置具。
- 前記送水ユニットは、前記挿入部に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1記載の処置具。
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