JP2005224426A - 内視鏡用処置具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 内視鏡のチャンネルに挿通される処置具挿入部21の先端に、一対の鉗子カップ32aを有する処置部22が設けられた内視鏡用処置具3であって、処置部22の先端から目標部位に向かって送液する送液管路26及び送液ルーメン33を設けた。液体は、処置具挿入部21の内部と、処置部22内の送液ルーメン33とを通り、目的部位に向かって噴出される。
【選択図】 図3
Description
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、出血部位をすばやく、確実に確認することができるようにすることである。また、必要な処置を速やかに、かつ確実に行うことができるようにすることである。
この内視鏡用処置具では、内視鏡に挿入した状態で、送液管路から送液をして患部を洗浄等し、そのまま一対のエネルギ鉗子部で患部を挟み、処置を行う。例えば、患部を洗浄した場合には、洗浄によって処置すべき部位を確認した後に、速やかに処置が行われる。
この内視鏡用処置具では、送液管路が一対のエネルギ鉗子部の回動中心を通るので、一対のエネルギ鉗子部を開いた状態で、送液が行われ、送液後は、そのまま一対のエネルギ鉗子部を閉じて、目的位置を把持する。送液後に速やかに患部が挟持し、必要な処置を行うことができる。
この内視鏡用処置具では、エネルギ鉗子部の開閉機構とは異なる位置に送液管路が配置されているので、開閉機構の構成が簡略化される。
この内視鏡用処置具では、カバー内を通って液体を噴出させる際に、送液管路の流路面積が他の開口部分の流路面積よりも大きくなっているので、液体の略全量が送液管路から噴出されるようになる。
この内視鏡処置具では、ルーメンを通って液体が噴出されるようになる。ルーメンとエネルギ鉗子部とが平行に配置されるので、液体の噴出方向を予め確認しやすく、送液及び処置を連続して行えるようになる。また、装置構成が簡略化される。
この内視鏡用処置具では、送液管路が処置具挿入部の外側に配置されているので、装置構成が簡略化される。
この内視鏡用処置具では、患部から血液が流出する場合でも、送水を行うと共に、その後速やかに止血や、切開を行えるようになるので、確実に目標部位に処置が行える。
図1に第1の実施の形態における内視鏡用処置具を含む内視鏡システムの概略構成を示す。
図1に示すように、内視鏡システムは、内視鏡1と、内視鏡1の鉗子チャンネル2に挿入される内視鏡用処置具(以下、処置具とする)3と、内視鏡1にユニバーサルコード4で接続された内視鏡本体5とを備えている。
挿入部6の先端には、湾曲操作可能な湾曲部8が設けられている。さらに、湾曲部8の先端には、先端カバー9が接続されており、ここに体内を観察する撮像部と、照明光を照射する照射部などが内蔵されている。先端カバー9の先端面には、鉗子チャンネル2の開口が形成されている。ここで、鉗子チャンネル2は、操作部7側に鉗子口2aを有しており、体外と体内とを連通させている。なお、鉗子口2aには、鉗子口2aを覆うように鉗子栓10が取り付けられている。
なお、内視鏡本体5は、内視鏡1で撮像した画像の処理及び表示をする装置や、撮像のための照明用光源などが設けられている。
先端カバー30は、略円筒形状を有し、処置具挿入部21に固定される基端から出血部位に臨む先端まで、送液ルーメン33が設けられている。この送液ルーメン33は、先端カバー30をその長さ方向に沿って貫通しており、処置部22内の送液管路となる。また、先端カバー30には、送液ルーメン33と平行に、スリット34が設けられている。スリット34は、先端カバー30の先端側から、先端カバー30の基端側に向かって形成された溝からなる。スリット34の底部に相当する先端カバー30の基端側の壁部30aには、2つの挿通孔35が先端カバー30に軸線と平行に設けられている。この挿通孔35は、処置具挿入部21と、スリット34とを連通させるもので、挿通孔35の孔径は一本の操作ワイヤ23a,23bが進退可能に挿通できる大きさである。
図5に示すように、カップ本体36a,36bは、対向する面に凹部38a,38bを有している。凹部38aの外縁をなす鉗子面39aは、他のカップ本体36bと当接する部分であり、複数の溝40が所定の間隔で設けられている。同様に、凹部38bの外縁をなす鉗子面39bは、他のカップ本体36aと当接する部分であり、複数の溝40が所定の間隔で設けられている。
操作部本体42の先端には、処置具挿入部21の基端が接続されており、操作部本体42の基端には、指かけリング43が設けられている。この操作部本体42の先端側には、ルアーコック44が設けられている。このルアーコック44の内部通路は、操作部本体42内を通り、送液管路26(図3参照)に連通している。また、操作部本体42の指かけリング43側には、操作部本体42の長さ方向に沿ってスライド溝45が形成されている。このスライド溝45には、ハンドル部41がスライド自在に嵌装されている。さらに、操作部本体42には、スライド溝45と処置具挿入部21とを連通される連通孔(不図示)が設けられており、ここに操作ワイヤ23a,23bが引き通されている。なお、連通孔の周囲は、パッキンなどが配置されており、液体の漏洩が防止されている。
なお、ルアーコック44には、液体を貯溜させた流体供給手段(不図示)が装着される。液体供給手段としては、シリンジや、流体ポンプなどがあげられる。また、液体は、水又は生理食塩水が用いられる。
まず、内視鏡1のチャンネル2に処置具3を挿入し、端子47を高周波電源49に接続する。さらに、処置具3の先端を出血部位(例えば、図1に示す血管W2)の周囲に近接させる。内視鏡1の挿入部6を湾曲させ、処置具3の先端カバー30の先端を出血している部位に向かせたら、処置具操作部24のルアーコック44に液体を貯溜させたシリンジを接続する。そして、シリンジを操作して、シリンジ内の液体を送液管路26に送り出す。シリンジから送り出された液体は、ルアーコック44から、処置具挿入部21内の送液管路26に導入される。これにより、送液管路26を経て、処置部22に導かれ、処置部22の送液管路である送液ルーメン33から、出血部位に向けて噴き出す。噴出した液体は、出血部位の周囲の血液を洗い流す。これにより、内視鏡1の撮像部で出血位置を確認できるので、処置具操作部24のハンドル部41をスライドさせて一対の鉗子カップ32a,32bを開かせる。
これにより、一対の鉗子カップ32a,32bは、露出している血管W2の周囲の粘膜下層組織W4と共に、血管W2を鉗子面39a,39bで挟持した状態になる。なお、血管W2の切断面の先端は、鉗子カップ32a,32bの凹部38a,39b内に入り込んだ状態とされ、鉗子面39a,39bとは直接に接触しない。
この状態で高周波電源49から高周波電流を印加すると、鉗子面39a,39bに接触した粘膜下層組織W4が、血管W2を内在した状態で焼灼される。
図6に示すように、本実施形態のエネルギ鉗子である処置具50は、可撓性の処置具挿入部21の先端に処置部51が設けられ、処置具挿入部21の基端に処置具操作部24(図2参照)が設けられている。
先端カバー52は、円筒形状の部材の先端部分に2つの平面部57a,57bが平行に形成されている。図7に示すように、この平面部57a,57bによって、先端カバー52の先端には略長円形状の開口部52aが形成されている。先端カバー52の断面形状は、先端側では、図7に示すように平面部57a,57bによって形成される略長円形状になっており、基端側では円形状になっている。このように断面形状が略長円形状から円形状に移行する際の中間部分には、移行面58が形成されている。この移行面58は、平面部57aと、平面部57bとのそれぞれに設けられており、ここには先端カバー52を貫通する貫通孔59が形成されている。2つの貫通孔59のそれぞれには、操作ワイヤ23a及び操作ワイヤ23bが挿通されている。
鉗子カップ54aのカップ本体60aは、鉗子カップ54bと対向する面に凹部62aを有している。凹部62aにより形成され、他の鉗子カップ54bと当接する鉗子面63aには、複数の溝64が所定の間隔で設けられている。アーム部61aは、カップ本体60aの基端から先端カバー52の平面部57aの外面に沿って延び、その端部に形成された貫通孔には操作ワイヤ23aが接続されている。また、このアーム部61aの基端から先端に至るまでの間の所定部位は、ピン53aによって先端カバー52に回転自在に支持されている。このピン53aは、先端カバー52の平面部57aに固定されている。
先端カバー52からの突出量は、先端カバー52の先端面から鉗子面63a,63bまでの距離より短く、一対の鉗子カップ54a,54bの開閉及び止血を妨げない長さになっている。
まず、図1に示すような内視鏡1のチャンネル2に処置具50を挿入し、処置具50の先端を出血部位の周囲に近接させる。内視鏡1の挿入部6を屈曲させ、先端カバー52の先端を出血している部位側に向かせたら、処置具操作部24を操作して、操作ワイヤ23a,23bを先端側に向かって前進させる。操作ワイヤ23a,23bが前進すると、ピン53a,53bで先端カバー52の平面部57a,57bに支持されている鉗子カップ54a,54bは、ピン53a,53bを回動中心として開く。処置部51の先端の一対の鉗子カップ54a,54bが開くと、鉗子カップ53a,54bの間に送液管路55の先端部56が露出する。先端部56は、先端カバー52の軸線に沿って配設されているので、その開口55aは、出血している部位に向いている。この状態で、シリンジを操作して、液体を送り出す。シリンジから送り出された液体は、送液管路55の先端部56から噴き出し、出血部位の周囲の血液を洗い流す。これにより、内視鏡1の撮像部で出血位置を確認できるので、処置具操作部24のハンドル部41を戻して、操作ワイヤ23a,23bを後退させて一対の鉗子カップ54a,54bの先端を閉じる。一対の鉗子カップ54a,54bは、図1に示すように露出している血管W2の周囲の粘膜下層組織W4と共に、血管W2をカップ面63a,63bで挟持する。したがって、その状態で高周波電源49から高周波電流を印加すると、鉗子面63a,63bに接触した粘膜下層組織W3が、血管W2を内在した状態で焼灼される。
図9及び図10に示すように、処置具80は、可撓性の処置具挿入部21の先端に処置部81が設けられ、処置具挿入部21の基端に処置具操作部83が設けられた高周波止血鉗子(エネルギ鉗子)である。さらに、処置部81及び処置具挿入部21に沿って、出血部位に向かって噴出させる液体を送る送液管路84が配置されている。
操作ワイヤ23a,23bは、先端カバー85内及び処置具挿入部21内を通って、処置具操作部83のハンドル部41に固定されている。
図10に示すように、先端カバー85の外周は、その一部が凹設されており、この凹部85aに送液管路84の先端部が固定されている。凹部85aは、一対の鉗子カップ32a,32bの先端の開閉方向と略直交する位置に、先端カバー85の長さ方向に沿って設けられている。
なお、処置具操作部83の操作部本体86は、送液管路84が外面に固定され、送液管路84とルアーコック44とが直接に接続されている他は、第1の実施の形態と同様の構成になっている。
例えば、エネルギ鉗子部は、鉗子面(例えば、図5に示す鉗子面39a,39b)にニクロム線を張り、ニクロム線に直流電流を通電した際の発熱により止血を行う構成でも良い。
また、処置具の用途は止血に限定されない。目標部位を切開したり、切除したりするエネルギ鉗子部でも良い。この場合には、送液管路から噴出させる液体で出血を洗い流しながら、切開や、切除を行う。ここにおいて、送液管路から噴出させる液体は、色素を含む液体とすることができる。
2 チャンネル
3,50,80 処置具(内視鏡用処置具)
21 処置具挿入部
23a,23b 操作ワイヤ(開閉機構,伝達手段)
26,55,84 送液管路
30,52,85 先端カバー(カバー)
32a,32b,54a,54b 鉗子カップ(エネルギ鉗子部)
33 送液ルーメン(送液管路,流路)
35 挿通孔
37a,37b,61a,61b アーム部(開閉機構)
56 先端部(送液管路)
Claims (7)
- 内視鏡のチャンネルに挿通される処置具挿入部の先端に、目的部位を処置する一対のエネルギ鉗子部を備える内視鏡用処置具において、
目的部位に対して所定の液体を送液する送液管路を前記処置具挿入部に沿って配置したことを特徴とする内視鏡用処置具。 - 前記送液管路は、前記処置具挿入部と同軸上に配置され、かつ対向配置された前記一対のエネルギ鉗子部の回動中心を通ることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用処置具。
- 前記送液管路は、前記処置具挿入部内において、前記エネルギ鉗子部の開閉機構と異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用処置具。
- 前記処置具挿入部の先端には、前記エネルギ鉗子部を支持するカバーを備え、前記カバーには、前記エネルギ鉗子部に駆動力を伝達する伝達手段を通す孔と、液体が通流する流路とを有し、前記流路の流路面積は、前記孔と伝達手段との間の流路面積よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用処置具。
- 前記カバーに、液体を噴出するルーメンを前記一対のエネルギ鉗子部と平行に設けたことを特徴とする請求項4に記載の内視鏡用処置具。
- 前記送液管路は、前記処置具挿入部の外側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用処置具。
- 前記処置具は、高周波止血鉗子又は高周波切開鉗子であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の内視鏡用処置具。
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