JP4020712B2 - X線画像処理フィルタ自動設定方法,x線異物検出方法及びx線異物検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば生肉、魚、加工食品、医薬などの各品種の被検査物に対し、X線を曝射したときのX線の透過量から被検査物中の異物を検出するためのX線画像処理フィルタ自動設定方法,X線異物検出方法及びX線異物検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線異物検出装置は、搬送ライン上を順次搬送されてくる各品種の被検査物(生肉、魚、加工食品、医薬など)にX線を曝射し、この曝射したX線の透過量から被検査物中に金属、ガラス、石、骨などの異物が混入しているか否かを検出する装置である。
【0003】
すなわち、X線発生器から被検査物に曝射されたX線は、被検査物やその中に混入されている異物により減衰される。この減衰の割合は、被検査物(異物含む)等の成分(原子番号と密度)と厚みによって変わり、「原子番号×密度」が高いほど、また厚みが厚い程減衰量が多くなる。
【0004】
例えば金属や石等の異物は、食品よりも「原子番号×密度」が高いため、これらの異物が混入した場所の下方にあるX線検出器で検出されるX線強度(又は透過率)が小さくなる。この得られたX線強度を利用し、更に画像処理フィルタを用いて異物を強調する画像処理を施すことで、被検査物の影響の低減を行い、被検査物中に埋もれた異物の信号を抽出する。そして、所定の閾値により異物有りか否かの判定をすることで、被検査物内に混入されている異物が検出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このX線画像処理フィルタについては、種々のフィルタがあるが、検査対象となる被検査物によっては、上述した原子番号や密度、厚みが異なるため、適用するX線画像処理フィルタによっては、被検査物の影響が良好に低減されない場合があり、異物が混入されていない被検査物から異物信号が抽出される場合がある。
【0006】
また、異物についても同様に、原子番号や密度、厚みが異なるため、画像処理後の異物信号のレベルと被検査物のレベルとが相対的な差が小さい場合、異物信号が被検査物の信号内に埋もれてしまう場合があり、このような被検査物から異物を高感度で検出できるX線画像処理フィルタを適用させる必要がある。
【0007】
したがって、どのX線画像処理フィルタが最適であるかは、オペレータの経験等に依存しており、各被検査物毎に最適なX線画像処理フィルタを適用しているか否かが判断できず、高感度の異物検出ができない場合があった。
【0008】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解消するため、オペレータの経験に依存せずに、検査対象の被検査物に最適なX線画像処理フィルタを自動設定することを目的とする。またこれにより、初心者でも高感度な異物検出を実現可能にすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のX線画像処理フィルタ自動設定方法は、異物が混入されていない良品VにX線を曝射するX線曝射工程と、前記X線の曝射に伴って前記良品Vを透過してくるX線の透過量に対応するX線強度データSを出力するX線強度データ出力工程と、前記良品Vの前記X線強度データSに対して前記異物を強調するための複数種類のX線画像処理フィルタFにより画像処理をして前記X線画像処理フィルタF毎にX線画像データIvを生成するX線画像データ生成工程と、該生成された複数のX線画像データ中その最大輝度値が最小となるX線画像データを生成したX線画像処理フィルタを、前記複数種類のX線画像処理フィルタFの中から最適なX線画像処理フィルタとして抽出するフィルタ抽出工程と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項1によれば、オペレータの経験に依存せずに、検査対象となる良品Vと同種の被検査物Wに最適なX線画像処理フィルタFを自動設定することが可能となる。
すなわち、良品VにおけるX線画像データIv中その最大画素値が最小となるX線画像データIvaを生成したX線画像処理フィルタFaを、最適なX線画像処理フィルタFとして抽出することにより、異物が混入された被検査物WのX線画像Iwaにおいて、異物のX線画像データIfと、異物を除く被検査物WのX線画像データIgと、を区別し易くなり、高感度なX線画像処理フィルタFaを自動設定することが可能となる。
【0013】
請求項2記載のX線異物検出方法は、被検査物WにX線を曝射する第2のX線曝射工程と、前記X線の曝射に伴って前記被検査物Wを透過してくるX線の透過量に対応するX線強度データSを出力する第2のX線強度データ出力工程と、請求項1記載の方法により設定されたX線画像処理フィルタFaにより画像処理を施して検査用X線画像データIwを生成する検査用X線画像データ生成工程と、前記検査用X線画像データIに基づいて異物の有無を判定する異物判定工程と、を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項2によれば、自動設定された最適なX線画像処理フィルタFaを用いて被検査物Wの画像処理及び異物判定を実行することにより、高感度のX線異物検出を実現することが可能となる。
【0015】
請求項3記載のX線異物検出装置は、異物が混入されていない良品V又は被検査物WにX線を曝射するX線発生器6と、曝射されたX線を検出して前記良品V又は被検査物Wを透過してくるX線の透過量に対応するX線強度データSを出力するX線検出器7と、請求項1記載の方法により設定されたX線画像処理フィルタFaにより画像処理を施して検査用X線画像データIwを生成する検査用X線画像データ生成手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項3によれば、自動設定された最適なX線画像処理フィルタFaを用いて被検査物Wの画像処理及び異物判定を実行することにより、高感度のX線異物検出を実現することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
[X線異物検出装置のハードウェア構成]
図1はX線異物検出装置1の概略ブロック構成図である。X線異物検出装置1は、搬送ラインの一部に設けられ、所定間隔をおいて順次搬送されてくる被検査物W中(表面も含む)に混入される金属、ガラス、石、骨などの異物の有無を検出するものである。
【0018】
このX線異物検出装置1のハードウェア構成について説明する。X線異物検出装置1は、搬送部2,X線発生器6,X線検出器7,処理部10,操作入力部21,表示部24で略構成される。
【0019】
搬送部2は、例えば生肉、魚、加工食品、医薬などの各種の被検査物Wを搬送するもので、例えば装置1本体に対して水平に配置されたベルトコンベアで構成される。ベルトコンベア2には、4つのプーリ3a,3b,3c,3dに無端状の搬送ベルト4が巻回されている。搬送部2は、プーリ3aに接続された駆動モータMの駆動により予め設定された所定の搬送速度で被検査物Wを搬送させる。
【0020】
図1に示すように、X線異物検出装置1は、搬送部2の上方に所定高さ離れて設けられるX線発生器6と、搬送部2内にX線発生器6と対向して設けられるX線検出器7を備えて構成される。
【0021】
X線発生器6は、金属製の箱体内部に設けられる円筒状のX線管を絶縁油により浸漬した構成であり、X線管の陰極からの電子ビームを陽極ターゲットに照射させてX線を生成している。X線管は、その長手方向が被検査物Wの搬送方向と直交する幅方向に設けられている。X線管により生成されたX線は、下方のX線検出器7に向けて、箱体底面に長手方向に沿って形成された不図示のスリットにより、略三角形状のスクリーン状にして曝射するようになっている。
【0022】
X線検出器7は、被検査物Wや良品Vに対して曝射されたX線を検出する。このX線検出器7には、例えば、ライン状に配列された複数のフォトダイオードと、フォトダイオード上に設けられたシンチレータと、を備えたアレイ状のラインセンサが用いられる。このフォトダイオードは、例えば、1ラインで構成されライン方向(Y方向)に0.4mmピッチで640個配置されて構成される。
【0023】
このX線検出器7では、被検査物Wや良品Vに対してX線発生器6からX線が曝射されたときに、そのX線をシンチレータで受けて光に変換する。さらにシンチレータで変換された光は、その下部に配置されるフォトダイオードによって受光される。そして、各フォトダイオードは、受光した光を電気信号に変換し、X線検出データとして出力する。X線強度データSは、図示しないA/D変換部でA/D変換された後、データメモリ11に格納される。
【0024】
処理部10は、X線強度データSが格納されるデータメモリ11,各種プログラム13〜15が格納される記録媒体12としてのプログラム格納部,フィルタ格納部16,X線発生器6を駆動させるX線発生器駆動回路17,X線検出器7を駆動させるX線検出器駆動回路18,モータMを駆動させるモータ駆動回路19,コンピュータ20としてのCPU及びこれらを接続するバス9で略構成される。
【0025】
データメモリ11はRAM等のリード/ライト可能な半導体メモリであり、そのデータメモリ11には、1ライン(Y方向)あたり上記640個のX線強度データSが、少なくとも搬送される被検査物Wの搬送方向Xの長さに対応した所定ライン数(例えば480ライン)格納される。
【0026】
プログラム格納部12は,例えばHDで構成され、内部には、自動設定プログラム13,X線異物検出プログラム14,モード実行プログラム15が格納されている。
【0027】
フィルタ格納部16は、例えばHDで構成され、被検査物WのX線透過画像iから異物画像を抽出するための複数種類のX線画像処理フィルタF(又は異物抽出アルゴリズム)(本例では3種類のフィルタFa〜Fc)が格納されている。X線画像処理フィルタFは、異物を強調するフィルタであり、例えば、Sobelフィルタ,Prewittフィルタ等の各種の特徴抽出フィルタやラプラシアンフィルタ等から選ばれたフィルタである。なお、これらのフィルタを改良したフィルタであってもよい。また、このX線画像処理フィルタFのカーネルサイズは3×3,5×5,7×7,9×9,11×11等、必要に応じて種々のサイズが適用される。
【0028】
X線発生器駆動回路17は、CPU20からの指令によりX線検出器7に対し所定の電力を印加することで、X線発生器6から線を曝射させる。
【0029】
X線検出器駆動回路18は、CPU20からの指令によりX線発生器6をONにして、X線発生器6から曝射されたX線を入力させる。
【0030】
モータ駆動回路19は、CPU20からの指令によりからの指令によりモータMに対し所定電力を供給してモータMを駆動させる。
【0031】
CPU20は、装置1全体を統轄制御するプロセッサであり、各駆動回路17〜19への駆動指令,データメモリ11からのX線強度データSの読み出し,各種プログラムの実行,その他データの転送,種々の演算,データの一時的な格納等を行う。
【0032】
操作入力部21は、バス9に接続される。操作入力部21には、自動設定モードと異物検出モードとが選択可能な押しボタンスイッチ22,23が設けられており、各モードのスイッチ22,23を押下することで、そのモードを実行することができる。すなわち、この操作入力部21と、CPU20と、モード実行プログラム15と、でモード実行手段を構成する。
【0033】
表示部24は、例えば液晶ディスプレイ等で構成され、画像処理したX線画像や、異物判定結果、例えば「OK」,「NG」の文字が表示される。
【0034】
[モードの選択及び実行]
次に、モードの選択及び実行処理について、図2のフローチャートを用いて説明する。まず、オペレータは、X線画像処理フィルタFの自動設定モード又はX線異物検出モードのいずれかのスイッチを押下することで選択入力する(S1)。CPU20は、プログラム格納部12からモード実行プログラム15を読み出して、選択されたモードを判別する(S2)。自動設定モードが選択された場合は(S2−自動設定)、自動設定処理を開始する(S3)。一方、X線異物検出モードが選択された場合は(S2−異物検出)、X線異物検出処理を開始する(S4)。
【0035】
[X線画像処理フィルタFの自動設定方法]
次に、X線画像処理フィルタFの自動設定方法について、図3のフローチャートを用いて説明する。まず異物が混入されていないことが分かっている被検査物W、例えば箱入りの良品Vをサンプルとして搬送部2に載置する。
【0036】
そして、オペレータが操作入力部21の自動設定モードのボタンを押下すると(S1)、プログラム格納部12内のモード実行プログラム15により、自動設定プログラム13が読み出されて自動設定処理が実行され(S2−自動設定,S3)、CPU20から各駆動回路へ駆動指令が出力される。これにより、モータMが回転駆動して搬送部2が良品Vの搬送を開始する(S10)。そして、X線発生器6からX線が曝射される(S11)。
【0037】
X線は、略3角形状のスクリーン状に曝射される。このX線スクリーンを良品Vが通過することで、良品Vに曝射される。X線検出器7では、良品Vを透過した透過X線がシンチレータに入力される。そして、X線検出器7にて電気信号に変換され、X線強度データSとしてデータメモリ11へ出力され、格納される(S12)。
【0038】
データメモリ11に格納されたX線強度データSは、図4に示すように、前処理として、例えば256階調の輝度情報に変換される(S13)。図4(a)は、例えば、X線検出器7の各ライン毎にスキャンされた良品VのX線強度データ(の平均値)Sを示した図、同図(b)は、同図(a)のX線強度データSを前処理した前処理画像データ(の平均値)iを示した図である。すなわち、図4(a)では、X線が良品Vの箱の端縁部分を透過したX線強度Seが良品V(箱の中身)SgのX線強度が減衰されているので、図4(b)では、良品V(箱の中身)の前処理画像データigに対し、良品Vの箱の端縁部分の画像データieが急峻となっている。
【0039】
次に、この前処理画像データiをフィルタ処理する(S14)。このフィルタ処理は異物の画像データを抽出する処理であるが、処理するX線画像処理フィルタFによっては、箱の端縁部分の前処理画像データが異物の前処理画像データとともにより急峻となったり、異物のX線画像データのみを急峻にして、箱の端縁部分の画像データを平滑にする。したがって、このフィルタ処理では、良品Vの前処理画像データiを、総てのX線画像処理フィルタFによってフィルタ処理する。
【0040】
まずフィルタ格納部16からX線画像処理フィルタFaを読み出して、前処理画像データiをフィルタリングしてX線画像データIvaを生成する。図5(a)はそのフィルタ処理後のX線画像データIvaを示す図である。同様に、フィルタ格納部16からX線画像処理フィルタFbを読み出して、前処理画像データiをフィルタリングしてX線画像データIvbを生成する。図5(b)はそのフィルタ処理後のX線画像データIvbを示す図である。更に、フィルタ格納部16からX線画像処理フィルタFcを読み出して、前処理画像データiをフィルタリングしてX線画像データIvcを生成する。図5(c)はそのフィルタ処理後のX線画像データIvcを示す図である。なお、各図において、Igは良品(箱の中身)、Ieは箱の端縁を表すX線画像データである。
【0041】
そして、総てのX線画像処理フィルタFによるフィルタ処理が終了した場合(S15−Yes)、この生成された3つのX線画像データIva〜Ivcを比較し、その輝度値の最大値が最も低いX線画像データIvを抽出する。すなわち、X線画像データIvaの最大輝度値Na(箱の端縁を表すX線画像データIe)と、X線画像データIvbの最大輝度値Nb(箱の端縁を表すX線画像データIe)と、X線画像データIvcの最大輝度値Nc(箱の端縁を表すX線画像データIe)と、を比較する。この場合、最大輝度値が最も低いX線画像データIvaが抽出される。そして、この抽出されたX線画像データIvaを生成したX線画像処理フィルタFaを、最適なX線画像処理フィルタFとして抽出する(S16)。
【0042】
そして、異物検出閾値Tを設定する(S17)。図5(a)に示すように、異物検出閾値Tは、最大輝度値が最も低いX線画像データIvaの最大輝度値Naから、異物画像データIfのみを抽出できるよう所定の輝度値dを加算した値Taに設定される。設定された最適なX線画像処理フィルタFa及び設定された異物検出閾値Taは、データメモリ11の所定の領域に格納される(S18)。
【0043】
これにより、X線画像処理フィルタFの自動設定プログラム13が、上述のX線画像処理フィルタFの自動設定方法をCPU20によって実現することが可能となる。
【0044】
[X線異物検出方法]
次に、X線異物検出方法について、図6のフローチャートを用いて説明する。まず良品Vと同じ製品である未検査の被検査物Wを搬送部2に載置する。
【0045】
そして、オペレータが操作入力部21のX線異物検出モードのボタンを押下すると(S1)、プログラム格納部12内のモード実行プログラム15により、異物検出プログラム14が読み出されてX線異物検出処理が実行され(S2−異物検出,S3)、CPU20から各駆動回路17〜19へ駆動指令が出力される。これにより、モータMが回転駆動して搬送部2が被検査物Wの搬送を開始する(S20)。そして、X線発生器6からX線曝射される(S21)。
【0046】
X線は、略3角形状のスクリーン状に曝射される。このX線スクリーンを被検査物Wが通過することで、被検査物Wに曝射される。X線検出器7では、被検査物Wを透過した透過X線がシンチレータに入力される。そして、X線検出器7にて電気信号に変換され、X線強度データSとしてデータメモリ11へ出力され、格納される(S22)。
【0047】
データメモリ11に格納されたX線強度データSは、自動設定モードと同様に、前処理として、例えば256階調の輝度情報に変換される(S23)。そして、この前処理画像データiに対し、データメモリ11に格納されている最適なX線画像処理フィルタFa及び設定された異物検出閾値Taを読み出してフィルタ処理を実行し、検査用X線画像データIwaを生成する(S24)。図7は、フィルタ処理後の検査用X線画像データIwaを示す図である。そして、この検査用X線画像データIwaに基づいて異物判定を実行する(S25)。図7によれば、異物のX線画像データIfが設定された異物検出閾値Taよりも大きい輝度値となっているので、この被検査物Wは異物有りと判定され(S26−No)、後段でNG処理される(S28)。一方、検査用X線画像データIwaに異物のX線画像データIfが無い場合は(S26−Yes)、後段で良品処理される(S27)。
【0048】
これにより、X線異物検出プログラム14が上述のX線異物検出方法をCPUによって実現することが可能となる。
【0049】
なお、上述のように、X線異物検出装置1を、X線画像処理フィルタ自動設定プログラム13,X線異物検出プログラム14が記録されたコンピュータ20に読み取り可能な記録媒体12と、X線を曝射するX線発生器6と、曝射されたX線を検出してX線強度データSを出力するX線検出器7と、X線画像処理フィルタ自動設定プログラム13をコンピュータ20に読み取らせる自動設定モードとX線異物検出プログラム14をコンピュータ20に読み取らせるX線異物検出モードとのいずれかを選択して実行するモード実行手段(15,20,21)と、を備えることとすることにより、オペレータの経験に依存せずに、検査対象の被検査物Wに最適なX線画像処理フィルタFaを自動設定することが可能となる。特に、良品VにおけるX線画像データIv中その最大画素値が最小となるX線画像データIvaを生成したX線画像処理フィルタFaを、最適なX線画像処理フィルタFとして抽出することにより、異物が混入された被検査物WのX線画像データIwaにおいて、異物のX線画像データIfと、異物を除く被検査物WのX線画像データIgと、を区別し易くなり、高感度なX線画像処理フィルタFaを自動設定することが可能となる。
【0050】
また、自動設定された最適なX線画像処理フィルタFaを用いて被検査物Wの画像処理及び異物判定を実行することにより、高感度のX線異物検出を実現することが可能となる。
【0051】
更に、自動設定モードとX線異物検出モードとのいずれかを選択して実行することにより、一台の装置1で、X線画像処理フィルタFの自動設定処理と、X線異物検出処理と、を実行することができ、X線発生器6やX線検出器7の共有化を図ることができる。
【0052】
【発明の効果】
請求項1によれば、オペレータの経験に依存せずに、検査対象の被検査物に最適なX線画像処理フィルタを自動設定することが可能となる。
【0053】
すなわち、良品におけるX線画像データ中その最大画素値が最小となるX線画像データを生成したX線画像処理フィルタを、最適なX線画像処理フィルタとして抽出することにより、異物が混入された被検査物のX線画像において、異物のX線画像データと、異物を除く被検査物(良品)のX線画像データと、を区別し易くなり、高感度なX線画像処理フィルタを自動設定することが可能となる。
【0054】
請求項2によれば、自動設定された最適なX線画像処理フィルタを用いて被検査物の画像処理及び異物判定を実行することにより、高感度のX線異物検出を実現することが可能となる。
【0055】
請求項3によれば、自動設定された最適なX線画像処理フィルタを用いて被検査物の画像処理及び異物判定を実行することにより、高感度のX線異物検出を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるX線異物検出装置の概略構成図。
【図2】本発明によるX線異物検出装置のモード選択実行処理を示すフローチャート。
【図3】本発明によるX線画像処理フィルタ自動設定方法の処理手順を示すフローチャート。
【図4】(a)良品のX線強度データを示す図。
(b)(a)の前処理画像データを示す図。
【図5】(a)本発明による良品の前処理画像データをX線画像処理フィルタFaでフィルタ処理した図。
(b)本発明による良品の前処理画像データをX線画像処理フィルタFbでフィルタ処理した図。
(c)本発明による良品の前処理画像データをX線画像処理フィルタFcでフィルタ処理した図。
【図6】本発明によるX線異物検出方法の処理手順を示すフローチャート。
【図7】本発明により被検査物の前処理画像データをX線画像処理フィルタFaでフィルタ処理した図。
【符号の説明】
1…X線異物検出装置
6…X線発生器
7…X線検出器
13…自動設定プログラム
14…異物検出プログラム
20…コンピュータ(CPU)
F(Fa,Fb,Fc)…X線画像処理フィルタ
Iv(Iva,Ivb,Ivc)…良品のX線画像データ
Iw(Iwa,Iwb,Iwc)…被検査物のX線画像データ
S…X線強度データ
V…良品
W…被検査物
Claims (3)
- 異物が混入されていない良品(V)にX線を曝射するX線曝射工程と、
前記X線の曝射に伴って前記良品を透過してくるX線の透過量に対応するX線強度データ(S)を出力するX線強度データ出力工程と、
前記良品の前記X線強度データに対して、前記異物を強調するための複数種類のX線画像処理フィルタ(F)により画像処理をして、前記X線画像処理フィルタ毎にX線画像データ(Iv)を生成するX線画像データ生成工程と、
該生成された複数のX線画像データ中その最大輝度値が最小となるX線画像データを生成したX線画像処理フィルタを、前記複数種類のX線画像処理フィルタ(F)の中から最適なX線画像処理フィルタとして抽出するフィルタ抽出工程と、
を備えることを特徴とするX線画像処理フィルタ自動設定方法。 - 被検査物(W)にX線を曝射する第2のX線曝射工程と、
前記X線の曝射に伴って前記被検査物を透過してくるX線の透過量に対応するX線強度データを出力する第2のX線強度データ出力工程と、
請求項1記載の方法により設定されたX線画像処理フィルタ(Fa)により画像処理を施して、検査用X線画像データ(Iw)を生成する検査用X線画像データ生成工程と、
前記検査用X線画像データに基づいて異物の有無を判定する異物判定工程と、
を備えることを特徴とするX線異物検出方法。 - 被検査物(W)にX線を曝射するX線発生器(6)と、
曝射されたX線を検出して、前記被検査物を透過してくるX線の透過量に対応するX線強度データを出力するX線検出器(7)と、
請求項1記載の方法により設定されたX線画像処理フィルタ(Fa)により画像処理を施して、検査用X線画像データ(Iw)を生成する検査用X線画像データ生成手段と、
を備えることを特徴とするX線異物検出装置。
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