JP4020476B2 - フレキシブルプリント基板を使用した電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレキシブルプリント基板を使用した電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ヒンジ部を中心にして回動自在に連結された2つの電子ユニットを電気的に相互接続するために、フレキシブルプリント基板(以下、FPCと呼ぶ)が通常使用される。
一般的にFPCは、両面に配線パターンを具えた両面FPCと、片面のみに配線パターンを具えた片面FPC、とに分けることができ、両面FPCは、片面FPCと比較して、配線パターン数に関して勝っているが、耐屈曲性能(耐繰り返し曲げ性能)が10の1以下であり、その点に関して劣っていることが知られている。
【0003】
このため、耐久性を主として考慮して、前記電子ユニットのヒンジ部を跨がるように配置されて屈曲部を成すのは、片面FPCである。
この一例として、特開平8-125299号公報には、2つのユニットの電気的接続のために片面FPCを用い、特に、片面の配線パターンの数的な少なさを解消するために、中間の広幅の片面FPC部分を重ねてその部分の幅を狭くし、この重ねた部分をヒンジ部に収納するようにした構造が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記公報の構造を含む従来構造の総てに妥当することではあるが、片面FPCを基本的に使用する限りにおいて、その配線パターンの少なさが根本的に解決するわけではない。
そこで、本発明においては、電子ユニット間のヒンジ部や可動連結箇所に適用できる耐繰り返し曲げ性能の優れた屈曲部を具え、しかも、配線パターンの少なさを根本的に解決し得た、すなわち、両面FPCの良いところと片面FPCの良いところを合わせ持つような優れたフレキシブルプリント基板を使用した電子機器を提供することをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係るフレキシブルプリント基板を使用した電子機器は、二つの電子ユニットを連結した電子機器において、該二つの電子ユニットを連結する連結部と、該連結部を通過し、該つの電子ユニットを電気的に接続するフレキシブルプリント基板とからなる電子機器であって、該フレキシブルプリント基板は、両端部が、平坦な基材の両面に第1及び第2導体パターンがそれぞれ形成された両面フレキシブルプリント基板の部分であり、中央部にて、前記基材が同一平面内にて第1の基材部分と第2の基材部分とに分岐され、第1の基材部分には第1の面上にのみ、第1の導体パターンのみが延長されて形成され第1の片面フレキシブルプリント基板の部分を構成し、第2の基材部分には第2の面上にのみ、第2の導体パターンのみが延長されて形成され第2の片面フレキシブルプリント基板の部分を構成し、これらの第1及び第2の片面フレキシブルプリント基板の部分は相互に折り重ねられ、この重ねた部分を前記連結部に位置するための屈曲部とすることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の複数の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に示す本実施態様のFPC(フレキシブルプリント基板)1は、長手方向両端部分が両面FPC部分(III で示す部分)であり、二股状に分かれているような長手方向中間部分は、屈曲部を構成し得る片面FPC部分(IIで示される部分)である。尚、他の図においても、III で示される部分が両面FPC部分、IIで示される部分が片面FPC部分である。
【0007】
両面FPC部分(III )は、ベースとなる中央の絶縁性の基材3(例えば、厚さ25μm 程度のポリイミドフィルム)と、基材3の両面に積層形成した(例えば銅製の)導体パターン層5と、更に両導体パターン層5の上に被覆形成した保護用のオーバーコート層7、とから構成される。
片面FPC部分(II)は、両面FPC部分(III )のそれと同じ基材3と、基材3の一面のみに積層形成した導体パターン層5と、その上に被覆形成したオーバーコート層7のみから構成される。
【0008】
また、図示FPC1の長手方向両端には、外部接続のためのコネクタ部9が形成される。
尚、図1(a)では、通常見え得る幾つかの(導体パターン層を構成する)配線パターンを描いてあるが、図1(b)では、それを省略してある。
ここで、図1(a)のA−A線に沿って切断して斜め前方側から斜視的に見た図2を参照する。
【0009】
二股状に分かれたFPC部分(II)の内で、図2右手側の部分は、上から下にオーバーコート層7、導体パターン層5、基材3の順序から成る片面FPC部分(II)であり、図2左手側の部分は、上から下に基材3、導体パターン層5、オーバーコート層7から成る片面FPC部分であり、当然ながら、両片面FPC(II)の基材(3)も両面FPC(III )の基材(3)も共に同じ一体(単一)のものである。
【0010】
図2右手側のFPC部分(II)は、折り曲げ線(C−C)の回りを下方側に折り曲げられて、図2左手側のFPC部分(II)の下に重ねられる。
図1(a)は折り曲げ前の(展開)状態、図1(b)は折り曲げ後の状態をそれぞれ示している。
図1(b)のB−B線に沿って矢印方向から見た図3から理解されるように、本FPC1を構成する図3右手側の両面FPC部分(III )が、折り曲げ部分(矩形状に描いた白抜きの部分)を間に挟んで、(2つの片面FPC部分(II)が重なってできる)図3左手側のFPC部分とつながっている。
【0011】
図3左手側の(2つの片面FPC部分(II)が重なってできる)FPC部分が、図示しない電子ユニット等の可動接続部に適用(配設)することが予定される屈曲部を構成できる。
両片面FPC部分(II)は、繰り返し曲げ動作時に相互に実質的に干渉・拘束しないので、片面FPCとしての利益、すなわち、優れた耐久性(耐屈曲性)を享受できる。
【0012】
しかも、本実施態様のFPCが基本的に両面FPCで構成されている(つまり、長手方向両端部分が両面FPCで構成されている)ので、片面FPCを基本とする従来のものと比較して、配設パターンの数の面で格段に優れている。
最後に、別の実施態様について、図4を参照して説明するが、前記実施態様と共通する部分・部品については同一の参照符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
【0013】
図示実施態様のFPC11は、長手方向両端部分が両面FPC部分(III )であり、三つ又状に分かれている3つの長手方向中間部分は、屈曲部を構成し得る片面FPC部分(II)である。
図4(a )右手側の片面FPC部分(II)と同左手側の片面FPC部分(II)とは、図4(b )に示すように、折り曲げられて中央の片面FPC部分(II)の上に重ねられる。
【0014】
この片面FPC部分(II)が3つ重なった部分が、図示しない電子ユニット等の可動接続部に適用(配設)することが予定される屈曲部を構成できる。
上記図1の実施態様と同じように、本実施態様においては、これら3つの片面FPC部分(III )が、繰り返し曲げ動作時に相互に実質的に干渉・拘束せず、従って、片面FPCとしての利益、すなわち、優れた耐久性(耐屈曲性)を享受できる。
【0015】
同様に、本FPC11は基本的に両面FPCで構成されている(つまり、長手方向両端部分が両面FPCで構成されている)ので、片面FPCを基本とする従来のものと比較して、配設パターンの数の面で格段に優れている。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、耐繰り返し曲げ性能の非常に優れた屈曲部を具え、しかも、配線パターンの少なさを根本的に解決し得た合理的・経済的なフレキシブルプリント基板を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様のFPCの平面図であって、同図(a)は、展開状態、同図(b)は、中間部分を折り曲げて重ねた状態を示す図である。
【図2】図1(a)のA−A線に沿って切断して斜め前方側から斜視的に見た図である。
【図3】図1(b)のB−B線に沿って矢印方向から見た要部側面図である。
【図4】別の実施態様のFPCの平面図であって、同図(a)は、展開状態、同図(b)は、中間部分を折り曲げて重ねた状態を示す図である。
【符号の説明】
1、11…FPC
3…基材
5…導体パターン層
7…オーバーコート層
9…コネクタ部
II…片面FPC部分
III …両面FPC部分

Claims (1)

  1. 二つの電子ユニットを連結した電子機器において、
    該二つの電子ユニットを連結する連結部と、
    該連結部を通過し、該つの電子ユニットを電気的に接続するフレキシブルプリント基板とからなる電子機器であって、
    該フレキシブルプリント基板は、
    両端部が、平坦な基材の両面に第1及び第2導体パターンがそれぞれ形成された両面フレキシブルプリント基板の部分であり、中央部にて、前記基材が同一平面内にて第1の基材部分と第2の基材部分とに分岐され、第1の基材部分には第1の面上にのみ、第1の導体パターンのみが延長されて形成され第1の片面フレキシブルプリント基板の部分を構成し、第2の基材部分には第2の面上にのみ、第2の導体パターンのみが延長されて形成され第2の片面フレキシブルプリント基板の部分を構成し、これらの第1及び第2の片面フレキシブルプリント基板の部分は相互に折り重ねられ、この重ねた部分を前記連結部に位置するための屈曲部とすることを特徴とする電子機器。
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