JP4019671B2 - コンテンツ配信システム、同配信方法及び同配信システムに利用される配信サーバ - Google Patents

コンテンツ配信システム、同配信方法及び同配信システムに利用される配信サーバ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音声データ(例えば着信メロディ)等のコンテンツを配信する配信サーバ、前記配信サーバと通信可能なクライアント側端末(例えばパーソナルコンピュータ等)、及び同配信サーバと通信可能な携帯端末(例えば携帯電話機等)等を有し、前記配信サーバから前記クライアント側端末又は前記携帯端末に前記コンテンツを配信するシステム、同配信方法、同配信システムに利用される配信サーバ、クライアント側端末、及び同配信システムに利用されるコンピュータに適用されるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の通信技術の発達に伴い、携帯電話やモバイルコンピュータ等の携帯端末が広く普及している。一方、これらの携帯端末にて利用されるコンテンツを取得するためのコンテンツ配信サービスも普及している。この配信サービスのうち、携帯端末の一つである携帯電話機がコンテンツの一つである着信メロディを取得するためのサービスを着信呼び出しサービスという。着信呼び出しサービスにおいては、携帯電話機のユーザが配信サーバに準備されている多数の曲データの中から所望の曲データを選択して配信を要求し、配信サーバはその要求に基づいてユーザの選択した曲データを携帯電話機に配信する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術において、配信サーバからクライアント側端末(携帯端末を含む)に対し同配信サーバの有するデータがそのまま配信されると、そのクライアント側端末のデータ実行手段によってはサーバの有するデータが狙いとする内容とは異なる内容(例えば、音色が異なる等)となって実行されることがある。
【0004】
【本発明の概要】
【0005】
本発明の特徴は、第1端末と、前記第1端末と通信可能な配信サーバと、前記配信サーバと通信可能であって同配信サーバから配信された曲データを再生するコンテンツ実行手段を備える第2端末とを有し、前記配信サーバが有するコンテンツ(曲データ)を同配信サーバから前記第2端末に配信するコンテンツ配信システムであって、前記配信サーバは、複数の曲データを格納したデータベースと、前記第1端末から送信される前記第2端末のコンテンツ実行手段の環境に関するデータに応じて前記データベースに格納されている曲データを同第2端末のコンテンツ実行手段により再生される曲データである正規の曲データとして加工する正規の曲データ加工手段と、前記第1端末又は前記第2端末からの正規の曲データの配信要求に応じて前記正規の曲データとして加工された曲データを同第2端末に配信する正規の曲データ配信手段と、前記第1端末からの試聴用曲データの配信要求に応じて試聴用曲データを同第1端末に配信する試聴用曲データ配信手段と、を備え、前記第1端末は、前記第2端末のコンテンツ実行手段の環境に関するデータを前記配信サーバに送信する環境データ送信手段と、前記配信サーバに対して試聴用曲データの配信を要求する試聴用曲データ配信要求手段と、前記配信サーバから配信された試聴用曲データを再生するコンテンツ実行手段と、を備え、前記第1端末及び前記第2端末の少なくとも一方は前記配信サーバに対して前記正規の曲データの配信を要求する正規の曲データ配信要求手段を備えたことにある。
【0006】
上記のように構成すれば、第2端末のコンテンツ実行手段の環境(例えば、音源方式、音源回路、使用するデータがどのような圧縮方法で圧縮されたものであるか等)に関するデータに応じて前記データベースに格納されているコンテンツ(曲データ)が加工され、同加工されたコンテンツが同第2端末に配信される。従って、第2端末のコンテンツ実行手段により前記曲データが好適に再生され得る。
【0008】
また、第1端末と第2端末とを用いて第1端末から第2端末のコンテンツ実行手段の環境に関するデータが配信サーバに送信され、配信サーバはその環境に関するデータに応じたコンテンツ(曲データ)を第2端末に配信する。この場合、配信サーバは、データベースに格納されているコンテンツを加工・変換する。このようにして、第1端末を使用しながら第2端末のコンテンツ実行手段に適合したコンテンツを配信サーバから第2端末に配信させることができる。更に、このシステムの配信サーバは、前記第1端末から試聴用曲データの配信が要求された場合、前記第1端末のコンテンツ実行手段にて同第1端末に配信される試聴用曲データを再生した際の音色が、前記第2端末のコンテンツ実行手段にて同試聴用曲データに対応する正規の曲データを再生した際の音色に近似するように、前記第2端末のコンテンツ実行手段の環境に関するデータと前記第1端末のコンテンツ実行手段の特性とに応じて前記データベースに格納されている曲データを前記第1端末に配信する試聴用曲データとして加工する試聴用曲データ加工手段を備える。従って、第1端末にて試聴用曲データを再生した結果(音色)を、第2端末にて正規の曲データを再生した場合の結果(音色)と近似させることができる。
【0009】
上記は、コンテンツ配信システムの発明の概要を説明したが、本発明は、かかる配信システムを構成する配信サーバ、クライアント側端末(第1端末)、携帯端末(第2端末)、その方法、及びその処理を含むプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体についても同様に適用される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるコンテンツ配信システムの各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、本発明によるコンテンツ配信システムの第1実施形態の概略系統図である。ここで配信されるコンテンツは、携帯電話機の着信メロディデータ(音声データ,曲データ)である。着信メロディとは、携帯電話機60に着信があった場合の呼び出し音として同携帯電話機60から発生される音声(曲)である。
【0012】
第1実施形態のシステムは、インターネット10を利用した構成となっている。インターネット10にはコンテンツの配信サーバとしての音声データ配信サーバ20、クライアント側端末(「第1端末」とも称する)30、中継サーバ40、及び課金サーバ80が接続されていて、これらは互いに通信可能(データ交換可能)になっている。また、中継サーバ40には無線基地局50が接続され、携帯端末(「第2端末」とも称する)としての携帯電話機60は、無線基地局50、中継サーバ40、及びインターネット10を介して、音声データ配信サーバ20及びクライアント側端末30と通信可能となっている。なお、携帯電話機60とクライアント側端末30は、インターネット10等を介さずに、ケーブルを介して、又は無線(電波又は赤外線等)によって直接通信可能としてもよい。
【0013】
音声データ配信サーバ20は、コンピュータを含んで構成され、クライアント側端末30からの要求に従って試聴用音声データ(試行用コンテンツ)及び正規の音声データ(コンテンツ)を同クライアント側端末30及び携帯電話機60にそれぞれ配信するためのものであり、WEBサーバ21、コンテンツとして多数の音声データ(この例では、着信メロディとして使用される多数の正規の曲データ、及び正規の曲データの各々に対応した多数の試聴用曲データ)を蓄積した音声データのデータベース22、携帯電話機60のユーザに対して課金を行うため情報を蓄積する課金データベース23、及び携帯電話番号、暗証番号、ユーザ名等からなる携帯電話機60のユーザに関するデータを蓄積したユーザ管理データベース24とを備えている。上記音声データのデータベース22内の各音声データには、後述する検索のために、同各音声データを利用可能である携帯電話機60の機種、ジャンル、アーティスト、作曲者、作詞者、歌い出しの歌詞、キーワード(クリスマス、夏、朝、恋等)、年代、及びCMソングやドラマ主題歌等の特記事項等が関連づけられていて、これらが同各音声データとともに音声データのデータベース22内に記憶されている。なお、上記正規の曲データを配信サーバ20が配信する「正規のコンテンツ」又は単に「コンテンツ」と呼び、これと区別するため上記試聴用曲データを「試行用コンテンツ」と呼ぶことがある。
【0014】
WEBサーバ21は、実際にはコンピュータ内に記憶されたプログラムであり、データベース22〜24から必要なデータを取出し、同データを所定の通信プロトコル(例えばHTTP)にしたがってクライアント側端末30、中継サーバ40、及び課金サーバ80に供給するとともに、クライアント側端末30、中継サーバ40、及び課金サーバ80から所定の通信プロトコルにしたがって供給されるデータを受信して処理し、処理したデータを必要に応じてデータベース22〜24に蓄積するようになっている。
【0015】
クライアント側端末30は、パーソナルコンピュータPCを主要構成としていて、より具体的には、図2に示したように、ディスプレイ31、スピーカ32,32、制御部33、及び入力装置としてマウスを含むキーボード34からなっている。制御部33は、何れもプログラムにより作動するWEBブラウザ33aとプレーヤ33bとを含むとともに、インターネット10とWEBブラウザ33aとの通信を制御する通信部33c、及び前記スピーカ32,32と接続された音源回路33dとからなっている。WEBブラウザ33a、及びプレーヤ33bは、キーボード34からの入力に応答するように同キーボード34と接続されている。また、WEBブラウザ33aとプレーヤ33bとは互いにデータ交換可能に接続されて協働し、WEBブラウザ33aに接続されたディスプレイ31を制御して所定の表示を行うとともに、WEBブラウザ33a及びプレーヤ33bに接続された音源回路33dを制御してスピーカ32,32から発音するようになっている。音源回路33dは音源を含み、この音源は携帯電話機60の音源を模したものではなく、通常のGM(General MIDI)音源等である。なお、後述するように、プレーヤ33bは、試聴用曲データ(試行用コンテンツ)を音源回路33d及びスピーカ32,32により再生する。即ち、これらプレーヤ33b、音源回路33d、及びスピーカ32,32は、試行用コンテンツを再生する試行手段を構成している。
【0016】
再び図1を参照すると、中継サーバ40は、コンピュータを含んで構成され、音声データ配信サーバ20及びクライアント側端末30からインターネット10を介して供給されるデータを所定の信号に変換して無線基地局50に送信するように構成されている。無線基地局50は、中継サーバ40から供給された信号を変調し、この変調した信号を携帯電話機60に対し発信するようになっている。また、無線基地局50は携帯電話機60から発信された信号を復調し、この復調した信号を中継サーバ40に供給し、中継サーバ40は無線基地局50から供給された信号を所定のデータに変換し、この変換したデータを音声データ配信サーバ20及びクライアント側端末30に対し前記所定のプロトコルにしたがって供給するようになっている。
【0017】
携帯電話機60は、図3のブロック図により示したように、CPU61、ROM62、RAM63、不揮発性のRAM64、及びメモリカード等の外部記憶装置65、及び他のコンピュータ等と有線によるデータ通信を可能とする通信インターフェース66を備えていて、これらはバスを介して互いに接続され、CPU61により制御されるようになっている。なお、不揮発性RAM64は、EEPROMであってもよい。
【0018】
また、携帯電話機60は、アンテナ67、同アンテナ67に接続された送受信回路68、送受信回路68に接続されアンテナ67が受信した受信信号を復調するとともに、CPU61の制御により与えられアンテナ67から発信すべき信号を変調する変調・復調回路69、電話番号又はその他の指示を入力するための複数の押し釦式スイッチ等を有するパネル操作子70、パネル操作子70と接続され同パネル操作子70のスイッチングを検出する検出回路71、数字及び文字情報を表示するディスプレイ72、ディスプレイ72の表示を制御する表示回路73、音源回路74、音源回路74と接続された効果回路75、及び効果回路75と接続され増幅器及びスピーカを含むサウンドシステム76を備えている。このうち、変調・復調回路69、検出回路71、表示回路73、音源回路74、及び効果回路75はバスを介して互いに接続され、CPU61により制御されるようになっている。
【0019】
CPU61は、同CPU61に接続されたタイマ61aのクロック情報を利用しながら、ROM62、外部記憶装置65に記憶されたプログラムを実行するようになっている。RAM63は、CPU61が上記プログラムを実行する際に必要なデータ、及び受信した音声データ等のデータを一時的に記憶する記憶手段として機能するようになっている。不揮発性RAM64は、図示しない主電源が投入(「オン」)されているときに書込みがなされたデータを、同主電源の「オフ」時においても記憶・保持し得るようになっていて、同主電源の「オン」時にCPU61の要求にしたがって同CPU61に記憶・保持しているデータを供給するようになっている。この不揮発性RAM64は、携帯電話機60に着信があったとき、同携帯電話機60がサウンドシステム76から発音する着信メロディを記憶(登録)しておく登録手段の一部を構成している。また、CPU61は、携帯電話機60に着信があったとき、前記登録されている着信メロディのうち作動する着信メロディとして設定してあるものを不揮発性RAMより読出し、音源回路74、音源回路74と接続された効果回路75、及び効果回路75と接続され増幅器及びスピーカを含むサウンドシステム76により再生する。即ち、これらは、携帯電話機60のコンテンツ実行手段を構成している。
【0020】
課金サーバ80は、コンピュータを含んで構成され、上記ユーザに対する課金を管理するためのものであって、音声データ配信サーバ20からインターネット10を介して供給されるデータにしたがって携帯電話機60のユーザに対して課金を行うようになっている。具体的には、課金サーバ80はユーザが口座(銀行口座)を有する金融機関(銀行)のコンピュータと必要なデータ通信を行い、同ユーザの口座から音声データ配信サービスの利用料金を自動的に引き落とすように構成されている。
【0021】
なお、課金サーバ80によりユーザに対する請求書を発行させ、同請求書をユーザに対して郵送するように構成してもよく、金融機関はユーザの有するクレジットカードの管理会社であってもよい。更に、携帯電話機60の通話料金に音声データの購入金額を加算する形で課金を行ってもよい。課金方式は、1曲(1曲分の音声データを)購入する毎に所定金額(例えば、1曲あたり50円)を課金する従量制方式でもよいし、所定の基本料金で所定の期間内に所定の複数曲を購入可能とし(例えば、300円で一ヶ月以内に10曲まで購入可能)、1曲購入する毎に前記所定期間内に購入可能な残り曲数を減算する固定料金方式でもよい。或いは、上記従量制方式と上記固定料金方式を合わせた方式(例えば、所定の期間内に購入する曲数が所定の複数曲までは所定の基本料金とし、それ以降は1曲購入する毎に所定料金を加算する)としてもよい。
【0022】
次に、このように構成されたコンテンツ配信システムの作動について、図4を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態においては、クライアント側端末30と携帯電話機60とは正規の同一ユーザに属するものとする。
【0023】
先ず、ユーザはキーボード34を操作してWEBブラウザ33aを起動するとともに、同WEBブラウザ33aにより音声データ配信サーバ20のWEBサーバ21にアクセスする(S400)。WEBサーバ21は、このアクセス動作に応答して音声データのデータベース22に蓄積されたデータの中から、携帯電話機60に配信し得るコンテンツの一覧(着信メロディのリスト)を読出し、これをWEBブラウザ33aに送信する(S402)。
【0024】
WEBブラウザ33aは、上記コンテンツ一覧を受信すると、これをディスプレイ31上に試聴曲リストとして表示する。ユーザは、この表示を見ながら試聴を希望する曲(試聴曲)を選択し、マウス操作によって同試聴曲を特定する。これにより、WEBブラウザ33aはユーザにより特定された試聴曲のデータ(試聴用曲データ)の配信をWEBサーバ21に要求する(S404)。
【0025】
WEBサーバ21は、上記試聴用曲データの配信要求を受信すると、同要求された試聴用曲データをダウンロードするためのページ(ダウンロード用ページ)のURL(Uniform Resource Locator)を検索し、同検索したURLをWEBブラウザ33aに送信する(S406)。WEBブラウザ33aは受信したURLをプレーヤ33bに供給する(S408)。プレーヤ33bは、上記URLを受け取ると、このURLをディスプレイ31上に表示する。そして、ユーザは、試聴用曲データの取得を望む場合、表示されたURLをマウスによりクリックする。これにより、プレーヤ33bは、ダウンロードの指示信号をWEBブラウザ33aに対して発生し(S410)、WEBブラウザ33aは同ダウンロードの指示信号をWEBサーバ21に送信する(S412)。
【0026】
WEBサーバ21は、上記ダウンロードの指示信号を受信すると、音声データのデータベース22から上記ユーザにより特定された試聴用曲データを読出し、これを試聴曲ファイルとしてWEBブラウザ33aに送信し(S416)、WEBブラウザ33aはこれをプレーヤ33bに供給する(S418)。この場合、WEBサーバ21はユーザに対する課金を行わない。なお、試聴曲ファイルは、例えば、MIDIファイル、又はオーディオファイルである。また、試聴曲ファイルの形式は、プレーヤ33bが対応できる範囲内で、携帯電話機60にて使用する形式であってもよく、試聴用として正規の曲データを加工した形式であってもよい。
【0027】
一方、ユーザは、上記試聴曲ファイルの受信を確認するとマウス及びキーボード34を操作して同試聴曲ファイル内の試聴用曲データを音源回路33dにより再生し、スピーカ32から発音させて試聴を行う(試行を実行する)。
【0028】
WEBサーバ21は、試聴曲ファイルの送信と同時にユーザに対して携帯電話機60の着信メロディとして使用され得る正規の曲データの購入を促すための画面データをWEBブラウザ33aに送信し(S420)、WEBブラウザ33aはこれをプレーヤ33bに供給する(S422)。プレーヤ33bは、この購入促進画面データをディスプレイ31上に表示する。ユーザは、試聴した曲に対応する正規の曲データの購入を希望する場合には、ディスプレイ31上の「1:購入」と表示された部分をマウスにてクリックする。また、正規の曲データの購入を希望しない場合には「2:購入しない」と表示された部分をマウスにてクリックする。このとき、「2:購入しない」と表示された部分をマウスにてクリックすると、WEBブラウザ33aは再び試聴用曲データのリストを表示する。
【0029】
一方、ユーザが「1:購入」と表示された部分をクリックすると、プレーヤ33bはWEBブラウザ33aに対して購入指示信号を供給し(S424)、WEBブラウザ33aはWEBサーバ21に対して前記購入指示信号を送信する(S426)。WEBサーバ21は、前記購入指示信号を受信すると、メールアドレス入力用画面データをWEBブラウザ33aに送信する(S428)。WEBブラウザ33aは、前記メールアドレス入力用画面データを受信すると、これをディスプレイ31上に表示する。この結果、ディスプレイ31上には正規の曲データの配信を希望するユーザの携帯電話機60のメールアドレスを入力するための画面が表示される。
【0030】
ユーザは、上記画面に従って携帯電話機60のメールアドレスをキーボード34を用いて入力する。入力が完了すると、WEBブラウザ33aはWEBサーバ21に対し入力されたメールアドレスを送信する(S430)。
【0031】
WEBサーバ21は、上記メールアドレスを受信すると、同メールアドレスをあて先とした電子メールによりURLを送信する(S432)。このURLは、後に携帯電話機60がWEBサーバ21から正規の曲データをダウンロードにより受信するためのダウンロード用ページのURLである。なお、上記電子メールは、WEBサーバ21から中継サーバ40、無線基地局50を介して携帯電話機60に送信される。
【0032】
携帯電話機60は、上記URLを受信すると、これを同携帯電話機60のディスプレイ72上に表示する。そして、ユーザはパネル操作子70を使用して表示されたURLをクリックする。これにより、携帯電話機60は、WEBサーバ21の前記URLにより特定されるダウンロード用ページにアクセスする(S434)。このとき、WEBサーバ21は、前記ダウンロード用のページを検索して同ダウンロード用のページを携帯電話機60に送信する(S436)。携帯電話機60は、送信されたダウンロード用ページをディスプレイ72上に表示する。
【0033】
ユーザは、上記ディスプレイ72上の「ダウンロード」と表示された部分を操作子70を操作してクリックする。これにより、携帯電話機60は、WEBサーバ21に対してダウンロードの指示、即ち正規の曲データの購入指示(配信要求)を送信する(S438)。WEBサーバ21は、このダウンロード指示を受信すると、携帯電話機60に正規の曲データを配信するとともに、携帯電話機60のユーザに対する課金処理を行う。
【0034】
ここで、上記課金処理について説明を加えると、WEBサーバ21は、課金データベース23に、当該曲データの配信料金を同曲データを購入したユーザに関連させて書込み、所定のタイミングにて課金サーバ80に対して当該ユーザを特定するために必要な電話番号や氏名等のデータ、及び前記書込んだ料金に関するデータを送信する。課金サーバ80は、このデータに基づいて携帯電話機60のユーザの銀行口座から料金を引き落とすために必要な処理を実行する。なお、ユーザを特定するための電話番号や氏名等のデータは、予め携帯電話機60やクライアント側端末30から課金サーバ80に登録しておく。
【0035】
以上により、携帯電話機60は正規の曲データを配信サーバ20から受信し、ユーザは必要に応じこれを携帯電話機60の着信メロディとして登録する。より具体的には、携帯電話機60は、受信した正規の曲データをRAM63内に蓄積し、その後、ユーザによるパネル操作子70の所定の操作があると、不揮発性RAM64に記憶されている登録日時が最も古い曲データ検索して同データを削除し、この削除したデータが記憶されていた領域に前記受信した正規の曲データを受信日時とともに記憶する。これにより、今回購入した正規の曲データは、携帯電話機60のユーザにより同携帯電話機60の着信時に再生されるメロディとして選択され得る登録曲データの一つとなる。
【0036】
以上説明したように、第1実施形態によれば、クライアント側端末30での操作に基づいて同クライアント側端末30に音声データ配信サーバ20から試聴用曲データが配信され、ユーザはこの試聴用曲データに基づいてクライアント側端末30にて正規の曲データの試聴を行うことができる。また、クライアント側端末30での操作に基づいて携帯電話機60には正規の曲データのダウンロード用ページのURLが送信され、以降は携帯電話機60側での簡単なクリック操作により同正規の曲データが同携帯電話機60にダウンロードされる。従って、ユーザは、試聴用曲データ及び正規の曲データの取得、及び試聴を容易に行うことができる。また、試聴用曲データの取得時にはユーザに対する課金がなされないため、この着信メロディ配信サービスはユーザ満足度の高いものとなる。
【0037】
なお、第1実施形態において、メールアドレス入力用画面データの送信(S428)、ダウンロード用ページのURLの送信(S432)、ダウンロードの指示(S438)、及び正規の曲データの配信(S440)は、音声データ配信サーバ20のコンテンツ配信手段による機能である。試聴用曲データの要求(S404)、購入指示の送信(S424,S426)、メールアドレスの送信(S430)はクライアント側端末30のコンテンツ要求手段による機能である。また、試聴用曲データの要求(S404)はクライアント側端末30の試行用コンテンツ要求手段による機能であり、試聴用曲データをダウンロードするページのURLの送信(S406)、試聴用曲ファイルの送信(S416)は音声データ配信サーバ20の試行用コンテンツ配信手段の機能である。
【0038】
(第2実施形態)
次に、本発明によるコンテンツ配信システムの第2実施形態について説明すると、第2実施形態はクライアント側端末30のWEBブラウザ33aが試聴曲ファイルを取得するまでの作動のみが第1実施形態と異なっている。従って、以下においては、図5を参照しながら第1実施形態との相違点について説明する。
【0039】
第2実施形態においても、ユーザはキーボード34を操作してWEBブラウザ33aを起動するとともに、同WEBブラウザ33aにより音声データ配信サーバ20のWEBサーバ21にアクセスする(S500)。WEBサーバ21は、このアクセス動作に応答して音声データのデータベース22に蓄積されたデータの中から、携帯電話機60に配信し得るコンテンツの一覧(着信メロディのリスト)を読出し、これをWEBブラウザ33aに送信する(S502)。
【0040】
WEBブラウザ33aは、上記コンテンツ一覧を受信すると、これをディスプレイ31上に試聴曲リストとして表示する。ユーザは、この表示を見ながら試聴用曲(試聴を希望する曲)を選択し、マウス操作によって同試聴曲を特定する。これにより、WEBブラウザ33aはユーザにより特定された試聴曲のデータ(試聴用曲データ)の配信をWEBサーバ21に要求する(S504)。ここまでの作動は、第1実施形態と同一である。
【0041】
WEBサーバ21は、上記試聴曲の配信要求を受信すると、同要求された試聴用曲データを検索して読出し、これを試聴曲ファイルとしてWEBブラウザ33aに送信する(S506)。そして、この試聴曲ファイルを受信したWEBブラウザ33aはこれをプレーヤ33bに供給する(S508)。ユーザは、この試聴用曲データの受信を確認するとマウス及びキーボード34を操作して同試聴用曲データを音源回路33dにより再生し、スピーカ32から発音させて試聴を行う。以上により、クライアント側端末30での試聴が行われ、ユーザはこの試聴に基づいて試聴曲の購入を検討する。以降における正規の曲データの購入指示、携帯電話機60への配信等は第1実施形態と同一である。
【0042】
このように、第2実施形態によれば、クライアント側端末30にて操作を行うだけで、同クライアント側端末30にて使用する試聴用曲データを簡単に取得することができる。
【0043】
(第3実施形態)
次に、本発明によるコンテンツ配信システムの第3実施形態について説明すると、第3実施形態はクライアント側端末30への試聴用曲データの配信までは第2実施形態と同一であり、音声データ配信サーバ20への購入指示の送信から携帯電話機60への正規の曲データの配信までが、第1及び第2実施形態と異なっている。従って、以下においては、図6を参照しながら、購入指示〜正規の曲データの配信までについて説明する。
【0044】
WEBサーバ21は、試聴曲ファイルの送信(S506)と同時にユーザに対して携帯電話機60の着信メロディとして使用され得る正規の曲データの購入を促すための画面データをWEBブラウザ33aに送信し(S600)、WEBブラウザ33aはこれをプレーヤ33bに供給する(S602)。プレーヤ33bは、この購入促進画面データをディスプレイ31上に表示する。ユーザは、試聴した曲に対応する正規の曲データの購入を希望する場合には、ディスプレイ31上の「1:購入」と表示された部分をマウスにてクリックする。また、正規の曲データの購入を希望しない場合には「2:購入しない」と表示された部分をマウスにてクリックする。このとき、「2:購入しない」と表示された部分をマウスにてクリックすると、WEBブラウザ33aは再び試聴用曲データのリストを表示する。
【0045】
一方、ユーザが「1:購入」と表示された部分をクリックすると、プレーヤ33bはWEBブラウザ33aに対して購入指示信号を供給し(S604)、WEBブラウザ33aはWEBサーバ21に対して前記購入指示信号を送信する(S606)。WEBサーバ21は、前記購入指示信号を受信すると、携帯電話機60を特定するデータ(携帯端末特定用データ)を入力するための入力用画面データをWEBブラウザ33aに送信する(S608)。WEBブラウザ33aは、前記入力用画面データを受信すると、これをディスプレイ31上に表示する。この結果、ディスプレイ31上には正規の曲データの配信を希望する携帯電話機60を特定するデータを入力するための画面が表示される。このデータには、例えば、電話番号、ユーザの氏名、及び暗証番号が含まれる。暗証番号を入力させるのは、携帯電話機60が正規のユーザによって使用されていることを確認するためである。
【0046】
ユーザは、上記画面に従って携帯電話機60を特定するデータをキーボード34を用いて入力する。入力が完了すると、WEBブラウザ33aはWEBサーバ21に対し入力されたデータを送信する(S610)。これが、実質的に正規の曲データの配信要求信号(購入指示信号)となる。
【0047】
WEBサーバ21は、上記携帯電話機60を特定するデータを受信すると同携帯電話機60に正規の曲データを直接配信する(S612)とともに、携帯電話機60のユーザに対する課金処理を行う。課金処理については、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。以上により、携帯電話機60は正規の曲データを配信サーバ20から受信し、ユーザは必要に応じこれを携帯電話機60の着信メロディとして登録する。
【0048】
以上、説明したように、第3実施形態によれば、クライアント側端末30での操作のみに基づいて携帯電話機60に正規の曲データが配信されるので、ユーザは簡単に同正規の曲データを取得することができる。
【0049】
(第3実施形態の変形例)
この変形例は、最終的にWEBサーバ21から携帯電話機60に正規の曲データが配信される際の作動のみが上記実施形態とは異なっている。即ち、図6中に破線にて示したように、WEBサーバ21は、上記携帯電話機60を特定するデータを受信すると、クライアント側端末30(WEBブラウザ33a又はプレーヤ33b)に正規の曲データを直接配信し(S620)、これを受けたクライアント側端末30は同正規の曲データを携帯電話機60に送信する(S622)。このように、クライアント側端末30を経由して正規の曲データを携帯電話機60に送信してもよい。また、この際、正規の曲データを電子メールの添付書類として送信することもできる。なお、この場合には、携帯端末特定用データに代わり、クライアント側端末30のメールアドレスを音声データ配信サーバ20に予め送信しておく。
【0050】
(第4実施形態)
次に、本発明によるコンテンツ配信システムの第4実施形態について図7を参照しながら説明すると、同第4実施形態はクライアント側端末30に試聴用曲データが配信されず、同クライアント側端末30は音声データ配信サーバ20(WEBサーバ21)から携帯電話機60に曲データを配信する指示を行うように機能するのみである点で、上記第1〜第3実施形態と異なっている。
【0051】
即ち、ユーザはキーボード34を操作してWEBブラウザ33aを起動するとともに、同WEBブラウザ33aにより音声データ配信サーバ20のWEBサーバ21にアクセスする(S700)。WEBサーバ21は、このアクセス動作に応答して音声データのデータベース22に蓄積されたデータの中から、携帯電話機60に配信し得るコンテンツの一覧(着信メロディのリスト)を読出し、これをWEBブラウザ33aに送信する(S705)。
【0052】
WEBブラウザ33aは、上記コンテンツ一覧を受信すると、これをディスプレイ31上に購入曲リストとして表示する。ユーザは、この表示を見ながら購入を希望する曲(購入曲)を選択し、マウス操作によって同購入曲を特定する。これにより、WEBブラウザ33aはユーザが購入を希望する曲名のデータをWEBサーバ21に送信する(S710)。
【0053】
WEBサーバ21は、前記送信された曲名のデータを受信すると、同曲名に対応する正規の曲データの配信がなされるべき携帯電話機60のメールアドレスを特定するデータをクライアント側端末30から入力させるための入力用画面データをWEBブラウザ33aに送信する(S715)。WEBブラウザ33aは、前記入力用画面データを受信すると、これをディスプレイ31上に表示する。この結果、ディスプレイ31上には上記正規の曲データの配信を希望する携帯電話機60を特定するデータを入力するための画面が表示される。このデータには、例えば、電話番号、ユーザの氏名、暗証番号、及び携帯電話機60のメールアドレス等が含まれる。
【0054】
ユーザは、上記画面に従って携帯電話機60を特定するデータをキーボード34を用いて入力する。入力が完了すると、WEBブラウザ33aはWEBサーバ21に対し入力されたデータ(携帯端末のメールアドレスを含む携帯端末特定用データ)を送信する(S720)。これが、実質的に正規の曲データの配信要求信号(購入指示信号)となる。
【0055】
WEBサーバ21は、上記携帯電話機60を特定するデータを受信すると同携帯電話機60のメールアドレスに電子メールを送信する(S725)。この電子メールには、上記正規の曲データ(WEBブラウザ33aから音声データ配信サーバ20に送信された曲名に対応する曲データ)が添付されていて、これにより、正規の曲データの配信が行われる。また、このとき、WEBサーバ21は、携帯電話機60のユーザに対する課金処理を行う。課金処理については、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。このようにして、携帯電話機60は曲データを配信サーバ20から受信し、ユーザは必要に応じこれを携帯電話機60の着信メロディとして登録する。
【0056】
以上、説明したように、第4実施形態によれば、クライアント側端末30での入力により正規の曲データの配信を望む携帯電話機60を特定するデータ(メールアドレスを含む)が同クライアント側端末30から音声データ配信サーバ20に送信されるようになっている。また、クライアント側端末30での操作に基づいて携帯電話機60には同携帯電話機60をアドレスとする電子メールの添付書類として正規の曲データが配信される。従って、ユーザは、簡単な操作で正規の曲データを取得することができる
【0057】
(第5実施形態)
次に、本発明によるコンテンツ配信システムの第5実施形態について説明すると、第5実施形態はクライアント側端末30への試聴用曲データの配信までは第2実施形態と同一であり、音声データ配信サーバ20への購入指示の送信から携帯電話機60への正規の曲データの配信までが、第1及び第2実施形態と異なっている。従って、以下においては、図8を参照しながら、購入指示〜正規の曲データの配信までについて説明する。
【0058】
WEBサーバ21は、試聴曲ファイルの送信(S506)と同時にユーザに対して携帯電話機60の着信メロディとして使用され得る正規の曲データの購入を促すための画面データをWEBブラウザ33aに送信し(S800)、WEBブラウザ33aは、受信した購入促進画面データをディスプレイ31上に表示する。ユーザは、試聴した曲に対応する正規の曲データの購入を希望する場合には、ディスプレイ31上の「1:購入」と表示された部分をマウスにてクリックする。また、正規の曲データの購入を希望しない場合には「2:購入しない」と表示された部分をマウスにてクリックする。そして、ユーザが「1:購入」と表示された部分をクリックすると、WEBブラウザ33aはWEBサーバ21に対して購入指示信号を送信する(S805)。
【0059】
WEBサーバ21は、前記購入指示信号を受信すると、正規の曲データの配信がなされるべき携帯電話機60のメールアドレスを特定するデータをクライアント側端末30から入力させるための入力用画面データをWEBブラウザ33aに送信する(S810)。WEBブラウザ33aは、前記入力用画面データを受信すると、これをディスプレイ31上に表示する。この結果、ディスプレイ31上には購入希望の正規の曲データの配信を望む携帯電話機60を特定するデータを入力するための画面が表示される。このデータには、例えば、電話番号、ユーザの氏名、暗証番号、及び携帯電話機60のメールアドレス等が含まれる。
【0060】
ユーザは、上記画面に従って携帯電話機60を特定するデータをキーボード34を用いて入力する。入力が完了すると、WEBブラウザ33aはWEBサーバ21に対し入力されたデータを送信する(S815)。
【0061】
WEBサーバ21は、上記携帯電話機60を特定するデータを受信すると同携帯電話機60のメールアドレスに電子メールを送信する(S820)。この電子メールには、上記購入希望の正規の曲データが添付されている。以上により、正規の曲データの配信がなされる。このとき、WEBサーバ21は、携帯電話機60のユーザに対する課金処理を行う。課金処理については、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。このようにして、携帯電話機60は正規の曲データを配信サーバ20から取得し、ユーザは必要に応じこれを携帯電話機60の着信メロディとして登録する。
【0062】
以上、説明したように、第5実施形態によれば、クライアント側端末30での操作に基づいて同クライアント側端末30に音声データ配信サーバ20から試聴用曲データが配信され、ユーザはこの試聴用曲データに基づいてクライアント側端末30にて正規の曲データの試聴を行うことができる。また、クライアント側端末30での操作に基づいて携帯電話機60には同携帯電話機60をアドレスとする電子メールの添付書類として正規の曲データが配信される。従って、ユーザは、試聴用曲データ及び正規の曲データの取得、及び試聴を容易に行うことができる。
【0063】
(第6実施形態)
次に、本発明による第6実施形態について図9〜図12を参照しながら説明する。第6実施形態においては、ユーザは所望の検索条件に基づいて試聴を希望する曲、及び携帯電話機60への配信を希望する曲を検索することができるとともに、携帯電話機60からWEBサーバ21に直接アクセスして曲データの配信を受けるように構成されている点で第1実施形態と相違している。
【0064】
具体的には、ユーザはキーボード34を操作してWEBブラウザ33aを起動するとともに、同WEBブラウザ33aにより音声データ配信サーバ20のWEBサーバ21にアクセスする(S900)。WEBサーバ21は、このアクセス動作に応答して曲データの検索画面データをWEBブラウザ33aに送信する(S902)。WEBブラウザ33aは、上記検索画面データを受信すると、これをディスプレイ31上に表示する。
【0065】
この検索画面は、図10に示したように、携帯端末(携帯電話機60)の機種1001、ジャンル(音楽のジャンル)1002、アーティスト1003、作曲者1004、作詞者1005、歌い出しの歌詞1006等の検索に必要なデータ(検索ターム)を入力することができるように構成されている。検索に必要なデータは、上記の他、キーワード(クリスマス、夏、朝、恋等)、年代、CMソングやドラマ主題歌等の特記事項等であってもよい。更に、この検索画面においては、部分一致検索を行うか前方一致検索を行うかがラジオボタン1007,1008により選択できるようになっている。なお、上記携帯端末の機種については、具体的な携帯電話機60のメーカ名及び機種名等とすることもできるが、「単音」、「3和音」、「4和音」等の携帯電話機60の音源方式(音源回路)の種類とすることもできる。この携帯端末の機種は、同携帯端末のコンテンツ実行手段の環境に関するデータに相当する。
【0066】
また、上記携帯端末の機種、ジャンルについては、各データ入力欄の右端に配置された下向き三角マークを付したボタン1001a、1002aをそれぞれクリックすることにより、各データの代表的なものが表示され、ユーザはその中の一つをマウスによりクリックして選択できるようになっている。その他の検索条件は任意のテキストデータをキーボード34から入力するようになっている。
【0067】
そして、ユーザが検索に必要なデータを入力して、検索実行ボタン1009をクリックすると、WEBブラウザ33aはWEBサーバ21に対して上記入力された検索条件を送信する(S904)。なお、検索に必須のデータを、例えば、携帯端末の機種(携帯端末の実行手段の種類)、ジャンル、及び歌い出しの歌詞のみとし、他の条件は任意とすることができる。図10に示した例では、携帯端末機種として「A社のX端末」、ジャンルとして「日本のポップス」、歌い出しの歌詞として「春」が検索条件とされ、検索の方式は「部分一致検索」である。なお、ラジオ式ボタン1007で選択される部分一致検索は、入力した条件(検索ターム)が部分的にでも一致するときに条件が満たされたとする検索であり、ラジオ式ボタン1008で選択される前方一致検索は、入力した条件(検索ターム)が検索対象のデータの最初の部分から一致するときに条件が満たされたとする検索である。
【0068】
WEBサーバ21は、上記検索条件を受信すると音声データのデータベース22内において同検索条件を満足する曲データの検索を行う。WEBサーバ21は、検索が終了すると、検索結果である複数の曲データの曲名リストと、各曲に唯一定められ各曲を表すデータであって例えば4桁の数字からなる曲識別情報である曲識別番号(即ち、コンテンツを特定するためのコンテンツ特定データ)、及び同各曲に関連付けられている上記検索タームとからなるデータを送信する(S906)。WEBブラウザ33aは、この検索結果を受信すると同検索結果をディスプレイ31上に表示する。
【0069】
この検索結果を表示する画面は、図11に示したように、横軸に連続番号1101、曲識別番号1102、試聴要求ボタン1103、ジャンル1104、曲名1105、アーティスト1106、作曲者1107、作詞者1108、歌い出しの歌詞1109、及び正規の曲データを携帯電話機60にダウンロードするためのページのURLが記載された電子メールを同携帯電話機60に送信するための送信ボタン1110を有する表となっていて、上記連続番号順に検索結果が表示される。
【0070】
ユーザは、上記検索結果の画面を参照して試聴を希望する曲を選択し、同選択した曲の試聴要求ボタン1103をマウスによりクリックする。これにより、WEBブラウザ33aは、選択した試聴曲を特定するデータ、即ちその曲識別番号とともに、同試聴曲の試聴用曲データの配信を要求する要求信号をWEBサーバ21に送信する(S908)。
【0071】
WEBサーバ21は、上記試聴曲の要求信号を受け取ると、上記送信された曲識別番号に対応する正規の曲データを音声データのデータベース22から読出し、この正規の曲データを前記送信された携帯電話機60の機種(音源回路,音源方式、即ち携帯電話機60の実行手段の種類、即ち、携帯端末としての携帯電話機60のコンテンツ実行手段の環境データ)に対応した音数、音色、及び効果を有する試聴用曲データに加工(変換)する。
【0072】
また、上述したように、プレーヤ33bが使用する音源回路33dの音源は、携帯電話機60の音源回路74の音源を模したものではなく、通常のGM(General MIDI sound module)音源である。従って、WEBサーバ21は、GM音源により試聴用曲データを再生した結果(音色)が、携帯電話機60の音源回路74の音源を用いて正規の曲データを再生した場合の結果(音色)と近似するように、携帯電話機60の機種とGM音源の特性に応じて上記試聴用曲データを加工(変換)する。この場合、携帯電話機60の音源回路74の音源を用いて正規の曲データを再生した場合の結果(音色)と近似させるためには、プレーヤ33bによる音色が例えば「clavi」という音色となるようにすればよい。
【0073】
そして、WEBサーバ21は、上記加工により形成された試聴用曲データを試聴ファイルとしてWEBブラウザ33aに送信し(S910)、WEBブラウザ33aは同試聴曲ファイルをプレーヤ33bに供給する(S912)。ユーザは、試聴曲ファイルの受信を確認するとマウス及びキーボード34を操作して同試聴曲ファイル内の試聴用曲データを音源回路33dにより再生し、スピーカ32から発音させて試聴を行い、同試聴に基づいて試聴曲の購入を検討する。なお、前記試聴曲ファイルは、WEBサーバ21からWEBブラウザ33aを介することなくプレーヤ33bに直接配信するように構成してもよい。
【0074】
ユーザーは、検索結果がWEBブラウザ33aに配信されたとき(S906)、或いは試聴ファイルが送信されて(S912)、これに基づく試聴を行った後、検索結果としてディスプレイ31に表示されている曲に対応する正規の曲データを携帯電話機60に取得したいと考える場合には、同携帯電話機60にてWEBサーバ21のダウンロードページにアクセスし、同携帯電話機60のディスプレイ72に図12に示した内容を表示させる。そして、ユーザは、ディスプレイ31上に表示されている検索結果を参照しながら、上記取得を希望する曲に付されている曲識別番号を携帯電話機60の操作子70により同携帯電話機60に対して入力し、実行ボタンをクリックする。
【0075】
これにより、携帯電話機60は、上記曲識別番号と、携帯電話機識別情報(携帯端末識別情報)とを含むデータを無線基地局50及び中継サーバ40を介してWEBサーバ21に送信する(S914)。前記携帯電話機識別情報は、通信事業者を示すキャリア情報、又は携帯電話機60の機種(携帯端末の機種)を含み携帯端末としての携帯電話機60のコンテンツ実行手段の種類を特定するためのデータ(携帯端末としての携帯電話機60のコンテンツ実行手段の環境データ)であり、携帯電話機60による曲識別番号の送信時に自動的に付随して送信される。
【0076】
WEBサーバ21は、上記曲識別番号と、携帯電話機識別情報とを含む上記データを受信すると、受信した曲識別番号に対応した正規の曲データを音声データのデータベース22から読出し、この正規の曲データを上記携帯電話機識別情報に基づいて携帯電話機60にて利用可能なデータフォーマットに変換する(データの加工処理を行う)。この場合、携帯電話機60にて利用可能なデータフォーマットとは、同携帯電話機60の機種(携帯電話機60のコンテンツ実行手段の種類)により決まる同時発音数、音色作成方式、効果制御方式、音符データや時間データの記述方式等に適合させたフォーマットのことを言う。そして、WEBサーバ21は、ユーザに対し課金処理を行った上、上記データフォーマットが変換された正規の曲データを携帯電話機60に送信(配信)する(S916)。この結果、携帯電話機60は正規の曲データを取得する。
【0077】
なお、上記の例では、データフォーマットを携帯電話機60の機種に応じて変換しているが、携帯電話機60の機種に応じた正規の曲データを音声データのデータベース22に予め記憶させておき、上記WEBサーバ21が受信した曲識別番号と携帯電話機の機種に応じた正規の曲データを同データベース22から選択し、これを携帯電話機60に(データフォーマット変換することなく)配信するように構成することもできる。また、配信サーバ21は、WEBブラウザ33aからWEBサーバ21への検索条件送信時(S904)において同時に送信される携帯端末の種類(環境データ)に応じて、正規の曲データを同携帯端末に適合するようにデータフォーマット変換(加工処理)してもよい。
【0078】
以上説明したように、第6実施形態によれば、携帯電話機60よりも操作性の優れたクライアント側端末30を用いて曲データの検索条件を入力し、同検索条件に基づく検索結果を携帯電話機60のディスプレイ72よりも大きくて見やすいクライアント側端末30のディスプレイ31に表示させることができる。また、クライアント側端末30から試聴用曲データの配信を要求することができる。従って、ユーザは、容易な操作で所望の曲を検索し、試聴用曲データ及び正規の曲データを取得することができる。
【0079】
また、配信を希望する曲を各曲に対応して付されている曲識別番号により特定することができるので、携帯電話機60から音声データ配信サーバ20に対して配信希望曲を特定する操作も容易となる。この曲識別番号は各曲に唯一定められていれば足り、曲名そのもの、曲名を短縮したもの、アルファベットを含む文字配列等とすることもできる。なお、この曲識別番号は、クライアント側端末30(WEBブラウザ33a)から音声データ配信サーバ20に送信するように構成してもよい。この場合、正規の曲データ取得にあたり、携帯電話機60は、同携帯電話機60が前記曲識別番号を送信したクライアント側端末30と関連があることを示すデータを含む所定の配信要求信号を音声データ配信サーバ20に送信するように構成しておく。
【0080】
なお、上記第6実施形態においても、第1実施形態と同様に、WEBサーバ21から携帯電話機60に対して正規の曲データをダウンロードするためのダウンロード用ページのURLを電子メールにより送信し、携帯電話機60により同URLにアクセスすることで同正規の曲データを同携帯電話機60にダウンロードすることができるようになっている。この場合、WEBブラウザ33aは、予めWEBサーバ21に対し携帯電話機60のメールアドレスを送信する必要があるが、この操作は図11に示した画面上で簡単に行うことができる。
【0081】
この作動について具体的に説明すると、ユーザが図11に示した画面の送信ボタン1110のうち、正規の曲データの配信を希望する曲に対応したボタンをクリックすると、WEBブラウザ33aは携帯電話機60の電話番号、暗証番号、及びメールアドレス等を入力するための入力画面(図示省略)を表示する。そして、ユーザがこれらのデータを入力した後に同入力画面上に設けられた送信ボタンをクリックすると、入力されたデータがクライアント側端末30からWEBサーバ21に送信される。WEBサーバ21は、このデータを受信すると正規の曲データのダウンロード用ページのURLを上記メールアドレスを宛先とした電子メールにより送信する。携帯電話機60は、このURLをディスプレイ72上に表示し、ユーザはこれをクリックすることで上記ダウンロード用ページにアクセスし、同携帯電話機60に正規の曲データをダウンロードする。なお、送信ボタン1110によって、WEBブラウザ33aからWEBサーバ21に対して携帯電話機60へ正規の曲データを配信することを直接要求できるように構成してもよい。
【0082】
(第7実施形態)
次に、本発明による第7実施形態について図13及び図14を参照しながら説明する。第7実施形態は、携帯電話機60が配信サーバ20のWEBサーバ21から正規の曲データを取得する際に、同WEBサーバ21から同携帯電話機60に対して正規の曲データの取得(購入)を確認するようになっている点が第6実施形態と異なっている。
【0083】
即ち、ユーザーは、検索結果がWEBブラウザ33aに配信されたとき(S906)、或いは試聴ファイルが送信されて(S912)、これに基づく試聴を行った後、検索結果としてディスプレイ31に表示されている曲に対応する正規の曲データを携帯電話機60に取得したいと考える場合には、同携帯電話機60にてWEBサーバ21のダウンロードページにアクセスし、同携帯電話機60のディスプレイ72に図12に示した内容を表示させる。そして、ユーザは、ディスプレイ31上に表示されている検索結果を参照しながら、上記取得を希望する曲に付されている曲識別番号を携帯電話機60の操作子70により同携帯電話機60に対して入力し、実行ボタンをクリックする。
【0084】
これにより、携帯電話機60は、上記曲識別番号と、携帯電話機識別情報(携帯端末識別情報)とを含むデータを無線基地局50及び中継サーバ40を介してWEBサーバ21に送信する(S1300)。前記携帯電話機識別情報は、通信事業者を示すキャリア情報、又は携帯電話機60の機種(携帯端末の機種)であり、携帯電話機60による曲識別番号の送信時に自動的に付随して送信される。ここまでは、第6実施形態と同一である。
【0085】
WEBサーバ21は、曲識別番号と、携帯電話機識別情報を受信すると、ユーザの購入意志を確認するため、携帯電話機60に購入確認用データを送信する(S1302)。携帯電話機60は、この購入確認用データを受信してディスプレイ72上に表示する。この表示画面は、図14に示されているように、上記S1300にて送信された曲識別番号、曲名、及びアーティスト名等を含んで構成されている。ユーザは、この画面を参照することにより購入しようとする曲が正しいことを確認し、確認できた場合には同画面上に表示されているダウンロードと記載されたボタンをクリックする。これにより、携帯電話機60はダウンロード指示信号をWEBサーバ21に送信する(S1304)。
【0086】
上記ダウンロード指示信号を受信したWEBサーバ21は、曲識別番号に対応した正規の曲データを音声データのデータベース22から読出し、この正規の曲データを上記携帯電話機識別情報に基づいて携帯電話機60にて利用可能なデータフォーマットに変換する。このデータフォーマットについては第6実施形態にて説明したとおりである。そして、WEBサーバ21は、ユーザに対し課金処理を行った上、データフォーマットが変換された正規の曲データを携帯電話機60に送信(配信)する(S1306)。この結果、携帯電話機60は正規の曲データを取得する。このS1306の作動は、配信サーバ21のコンテンツ配信手段、又は正規のコンテンツ配信手段の機能の一部を構成する。また、S1300、及びS1304等は、正規のコンテンツ要求手段の機能に相当している。
【0087】
以上説明したように、第7実施形態によれば、携帯電話機60から曲識別番号を入力した後、音声データ配信サーバ20から携帯電話機60に対して購入意志確認用の表示データが送信される。この結果、ユーザは自己の入力した曲識別番号が正しく、自己の希望した正規の曲データが得られることを確認した上で同正規の曲データを購入することができる。従って、ユーザの入力ミスがあっても、同ユーザが希望しない正規の曲データが配信された上に課金されることがないので、ユーザが満足する着信メロディ配信サービスを提供することができる。
【0088】
なお、上記第7実施形態においても、第1実施形態と同様に、WEBサーバ21から携帯電話機60に対して、正規の曲データをダウンロードするためのダウンロード用ページのURLを電子メールにより送信し、携帯電話機60にて同URLにアクセスすることにより、同正規の曲データを取得するように構成することもできる。
【0089】
(第8実施形態)
次に、本発明による第8実施形態について図15〜図17を参照しながら説明する。第8実施形態は、データベースに登録される正規の曲データをデータフォーマット変換して試聴用曲データを作成し、同試聴用曲データをデータベースに登録しておく点、正規の曲データ及び試聴用曲データの登録は登録日を示すデータとともに行う点、検索条件に従った検索結果を登録日順に表示する点において主として第6実施形態と異なり、他の点、即ち正規の曲データの要求及び配信の方法は同第6実施形態と同様である。
【0090】
具体的に説明すると、先ず、曲作成者によって作成された正規の曲データが同曲作成者のパーソナルコンピュータからWEBサーバ21にインターネット20を介して供給される。また、正規の曲データは、曲作成者によってフレキシブルディスク等の記録媒体に格納され、この記録媒体がWEBサーバ21の管理会社に郵送されることによってもデータベース22に供給される。正規の曲データは、例えば、簡易MIDI形式で3音又は4音同時発音の携帯電話機60を想定して作成されている。従って、正規の曲データが3音同時発音用のデータであれば3音同時発音対応の携帯電話機60にそのまま利用され得る。正規の曲データが4音同時発音用のデータであれば4音同時発音対応の携帯電話機60にそのまま利用され得る。
【0091】
上記正規の曲データには、予め曲作成者により、同正規の曲データを利用可能な携帯電話機(携帯端末)60の機種、同曲データの曲名、曲のジャンル、作曲者名、及び演奏者(アーティスト)名等についてのキーワードが付与されている。前記携帯電話機60の機種は、上述したように、携帯電話機60のメーカ名及び機種名等とすることもできるが、「3和音(3音同時発音)」、「4和音(4音同時発音)」等の携帯電話機60の音源方式(音源回路)の種類であってもよい。また、ジャンルは、例えば、日本のポップス、洋楽、クラシック、ジャズ等の音楽ジャンルのことを云う。正規の曲データは、このようなキーワードとデータベース22に登録される日(登録日)と共に同データベース22に登録(格納)される(図15のS1500)。なお、これは、配信サーバ21のコンテンツ格納手段(正規のコンテンツ格納手段)の機能に相当している。
【0092】
次いで、WEBサーバ21は、登録された正規の曲データ全体のデータをフォーマット変換して試聴用曲データを作成する(S1502)。かかるフォーマット変換は、以下の(1),(2)に述べる通りである。なお、正規の曲データの特定部分(例えば、最初の数小節)のデータのみを用いて試聴用曲データを作成してもよい。また、この試聴用曲データへの変換・作成機能は、WEBサーバ21のコンテンツ変換手段の機能に相当している。
【0093】
(1)登録された正規の曲データが3和音対応(3音同時発音可能な携帯電話機60に対応)の曲データと4和音対応(4音同時発音可能な携帯電話機60に対応)データとを含む場合
この場合、3和音対応の曲データはMIDIデータに変換するソフトウエア(「MIDIコンバート」と称呼されている。)によりMIDIファイルに加工・変換する。このとき、プレーヤ33bの音源であるGM音源により試聴用曲データを再生した結果(音色)が、携帯電話機60の音源回路74の音源を用いて正規の曲データを再生した場合の結果(音色)と近似するように、GM音源の特性に応じて上記試聴用曲データを加工する。この加工は、例えば、プレーヤ33bによる音色が「clavi」という音色となるように行う。
【0094】
一方、4和音対応の曲データはオーディオファイルに変換する。この場合、プレーヤ33bにて試聴用曲データを再生した音色が、携帯電話機60にて正規の曲データを再生した場合の音色と近似するようにするため、例えば、正規の曲データを4和音対応の携帯電話機60に与えて実際に発音させ、これを録音することによってオーディオファイルを作成する。
【0095】
(2)登録される正規の曲データの総てが4和音対応の曲データである場合
この場合、4和音対応の正規の曲データを上述の方法でオーディオファイルに変換して4和音対応の試聴用曲データとするとともに、MIDIコンバートにより1音分だけ減らして3和音対応の試聴用曲データに加工・変換する。3和音対応の試聴用曲データを作成した場合には、正規の曲データについても3和音対応の曲データに変換し、その変換後の正規の曲データが3和音対応の曲データであることを示すキーワード、同正規の曲データに当初から付与されていたキーワード、及び登録日とともにデータベース22に再登録しておくことが好ましい。
【0096】
次いで、WEBサーバ21は、試聴用曲データを、同試聴用曲データが3和音対応データであるか4和音対応データであるかを示すキーワードと、同試聴用曲データが作成された元の正規の曲データに付与されていた上記ジャンル等のキーワードとともにデータベース22に登録する。また、この試聴用曲データの登録日も同試聴用曲データに関連づけて登録しておく(S1504)。この登録は、WEBサーバ21のコンテンツ格納手段(試行用コンテンツ格納手段)の機能に相当している。
【0097】
なお、試聴用曲データをデータベース22に登録した日が正規の曲データを登録した日と異なる場合には、試聴用曲データを実際に登録した日を同試聴用曲データの登録日として登録しておく。試聴用曲データを手作業によりデータフォーマット変換する場合等においては同作業に時間を要することから、正規の曲データの登録日と試聴用曲データの登録日が異なる場合があるからである。但し、これは一例であって、試聴用曲データの登録日を正規の曲データの登録日に一致させてもよい。また、逆に正規の曲データの登録日を試聴用曲データの登録日に一致させるように再登録してもよい。
【0098】
この曲データ配信システムの下で、ユーザはキーボード34を操作してWEBブラウザ33aを起動するとともに、同WEBブラウザ33aにより音声データ配信サーバ20のWEBサーバ21にアクセスする(S1506)。WEBサーバ21は、このアクセス動作に応答して曲データの検索(ジャンル選択)画面データをWEBブラウザ33aに送信する(S1508)。そして、WEBブラウザ33aは、上記検索画面データを受信すると、これを表示手段としてのディスプレイ31上に表示する。
【0099】
この検索画面は、図16に示したように、ジャンル(音楽のジャンル)及び携帯端末(携帯電話機60)の機種を特定するデータ(検索ターム)を入力するための入力欄1602,1604、及び検索実行ボタン1606を含んでいる。ユーザはこれらの入力欄1602,1604にキーボード34を操作することで任意のデータを入力するようになっている。また、データ入力欄1602,1604の右端には下向き三角マークを付したボタン1602a,1604aがそれぞれ配置されていて、この部分をクリックすることにより各データの代表的なものが表示され、ユーザはその中の一つをマウスによりクリックして選択できるようになっている。上記表示されるジャンルとしては、日本のポップス、洋楽、クラシック等の具体的ジャンルのほか、「ジャンル指定なし」も含まれる。上記表示される携帯端末の機種は、具体的な携帯電話機60のメーカ名及び機種名等とすることもできるが、「3和音対応」、「4和音対応」等の携帯電話機60の音源方式(音源回路)の種類とすることもできる。
【0100】
そして、ユーザが検索に必要なデータを入力して、検索実行ボタン1606をクリックすると、WEBブラウザ33aはWEBサーバ21に対して上記入力されたジャンル、及び携帯端末の機種に関するデータを送信する(S1510)。これは、クライアント側端末30の検索条件送信手段、及び携帯端末のコンテンツ実行手段の種類特定データ送信手段の機能の一部に相当している。
【0101】
WEBサーバ21は、上記データを受信するとデータベース22内において上記ジャンルと上記携帯端末の機種の両方を満足する(即ち、検索条件に合致する)試聴用曲データの検索を行う。この場合、携帯端末の機種に関するデータが携帯端末のメーカ名及び機種名である場合、これにより特定される同携帯端末の音源方式(3和音対応音源か又は4和音対応音源か)に応じて合致する試聴用曲データを検索する。
【0102】
WEBサーバ21は、検索が終了するとその検索結果(曲データ又は曲データを表す曲名等のデータ)を試聴用曲データの登録日の新しい順に並べ替え、同登録日が新しいデータからn個(例えば、10個)分のデータを抽出する。そして、抽出された試聴用曲データを表すデータを、対応する曲識別番号を同各試聴用曲データに付与されている上記キーワード(曲名、ジャンル、作曲者名等)とともにHTML形式の画面データに変換し、これを検索結果としてWEBブラウザ33aに送信する(S1512)。上記検索及び検索結果の送信は、配信サーバ21の検索手段の機能である。
【0103】
WEBブラウザ33aは、検索結果を受信すると同検索結果をディスプレイ31上に表示する。この検索結果を表示する画面は、図17に示したように、番号1701、試聴用曲データの登録日1702、曲識別番号1703、試聴要求ボタン1704、ジャンル1705、曲名1706、アーティスト1707、作曲者1708、作詞者1709、歌い出しの歌詞1710、及び正規の曲データを携帯電話機60にダウンロードするためのページのURLが記載された電子メールを同携帯電話機60に送信するための送信ボタン1711を有する表となっている。この送信ボタン1711の機能は、前記図11にて説明した送信ボタン1110と同じであって、送信ボタン1711によって、WEBブラウザ33aからWEBサーバ21に対して携帯電話機60へ正規の曲データを配信することを直接要求できるように構成してもよい。以上説明した表においては、試聴曲が登録日の新しいものほど上部に位置するように表示される。
【0104】
なお、検索結果は、表示された表の第1行の任意の項目(例えば、アーティスト、作曲者等)がマウスによりクリックされることにより、同クリックされた項目に従って表示されているデータが並べかえられるようになっている。また、WEBサーバ21により抽出され、WEBブラウザ33aにより検索結果として表示される試聴用の曲の個数(n個)は、図16に示した検索画面においてユーザが指定できるように構成することもできる。この場合、WEBサーバ21は、指定されたn個分の試聴用曲データを検索結果から抽出してWEBブラウザ33aにHTML形式の画面データとして送信するとともに、同画面データ中にその個数(n個)も含めておき、図17に示した画面中に表示させる。
【0105】
ユーザは、上記検索画面中に試聴を希望する曲がない場合、同画面中の下部に表示された「次の10曲を表示」と示されたボタン1712をクリックする。これにより、WEBブラウザ33aからWEBサーバ21に対し次の10曲の表示を要求する旨の信号が送信される。WEBサーバ21は、次の10曲の表示を要求する旨の信号を受信すると、前記検索結果から既にWEBブラウザ33aに送信した試聴用曲データを表すデータを除き、残りの試聴用曲データを表すデータの中から登録日が新しい試聴用曲データをn個分抽出し、上記と同様に登録日順に並べ替え、HTML形式の画面データとしてWEBブラウザ33aに送信する。
【0106】
このようにして、ユーザは検索結果をディスプレイ31に表示させ、上記検索結果の画面を参照して試聴を希望する曲を選択し、同選択した曲の試聴要求ボタン1704をマウスによりクリックする。これにより、WEBブラウザ33aは、選択した試聴曲を特定するデータ、即ちその曲識別番号とともに、同試聴曲の試聴用曲データの配信を要求する要求信号をWEBサーバ21に送信する(S1514)。これは、クライアント側端末30の試行用コンテンツ要求手段の機能に相当している。
【0107】
WEBサーバ21は、試聴用曲データの配信を要求する要求信号をWEBブラウザ33aから受信すると(S1514)、その要求信号に含まれる曲識別番号に対応する試聴用曲データをデータベース22から読出し、同試聴用曲データを試聴曲ファイルとしてWEBブラウザ33aに送信し(S1516)、WEBブラウザ33aは同試聴ファイルをプレーヤ33bに供給する(S1518)。なお、試聴用曲ファイルのWEBブラウザ33aへの送信は、配信サーバ21のコンテンツ配信手段又は試行用コンテンツ配信手段の機能に対応する。
【0108】
ユーザは、試聴曲ファイルの受信を確認するとマウス及びキーボード34を操作して同試聴曲ファイル内の試聴用曲データを音源回路33dにより再生して試聴を行い、同試聴に基づいて試聴曲の購入を検討する。なお、前記試聴曲ファイルは、WEBサーバ21からWEBブラウザ33aを介すことなくプレーヤ33bに直接配信するように構成してもよい。この試聴用曲データの再生は、クライアント側端末30の有するコンテンツ実行手段、試行用コンテンツ実行手段、又は試行手段の機能に相当する。
【0109】
以降、正規の曲データを携帯電話機60に配信する方法は、第7実施形態と同様である。簡単に説明すると、ユーザーは、検索結果がWEBブラウザ33aに配信されたとき(S1512)、或いは試聴ファイルが送信されて(S1516)、これに基づく試聴を行った後、検索結果としてディスプレイ31に表示されている曲に対応する正規の曲データを携帯電話機60に取得したいと考える場合、同携帯電話機60にてWEBサーバ21のダウンロードページ(例えば、図17に示した画面中に表示されている)にアクセスする(S1520)。WEBサーバ21は、このアクセスに応答して図12に示した内容を表示させるためのデータを携帯電話機60に送信する(S1522)。また、携帯電話機60でのURL入力によるダウンロードページへのアクセスに代え、図17の送信ボタン1711が操作されていた場合には、同携帯電話機60にそのURLを含む電子メールを送信し、同URLを同携帯電話機60の画面上に表示させ、同URLをクリックすることで同ダウンロードページにアクセスしてもよい。
【0110】
この結果、携帯電話機60のディスプレイ72に図12に示した内容が表示される。ユーザは、ディスプレイ31上に表示されている検索結果を参照しながら、上記取得を希望する曲に付されている曲識別番号を携帯電話機60の操作子70により同携帯電話機60に対して入力し、実行ボタンをクリックする。これにより、携帯電話機60は、上記曲識別番号と、携帯電話機識別情報(携帯端末識別情報)とを含むデータをWEBサーバ21に送信する(S1300)。上記曲識別データはコンテンツを表すデータであり、従って、係る曲識別番号の送信は、携帯電話機60のデータ送信手段の機能に相当する。
【0111】
WEBサーバ21は、曲識別番号と、携帯電話機識別情報を受信すると、ユーザの購入意志を確認するため、携帯電話機60に購入確認用データを送信する(S1302)。携帯電話機60は、この購入確認用データを受信してディスプレイ72上に表示する。この表示画面は、図14に示された通りである。ユーザは、この画面を参照して購入しようとする曲が正しいことを確認すると、同画面上に表示されているダウンロードと記載されたボタンをクリックする。これにより、携帯電話機60はダウンロード指示信号をWEBサーバ21に送信する(S1304)。この結果、正規の曲データが携帯電話機識別情報に対応して必要に応じデータフォーマット変換され、同変換された正規の曲データが携帯電話機60に配信される(S1306)。なお、かかるデータフォーマット変換には、正規の曲データが4和音対応であって3和音対応の試聴用曲データが作成されていて、この3和音対応の試聴用曲データに対する正規の曲データの配信が要求された場合であって同正規の曲データの試聴用曲データがデータベース22に格納されていないときは、前記4和音対応の正規の曲データを3和音対応に変換することを含む。
【0112】
以上説明したように、第8実施形態によれば、第6及び第7実施形態に記載の効果に加え、試聴用曲データがデータベース22に登録日とともに登録され、検索結果が同登録日の新しいものから順にWEBブラウザ33aのディスプレイ31に表示される。従って、ユーザは新着曲を容易に選択して取得することができる。また、作曲者側にとれば、正規の曲データをWEBサーバ21側に供給してから試聴用曲データとして登録されるまでに日数を要した場合であっても、同正規の曲データの登録日ではなく試聴用曲データの登録日が事実上の登録日として扱われるから、試聴用曲データとして登録されたときにはすで登録日が古いデータとなってしまっているという不満を持たない。
【0113】
また、試聴用曲データ(従って、正規の曲データ)の検索がジャンルのみによっているので、同試聴用曲データの検索を非常に簡易に行うことができる。更に、試聴用曲データは、プレーヤ33bによって再生される音色が、正規の曲データを携帯電話機60の音源回路74の音源を用いて再生した場合の音色と近似するように同正規の曲データを変換して作成される。従って、正規の曲データを携帯電話機60に実際に再生したときの音色と、試聴用曲データをプレーヤ33bにて再生したときの音色とが近似しているので、ユーザは音色に関する不満を持つことが少ない。
【0114】
更に、登録される正規の曲データが4和音対応用の曲データであって、これを4和音対応のオーディオファイルに変換する場合、実際に携帯電話機60にて正規の曲データを発音させ、これを録音して同オーディオファイルを作成するようにしているので、プレーヤ33bによって再生される音色が、正規の曲データを携帯電話機60の音源回路74の音源を用いて再生した場合の音色と近似する。従って、正規の曲データを携帯電話機60にて実際に再生したときの音色と、試聴用曲データをプレーヤ33bにて再生したときの音色とが近似しているので、ユーザは音色に関する不満を持つことが少ない。
【0115】
さらに、登録される正規の曲データが4和音対応用の曲データである場合、同曲データは、適宜、3和音対応用の試聴用曲データにデータフォーマット変換される。これにより、作曲者側が4和音対応用の正規の曲データを供給するだけで、3和音対応用の携帯電話機60での使用を前提とした試聴用曲データが作成される。
【0116】
(第9実施形態)
次に、本発明による第9実施形態について図18〜図21を参照しながら説明する。第9実施形態は、WEBサーバ21からWEBブラウザ33a(最終的にはプレーヤ33b)に供給される曲データ(試聴用曲データであってもよいし、正規の曲データであってもよい。また曲データに限らず、画像データやゲームソフトデータなどの他のデータであってもよい。)の配信システムに関する。第9実施形態に係るシステムのハードウエア構成は第1実施形態にて説明した構成と同一である。また、上記曲データは、例えば第8実施形態と同様に、登録日を含むキーワードとともにデータベース22に登録されている。
【0117】
先ず、ユーザはキーボード34を操作してWEBブラウザ33aを起動するとともに、同WEBブラウザ33aにより音声データ配信サーバ20のWEBサーバ21にアクセスする(S1800)。WEBサーバ21は、このアクセス動作に応答して曲データの検索及び再生環境入力画面データをWEBブラウザ33aに送信する(S1802)。WEBブラウザ33aは、上記検索及び再生環境入力画面データを受信すると、これを表示手段としてのディスプレイ31上に表示する。
【0118】
この検索画面は、配信される曲データがMIDIデータの場合、図19に示したように、プレーヤ33b及び音源回路33dの音源方式、同音源回路33dのメーカ、プレーヤ33b及び音源回路33dの同時発音数、及びエフェクト種類等の入力欄1902,1904,1906,1908を備えている。これらのデータは、クライアント側端末30の再生環境に関するデータとして入力される。また、上記各データ入力欄1902,1904,1906,1908の右端には下向き三角マーク1902a,1904a,1906a,1908aを付したボタンがそれぞれ配置されていて、この部分をクリックすることにより各データの代表的なものが表示され、ユーザはその中の一つをマウスによりクリックして選択できるようになっている。
【0119】
なお、この検索画面は、配信される曲データがオーディオファイルの場合、図20に示したように、非圧縮データの配信を望むか圧縮データの配信を望むかを選択するための選択ボタン2002,2004と、圧縮データの配信を望む場合にはその圧縮方式を入力する入力欄2006を備えるとともに、クライアント側端末30のPC(制御部33)を構成するCPUの種類(又はCPUの処理能力、CPUのパワー)の入力欄2008等を備えている。上記データ入力欄2006,2008の右端には下向き三角マーク2006a,2008aを付したボタンがそれぞれ配置されていて、この部分をクリックすることにより各データの代表的なものが表示され、ユーザはその中の一つをマウスによりクリックして選択できるようになっている。これら、圧縮/非圧縮の区別、圧縮方式、CPUの種類はクライアント側端末の再生環境に関するデータとして入力される。
【0120】
なお、図示を省略したが、配信される曲データが携帯電話機60用の正規の曲データに対応する試聴用曲データである場合には、上記検索画面から同携帯電話機60の「3和音」、「4和音」等の携帯電話機60の音源方式(音源回路)の種類を入力できるように構成しておく。
【0121】
また、上記検索画面は、図19及び図20に示したように、ジャンル、作曲者、作詞者等の検索条件を入力する入力欄1910,1912,1914と、検索実行を指示する検索実行ボタン1916を備えている。ジャンルの入力欄1910については、下向き三角マーク1910aを付したボタンが同入力欄の右端に配置されていて、この部分をクリックすることにより検索可能なジャンルが表示され、ユーザはその中の一つをマウスによりクリックして選択できるようになっている。上記表示されるジャンルとしては、日本のポップス、洋楽、クラシック等の具体的ジャンルのほか、「ジャンル指定なし」も含まれる。
【0122】
そして、ユーザが上記検索画面において必要なデータを入力し検索実行ボタン1916をクリックすると、WEBブラウザ33aはWEBサーバ21に対して上記入力された検索条件及び再生環境に関するデータを送信する(S1804)。これは、クライアント側端末30の環境データ送信手段の機能に相当する。
【0123】
WEBサーバ21は、上記データを受信すると上記検索条件を満足する(検索条件に合致する)曲データをデータベース22から検索し、検索結果を曲データの登録日の新しい順に並べ替え、同登録日が新しいデータからn個(例えば、10個)分のデータを抽出する。そして、抽出されたデータを、各曲データに唯一定められた曲識別番号(コンテンツを表すデータ)と同各曲データに付与されている上記キーワード(曲名、ジャンル、作曲者名等)とともにHTML形式の画面データに変換し、これを検索結果としてWEBブラウザ33aに送信する(S1806)。
【0124】
WEBブラウザ33aは、この検索結果を受信すると同検索結果をディスプレイ31上に表示する。この検索結果を表示する画面は、図21に示したように、番号2101、曲データの登録日2102、曲識別番号2103、曲データの配信を要求するための購入ボタン2104、ジャンル2105、曲名2106、アーティスト2107、作曲者2108、作詞者2109、歌い出しの歌詞2110を有する表となっている。この表においては、その登録日の新しい曲ほど上部に位置するように表示される。また、ユーザが同表の第1行の任意の項目(例えば、アーティスト、作曲者等)をマウスによりクリックすることで、同クリックされた項目に従って表示されたデータが並べかえられるようになっている。
【0125】
ユーザは、上記検索画面中に購入(配信)を希望する曲がない場合、同画面中の下部に表示された「次の10曲を表示」と示されたボタン2111をクリックする。これにより、WEBブラウザ33aからWEBサーバ21に対して次に登録日が新しいn個の曲データの要求がなされ、同WEBサーバ21から同WEBブラウザ33aに同n個の曲データがHTML形式の画面データにて送信され、これがWEBブラウザ33aのディスプレイ31に新たに表示される。
【0126】
このようにして、ユーザは検索結果をディスプレイ31に表示させ、上記検索結果の画面を参照して購入(配信)を希望する曲を選択し、同選択した曲の購入ボタン2104をマウスによりクリックする。これにより、WEBブラウザ33aは、選択した購入曲を特定する曲識別番号を含む配信要求信号をWEBサーバ21に送信する(S1808)。この配信要求信号等の送信は、クライアント側端末30のコンテンツ配信要求手段の機能に相当する。
【0127】
WEBサーバ21は、WEBブラウザ33aから送信された曲識別番号を受信すると、同曲識別番号に対応する曲データをデータベース22から読出し、この曲データを、先のステップS1804にて送信されている再生環境に適合するように加工(変換)する。次いで、WEBサーバ21は、ユーザに対し課金処理を行った上、WEBブラウザ33aに前記加工した曲データファイルを送信し(S1810)、WEBブラウザ33aは曲データファイルをプレーヤ33bに供給する(S1812)。その後、ユーザはマウス及びキーボード34を操作して同配信された(購入した)曲データを音源回路33dにより再生する。この曲データの再生は、クライアント側端末30のコンテンツ実行手段の機能に相当する。
【0128】
上記WEBサーバ21により実行される曲データの再生環境へ適合させるための加工の例としては、以下のものがある。この加工は、WEBサーバ21のコンテンツ加工手段の機能に相当する。
【0129】
(1)配信される曲データがMIDIデータの場合、指定(送信)された再生環境に関するデータ(以下、再生環境データともいう。)のうちの音源方式やメーカに応じて、音色や音量等の各種パラメータを修正する。具体的には、プログラムチェンジデータを変更する(音色について割り振られている番号を指定・変更するためのイベントデータを修正する)、バンクセレクトデータを修正する、又は、ボリュームデータを修正する、ファイルやエンベロープ等の詳細パラメータを修正する、等である。これにより、指定された音源方式やメーカの違いを吸収し、データベースに格納(登録、記憶)されている曲データをなるべく忠実に再現することが可能となる。
【0130】
(2)配信される曲データがMIDIデータの場合、指定された再生環境データのうちの同時発音数に応じて、指定された同時発音数が曲データの同時発音音符数よりも少ない場合は、発音数を減らす。具体的には、あるトラック(パート)に含まれる音符の一部を減らす、あるトラック(パート)自体を削除する等である。あるトラック(パート)とは、メロディやリズム等の重要なトラック(パート)以外の比較的重要ではないトラック(パート)であって、曲データ毎に予め決められていてもよいし、そのトラック(パート)の音色や音量、同時発音数に基づいて決定してもよい。この場合、例えば、効果音のトラックや音量の小さいトラック、同時発音数の多いトラック等を選択すればよい。これにより、再生環境データにより特定される同時発音数が少なく音符数を減らす必要がある場合でも、なるべく曲のイメージが変化しないようにする。
【0131】
(3)配信される曲データがMIDIデータの場合、指定された再生環境データのうちのエフェクト種類に応じて、エフェクトパラメータを修正する。具体的には、エフェクトのプログラムチェンジデータを修正する、LFO(low frequency oscillator)の周期や振幅、波形、及びリバーブの残響時間や密度等の詳細パラメータを修正する等である。これにより、指定されたエフェクト種類の違いを吸収し、データベースに記憶された曲データをなるべく忠実に再現できるようにする。
【0132】
(4)配信される曲データがオーディオファイルの場合であって、圧縮データが望まれる場合、指定された再生環境データの圧縮方式に応じた圧縮エンジン(エンコードエンジン)を使用し、所望の圧縮方式のオーディオファイルを作成する。
【0133】
(5)配信される曲データがオーディオファイルの場合、CPUの種類や処理能力、パワーに応じたサンプリング周波数やビットレートで圧縮したオーディオファイルを作成する。
【0134】
以上のように、第9実施形態によれば、クライアント端末30の曲データの再生環境に関する情報(データ)がWEBサーバ21に送信され、WEBサーバ21は同曲データを同再生環境に関する情報に応じて加工し、WEBブラウザ33a(つまり、クライアント端末30)に配信する。この結果、クライアント端末30において、曲データが良好な音色をもって再生される。
【0135】
以上、説明したように、本発明による各実施形態によれば、操作性が携帯電話機60(携帯端末)よりも優れたパーソナルコンピュータ30(クライアント側端末)により、試聴用曲データ及び正規の曲データの配信要求を音声データ配信サーバ20に対して行うことができるので、ユーザにとって利便性の高いサービスが提供され得る。
【0136】
また、上記各実施形態においては、試聴用曲データの配信時にはユーザに対して課金を行わないので、ユーザが試聴の結果に基づいて同試聴用曲データに対応する正規の曲データの購入を望まない場合には、同ユーザに対する課金は行われない。従って、ユーザにとってより満足行くサービスが提供され得る。
【0137】
なお、上記各実施形態においては、音声データ配信サーバ20は、試聴用曲データを配信する際にユーザに対して課金を行わなかったが、同試聴用曲データを配信する際には正規の曲データを配信する際の料金よりも安い料金だけ課金するように構成することもできる。この場合、従量制方式の場合であれば、試聴用曲データは正規の曲データの半額としたり、固定料金方式の場合であれば、試聴用曲データは正規の曲データの0.5曲分としてカウントするようにしてもよい。
【0138】
また、上記各実施形態においては、WEBブラウザ33aからWEBサーバ21に対し曲データの配信を希望する携帯電話機60を特定するため、例えば、電話番号、及び暗証番号を毎回入力させるようになっていたが、WEBブラウザ33aがWEBサーバ21に対して初めて接続したユーザ登録時にのみ、ユーザの氏名や暗証番号等を入力するようにし、2回目以降の接続時は必要な情報をWEBブラウザ33aからWEBサーバ21に自動的に送信するように構成し、ユーザによるデータ入力を省略するようにしてもよい。
【0139】
また、上記各実施形態においては、携帯電話機60は、正規の曲データを購入して受信し、ユーザによるパネル操作子70の所定の操作があったとき、不揮発性RAM64に記憶された登録日時が最も古い曲データを削除し、この削除したデータが登録されていた領域に前記受信した正規の曲データを登録していたが、既に登録されている曲データの中から削除すべき曲データをユーザが指定してこれを削除し、この削除したデータが登録されていた領域に前記受信した正規の曲データを登録するように構成してもよい。
【0140】
また、上記各実施形態においてクライアント側端末30における音源回路33dの音源は、携帯電話機60の音源を模したものではなく、通常のGM音源であったが、携帯電話機60の音源を模したソフトウエア音源又はハードウエア音源(携帯電話機60と同一のものを含む)を同クライアント側端末に具備させてもよい。この場合、WEBサーバ21は、試聴用曲データを加工することなく、そのままWEBブラウザ33aに送信することができる。
【0141】
また、上記実施形態においては、最終的に携帯電話機60が取得する正規の曲データは、WEBサーバ21から携帯電話機60に配信されるようになっていたが、WEBサーバ21からWEBブラウザ33a又はプレーヤ33b等のクライアント側端末30に一旦正規の曲データを配信し、クライアント側端末30から携帯電話機60に送信するように構成してもよい。送信方法は、ケーブルを用いた有線による方法でもよいし、電波や赤外線を用いた無線による方法であってもよい。また、クライアント側端末30と携帯電話機60との間で直接通信するものに限らず、有線や無線のLAN等を介して送信するようにしてもよい。
【0142】
なお、上記各実施形態におけるインターネット10は、専用回線などの通信回線(この通信回線は有線回線に限らず、衛星通信回線等の無線回線を含む)であってもよく、携帯端末は上記携帯電話機60に限らず、コンピュータを含み通信可能な装置であるモバイルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、或いは携帯ゲーム装置等の端末であってもよい。
【0143】
また、上記各実施形態においては、配信サーバ20から配信されるコンテンツは着信メロディであったが、本発明が対象とするコンテンツは、携帯電話機60において所定の条件が成立したときに発生する警告音(例えば、設定した時刻になったときに鳴らすアラーム音)、携帯電話機60による通話時や留守番電話の応答メッセージにおいて使用されるBGM、他の携帯電話機や他のパーソナルコンピュータ等へ電子メールを出す際の添付曲データファイル、他の音声データ(MIDIデータ等の曲データ)、携帯端末が携帯ゲーム装置である場合のゲーム用ソフトウエア、又は、携帯端末がPDAである場合等における画像(動画、静止画)等であってもよい。これらの場合においても、本発明を適用すれば、コンテンツの配信要求や同コンテンツの試行をクライアント側端末30にて行うことができるので、ユーザの利便性を高めることができる。なお、音声データ以外のデータをコンテンツとする場合には、上記プレーヤ33bに代わり、各コンテンツに基づく作動を行うに適当なソフトウエアをクライアント側端末30に準備しておく。
【0144】
また、上記各実施形態を組合せたシステムを構築することもできる。例えば、第1〜第5実施形態においては、ユーザによる曲データの検索は行われていないが、第1〜第5実施において第6,第7実施形態と同様の検索を実行し、その結果をディスプレイ71に表示し、同表示を基に試聴用曲データや正規の曲データの配信を要求するように構成してもよい。また、第6,第7実施形態において、第1〜第5実施形態と同様にコンテンツの一覧を表示するようにしてもよい。更に、WEBブラウザ33aとプレーヤ33bとを別々の構成とせず、両者を一体化してもよい。
【0145】
なお、上記各実施形態においては、一つのWEBサーバ21が正規の曲データと試聴用曲データを共に配信するように構成されていたが、正規の曲データと試聴用曲データとで別々のサーバを用いるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるコンテンツ(音声データ)配信システムの概略図である。
【図2】 本発明において使用するクライアント側端末の概略構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明において使用する携帯電話機の概略構成を示すブロック図である。
【図4】 本発明の第1実施形態に係る音声データ配信システムの作動を示す流れ図である。
【図5】 本発明の第2実施形態に係る音声データ配信システムの作動を示す流れ図である。
【図6】 本発明の第3実施形態に係る音声データ配信システムの作動を示す流れ図である。
【図7】 本発明の第4実施形態に係る音声データ配信システムの作動を示す流れ図である。
【図8】 本発明の第5実施形態に係る音声データ配信システムの作動を示す流れ図である。
【図9】 本発明の第6実施形態に係る音声データ配信システムの作動を示す流れ図である。
【図10】 本発明の第6実施形態においてクライアント側端末のディスプレイに表示される検索条件入力画面を示した図である。
【図11】 本発明の第6実施形態においてクライアント側端末のディスプレイに表示される検索結果表示画面を示した図である。
【図12】 本発明の第6実施形態に係る携帯電話機のディスプレイに表示される正規の曲データ購入用画面を示した図である。
【図13】 本発明の第7実施形態に係る音声データ配信システムの作動を示す流れ図である。
【図14】 本発明の第7実施形態に係る携帯電話機のディスプレイに表示される正規の曲データ購入意志確認用画面を示した図である。
【図15】 本発明の第8実施形態に係る音声データ配信システムの作動を示す流れ図である。
【図16】 本発明の第8実施形態においてクライアント側端末のディスプレイに表示される検索条件入力画面を示した図である。
【図17】 本発明の第8実施形態においてクライアント側端末のディスプレイに表示される検索結果表示画面を示した図である。
【図18】 本発明の第9実施形態に係る音声データ配信システムの作動を示す流れ図である。
【図19】 本発明の第9実施形態においてクライアント側端末のディスプレイに表示される検索条件入力画面(配信されるデータがMIDIファイルの場合)を示した図である。
【図20】 本発明の第9実施形態においてクライアント側端末のディスプレイに表示される検索条件入力画面(配信されるデータがオーディオファイルの場合)を示した図である。
【図21】 本発明の第8実施形態においてクライアント側端末のディスプレイに表示される検索結果表示画面を示した図である。
【符号の説明】
10…インターネット、20…音声データ配信サーバ、21…WEBサーバ、22…音声データのデータベース(曲データベース)、23…課金データベース、24…携帯電話機管理データベース、30…クライアント側端末、31…ディスプレイ、32…スピーカ、33a…WEBブラウザ、33b…プレーヤ、40…中継サーバ、50…無線基地局、60…携帯電話機、80…課金サーバ。

Claims (3)

  1. 第1端末と、前記第1端末と通信可能な配信サーバと、前記配信サーバと通信可能であって同配信サーバから配信された曲データを再生するコンテンツ実行手段を備える第2端末とを有し、前記配信サーバが有する曲データを同配信サーバから前記第2端末に配信するコンテンツ配信システムであって、
    前記配信サーバは、
    複数の曲データを格納したデータベースと、
    前記第1端末から送信される前記第2端末のコンテンツ実行手段の環境に関するデータに応じて前記データベースに格納されている曲データを同第2端末のコンテンツ実行手段により再生される曲データである正規の曲データとして加工する正規の曲データ加工手段と、
    前記第1端末又は前記第2端末からの正規の曲データの配信要求に応じて前記正規の曲データとして加工された曲データを同第2端末に配信する正規の曲データ配信手段と、
    前記第1端末からの試聴用曲データの配信要求に応じて試聴用曲データを同第1端末に配信する試聴用曲データ配信手段と、を備え、
    前記第1端末は、
    前記第2端末のコンテンツ実行手段の環境に関するデータを前記配信サーバに送信する環境データ送信手段と、
    前記配信サーバに対して試聴用曲データの配信を要求する試聴用曲データ配信要求手段と、
    前記配信サーバから配信された試聴用曲データを再生するコンテンツ実行手段と、
    を備え、
    記第1端末及び前記第2端末の少なくとも一方は前記配信サーバに対して前記正規の曲データの配信を要求する正規の曲データ配信要求手段を備え、
    前記配信サーバは、更に、
    前記第1端末から前記試聴用曲データの配信が要求された場合、前記第1端末のコンテンツ実行手段により同第1端末に配信される試聴用曲データを再生した際の音色が、前記第2端末のコンテンツ実行手段により同試聴用曲データに対応する正規の曲データを再生した際の音色に近似するように、前記第2端末のコンテンツ実行手段の環境に関するデータと前記第1端末のコンテンツ実行手段の特性とに応じて前記データベースに格納されている曲データを前記第1端末に配信する試聴用曲データとして加工する試聴用曲データ加工手段を備えたことを特徴とするコンテンツ配信システム。
  2. 曲データを再生するコンテンツ実行手段を有する第1端末と、曲データを格納したデータベースを有するとともに前記第1端末と通信可能な配信サーバと、曲データを再生するコンテンツ実行手段を有するとともに前記配信サーバと通信可能な第2端末とを用いて、前記配信サーバが有する曲データを同配信サーバから前記第2端末に配信するコンテンツ配信方法であって、
    前記第1端末から前記配信サーバに対して試聴用曲データの配信が要求され、
    前記第1端末から前記配信サーバに対して前記第2端末のコンテンツ実行手段の環境に関するデータが送信され、
    前記第1端末から前記試聴用曲データの配信が要求された場合、前記データベースに格納されている曲データのうち前記配信要求のなされた試聴用曲データに対応する曲データが、前記第1端末のコンテンツ実行手段により同曲データに基づく試聴用曲データを再生した際の音色が同試聴用曲データに対応する曲データであって前記第2端末のコンテンツ実行手段により再生される曲データである正規の曲データを同第2端末のコンテンツ実行手段により再生した際の音色に近似するように、前記配信サーバにて前記第2端末のコンテンツ実行手段の環境に関するデータと前記第1端末のコンテンツ実行手段の特性とに応じて前記試聴曲用データとして加工され、
    前記第1端末からの前記試聴用曲データの配信要求に応じて前記加工された試聴曲用データが同第1端末に配信され、
    前記第1端末又は前記第2端末から前記配信サーバに対して前記正規の曲データの配信が要求され、
    前記第1端末又は前記第2端末から前記配信サーバに対して前記正規の曲データの配信が要求された場合、前記データベースに格納されている曲データのうち前記配信要求のなされた正規の曲データに対応する曲データが、前記配信サーバにて前記第2端末のコンテンツ実行手段の環境に関するデータに応じて正規の曲データとして加工され、
    前記第1端末又は前記第2端末からの前記正規の曲データの配信要求に応じて前記正規の曲データとして加工された曲データが同第2端末に配信されるコンテンツ配信方法。
  3. 曲データを再生するコンテンツ実行手段を備えた第1端末及び曲データを再生するコンテンツ実行手段を備えた第2端末と通信可能な配信サーバであって、
    複数の曲データを格納したデータベースと、
    前記第1端末又は前記第2端末から前記第2端末のコンテンツ実行手段により再生される曲データである正規の曲データの配信が要求された場合、前記第1端末から送信される前記第2端末のコンテンツ実行手段の環境に関するデータに応じて前記データベースに格納されている曲データを同正規の曲データとして加工するコンテンツ加工手段と、
    前記第1端末又は前記第2端末からの正規の曲データの配信要求に応じて前記加工された正規の曲データを同第2端末に配信する配信手段と、
    前記第1端末から試聴用曲データの配信が要求された場合、前記データベースに格納されている曲データのうち前記配信要求のなされた試聴用曲データに対応する曲データを、前記第1端末のコンテンツ実行手段により同曲データに基づく試聴用曲データを再生した際の音色が前記第2端末のコンテンツ実行手段により同試聴用曲データに対応する正規の曲データを再生した際の音色に近似するように、前記第2端末のコンテンツ実行手段の環境に関するデータと前記第1端末のコンテンツ実行手段の特性とに応じて前記試聴曲用データとして加工し、同加工した試聴用曲データを同第1端末に配信する試聴用曲データ配信手段と、
    を備えたことを特徴とする配信サーバ。
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