JP4123814B2 - コンテンツデータ配信システム及びコンテンツデータ配信再生方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、楽音データなどのコンテンツデータの配信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットなどを介して各種楽音データを配信するサービスが行われている。このサービスによれば、たとえば携帯電話(移動体通信端末)のユーザは、自分の好みの楽音データを携帯電話にダウンロードし、かかる楽音データをそのまま再生して楽しんだり、着信メロディとして使用することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これまでの配信サービスは、ユーザから配信要求のあった楽音データを、単に配信するというものに過ぎなかった。
本発明は、従来にない楽音データの配信方法について提案するものであり、かかる配信方法を利用することによって、楽音データの新たな楽しみ方を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るコンテンツデータ配信システムの構成は、座席が予め複数の座席群として区分されたイベント会場の前記座席のチケットを予約購入したユーザが所持するユーザ用端末と該複数のユーザ用端末に対してコンテンツデータの配信をネットワークを介して行うコンテンツサーバとを備えるシステムであって、前記コンテンツサーバは、複数のパートデータから構成されるコンテンツデータと前記座席群に対して一つのパートデータが対応付けられたテーブルとを格納する記憶手段と、前記ユーザ用端末から前記ネットワークを介し、コンテンツデータを識別するための識別情報および当該ユーザが予約購入したイベントチケットにおける指定座席にかかる情報である個人情報を含む配信要求があった場合に、当該識別情報によって識別される前記コンテンツデータに含まれる複数の前記パートデータの中から、前記テーブルに基づいて当該ユーザの座席が属する座席群に対応した前記パートデータを抽出するとともに、抽出した前記パートデータを前記ネットワークを介して配信要求元の前記ユーザ用端末に配信することにより、前記各ユーザ用端末に前記複数のパートデータを振り分けるように配信する制御手段とを有し、前記ユーザ用端末は、前記コンテンツサーバから配信されるパートデータを受信する受信手段と、前記受信されたパートデータを、ユーザによって操作される操作手段から操作信号が出力される毎に、予め定められた単位区間ずつ再生する再生手段とを有することを特徴とする。
【0007】
このようなコンテンツデータ配信システムの構成により、ネットワークに接続されるユーザ用端末からコンテンツデータを識別するための識別情報を含む配信要求があった場合に、かかる識別情報によって識別されるコンテンツデータを構成する複数のパートデータの中から1または複数のパートデータが当該ユーザ用端末に配信される。この配信は、コンテンツデータを構成する複数のパートデータが振り分けるようにして配信される。これにより、データの配信を受けたユーザ用端末のユーザが、配信されたデータを各々再生することにより、全体として1つのコンテンツが再生される独自の効果が奏される。
【0008】
本発明に係るコンテンツデータ配信システムの構成は、ネットワークに接続される複数のユーザ用端末に対してコンテンツデータの配信を行うコンテンツサーバと前記ユーザ用端末とを備えるシステムであって、前記コンテンツサーバは、複数のパートデータから構成されるコンテンツデータを格納する記憶手段と、前記ユーザ用端末から前記ネットワークを介し、コンテンツデータを識別するための識別情報および当該ユーザの個人情報を含む配信要求があった場合に、当該識別情報によって識別される前記コンテンツデータに含まれる複数の前記パートデータの中から、当該ユーザの個人情報の内容に対応した1または複数の前記パートデータを、所定の処理手順に従って抽出するとともに、抽出した前記パートデータを前記ネットワークを介して配信要求元の前記ユーザ用端末に配信することにより、前記各ユーザ用端末に前記複数のパートデータを振り分けるように配信する制御手段とを有し、前記ユーザ用端末は、前記コンテンツサーバから配信されるパートデータを受信する受信手段と、前記受信されたパートデータを、ユーザによって操作される操作手段から操作信号が出力される毎に、予め定められた単位区間ずつ再生する再生手段とを有することを特徴とする。
このようなコンテンツサーバの構成により、ネットワークに接続されるユーザ用端末からコンテンツデータを識別するための識別情報および当該ユーザの個人情報を含む配信要求があった場合に、かかる識別情報によって識別されるコンテンツデータを構成する複数のパートデータの中からユーザの個人情報の内容に対応する1または複数のパートデータが当該ユーザ用端末に配信される。この配信は、コンテンツデータを構成する複数のパートデータが振り分けるようにして配信される。これにより、データの配信を受けたユーザ用端末のユーザが、配信されたデータを各々再生することにより、全体として1つのコンテンツが再生される独自の効果が奏される。
【0009】
上述したコンテンツデータ配信システムの構成において、前記ユーザの個人情報は、当該ユーザが予約購入したイベントチケットにおけるイベント会場の指定座席に係る情報であることを特徴としてもよい。
さらに、コンテンツサーバには、前記ユーザの個人情報と配信すべきパートデータとが対応付けされたテーブルが格納されていてもよい。
かかる構成により、データの配信は、イベントチケットを購入したユーザのユーザ用端末に対して行われることとなり、また、イベント会場の指定座席の内容に応じた1または複数のパートデータが対応テーブルによって抽出され、当該ユーザ用端末に配信されることになる。このため、データ配信を受けたユーザ用端末のユーザが、イベント当日の会場において配信されたデータを各々再生することにより、全体として1つのコンテンツが再生される独自の効果が奏される。
【0010】
本発明に係るコンテンツ配信再生方法の構成は、座席が予め複数の座席群として区分されたイベント会場の前記座席のチケットを予約購入したユーザが所持するユーザ用端末と、複数のパートデータから構成されるコンテンツデータと前記座席群に対して一つのパートデータが対応付けられたテーブルとを格納するコンテンツサーバであって該ユーザ端末に対してコンテンツデータの配信をネットワークを介して行うコンテンツサーバとを備えるシステムのコンテンツデータ配信再生方法であって、前記コンテンツサーバが、前記ユーザ用端末から前記ネットワークを介し、コンテンツデータを識別するための識別情報および当該ユーザが予約購入したイベントチケットにおける指定座席にかかる情報である個人情報を含む配信要求があった場合に、当該識別情報によって識別される前記コンテンツデータに含まれる複数の前記パートデータの中から、前記テーブルに基づいて当該ユーザの座席が属する座席群に対応した前記パートデータを抽出するとともに、抽出した前記パートデータを前記ネットワークを介して配信要求元の前記ユーザ用端末に配信することにより、前記各ユーザ用端末に前記複数のパートデータを振り分けるように配信する過程と、前記ユーザ用端末が、前記コンテンツサーバから配信されるパートデータを受信する受信過程と、前記ユーザ用端末が、前記受信されたパートデータを、ユーザによって操作される操作手段から操作信号が出力される毎に、予め定められた単位区間ずつ再生する再生過程とを有することを特徴とする。
このようなコンテンツ配信再生方法の構成により、ネットワークに接続されるユーザ用端末からコンテンツデータを識別するための識別情報を含む配信要求があった場合に、かかる識別情報によって識別されるコンテンツデータを構成する複数のパートデータの中から1または複数のパートデータが当該ユーザ用端末に配信される。この配信は、コンテンツデータを構成する複数のパートデータが振り分けるようにして配信される。これにより、データの配信を受けたユーザ用端末のユーザが、配信されたデータを各々再生することにより、全体として1つのコンテンツが再生される独自の効果が奏される。
【0012】
【発明の実施の形態】
A:実施形態の構成
A1:システムの概要構成
図1は、本実施形態に係る楽音データ配信システム(以下、単にシステムという)100の構成を示す図である。
図1に示すように、本システム100は、移動体通信端末1、基地局2、移動体通信網3、インターネット4およびコンテンツサーバ5を備えている。図1に示したよりも多くの移動体通信端末1や基地局2を備えていてもよい。
移動体通信端末1は携帯電話等であり、基地局2と移動体通信網3を介してインターネット4に接続し、同じくインターネット4に接続されるコンテンツサーバ5との間でデータの授受を行う。
【0013】
以上のようなシステム100を用いて実施される本実施形態に係る楽音データ配信方法が適用される楽音データ配信サービスは、あるコンサートに参加する多数のユーザに対して、特定の楽曲を移動体通信端末1で再生するためのパートデータを配信するといったサービスである。そして、このような配信サービスを受けた各ユーザが配信されたパートデータが格納された移動体通信端末1をコンサート会場に持ち込み、配信されたパートデータを所定のタイミング(たとえばアーティストの指示したタイミング)で一斉にパートデータを移動体通信端末1に再生させることによって、コンサート会場にいるユーザが当該コンサートに積極的に参加することができるといった新たなエンターティメントを創出するものである。
ここで、この配信サービスによってユーザに提供されるエンターティメント性を向上させるために、上記データ配信の際には、コンテンツサーバは複数パートからなる特定の楽曲の一部のパートをあるユーザの移動体通信端末1に配信し、他のパートを他のユーザの移動体通信端末1に配信するといったように、楽曲のパート毎に配信先を振り分けるといった処理を行っている。これにより、コンサート会場にいるすべての各ユーザが配信されたデータを再生することによって、全体として一つの楽曲が再生されるようになっているのである。
【0014】
図2は、本実施形態にかかわるコンサート会場HALLの見取り図であるが、このようにコンサート会場の客席Kは予め区分けされており(図2では、客席群A,B,Cの3区分け)、かかる区分けに応じたパートデータの配信を行っている。このように各ユーザの座席に応じた、パートデータの配信を行うことにより、コンサート会場HALL全体として各々のパートデータが均等に再生されるので、全体としてまとまりある一つの楽曲が再生される音響空間を形成することができるようになっている。
本実施形態に係るシステム100は、以上のような新たなエンターティメントを創出する楽音データ配信サービスに適用することができ、以下、当該サービスを実現するためのシステム100の各部の構成について詳細に説明する。
【0015】
A2:移動体通信端末1の構成
移動体通信端末1は、携帯電話として無線電話を行うための電話機能に加え、データ通信機能、ブラウザ機能を備えている。
移動体通信端末1の構成ブロック図を図3に示す。このように、移動体通信端末1は、制御部11、無線通信部12、ユーザインターフェース部13、音源回路部16、発光部17を備えており、これら各部はバスライン19を介して接続される。また、音源回路部16には、スピーカ16aが接続されている。
【0016】
制御部11は、CPU111、ROM(Read Only Memory)112、RAM(Random Access Memory)113、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory )114を備えており、この移動体通信端末1の各部を制御する。
このうちROM112には、各種の制御プログラムが格納されている。CPU111は、この制御プログラムを起動することにより、無線電話としての機能や、データ通信機能を実行する。RAM113は、CPU111のワーキングエリアとして使用される。EEPROM114には、コンテンツサーバ5から配信されたパートデータなどが格納される。
【0017】
無線通信部12は、アンテナ121を介して、移動体通信網3の基地局2との間で無線通信を行う。この機能により、移動体通信端末1は、移動体通信網3により提供される無線通信サービスを受けることができ、他の移動体通信端末(携帯電話)1や固定電話等の通信機器との間で電話やデータ通信を行うことができるようになっている。
ユーザインターフェース部13は、各情報を表示する液晶表示部、ユーザが入力操作を行う文字キー、ユーザが通話を行うためのマイクロホン等を備えている(図4)。
無線通信部12や、ユーザインターフェース部13の内容は、一般の携帯電話の内容と同じである。
【0018】
音源回路部16は、制御部11のEEPROM114に格納されるパートデータに基づいた楽音信号の生成を行う。本実施形態では、パートデータはMIDI(Musical Instrument Digital Interface)データであり、音源回路部16は、MIDI音源に相当する。
制御部11の制御下、音源回路部16にパートデータ(MIDIデータ)が供給されると、音源回路部16は、当該MIDIデータに従って楽音信号を生成し、スピーカ16aに出力する。スピーカ16aは、音源回路部16から供給される楽音信号に基づき楽音を放音する。
【0019】
発光部17は、たとえばLED(Light Emitting Diode)であり、制御部11の制御下、所定の電流信号が供給されると、点灯あるいは点滅動作を行う。たとえば、パートデータの再生を開始すると、それに伴い、LEDが点灯あるいは点滅動作をするように制御される。あるいは、パートデータを再生する際において、所定音量以上の楽音が出力される場合に、かかる楽音の出力と同期して、LEDが点灯あるいは点滅動作をするように制御される。
図4は、移動体通信端末1の外観図であるが、このように、発光部17は、移動体通信端末1のアンテナ121先端に位置している。ユーザUは、発光部17を点灯あるいは点滅させて、移動体通信端末1をペンライトのように使用することができる。
【0020】
A3:コンテンツサーバ5の構成
コンテンツサーバ5の構成ブロック図を図5に示す。このように、コンテンツサーバ5は、制御部51、HDD(Hard Disk Drive)52、通信インターフェース部53を備え、これらの各部はバスライン59を介して接続される。
【0021】
制御部51は、CPU511、ROM512、RAM513を備えており、このコンテンツサーバ5の各部を制御する。
ROM512には、各種の制御プログラムが格納されている。CPU511は、所定の制御プログラムを起動することにより、コンテンツサーバ5各部を制御する。たとえば、HDD52からパートデータを読み出して、移動体通信端末1に配信する一連の動作を実行する。RAM513は、CPU511のワーキングエリアとして使用される。
【0022】
HDD52には、移動体通信端末1に対し配信すべきパートデータ等が格納されている。以下に、HDD52に格納される各種データ内容を説明する。
【0023】
▲1▼ アプリケーションプログラム
本システム100における移動体通信端末1は、配信されたパートデータをコンサート会場HALLで再生する必要があるため、このための所定のアプリケーションプログラムが配信対象としてHDD52に用意されている。
移動体通信端末1において、このアプリケーションプログラムを起動させると、配信されたパートデータの再生待機状態となり、所定の文字キー(例えばエンターキー)を押すことにより、実際にパートデータの再生処理が開始するようになっている。また、パートデータの再生処理が開始すると、同時に発光部17が点灯あるいは点滅するように制御されるようになっている。
【0024】
▲2▼ Web(World Wide Web)ページ
コンサートチケットを購入したユーザのために、移動体通信端末1からのアクセス先として用意されるページであり、データ配信の際におけるユーザとの対話画面となるページが格納されている。このWebページのURL(Uniform Resource Locator)アドレスは、コンサートチケット紙面に記載されている。ユーザは、このWebページにアクセスするともに、後述するコンサート番号やコンサートの座席情報をコンテンツサーバ5に送信することにより、所定のパートデータの配信を受けることができるようになっている。
【0025】
▲3▼ 楽音データ
図6は、HDD52に格納された楽音データD1,D2の状態を模式的に示すものである。このように、1つの楽音データは複数のパートデータに分割された状態で、HDD52に格納されている。ここでは、楽音データD1は、3つのパートデータPD1−1〜PD1−3から構成されており、楽音データD2は、4つのパートデータPD2−1〜PD2−4から構成されている例を示している。個々のパートデータは、データとして独立したものとなっており、移動体通信端末1に対して独立して配信されることができるとともに、配信先の移動体通信端末1においては、パートデータとして独立に再生ができるようになっている。
【0026】
次に、楽音データD1を例にとり、3つのパートデータPD1−1,PD1−2,PD1−3のデータ内容について具体的に説明する。
図7は、楽音データD1の内容を模式的に示した図である。図7における横軸は時間軸であり、3つのパートデータPD1−1,PD1−2,PD1−3を同時に再生処理した場合の時間に相当する。
ここで、パートデータPD1−1は、楽音データD1のうち、ドラム音などのいわゆるリズム音に係る部分をデータ化したものである。また、パートデータPD1−2は、楽音データD1のうち、ホーンセクションに係る楽音であって主としてハーモニーを奏でる楽音部分をデータ化したものである。さらに、パートデータPD1−3は、楽音データD1のうちいわゆる主旋律を奏でる楽音部分をデータ化したものである。
すなわち、パートデータPD1−1〜PD1−3は、楽音データD1における、所定パート部分を抜き出したデータに対応するものといえる。このため、3つのパートデータPD1−1〜PD1−3を同時に再生処理すると、楽音データD1そのものを再生処理したのと同じ効果を得ることができるようになっている。
【0027】
以上は、楽音データD1を構成するパートデータPD1−1〜PD1−3の内容であるが、楽音データD2を構成するパートデータPD2−1〜PD2−4についても同様の内容である。パートデータPD2−1〜PD2−4を同時に再生処理すると、楽音データD2の再生処理を行ったのと同様の効果を得ることができるようになっている。例えば、楽音データD2が弦楽四重奏に係る楽曲データであるとき、パートデータPD2−1は第1バイオリンの楽音に係るデータ、パートデータPD2−2は第2バイオリンの楽音に係るデータ、パートデータPD2−3はビオラの楽音に係るデータ、パートデータPD2−4はチェロの楽音に係るデータにそれぞれ対応している。
【0028】
▲4▼ 対応テーブル
HDD52には、移動体通信端末1から楽音データの配信要求を受けた際に、いずれのパートデータを配信すべきか決定するための対応テーブルTBが格納されている。
図8は、この対応テーブルTBの内容を模式的に示したものである。このように、本実施形態においては、ユーザが購入したコンサートチケットの情報(コンサート会場の指定座席など)に対応して、配信すべきパートデータが決定されるようになっている。
コンサート番号は、コンサートごとに予め決定されるシリアル番号であり、かかる番号により、いずれのコンサートのチケットを購入したユーザであるかを判別できる情報である。本実施形態においては、ある1つのコンサートに対して、配信すべき1曲の楽音データが予め決定されている。そして、対応テーブルTBにおいては、コンサート番号と、当該コンサートのチケットを購入したユーザに対して配信するパートデータの内容との対応付けが行われている。
座席番号は、コンサート会場HALLにおける、座席(客席K)の位置を示す情報である。前掲図2に示したように、コンサート会場HALLの客席Kに予め振られた1から600の番号のことをいう。
【0029】
これらの情報(コンサート番号、座席番号)は、ユーザが購入したチケット紙面に記載されている。ユーザは、かかる情報を移動体通信端末1からコンテンツサーバ5に対して送信し、一方、コンテンツサーバ5は、上掲図8に示したテーブルに従い、当該移動体通信端末に配信すべきパートデータを決定することになる。
以上が、本システム100の各構成要素の説明である。
【0030】
B:動作
次に動作の説明を行う。
コンテンツサーバ5から移動体通信端末1に対してパートデータの配信を行う際の動作フローを図9に示す。
本システム100では、パートデータの配信を行うにあたり、ユーザがコンサートチケットを購入していることが前提となる。ユーザは、たとえばFAXなどを用いてチケット予約をするとともに、指定の銀行口座に代金を振り込むなどして、好みのコンサートに係るチケットを取得する。
【0031】
図10は、コンサートチケットCTの紙面を例示するものである。このように、コンサートチケットCT紙面には、シリアル番号、コンサート番号、座席番号、URLアドレスの情報が記載されている。
シリアル番号は、各チケットに固有の番号であり、当該チケットが正当代金の支払いとともに販売が行われたか否かを判別するための情報である。
コンサート番号は、コンサートごとに予め決定される情報であり、コンサート番号により、当該チケットに係るコンサートを特定することができる。
座席番号は、コンサート会場HALL(図2参照)における座席位置を表すものであり、1〜600のいずれかの数字が付されている。
URLアドレスは、コンテンツサーバ5における、楽音データの配信を行うWebサイトに対応する情報である。
【0032】
図9に戻り、動作の説明を続ける。
ユーザが移動体通信端末1に当該URLアドレスを入力し、所定操作を行うと、移動体通信端末1は、基地局2、移動体通信網3、インターネット4を介して、コンテンツサーバ5の所定Webページにアクセスする(ステップSb1)。一方、コンテンツサーバ5の制御部51は、予めHDD52に格納される、データ配信の際のページ(情報入力画面)を表示する。このページはたとえばHTML(Hyper Text Markup Language)のデータにより構成される(ステップSb2)。
【0033】
図11は、この情報入力画面を例示したものである。このように、情報入力画面は、ユーザに関する情報の入力を促す表示領域B1と、購入したチケットに関する情報の入力を促す表示領域B2を含んでいる。ユーザは、このように表示された情報入力画面の表示に従って、各項目を順次入力していく。
【0034】
表示領域B1には、ユーザの性別、年齢といったユーザの個人情報の入力項目と、各項目に対応した入力欄とが表示される。ユーザは、数字キーなどの操作ボタンを操作して各入力欄に適当な文字を入力していく。
このようなユーザの個人情報は、コンサート興行者にとっては、次回のコンサートを企画をするにあたって非常に貴重な資料となるものであるが、従来はこれといった取得手段がなく、たとえばコンサート当日にアンケート用紙を配布し、記入後に回収して情報取得していたに過ぎなかった。そして、アンケート用紙の回収率は高いものとはいえなかった。
本システム100においては、コンサート開催前において、このような個人情報の回収を行うことができるため、アンケートの手間や、データ集計を行う煩わしさを回避できる効果も奏する。なお、ユーザの個人情報の内容は任意であり、年齢と性別以外の情報として、さらに、ユーザの好みの音楽ジャンル、楽器歴などについても入力項目として設けるようにしてもよい。
次に、表示領域B2には、シリアル番号、コンサート番号、座席番号、といった、チケット紙面に記載される情報の入力項目と、各項目に対応した入力欄とが表示される。ユーザは、数字キーなどの操作ボタンにより各入力欄に該当する文字を入力していく。
【0035】
再び図9に戻り、動作の説明を続ける。
さて、上述した各事項の入力が完了すると、ユーザは、図11に示す「送信」ボタンをクリックする。この結果、入力された各情報がコンテンツサーバ5内の制御部51(CPU511)によって認識され、ユーザの個人情報(性別、年齢に係る情報)についてはHDD52に格納される(ステップSb3)。
【0036】
コンテンツサーバ5の制御部51は、移動体通信端末1から送信された座席番号などの内容に基づき、HDD52に格納されるパートデータの中から配信すべきパートデータを抽出する(ステップSb4)。配信するパートデータの決定にかかわる動作について以下に詳細に説明する。
【0037】
図12は、コンテンツサーバ5のCPU511によって行われる、配信するパートデータの抽出処理にかかわる動作フローである。
まず、CPU511は、移動体通信端末1から送信されたシリアル番号の内容を判別し、有効なものか否かを判別する(ステップS51)。具体的には、当該チケットが正当代金の支払いとともに販売が行われたか否かを判別し、有効性が否定された場合は、この後のパートデータ配信処理を中止し、移動体通信端末1に対してはエラー処理の旨を通知する(ステップS59)。
【0038】
有効なシリアル番号の場合(ステップS51:YES)、CPU511は、コンサート番号の内容を判別し、当該ユーザが購入したチケットに係るコンサートを特定する(ステップS52、ステップS53)。具体的には、コンサート番号が、HDD52に格納される対応テーブルTB(前掲図8参照)に登録されている番号であるか否かを判別する。
そして、コンサート番号自体が判別できない場合や、判別できたとしても対応テーブルTBに登録されていない番号であった場合は、この後のパートデータ配信処理を中止し、移動体通信端末1に対してはエラー処理の旨を通知する(ステップS59)。
【0039】
ユーザが購入したチケットに係るコンサートが特定できると(ステップS52:YES、ステップS53)、CPU511は、座席番号の情報を判別し(ステップS54)、HDD52に格納されている対応テーブルTBの内容から、配信すべきパートデータの内容を決定する(ステップS55)。たとえば、コンサート番号として「CON−001」が送信されるとともに、座席番号として「100」が送信された場合、当該移動体通信端末1に対しては、パートデータPD1−1が配信データとして決定される。また、コンサート番号として「CON−002」が送信されるとともに、座席番号として「100」が送信された場合、当該移動体通信端末1に対しては、パートデータPD2−1が配信データとして決定される。
なお、対応テーブルTBに登録されていない無効の座席番号であった場合は、この後のパートデータ配信処理を中止し、移動体通信端末1に対してはエラー処理の旨を通知する(ステップS59)。
以上が、配信すべきパートデータ決定にかかわる動作処理の内容である。
【0040】
図9に戻り、動作の説明を続ける。
コンテンツサーバ5は、このようにして配信すべきパートデータを決定後、実際にデータ配信を行う(ステップSb5)。一方、移動体通信端末1は、かかる配信を受け、パートデータをEEPROM114に格納する(ステップSb6)。
なお、この配信の際において、移動体通信端末1から別途リクエストがあれば、所定のアプリケーションプログラムも同時に配信するようにしてもよい。かかるアプリケーションプログラムは、移動体通信端末1において、パートデータの再生を実行するためのものである。このアプリケーションプログラムも、移動体通信端末1のEEPROM114に格納される。
【0041】
以上が、コンテンツサーバ5から移動体通信端末1に対してパートデータの配信を行う際の動作内容である。要するに、移動体通信端末1から配信すべき楽音データを識別するための識別情報(コンサート番号)が配信要求として送信された場合、コンテンツサーバ5は、かかる識別情報に基づき、配信すべき楽音データを識別し、当該楽音データを構成するパートデータのうちのいずれかを、配信要求のあった移動体通信端末1に対して配信する。
ここで、楽音データを構成するパートデータのうちのいずれのパートデータを配信するかは、移動体通信端末1から送信されるユーザの個人情報(コンサート会場の座席番号)によって抽出決定される。この抽出決定するための、ユーザの個人情報とパートデータとの対応テーブルは、予めコンテンツサーバ5に格納されている。
このように、本システム100においては、移動体通信端末1から、配信対象となるパートデータの指定を行うのではなく、コンテンツサーバ5主体の下、ユーザの個人情報(コンサート会場の座席番号)に対応したパートデータが配信されるという点を特徴とする。言い換えれば、ユーザはパートデータの指定を行うことができず、あくまでコンサート番号などの情報を送信するだけであり、コンテンツサーバ5は、同じコンサートに参加するユーザの各移動体通信端末1に対して楽音データを構成するパートデータが振り分けられるように、パートデータの配信を制御する。本実施形態においては、コンサート会場HALLの座席番号による配信制御が行われるため、コンサートチケットを予約購入したユーザの移動体通信端末1に対して、各々のパートデータが平均的に振り分けられるように配信されることになる。
【0042】
一方、コンテンツサーバ5は、個々の移動体通信端末1にパートデータの配信を行った後、個々の移動体通信端末1から送信された個人情報(年齢、性別などの情報)の集計を行う。集計の結果、コンサートごとに、チケット購入者の性別比や年齢層を表す情報が生成されることとなり、コンサートを興行する者においては、次回のコンサート企画などの貴重な参考資料として有効利用される。
【0043】
C:効果
以上説明したように、本システム100においては、コンサートチケットを購入したユーザは、移動体通信端末1からコンテンツサーバ5に対して楽音データの配信を受けるべくアクセスを行う。一方、コンテンツサーバ5は、移動体通信端末1から送信されたコンサートチケットに係る情報(コンサート番号や座席番号など)に基づき、所定のパートデータを配信する。
このように、本実施形態に係るシステム100においては、個々の移動体通信端末1に対し、当該ユーザが購入したチケットの内容に応じたパートデータがそれぞれ配信されることになる。ここで、パートデータの配信にあたっては、移動体通信端末1から、配信対象となるパートデータの指定が行われるのではなく、コンテンツサーバ5主体の下、ユーザの個人情報(コンサート会場の座席番号)に対応したパートデータが配信される。このため、ユーザにおいては、どのようなパートデータが配信されるのか予測できず、また、実際にコンサート会場HALLにおいて、他のユーザの移動体通信端末1とともにパートデータの再生を行うまでは、どのような楽曲にかかわるパートデータであるか予測できないことになる。
【0044】
ここで、本実施形態に係る効果をより具体的に説明するために、コンサート番号として「CON−001」が付されたコンサートを例にした説明を行う。前述したように(図8)、コンサート番号「CON−001」のチケットを購入したユーザにつき、座席番号1〜200のチケット購入者に対しては、パートデータPD1−1、座席番号201〜400のチケット購入者に対しては、パートデータPD1−2、座席番号401〜600のチケット購入者に対しては、パートデータPD1−3が配信されるようになっている。
【0045】
そして、コンサート番号「CON−001」のコンサート当日、コンサート会場HALLに集まったユーザの移動体通信端末1には、楽音データD1に係るパートデータPD1−1〜PD1−3のいずれかが格納されている。そして、ステージST(図2参照)上にいるアーティストの掛け声などに合わせて、各ユーザが一斉に移動体通信端末1からパートデータの再生を開始する。
すると、コンサート会場HALLの客席群Aにいるユーザの移動体通信端末1からはリズム音に係る楽音、客席群Bにいるユーザの移動体通信端末1からはホーンセクションに係る楽音、客席群Cにいるユーザの移動体通信端末1からは主旋律に係る楽音がそれぞれ一斉に出力される。これらの、リズム音に係る楽音、ホーンセクションに係る楽音、主旋律に係る楽音は、同時に再生すると、楽音データD1を再生したのと同様の効果を奏することができるため、コンサート会場HALL全体として楽音データD1が奏される独自の音響空間を創ることができるのである。さらに、各移動体通信端末1の発光部17は点灯あるいは点滅するため、ユーザは移動体通信端末1をペンライトのようにして使用することも可能である。
【0046】
一方、ステージSTにいるアーティストは、客席Kから奏される楽音に合わせて、歌いだしたり、あるいは、ギターやピアノの演奏を開始することができる。このように、本システム100によれば、コンサート会場HALLの客席KとステージSTにいる者が一体となって、1つの楽曲演奏を行うこともできる独自の音響空間を実現することができる。
【0047】
D:変形例
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の趣旨の範囲内で任意に変形をすることができる。以下にいくつかの変形例を説明する。
【0048】
(変形例1)
上述した実施形態においては、コンサート会場HALLは一種類であることを想定しているが、複数のコンサート会場を想定してもよい。この場合においても、前掲図8に示したような、座席番号と配信データとの関係を表す対応テーブルTBをコンサート会場ごとに用意しておけば、上述実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0049】
(変形例2)
また、同じコンサート会場においても、パートデータの配信方法を変えるようにしてもよい。上述した実施形態においては、座席番号によって3つあるいは4つの区分けを行っているが、図13に示すように、さらに多くの区分けを行い、複数のパートデータが客席全体として均等に配信される状況になるようにしてもよい。この場合においても、座席番号と配信データとの関係を表す対応テーブルTBを予め用意しておけば、上述実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
また、パートデータの配信を行うのは客席全体ではなく、客席の一部としてもよい。その際の配信を行うユーザの選択は、客席番号などの購入したチケットに関する情報の他に、パートデータを配信する際に入力するユーザの個人情報を用いてもよい。例えば、20歳から29歳までのユーザのみにあ対してパートデータの配信を行うようにしてもよく、あるいは v、男性のユーザと女性のユーザに対してそれぞれ異なるパートデータの配信を行うようにしてもよい。
【0050】
(変形例3)
また、上述した実施形態においては、1つのコンサートにおいて、配信するパートデータは1曲であることを想定しているが、複数の楽曲に係るパートデータを配信することとしてもよい。この場合においても、前掲図8に示したような、座席番号と配信データとの関係を表す対応テーブルTBを曲ごとに用意しておけば、上述実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
また、複数のパートデータを配信する場合は、専用のアプリケーションソフトとして、所定のパートデータが簡易に再生開始できるようなものを用意して、各移動体通信端末1に配信するのが好ましい。たとえば、2曲分のパートデータの配信を行うこととした場合、移動体通信端末1において、ユーザが1の数字キーを押すと1曲目のパートデータの再生が開始され、2の数字キーを押すと2曲目のパートデータの再生が行われる、というような簡易な操作により各パートデータの再生ができるようにしておくのがユーザの誤動作を回避する点においても望ましい。
【0051】
(変形例4)
さらに、専用のアプリケーションソフトウェアの機能として、パートデータの再生を行うにあたり、楽曲のうちの設定した単位区間、たとえば1小節ごとを単位とする再生ができるような機能を持たせるようにしてもよい。
たとえば、ユーザが移動体通信端末1の所定キーを押すごとに、1小節ごとのパートデータの再生が行われるようにすれば、最初の再生タイミングが合わなかったユーザもその後タイミングを合わせることができる利点がある。
本変形例においては、パートデータのデータ構成を予め所定のものに変換しておくことが好ましい。たとえば、パートデータの1小節ごとに所定のマークをつけておき、ユーザが移動体通信端末1の所定キーを押すたびに、マーク間のデータ再生を行うようにする。このような構成とすることにより、ユーザはい1小節ごとに、リズムをとりながら移動体通信端末1の所定キーを押すようにすれば、他のユーザの再生速度と容易に合致することとなる効果が奏される。
【0052】
(変形例5)
また、コンサート会場HALL内に、近距離無線信号を受信可能なパワーアンプを設置しておき、移動体通信端末1からパートデータに係る無線信号を受信できようにしてもよい。これによりより迫力ある演奏が実現できることとなる。近距離無線の形態としては、たとえばBlue tooth(登録商標)通信や赤外線通信(IrDA:Infrared Data Association)を利用することができる。
あるいは、コンサート会場HALL内に、近距離無線信号を受信可能な電子楽器を用意しておき、楽器経験のあるユーザは、移動体通信の所定キーを操作して、ステージ上の電子楽器の演奏ができるような環境を創ってもよい。このような環境により、客席にいながら、アドリブ演奏などをすることができる独自の音響空間を創ることもできる。
また上記の近距離無線を用いて、ユーザの移動体通信端末1からパートデータの再生タイミングを制御できるようにしてもよい。
【0053】
(変形例6)
上述した実施形態においては、パートデータはMIDIデータであることを想定しているが、他のデータ形式であってもよく、たとえばMP3(MPEG-1 Audio Layer3)により圧縮されたデータであってもよい。
【0054】
(変形例7)
移動体通信端末1も、コンサート会場HALLにユーザが持参できるものであれば代用可能であり、たとえば上述したMP3データの再生装置でもよい。コンサート会場HALLにおいて、移動体通信端末1の種類は統一されていなくても上述実施形態の作用、効果は奏される。
【0055】
(変形例8)
また、上述した実施形態においては、移動体通信端末1自体にパートデータの配信を行うこととしているが、たとえばユーザは、PC(Personal Computer)からコンテンツサーバ5にアクセスしてパートデータの配信を受け、その後、自分の移動体通信端末1にパートデータを転送するような形態をとってもよい。
移動体通信端末1としても、携帯電話だけでなく、MP3プレーヤ、PDA(Personal Digital Assistants)あるいは携帯型パソコンといった携帯性を有するものであれば利用することができる。
【0056】
(変形例9)
上記実施形態において、パートデータ等を格納するHDD52はコンテンツサーバ5の外に設置する構成にしてもよい。また、コンサート会場HALLごと、あるいは、アーチストの所属するレコード会社ごとに別々のHDD52を設け、コンテンツサーバ5の制御下において、パートデータの配信制御を行うこととしてもよい。
【0057】
(変形例10)
コンサートチケットの販売方法は任意に変形することが可能である。たとえば、チケット代金の支払い方法は、直接プレイガイドで現金による支払いとしてもよく、ホームバンキング等の電子決済を利用したチケット料金の支払いを行うこととしてもよい。電子決済を利用する場合、インターネット4を介したチケット販売を行うこととしてもよい。
また、ユーザは移動体通信端末1を用いて、コンテンツサーバ5にアクセスしてコンサートチケットを購入できるようにしてもよい。この場合は、チケット代金の支払いを確認後、コンテンツサーバ5側から移動体通信端末1に対し、チケットの内容に応じたパートデータの配信を自動的に行うようにしてもよい。
【0058】
(変形例11)
発光部17の制御方法についても任意に変形が可能であり、上述した実施形態においては、パートデータの再生時に点灯、点滅するようにしているが、曲の所定部分にさしかかった場合に点灯、点滅するように制御を行うこととしてもよい。また、ユーザの座席位置によって、点灯、点滅するタイミングをずらすようにしてもよい。
【0059】
(変形例12)
上述した実施形態においては、コンサートチケットを購入したユーザに対する楽音データの配信を行うシステム100に係るものであったが、コンサート以外のイベントのチケットを購入したユーザに対する楽音データ配信を行うシステムとしての利用も可能である。
たとえば、スポーツイベント(たとえば野球やサッカーの試合)のチケットを購入したユーザに対する楽音データ配信を行うシステムであってもよい。
この場合、コンテンツサーバ5は、野球やサッカーの試合チケット購入者に対し、スタジアムの座席に応じたパートデータの配信を行うようにすればよく、かかるパートデータを一斉に再生したときに、応援するチームの応援歌などが奏されるようになっていれば、上述した実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
たとえば、野球であれば攻守交代の際、サッカーであればハーフタイムの際に、応援リーダの掛け声にあわせて、各ユーザは一斉に移動体通信端末1の操作を行い、パートデータの再生をスタートさせる。すると、スタジアム客席の全体から、チーム応援歌が奏されるという、特殊な音響空間を創り出すことができる。
【0060】
(変形例13)
なお、本実施形態に係るコンテンツサーバ5を制御するプログラムについては、予めコンテンツサーバ5にインストールされていることを前提としているが、かかるインストール方法は任意であり、たとえば、プログラムが記録されたCD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)などの記録媒体を用いて、コンテンツサーバ5にインストールしてもよい。また、プログラムをネットワークを介してネット配信の形態によりインストールすることとしてもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、従来にない楽音データの配信方法を提供でき、かかる楽音データを用いた新たな楽しみかたを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る楽音データ配信システム100のシステム図である。
【図2】 同システム100におけるコンサート会場HALLの見取り図である。
【図3】 同システム100における移動体通信端末1のブロック図である。
【図4】 同システム100における移動体通信端末1の外観図である。
【図5】 同システム100におけるコンテンツサーバ5のブロック図である。
【図6】 同システム100におけるコンテンツサーバ5のHDD52に格納される楽音データを模式的に示す図である。
【図7】 同システム100における配信対象となるパートデータの内容を説明するための図である。
【図8】 同システム100におけるコンテンツサーバ5のHDD52に格納される対応テーブルTBの内容を模式的に示す図である。
【図9】 同システム100におけるコンテンツサーバ5が移動体通信端末1にパートデータを配信する際のフローである。
【図10】 同システム100におけるコンサートチケットCTの紙面を例示する図である。
【図11】 同システム100における移動体通信端末1に表示される内容を例示する図である。
【図12】 同システム100におけるコンテンツサーバ5が配信すべきパートデータを決定する際のフローである。
【図13】 変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
1……移動体通信端末(たとえば携帯電話)、
11……制御部、111……CPU、112……ROM、
113……RAM、114……EEPROM、
12……無線通信部、121……アンテナ、13……ユーザインターフェース部、
16……音源回路部、16a……スピーカ、17……発光部、
2……基地局、3……移動体通信網、4……インターネット、
5……コンテンツサーバ、
51……制御部、511……CPU、512……ROM、513……RAM
52……HDD、53……通信インターフェース部
100……楽音データ配信システム。
Claims (2)
- 座席が予め複数の座席群として区分されたイベント会場の前記座席のチケットを予約購入したユーザが所持するユーザ用端末と該複数のユーザ用端末に対してコンテンツデータの配信をネットワークを介して行うコンテンツサーバとを備えるシステムであって、
前記コンテンツサーバは、
複数のパートデータから構成されるコンテンツデータと前記座席群に対して一つのパートデータが対応付けられたテーブルとを格納する記憶手段と、
前記ユーザ用端末から前記ネットワークを介し、コンテンツデータを識別するための識別情報および当該ユーザが予約購入したイベントチケットにおける指定座席にかかる情報である個人情報を含む配信要求があった場合に、当該識別情報によって識別される前記コンテンツデータに含まれる複数の前記パートデータの中から、前記テーブルに基づいて当該ユーザの座席が属する座席群に対応した前記パートデータを抽出するとともに、抽出した前記パートデータを前記ネットワークを介して配信要求元の前記ユーザ用端末に配信することにより、前記各ユーザ用端末に前記複数のパートデータを振り分けるように配信する制御手段とを有し、
前記ユーザ用端末は、
前記コンテンツサーバから配信されるパートデータを受信する受信手段と、
前記受信されたパートデータを、ユーザによって操作される操作手段から操作信号が出力される毎に、予め定められた単位区間ずつ再生する再生手段と
を有することを特徴とするコンテンツデータ配信システム。 - 座席が予め複数の座席群として区分されたイベント会場の前記座席のチケットを予約購入したユーザが所持するユーザ用端末と、複数のパートデータから構成されるコンテンツデータと前記座席群に対して一つのパートデータが対応付けられたテーブルとを格納するコンテンツサーバであって該ユーザ端末に対してコンテンツデータの配信をネットワークを介して行うコンテンツサーバとを備えるシステムのコンテンツデータ配信再生方法であって、
前記コンテンツサーバが、前記ユーザ用端末から前記ネットワークを介し、コンテンツデータを識別するための識別情報および当該ユーザが予約購入したイベントチケットにおける指定座席にかかる情報である個人情報を含む配信要求があった場合に、当該識別情報によって識別される前記コンテンツデータに含まれる複数の前記パートデータの中から、前記テーブルに基づいて当該ユーザの座席が属する座席群に対応した前記パートデータを抽出するとともに、抽出した前記パートデータを前記ネットワークを介して配信要求元の前記ユーザ用端末に配信することにより、前記各ユーザ用端末に前記複数のパートデータを振り分けるように配信する過程と、
前記ユーザ用端末が、前記コンテンツサーバから配信されるパートデータを受信する受信過程と、
前記ユーザ用端末が、前記受信されたパートデータを、ユーザによって操作される操作手段から操作信号が出力される毎に、予め定められた単位区間ずつ再生する再生過程と
を有することを特徴とするコンテンツデータ配信再生方法。
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