JP4019573B2 - 無段変速装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば自動車用として利用されるトロイダル型無段変速機構を組込んだ無段変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シングルキャビティ式のトロイダル型無段変速機構を組込んだ無段変速装置として、例えば特開平10―196759号公報に開示されているように、駆動源としてのエンジンにより回転駆動される入力軸と、この入力軸の回転の動力を出力する出力軸とを備え、これら入力軸と出力軸とが互いに平行に配置され、入力軸にトロイダル型無段変速機構が、出力軸に遊星歯車機構がそれぞれ設けられたパワー・スプリット型の無段変速装置が知られている。
【0003】
この無段変速装置は、低速モード時に入力軸の回転の動力をトロイダル型無段変速機構を介して遊星歯車機構に伝える第1の動力伝達経路と、高速モード時に入力軸の回転の動力をトロイダル型無段変速機構を介さずにバイパスして遊星歯車機構に伝える第2の動力伝達経路とを有し、高速モード時にはトロイダル型無段変速機構による変速動作が第1の動力伝達経路を介して遊星歯車機構に伝えられて変速の制御が行なわれるようになっている。そしてモード切り換え用の各クラッチ機構が出力軸に設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、入力軸と出力軸を平行に配置し、入力軸にトロイダル型無段変速機構を設け、出力軸に遊星歯車機構および各クラッチ機構を設け、これらトロイダル型無段変速機構と遊星歯車機構および各クラッチ機構が並列して配置するように構成した無段変速装置は、その軸方向寸法を短くすることが可能で、したがって特に軸方向寸法が制約されるFF小型車向けに適合する。
【0005】
しかしながら、従来の無段変速装置においては、入力軸に配置したトロイダル型無段変速機構と、出力軸に配置した遊星歯車機構および各クラッチ機構とがその軸方向からみたときに左右に離れて並列しており、このためその全体の径方向寸法が大きくなる難点がある。
【0006】
トロイダル型無段変速機構自体の径方向寸法および遊星歯車機構自体の径方向寸法はエンジンの大きさ(排気量)によって基本的に決まってしまうから、無段変速装置の全体の径方向寸法を小さくするためには入力軸と出力軸との芯間距離を短くする必要があるが、従来の構成ではそれを実現することが困難となっている。
【0007】
この発明はこのような点に着目してなされたもので、その目的とするところは、軸方向寸法を短く抑えつつ径方向寸法を短くしてFF小型車等への搭載を有利に行なうことができる無段変速装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記目的を達成するために、互いに平行に配置された入力軸および出力軸を備え、前記入力軸の外周にトロイダル型無段変速機が、前記出力軸の外周に遊星歯車機構がそれぞれ設けられ、低速モード用クラッチ機構の接続時には、前記入力軸の回転の動力が前記トロイダル型無段変速機を介して第1の動力伝達経路から前記遊星歯車機構を通して前記出力軸に伝達され、高速モード用クラッチ機構の接続時には、前記入力軸の回転の動力が、前記第1の動力伝達経路と前記トロイダル型無段変速機を介さない第2の動力伝達経路とから前記遊星歯車機構を通して前記出力軸に伝達される無段変速装置において、前記高速モード用クラッチ機構および前記トロイダル型無段変速機が前記入力軸に配置され、さらにこの入力軸に前記高速モード用クラッチ機構と前記トロイダル型無段変速機との間に位置してそのトロイダル型無段変速機の軸方向推力を支持するアンギュラ軸受部が配置され、前記低速モード用クラッチ機構および前記遊星歯車機構が前記出力軸に配置され、これら低速モード用クラッチ機構および遊星歯車機構の径方向寸法の一部と前記トロイダル型無段変速機の径方向寸法の一部とが互いにラップする状態で、かつ前記アンギュラ軸受部と並列して位置されていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1にはパワー・スプリット型の無段変速装置の断面図を、図2にはその無段変速装置の模式的な構成図をそれぞれ示してある。この無段変速装置はケーシング1を備え、このケーシング1内に入力軸2およびこの入力軸2と平行に配置された出力軸3が設けられている。
【0012】
入力軸2は駆動源としてのエンジン4の駆動軸(クランクシャフト)に発進クラッチ5を介して連結され、エンジン4によって回転駆動されるようになっている。そしてこの入力軸2の外周にトロイダル型無段変速機構6が、出力軸3の外周に遊星歯車機構7がそれぞれ設けられている。
【0013】
トロイダル型無段変速機構6は、互いに対向した入力ディスク10および出力ディスク11を備え、これら入力ディスク10および出力ディスク11は入力軸2の外周にそれぞれ軸受を介して回転自在に支持されている。
【0014】
入力ディスク10および出力ディス11の外周側には複数、例えば2つのトラニオン12が互いに対向して配置するように設けられ、これらトラニオン12は図3に示すようにそれぞれ枢軸13を有し、これら枢軸13はケーシング1の一部の固定部1aに回転自在に支持され、これら枢軸13を中心としてトラニオン12が揺動するようになっている。
【0015】
各トラニオン12の中央部には変位軸14が設けられ、これら変位軸14がトラニオン12の揺動に応じて傾斜角度を変化させるようになっている。そしてこれら変位軸14にパワーローラ15が回転自在に取り付けられ、これらパワーローラ15が入力ディスク10と出力ディスク11との互いに対向する内側面間に挾持されている。
【0016】
入力ディスク10および出力ディスク11におけるそれぞれの内側面10a,11aの断面形状は、枢軸13を中心とする円弧を入力軸2回りに回転させることによって得られる凹面形状となっている。そしてパワーローラ15の外周面15aはその凹面形状に対応する凸面形状となっていて、これらパワーローラ15の外周面15aが入力ディスク10および出力ディスク11の内側面10a,11aに当接し、トラニオン12を揺動させて変位軸14の傾斜角度を変化させることにより、入力ディスク10と出力ディスク11との間の回転速度比すなわち変速比を変えることができるようになっている。
【0017】
入力軸2と入力ディスク10との間には押圧装置18が設けられ、この押圧装置18は入力ディスク10を出力ディスク11に向って押圧するもので、入力軸2の端部に取り付けられたカム板19と、このカム板19の内側にリング状の保持器を介して転動自在に保持された複数のローラ20を備えており、カム板19の一方の面にはその円周方向に延びる凹凸形状のカム面19aが形成されている。
【0018】
入力ディスク10の外側面には前記カム面19aと同様の形状のカム面10bが形成され、これらカム面19a,10bの間に前記複数のローラ20が設けられている。これらローラ20は入力軸2の中心から放射状に延びる軸を介して回転自在に支持されている。
【0019】
そして入力軸2と一体にカム板19が回転し、このカム板19の回転に応じてカム面19aにより各ローラ20が入力ディスク10のカム面10bに押圧される。この押圧でさらに入力ディスク10が各パワーローラ15に向って押圧され、またカム面19a,10bがローラ20を介して互いに結合し、カム板19と一体的に入力ディスク10が回転する。入力ディスク10が回転すると、各パワーローラ15が変位軸14を中心に回転し、その回転力が摩擦により出力ディスク11に伝達され、出力ディスク11が回転する。
ここで、各トラニオン12を揺動させて変位軸14の傾斜角度を変化させると、入力ディスク10と出力ディスク11との間の変速比が変化する。
【0020】
各トラニオン12の揺動は制御バルブ23およびピストンユニット24を備える油圧駆動回路により制御されるもので、その制御バルブ23は、図3および図4に示すように、トロイダル型無段変速機構6の直下に設けられ、入出力ディスク10,11の軸方向とほぼ平行に配置されている。制御バルブ23はスリーブ21およびこのスリーブ21内に収納されたスループ22を備え、スループ22はバルブリンク25を介してプリセスカム26に連結されている。この制御バルブ23は二つのピストン17の間に配置され、バルブリンク25は制御バルブ23と直角に配置されている。そしてプリセスカム26とリンクバルブ25のリンク25aとの接する位置はトラニオン12と制御バルブ23との間となっている。
【0021】
従来の無段変速装置においては、制御バルブ23が入出力ディスク10,11の軸方向と直角に配置されているが、この実施形態のように制御バルブ23を入出力ディスク10,11の軸方向とほぼ平行に配置させることにより、コンパクトなレイアウトが可能となる。
【0022】
一方、出力軸3に設けられた遊星歯車機構7は太陽歯車27を備え、この太陽歯車27は図5に示すように出力軸3に固定して取り付けられている。この太陽歯車27の周囲には同心的にリング歯車28が回転自在に設けられ、このリング歯車28の内周と太陽歯車27との間に複数の遊星歯車組29が設けられている。
【0023】
これら遊星歯車組29はそれぞれ一対ずつの遊星歯車29a,29bの組み合わせからなり、その一対の遊星歯車29a,29bは互いに噛合するとともに、一方の遊星歯車29aがリング歯車28に噛合し、他方の遊星歯車29bが太陽歯車27に噛合している。このように遊星歯車組29を一対の遊星歯車29a,29bを用いて構成しているのは、リング歯車28と太陽歯車27との回転方向を一致させるためである。
【0024】
各遊星歯車組29は、出力軸3の外周に設けられたキャリア30に出力軸3と平行な枢軸31を介して支持されている。そしてキャリア30は出力軸3にニードル軸受等の軸受を介して回転自在に支持されている。
【0025】
トロイダル型無段変速機構6の出力ディスク10とキャリア30は第1の動力伝達経路34を介して回転力の伝達が可能な状態に接続されている。この第1の動力伝達経路34は出力歯車35と、アイドル歯車36と、伝達歯車37とで構成されている。
【0026】
出力歯車35は出力ディスク11の外側部に出力ディスク11と一体的かつ同心的に嵌着結合され、また伝達歯車37はキャリア30と一体的かつ同心的に結合されている。そして図6に示すようにアイドル歯車36は出力歯車35と伝達歯車37との間にこれらに噛合して設けられている。したがって、キャリア30は出力ディスク11の回転に伴ってこの出力ディスク11と同一方向に出力歯車35と伝達歯車37の歯数に応じた速度で回転する。
【0027】
出力ディスク11の外側部側には、トロイダル型無段変速機構6に加わる軸方向推力を支持するための一対のアンギュラ軸受40a,40bが入力軸2の外周に同心的に設けられている。これらアンギュラ軸受40a,40bはケーシング1の一部の固定部1bに取り付けられ、トロイダル型無段変速機構6の軸方向推力を支持するようになっている。
【0028】
そして前記出力歯車35は一方のアンギュラ軸受40aと他方のアンギュラ軸受40bとの間に配置するように設けられ、またアイドル歯車36の支軸36aは図8に示すように、アンギュラ軸受40a,40bを支持したケーシング1の一部の固定部1bを利用して支持されている。
【0029】
一方、入力軸2と遊星歯車機構7のリング歯車28は第2の動力伝達経路42を介して回転力の伝達が可能な状態に接続されている。この第2の動力伝達経路42は図7に示すように駆動歯車43と従動歯車44とで構成されている。
【0030】
駆動歯車43は入力軸2の外周に軸受を介して回転自在に支持され、従動歯車44は駆動歯車43に噛合し、伝達軸45に固定されている。伝達軸45は出力軸3の外周に軸受を介して回転自在に支持され、この伝達軸45が遊星歯車機構7のリング歯車28に結合されている。
【0031】
また、この無段変速装置は低速モード用クラッチ機構47、高速モード用クラッチ機構48および後退モード用クラッチ機構49を備えている。低速モード用クラッチ機構47はキャリア30とリング歯車28との間に設けられ、その接続時に遊星歯車機構7を構成する太陽歯車27とリング歯車28と遊星歯車組29との相対変位を阻止してその太陽歯車27とリング歯車28とを一体的に結合するようになっている。
【0032】
高速モード用クラッチ機構48は入力軸2と駆動歯車43との間に設けられ、その接続時に入力軸2の回転力を駆動歯車43に伝達するようになっている。これら低速モード用クラッチ機構47と高速モード用クラッチ機構49は、その一方が接続されたときには他方の接続が断たれるように制御回路により制御される。
【0033】
後退モード用クラッチ機構49は、リング歯車28とケーシング1の一部の固定部1cとの間に設けられ、リング歯車28をバンドで締結する方式となっている。そしてこの後退モード用クラッチ機構49は低速モード用クラッチ機構47と高速モード用クラッチ機構48とのいずれか一方が接続されたときには、接続が断たれ、またこの後退モード用クラッチ機構49が接続されたときには低速モード用クラッチ機構47と高速モード用クラッチ機構48が共にその接続が断たれるようになっている。
【0034】
出力軸3は歯車51,52からなる第3の動力伝達経路53を介してデファレンシャルギア54に接続されている。そして出力軸3の回転力が第3の動力伝達経路53を介してデファレンシャルギア54に伝達され、自動車の駆動輪55が駆動されるようになっている。
【0035】
出力歯車35、駆動歯車43、低速モード用クラッチ機構47に対してはそれぞれその回転数を検出する回転数検出手段としての検出センサ56,57,58がそれぞれ設けられている。
【0036】
遊星歯車機構7、低速モード用クラッチ機構47および後退モード用クラッチ機構49は互いに接近して出力軸3に設けられ、これら互いに接近した遊星歯車機構7、低速モード用クラッチ機構47および後退モード用クラッチ機構49は入力軸2に設けられたトロイダル型無段変速機構6と駆動歯車43との間に配置されている。
【0037】
入力軸2に設けられたトロイダル型無段変速機構6と駆動歯車43との間にはアンギュラ軸受40a,40bおよび出力歯車35が配置しているが、これらアンギュラ軸受40a,40b、出力歯車35は共にその径方向寸法がトロイダル型無段変速機構6に比較して充分小さく、したがってトロイダル型無段変速機構6と駆動歯車43との間には余剰の空間が残っている。
【0038】
そこでこの実施形態においては、遊星歯車機構7、低速モード用クラッチ機構47および後退モード用クラッチ機構49をトロイダル型無段変速機構6と駆動歯車43との間の区間、つまりアンギュラ軸受40a,40bと並列する位置に配置させ、遊星歯車機構7、低速モード用クラッチ機構47および後退モード用クラッチ機構49の径方向寸法の一部とトロイダル型無段変速機構6の径方向寸法の一部とが互いにラップする状態に配置させてある。
【0039】
次に、この無段変速装置の作用について説明する。
低速モード時には低速モード用クラッチ機構47が接続され、高速モード用クラッチ機構48および後退モード用クラッチ機構49の接続が断たれ、この状態でエンジン4の駆動により入力軸2が回転する。このときの回転の動力はトロイダル型無段変速機構6を介して入力軸2から出力軸3に伝達される。
【0040】
すなわち、低速モード用クラッチ機構49の接続でリング歯車28とキャリア30とが一体的に結合され、遊星歯車機構7を構成する太陽歯車27、リング歯車28、遊星歯車組29の相対回転が不能になる。このとき、高速モード用クラッチ機構48の接続が断たれているから、リング歯車28は回転自在な状態にある。
【0041】
この状態で、入力軸2の回転の動力は押圧装置18を介して入力ディスク10に伝わり、さらにパワーローラ15を介して出力ディスク11に伝わる。出力ディスク11の回転力は第1の動力伝達経路34を構成する出力歯車35、アイドル歯車36、伝達歯車37を介してキャリア30およびリング歯車28に伝わる。このとき、遊星歯車機構7を構成する太陽歯車27、リング歯車28、遊星歯車組29の相対回転が不能となっているから、キャリア30と一体的に遊星歯車機構7の全体が回転し、キャリア30およびリング歯車28と同じ速度で出力軸3が回転する。
【0042】
そしてこのような低速モード時において、トラニオン12を揺動させ、変位軸14の傾斜角度を変えることにより入力軸2と出力軸3との間の変速比を変えることができる。このときの入力軸2と出力軸3との間の変速比、すなわち無段変速装置全体としての変速比は、トロイダル型無段変速機構6の変速比に比例する。また、トロイダル型無段変速機構6に入力されるトルクは入力軸2に加えられるトルクに等しくなる。
【0043】
一方、高速モード時には、高速モード用クラッチ機構48が接続され、低速モード用クラッチ機構47および後退モード用クラッチ機構49の接続が断たれ、この状態で入力軸2が回転する。このときには、入力軸2の回転の動力は第2の動力伝達経路42を構成する駆動歯車43と従動歯車44および遊星歯車機構7を経て出力軸3に伝達される。
【0044】
すなわち、高速モード時に入力軸2が回転すると、この回転の動力が高速モード用クラッチ機構48を介して第2の動力伝達経路42の駆動歯車43に伝わり、この駆動歯車43が回転する。さらにこの駆動歯車43の回転の動力が従動歯車44から伝達軸45を経てリング歯車28に伝わり、リング歯車28が回転する。そしてリング歯車28の回転が遊星歯車組29を介して太陽歯車27に伝わり、この太陽歯車27に固定されている出力軸3が回転する。
【0045】
このようにリング歯車28が入力側となった場合、キャリア30が停止していると仮定すれば、遊星歯車機構7はリング歯車28と太陽歯車27との歯数の比に応じた変速比でリング歯車28と太陽歯車27との間で動力が伝達される。
【0046】
しかし実際には、キャリア30はリング歯車28の内側で回転するため、無段変速装置全体としての変速比はキャリア30の回転速度に応じて変化する。このため、トロイダル型無段変速機構6の変速比を変化させ、キャリア30の回転速度を変化させることにより、無段変速装置全体としての変速比を変えることができる。
【0047】
この実施形態の場合、高速モード時にはキャリア30がリング歯車28と太陽歯車27と同方向に回転する。このため、キャリア30の回転速度が遅いほど、太陽歯車27に設けた出力軸3が速く回転する。例えば、トロイダル型無段変速機構6を最大増速状態とし、リング歯車28の回転速度とキャリア30の回転速度(いずれも角速度)を同じにすればリング歯車28と出力軸3との回転速度が同じになる。これに対し、キャリア30の回転速度がリング歯車28の回転速度よりも遅ければ、リング歯車28の回転速度よりも出力軸3の回転速度が速くなる。
【0048】
したがって高速モード時には、トロイダル型無段変速機構6の変速比を大きくする(すなわち減速側に変化させる)ほど、無段変速装置全体としての変速比は増速側に変化する。
【0049】
このような高速モード状態では、トロイダル型無段変速機構6には入力ディスク10からではなく、出力ディスク11からトルクが入力される。つまり、低速モード時に加わるトルクをプラスのトルクとすると、高速モード時にはマイナスのトルクが加わる。
【0050】
この実施形態の無段変速装置の場合、第2の動力伝達経路42の駆動歯車43が、動力の伝達方向に関して、押圧装置18よりも上流側(エンジン側)に存在し、したがって高速モード用クラッチ機構48が接続された状態ではエンジン4から入力軸2に伝達されたトルクは、押圧装置18が入力ディスク10を押圧する前に、第2の動力伝達経路42を介して遊星歯車機構7のリング歯車28に伝達される。
【0051】
高速モード時に第2の動力伝達機構42を介して遊星歯車機構7のリング歯車28に伝達されたトルクの一部は、各遊星歯車組29からキャリア30と第1の動力伝達機構34を介して出力ディスク11に伝わる。
【0052】
出力ディスク11からトロイダル型無段変速機構6に入力するトルクは、トロイダル型無段変速機構6の変速比を大きくするほど、すなわち無段変速装置全体の変速比を増速側に変化させるほど小さくなる。この結果、高速モード時にはトロイダル型無段変速機構6に入力されるトルクが小さくなってトロイダル型無段変速機構6の耐久性が向上する。
【0053】
なお、出力歯車35、駆動歯車43、高速モード用クラッチ機構48の回転数はそれぞれ検出センサ56,57,58により逐次検出され、その回転数が設定値にほぼ達したときに走行モードの切り換えが行なわれる。
【0054】
このような無段変速装置の全体の構成においては、高速モード用クラッチ機構48およびトロイダル型無段変速機構6とが入力軸2に配置され、他の低速モード用クラッチ機構47、後退モード用クラッチ機構49および遊星歯車機構7が出力軸3に互いに接近して配置され、これら低速モード用クラッチ機構47、後退モード用クラッチ機構49および遊星歯車機構7が入力軸2に設けられたトロイダル型無段変速機構6と駆動歯車43との間に、低速モード用クラッチ機構47、後退モード用クラッチ機構49、遊星歯車機構7の径方向寸法の一部とトロイダル型無段変速機構6の径方向寸法の一部とが図1に示すように互いにラップする状態に配置されている。
【0055】
したがって、入力軸2と出力軸3との芯間距離が、低速モード用クラッチ機構47、後退モード用クラッチ機構49、遊星歯車機構7の径方向寸法の半径分と、トロイダル型無段変速機構6の径方向寸法の半径分との和よりも短くなり、このため無段変速装置全体の径方向寸法が小さくなる。
【0056】
低速モード用クラッチ機構47、後退モード用クラッチ機構49、遊星歯車機構7はトロイダル型無段変速機6と駆動歯車43との間のアンギュラ軸受40a,40bと並列し、トロイダル型無段変速機6と並列しない位置に配置しているから、低速モード用クラッチ機構47、後退モード用クラッチ機構49、遊星歯車機構7がトロイダル型無段変速機6のトラニオン12等と干渉するような恐れもない。
【0057】
また、高速モード用クラッチ機構48が入力軸2に配置しているから無段変速装置全体の軸方向寸法も短くすることが可能となる。すなわち、仮に、従来のように出力軸3に遊星歯車機構7と低速用、高速用、後退用の全てのクラッチ47,48,49が配置し、これらが入力軸2のアンギュラ軸受40a,40bと並列して配置するような構成のときには、トロイダル型無段変速機構6と駆動歯車43との間に大きな間隔を確保しなければならず、このため無段変速装置全体の軸方向寸法が大きくなる。
【0058】
ところが、この実施形態においては、高速モード用クラッチ機構48が入力軸2に配置されており、したがってトロイダル型無段変速機構6と駆動歯車43との間隔の大きさを高速モード用クラッチ機構48の幅分だけ狭くすることができ、このため無段変速装置全体の軸方向寸法を短くすることができる。
【0059】
出力歯車35の回転を伝達歯車37に伝えるアイドル歯車36は、トロイダル型無段変速機構6の軸方向推力を支持するアンギュラ軸受40a,40bの相互間に配置され、このアイドル歯車36の支軸36aがアンギュラ軸受40a,40bを支持したケーシング1の一部の固定部1bを介して支持されており、したがって支軸36aを支持する別個の支持部が不要となる。支軸36aを別個の支持部で支持しようとすると、その支持部を配置させる空間を確保しなければならず、その分、無段変速装置全体の軸方向寸法が伸び、またアイドル歯車36に代えてチエーンを用いるようにすれば、アイドル歯車36が不要でその支持部の確保も不要となるが、通常、同じ動力を伝達する場合、チエーンは歯車より大きな幅の配置空間を必要とするから、逆に軸方向寸法が長くなってしまう。
【0060】
この実施形態では、アイドル歯車36を用い、その支軸36aをアンギュラ軸受40a,40bを支持したケーシング1の一部の固定部1bを利用して支持しているから、無段変速装置全体の軸方向寸法の伸びを抑えることができる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、高速モード用クラッチ機構およびトロイダル型無段変速機を入力軸に配置し、低速モード用クラッチ機構および遊星歯車機構を出力軸に配置し、これら低速モード用クラッチ機構および遊星歯車機構の径方向寸法の一部と前記トロイダル型無段変速機の径方向寸法の一部とが互いにラップする状態に配置したので、軸方向寸法を短く抑えつつ径方向寸法を短くしてFF小型車等への搭載を有利な無段変速装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る無段変速装置の構造を示す断面図。
【図2】その無段変速装置の構造を模式的に示す構成図。
【図3】図1中のA―A線に沿う断面図。
【図4】図3中の矢印B方向から見た断面図。
【図5】図1中のC―C線に沿う断面図。
【図6】図1中のD―D線に沿う断面図。
【図7】図1中のE―E線に沿う断面図。
【図8】アイドル歯車の支持部の構造を示す断面図。
【符号の説明】
1…ケーシング
2…入力軸
3…出力軸
4…エンジン
6…トロイダル型無段変速機構
7…遊星歯車機構
10…入力ディスク
11…出力ディスク
15…パワーローラ
27…太陽歯車
28…リング歯車
29…遊星歯車組
30…キャリア
34…第1の動力伝達経路
35…出力軸
36…アイドル歯車
37…伝達歯車
40a,40b…アンギュラ軸受
42…第2の動力伝達経路
43…駆動歯車
44…従動歯車
47…低速モード用クラッチ機構
48…高速モード用クラッチ機構
49…後退モード用クラッチ機構
Claims (1)
- 互いに平行に配置された入力軸および出力軸を備え、前記入力軸の外周にトロイダル型無段変速機が、前記出力軸の外周に遊星歯車機構がそれぞれ設けられ、低速モード用クラッチ機構の接続時には、前記入力軸の回転の動力が前記トロイダル型無段変速機を介して第1の動力伝達経路から前記遊星歯車機構を通して前記出力軸に伝達され、高速モード用クラッチ機構の接続時には、前記入力軸の回転の動力が、前記第1の動力伝達経路と前記トロイダル型無段変速機を介さない第2の動力伝達経路とから前記遊星歯車機構を通して前記出力軸に伝達される無段変速装置において、
前記高速モード用クラッチ機構および前記トロイダル型無段変速機が前記入力軸に配置され、さらにこの入力軸に前記高速モード用クラッチ機構と前記トロイダル型無段変速機との間に位置してそのトロイダル型無段変速機の軸方向推力を支持するアンギュラ軸受部が配置され、前記低速モード用クラッチ機構および前記遊星歯車機構が前記出力軸に配置され、これら低速モード用クラッチ機構および遊星歯車機構の径方向寸法の一部と前記トロイダル型無段変速機の径方向寸法の一部とが互いにラップする状態で、かつ前記アンギュラ軸受部と並列して位置されていることを特徴とする無段変速装置。
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