JPH11230301A - 無段変速装置 - Google Patents

無段変速装置

Info

Publication number
JPH11230301A
JPH11230301A JP3862098A JP3862098A JPH11230301A JP H11230301 A JPH11230301 A JP H11230301A JP 3862098 A JP3862098 A JP 3862098A JP 3862098 A JP3862098 A JP 3862098A JP H11230301 A JPH11230301 A JP H11230301A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
continuously variable
variable transmission
disk
toroidal
speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3862098A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Ishikawa
宏史 石川
Takashi Imanishi
尚 今西
Takashi Machida
尚 町田
Shinji Miyata
慎司 宮田
Hiroyuki Ito
裕之 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP3862098A priority Critical patent/JPH11230301A/ja
Publication of JPH11230301A publication Critical patent/JPH11230301A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Friction Gearing (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型・軽量で、優れた耐久性を有し、しかも
伝達効率の良い構造を実現する。 【解決手段】 トロイダル型無段変速機17と遊星歯車
機構20とを並列に配置し、第一、第二の動力伝達機構
23、25によりこれらを接続する。これら両動力伝達
機構23、25を、何れも出力ディスク4側に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば自動車用
の変速機として利用する、トロイダル型無段変速機を組
み込んだ無段変速装置の改良に関し、小型で、しかもト
ロイダル型無段変速機の構成部材の耐久性を確保できる
構造を実現するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車用変速機として、図3〜4
に略示する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が
研究されている。このトロイダル型無段変速機は、例え
ば実開昭62−71465号公報に開示されている様
に、入力軸1と同心に入力ディスク2を支持し、この入
力軸1と同心に配置された出力軸3の端部に出力ディス
ク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めた
ケーシングの内側には、上記入力軸1並びに出力軸3に
対し捻れの位置にある枢軸5、5を中心として揺動する
トラニオン6、6を設けている。
【0003】即ち、これら各トラニオン6、6の両端部
外側面には、上記枢軸5、5を、互いに同心に設けてい
る。又、各トラニオン6、6の中心部には変位軸7、7
の基端部を支持し、上記枢軸5、5を中心として各トラ
ニオン6、6を揺動させる事により、各変位軸7、7の
傾斜角度の調節を自在としている。各トラニオン6、6
に支持した変位軸7、7の周囲には、それぞれパワーロ
ーラ8、8を回転自在に支持している。そして、これら
各パワーローラ8、8を、上記入力、出力両ディスク
2、4の間に挟持している。入力、出力両ディスク2、
4の互いに対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面
が、上記枢軸5を中心とする円弧を当該ディスクの中心
軸を中心に回転させて得られる凹面をなしている。そし
て、球状凸面に形成した各パワーローラ8、8の周面8
a、8aを、上記両内側面2a、4aに当接させてい
る。
【0004】上記入力軸1と入力ディスク2との間に
は、ローディングカム式の押圧装置9を設け、この押圧
装置9によって、上記入力ディスク2を出力ディスク4
に向け、弾性的に押圧している。この押圧装置9は、入
力軸1と共に回転するカム板10と、保持器11により
保持された複数個(例えば4個)のローラ12、12と
から構成している。上記カム板10の片側面(図3〜4
の左側面)には、円周方向に亙る凹凸面であるカム面1
3を形成し、上記入力ディスク2の外側面(図3〜4の
右側面)にも、同様のカム面14を形成している。そし
て、上記複数個のローラ12、12を、上記入力軸1の
中心に対して放射方向の軸を中心とする回転自在に支持
している。
【0005】上述の様に構成するトロイダル型無段変速
機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10が回転
すると、カム面13によって複数個のローラ12、12
が、入力ディスク2の外側面に形成したカム面14に押
圧される。この結果、上記入力ディスク2が上記複数の
パワーローラ8、8に押圧されると同時に、上記1対の
カム面13、14と複数個のローラ12、12との押し
付け合いに基づいて、上記入力ディスク2が回転する。
そして、この入力ディスク2の回転が、上記複数のパワ
ーローラ8、8を介して出力ディスク4に伝達され、こ
の出力ディスク4に固定した出力軸3が回転する。
【0006】入力軸1と出力軸3との間の回転速度比
(変速比)を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3と
の間で減速を行なう場合には、枢軸5、5を中心として
各トラニオン6、6を揺動させ、各パワーローラ8、8
の周面8a、8aが図3に示す様に、入力ディスク2の
内側面2aの中心寄り部分と出力ディスク4の内側面4
aの外周寄り部分とにそれぞれ当接する様に、各変位軸
7、7を傾斜させる。反対に、増速を行なう場合には、
上記トラニオン6、6を揺動させ、各パワーローラ8、
8の周面8a、8aが図4に示す様に、入力ディスク2
の内側面2aの外周寄り部分と出力ディスク4の内側面
4aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、各変
位軸7、7を傾斜させる。各変位軸7、7の傾斜角度を
図3と図4との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との
間で、中間の変速比を得られる。
【0007】上述の様に構成され作用するトロイダル型
無段変速機を実際の自動車用の無段変速機に組み込む場
合、遊星歯車機構と組み合わせて無段変速装置を構成す
る事が、特開平1−169169号公報、同1−312
266号公報に記載されている様に、従来から提案され
ている。図5は、この様な従来から提案されている無段
変速装置の基本構成を略示している。駆動源であるエン
ジン15の駆動軸16は、上述した図3〜4に示す様な
構成を有するトロイダル型無段変速機17の入力軸1
(図3〜4参照)に結合している。又、デファレンシャ
ルギヤ18(本発明の実施の形態を示す図1参照)を介
して駆動輪を駆動する為の出力軸19は、遊星歯車機構
20を構成する太陽歯車21(図1参照)に結合固定し
て、この太陽歯車21と共に回転する様にしている。
【0008】又、上記トロイダル型無段変速機17の出
力ディスク4(図1、3、4参照)と上記遊星歯車機構
20を構成するキャリア22(図1参照)とを第一の動
力伝達機構23により、回転力の伝達を可能な状態に接
続している。又、上記駆動軸16及び入力軸1と上記遊
星歯車機構20を構成するリング歯車24(図1参照)
とを第二の動力伝達機構25により、回転力の伝達を可
能な状態に接続自在としている。更に、上記キャリア2
2と第二の動力伝達機構25の構成部材とのうちの何れ
か一方のみを上記リング歯車24に接続する為のクラッ
チ機構と、上記駆動軸16及び入力軸1と出力軸19と
の間の変速状態を、高速走行モードと低速走行モードと
後退モードとの3種類のモードに切り換え自在な、切換
手段とを備える。そして、上記第一の動力伝達機構23
の減速比βと上記第二の動力伝達機構25の減速比αと
の比β/αを、上記トロイダル型無段変速機17の最大
増速時の減速比(図4に示した状態での入力軸1と出力
軸3との間の減速比)iHと、ほぼ同じとしている。
【0009】上述の図5に示す様な無段変速装置は、所
謂パワー・スプリット型と呼ばれるもので、低速走行モ
ードでは上記駆動軸16及び入力軸1と出力軸19との
間の動力を、総て上記トロイダル型無段変速機17を通
じて伝達する。これに対して高速走行モードでは、動力
を上記遊星歯車機構20により伝達すると共に、この動
力の一部をこの遊星歯車機構20を介して上記トロイダ
ル型無段変速機17に循環させる。即ち、低速走行時に
は前記エンジン15の駆動力を上記トロイダル型無段変
速機17のみで伝達し、高速走行時には上記駆動力を上
記遊星歯車機構20で伝達すると共に、この駆動力の一
部を上記トロイダル型無段変速機17に循環させる事に
より、高速走行時に上記トロイダル型無段変速機17に
加わるトルクの低減を図る様にしている。この様に構成
する事により、上記トロイダル型無段変速機17の構成
各部材の耐久性を向上させると同時に、無段変速装置全
体としての伝達効率の向上を図れる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】特開平1−16916
9号公報、同1−312266号公報に記載されている
構造の場合には、2組の遊星歯車機構を組み込む等、構
造が複雑でコストが嵩む。しかも、これら2組の遊星歯
車機構とトロイダル型無段変速機とを、同軸上に互いに
直列に配置しているので、軸方向寸法が嵩み、遊星歯車
機構を2組設けている事と相まって、設置スペースも嵩
む。この為、小型自動車用、或は変速機をエンジンルー
ム近傍の限られたスペースに設置する必要のあるFF車
用の無段変速装置としては不適当な構造である。
【0011】これに対して、特開平9−89072号公
報には、遊星歯車機構を1組のみ設けた無段変速装置が
記載されている。但し、この公報に記載されている無段
変速装置は、低速走行時にトロイダル型無段変速機及び
遊星歯車機構を通過した動力の一部をトロイダル型無段
変速機に戻し、高速走行時に駆動力をこのトロイダル型
無段変速機のみで伝達する、所謂ギヤード・ニュートラ
ル型である。この様なギヤード・ニュートラル型の無段
変速装置は、高速走行時にトロイダル型無段変速機に加
わるトルクを低減できないだけでなく、低速走行時には
このトロイダル型無段変速機に、駆動源から加えられる
トルクよりも遥かに大きなトルクが加わる。この為、ト
ロイダル型無段変速機の耐久性を確保する為には、この
トロイダル型無段変速機の構成部品を大型化する必要が
あり、無段変速装置全体としての小型・軽量化を図れな
い。
【0012】又、第一、第二の動力伝達機構を、トロイ
ダル型無段変速機を軸方向両側から挟む位置に設けてい
る為、組み付け性の向上及び小型・軽量化を十分に図る
事ができない。即ち、上記特開平9−89072号公報
に記載された構造の様に、遊星歯車機構をトロイダル型
無段変速機の側方に設けると共に、第一、第二の動力伝
達機構を、トロイダル型無段変速機を軸方向両側から挟
む位置に設ける構造の場合には、トロイダル型無段変速
機に比べて軸方向寸法が小さい遊星歯車機構に付属の伝
達軸の長さを、必要以上に大きくする必要が生じる。本
発明は、この様な事情に鑑み、1個の遊星歯車機構を組
み込むのみで、高速走行時にトロイダル型無段変速機を
通じて伝達するトルクの軽減を図れ、しかも小型且つ軽
量に構成できる構造を実現すべく発明したものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の無段変速装置
は、入力軸及び出力軸と、1個の入力ディスクと1個の
出力ディスクとの間に挟持した複数個のパワーローラの
傾斜角度を変える事により上記入力ディスクと出力ディ
スクとの間の変速比を変えるシングルキャビティ型のト
ロイダル型無段変速機と、遊星歯車機構と、これらトロ
イダル型無段変速機と遊星歯車機構とを連結する1対の
動力伝達機構と、上記入力軸と出力軸との間の変速状態
を高速走行モードと低速走行モードと後退モードとの3
種類のモードに切り換え自在な切換手段とを備える。そ
して、低速走行モードでは上記入力軸と出力軸との間の
動力を総て上記トロイダル型無段変速機を通じて伝達
し、高速走行モードでは動力を上記遊星歯車機構により
伝達すると共に、一部の動力をこの遊星歯車機構を介し
て上記トロイダル型無段変速機に循環させる。特に、本
発明の無段変速装置に於いては、上記トロイダル型無段
変速機の入力ディスク及び出力ディスクを、駆動軸及び
入力軸と同心に配置すると共に、上記1対の動力伝達機
構を、何れも上記出力ディスク側に配置している。
【0014】
【作用】上述の様に構成する本発明の無段変速装置の作
用は、次の通りである。先ず、低速走行時には、入力軸
と出力軸との間の動力を総て上記トロイダル型無段変速
機を通じて伝達する。この為に例えば、遊星歯車機構を
構成する太陽歯車とリング歯車とキャリアとのうちの何
れかの部材同士を結合し、これら太陽歯車とリング歯車
とキャリアとを、太陽歯車を中心として一体的に回転さ
せる。この状態ではトロイダル型無段変速機のみが、入
力軸から出力軸に動力を伝達する。この低速走行時に入
力、出力両ディスク同士の間の変速比を変換する際の作
用は、前述の図3〜4に示した従来のトロイダル型無段
変速機の場合と同様である。勿論、この状態では、上記
入力軸と出力軸との間の変速比、即ち無段変速装置全体
としての変速比は、トロイダル型無段変速機の変速比に
比例する。又、この状態では、このトロイダル型無段変
速機に入力されるトルクは、上記入力軸に加えられるト
ルクに等しくなる。
【0015】これに対して、高速走行時には、動力を上
記遊星歯車機構により伝達すると共に、一部の動力を上
記遊星歯車機構を介して上記トロイダル型無段変速機に
循環させる。この状態では、上記トロイダル型無段変速
機の出力ディスクに、上記遊星歯車機構を構成するキャ
リアからトルクが伝わる。そして、この状態では、上記
無段変速装置全体としての変速比は、遊星歯車の公転速
度に応じて変化する。そこで、上記トロイダル型無段変
速機の変速比を変えて、上記遊星歯車の公転速度を変え
れば、上記無段変速装置全体としての変速比を調節でき
る。即ち、この状態では、トロイダル型無段変速機の変
速比を減速側に変化させる程、無段変速装置全体の変速
比は増速側に変化する。この様な高速走行時の状態で
は、無段変速装置全体の変速比を増速側に変化させるべ
く、トロイダル型無段変速機の変速比を減速側に変化さ
せる程、このトロイダル型無段変速機に入力されるトル
クが小さくなる。この結果、高速走行時に上記トロイダ
ル型無段変速機に入力されるトルクを小さくして、この
トロイダル型無段変速機の構成部品の耐久性向上を図れ
る。
【0016】特に、本発明の無段変速装置の場合には、
トロイダル型無段変速機と遊星歯車機構とを互いに並列
に配置し、しかも1対の動力伝達機構を何れもトロイダ
ル型無段変速機の出力ディスク側に配置しているので、
遊星歯車機構に付属の伝達軸の長さを必要以上に大きく
する必要がなく、小型・軽量化を図れる。又、入力ディ
スク側にローディングカム式の押圧装置を設け、この押
圧装置にローディングナットを付設する場合、このロー
ディングナットの螺合緊締作業と、押圧装置を構成する
ローラの配列状態の確認とを容易に行なえる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の1
例を示している。本発明の無段変速装置は、駆動源であ
るエンジン15の駆動軸16(クランクシャフト)につ
ながって、このエンジン15により回転駆動される入力
軸27を備える。この入力軸27の入力側端部(図1の
左端部)と上記駆動軸16の出力側端部(図1の右端
部)との間には、トルクコンバータ等の発進クラッチ2
8を、これら駆動軸16及び入力軸27に対し直列に設
けている。従って、これら駆動軸16と入力軸27と
を、互いに同心に配置している。これに対して、上記入
力軸27の回転に基づく動力を取り出す為の出力軸19
を、この入力軸27と平行に配置している。そして、こ
の入力軸27の周囲にトロイダル型無段変速機17を、
上記出力軸19の周囲に遊星歯車機構20を、それぞれ
設けている。
【0018】上記トロイダル型無段変速機17に付属の
ローディングカム式の押圧装置9を構成するカム板10
は、上記入力軸27の中間部一端寄り(図1の右端寄
り)で、入力ディスク2の外側面(図1の右側面)から
突出した部分に支持している。これらカム板10の内周
面と入力軸27の外周面との係合部には、スプライン等
を設ける事により、この入力軸27に対する上記カム板
10の軸方向に亙る移動を自在としつつ、このカム板1
0が上記入力軸27と同期して回転する様にしている。
又、上記トロイダル型無段変速機17を構成する入力デ
ィスク2と出力ディスク4とは、上記入力軸27の周囲
に、ニードル軸受等、図示しない軸受により、この入力
軸27に対し、互いに独立した回転を自在に支持してい
る。そして、上記カム板10の片面(図1の左面)に形
成したカム面13と入力ディスク2の外側面に形成した
カム面14との間にローラ12、12を挟持し、上記押
圧装置9を構成している。従って、上記入力ディスク2
は上記入力軸27の回転に伴い、上記出力ディスク4に
向け押圧されつつ回転する。又、上記入力軸27の一端
部で、上記カム板10よりも突出した部分にはローディ
ングナット29を螺合固定して、上記押圧装置9の作動
時に、上記カム板10に加わる大きなスラスト荷重を支
承自在としている。又、このカム板10と上記ローディ
ングナット29との間には、皿板ばね等の予圧ばね30
を設けて、上記押圧装置9、並びに上記入力ディスク2
と出力ディスク4との間に挟持された、次述するパワー
ローラ8、8に予圧を付与している。
【0019】又、上記入力ディスク2の内側面2aと上
記出力ディスク4の内側面4aとの間に複数個(通常2
〜3個)のパワーローラ8、8を挟持し、これら各パワ
ーローラ8、8の周面8a、8aと上記両内側面2a、
4aとを当接させている。これら各パワーローラ8、8
は、トラニオン6、6及び変位軸7、7(図3〜4参
照。図1には省略。)により、回転及び揺動変位自在に
支持している。上記トロイダル型無段変速機17は、従
来から広く知られているトロイダル型無段変速機と同様
に、上記トラニオン6、6を揺動させて上記各パワーロ
ーラ8、8を支持している変位軸7、7の傾斜角度を変
える事により、上記入力ディスク2と上記出力ディスク
4との間の変速比を変える。
【0020】又、前記遊星歯車機構20を構成する太陽
歯車21は、前記出力軸19の中間部に固定している。
従ってこの出力軸19は、上記太陽歯車21の回転に伴
って回転する。この太陽歯車21の周囲にはリング歯車
24を、この太陽歯車21と同心に、且つ回転自在に支
持している。そして、このリング歯車24の内周面と上
記太陽歯車21の外周面との間に、複数個(通常は3〜
4個)の遊星歯車組31、31を設けている。図示の例
ではこれら各遊星歯車組31、31は、それぞれ1対ず
つの遊星歯車32a、32bを組み合わせて成る。これ
ら1対ずつの遊星歯車32a、32bは、互いに噛合す
ると共に、外径側に配置した遊星歯車32aを上記リン
グ歯車24に噛合させ、内径側に配置した遊星歯車32
bを上記太陽歯車21に噛合させている。この様に各遊
星歯車組31、31をそれぞれ1対ずつの遊星歯車32
a、32bにより構成するのは、上記リング歯車24と
太陽歯車21との回転方向を一致させる為である。従っ
て、他の構成部分との関係で、これらリング歯車24と
太陽歯車21との回転方向を一致させる必要がなけれ
ば、単一の遊星歯車をこれらリング歯車24と太陽歯車
21との両方に噛合させても良い。
【0021】上述の様な遊星歯車組31、31は、キャ
リア22の片側面(図1の左側面)に、上記出力軸19
と平行な枢軸33a、33bにより、回転自在に支持し
ている。又、上記キャリア22は、上記出力軸19の中
間部に、ニードル軸受等、図示しない軸受により、回転
自在に支持している。
【0022】又、上記キャリア22と前記出力ディスク
4とを、第一の動力伝達機構23により、回転力の伝達
を可能な状態に接続している。この第一の動力伝達機構
23は、第一、第二のスプロケット34、35と、これ
ら両スプロケット34、35同士の間に掛け渡したチェ
ン36とにより構成している。即ち、第一のスプロケッ
ト34を、上記出力ディスク4を結合固定してこの出力
ディスク4と共に回転するスリーブ37に固定すると共
に、第二のスプロケット35を上記キャリア22に固定
している。従ってこのキャリア22は、上記出力ディス
ク4の回転に伴って、この出力ディスク4と同方向に、
上記第一、第二のスプロケット34、35の歯数の比に
応じた速度で回転する。尚、上記スリーブ37は、無段
変速装置を組み込んだケーシングの内側に、それぞれが
アンギュラ玉軸受等の、ラジアル荷重及びスラスト荷重
を支承自在な1対の転がり軸受40、40により、回転
のみ自在に支持している。
【0023】一方、前記入力軸27と前記リング歯車2
4とは、第二の動力伝達機構25により、回転力の伝達
を可能な状態に接続自在としている。この第二の動力伝
達機構25は、互いに噛合した第一、第二の歯車38、
39により構成している。即ち、第一の歯車38を、上
記入力軸27の中間部入力側端部寄り部分で、上記1対
の転がり軸受40、40に関して、上記第一の動力伝達
機構23と軸方向反対側位置に固定している。又、第二
の歯車39を上記リング歯車24と同心に、このリング
歯車24と独立した回転を自在に支持している。この様
な第二の歯車39は、上記入力軸27の回転に伴って、
この入力軸27と反対方向に、上記第一、第二の歯車3
8、39の歯数の比に応じた速度で回転する。尚、上記
第一の動力伝達機構23の減速比βと上記第二の動力伝
達機構25の減速比αとの比β/αは、前記トロイダル
型無段変速機17の最大増速時の減速比iH (図4に示
した状態での入力ディスク2と出力ディスク4との減速
比で、例えば0.5程度)とほぼ同じとしている。例え
ば、α=1とすれば、β≒iH にする。この理由は、後
述する低速モードと高速モードとの切り換え時に、無段
変速装置全体としての変速比が不連続になる事を防止若
しくはその程度を低減する為である。
【0024】又、本発明の無段変速装置は、高速走行モ
ードと低速走行モードと後退モードとの3種類のモード
を切り換える切換手段を備える。図示の例ではこの切換
手段を、第一のクラッチである高速用クラッチ41と第
二のクラッチである低速用クラッチ42と後退用クラッ
チ43との、3個のクラッチにより構成している。これ
ら3個のクラッチ41〜43は、後述する様に、実現す
べきモードに応じて何れか1個のクラッチのみを接続
し、残る2個のクラッチは接続を断つ。このうちの高速
用クラッチ41は、上記第二の動力伝達機構25を構成
する第二の歯車39と上記リング歯車24との間に設け
ており、接続時にはこれら第二の歯車39と上記リング
歯車24とを同期して回転させる。
【0025】又、低速用クラッチ42は、接続時に遊星
歯車機構20を構成する前記各歯車21、24、32
a、32b同士が相対変位する事を阻止し、前記キャリ
ア22と前記太陽歯車21とを同期して回転させるもの
である。この為に上記低速用クラッチ42は、接続に伴
って遊星歯車機構20の構成部材同士の相対変位を阻止
自在な位置に設ける。図示の例では上記低速用クラッチ
42を、上記キャリア22とリング歯車24との間に設
けている。この様な低速用クラッチ42は、接続時に
は、上記遊星歯車機構20を構成する太陽歯車21とリ
ング歯車24と遊星歯車組31、31との相対変位を阻
止し、これら太陽歯車21とリング歯車24と太陽歯車
組31、31を支持したキャリア22とを一体的に結合
する。これら高速用クラッチ41と低速用クラッチ42
とは、何れか一方のクラッチが接続された場合には、他
方のクラッチの接続が断たれる様に、制御回路(油圧、
電気)を構成している。尚、上記低速用クラッチ42
は、上述の様に、接続時に上記太陽歯車21とリング歯
車24と遊星歯車組31、31との相対変位を阻止でき
るものであれば良く、図示の様な部位の他にも、太陽歯
車21とリング歯車24との間、太陽歯車21とキャリ
ア22との間等に設ける事もできる。
【0026】又、図示の例では、上記リング歯車24
と、無段変速装置のハウジング等、固定の部分との間
に、後退用クラッチ43を設けている。この後退用クラ
ッチ43は、自動車を後退させるべく、前記出力軸19
を逆方向に回転させる為に設けている。この後退用クラ
ッチ43は、上記低速用クラッチ42と高速用クラッチ
41との何れか一方が接続された状態では、接続が断た
れる。又、この後退用クラッチ43が接続された状態で
は、上記低速用クラッチ42と高速用クラッチ41と
は、何れも接続が断たれる。即ち、前記発進クラッチ2
8を除く、残り3個のクラッチ36、37、40は、何
れか1個が接続されると、残り2個のクラッチの接続は
断たれる。
【0027】更に、図示の例では、上記出力軸19とデ
ファレンシャルギヤ18とを、この出力軸19の端部に
固定した第三の歯車45により構成する第三の動力伝達
機構46により接続している。従って、上記出力軸19
が回転すると、これら第三の動力伝達機構46及びデフ
ァレンシャルギヤ44を介して左右1対の駆動車軸4
7、47が回転し、自動車の駆動輪を回転駆動する。
【0028】上述の様に構成する本例の無段変速装置の
作用は、次の通りである。先ず、低速走行時には、上記
低速用クラッチ42を接続すると共に、上記高速用クラ
ッチ41及び後退用クラッチ43の接続を断つ。この状
態で上記発進クラッチ28を接続し、前記入力軸27を
回転させると、トロイダル型無段変速機17のみが、上
記入力軸27から出力軸19に動力を伝達する。即ち、
低速用クラッチ42の接続に伴って、前記リング歯車2
4とキャリア22とが一体的に結合され、前記遊星歯車
機構20を構成する各歯車21、24、32a、32b
同士の相対回転が不能になる。又、上記高速用クラッチ
41及び後退用クラッチ43の接続が断たれる事によ
り、上記リング歯車24は、上記入力軸27の回転速度
に関係なく回転自在となる。
【0029】従って、この状態で上記入力軸27を回転
させると、この回転は前記押圧装置9を介して入力ディ
スク2に伝わり、更に複数のパワーローラ8、8を介し
て出力ディスク4に伝わる。更に、この出力ディスク4
の回転は、第一の動力伝達機構23を構成する第一、第
二のスプロケット34、35及びチェン36を介してキ
ャリア22及びリング歯車24に伝わる。上述の様にこ
の状態では、遊星歯車機構20を構成する各歯車21、
24、32a、32b同士の相対回転が不能になってい
るので、上記出力軸19が、上記キャリア22及びリン
グ歯車24と同じ速度で回転する。
【0030】この様な低速走行時に、入力、出力両ディ
スク2、4同士の間の変速比を変える際の作用は、前述
の図3〜4に示した従来のトロイダル型無段変速機の場
合と同様である。勿論、この状態では、上記入力軸27
と出力軸19との間の変速比、即ち、無段変速装置全体
としての変速比は、トロイダル型無段変速機17の変速
比に比例する。又、この状態では、このトロイダル型無
段変速機17に入力されるトルクは、上記入力軸27に
加えられるトルクに等しくなる。尚、低速走行時には、
前記第二の動力伝達機構25を構成する第一、第二の歯
車38、39は、空回りするだけである。
【0031】これに対して、高速走行時には、前記高速
用クラッチ41を接続すると共に、前記低速用クラッチ
42及び後退用クラッチ43の接続を断つ。この状態で
前記発進クラッチ28を接続し、上記入力軸27を回転
させると、この入力軸27から前記出力軸19には、上
記第二の動力伝達機構25を構成する第一、第二の歯車
38、39と前記遊星歯車機構20とが、動力を伝達す
る。
【0032】即ち、上記高速走行時に上記入力軸27が
回転すると、この回転は上記第二の動力伝達機構25並
びに高速用クラッチ41を介してリング歯車24に伝わ
り、このリング歯車24を回転させる。そして、このリ
ング歯車24の回転が複数の遊星歯車組31、31を介
して太陽歯車21に伝わり、この太陽歯車21を固定し
た上記出力軸19を回転させる。上記リング歯車24が
入力側となった場合に上記遊星歯車機構20は、上記各
遊星歯車組31、31が停止している(太陽歯車21の
周囲で公転しない)と仮定すれば、上記リング歯車24
と太陽歯車21との歯数の比に応じた変速比で増速を行
なう。但し、上記各遊星歯車組31、31は上記太陽歯
車21の周囲を公転し、無段変速装置全体としての変速
比は、これら各遊星歯車組31、31の公転速度に応じ
て変化する。そこで、上記トロイダル型無段変速機17
の変速比を変えて、上記遊星歯車組31、31の公転速
度を変えれば、上記無段変速装置全体としての変速比を
調節できる。
【0033】即ち、図示の例では、上記高速走行時に上
記各遊星歯車組31、31が、上記リング歯車24と同
方向に公転する。そして、これら各遊星歯車組31、3
1の公転速度が遅い程、上記太陽歯車21を固定した出
力軸19の回転速度が速くなる。例えば、上記公転速度
とリング歯車24の回転速度(何れも角速度)が同じに
なれば、上記リング歯車24の回転速度と出力軸19の
回転速度とが同じになる。これに対して、上記公転速度
がリング歯車24の回転速度よりも遅ければ、上記リン
グ歯車24の回転速度よりも出力軸19の回転速度が速
くなる。反対に、上記公転速度がリング歯車24の回転
速度よりも速ければ、上記リング歯車24の回転速度よ
りも出力軸19の回転速度が遅くなる。
【0034】従って、上記高速走行時には、前記トロイ
ダル型無段変速機17の変速比を減速側に変化させる
程、無段変速装置全体の変速比は増速側に変化する。こ
の様な高速走行時の状態では、上記トロイダル型無段変
速機17に、入力ディスク2側からではなく、出力ディ
スク4側からトルクが加わる(低速時に加わるトルクを
プラスのトルクとした場合にマイナスのトルクが加わ
る)。即ち、前記高速用クラッチ41を接続した状態で
は、前記エンジン15から入力軸27に伝達されたトル
クは、前記押圧装置9が前記入力ディスク2を押圧する
以前に、前記第二の動力伝達機構25を介して前記遊星
歯車機構20のリング歯車24に伝達される。従って、
入力軸27の側から上記押圧装置9を介して入力ディス
ク2に伝達されるトルクは殆どなくなる。
【0035】一方、上記第二の動力伝達機構25を介し
て前記遊星歯車機構20のリング歯車24に伝達された
トルクの一部は、前記各遊星歯車組31、31から、キ
ャリア22及び第一の動力伝達機構23を介して出力デ
ィスク4に伝わる。この様に出力ディスク4側からトロ
イダル型無段変速機17に加わるトルクは、無段変速装
置全体の変速比を増速側に変化させるべく、トロイダル
型無段変速機17の変速比を減速側に変化させる程小さ
くなる。この結果、高速走行時に上記トロイダル型無段
変速機17に入力されるトルクを小さくして、このトロ
イダル型無段変速機17の構成部品の耐久性向上を図れ
る。
【0036】更に、図1に示した構造で、自動車を後退
させるべく、前記出力軸19を逆回転させる際には、前
記低速用、高速用両クラッチ41、42の接続を断つと
共に、前記後退用クラッチ43を接続する。この結果、
上記リング歯車24が固定され、上記各遊星歯車組3
1、31が、このリング歯車24並びに前記太陽歯車2
1と噛合しつつ、この太陽歯車21の周囲を公転する。
この結果、この太陽歯車21並びにこの太陽歯車21を
固定した出力軸19が、前述した高速走行時並びに上述
した低速走行時とは逆方向に回転する。
【0037】尚、図2は、上述の様な無段変速装置によ
り、無段変速装置全体としての変速比(itotal)を連続
して変化させる場合に、トロイダル型無段変速機17の
変速比(icvt)と、このトロイダル型無段変速機17に
入力される入力トルク(Tin)と、無段変速装置の出力
軸19から取り出される出力トルク(Ts )とが変化す
る状態の1例を示している。これら各変速比(itotal)
(icvt)並びに各トルク(Tin)(Ts )の関係は、ト
ロイダル型無段変速機17の変速幅、遊星歯車機構20
の構造並びに歯数比、第二の動力伝達機構25の減速比
等に応じて変わる。本発明を実施する場合にこれらの値
並びに構造は、設計的に定める。図2に記載した各線を
得る為の条件としては、トロイダル型無段変速機17の
変速幅を凡そ4倍(0.5〜2.0)とし、遊星歯車機
構20はそれぞれが1対ずつの遊星歯車32a、32b
から成る遊星歯車組31、31を備え、第二の動力伝達
機構25の減速比は凡そ2であるとして計算した。又、
低速用クラッチ42と高速用クラッチ41との切り換え
は、無段変速装置全体としての変速比(itotal)が1の
場合に行なうとした。
【0038】尚、実際の無段変速装置を構成する場合に
は、無段変速装置全体としての変速比(itotal)が1の
場合に常に低速用クラッチ42と高速用クラッチ41と
の切り換えを行なう様にすると、上記変速比(itotal)
が1の前後で走行している場合に、頻繁にこれら両クラ
ッチ41、42の切り換えが行なわれる。この様な事態
は、運転者に違和感を与えるだけでなく、これら各クラ
ッチ41、42の耐久性にも悪影響を及ぼす。従って、
実際の無段変速装置を構成する場合には、上記変速比
(itotal)が高くなる場合と低くなる場合とで上記各ク
ラッチ41、42の切り換えのタイミングを変える、所
謂ヒステリシスを設ける。例えば、上記変速比(itota
l)の値が小さくなる(変速比の値が図2の左から右に
変化する)際の切り換えのタイミングを、この値が大き
くなる(変速比の値が図2の右から左に変化する)際の
切り換えのタイミングよりも、変速比の値が小さい時点
と(図2の右側に)する。
【0039】上述の様な条件で試算した結果を示す図2
で、縦軸は、トロイダル型無段変速機17の変速比(ic
vt)並びに、トロイダル型無段変速機17の入力トルク
(Tin)、又は無段変速装置の出力トルク(Ts )と前
記エンジン15(図1)から前記入力軸27に伝えられ
るトルク(Te )との比(Tin/Te )(Ts /Te
を、横軸は、無段変速装置全体としての変速比(itota
l)を、それぞれ表している。尚、トロイダル型無段変
速機17の変速比(icvt)を示す値がマイナスなのは、
このトロイダル型無段変速機17に組み込んだ出力ディ
スク4の回転方向が入力軸27の回転方向と逆になる為
である。又、実線aは、上記トロイダル型無段変速機1
7の変速比(icvt)を、破線bは、上記出力トルク(T
s )と前記エンジン15から前記入力軸27に伝えられ
るトルク(Te )との比(Ts /Te )を、鎖線cは、
上記入力トルク(Tin)と前記エンジン15から前記入
力軸27に伝えられるトルク(Te )との比(Tin/T
e )を、それぞれ表している。この様な図2の記載から
明らかな通り、本発明の無段変速装置によれば、高速走
行時にトロイダル型無段変速機17に加わるトルクを小
さくできる。図2を求めた条件では、上記入力トルク
(Tin)を、最大限、上記エンジン15から前記入力軸
27に伝えられるトルク(Te )の14%程度にまで低
減できる。更に、条件を変える事により、10%程度ま
での低減が可能である。
【0040】又、上記トロイダル型無段変速機17の伝
達効率は90%弱であるが、高速走行時には、動力のう
ちの多くの割合を、伝達効率が高い(100%に近い)
遊星歯車機構20を介して伝達するので、無段変速装置
全体としての伝達効率を高くできる。例えば、トロイダ
ル型無段変速機の伝達効率を90%(動力損失が10
%)、遊星歯車機構20の伝達効率を100%、入力軸
27から送り込まれたトルクのうち、トロイダル型無段
変速機17を通過するトルクの割合を10%とすると、
このトロイダル型無段変速機17部分での動力損失は
0.1×0.1=0.01=1%となり、無段変速装置
全体としての伝達効率は100−1=99(%)と、き
わめて高くなる。
【0041】更に、前記ローディングナット29を入力
軸27の一端部に配置しているので、このローディング
ナット29の緊締作業を容易に行なえる。又、このロー
ディングナット29に隣接して設けた押圧装置9を構成
するローラ12、12の配列状態を、このローディング
ナット29を螺合・緊締する際に確認できる。従って、
無段変速装置を正しく組み立てる作業を容易に行なえ
る。
【0042】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用するので、比較的簡単で、小型・軽量、且つ低コスト
で造れる構造にも拘らず、無段変速装置に組み込んだト
ロイダル型無段変速機の構成部品に加わる荷重を軽減し
て、耐久性の向上を図れる。特に、遊星歯車機構部分の
回転軸を必要以上に長くする必要がなく、小型・軽量化
をより進める事ができる。又、伝達効率を高くして、自
動車の動力性能並びに燃費性能の向上に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す略構成図。
【図2】トロイダル型無段変速機の変速比と無段変速装
置全体としての変速比と入力トルク及び出力トルクとの
関係を示す線図。
【図3】従来から知られているトロイダル型無段変速機
を、最大減速時の状態で示す部分切断側面図。
【図4】同じく最大増速時の状態で示す部分切断側面
図。
【図5】本発明の対象となる無段変速装置の基本構成を
示すブロック図。
【符号の説明】
1 入力軸 2 入力ディスク 2a 内側面 3 出力軸 4 出力ディスク 4a 内側面 5 枢軸 6 トラニオン 7 変位軸 8 パワーローラ 8a 周面 9 押圧装置 10 カム板 11 保持器 12 ローラ 13、14 カム面 15 エンジン 16 駆動軸 17 トロイダル型無段変速機 18 デファレンシャルギヤ 19 出力軸 20 遊星歯車機構 21 太陽歯車 22 キャリア 23 第一の動力伝達機構 24 リング歯車 25 第二の動力伝達機構 27 入力軸 28 発進クラッチ 29 ローディングナット 30 予圧ばね 31 遊星歯車組 32a、32b 遊星歯車 33a、33b 枢軸 34 第一のスプロケット 35 第二のスプロケット 36 チェン 37 スリーブ 38 第一の歯車 39 第二の歯車 40 転がり軸受 41 高速用クラッチ 42 低速用クラッチ 43 後退用クラッチ 45 第三の歯車 46 第三の動力伝達機構 47 駆動車軸
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年8月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】又、上記トロイダル型無段変速機17の出
力ディスク4(図1、3、4参照)と上記遊星歯車機構
20を構成するキャリア22(図1参照)とを第一の動
力伝達機構23により、回転力の伝達を可能な状態に接
続している。又、上記駆動軸16及び入力軸1と上記遊
星歯車機構20を構成するリング歯車24(図1参照)
とを第二の動力伝達機構25により、回転力の伝達を可
能な状態に接続自在としている。更に、上記キャリア2
2と第二の動力伝達機構25の構成部材とのうちの何れ
か一方のみを上記リング歯車24に接続する為のクラッ
チ機構と、上記駆動軸16及び入力軸1と出力軸19と
の間の変速状態を、高速走行モードと低速走行モードと
後退モードとの3種類のモードに切り換え自在な、切換
手段とを備える。そして、上記第一の動力伝達機構23
の減速比αと上記第二の動力伝達機構25の減速比β
の比β/αを、上記トロイダル型無段変速機17の最大
増速時の減速比(図4に示した状態での入力軸1と出力
軸3との間の減速比)iHと、ほぼ同じとしている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】一方、前記入力軸27と前記リング歯車2
4とは、第二の動力伝達機構25により、回転力の伝達
を可能な状態に接続自在としている。この第二の動力伝
達機構25は、互いに噛合した第一、第二の歯車38、
39により構成している。即ち、第一の歯車38を、上
記入力軸27の中間部入力側端部寄り部分で、上記1対
の転がり軸受40、40に関して、上記第一の動力伝達
機構23と軸方向反対側位置に固定している。又、第二
の歯車39を上記リング歯車24と同心に、このリング
歯車24と独立した回転を自在に支持している。この様
な第二の歯車39は、上記入力軸27の回転に伴って、
この入力軸27と反対方向に、上記第一、第二の歯車3
8、39の歯数の比に応じた速度で回転する。尚、上記
第一の動力伝達機構23の減速比αと上記第二の動力伝
達機構25の減速比βとの比β/αは、前記トロイダル
型無段変速機17の最大増速時の減速比iH (図4に示
した状態での入力ディスク2と出力ディスク4との減速
比で、例えば0.5程度)とほぼ同じとしている。例え
ば、α=1とすれば、β≒iH にする。この理由は、後
述する低速モードと高速モードとの切り換え時に、無段
変速装置全体としての変速比が不連続になる事を防止若
しくはその程度を低減する為である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮田 慎司 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内 (72)発明者 伊藤 裕之 神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号 日本精工株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸及び出力軸と、1個の入力ディス
    クと1個の出力ディスクとの間に挟持した複数個のパワ
    ーローラの傾斜角度を変える事により上記入力ディスク
    と出力ディスクとの間の変速比を変えるシングルキャビ
    ティ型のトロイダル型無段変速機と、遊星歯車機構と、
    これらトロイダル型無段変速機と遊星歯車機構とを連結
    する1対の動力伝達機構と、上記入力軸と出力軸との間
    の変速状態を高速走行モードと低速走行モードと後退モ
    ードとの3種類のモードに切り換え自在な切換手段とを
    備え、低速走行モードでは上記入力軸と出力軸との間の
    動力を総て上記トロイダル型無段変速機を通じて伝達
    し、高速走行モードでは動力を上記遊星歯車機構により
    伝達すると共に、一部の動力をこの遊星歯車機構を介し
    て上記トロイダル型無段変速機に循環させる無段変速装
    置に於いて、上記トロイダル型無段変速機の入力ディス
    ク及び出力ディスクを、駆動軸及び入力軸と同心に配置
    すると共に、上記1対の動力伝達機構を、何れも上記出
    力ディスク側に配置した事を特徴とする無段変速装置。
  2. 【請求項2】 駆動軸により回転駆動される入力軸と、
    この入力軸の回転に基づく動力を取り出す為の出力軸
    と、トロイダル型無段変速機と、遊星歯車機構とを備
    え、このトロイダル型無段変速機は、互いに同心に配置
    した入力ディスクと出力ディスクとの間に挟持したパワ
    ーローラの傾斜角度を変える事により、上記入力軸の回
    転に基づいて回転する入力ディスクと上記出力ディスク
    との間の変速比を変えるものであり、上記遊星歯車機構
    は、上記出力軸を回転させる太陽歯車とこの太陽歯車の
    周囲に配置したリング歯車との間に設けられ、上記太陽
    歯車と同心に且つ回転自在に支持したキャリアに回転自
    在に支持された遊星歯車を、上記太陽歯車とリング歯車
    とに噛合させて成るものであり、上記キャリアと上記出
    力ディスクとを、この出力ディスク側に設けた第一の動
    力伝達機構により回転力の伝達を可能な状態に接続する
    と共に、上記入力軸と上記リング歯車とを、上記出力デ
    ィスク側に設けた第二の動力伝達機構により回転力の伝
    達を可能な状態に接続自在とし、更に、この第二の動力
    伝達機構の構成部材と上記リング歯車とを接続する為の
    第一のクラッチと、上記遊星歯車機構を構成する太陽歯
    車とリング歯車と遊星歯車との3種類の歯車のうちの何
    れか2種類の歯車同士を結合して、これら3種類の歯車
    同士の相対変位を阻止する第二のクラッチとを備え、上
    記第一の動力伝達機構の減速比βと上記第二の動力伝達
    機構の減速比αとの比β/αを、上記トロイダル型無段
    変速機の最大増速時の減速比iH とほぼ同じとして成る
    無段変速装置。
  3. 【請求項3】 トロイダル型無段変速機の入力ディスク
    及び出力ディスクを、駆動軸及び入力軸と同心に配置し
    た、請求項2に記載した無段変速装置。
  4. 【請求項4】 トロイダル型無段変速機を構成する出力
    ディスクと第一、第二の動力伝達機構とを、駆動軸側に
    配置した、請求項1〜3の何れかに記載した無段変速装
    置。
  5. 【請求項5】 第一、第二の動力伝達機構を、出力ディ
    スクを支持する為の転がり軸受を軸方向両側から挟む位
    置に配置した、請求項1〜4の何れかに記載した無段変
    速装置。
JP3862098A 1998-02-20 1998-02-20 無段変速装置 Pending JPH11230301A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3862098A JPH11230301A (ja) 1998-02-20 1998-02-20 無段変速装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3862098A JPH11230301A (ja) 1998-02-20 1998-02-20 無段変速装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11230301A true JPH11230301A (ja) 1999-08-27

Family

ID=12530296

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3862098A Pending JPH11230301A (ja) 1998-02-20 1998-02-20 無段変速装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11230301A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015163808A (ja) * 2014-02-28 2015-09-10 ダイハツ工業株式会社 車両用変速装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015163808A (ja) * 2014-02-28 2015-09-10 ダイハツ工業株式会社 車両用変速装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6171210B1 (en) Toroidal type continuous variable transmission system
US5888160A (en) Continuously variable transmission
JP2000120822A (ja) 無段変速装置
US20060234823A1 (en) Continuously variable transmission appartus
JPH03223555A (ja) トロイダル型無段変速機
JPH10115355A (ja) 従動2軸無段変速装置
JPH01169169A (ja) トロイダル形無段変速装置
GB2263321A (en) Toroidal race transmission with two outputs for four wheel drive
US6117037A (en) Toroidal continuous variable transmission
GB2268236A (en) Toroidal race type CVT with output and cylindrical shafts mounted at central casing partition
US7326146B2 (en) Toroidal-type continuously variable transmission and continuously variable transmission apparatus
JP3744153B2 (ja) 無段変速装置
JP3702597B2 (ja) トロイダル形無段変速装置
JPH11280867A (ja) 無段変速装置
JP4085457B2 (ja) 無段変速装置
JP3738535B2 (ja) トロイダル形無段変速装置
JP3674264B2 (ja) 無段変速装置
JPH11230301A (ja) 無段変速装置
JPH06174036A (ja) トロイダル型無段変速機
JP3702598B2 (ja) ハーフトロイダル形無段変速装置
JP3603544B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2002031206A (ja) トロイダル型無段変速機及び無段変速装置
JP3000820B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP4144166B2 (ja) 揚水ポンプ又は発電機駆動用無段変速装置
JP4158320B2 (ja) 無段変速装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041027

A621 Written request for application examination

Effective date: 20041027

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20070817

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20070828

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20071026

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Effective date: 20080129

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02