JP4019539B2 - 高精細シャドウマスク及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビもしくはコンピューター等の端末ディスプレーのブラウン管中に用いられるシャドウマスク及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、シャドウマスクの高精細化、大画面化が進み、金属基材の薄型化も進んでいる。高精細化が進むにつれて、シャドウマスクの開口パターン幅も減少する傾向にあり、十分な電子線透過率を確保するのが難しい状況にある。
【0003】
シャドウマスクの製造方法としては、その貫通孔の表裏寸法の異なる複雑な断面形状を再現するためフォトリソ法によるウェットエッチングによる加工法が用いられている。
【0004】
一般的なシャドウマスクの製造方法は、図4(a)〜(f)に示すように、
まず、鉄又は鉄合金よりなる金属基材21の両面に感光性樹脂(フォトレジスト)を塗布、乾燥して感光層22を形成する(図4(a)参照)。
【0005】
次に、所定の遮光パターンを有する露光用マスク(多くの場合、表裏2枚のマスク)を位置合わせ、密着して、所定の露光量で感光層にパターン露光を行い、所定の薬液で現像、硬膜処理等を行い、金属基材21の両面に小孔パターン23及び大孔パターン24からなるレジストパターン22a及び22bを形成する(図4(b)参照)。
【0006】
次に、レジストパターン22a及び22bが形成された金属基材21の両面から塩化第2鉄液等を用いて1次エッチング(ハーフエッチング)を行い、金属基材の両面に所定形状の小孔開口パターン25及び大孔開口パターン26を形成する(図4(c)参照)。
【0007】
次に、金属基材21の小孔開口パターン25側に所定の樹脂溶液をローラーコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング等の方法にて塗膜を形成し、乾燥・硬化してエッチング耐触樹脂層27を形成する(図4(d)参照)。
【0008】
次に、金属基材21のもう一方の面の大孔開口パターン26を塩化第2鉄液等を用いて金属基材21が貫通するまで2次エッチング(スプレーエッチング)を行い、大孔開口パターン26aを形成する(図4(e)参照)。
【0009】
次に、大孔開口パターン26aが形成された金属基材21を加熱したアルカリ溶液に浸漬もしくはスプレーしてエッチング耐触樹脂層27及びレジストパターン22a及び22bを剥離処理し、水洗、乾燥を行って所定形状の開口パターンを有するシャドウマスク20を得る(図2、図4(f)参照)。
【0010】
しかし、ウェットエッチングは等方性の強い加工方法であり、所定の開口寸法を有するためには深さ方向の他に横方向への余分な加工(一般にサイドエッチという)が発生し、特に高精細シャドウマスクではそれが問題となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑み考案されたもので、2次エッチング工程に電解エッチング加工法を適用することによりサイドエッチの少ない、形状再現性に優れたシャドウマスクの製造方法及び高精細シャドウマスクを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に於いて上記問題を解決するために、まず請求項1においては、金属基材の両面に所望のレジストパターンを形成し、前記金属基材の両面から1次エッチング(ハーフエッチング)をして前記金属基材の両面に小孔開口パターン及び大孔開口パターンを形成した後、前記小孔開口パターン側の前記金属基材の片面にエッチング耐蝕樹脂層を形成し、前記金属基材のもう一方の面の大孔開口パターンを2次エッチングして貫通させた後、前記エッチング耐蝕樹脂層及び前記レジストパターンを剥離してシャドウマスクを作製するシャドウマスクの製造方法において、前記2次エッチングをPHが6.5〜7.5の電解液を用いた電解エッチング加工法で行うことを特徴とする高精細シャドウマスクの製造方法としたものである。
【0014】
さらにまた、請求項2においては、請求項1に記載の方法で作製されたことを特徴とする高精細シャドウマスクとしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のシャドウマスクの製造方法は通常のシャドウマスク製造工程の2次エッチング工程に電解エッチング加工法を適用することにより、サイドエッチの少ない、開口パターン形状再現性に優れた高精細シャドウマスクの製造が可能となる。具体的には、小孔開口パターン径100μm、大孔開口パターン径250μmの高精細シャドウマスクが作製可能である。
【0016】
さらに、電解エッチングの電解液をPH6.5〜7.5にすることにより化学反応による金属部分の溶解現象が抑えられ、純粋に電解エッチング加工の効果を得ることができる。
【0017】
【実施例】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
<実施例1>
まず、板厚130μmの鉄合金基板(YET36:日立金属株式会社製)からなる金属基材11の両面に水溶性レジスト(R−17:富士薬品工業製)をディップコーティングにて塗布し、60℃30分乾燥して感光層12を形成した(図3(a)参照)。
【0018】
次に、所定のシャドウマスクパターンが形成されたフォトマスクを感光層12に密着し、3kWの超高圧水銀灯で、積算光量で1500mj/cm2の露光量で露光した。ここで、シャドウマスクパターンとして小孔パターン80μmφ及び大孔パターン120μmφの円形状パターンを用いた。
【0019】
次に、一般水道水を使って90秒間スプレー現像を行い、金属基材11の両面に小孔パターン13及び大孔パターン14を有するレジストパターン12a及びレジストパターン12bを形成した(図3(b)参照)。
【0020】
次に、レジストパターン22a及び22bが形成された金属基材11を比重1.50、温度70℃の塩化第二鉄溶液をスプレー圧3kg/cm2で2分間スプレーエッチングして、1次エッチング(ハーフエッチング)を行い、小孔開口パターン15及び大孔開口パターン16を形成した(図3(c)参照)。
【0021】
次に、金属基材11の小孔開口パターン15側に所定の樹脂溶液を塗布し、乾燥・硬化してエッチング耐触樹脂層17を形成した(図3(d)参照)。
【0022】
次に、金属基材11のもう一方の面の大孔開口パターン16を電解エッチングを行って金属基材11が貫通するまで2次エッチングを行い、大孔開口パターン16aを形成した(図3(e)参照)。電解エッチング条件は10重量%硝酸ナトリウム水溶液からなる電解液を用い、電圧8V、電極間距離1cmとした。
【0023】
次に、大孔開口パターン16aが形成された金属基材11を80℃のアルカリ剥離液中に3分間浸漬し、エッチング耐触樹脂層17及びレジストパターン12a及び12bを剥離処理し、高精細シャドウマスク10を得た(図1、図3(f)参照)。
【0024】
<実施例2>
まず、板厚130μmの鉄合金基板(YET36:日立金属株式会社製)からなる金属基材11の両面に水溶性レジスト(PV−H:ユニオン化学製)をディップコーティングにて塗布し、60℃15分乾燥して感光層12を形成した(図3(a)参照)。
【0025】
次に、所定のシャドウマスクパターンが形成されたフォトマスクを感光層12に密着し、3kWの超高圧水銀灯で、積算光量で2000mj/cm2の露光量で露光した。ここで、シャドウマスクパターンとして小孔パターン80μmφ及び大孔パターン120μmφの円形状パターンを用いた。
【0026】
次に、イオン交換水を使って90秒間スプレー現像を行い、金属基材11の両面に小孔パターン13及び大孔パターン14を有するレジストパターン12a及びレジストパターン12bを形成した(図3(b)参照)。
【0027】
次に、レジストパターン22a及び22bが形成された金属基材11を比重1.50、温度70℃の塩化第二鉄溶液をスプレー圧3kg/cm2で2分間スプレーエッチングして、1次エッチング(ハーフエッチング)を行い、小孔開口パターン15及び大孔開口パターン16を形成した(図3(c)参照)。
【0028】
次に、金属基材11の小孔開口パターン15側に所定の樹脂溶液を塗布し、乾燥・硬化してエッチング耐触樹脂層17を形成した(図3(d)参照)。
【0029】
次に、金属基材11のもう一方の面の大孔開口パターン16を電解エッチングを行って金属基材11が貫通するまで2次エッチングを行い、大孔開口パターン16aを形成した(図3(e)参照)。電解エッチング条件は10重量%硝酸ナトリウム水溶液からなる電解液を用い、電圧12V、電極間距離1cmとした。
【0030】
次に、大孔開口パターン16aが形成された金属基材11を80℃のアルカリ剥離液中に3分間浸漬し、エッチング耐触樹脂層17及びレジストパターン12a及び12bを剥離処理し、高精細シャドウマスク10を得た(図1、図3(f)参照)。
【0031】
実施例1及び実施例2の高精細シャドウマスクサンプルの形状観察を行った結果開口パターン孔径バラツキの少ない、形状再現性に優れたものであった。
【0032】
【発明の効果】
本発明の高精細シャドウマスクの製造方法によれば、シャドウマスク製造工程の2次エッチング工程に電解エッチング加工法を適用することにより、サイドエッチの少ない、開口パターン形状再現性に優れた高精細シャドウマスクの製造が可能となり、優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシャドウマスクの一実施例の構成を示す部分断面図である。
【図2】従来のシャドウマスクの一実施例の構成を示す部分断面図である。
【図3】 (a)〜(f)は、本発明のシャドウマスクの一実施例の製造工程を工程順に示す部分断面図である。
【図4】 (a)〜(f)は、従来のシャドウマスクの一実施例の製造工程を工程順に示す部分断面図である。。
【符号の説明】
10……高精細シャドウマスク
20……従来のシャドウマスク
11、21……金属基材
12、22……感光層
12a、12b、22a、22b……レジストパターン
13、23……小孔パターン
14、24……大孔パターン
15、25……小孔開口パターン
16、26……大孔開口パターン
16a……大孔開口パターン
17、27……エッチング耐蝕樹脂層
Claims (2)
- 金属基材の両面に所望のレジストパターンを形成し、前記金属基材の両面から1次エッチング(ハーフエッチング)をして前記金属基材の両面に小孔開口パターン及び大孔開口パターンを形成した後、前記小孔開口パターン側の前記金属基材の片面にエッチング耐蝕樹脂層を形成し、前記金属基材のもう一方の面の大孔開口パターンを2次エッチングして前記金属基材を貫通させた後、前記エッチング耐蝕樹脂層及び前記レジストパターンを剥離してシャドウマスクを作製するシャドウマスクの製造方法において、前記2次エッチングをPHが6.5〜7.5の電解液を用いた電解エッチング加工法で行うことを特徴とする高精細シャドウマスクの製造方法。
- 請求項1に記載の方法で作製されたことを特徴とする高精細シャドウマスク。
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JP04113499A JP4019539B2 (ja) | 1999-02-19 | 1999-02-19 | 高精細シャドウマスク及びその製造方法 |
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JP04113499A JP4019539B2 (ja) | 1999-02-19 | 1999-02-19 | 高精細シャドウマスク及びその製造方法 |
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