JP3994767B2 - ウエットエッチング法を用いた金属薄板加工方法及び金属薄板加工装置 - Google Patents

ウエットエッチング法を用いた金属薄板加工方法及び金属薄板加工装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置用多ピンリードフレームや高精細シヤドウマスク等のエッチング部品の製造に使用されるウエットエッチング法を用いた金属薄板加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年リードフレームは、半導体集積回路の高密度化、高集積化が進んでいるため、多ピン化の要求がされている。
【0003】
リードフレームの代表的な製造方法は二通りあり、プレス法とエッチング法とがあるが、プレス法では剪断応力による反り歪み等の問題があり、多ピン化に対しては微細な加工に適したエッチング法が用いられている。
【0004】
エッチング法によるリードフレームの製造工程の一例を簡単に説明する。まず、素材となる金属薄板に付着している油分や有機系のゴミなどをアルカリ脱脂液にて除去する。次いで、フォトレジストをコートする際に、金属薄板表面へのフォトレジストの密着性を向上させるために、金属薄板表面を酸処理する整面処理を行う。次いで、金属薄板の両面に、例えば、ポリビニルアルコール、及び重クロム酸アンモニウムを成分とする水溶性のネガ型フォトレジストをコートする。次いで、所定の遮光パターンを形成したガラスマスクを金属表面に密着させ、紫外線を照射することでパターン露光し、ガラスマスクの遮光パターン部以外の領域のフォトレジスト層を光重合させる。
【0005】
次いで、温水スプレーにて現像を行い未露光部の感光性樹脂を除去後、残ったフォトレジストの硬膜処理、及びバーニングを行う。次いで、金属薄板の両面に形成したフォトレジストをマスクとしてエッチング液をスプレーし、レジストより露出した金属部分を溶解除去し、所定のパターンを有するリードフレームを形成する。最後に不要となったフォトレジストを熱アルカリ槽に浸漬除去する。
【0006】
また、シヤドウマスクは、カラー受像管のガラス管球表示部内側に形成された蛍光面に対向しその内側に設置されるもので、金属薄板を素材とし貫通孔を多数規則的に配穿させている。このシヤドウマスクは、蛍光面形成にも使用され、また電子銃から放出される電子線を蛍光面に正しく入射されるように設置される。
【0007】
従来、高精細シヤドウマスクの製造は、厚さ0.10mm程度の低炭素鋼金属薄板の両面を脱脂、整面、洗浄処理した後、その両面にカゼインまたはポリビニルアルコールと重クロム酸アンモニウムからなる水溶性感光液を塗布乾燥して、フォトレジスト膜を形成する。ついで、所定のパターンを有する露光用マスクを介して露光焼き付け、現像して、金属薄板両面に開孔領域より金属薄板を露出させたレジスト膜を形成する。しかるのち、このレジスト膜に対して硬膜処理、及びバーニング処理を施した後、第一段階のエッチングを金属薄板の一方の面(第1面)だけに行う。エッチング液には塩化第二鉄液を用い、スプレーエッチングを行うのが通常である。この第1面のエッチングの進度は、金属薄板を貫通しないように途中で止めるのが肝要である。次いで、金属薄板を水洗洗浄および乾燥後、前記第一段階の第1面のエッチング面に、例えば熱軟化型樹脂若しくは光硬化型の樹脂を塗布硬化させ、前記のエッチングで第1面に形成された凹部を完全に埋め尽くす耐腐蝕性膜を形成する。なお、この第1面は、小孔側であっても大孔側であっても差し支えないが、多くの場合小孔側に行う。
【0008】
続いて、他方の面側(第1面の裏面)をエッチングして前記凹部に貫通する貫通孔を形成する。最後に、耐腐蝕性膜およびフォトレジスト層を剥膜除去し、不要部分を断裁取り除くことで、シヤドウマスクが得られるものである。
【0009】
上記シヤドウマスクの貫通孔は、シヤドウマスクがカラー受像管に組み込まれた際、電子線を正しく蛍光面に導く役目をしている。そのため、シヤドウマスクに形成させるべき各貫通孔の形状、特に貫通部の孔径は、シヤドウマスク製造前の設計段階において予め設定されており、その孔径は、シヤドウマスクがカラー受像管に組み込まれた際、カラー受像管が所望する性能を発揮できるように設計されている。
【0010】
通常のカラー放送の再生に用いられるカラー受像管においては、シヤドウマスクの貫通孔径は金属薄板の板厚寸法より大きく、容易にウエットエッチングする事ができていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
さてこのようにウエットエッチング方法で製造されるリードフレームやシヤドウマスクは、通常、図4に示したような断面形状を形成する。
【0012】
通常、ウエットエッチングの場合、レジスト膜より露出した金属薄膜へのエッチングは等方的に行われるためサイドエッチングの問題が発生する。ここで図5を用いて、サイドエッチングの問題を説明する。図5に示すように、エッチング深度(エッチングで形成された凹部の深さ)をd、サイドエッチング量sをエッチング所定巾に対してそれ以上の横方向の拡がり(レジスト膜下部へのエッチングの回り込み)とすると、エッチングファクターFは、下記の(1)式のように定義される。
F = d/s ―――――(1)
【0013】
金属薄板をウエットエッチングする場合、理想的にはサイドエッチング量sは小さく、エッチングファクターFが大きいことがパターン精度の向上につながり望ましい。しかし、通常のウエットエッチングでは、エッチングファクターFは1〜2程度である。
【0014】
具体的にリードフレームについてサイドエッチングの問題点を説明する。図4に示すようにエッチング形状では、各リード部側(断)面にはサイドエッチングのために隣合うバリ部5が形成されてしまう。このようなバリ部5が存在すると、隣合うバリ部5どうしが接触し、ショート不良を発生する。ショート不良を発生させないためには、隣合うバリ部5の間隔が最低でも50μm程度必要であり、インナーリードの端子ピッチが制限されるという問題があった。
【0015】
また、前記隣合うバリ部5のために、形成する貫通部より狭いピッチ巾1のリードフレームをエッチング形成するには、エッチングファクターFが1〜2程度で等方的にエッチングが進むため、金属板をより薄くするなどの方法を取らなければ、その製造がきわめて困難であった。
【0016】
また、エッチング液を高圧でスプレーし、サイドエッチング量sを小さくしてエッチングファクターFをあげるなどの工夫も行われている。しかし、より薄くした金属薄板では面内で始めに抜けたインナーリード部がスプレー圧で捩れたり、隣のインナーリード部に接触するためエッチング液がうまくリードに当たらず、エッチング不良になることもあった。そのため不良を多発させないように、ある程度の強度を保つよう金属薄板の板厚が制限され、インナーリードのピッチをこれ以上狭めることできなかった。
【0017】
半導体パッケージに使用される半導体集積回路の高密度化、高集積化が近年さらに要求されており、リードフレームにおいてはインナーリードの端子ピッチの狭ピッチ化、微細化が要求されている。
【0018】
また、シヤドウマスクに関してもTVの高精細化やパソコンなどのモニターの超高精細化の要求がある。そのため超高精細シヤドウマスクを製造する際にもリードフレームと同様にシヤドウマスクの強度を確保しつつ、狭ピッチ化を行われねばならない。しかし、前述したように従来の製造方法ではサイドエッチングが避けられず、要求される狭ピッチ化、微細化を行うことは困難であった。本発明は係る問題点に鑑みなされたもので、狭ピッチ化、微細化を可能としたウエットエッチング法を用いた金属薄板の加工方法を供給しようとするものである。
【0019】
一般に、リードフレームやシヤドウマスクなど鉄系の金属薄板材料のウエットエッチングでは、通常塩化第二鉄液をエッチング液としたスプレーエッチング法が用いられる。このエッチングは、第二鉄イオン(Fe3+)が酸化剤として作用する酸化還元反応であり、以下のような段階を経る。
【0020】
第一段階は、スプレー圧の拡散によって、塩化第二鉄のFeCl3(Fe3+)が金属表面へ輸送される。
【0021】
第二段階は、金属表面において酸化還元反応が起きる。前記酸化還元反応は下記(2)式に示す。2FeCl3は、塩化第二鉄、3FeCl2は塩化第一鉄で、
2FeCl3+Fe→3FeCl2 ―――――(2)
【0022】
Fe3+が金属表面へ吸着し、電子の授受が行われ、金属表面からの生成物(FeCl2)が脱着される。
【0023】
第三段階は、前記拡散による前記生成物(FeCl2 )がエッチング液中へ輸送される。
【0024】
このように、エッチング液の拡散が律速となっており、通常ウエットエッチング法で使用されるスプレー法ではスプレーの打力によりエッチング液を強制的に拡散させている。しかしスプレーでは、金属面極近傍のエッチング液は拡散スピードが遅い問題がある。またエッチング液の流れが乱流となり、等方的にエッチングが進行するためサイドエッチの進行が避けられないことが分かっている。
【0025】
本発明は前記課題解決するためになされたもので、金属表面に存在するエッチング液の異方性拡散スピードを向上させることにより、金属薄板の厚み方向へのエッチング速度を向上させるエッチング方法を提供するものである。
【0026】
本発明の請求項1に係る発明は、 所定のパターンに従って金属薄板表面を露出させたレジスト膜を形成する工程と、エッチング液をスプレーし、前記レジスト膜より露出させた金属薄板部位をエッチングするエッチング工程とを有するウエットエッチング法を用いた金属薄膜加工方法において、エッチング液を用いてスプレーエッチング加工する時に、金属薄板表面に対して平行となるようにエッチングチャンバー内の磁性体が芯材となった搬送ロールに高周波電流を印加し、エッチング液に電磁力を発生させ用いることを特徴とするウエットエッチング法を用いた金属薄板加工方法である。
【0027】
本発明の請求項2に係る発明は、前記エッチング液を用いてスプレーエッチング加工する時に、金属薄板表面に対して平行となるようにエッチングチャンバー内に印加される高周波電流は、前記金属薄板の両面について印加され、かつ一方の面と他方の面とで電流の向きが逆であることを特徴とする請求項1記載のウエットエッチング法を用いた金属薄板加工方法である。
【0028】
本発明の請求項3に係る発明は、前記エッチング液を用いてスプレーエッチング加工する時に、金属薄板上での磁束密度を1000ガウス〜4000ガウスとすることを特徴とする請求項1、又は請求項2記載のウエットエッチング法を用いた金属薄板加工方法である。
さらに、本発明の請求項4に係る発明は、金属薄板加工のための装置であって、磁性体が芯材となった搬送ロールと、当該搬送ロールによって搬送される金属薄板に上下からエッチング液をスプレー可能な機構とを備え、前記搬送ロールは金属薄板を搬送するため金属薄板を挟み込むように上下に設置され、さらに上下のロールで逆方向の高周波電流を印加可能であることを特徴とする金属薄板加工装置である。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関するエッチング装置の搬送ロールの一例を模式的に示す図1、及び本発明の特徴とする電磁力作用を模式的に示す図2を用いて、本発明の金属薄板加工方法の詳細を説明する。
【0030】
まず、図1において、金属薄板9を搬送する搬送ロール8はステータコアとして機能させるために、鉄等の磁性体を芯材に用い、芯材表面にはシリコンゴム等をコーティングした構造となっている。金属薄板9を挟み込むように上下に搬送ロール8を設置しており、この上下の搬送ロールへ各々高周波の電流を印加させている。印加方向は軸方向としたもので、且つ上下搬送ロールで逆方向としている。例えば、上部の搬送ロール8aではロールの回転軸方向に奥方向に向かうように(図中矢印C方向)、逆に、下部搬送ロール8bではロールの回転軸方向に手前方向に向かうよう(図中矢印D方向)逆方向に高周波の交流電流を印加させる。なお、図示しないが上下よりエッチング液が金属薄板にスプレーされている。
【0031】
図2はスプレーエッチング中に上記高周波の電流を印加した際、金属薄板断面6上に付着するエッチング液へ加わる力を説明する概略図を示した。
【0032】
例えば図2において、上部の搬送ロール8aの軸方向に紙面上方向から下方向へ電気が印加され始めると、搬送ロール8aの時計回り方向に(図中Ba方向)磁界が発生する。この発生した磁界(Ba方向)により、金属薄板6上にある鉄イオンのエッチング液中の鉄錯体10(鉄イオン)に誘導電流が紙面下から上へ発生する。前記鉄イオン10に磁界(Ba方向)と誘導電流が作用し、フレミング左手の法則により、前記鉄イオン10には下向きの力が発生し、鉄イオン10は金属薄板表面近傍へ接近移動する。逆に上搬送ロール8aへの電力印画が弱まり始めると、反対に前記誘導電流が紙面上から下へ発生する。これにより鉄イオン10には上向きの力が発生し、鉄イオン10は金属薄板表面近傍から離反移動する。下部搬送ロール8bにも同様に印加されることで、時計逆回り方向に(図中Bb方向)磁界が発生し、エッチング液中の鉄イオンに上下方向の力が発生する。このように上下の搬送ロール8へ交流電流を印画することで、エッチング液中の鉄イオン10を金属薄板表面の垂直方向に原子レベルで上下方向に近接、離反の移動させることが可能になる。金属薄板表面近傍のエッチング液中の鉄イオンが垂直方向の拡散移動が起きる。
【0033】
図3は、上下部の搬送ロール8で発生する磁束密度とエッチングファクターFの関係を示すグラフである。
【0034】
前記磁束密度1000ガウスでエッチングファクターF=2が得られ、磁束密度の増加と共に更に増加することが分かった。さらに、4000ガウスまで増加させエッチングファクターF=4の値を確認した。磁束密度の増加と共に、エッチング液の異方性拡散スピードが向上し、その効果によりエッチングファクターの改善ができた。
【0035】
【作用】
本発明のウエットエッチング法による金属薄板加工方法は、リードフレームやシヤドウマスクなどのエッチング部品を製造する際金属薄板の板厚を薄くすることなく(強度を確保しつつ)狭ピッチ化を達成できる。また作用として、通常薄板をスプレーエッチングする場合、スプレーチャンバー内では金属薄板がスプレーの圧力で吹き飛び蛇行することを防止するために上下の搬送ロールで挟みながら搬送している。従来の加工方法では、この搬送ロールで挟まれている部分は、直接スプレーされないためエッチング液の拡散スピードが遅くなり、生産性を低減させる一因となっている。しかし、本発明では、この上下の搬送ロールにコイル電流を通電しているため、金属薄板が挟まれている箇所に最も電磁力による異方性エッチングが進行されることが期待できる。
【0036】
以上のように本発明では、搬送ロールを通過時に金属薄板にスプレーが当たっていなくてもエッチングを継続することが可能となり生産性を向上させることができ、かつ異方性エッチングによる狭ピッチのパターンを形成することが可能になった。
【0037】
【実施例】
本発明をリードフレームの製造に用いた一実施例を以下に示す。
【0038】
〈実施例1〉
リードフレーム用の金属材料として、厚さ150μmの鉄とニッケルの合金である42材(金属材質名)を用いた製造工程を説明する。
【0039】
まず、リードフレームの基板となる帯状の金属薄板材料の両面に脱脂、整面処理を行った。次いでネガ型の感光樹脂液(重クロム酸カリウムを感光剤としたPVA(ポリビニルアルコール)水溶液)を金属薄板材料の両面に塗布し、レジストを乾燥後、所定のパターンが遮光部となったマスクを用い、各々のマスクを金属薄板材料の両面に密着させ、両面から同時に紫外線を照射することによりパターン露光を行い、感光性樹脂の所定パターン部以外の領域を光硬化させた。
【0040】
次いで、温水スプレーにて現像を行い未露光、未硬化部の感光性樹脂を除去後、残った樹脂レジストの硬膜処理およびバーニング処理を行った。次いで、本発明に関するエッチング装置にてスプレーエッチングを行った。その際図1に示すように搬送ロール8へ交流電流を印加しながらスプレーエッチングを行った。金属薄板材料への磁束密度は3500ガウスの条件(エッチングファクターF=4)に設定し、金属薄板材料の両面へ塩化第二鉄液(75℃、密度1500g/cm3)をスプレーして第一エッチング工程を行った。このエッチングは、インナーリード部の表面平坦幅が80μmになるまで金属薄板材料の両面をスプレーエッチングしたものである。
【0041】
次いで、第1エッチングで形成された凹部を充填するようにエッチング防止用ニスを塗布した。塗布工程においては、金属薄板材料の片面(表面)に170℃で1000cpsまで軟化するエチレンーアクリル酸共重合体樹脂であるホットメルト樹脂を、ダイコーター方式で膜厚50μmに塗布し、エッチング防止用ニスとした。
【0042】
なお本実施では、隣り合うインナーリードのくびれの部分に形成されるバリをより小さくし、ピッチをより小さくするため、ホットメルト樹脂を用いた2段階エッチングを採用している。ここで使用するHMニスはアルカリ溶解型のワックスであり、また酸性のエッチング液には耐性があり、軟化点は90〜100℃にあるが、65℃程度である程度の柔軟性を有している。
【0043】
次いで第二エッチング工程として本発明に係わるエッチング装置にてスプレーエッチングを行った。その際も図1に示すように搬送ロール8へ交流電流を印加しながらスプレーエッチングしたものであり、金属薄板材料への磁束密度が3500ガウスの条件(エッチングファクターF=4)に設定し、75℃、密度1.500g/cm3の塩化第二鉄液をエッチング液とし、スプレー法により裏面側に第二エッチングを行った。これにより、表面にエッチング形成した凹部と貫通する貫通部を形成した。この時、まず第一エッチング工程にて表面側からエッチングして形成したした凹部に充填されたエッチング防止層まで第二エッチング工程でエッチングが進んだとき、このエッチング防止層を形成したホットメルト樹脂が軟化し、裏面からエッチングして形成された貫通部より表面(第1面)にある程度飛び出してくる。
【0044】
そこから第一エッチング工程にて表面からエッチング形成された凹部内にも、第二エッチング工程でのエッチング液が流れ込み、鋭利に尖ったバリ部が電気化学的に電荷が集中し選択的にエッチングされる。このとき、本発明ではエッチング液の異方性エッチング効果により、バリ部が集中的にエッチングされる。本実施例では、第一エッチング工程で形成した表面の開口幅と貫通部の幅が同じになったときに第二エッチング工程を停止させ、リードフレームのエッチング工程を終了させた。
【0045】
次いで、公知の方法によりエッチング防止用ニスおよび樹脂レジストを除去したあとに、金属薄板材料から必要な部分をプレス等により切断し抜き取り、所望の多ピンリードフレームを得た。
【0046】
なお、シヤドウマスクでも同様に貫通部分にできるバリが集中的にエッチングされ、エッチング時間が短くても、従来と同じ貫通孔を再現でき生産性を向上できることができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明のウエットエッチング法を用いた金属薄板加工方法では、スプレーエッチングの際に電磁力を利用することにより、金属表面に存在するエッチング液の異方性拡散スピードを向上させることが、金属薄板の厚さ方向のエッチング速度を向上させることができる。これにより、ウエットエッチング時のエッチングファクター値が改善ができる。これにより、本発明をリードフレームの製造に用いた場合には、多ピン化、高密度化に対応できるリードフレームを提供することが可能となり、かつ生産性をも向上できる。また、シヤドウマスクの製造に用いた場合であっても、超ファインピッチの製造を可能とし、かつ生産性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるエッチング装置の要部を模式的に示す斜視図である。
【図2】本発明の特徴とする電磁力作用を説明する概略図である。
【図3】エッチングファクターFと磁束密度の関係グラフである。
【図4】従来の加工方法で得られたエッチング部品の側断面図を示す拡大図である。
【図5】エッチングファクターFの定義を説明する側断面である。
【符号の説明】
1…ピッチ巾
2…表面平面巾
3…裏面平坦巾
4…材料厚
5…バリ部
6…金属薄板
7…レジスト
8、8a、8b…搬送ロール
9…金属薄板
10…エッチング液中の鉄錯体

Claims (4)

  1. 所定のパターンに従って金属薄板表面を露出させたレジスト膜を形成する工程と、エッチング液をスプレーし、前記レジスト膜より露出させた金属薄板部位をエッチングするエッチング工程とを有するウエットエッチング法を用いた金属薄膜加工方法において、エッチング液を用いてスプレーエッチング加工する時に、金属薄板表面に対して平行となるようにエッチングチャンバー内の磁性体が芯材となった搬送ロールに高周波電流を印加し、エッチング液に電磁力を発生させ用いることを特徴とするウエットエッチング法を用いた金属薄板加工方法。
  2. 前記エッチング液を用いてスプレーエッチング加工する時に、金属薄板表面に対して平行となるようにエッチングチャンバー内に印加される高周波電流は、前記金属薄板の両面について印加され、かつ一方の面と他方の面とで電流の向きが逆であることを特徴とする請求項1記載のウエットエッチング法を用いた金属薄板加工方法。
  3. 前記エッチング液を用いてスプレーエッチング加工する時に、金属薄板上での磁束密度を1000ガウス〜4000ガウスとすることを特徴とする請求項1、又は請求項2記載のウエットエッチング法を用いた金属薄板加工方法。
  4. 金属薄板加工のための装置であって、磁性体が芯材となった搬送ロールと、当該搬送ロールによって搬送される金属薄板に上下からエッチング液をスプレー可能な機構とを備え、前記搬送ロールは金属薄板を搬送するため金属薄板を挟み込むように上下に設置され、さらに上下のロールで逆方向の高周波電流を印加可能であることを特徴とする金属薄板加工装置。
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