JP4018421B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真式の複写機、プリンタおよびファクシミリなどの画像形成装置に関する。より詳しくは画像記録装置内部の定着装置に関し、特に電磁誘電加熱を利用して現像剤であるトナーを記録媒体に定着する誘導加熱定着装置に関する。
【0002】
【背景技術】
電子写真装置は、現像剤(トナー)により記録紙上にトナー画像を形成する画像形成手段を持ち、トナー画像が形成された記録紙を搬送する紙搬送手段を通じ、図に示す定着器801中に記録紙を図中矢印方向に搬送することで、トナー像811を記録紙810に加熱加圧定着する。定着器では加圧ローラ803と対向圧接する加熱ローラ802中にハロゲンヒータ804が加熱源として配され、加圧ローラおよび加熱ローラは図示しない駆動源によって、矢印方向に回転している。そして、加熱ローラ表面が所定の温度に調整されるように、温度検知センサ805で検出された温度に伴い、ハロゲンヒータをオン・オフ制御する温度調整方法が多用されている。図7に温度調整用制御系の一例のブロック図を示す。
【0003】
ハロゲンヒータを用いたオン・オ制御による加熱ローラ温度を制御する方式では、その構造上輻射熱により加熱ローラを加熱する間接加熱のため、発生熱の一部が対流熱として失われると共に、加熱ローラ全体を一様に加熱することから放熱量も大きくなり熱効率が非常に悪く、消費電力が大きくなるといった欠点がある。また、安定した定着性を得るためには、加熱ローラの温度変動を小さくしなければならず、その結果として熱容量の大きな加熱ローラが必要となるため、目標温度に対して加熱ローラ温度が十分低い場合に、
装置全体での消費電力量から規定された電力範囲内で定着可能温度まで加熱ローラを加熱するには、間接加熱による熱効率の悪さと相まって、時間がかかるという欠点にも繋がっていた。
【0004】
このような欠点を改善し、高効率で、高速な昇温特性を特徴として備える加熱方式として誘導加熱方式が提案されている。この誘導加熱方式とは、励磁コイルに高周波電流を印加することで発生する高周波磁界を加熱ローラの表層に作用させることで、ローラ表面の導電層に渦電流を発生させ、その渦電流によるジュール熱により加熱ローラを直接加熱するため、発熱効率が高く、高速昇温が可能となっている。また、その発熱量は、供給電力に比例するため、供給電力の可変制御により加熱ローラの温度制御が高速かつ容易に可能であり、電力を有効に利用できるため省電力化も図れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
高効率・高速加熱などの利点を備える誘導加熱方式ではあるが、熱定着装置に要求される制御電力は数百Wと非常に大きな値となると共に、制御対象が発熱体であるために、制御回路及び、検出回路に異常が発生した場合に、発熱体の過昇温を招くことになり、加熱部の駆動回路だけでなく、熱定着装置全体に与える影響が大きくなる。このため、制御回路異常時に装置に損傷を及ばないようにするためには、耐熱性の高い部材を必要とするなどのコストアップに繋がるといった問題がある。
【0006】
従来多用されている前記ハロゲンヒータを用いた熱定着装置においても、同様の問題点は存在しており、多くの場合、制御用の温度検出センサ(前記サーミスタ等)の出力値を元にした熱定着装置への電力供給の遮断機能や、ある規定温度に達した場合に機械的に電力供給を遮断するためのサーモスイッチを発熱体であるハロゲンヒータと直列に接続することで、過昇温時に電力遮断を行わせるといった手段が採られている。
【0007】
しかしながら、これらの手段における温度検知機能は、検出素子自身のもつ熱容量と熱伝導の遅れがあるために、保護回路が動作するためには遅れ時間が必ず発生し、特にハロゲンヒータなどによる間接加熱方式では、熱効率の悪さと加熱対象である加熱ローラのもつ大きな熱容量により、非常に高温になる状態が長く続いてしまうという問題もあった。
それに対して、誘導加熱方式の場合にはハロゲンヒータの場合に比べては加熱ローラの熱容量は低くて済むものの、その急速加熱特性による過昇温はより周囲への影響を大きなものとする可能性が高いものとなる。
【0008】
本件はこのような問題点を解決するためになされたもので、加熱ローラの温度を検知しなくても、スイッチングのオンとオフによりコイルに高周波電流を供給するスイッチング素子とそのスイッチング素子を駆動するための駆動回路のそれぞれの正常か異常かの判別を行える画像形成装置を提供することを目的とする
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための構成は記録媒体上にトナー像を形成する画像形成手段と、
記録媒体を搬送する搬送手段と、コイルと前記コイルに通電されることにより生じた磁束により発熱する加熱ローラとを有し、記録媒体上のトナー像を熱により記録媒体上に定着する定着手段と、前記加熱ローラの温度を検知する第一温度検知部材と、前記加熱ローラの温度を検知する第二温度検知部材と、前記コイルに高周波電流を供給する誘導加熱電源と、を備え、前記誘導加熱電源は、入力遮断信号により商用交流電源からの電力の断続の動作が制御可能であり第一温度検知部材により検知された温度が所定値以上になった場合に商用交流電源からの電力の供給を遮断する入力遮断手段と、入力される電圧を検知する入力電圧検出手段と、スイッチングのオンとオフにより前記コイルに高周波電流を供給するスイッチング素子と、駆動開始信号の入力により前記スイッチング素子を駆動するための駆動回路と、スイッチング素子のスイッチングにより発生する高周波電流の電流値を検出する電流検出手段と、前記入力電圧検出手段の出力と第二温度検知部材の出力と電流検出手段の出力に応じて前記スイッチング素子のオン期間を制御するパルス幅制御手段と、
を有する画像形成装置において、
入力遮断手段の異常は前記入力遮断信号と前記入力電圧検出手段の出力から判断され、
スイッチング素子の異常は商用交流電源から電力が供給されており、駆動開始信号が前記駆動回路に入力されていないときの電流検出手段の出力により判断され、駆動回路の異常は駆動開始信号が前記駆動回路に入力されているときの電流検出手段の出力により判断されることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
図1は本発明の熱定着装置を含む画像形成装置の概要を示す図面である。
【0016】
画像形成装置は、大きく分けて熱定着器100,全体制御回路110、誘導加熱電源120で構成されている。
【0017】
101は加熱ローラ、102は励磁コイル、106は加熱ローラの温度制御用に用いられる非接触サーミスタ(主)、107は加熱ローラの過昇温を検出するためのサーミスタ(副)、108は加熱ローラが過昇温時に通電を遮断するためのサーモスイッチ。以上が定着器100を構成する主な部位である。
【0018】
111はA/Dコンバーター、112はCPU、113は励磁コイルに高周波電力を供給する誘導加熱電源の制御を司る誘導加熱定着制御回路、114は前記サーミスタ(副)107での検出値を元に過昇温検出を行う過昇温検知回路、115は非接触サーミスタ106からの検出値から加熱ローラ101の表面温度を算出するための温度検出回路、116は前記誘導加熱電源120内の電流検出手段126により検出されたスイッチ素子に流れる電流量が所定の値以上であるかを検出するための過電流検出回路、117は前記誘導加熱電源120に供給される電圧、及び、前記電流量から電力量を算出するための積算回路、118は前記CPU112からの制御信号と、前記誘導加熱定着制御回路113からの制御信号を元に、リレーの駆動信号(Releay−ON)を生成するリレー制御回路。以上が全体制御回路110を構成する主な部位ある。
【0019】
121は入力遮断用のリレー、122は入力の商用交流電源を整流するための整流ダイオード、123は共振用コンデンサ、124は半導体スイッチング素子、125は前記半導体スイッチング素子124を駆動するための駆動回路、126はスイッチング素子124に流れる電流量を検出するための電流検出手段(カレントトランス等)、127は前記電流検出手段126の検出値を元に過電流検出を行うための過電流検出回路、128は入力電圧検出回路、129は前記リレー制御回路118からの制御信号により前記リレー121を駆動するための半導体スイッチ素子、以上が誘導加熱電源120を構成する主な部位である。
【0020】
次に本実施例で用いる誘導加熱定着器100の構成を図2に、加熱原理の簡易的な説明を図3に示す。図2は定着器100を横から見た図である。加熱ローラ101は、表面離型性を高めるために表面に樹脂コーティングまたは金属メッキなどの表面処理501が施されている鉄製の中空ローラである。加熱ローラ101内部には、励磁コイル102と、
Iコア103とからなる磁気回路を、ローラの長手方向に配置し、励磁コイル102はIコア103を取り巻くように配置される。Iコア103を高い透磁率を有するフェライトなどで構成することにより、励磁コイル102により発生させた磁界を有効に加熱ローラ表面に作用させる。ここで、コイルの巻き線を示す○中に“・”が付されている線、“×”が付されている線はそれぞれ同じ向きに電流が流れる。
【0021】
加熱動作は図3に示すように、前記励磁コイル102に周波数の交流電力を印加することで、交流磁界51を発生させ、対向する加熱ローラの表面に渦電流52を発生させる。その渦電流52が加熱ローラ表面を流れることで加熱ローラの固有抵抗成分によるジュール熱が加熱ローラ表面に発生し、加熱ローラ表面が自己発熱することになる。この時、高透磁率を有するIコアに磁界が集中することで、加熱ローラのIコアに向かい合った部分に多くの渦電流による発熱が引き起こされることとなる。そして、励磁コイルに投入された電力が大きいほど、発生する交流磁界およびジュール熱も大きいものとなる。
【0022】
このようにして加熱ローラ101は所定の温度に発熱され、図2に図示しない駆動源により矢印方向に回転する加圧ローラ502および加熱ローラ101の間を、トナー像811が載った記録紙810が通過することで、記録紙上(記録媒体上)にトナー像が定着される。
【0023】
次に動作について説明を行う。
【0024】
図1において、画像形成装置は、主スイッチ001のオンにより商用交流電源002から電力供給が行われ、不図示の直流電源から全体制御回路110へ電力供給が開始され、
装置のシーケンス制御をつかさどるCPU112から誘導加熱定着制御回路113を通じて誘導加熱電源120にON信号(IH−ON)およびPWM信号(PWM−OUT)が送られると、励磁コイル102に接続された誘導加熱電源120の出力端子にPWM信号に応じた高周波交流電力が発生することになる。
【0025】
ここで、全体制御回路110内での動作を詳しく説明すると、装置のシーケンス制御を司るCPU112により、起動後、もしくは画像形成装置への外部からの要求信号に応じて、熱定着器の動作が開始される。熱定着器は所定の温度へ制御されることになるが、このときサーミスタ(主)106からの検出信号を温度検出回路115により変換し、さらにA/Dコンバータ111によりデジタル信号へ変換され、CPU112に入力される。
CPU112では各部の検出・制御(メインモータ203,排紙センサ202,分離センサ201)を行うと共に、誘導加熱定着制御回路113に対して、ソフト的に不図示のROM/RAM内に格納された温度基準値との比較を行い、誘導加熱電源へのPWM信号のオン/オフパルス幅を決定するための設定値を誘導加熱定着制御回路113へ出力する。
【0026】
誘導加熱定着制御回路113では、CPU112からの設定値に応じてオン幅、オフ幅を有するPWM信号を発生することになるが、同回路113へは、CPU112からの制御信号だけでなく、誘導加熱電源120からの各種検出信号も併せて入力されており、ソフト的処理では制御の遅れが問題となる部分に関して、ハード的に処理することで、異常時等の迅速な保護動作(図示のOcp信号検出時のIH−ON信号の瞬時オフや、PWM−OUTの出力停止。または、入力電流・電圧の検出信号であるI−mon及びV−monから積算回路117により積算された電力量に応じた検出信号が規定値以上の場合に回路異常として、動作停止など)を可能としているとともに、誘導加熱電源120の状態検知用(IH−LIVE検出時に誘導加熱電源120への制御信号のオフと、CPU112へのエラー発生検知の出力を行うなど)のインターフェース部分も兼ねている。
【0027】
また、全体制御回路110内では、誘導加熱定着制御回路113でのハード的な異常保護信号生成とともに、サーミスタ(副)107や誘導加熱電源120からの電流・電圧検出信号(I−mon・V−mon)をA/Dコンバータ111を介して、CPU112へ取り込むことで、ハード的処理では回路が複雑する部分を、ソフト的に処理できる構成となっており、ハード・ソフト両回路からの出力信号に応じて、誘導加熱電源120内の入力遮断用のリレー121を制御するリレー制御回路118が設けられている。
【0028】
次に、誘導加熱電源120の動作について、詳しく説明する。
【0029】
主スイッチ001のオンにより、リレー121を介して印加された交流電圧は、整流ダイオード122により全波整流さる。全波整流された電圧は励磁コイル102と共振用コンデンサで形成される並列共振回路と、その共振回路と直列に接続される半導体スイッチング素子124間に印加され、誘導加熱定着制御回路113から駆動回路125へ送出されるPWM信号(PWM−OUT)とON信号(IH−ON)によって、半導体スイッチング素子124がオン・オフ動作を開始することで、励磁コイル102への電力供給が開始される。
【0030】
ここで、ON信号(IH−ON)がHレベルの場合、PWM信号(PWM−OUT)は半導体スイッチング素子124のゲート端子に印加され、PWM信号のHレベル区間で導通状態となり、整流された入力電圧が励磁コイル102に印加される。PWM信号のLレベル区間で半導体スイッチング素子124がオープン状態となると、導通時に流れていた電流レベルに応じて励磁コイル102部に逆起電力が発生し、この逆起電力並列接続された共振用コンデンサ123に充電される。
【0031】
これにより共振用コンデンサ123の両端電圧はコイルとコンデンサの共振作用により正弦波状に上昇し、励磁コイルの蓄積エネルギーが無くなった時点で最大電圧に達する。共振コンデンサ123への充電電圧が最大電圧に達すると、今度は逆に共振用コンデンサ123から励磁コイル102に向けて電流が流れ、共振用コンデンサ123の電圧が低下する。コンデンサ123の両端電圧がゼロ以下になると半導体スイッチング素子124に寄生しているダイオード、もしくは両端に接続されるフライホイールダイオード(不図示)がオンとなり、半導体スイッチング素子124の両端電圧はダイオードの順方向電圧(0.6〜1.0V)レベルにクランプされる。
【0032】
その後、再び半導体スイッチング素子124がオンされれば、励磁コイル102に電流が流れるということを繰り返すことで、励磁コイル102にはPWM信号に応じた周波数の高周波の交流電流が流れ続け、高周波磁界を発生させる。加熱ローラの発熱原理は前述したとおりであり、これにより検出した温度に応じたPWM信号を生成し、半導体スイッチング素子を駆動することで加熱ローラ表面を任意の温度に制御することが可能となる。
【0033】
また、このPWM信号は前記入力電圧検出回路128の検出値に応じて、そのスイッチング周波数を可変する構成をとる。そして、前記電流検出手段126での検出値が過電流設定レベルに達した場合には強制的に半導体スイッチング素子124のオン信号をオフさせるように動作することで、保護を行う構成を採っている。
【0034】
次に回路異常時の検出動作について説明する。
【0035】
リレー121は全体制御回路110からのリレー制御信号(RELAY−ON)により、入力の断続が行われる構成となっており、そのリレーの駆動用の電源は加熱ローラ部に設けられたサーモスイッチ108を介して、不図示の直流電源から供給されている。
【0036】
ここで、前述したように誘導加熱電源120において設けられている入力電圧検出回路128からの出力(V−mon)と、励磁コイルに供給される電流量を検出するための電流検出手段126からの出力(I−mon)はそれぞれ誘導加熱定着制御回路113へ入力されるとともに、A/Dコンバータ111を介して、CPU112へ入力される。
【0037】
CPU112においては、前述したように各部の制御を司っており、誘導加熱定着制御回路113から出力される誘導加熱電源120の半導体スイッチング素子124の駆動回路125への駆動開始オン信号(IH−ON)の出力タイミングも制御している。
【0038】
ここで、CPU112では前記入力信号である入力電圧検出信号V−monおよび電流検出信号I−monと、前記出力信号である誘導加熱駆動信号IH−ONおよびリレー駆動信号Relay−ONの状態把握が可能であり、これらの信号から電源ON時の異常診断は図4のフローに示すように行われる。
【0039】
S1001〜3:主スイッチ001により電源投入後、Relay−ON信号および、
IH−ON信号をオフ状態(Low)にセット
S1004:励磁コイル102に供給される電流を電流検出手段126からのI−mon信号により確認。このときS1001により正常動作時に回路内に電流が流れることは無い。ここで電流が検出された場合には異常診断S1101以降が行われる。
【0040】
S1005:初期診断(S1001,1002)終了後、個別診断を行うため、まず、リレー駆動信号Relay−onをON状態(HI)にセット
S1006:リレー121により交流電圧が供給開始されていることを入力電圧検出回路128からのV−mon信号にて確認。このときV−mon信号が所定の値以下の場合リレー121が正常に駆動されていないことになるため、S1201にてリレー駆動回路異常処理を行う。
【0041】
S1007:ここで再度励磁コイル102に供給される電流を電流検出手段126からのI−mon信号により確認。IH−ON信号がオフ状態(Low)であるにも関わらず電流が検出された場合には、S1301にて半導体スイッチング素子異常処理を行う。
【0042】
S1008:誘導加熱駆動信号IH−ON信号をON状態(HI)へセット
S1009:ここで再々度励磁コイル102に供給される電流を電流検出手段126からのI−mon信号により確認。IH−ON信号がオン状態(HI)であるにも関わらず電流が検出されない場合には、S1401にて駆動回路異常処理を行う。
【0043】
S1010:チェック終了処理として、誘導加熱駆動信号IH−ONをオフ状態にセット
S1101:電流検出原因が、リレーの溶着か否かを診断するために、入力電圧検出回路128からのV−mon信号を確認。このときV−mon信号が所定の値以上の場合リレー121が溶着をおこして入力電圧を遮断できない状態であるため、S1501にて誘導加熱電源異常処理を行う。
【0044】
S1102:S1101でのV−mon信号が所定値以下である場合には電流が検出されるレベルとはならないため、A/Dコンバータ111でのオフセットによるものとしてゼロレベル調整を行い再度S1004から診断続行。
【0045】
以上が、電源ON時に行われる基本的な診断フローである。
【0046】
これにより異常が発生した場合には、機器の動作を禁止、もしくは、外部へのエラー出力、により、リレーの交換等を行わせることで、温度検出系の異常による過昇温発生時などに、確実に誘導加熱電源への電力供給を遮断して、停止させることが可能となる。
【0047】
また、誘導加熱定着の高速昇温特性は必要なときにのみ定着器を駆動させればよいため、通常の複写機の待機時には誘導加熱電源をオフしておけるため、コピー動作開始前に図5に示すように半導体スイッチング素子および駆動回路診断(動作については前述とほぼ同じである)を行うことで、より確実に安全性を向上させることが可能となる。
【0048】
(実施例2)
実施例2は実施例1と同じ構成において、回路全体の異常検出を画像形成処理後に一所定の期間以上動作が行われない場合に、つまり一定時間以上画像形成動作が行われない場合に行う構成とした点が、実施例1と異なる。
【0049】
つまり、画像形成処理が終了後に所定の時間以上動作しなかった場合に、自動的に誘導加熱電源120への電力供給をリレー121により遮断するように、CPU112から画像形成動作終了とともに、実施例1で示したものと同じ診断を行わせ、異常が発生した場合には、CPU112へエラー信号が出力されて、画像形成装置は異常発生処理を行う。
【0050】
この構成では画像形成処理が終わっても一定時間以上動作しない場合にのみ、リレーの異常検出が行われるため、必要以上にリレーのオン・オフ回数を増やす必要がなくて済み、機械摩耗によるリレーの寿命を延ばすことが可能となるため、安価なリレーを利用できる。
【0051】
また、誘導加熱電源への電力供給と、リレーへの駆動電力の供給も停止されるため、画像形成動作時以外の電力損失を改善することが可能となる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、スイッチング素子の異常は商用交流電源から電力が供給されており、
駆動開始信号が駆動回路に入力されていないときの電流検出手段の出力により判断され、
駆動回路の異常は駆動開始信号が前記駆動回路に入力されているときの電流検出手段の出力により判断されるので、加熱ローラの温度を検知しなくても、スイッチング素子と駆動回路のそれぞれの正常か異常かの判別を行える
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1のブロック図
【図2】 本発明の実施例1の定着器の構成図
【図3】 本発明の実施例1の誘導加熱の動作説明図
【図4】 本発明の実施例1の電源投入時の診断フローチャート図
【図5】 本発明の実施例1のコピー動作時の診断フローチャート図
【図6】 従来の定着器の構成図
【図7】 従来の定着器における温度調整用制御系の一例のブロック図
【符号の説明】
100 熱定着器
110 全体制御回路
120 誘導加熱電源

Claims (5)

  1. 記録媒体上にトナー像を形成する画像形成手段と、記録媒体を搬送する搬送手段と、コイルと前記コイルに通電されることにより生じた磁束により発熱する加熱ローラとを有し、記録媒体上のトナー像を熱により記録媒体上に定着する定着手段と、
    前記加熱ローラの温度を検知する第一温度検知部材と、前記加熱ローラの温度を検知する第二温度検知部材と、前記コイルに高周波電流を供給する誘導加熱電源と、を備え、前記誘導加熱電源は、入力遮断信号により商用交流電源からの電力の断続の動作が制御可能であり第一温度検知部材により検知された温度が所定値以上になった場合に商用交流電源からの電力の供給を遮断する入力遮断手段と、入力される電圧を検知する入力電圧検出手段と、スイッチングのオンとオフにより前記コイルに高周波電流を供給するスイッチング素子と、駆動開始信号の入力により前記スイッチング素子を駆動するための駆動回路と、スイッチング素子のスイッチングにより発生する高周波電流の電流値を検出する電流検出手段と、前記入力電圧検出手段の出力と第二温度検知部材の出力と電流検出手段の出力に応じて前記スイッチング素子のオン期間を制御するパルス幅制御手段と、を有する画像形成装置において、
    入力遮断手段の異常は前記入力遮断信号と前記入力電圧検出手段の出力から判断され、
    スイッチング素子の異常は商用交流電源から電力が供給されており、駆動開始信号が前記駆動回路に入力されていないときの電流検出手段の出力により判断され、駆動回路の異常は駆動開始信号が前記駆動回路に入力されているときの電流検出手段の出力により判断されることを特徴とする画像形成装置。
  2. スイッチング素子の異常の判断が行われた後に駆動回路の異常の判断が行われることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記入力遮断手段の異常検知は、一定時間以上画像形成動作が行なわれない場合に行なわれることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記入力遮断手段が異常と検知された場合、前記コイルへの電力供給を遮断することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか記載の画像形成装置。
  5. 前記入力遮断手段が異常と検知された場合、装置の動作を禁止するための異常検知信号を出力することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか記載の画像形成装置。
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