JP4018205B2 - 離脱可能なリベット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の板材、例えば、ファイル表紙と綴具基板とを結合するリベットに係り、特に、リベットの座部を弾力的に構成して板材の結合を比較的簡単に解除できる解離型リベットに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複数の板材を結合するに際し、例えば、図7に示すように、ファイル用具のファイル表紙10と綴具基板12との2枚の板材を結合するには、リベット14が常用される。そして、図8に示す代表的なこの種のリベット14によれば、比較的簡単な構成で強固な結合効果を得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来から使用されるリベットは、その使用につき次のような難点が指摘されていた。すなわち、例えば、ファイル用具の廃棄に際しては、近来、資源のリサイクルの面から、紙製のファイル表紙と金属製の綴具とに分離して処分する分別回収が提唱されているが、従来型のリベットでは、ファイル用具の使用者が、リベットの結合を簡単に解放する、すなわち、取付けたリベットを簡単に取外すことは一般的に不可能であったため、前記分別回収に困難を伴いその改善が要望されていた。
【0004】
そこで、本発明の目的は、比較的簡単に取外すことができる構造の解離型リベットを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
先の目的を達成するために、本発明に係る解離型リベットは、複数の板材の連通孔に挿通されるかしめ部品であって、端部に肉薄に形成されたかしめ部と他端に前記板材の連通孔と略等径に形成される拡開テーパ係止部とからなり、前記拡開テーパ係止部に前記板材の連通孔より大径の座部を着座させ、前記座部は弾性体からなることを特徴とする。
【0006】
この場合、座部は、その外周縁へ向け薄肉となるように形成される。この座部は、好適にはプラスチックにより構成される。
【0007】
このように、本発明の解離型リベットによれば、リベットの取外しに際し、座部をドライバー等の工具を使用して剥離するだけでリベットを板材から簡単に取外すことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る解離型リベットの一実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0009】
図1は本発明の解離型リベット16の斜視図であって、該解離型リベット16は大きく分けて、かしめ部品20と、該かしめ部品20に挿着される座部26の2つの部材から構成されることを示す。先ず、複数の板材の連通孔に挿通される略柱状のかしめ部品20において、一端の中空部を成す外周を肉薄に形成したかしめ部22と、他端に前記連通孔と略等径に形成した拡開テーパ係止部24を一体製造する。一方、拡開テーパ係止部24に着座させる座部26において、略柱状のかしめ部品が挿通され得る内壁に、拡開テーパ係止部24の斜度と略等斜度のテーパを形成し、該座部26の肉厚を外周縁部へ向け、肉薄に製造する。
【0010】
次に図2乃至図4において、本発明に係る解離型リベット16をファイル用具のファイル表紙10と綴具基板12との結合に使用する例について説明する。
【0011】
すなわち、解離型リベット16は、複数の板材、例えばファイル表紙10と綴具基板12の連通孔18内に挿通されるかしめ部品20からなり、その一端部に薄肉のかしめ部22を形成すると共に他端縁部に拡開テーパ係止部24を形成し、拡開テーパ係止部24に座部26を離脱可能に係合する。また、拡開テーパ係止部24の直径D1は、先に述べた通り、連通孔18の直径D2と略同じかまたは僅かに小さく設定され、弾性座部26の外径D3は、連通孔18の直径D2より大きく設定される。
【0012】
従って、このような構成よりなる解離型リベット16によれば、拡開テーパ係止部24上に座部26を係合した状態でかしめ部品20を連通孔18内に挿通した後(図3)に、かしめ部22をかしめる(図4)ことにより、ファイル表紙10と綴具基板12とを簡単に結合できる。
【0013】
また、このように取付けられた本発明による解離型リベット16を結合された板材から解除するに際し、図5および図6に示すように、ファイル表紙10と座部26との間にドライバーの刃部32を強制的に挿入してこじ開けるように操作すると、座部が拡開テーパ係止部24を乗越えて分離され(図5)、その後、かしめ部品20を連通孔18から押出す(図6)ことにより、簡単に取外され、ファイル表紙10および綴具基板12の結合が直ちに解放される。
【0014】
以上、本発明に係る解離型リベットをその好適な実施例である2枚の板材からなるファイル用具について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、3枚またはそれ以上の板材の結合についても同様に適用され得ることは勿論である。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る解離型リベットは、かしめ部品から座部を簡単に離脱させることにより、リベットを取付板材から解放することができ、資源の分別回収とリサイクルの要望にも容易に対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の解離型リベットの斜視図である。
【図2】本発明の解離型リベットの平面図である。
【図3】本発明の解離型リベットの挿通状態を示す断面図である。
【図4】本発明の解離型リベットの使用状態を示す断面図である。
【図5】本発明の解離型リベットの座部の離脱を示す断面図である。
【図6】本発明の解離型リベットのかしめ部品の離脱を示す図である。
【図7】一般的なファイル用具の要部斜視図である。
【図8】従来のリベットの斜視図である。
【符号の説明】
10 ファイル表紙
12 綴具基板
14 リベット
16 解離型リベット
18 連通孔
20 かしめ部品
22 かしめ部
24 拡開テーパ係止部
26 座部
32 ドライバーの刃部
D1 拡開テーパ係止部の直径
D2 連通孔の直径
D3 座部の外径
Claims (4)
- 複数の板材に形成される連通孔内に挿通されて板材を固定するかしめ部品であって、その一端中空部を成す縁部の外周に薄肉のかしめ部を形成すると共に他端縁部に前記連通孔と略等径の拡開テーパ係止部を形成し、前記拡開テーパ係止部にこの拡開テーパ係止部の径より大きい外径を有する座部を着座させ、前記座部は弾性体からなることを特徴とする離脱可能なリベット。
- 座部は、その肉厚を外周縁部へ向け薄肉に形成される請求項1記載の離脱可能なリベット。
- 座部は、かしめ部品が挿通され得る内壁に、拡開テーパ係止部の斜度と略等斜度のテーパを設けた請求項1記載の離脱可能なリベット。
- リベットは、ファイル用具のファイル表紙と綴具基板の結合に使用される請求項1記載の離脱可能なリベット。
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Family Applications (1)
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JP23076297A Expired - Fee Related JP4018205B2 (ja) | 1997-08-27 | 1997-08-27 | 離脱可能なリベット |
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Cited By (1)
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1997
- 1997-08-27 JP JP23076297A patent/JP4018205B2/ja not_active Expired - Fee Related
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