JP4018049B2 - 品質レベル判定表示装置および方法 - Google Patents

Description

この発明は，品質レベル判定表示装置および方法に関する。

印刷物の検査を目視ではなく自動的に行う検査システムとして，撮像装置によって印刷物を撮像し，撮像によって得られる検査画像データと，あらかじめ用意される基準画像データ（一般的には，正確と思われる検査画像データ）とを用いて，種々の検査（汚れ検査，抜け検査，用紙検査，薄汚れ検査，色調検査等）を行うものがある。

このような検査システムにおいては，所定のしきい値にしたがって良否が判定されることが多い。良否判定の精度（検査のレベル）はしきい値を増減することによって調整される。

しきい値に基づいて判定される印刷物の良否の区別のみならず，良品の程度，不良品の程度（欠陥のレベル，印刷の品質）まで知ることができれば，印刷物の管理（印刷の品質（不良（欠陥））の程度の応じた対処）に便利である。また，表示装置の画面上に印刷の品質（欠陥）のレベルを表示させる場合には，熟練者でない者であってもそのレベルを把握できるようにすることが求められる。

この発明は，印刷の品質を，分かりやすく明示することを目的とする。

またはこの発明は，印刷の品質を複数段階に判定できるようにすることを目的とする。

この発明による品質レベル判定表示装置は，設定された複数段階のしきい値にしたがって印刷の品質のレベルを複数段階に判定する品質判定手段，複数段階のしきい値を設定するための入力手段，上記入力手段により設定された複数段階のしきい値を記憶する記憶手段，上記記憶手段に記憶された複数段階のしきい値に応じて，表示領域を色分けして区分し，色分けされた各区域を印刷物の品質レベルに応じた色で区分けして表示する表示手段，少なくとも，上記品質判定手段によって判定された品質のレベルに対応する区域を明示するように上記表示手段を制御する判定結果表示制御手段を備えたものである。

この発明による品質レベル判定表示方法は，複数段階のしきい値を設定するための入力を受付け，受付けられて設定された複数段階のしきい値を記憶し，設定された複数段階のしきい値にしたがって印刷の品質のレベルを複数段階に判定し，記憶された複数段階のしきい値に応じて，表示領域を色分けして区分し，色分けされた各区域を印刷物の品質レベルに応じた色で区分けして表示する表示装置を，少なくとも，上記品質判定手段によって判定された品質のレベルに対応する区域を明示するように制御するものである。

この発明において，しきい値の設定には，既に設定されているしきい値を変更することも含む。

この発明によると，判定された印刷の品質のレベルは，複数段階のしきい値に応じて色分けして区分された表示領域において，色分けされた各区域中の印刷物の品質のレベルに対応する区域（上記区域中の全部または一部）が明示されることによって可視的に示される。印刷の品質のレベルの段階が色に示され，かつ品質のレベルが区域（幅，長さ，単位区域の数等を含む）によって示されるので，印刷物の品質を分かりやすく，かつ詳細に示すことができる。

上記のように，しきい値の設定はしきい値の変更を含む。色分けして区分された表示領域中の区域は複数段階のしきい値に応じたものであるから，しきい値を変更することによって，表示領域における印刷の品質のレベルの段階を表す区域（色分けされた区域と区域の境界）も変更される。このようにしきい値と色分けされた区域とが連動しているので，しきい値に応じて判定される印刷の品質と，そのレベルの表示（色表示，区域表示）とに齟齬が生じることがない。

この実施例における印刷物の品質レベル判定装置は，検査（判定）される印刷物に含まれる欠陥を，欠陥の有無のみならず欠陥の軽重のレベルまで判定する装置である。判定された欠陥の軽重のレベルは，インジケータによって表示装置の表示画面上に可視的に表示される。

印刷物の品質レベル判定装置の説明に先立って，印刷物の検査（欠陥検出）原理について説明しておく。

図１は，汚れ不良，抜け不良または用紙不良の検査原理を示すものである。

印刷物の汚れ不良，抜け不良または用紙不良の検査では，ＣＣＤセンサを含むカメラによって印刷物の表面を撮像することによって得られる検査画像データ１と，基準画像データ（印刷物の適正な画像データ）２とが用いられる。

検査画像データ１によって表される検査画像の画素ごとの輝度値と，基準画像データ２によって表される基準画像の画素ごとの輝度値（対応する位置の画素同士の輝度値）の差分が抽出され（差分演算処理を符号Ｄで示す），差分画像データ３が得られる。

差分画像データ３によって表される差分画像に含まれる画素ごとのそれぞれの輝度値と，２値化しきい値（輝度しきい値）（あらかじめ設定される）とが比較される。２値化しきい値を超える輝度値の画素を「１」，２値化しきい値以下の輝度値の画素を「０」とした２値化画像データ４が生成される。

所定の大きさ（たとえば，水平方向に16画素，垂直方向に16画素）の矩形領域５が設定され，矩形領域５内の「１」の値を持つの画素数と画素数しきい値ＣＴ（あらかじめ設定される）とが比較される。矩形領域５内の「１」の値を持つ画素数が画素数しきい値ＣＴを超えている場合に，その矩形領域５は不良と判定される。この比較処理は，矩形領域５を８画素ずつ水平方向（および垂直方向）にずらし順次行われる。

図２は，薄汚れ不良または色調不良の検査原理を示している。

薄汚れ不良または色調不良検査においても，ＣＣＤセンサを含むカメラによって印刷物の表面を撮像することによって得られる検査画像データ１と，基準画像データ（印刷物の適正な画像データ）２とが用いられる。上述した汚れ不良，抜け不良または用紙不良の検査原理（図１）と同様に，検査対象画像データ１と基準画像データ２の対応する画素ごとの輝度値の差分が取られ（符号Ｄ），差分画像データ３が生成される。

所定の大きさの矩形領域５が設定され，差分画像データ３に対して矩形領域５内の画素ごとの差分値が積算される。積算された差分値と，積分しきい値（あらかじめ設定される）とが比較される。積算された差分値が積分しきい値を超えている場合に，その矩形領域５は不良と判定される。この比較処理は，矩形領域５が所定数の画素ずつ水平方向（および垂直方向）にずらされながら順次行われる。

汚れ不良，抜け不良または用紙不良の検査（図１）においては，２値化しきい値（輝度しきい値）および画素数しきい値を複数設定することにより，複数のレベル（検査の厳しさの度合い）によって検査することが可能である。薄汚れ不良または色調不良の検査（図２）においては，複数の積分しきい値を設定することにより，複数のレベルによって検査が可能である。詳細は後述するが，この実施例における印刷物の品質レベル判定装置は，検査（不良判定，欠陥検出）に用いられるしきい値を複数設定し，複数のしきい値のそれぞれを用いることによって，印刷物の検査項目ごとの欠陥の有無のみならず，その欠陥のレベル（品質のレベル）まで判定する。

印刷物の品質レベル判定装置は，上述の汚れ不良，抜け不良または用紙不良の検査（図１），薄汚れまたは色調不良の検査（図２）のいずれについても利用可能である。以下，汚れ不良，抜け不良または用紙不良の検査（図１）における印刷物の品質レベル判定装置の動作を中心に，詳細に説明する。

図３は，印刷物の品質レベル判定装置の電気的構成を示すブロック図である。

印刷物の品質レベル判定装置は，品質レベル判定装置の全体を統括的に制御するＣＰＵ10を含む。ＣＰＵ10に，カメラ15によって印刷物が撮像されることによって得られる基準画像データ２および検査画像データ１が，入力ポート16を介して入力する。また，ＣＰＵ10には，指示，指令，命令等を入力するための入力装置（キーボード，マウス等），基準画像，検査対象画像，印刷物の欠陥レベル（品質レベル）を表すインジケータ等を表示するための表示装置12（ＣＲＴディスプレイ等），バッファ・エリア，ワーク・エリア等を提供するメモリ13，およびプログラムおよびデータを記憶するハードディスク14が接続されている。

ハードディスク14には，次のプログラムおよびデータ，その他のプログラムおよびデータが記憶されている。

検査プログラム：上述した各種不良検査（汚れ不良，抜け不良，用紙不良，薄汚れ不良，色調不良の検査）を，基準画像データ２および検査画像データ１を用いて実行するプログラムである。

検査レベル設定プログラム：後述するように，印刷物の品質レベル判定装置では，検査項目（検査種類）ごとに欠陥のレベルがレベル・インジケータによって可視的に表示装置12の表示画面上に表示される。レベル・インジケータは，良品，軽欠陥，中欠陥および重欠陥の４つのレベルを色分けすることにより，欠陥のレベル（度合い）を示す。良品，軽欠陥，中欠陥または重欠陥として判定されるべき欠陥のレベル（検査レベル）は，上述した設定されるしきい値（汚れ不良，抜け不良または用紙不良の検査の場合は，輝度しきい値ＬＶおよび画素数しきい値ＣＴ）を変化させることによって設定（変更）することができる。欠陥レベル設定プログラムは，しきい値を設定（変更）し，表示画面上に表示されるレベル・インジケータの領域を設定（変更）する処理を行うものである（詳しくは，後述する）。

インジケータ・ブロック数テーブル（図７(A) 参照）：表示画面上に表示されるレベル・インジケータは，上述のように良品，軽欠陥，中欠陥および重欠陥の４つのレベルにより欠陥のレベル（度合い）を示すとともに，良品，軽欠陥，中欠陥および重欠陥のそれぞれについても，そのレベル（たとえば，軽欠陥に近い良品であることを示す等）を示すように設けられる。良品，軽欠陥，中欠陥および重欠陥のそれぞれにおけるレベルは，点灯するインジケータ・ブロックの数により表される。インジケータ・ブロック数テーブルには，良品，軽欠陥，中欠陥および重欠陥のそれぞれにおけるインジケータ・ブロック数を表すデータが格納される（詳細は後述する）。

２値化しきい値／画素数しきい値テーブル（図７(B) 参照）：汚れ不良，抜け不良または用紙不良の検査の場合は，上述のように，２値化しきい値および画素数しきい値によって欠陥検査のレベルを変えることができ，複数の２値化しきい値および画素数しきい値を設定することによって，良品，軽欠陥，中欠陥および重欠陥を区別して検出することができる。２値化しきい値／画素数しきい値データ・テーブルには設定される複数の２値化しきい値および画素数しきいが記憶される。

図４は，検査ウインドウの一例を示している。検査ウインドウＷ１は，ハードディスク14に記憶された検査プログラムにしたがって，印刷物の品質レベル判定装置の表示装置12の表示画面上に表示される。

検査ウインドウＷ１には，その上部に検査画像データ１にもとづく検査画像を表示する検査画像表示領域Ｗ１ａが含まれている。検査ウインドウＷ１の下部の左側には，不良（抜け不良，汚れ不良等）が検出された場合に不良部分が拡大表示される不良画像拡大表示領域Ｗ１ｂ，Ｗ１ｃ，Ｗ１ｅが含まれている。さらに検査ウインドウＷ１の下部の右側には，レベル・インジケータ表示領域Ｉが設けられている。図４に示す検査ウインドウＷ１のレベル・インジケータ表示領域Ｉには，汚れ不良，用紙不良，抜け不良，色調不良および薄汚れのそれぞれについての欠陥レベルを示す５つのレベル・インジケータが含まれている。

図５は，図４に示すレベル・インジケータ領域Ｉに含まれている汚れ不良についてのレベル・インジケータを拡大して示すものである。

レベル・インジケータは，複数（この実施例では１６個）の矩形のインジケータ・ブロックが互いに若干の間隔をあけて画面上の横方向に一列に並べられて配列されたものである。

図５に示す汚れ不良についてのレベル・インジケータは，左側から順に，３つの緑色の良品インジケータ・ブロック，４つの黄色の軽欠陥インジケータ・ブロック，２つのオレンジ色の中欠陥インジケータ・ブロック，７つの赤色の重欠陥インジケータ・ブロックから構成されている。検査画像データ２について薄汚れ検査が行われ，その結果が良品と判定されると，そのレベルに応じた数（１つから３つのいずれかの個数）の緑色の良品インジケータ・ブロックが点灯する。軽欠陥と判定されると，すべての緑色の良品インジケータ・ブロックと，軽欠陥のレベルに応じた数（１つから４つのいずれかの個数）の黄色の軽欠陥インジケータ・ブロックが点灯する。同様にして，中欠陥と判定されると，すべての緑色の良品インジケータ・ブロックおよびすべての黄色の軽欠陥インジケータ・ブロックと，中欠陥のレベルに応じた数のオレンジ色の中欠陥インジケータ・ブロックが点灯する。重欠陥と判定されると，すべての緑色の良品インジケータ・ブロック，すべての黄色の軽欠陥インジケータ・ブロックおよびすべてのオレンジ色の中欠陥インジケータ・ブロックと，重欠陥のレベルに応じた数の赤色の重欠陥インジケータ・ブロックが点灯する。このように，レベル・インジケータでは，欠陥の度合い（印刷物の品質）が色によって示され，点灯領域の長さ（点灯するブロック数）によってその程度が示される。良品，軽欠陥，中欠陥，重欠陥のそれぞれにおけるレベルも示される。欠陥の判定（インジケータ・ブロックの点灯）についての詳細については，後述する。

なお，図５においてインジケータ・ブロックのそれぞれに対応して示されている記号（ｔ１，ｔ２，・・・・・ｔ15）は２値化しきい値を示すものである（インジケータではない）。たとえば，左から５番目のインジケータ・ブロック（２番目の軽欠陥インジケータ・ブロック）に，２値化しきい値ｔ５が対応している。２値化しきい値ｔ５用いられて作成された２値化画像データについて，上述した矩形領域５内の「１」の数が２値化しきい値ｔ５に対応して記憶されている画素数しきい値ｔ５以下であれば，左から５番目のインジケータ・ブロックまでのインジケータ・ブロック（５個のインジケータ・ブロック）が点灯される。

図６は，汚れ不良，用紙不良または抜け不良の検査において点灯されるインジケータ・ブロックの色（および数）を，２値化しきい値ｔi（横軸）および画素数しきい値ｓi（縦軸）をパラメータとして示すものである。図６においてＬＶ１，ＬＶ２，ＬＶ３およびＬＶ４，ＣＴ１，ＣＴ２，ＣＴ３およびＣＴ４（インジケータ・レベル）は，色の境界における２値化しきい値および画素数しきい値を示している。例えば，ＬＶ１は，良品インジケータ・ブロック（緑）と軽欠陥インジケータ・ブロック（黄）との境界に位置している。図６において，たとえば，ＬＶ１およびＣＬ１によって囲まれる矩形領域内における矩形の数（破線による矩形を含む）は，良品インジケータ・ブロック（緑）の数と一致する。

上述したように，汚れ不良，用紙不良または抜け不良の検査では，検査画像データ１と基準画像データ２とから差分画像データ３が得られ，この差分画像データ３に対して２値化（輝度）しきい値を適用することによって，２値化画像データ４が生成される。そして，２値化画像データ４における矩形領域５中の「１」の数が，あらかじめ定められた画素数しきい値を超えていると，その矩形領域は不良と判定される（図１参照）。この実施例における品質レベル判定装置には，複数の２値化輝度しきい値ｔｉ（ｉ＝１，２，３・・・１６）および画素数しきい値ｓｉ（ｉ＝１，２，３・・・１６）が，ハードディスク14に記憶された２値化しきい値／画素数しきい値テーブル22（図７(B) ）に記憶（設定）されている。複数の検査レベルによって，汚れ不良，用紙不良または抜け不良の検査を行うことができる。

また，この実施例における品質レベル判定装置では，上述のように良品，軽欠陥，中欠陥および重欠陥がそれぞれ色分けされて示されるとともに，そのそれぞれにおけるレベル（たとえば，軽欠陥に近い良品かどうか）も判定される。

図８は，検査プログラムによる汚れ不良，用紙不良または抜け不良の検査の処理の流れを示すフローチャートを示している。図５，図６および図８を参照して，複数の２値化しきい値および画素数しきい値を用いた検査の処理と，良品，軽欠陥，中欠陥および重欠陥のそれぞれにおけるレベル判定を説明する。

上述したように，汚れ不良，用紙不良または抜け不良の検査では，検査画像データ１と基準画像データ２とから得られた差分画像データ３が，２値化しきい値により２値化され，２値化画像データ３が生成される。はじめに，変数ｉが初期化され（ｉ＝１），２値化しきい値／画素数しきい値テーブル22（図７(B) ）に記憶（設定）されている２値化しきい値のうち，最も小さい値を持つ２値化しきい値ｔ1が用いられて，差分画像データ２が２値化され，２値化画像データ３が生成される（ステップ61）。

次に，２値化しきい値ｔ１が適用されて生成された２値化画像データに対し，矩形領域５が設定され，矩形領域内の「１」の画素数が２値化しきい値ｔ１に対応する画素数しきい値ｓ１（２値化しきい値／画素数しきい値テーブル22（図７(B) ）に記憶（設定）されている）を超えているかどうかが判断される（ステップ62）。

２値化画像データの全体について，矩形領域内の「１」の画素数が，画素数しきい値ｓ１下である場合（ステップ62でNO），その２値化画像データの生成に用いられた検査画像データを得た印刷物（またはその一部の領域）は，良品であると判定される。この場合には，変数ｉ（上述の場合「１」）個のインジケータ・ブロック（すなわち，良品インジケータ・ブロックの最も左側のもの）が点灯する（ステップ63）。

図５，図６を参照して再度説明すると，２値化しきい値ｔ１（図７(B) を参照，具体的な数値は「７」）が用いられて生成された２値化画像データから得られた「１」の画素数が，２値化しきい値ｔ１に対応する画素数しきい値ｓ１（図７(B) を参照，具体的な数値は「３」）以下であれば，インジケータ・ブロックが１個点灯する。

矩形領域内の「１」の画素数が，画素数しきい値ｓ１を超えた場合（ステップ62でYES ），変数ｉがインクリメントされ（ステップ64），２値化しきい値／画素数しきい値テーブル22から２値化しきい値ｔ２が読出される。読出された２値化しきい値ｔ２が用いられて差分画像データが２値化されて，２値化画像データが新たに生成される（ステップ61）。

新たに得られた２値化画像データに対し矩形領域が設定され，矩形領域内の「１」の画素数が，２値化しきい値ｔ２に対応する画素数しきい値ｓ２を超えているかどうかが判断される（ステップ62）。２値化画像データの全体について，矩形領域内の「１」の画素数が画素数しきい値ｓ２以下である場合（ステップ62でNO），２個のインジケータ・ブロックが点灯する（ステップ63）。矩形領域内の「１」の画素数が画素数しきい値ｓ２を超えている場合には（ステップ62でYES ），さらに変数ｉがインクリメントされて（ステップ64），上述と同様の処理が行われる。

上述したしきい値（２値化しきい値および画素数しきい値）に基づく検査レベル（良品，軽欠陥，中欠陥，重欠陥のそれぞれのインジケータ・ブロックの数（境界位置））は，ユーザが任意に設定（変更）することができる。図９は検査レベルを変更する場合の印刷物の品質レベル判定装置の処理の流れを示すフローチャートである。この検査レベルの変更処理は，上述した検査レベル設定プログラムに基づくものである。図10は，検査レベルの変更処理において，品質レベル判定装置の表示装置12の表示画面上に表示されるウインドウ（検査レベル変更ウインドウＷ２）を示している。

品質レベル判定装置の操作者が検査レベルの設定（変更）の指示を入力装置11を用いて入力すると，検査レベル設定プログラムはＣＰＵ10によって実行される。表示装置12の表示画面上に，検査レベル変更ウインドウＷ２が表示される。

検査レベルは，検査項目（種類）ごとに変更することができる。検査レベル設定ウインドウＷ２の左側には，「汚れ不良」ボタンＷ２ａ，「用紙不良」ボタンＷ２ｂ，「抜け不良」ボタンＷ２ｃ，「色調不良」ボタンＷ２ｄおよび「薄汚れ」ボタンＷ２ｅが設けられている。検査レベルを変更すべき検査項目（種類）に対応するボタンがクリックされると，クリックされた検査項目についての検査レベルの変更処理が開始される（ステップ31）。

検査レベル設定ウインドウＷ２の中央には，６つのボタンＢ１〜Ｂ１が設けられている。

ボタンＢ１がクリックされると（ステップ41），良品インジケータ・ブロック（緑）が１つ減らされる。これに伴って，軽欠陥インジケータ・ブロック（黄）が１つ増える（ステップ42）。すなわち，ハードディスク14に記憶されているインジケータ・ブロック数テーブル21（図７(A) ）において，良品インジケータ・ブロック（緑）の数を表すデータが１つ減らされ（デクリメントされ），かつ，軽欠陥インジケータ・ブロック（黄）の数を表すデータが１つ増やされる（インクリメントされる）（そのように，インジケータ・ブロック数テーブル21が更新される）。

また，インジケータ・レベルＬＶ１およびＣＴ１が１ステップ（あらかじめ定められた値である）下げられる（ステップ43）。すなわち，図６を参照して，インジケータ・レベルＬＶ１（＝輝度しきい値ｔ３）が１ステップ下げられることにより，新たなインジケータ・レベルＬＶ１は，左隣りの破線によって示される値（輝度しきい値ｔ２）とされる。また，インジケータ・レベルＬＶ１が下げられたことに伴って，インジケータ・レベルＣＴ１（画素数しきい値ｓ３）も１ステップ下げられて，下隣りの破線によって示される値（画素数しきい値ｓ２）とされる。

Ｂ２ボタンがクリックされると（ステップ44），良品インジケータ・ブロック（緑）が一つ増やされ，軽欠陥インジケータ・ブロック（黄）が一つ減らされる（ステップ45）。インジケータ数データ・テーブル21（図７(A) ）において，良品インジケータ・ブロック（緑）の数を表すデータがインクリメントされ，かつ，軽欠陥インジケータ・ブロック（黄）の数を表すデータがデクリメントされる（更新される）。また，インジケータ・レベルＬＶ１およびＣＴ１が１ステップ上げられる（ステップ46）。

同様に，Ｂ３ボタンがクリックされると（ステップ47），軽欠陥インジケータ・ブロック（黄）が１つ減らされ，中欠陥インジケータ・ブロック（オレンジ）が１つ増やされる（インジケータ数データ・テーブル21が更新される）（ステップ48）。インジケータ・レベルＬＶ２およびＣＴ２が１ステップ下げられる（ステップ49）。

Ｂ４ボタンがクリックされると（ステップ50），軽欠陥インジケータ・ブロック（黄）が１つ増やされ，中欠陥インジケータ・ブロック（オレンジ）が１つ減らされる（インジケータ数データ・テーブル21が更新される）（ステップ51）。インジケータ・レベルＬＶ２およびＣＴ２が１ステップ上げられる（ステップ52）。

Ｂ５ボタンがクリックされると（ステップ53），中欠陥インジケータ・ブロック（オレンジ）が１つ減らされ，重欠陥インジケータ・ブロック（赤）が１つ増やされる（インジケータ数データ・テーブル21が更新される）（ステップ54）。インジケータ・レベルＬＶ３およびＣＴ３が１ステップ下げられる（ステップ55）。

Ｂ６ボタンがクリックされると（ステップ56），中欠陥インジケータ・ブロック（オレンジ）が１つ増やされ，重欠陥インジケータ・ブロック（赤）が１つ減らされる（インジケータ数データ・テーブル21が更新される）（ステップ57）。インジケータＬＶ３およびＣＴ３が１ステップ上げられる（ステップ58）。

このようにして，検査レベル変更ウインドウＷ２を用いることによって，検査レベル（良品，軽欠陥，中欠陥，重欠陥のそれぞれのインジケータ・ブロックの数（境界位置））を自由に変更することができる。

上述のように，品質レベル判定装置は，印刷物を，良品，軽欠陥，中欠陥または重欠陥のいずれかにより判定するので，この判定結果（欠陥レベル）に応じて，様々な印刷物の管理（検査工程の支援）を行うことができる。たとえば，重欠陥が判定された場合には，印刷物のリジェクト，警報（音，ランプ等による報知），検査ウインドウＷ１の不良画像拡大表示領域への表示およびデータ記録を行い，中欠陥が判定された場合には，警報（音，ランプ等による報知），検査ウインドウＷ１の不良画像拡大表示領域への表示およびデータ記録を行い，軽欠陥が判定された場合には，不良画像拡大表示領域への表示およびデータ記録を行い，良品と判定された場合には特段の処理を行わないようにする。このような，欠陥レベルに応じた印刷物の管理（検査工程の支援）が可能である。

なお，上述した実施例では，良品判定されたものについても良品インジケータ・ブロックによりレベル表示が行われているが，良品判定されたものについては，必ずしもインジケータ表示を行わなくてもよい。欠陥（軽欠陥，中欠陥，重欠陥）が判定されたときに，そのレベルに応じたインジケータ表示が行われる。

汚れ不良，抜け不良，用紙不良の検査原理を示す。 薄汚れ不良，色調不良の検査原理を示す。 印刷物の品質レベル判定装置の電気的構成を示すブロック図である。 検査ウインドウＷ１の一例を示す。 汚れ不良のレベル・インジケータを拡大して示す。 点灯されるインジケータ・ブロックの色（および数）を，２値化しきい値および画素数しきい値をパラメータとして示す。 (A) はインジケータ・ブロック・テーブルの一例を，(B) は２値化しきい値／画素数しきい値テーブルの一例を，それぞれ示す。 汚れ不良，用紙不良または抜け不良の検査の処理の流れを示すフローチャートである。 検査レベル変更処理の流れを示すフローチャートである。 検査レベル変更ウインドウの一例を示す。

符号の説明

10 ＣＰＵ
11 入力装置
12 表示装置
13 メモリ
14 ハードディスク
21 インジケータ・ブロック数テーブル
22 ２値化しきい値／画素数しきい値テーブル
Ｗ１ 検査ウインドウ
Ｉ レベル・インジケータ表示領域

Claims (2)

1. 複数の検査項目のそれぞれについて設定された複数段階のしきい値にしたがって，印刷の品質のレベルを複数段階に判定する品質判定手段，
   複数の検査項目のそれぞれについての複数段階のしきい値を設定するための入力手段，
   上記入力手段により設定された複数段階のしきい値を記憶する記憶手段，
   上記記憶手段に記憶された複数段階のしきい値に応じて，表示領域を色分けしかつ各色分けごとに複数の区域を含むように区分し，色分けされた各区域を印刷物の品質レベルに応じた色および数で区分けして表示する表示手段，ならびに
   少なくとも，上記品質判定手段によって判定された品質のレベルに対応する色および数の区域を明示するように上記表示手段を制御する判定結果表示制御手段，
   を備えた品質レベル判定表示装置。
2. 複数の検査項目のそれぞれについての複数段階のしきい値を設定するための入力を受付け，
   受付けられて設定された複数段階のしきい値を記憶し，
   設定された複数段階のしきい値にしたがって印刷の品質のレベルを複数段階に判定し，
   記憶された複数段階のしきい値に応じて，表示領域を色分けしかつ各色分けごとに複数の区域を含むように区分し，
   色分けされた各区域を印刷物の品質レベルに応じた色および数で区分けして表示する表示装置を，少なくとも，判定された品質のレベルに対応する色および数の区域を明示するように制御する，
   品質レベル判定表示方法。
   

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