JP4018035B2 - 包装箱 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物品を収納する包装箱及びその折り畳み方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から特に大型の被包装物を収容する段ボール板製等の包装箱を最終的にリサイクルしたり廃棄処分したりする場合、手で破る等して小さく切り刻み、合成樹脂製のごみ袋に入れる等して捨てるか、或いは無理やり小さくなるように折り畳み、封緘テープや紐で折り畳み状態を保持しているのが現状である。
【0003】
しかしながら、段ボール板等を手で破って小さく切り刻むのには力を要し、非常に手間である。また、段ボール板製の包装箱を小さくなるように無理やり折り畳む場合、折り曲げ線のない部分で折り畳まなければならず、この場合も力を要し、さらにこの折り畳み状態を保持しつつ封緘テープや紐を巻き付けるのに手間がかかり、折り畳み作業が煩わしいという問題があった。
【0004】
そこでこのような問題を解決すべく、平面的に折り畳みでき、廃棄処分に便利な包装箱として、特許文献1に開示されているものが知られている。
【0005】
【特許文献1】
実開昭61−56226号公報(昭和61年(1986)4月15日公開)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の特許文献1に開示されている包装箱は、フラップの折り曲げ線に沿ってミシン目状カット線が形成されており、ミシン目状カット線を切り開くことにより平面的に折り畳むことができるが、1枚の板部分の途中の折曲線のない部分で折り畳む場合は上記した折り畳みの仕方と同様に力を要し、一枚の板部の途中でコンパクトに折り畳むのに、上述した折り畳みの仕方と同様の手間がかかるという問題点があった。
【0007】
また、包装箱に折り曲げ線があったとしても、その折り曲げ線をどのように使用するかが分からないので、結局、その包装箱を折り畳むことができないという問題点を有している。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、廃棄処分やリサイクル等のために容易かつコンパクトに折り畳むことができる包装箱及びその折り畳み方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の包装箱は、上記課題を解決するために、梱包空間を四方から取り囲む第1組の対向側板と第2組の対向側板との2組の対向側板を有するとともに、上記第1組の対向側板の各下端には底板を形成するための各底板形成用フラップが連設され、かつ第1組の対向側板の各上端には上蓋を形成するための各上蓋形成用フラップが連設された包装箱において、上記第1組の対向側板におけるそれぞれの略中央部に縦方向に形成された、折り曲げを可能とする各第1の折り曲げ部と、上記各底板形成用フラップにおける、上記各第1の折り曲げ部の延長上に設けられた、折り曲げを可能とする各第2の折り曲げ部と、上記各上蓋形成用フラップにおける、上記各第1の折り曲げ部の延長上に設けられた、折り曲げを可能とする各第3の折り曲げ部とを備える一方、上記第2組の対向側板の幅は、上記第1組の対向側板の幅よりも同等又は狭いことを特徴としている。
【0010】
上記の発明によれば、包装箱を折り畳むときには、第1組の対向側板における各第1の折り曲げ部、各底板形成用フラップにおける第2の折り曲げ部及び各上蓋形成用フラップにおける第3の折り曲げ部にてV字状に折り曲げることができる。
【0011】
このとき、本発明では、第2組の対向側板の幅は、上記第1組の対向側板の幅よりも同等又は狭いので、短い場合に比べてより面積を小さくして折り畳むことができる。
【0012】
したがって、廃棄処分やリサイクル等のために容易かつコンパクトに折り畳むことができる包装箱を提供することができる。
【0013】
また、本発明の包装箱は、上記課題を解決するために、梱包空間を四方から取り囲む第1組の対向側板と第2組の対向側板との2組の対向側板を有するとともに、上記第1組の対向側板の各下端には底板を形成するための各底板形成用フラップが連設され、かつ第1組の対向側板の各上端には上蓋を形成するための各上蓋形成用フラップが連設された包装箱において、上記第1組の対向側板と、上記第1組の対向側板の下端に連設された底板形成用フラップ及び上記第1組の対向側板の上端に連設された上蓋形成用フラップに折り曲げ部を形成し、上記第2組の対向側板の少なくとも一方の側板の上端に連設された上蓋形成用フラップには該側板との連設線と略平行に折り曲げ部を形成して、この折り曲げ部よりも先端側を折り畳み時の差し込み片として利用するように構成したことを特徴としている。
【0014】
上記の発明によれば、他の組の対向側板の内、一方の側板の下端に連設された底板形成用フラップとこの側板の上端に連設された上蓋形成用フラップ以外のフラップをそれらが連設される側板に重ね合わせる。このとき、少なくとも他の組の対向側板の内、他方の側板の下端に連設された底板形成用フラップとこの側板の上端に連設された上蓋形成用フラップは、他方の側板の内面に重なるように折り畳んでおき、かかる状態で前記第1組の対向基板とこれに繋がる底板形成用フラップ及び上蓋形成用フラップを折り曲げ線で内側にV字状に折り曲げ、前記差し込み片を他の組の対向基板の内、他方の側板の内側に差し込むことが可能になる。
【0015】
したがって、廃棄処分やリサイクル等のために容易かつコンパクトに折り畳むことができるだけでなく、コンパクトに折り畳んだ状態を保持可能な包装箱を提供することができる。
【0016】
また、本発明の包装箱は、上記記載の包装箱において、前記第2組の対向側板には、折り畳んだ状態を保持させるための舌片が、該対向側板の上端又は下端の少なくとも一方から延設されていることを特徴としている。
【0017】
また、本発明の包装箱の折り畳み方法は、上記課題を解決するために、2組の対向側板と、上記各対向側板の下端に連設された底板形成用フラップと、上記各対向側板の上端に連設された上蓋形成用フラップとを備えている包装箱の折り畳み方法において、第1組の対向側板、該対向側板の下端に連設された底板形成用フラップ、及び該対向側板の上端に連設された上蓋形成用フラップには、その連設線に略直交する縦方向折り曲げ部を形成し、第2組の対向側板の内、少なくとも一方の対向側板の上端に連設された上蓋形成用フラップには、該対向側板との連設線に略平行に横方向折り曲げ部を形成する一方、上記第2組の対向側板の内、他方の対向側板の下端に連接された底板形成用フラップと該対向側板の上端に連設された上蓋形成用フラップとを、それらを連設する該対向側板の内面に重なるように折り曲げた後、上記第1組の対向側板の下端に連設された底板形成用フラップと該対向側板の上端に連設された上蓋形成用フラップとを、それらを連設する該対向側板の内面又は外面に重なるように折り曲げ、その後、上記第1組の対向側板と該対向側板に連設された底板形成用フラップ及び上蓋形成用フラップとを、上記縦方向折り曲げ部にて内側にV字状に折り曲げた状態を保ちながら、上記第2組の対向側板の内、上記少なくとも一方の対向側板の下端に連設された底板形成用フラップと該対向側板の上端に連設された上蓋形成用フラップの横方向折り曲げ部よりも先端側の差し込み片とを、上記第2組の対向側板の内、他方の対向側板の内側に差し込むことによって折り畳むことを特徴としている。
【0018】
上記の発明によれば、折り畳んだ状態を保持させるための舌片が、該対向側板の上端又は下端の少なくとも一方から延設されているので、この舌片を折り畳んだ状態の包装箱における第2組の他方の対向側板の内側に差し込むことができる。このため、折り畳まれた包装箱が自然と再び展開されることがなく、折り畳み状態が保持される。
【0019】
同様に、第2組の少なくとも一つの上蓋形成用フラップ又は底板形成用フラップを包装箱における第2組の他方の対向側板の内側に差し込むため、折り畳まれた包装箱が自然と再び展開されることがなく、折り畳み状態が保持される。
【0020】
したがって、廃棄処分やリサイクル等のために容易かつコンパクトに折り畳むことができる包装箱及びその折り畳み方法を提供することができる。
【0021】
なお、本発明においては、舌片、又は上蓋形成用フラップ及び底板形成用フラップが、該対向側板の上端又は下端の両方に延設されていることがより好ましい。
【0022】
これにより、2つの舌片、又は上蓋形成用フラップ及び底板形成用フラップを包装箱における第2組の他方の対向側板の内側に差し込むため、確実に、折り畳まれた包装箱が自然と再び展開されることがなく、折り畳み状態が保持される。
【0023】
また、本発明の包装箱は、上記記載の包装箱において、前記第2組の対向側板における少なくとも一方の対向側板には、折り畳む方法を示す説明部が設けられていることを特徴としている。
【0024】
また、本発明の包装箱の折り畳み方法は、上記記載の包装箱の折り畳み方法において、前記第2組の対向側板における少なくとも一方の対向側板に、折り畳む方法を示す説明部を設けておくことを特徴としている。
【0025】
上記の発明によれば、包装箱を折り畳む方法を示す説明部を見ながら、包装箱を折り畳むことができるので、折り畳みを容易にすることができる。また、説明部は第2組の対向側板の少なくとも一方に設けられるので、包装箱を折り畳む際に、説明部が隠れることなく、折り畳みの完了まで見ることができ、確実に包装箱を折り畳むことができる。
【0026】
また、本発明の包装箱は、上記記載の包装箱において、前記第1の折り曲げ部における第1組の対向側板の端部、第2の折り曲げ部における底板形成用フラップの端部、又は第3の折り曲げ部における上蓋形成用フラップの端部における少なくとも1箇所には、折り曲げ箇所を明示するための指標部が設けられていることを特徴としている。
【0027】
また、本発明の包装箱の折り畳み方法は、上記記載の包装箱の折り畳み方法において、前記第1組の対向側板、底板形成用フラップ及び上蓋形成用フラップにおける縦方向折り曲げ部に、折り曲げ箇所を明示するための指標部を設けておくことを特徴としている。
【0028】
上記の発明によれば、指標部をみることによって、折り畳み位置の確認を容易にすることができる。また、指標部が、前記第1の折り曲げ部における第1組の対向側板の端部、第2の折り曲げ部における底板形成用フラップの端部、又は第3の折り曲げ部における上蓋形成用フラップの端部に設けられていることによって、指標部が見易い位置に現れる。
【0029】
また、本発明の包装箱は、上記記載の包装箱において、前記第2組の対向側板における上端から延在する上蓋形成用フラップがそれぞれ設けられているとともに、上記第2組の上蓋形成用フラップの延在量は第1組の上蓋形成用フラップの延在量と略同量であり、かつ、上記第1組又は第2組の上蓋形成用フラップの少なくとも一方の組の上蓋形成用フラップは、対向側板の上端からの延在量が大きくなるに伴ってその幅が小さくなるように形成されていることを特徴としている。
【0030】
上記の発明によれば、第2組の上蓋形成用フラップの延在量は第1組の上蓋形成用フラップの延在量と略同量であるので、延在量の差に伴う紙ロス部を削減できる。
【0031】
また、該紙ロス部の折れ曲がりが流通過程において生ずるようなことが無いので、包装箱の品質の安定を図ることができる。
【0032】
さらに、対向側板の上端からの延在量が大きくなるに伴ってその幅が小さくなるように形成されているので、第1組の上蓋形成用フラップ及び第2組の上蓋形成用フラップを、2組の対向側板の内側に当接するまで折り曲げたとき、第2組の上蓋形成用フラップの外縁部が第1組の上蓋形成用フラップの跳ね上がりを押さえることができる。
【0033】
これにより、折り込み順序に関係なく、これらの上蓋形成用フラップを容易に折り込むことができる。また、跳ね上がりを押さえることができるので、包装箱を折り畳んだときに、その折り畳み状態を確実に保持することができる。
【0034】
また、本発明の包装箱は、上記記載の包装箱において、前記第1組の上蓋形成用フラップと第2組の上蓋形成用フラップとをそれぞれ対向側板の内側に当接するまで折り曲げたときに、上記第2組の上蓋形成用フラップの先端角部と第1組の上蓋形成用フラップの先端角部との最も接近する距離が、5mm〜20mmの範囲になるように設定されていることを特徴としている。
【0035】
上記の発明によれば、それぞれの上蓋形成用フラップを折り畳んだ場合に、第2組の上蓋形成用フラップの先端角部と第1組の上蓋形成用フラップの先端角部との最も接近する距離が、5mm〜20mmの範囲になるように設定されている。
【0036】
このため、確実に、上蓋形成用フラップの板の厚みや、上蓋形成用フラップを折り込む際に発生する反発による跳ね上がり負荷部分を吸収でき、上蓋形成用フラップの外縁部にめくれが発生することを防止することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態について図1〜図21に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0038】
本実施の形態の包装箱1は、図1に示すように、2組の対向側板2・2及び対向側板3・3と、これら対向側板2・2及び対向側板3・3の下端に連設された底板形成用フラップ4・4及び底板形成用フラップ5・5と、これら対向側板2・2及び対向側板3・3の上端に連設された上蓋形成用フラップ6・6及び上蓋形成用フラップ7・7とを備えている。なお、この包装箱1の形状は長方形又は正方形の矩形であるが、それらに限定されるものではない。また、本実施の形態に係る包装箱1は段ボール製であるが、その材料は段ボールに限定されるものではなく、紙やプラスチック等折り畳み可能なものであれば材質は問わない。
【0039】
上記2組の対向側板2・2及び対向側板3・3は、二枚の対向側板2・2と二枚の対向側板3・3とが交互に連設され、合計四枚の側板が連続して繋がった状態になり、梱包空間を四方から取り囲む。該2組の対向側板2・2及び対向側板3・3の内、第2組の対向側板2・2の幅は、第1組の対向側板3・3の幅に比べて幅が同等又は狭い寸法に設定されている。この第1組の対向側板3・3の下端3a・3aには底板形成用フラップ5・5が連設され、第2組の対向側板2・2の下端2a・2aには底板形成用フラップ4・4が連設されている。
【0040】
上記の底板形成用フラップ4・4と底板形成用フラップ5・5とによって、上記包装箱1の2重構造の底板が形成される。具体的には、底板形成用フラップ4・4を先に折り曲げ、続いて底板形成用フラップ5・5を折り曲げて、上記底板を形成する。その際、底板形成用フラップ5・5の突き合わせ部は、図2に示すように、封緘テープ8により止められる。なお、この封緘テープ8はガムテープや紙テープ等、上記突き合わせ部を固定できるものであれば種類は特に限定されない。
【0041】
一方、上記第1組の対向側板3・3の上端3b・3bには上蓋形成用フラップ7・7が連設される一方、上記第2組の対向側板2・2の上端2b・2bには上蓋形成用フラップ6・6が連設されている。図3に示すように、上蓋形成用フラップ6・6と上蓋形成用フラップ7・7とによって、上記包装箱1の二重構造の上蓋が形成される。具体的には、上蓋形成用フラップ7・7を先に折り曲げて端面を突き合わせた状態にした後、上蓋形成用フラップ6・6を折り曲げて、その上蓋形成用フラップ6・6に形成された爪片9・9を上蓋形成用フラップ7・7に形成された差し込み孔7a・7aに差し込んで上蓋を形成する。さらに詳しく説明すると、各上蓋形成用フラップ6・6を2枚の上蓋形成用フラップ7・7に跨るようにして折り曲げ、2枚の上蓋形成用フラップ7・7における各一つずつの差し込み孔7a・7aに上記爪片9・9を差し込み、上蓋の閉塞状態を保持する。この構成により、封緘テープ8等を用いることなく簡便に上記上蓋の閉塞状態を保持することができる。
【0042】
上記上蓋形成用フラップ6・6には、上記対向側板2・2の上端2b・2bの連絡線と略平行に、上蓋形成用フラップ6・6自身の折り曲げを可能とする折り曲げ部10・10が形成されており、上記差し込み孔7a・7aに対する上記爪片9・9の差し込みが容易に行われるようになっている。具体的には、差し込み孔7a・7aに対する上記爪片9・9の差し込み時に、上蓋形成用フラップ6・6を折り曲げ部10・10にて折り曲げることにより、差し込み孔7a・7aに対する爪片9・9の差し込みが容易に行われる。
【0043】
また、この折り曲げ部10・10は、包装箱1を折り畳む際に、差し込み片6aを形成する際にも使用される。なお、折り曲げ部10・10はいずれも、一般的な罫線として形成されるのが好ましいが、ミシン目状又は切刃状に形成されていても良く、折り曲げ可能であれば何でも良い。
【0044】
一方、本実施の形態では、第1組の対向側板3・3には、図1に示すように、その幅方向の略中央部位置に、その縦方向と略平行であり自身の折り曲げを可能にする第1の折り曲げ部11a・11aが設けられている。さらに、第1組の底板形成用フラップ5・5には、その幅方向の略中央部に、上記第1の折り曲げ部11a・11aに列設される形でつまり第1の折り曲げ部11a・11aの延長上に、自身の折り曲げを可能にする第2の折り曲げ部11b・11bが設けられている。
【0045】
また、第1組の上蓋形成用フラップ7・7には、その幅方向の略中央部に、同様に、上記第1の折り曲げ部11a・11aに列設される形で、自身の折り曲げを可能にする第3の折り曲げ部11c・11cが設けられている。
【0046】
これら三つの第1の折り曲げ部11a、第2の折り曲げ部11b及び第3の折り曲げ部11cは、連続して形成され、一つの連続する折り曲げ部11として形成されている。この折り曲げ部11・11は、例えば、予め折り目が入っているもの、線状の凹部が入っているもの、又は厚みの途中まで予め切目が入っているものがよい。また、予め、ミシン目が入っているものも好ましい。
【0047】
一方、第2組の底板形成用フラップ4・4には、同図に示すように、第2組の対向側板2・2の下端2a・2aと略平行に、折り曲げ部12・12が形成されている。第2組の底板形成用フラップ4・4における折り曲げ部12・12よりも先端側部分の両端は先狭まり状にカットされており、差し込み片4a・4aとして利用できるようになっている。この差し込み片4a・4aは、上記包装箱1の折り畳み時に使用される。なお、この折り曲げ部12・12は、底板形成用フラップ4・4の少なくとも一方に形成されていればよい。また、折り曲げ部12・12は、一般的な罫線として形成されるのが好ましいが、ミシン目状又は切刃状に形成されていても良い。
【0048】
上記構成において、上記包装箱1を折り畳まれた状態にする手順について以下に説明する。
【0049】
図4に示すように、組み立てられた包装箱1の内部には、例えば、緩衝材14により保護された状態で被包装物13が収納されている。なお、緩衝材14は発泡スチロール製であることが好ましいが、段ボール製等でも良く、特に材質にこだわらない。
【0050】
まず、上記上蓋形成用フラップ6・6及び上蓋形成用フラップ7・7を開いた状態で包装箱1から被包装物13及び緩衝材14を取り出す。次に、上記封緘テープ8を剥がし、図5に示すように、2組の対向側板2・2及び対向側板3・3に対して底板形成用フラップ4・4及び底板形成用フラップ5・5、並びに上蓋形成用フラップ6・6及び上蓋形成用フラップ7・7を面一状に開き、包装箱1を筒状にした状態にする。
【0051】
この状態で、第2組の対向側板2・2の内、一方の対向側板2の下端2aに連設される底板形成用フラップ4と上端2bに連設される上蓋形成用フラップ6とは折り曲げずにそのままの状態に保ち、残りの全ての底板形成用フラップ4・5・5及び上蓋形成用フラップ6・7・7を、それらが連設される各対向側板2及び対向側板3・3に重なるように折り畳むのが好ましい。
【0052】
具体的には、上記第2組の対向側板2・2の内、一方の対向側板2の下端2aに連設される底板形成用フラップ4と上端2bに連設される上蓋形成用フラップ6とを、それらが連設された他方の対向側板2の内面に重なるように対向側板2の内側に折り畳む。さらに、図6に示すように、第1組の対向側板3・3の下端3a・3aに連設される底板形成用フラップ5・5と上端3b・3bに連設される上蓋形成用フラップ7・7とを、対向側板3・3の外面に重なるように対向側板3・3の外側に折り畳む。なお、底板形成用フラップ5・5及び上蓋形成用フラップ7・7は、対向側板3・3の内面に重なるように対向側板3・3の内側に折り畳んでも良い。
【0053】
このような状態で、図7に示すように、対向側板3・3、底板形成用フラップ5・5及び上蓋形成用フラップ7・7を、上記折り曲げ部11・11にて上記包装箱1の内側にV字状に折り曲げ、対向側板3・3、底板形成用フラップ5・5及び上蓋形成用フラップ7・7を、対向側板2・2間で挟むようにする。
【0054】
次に、第2組の底板形成用フラップ4に形成された折り曲げ部12を折り曲げて一方の差し込み片4aを形成し、さらに、第2組の上蓋形成用フラップ6に形成された一方の折り曲げ部10を折り曲げて差し込み片6aを形成する。これら差し込み片4aと差し込み片6aとを、図8に示すように、第2組における対向側板2の内側、詳しくは該他方の対向側板2の内面に重なるように折り畳まれた第2組の底板形成用フラップ4及び第2組の上蓋形成用フラップ6の内側に重なるように差し込む。
【0055】
これにより、包装箱1はコンパクトに折り畳まれた状態になる。また、第2組の一方の差し込み片4a・6aを該第2組の対向側板2の内側に差し込むため、折り畳まれた包装箱1が自然と再び展開されることがなく、折り畳み状態が保持される。このようにして折り畳んだ包装箱1は、コンパクトな形状が保たれるため、例えば、リサイクルしたり、或いは廃棄処分にしたりするのに適している。
【0056】
なお、上記の折り畳み状態は、差し込み片4a・6aの両方を使用して、差込み固定したものとなっているが、必ずしもこれに限らず、折り込み作業を簡略化するために、上記差し込み片6a・4aの片側のみ、例えば差し込み片4aのみを用いて固定をすることも可能である。
【0057】
この場合、差し込みに使用しない一方の上蓋形成用フラップ6は、残りの全ての底板形成用フラップ4・5・5及び上蓋形成用フラップ6・7・7と同様に、それらが連設される各対向側板2・2及び対向側板3・3に重なるように折り畳めば良い。逆に、差し込み片6aにて包装箱1を固定しても特に問題は生じない。すなわち、上記上蓋形成用フラップ6・6及び底板形成用フラップ4・4の中から任意に選択した少なくとも一つのフラップにある差し込み片を上記包装箱1に差し込めば、包装箱1を固定することができる。
【0058】
ところで、本実施の形態の包装箱1は、図9に示すように、上記第2組の対向側板2・2に、図10にも示すような、この包装箱1を折り畳む方法を説明する説明部としての説明図36が設けられるようになっている。この説明図36の表示を参照することにより、包装箱1の折り畳みが完了するまで、説明図36を見ながら折り畳み作業ができ、確実に包装箱1を折り畳むことができる。なお、この説明図36は、第2組の対向側板2・2の両方に設けられることが、包装箱1を折り畳む際にいずれの方向からも説明図36を見ることができるので好ましいが、少なくとも一方に設けられれば良い。また、この説明図36を第2組の対向側板2・2に設ける方法は特に限定されることはないが、簡便でありコストが削減できるため、印刷表示が最も好ましい。
【0059】
この説明図36が対向側板2に設けられるため、図10に示す折り畳み手順No.1〜No.6に従った手順の内、手順No.1〜手順No.4の作業をする際、略中央部に形成された折り曲げ部11・11から折り畳まれる対向側板3・3が、図11及び図12に示すように、手順No.4で示すように、内側に折り畳まれた後も、説明図36は隠れることなく、上記手順No.6の作業が完了するまで見ることができる。
【0060】
また、本実施の形態に係る包装箱1では、図9に示すように、上記底板形成用フラップ5・5に形成された第2の折り曲げ部11b・11bの始端部近傍つまり下端3a・3a近傍に、この包装箱1を折り畳む方法を示す説明に用いられる指標部としての折り位置マーク35・35が設けられていることが好ましい。この折り位置マーク35・35を設けることによって、折り曲げ部11を示す位置の確認を容易にすることができる。
【0061】
なお、この折り位置マーク35は、上記上蓋形成用フラップ7に形成された第1の折り曲げ部11cの始端部近傍に設けられていてもよいし、対向側板3・3に設けられた第1の折り曲げ部11a・11aの始端部近傍に設けられていてもよい。また、上記第1の折り曲げ部11a・11a、第2の折り曲げ部11b・11b及び第3の折り曲げ部11c・11cの全ての始端部近傍に設けられていても良い。すなわち、折り位置マーク35は、これら第1の折り曲げ部11a・11a、第2の折り曲げ部11b・11b及び第3の折り曲げ部11c・11cの始端部の内、少なくとも一つに形成されていれば良い。
【0062】
また、この折り位置マーク35は、この包装箱1を折り畳む位置の確認を容易にすることができる性質のものであればよく、その形状や色、設置手段は特に限定されない。例えば、この折り位置マーク35は、図13に示すように、黒に塗りつぶされた円形形状としているが、必ずしもこれに限らず、三角形、四角形、ひし形、星型等の形状であってもよい。また、塗りつぶし色は黒に限定されずにどんな色でも問題なく、塗りつぶしがあってもなくても構わない。この折り位置マーク35を設ける際には、印刷表示をするのが簡便でありコストを削減できるため最も好ましいが、これに限定されるものではなく、例えば、ミシン目形状で設けることも可能である。
【0063】
また、本実施の形態の包装箱1は、図14に示すように、一方の組の対向側板3・3のそれぞれの端部から延在する第1組の上蓋形成用フラップ7・7におけるそれぞれの延在量Xは、第2組の対向側板2・2のそれぞれの端部から延在する他方の組の上蓋形成用フラップ6・6におけるそれぞれの延在量Yと略同量であることが好ましい。この構成により、図15に示すような箱形態において発生する、上蓋形成用フラップ7の延在量Xと上蓋形成用フラップ6の延在量Yとの差である紙ロス部αを削減できる。
【0064】
また、図16に示すように、延在量Xと延在量Yとが略同量となるため、上記包装箱1の流通過程においても、図15に示すように、突出した延在片である上蓋形成用フラップの紙ロス部αにおける折れ曲がりが生じることなく、上記包装箱1の品質の安定を図ることもできる。
【0065】
ところで、上記第1組の上蓋形成用フラップ7・7及び上記第2組の上蓋形成用フラップ6・6は、上記延在量X・Yが増加するに伴って幅が狭くなるようにそれぞれ勾配37・38を設けることが好ましい。
【0066】
上記勾配37・38が上蓋形成用フラップ6・6や上蓋形成用フラップ7・7に存在しない場合、図17に示すように、これら上蓋形成用フラップ6・6や上蓋形成用フラップ7・7を折り曲げる際に、以下のような不具合が生じる。
【0067】
すなわち、勾配37・38を設けない状態で、上蓋形成用フラップ6・6及び上蓋形成用フラップ7・7を上記2組の対向側板2・2及び対向側板3・3の内側に当接するまで折り曲げた場合、上蓋形成用フラップ7・7の板の厚みや、上蓋形成用フラップ7・7を折り込む際に発生する上蓋形成用フラップ7・7の反発による負荷により、上蓋形成用フラップ6・6の外縁部OEにめくれ9aが生じてしまう。これにより、上蓋形成用フラップ6・6が外側矢印方向に外れ易くなるため、上蓋形成用フラップ6・6の内側への折り込み作業は困難となってしまう恐れがある。
【0068】
そこで、図14で示すように、上蓋形成用フラップ7・7に勾配37を設けるとともに、上蓋形成用フラップ6・6に勾配38を設ける。これによって、上蓋形成用フラップ7・7及び上蓋形成用フラップ6・6を2組の対向側板2・2及び対向側板3・3の内側に当接するまで折り曲げたとき、図19に示すように、上蓋形成用フラップ6・6の外縁部OEが上蓋形成用フラップ7・7の跳ね上がりを押さえる。したがって、これらのフラップを容易に折り込むことが可能となる。
【0069】
すなわち、双方の上蓋形成用フラップ6・6に勾配38・38を設けることにより、折り込み順序に関係なく、各々の外縁部OEにて上蓋形成用フラップ6・6が押さえられる。この結果、包装箱1を簡単に折り込んで固定することができる。
【0070】
ところで、上記底板形成用フラップ4・4及び底板形成用フラップ5・5にも、上記の上蓋形成用フラップ6・6及び上蓋形成用フラップ7・7と同様に、勾配37・38を設けて折り込むことができる。しかし、底板形成用フラップ5・5の延在量が大きくなり、それに伴って該勾配も大きくなる場合は、図20(a)に示すように、底板を形成する際に、矢印Cに示すように、大きなズレが生じるという不具合が発生する。
【0071】
この問題に対応するには、上記底板形成用フラップ5・5への勾配37の設定をしない手法を用いればよい。すなわち、図21(a)に示すように、底板形成用フラップ4と、この底板形成用フラップ4に設けられる差し込み片4aとの間の折り曲げ部12を境に切り欠き部Kを設け、折り曲げ部12を境に、二つの働きを持つフラップKI部とフラップ4I部とを設ける。こうして、底板を形成する際に、図21(b)に示すように、まず、勾配のある底板形成用フラップ4・4を最初に内側に折り込む。続いて、勾配のない底板形成用フラップ5・5を折り込む際に、矢印Dで示されるように、底板形成用フラップ4・4のフラップ4I部を、底板形成用フラップ5・5にて略半分押さえる。さらに、矢印Eで示されるように、差し込み片4aによって、フラップKI部を突っ張らせることにより、底板形成用フラップ5を固定する。この手法により、底板形成用フラップ5への勾配37を設けることなく、底板形成用フラップ4・4及び底板形成用フラップ5・5の内側への折り込みができる。
【0072】
このような形状にした底板形成用フラップ5・5を折り曲げて底板を形成すれば、図20(b)に示すように、図20(a)の矢印Cに示すようなズレが発生することを回避できる。
【0073】
なお、本実施の形態の勾配37・38は、略直線状となっているが、必ずしもこれに限らず、湾曲状であってもよい。
【0074】
ここで、上蓋形成用フラップ6・6及び上蓋形成用フラップ7・7が上記2組の対向側板2・2及び対向側板3・3の内側に当接するまで折り曲げられたとき、図18に示すように、上蓋形成用フラップ7・7の先端角部と最も接近する上蓋形成用フラップ6・6の先端角部の勾配38との距離は、5mmから20mmの範囲内に設定されるのが好ましい。これらの値の範囲内にある勾配38を設定することによって、上蓋形成用フラップ7・7の板の厚みや、この上蓋形成用フラップ7・7を折り込む際に発生する該上蓋形成用フラップ7・7の反発による跳ね上がり負荷部分Zを吸収することができ、図19に示すような上蓋形成用フラップ6・6の外縁部OEのめくれ9aが発生することを防止することができる。
【0075】
また、双方の上蓋形成用フラップ6・6及び上蓋形成用フラップ7・7に勾配37・38を設けることによって、上蓋形成用フラップ7・7を折り曲げてから上蓋形成用フラップ6・6を折り曲げても、逆に上蓋形成用フラップ6・6を折り曲げてから上蓋形成用フラップ7・7を折り曲げても、同様に跳ね上がり部分Zを吸収でき、外縁部OEのめくれ9aが発生することを防止できる。
【0076】
本発明は上述した実施形態や各変形例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態や異なる変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0077】
例えば、上記包装箱1を折り畳む際、一方の差し込み片6aと他方の差し込み片4aとを差し込んで包装箱1を固定してもよい。また、例えば、一方の上蓋形成用フラップ7・7及び底板形成用フラップ5・5を折り曲げる際には、それぞれの上蓋形成用フラップ7・7及び底板形成用フラップ5・5は、それらが連設されるそれぞれの対向側板3・3の内側又は外側に任意に折り曲げられれば良く、対向側板3・3全てを内側に曲げることや、上蓋形成用フラップ7・7及び底板形成用フラップ5・5の全てを外側に曲げたりすることに限定されるものではない。
【0078】
【発明の効果】
本発明の包装箱は、以上のように、第1組の対向側板におけるそれぞれの略中央部に縦方向に形成された、折り曲げを可能とする各第1の折り曲げ部と、上記各底板形成用フラップにおける、上記各第1の折り曲げ部の延長上に設けられた、折り曲げを可能とする各第2の折り曲げ部と、上記各上蓋形成用フラップにおける、上記各第1の折り曲げ部の延長上に設けられた、折り曲げを可能とする各第3の折り曲げ部とを備える一方、上記第2組の対向側板の幅は、上記第1組の対向側板の幅よりも同等又は狭いものである。
【0079】
それゆえ、包装箱を折り畳むときには、第1組の対向側板における各第1の折り曲げ部、各底板形成用フラップにおける第2の折り曲げ部及び各上蓋形成用フラップにおける第3の折り曲げ部にてV字状に折り曲げることができる。
【0080】
このとき、本発明では、第2組の対向側板の幅は、上記第1組の対向側板の幅よりも同等又は狭いので、短い場合に比べてより面積を小さくして折り畳むことができる。
【0081】
したがって、廃棄処分やリサイクル等のために容易かつコンパクトに折り畳むことができる包装箱を提供することができるという効果を奏する。
【0082】
また、本発明の包装箱は、以上のように、梱包空間を四方から取り囲む第1組の対向側板と第2組の対向側板との2組の対向側板を有するとともに、上記第1組の対向側板の各下端には底板を形成するための各底板形成用フラップが連設され、かつ第1組の対向側板の各上端には上蓋を形成するための各上蓋形成用フラップが連設された包装箱において、上記第1組の対向側板と、上記第1組の対向側板の下端に連設された底板形成用フラップ及び上記第1組の対向側板の上端に連設された上蓋形成用フラップに折り曲げ部を形成し、上記第2組の対向側板の少なくとも一方の側板の上端に連設された上蓋形成用フラップには該側板との連設線と略平行に折り曲げ部を形成して、この折り曲げ部よりも先端側を折り畳み時の差し込み片として利用するように構成したものである。
【0083】
それゆえ、他の組の対向側板の内、一方の側板の下端に連設された底板形成用フラップとこの側板の上端に連設された上蓋形成用フラップ以外のフラップをそれらが連設される側板に重ね合わせる。このとき、少なくとも他の組の対向側板の内、他方の側板の下端に連設された底板形成用フラップとこの側板の上端に連設された上蓋形成用フラップは、他方の側板の内面に重なるように折り畳んでおき、かかる状態で前記第1組の対向基板とこれに繋がる底板形成用フラップ及び上蓋形成用フラップを折り曲げ線で内側にV字状に折り曲げ、前記差し込み片を他の組の対向基板の内、他方の側板の内側に差し込むことが可能になる。
【0084】
したがって、廃棄処分やリサイクル等のために容易かつコンパクトに折り畳むことができるだけでなく、コンパクトに折り畳んだ状態を保持可能な包装箱を提供することができるという効果を奏する。
【0085】
また、本発明の包装箱は、上記記載の包装箱において、前記第2組の対向側板には、折り畳んだ状態を保持させるための舌片が、該対向側板の上端又は下端の少なくとも一方から延設されているものである。
【0086】
また、本発明の包装箱の折り畳み方法は、上記課題を解決するために、2組の対向側板と、上記各対向側板の下端に連設された底板形成用フラップと、上記各対向側板の上端に連設された上蓋形成用フラップとを備えている包装箱の折り畳み方法において、第1組の対向側板、該対向側板の下端に連設された底板形成用フラップ、及び該対向側板の上端に連設された上蓋形成用フラップには、その連設線に略直交する縦方向折り曲げ部を形成し、第2組の対向側板の内、少なくとも一方の対向側板の上端に連設された上蓋形成用フラップには、該対向側板との連設線に略平行に横方向折り曲げ部を形成する一方、上記第2組の対向側板の内、他方の対向側板の下端に連接された底板形成用フラップと該対向側板の上端に連設された上蓋形成用フラップとを、それらを連設する該対向側板の内面に重なるように折り曲げた後、上記第1組の対向側板の下端に連設された底板形成用フラップと該対向側板の上端に連設された上蓋形成用フラップとを、それらを連設する該対向側板の内面又は外面に重なるように折り曲げ、その後、上記第1組の対向側板と該対向側板に連設された底板形成用フラップ及び上蓋形成用フラップとを、上記縦方向折り曲げ部にて内側にV字状に折り曲げた状態を保ちながら、上記第2組の対向側板の内、上記少なくとも一方の対向側板の下端に連設された底板形成用フラップと該対向側板の上端に連設された上蓋形成用フラップの横方向折り曲げ部よりも先端側の差し込み片とを、上記第2組の対向側板の内、他方の対向側板の内側に差し込むことによって折り畳む方法である。
【0087】
それゆえ、舌片を折り畳んだ状態の包装箱における第2組の他方の対向側板の内側に差し込むことができる。このため、折り畳まれた包装箱が自然と再び展開されることがなく、折り畳み状態が保持される。
【0088】
同様に、第2組の少なくとも一つの上蓋形成用フラップ又は底板形成用フラップを包装箱における第2組の他方の対向側板の内側に差し込むため、折り畳まれた包装箱が自然と再び展開されることがなく、折り畳み状態が保持される。
【0089】
したがって、廃棄処分やリサイクル等のために容易かつコンパクトに折り畳むことができる包装箱及びその折り畳み方法を提供することができるという効果を奏する。
【0090】
また、本発明の包装箱は、上記記載の包装箱において、前記第2組の対向側板における少なくとも一方の対向側板には、折り畳む方法を示す説明部が設けられているものである。
【0091】
また、本発明の包装箱の折り畳み方法は、上記記載の包装箱の折り畳み方法において、前記第2組の対向側板における少なくとも一方の対向側板に、折り畳む方法を示す説明部を設けておく方法である。
【0092】
それゆえ、包装箱を折り畳む方法を示す説明部を見ながら、包装箱を折り畳むことができるので、折り畳みを容易にすることができる。また、説明部は第2組の対向側板の少なくとも一方に設けられるので、包装箱を折り畳む際に、説明部が隠れることなく、折り畳みの完了まで見ることができ、確実に包装箱を折り畳むことができるという効果を奏する。
【0093】
また、本発明の包装箱は、上記記載の包装箱において、前記第1の折り曲げ部における第1組の対向側板の端部、第2の折り曲げ部における底板形成用フラップの端部、又は第3の折り曲げ部における上蓋形成用フラップの端部における少なくとも1箇所には、折り曲げ箇所を明示するための指標部が設けられているものである。
【0094】
また、本発明の包装箱の折り畳み方法は、上記記載の包装箱の折り畳み方法において、前記第1組の対向側板、底板形成用フラップ及び上蓋形成用フラップにおける縦方向折り曲げ部に、折り曲げ箇所を明示するための指標部を設けておく方法である。
【0095】
それゆえ、指標部をみることによって、折り畳み位置の確認を容易にすることができる。また、指標部が、前記第1の折り曲げ部における第1組の対向側板の端部、第2の折り曲げ部における底板形成用フラップの端部、又は第3の折り曲げ部における上蓋形成用フラップの端部に設けられていることによって、指標部が見易い位置に現れるという効果を奏する。
【0096】
また、本発明の包装箱は、上記記載の包装箱において、前記第2組の対向側板における上端から延在する上蓋形成用フラップがそれぞれ設けられているとともに、上記第2組の上蓋形成用フラップの延在量は第1組の上蓋形成用フラップの延在量と略同量であり、かつ、上記第1組又は第2組の上蓋形成用フラップの少なくとも一方の組の上蓋形成用フラップは、対向側板の上端からの延在量が大きくなるに伴ってその幅が小さくなるように形成されているものである。
【0097】
それゆえ、第2組の上蓋形成用フラップの延在量は第1組の上蓋形成用フラップの延在量と略同量であるので、延在量の差に伴う紙ロス部を削減できる。
【0098】
また、該紙ロス部の折れ曲がりが流通過程において生ずるようなことが無いので、包装箱の品質の安定を図ることができる。
【0099】
さらに、対向側板の上端からの延在量が大きくなるに伴ってその幅が小さくなるように形成されているので、第1組の上蓋形成用フラップ及び第2組の上蓋形成用フラップを、2組の対向側板の内側に当接するまで折り曲げたとき、第2組の上蓋形成用フラップの外縁部が第1組の上蓋形成用フラップの跳ね上がりを押さえることができる。
【0100】
これにより、折り込み順序に関係なく、これらの上蓋形成用フラップを容易に折り込むことができる。また、跳ね上がりを押さえることができるので、包装箱を折り畳んだときに、その折り畳み状態を確実に保持することができるという効果を奏する。
【0101】
また、本発明の包装箱は、上記記載の包装箱において、前記第1組の上蓋形成用フラップと第2組の上蓋形成用フラップとをそれぞれ対向側板の内側に当接するまで折り曲げたときに、上記第2組の上蓋形成用フラップの先端角部と第1組の上蓋形成用フラップの先端角部との最も接近する距離が、5mm〜20mmの範囲になるように設定されているものである。
【0102】
それゆえ、確実に、上蓋形成用フラップの板の厚みや、上蓋形成用フラップを折り込む際に発生する反発による跳ね上がり負荷部分を吸収でき、上蓋形成用フラップの外縁部にめくれが発生することを防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における包装箱の実施の一形態を示す展開図である。
【図2】上記包装箱に被包装物を収納する前の状態を示す全体斜視図である。
【図3】上記包装箱に被包装物を収納した状態を示す斜視図である。
【図4】上記包装箱に被包装物を収納した状態を示す断面図である。
【図5】上記包装箱を折り畳むために筒状にした状態を示す斜視図である。
【図6】上記包装箱を折り畳む途中の状態を示す斜視図である。
【図7】上記包装箱を折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【図8】上記包装箱において差し込み片が差し込まれた状態を示す斜視図である。
【図9】折り畳む方法を示す説明図が、一側板に印刷表示された包装箱を示す展開図である。
【図10】上記包装箱を折り畳む方法を説明する説明図を示す正面図である。
【図11】上記説明図を備えた包装箱を折り畳む状態を示す斜視図である。
【図12】上記説明図を備えた包装箱を折り畳む他の状態を示す斜視図である。
【図13】折り位置マークを備えた包装箱を折り畳む方法を説明する斜視図である。
【図14】第1組の上蓋形成用フラップにおけるそれぞれの延在量が第2組の上蓋形成用フラップのそれぞれの延在量と略同量であり、第1組の上蓋形成用フラップのそれぞれ及び第2組の上蓋形成用フラップにおけるそれぞれは延在量が増加するに伴って幅が狭くなるようにそれぞれ勾配が設けられている包装箱を示す展開図である。
【図15】第1組の上蓋形成用フラップにおけるそれぞれの延在量が第2組の上蓋形成用フラップにおけるそれぞれの延在量が異なる包装箱を示す展開図である。
【図16】図14に示す包装箱の納入形態を示す平面図である。
【図17】勾配が設けられていない上蓋形成用フラップの折り畳み過程での不具合を示す斜視図である。
【図18】図14に示す包装箱における勾配を設けた第1組の上蓋形成用フラップと第2組の上蓋形成用フラップとの折り畳み過程を示す斜視図である。
【図19】図18における包装箱のA−A線断面図である。
【図20】(a)は底板形成用フラップの勾配が大きくなる場合に生じる封緘過程での不具合を示す斜視図である。(b)は(a)の不具合を改善した後の封緘過程を示す斜視図である。
【図21】(a)は上蓋形成用フラップの要部拡大図であり、(b)は上蓋形成用フラップを内側に折り込んだ状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 包装箱
2 対向側板(第2組の対向側板)
3 対向側板(第1組の対向側板)
4・5 底板形成用フラップ
4a 差し込み片
6・7 上蓋形成用フラップ
6a 差し込み片
7a 差し込み孔
8 封緘テープ
9 爪片
10・12 折り曲げ部
11 折り曲げ部(折り曲げ部)
11a 第1の折り曲げ部(折り曲げ部)
11b 第2の折り曲げ部(折り曲げ部)
11c 第3の折り曲げ部(折り曲げ部)
13 被包装物
14 緩衝材
35 折り位置マーク(指標部)
36 説明図(説明部)
37・38 勾配
K 切り欠き部
OE 外縁部
X・Y 延在量
Z 跳ね上がり負荷部分
α 紙ロス部

Claims (6)

  1. 梱包空間を四方から取り囲む第1組の対向側板と第2組の対向側板との2組の対向側板を有するとともに、上記第1組の対向側板の各下端には底板を形成するための各底板形成用フラップが連設され、かつ第1組の対向側板の各上端には上蓋を形成するための各上蓋形成用フラップが連設された包装箱において、
    上記第1組の対向側板と、上記第1組の対向側板の下端に連設された底板形成用フラップ及び上記第1組の対向側板の上端に連設された上蓋形成用フラップ連なる折り曲げ部を形成し、
    上記第2組の対向側板の少なくとも一方の側板の下端に連設された底板形成用フラップには該側板との連設線と平行に折り曲げ部を形成して、この折り曲げ部よりも先端側を折り畳み時の差し込み片として利用するように構成しているとともに、
    上記第2組の底板形成用フラップは、対向側板の下端からの延在量が大きくなるに伴ってその幅が小さくなるように形成されており、
    上記第2組の少なくとも一方の底板形成用フラップに形成された折り曲げ部よりも先端側の差し込み片の左右両端部は、上記底板形成用フラップの折り曲げ部よりも後端側の左右両端部よりも内側にそれぞれ切り欠かれていることを特徴とする包装箱。
  2. 前記第2組の対向側板には、折り畳んだ状態を保持させるための舌片が、該対向側板の上端から延設されていることを特徴とする請求項記載の包装箱。
  3. 前記第2組の対向側板における少なくとも一方の対向側板には、折り畳む方法を示す説明部が設けられていることを特徴とする請求項記載の包装箱。
  4. 前記第1の折り曲げ部における第1組の対向側板の端部、第2の折り曲げ部における底板形成用フラップの端部、又は第3の折り曲げ部における上蓋形成用フラップの端部における少なくとも1箇所には、折り曲げ箇所を明示するための指標部が設けられていることを特徴とする請求項記載の包装箱。
  5. 前記第2組の対向側板における上端から延在する上蓋形成用フラップがそれぞれ設けられているとともに、
    上記第2組の上蓋形成用フラップの延在量は第1組の上蓋形成用フラップの延在量と同量であり、かつ、上記第1組又は第2組の上蓋形成用フラップの少なくとも一方の組の上蓋形成用フラップは、対向側板の上端からの延在量が大きくなるに伴ってその幅が小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項記載の包装箱。
  6. 前記第1組の上蓋形成用フラップと第2組の上蓋形成用フラップとをそれぞれ対向側板の内側に当接するまで折り曲げたときに、上記第2組の上蓋形成用フラップの先端角部と第1組の上蓋形成用フラップの先端角部との最も接近する距離が、5mm〜20mmの範囲になるように設定されていることを特徴とする請求項記載の包装箱。
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