JP4017411B2 - 天井埋込型空気調和装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、天井に吊り下げられる外箱を備え、この外箱の高さ方向の寸法を小さく抑えた天井埋込型空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、2方向カセットや4方向カセット等と呼称される天井埋込型の空気調和装置であって、天井に吊り下げられる外箱内にこの外箱内を上下に仕切る仕切り板を備え、この仕切り板に、空気吸込み口を仕切り板の下の一次空間に臨ませ、空気吹き出し口を仕切り板の上の二次空間に臨ませた送風機を取り付け、この送風機により吸い込んだ空気を、仕切り板の上の二次空間内に配置された熱交換器によって熱交換して送風する天井埋込型空気調和装置が知られている。
【0003】
ところで、近年では、天井裏の高さが低いビル等の建物が普及しており、この種の建物に、本天井埋込型空気調和装置を設置する場合、どうしても外箱の高さ方向の寸法に制約を受けることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の構成では、外箱内に設置された仕切り板の下の一次空間内に、上記送風機のファンケースのすべてを収容したことから、その分だけ仕切り板の位置が高くなり、その上に二次空間を確保するとなると、どうしても外箱の高さ方向の寸法が大きくなるといった問題がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、外箱の高さ方向の寸法を小さくすることができる、天井埋込型空気調和装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、天井に吊り下げられる外箱内にこの外箱内を上下に仕切る仕切り板を備え、この仕切り板に、空気吸込み口を仕切り板の下の一次空間に臨ませ、空気吹き出し口を仕切り板の上の二次空間に臨ませた送風機を取り付け、この送風機により吸い込んだ空気を、仕切り板の上の二次空間内に配置された熱交換器によって熱交換して送風する2方向カセット型の天井埋込型空気調和装置において、前記ファンケースを上ケースと下ケースとに分割し、前記仕切り板には前記上ケースのフランジよりも上に位置する全部を前記仕切り板の外に突出可能に開口を形成し、この開口から突出した前記上ケースの全部を当該仕切り板の上の二次空間に臨ませて、前記上ケースを当該上ケースのフランジを介して前記仕切り板に固定したことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、前記送風機の空気吸込み口を画成するノズルを、当該送風機のファンケースの側面に備え、このファンケースの側面であって、ノズルの下部に略円弧状の突起を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項2記載のものにおいて、前記突起が前記ノズル外周の略1/3の長さを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項記載のものにおいて、前記仕切り板が断熱鋼板であることを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項4記載のものにおいて、前記仕切り板の断熱面を当該仕切り板の上の二次空間に臨ませたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に従って説明する。
【0014】
図1は、2つの空気吹出し口を備えた、一般的に、いわゆる2方向カセットと呼称される天井埋込型空気調和機を示している。1は箱形の室内機本体を示し、この室内機本体1には、送風機3、熱交換器5、発泡スチロール製のドレンパン7、図示を省略したドレンポンプ等の各種機器類が収納されている。
【0015】
この室内機本体1は、被調和室の天井に複数本の吊りボルト(図示せず)を介して吊り下げられ、この室内機本体1の下側を向いた開口面には、化粧パネル9が重ね合わせて取り付けられている。
【0016】
図2は、室内機本体1を示す分解斜視図である。
【0017】
この室内機本体1は、板金製の外箱11を有している。この外箱11は、略コ字形に曲げられた外箱本体11Aと、この外箱本体11Aの両端に取り付けられた一対の端板11Bとを備えて構成されている。この外箱11の内側には、断熱材13が配置されている。この断熱材13は、各端板11Bに対応して配置された一対の発泡スチロール製の端部材13Aと、これら端部材13A間をつなぐポリエチレン製のつなぎ部材13Bとで構成されている。5は略U字形に形成された熱交換器、15はドレンポンプである。
【0018】
図3は、室内機本体1とドレンパン7とを示す分解斜視図である。
【0019】
この室内機本体1が組み立てられた後、外箱1の開口内には、発泡スチロール製のドレンパン7が嵌合される。このドレンパン7の中央には、大きな吸込み開口7Aが形成され、この開口7Aの両側には、一対の細長い吹出し開口7Bが形成されている。すなわち、送風機3によって、吸込み開口7Aを通じて吸い込まれた室内空気が、外箱11の内側に配置された熱交換器5によって熱交換され、この熱交換された調和空気が、吸込み開口7Aの両側に形成された一対の細長い吹出し開口7Bを通じて室内に吹き出される。
【0020】
17は板金製の補強金具であり、この補強金具17は、ドレンパン7の吸込み開口7Aの側縁部に宛われ、補強金具17の両端が、ねじ19を介して、外箱11の端板11Bの上縁部11Cに固定されている。
【0021】
この板金製の外箱11は変形し、撓みやすい。そこで、外箱11の略中央部に、外箱11の外壁とドレンパン7の固定部間に掛け渡された、センター金具21が設けられ、このセンター金具21によって、外箱11の天板11Dの反り、及び外箱11の中央部の開きが防止されている。
【0022】
図4は、室内機本体1に送風機3を組み込む手順を示している。
【0023】
この送風機3は、箱形に形成された板金製の仕切り板41に固定され、この仕切り板41は、複数本のビスを介して、室内機本体1(補強板17)に固定されている。具体的には、この送風機3は中央部にモータ31を配置し、このモータ31の両側の出力軸に羽根車32を備えて構成されている。この羽根車32はファンケース33によって囲われ、このファンケース33は、上ケース33Aと下ケース33Bとに上下2分割されている。
【0024】
上ケース33Aの両側には、図4Bに示すように、フランジ36が一体的に形成され、この上ケース33Aは、その一部33Cを仕切り板41の外に突出させて、該仕切り板41の開口に装着され、このフランジ36は、該フランジ36にビスを通して仕切り板41に固定されている。
【0025】
この仕切り板41は、図1に示すように、上述した外箱11の内部を上下に仕切っており、仕切り板41の下方には一次空間41Aが形成され、仕切り板41の上方には二次空間41Bが形成されている。
【0026】
上ケース33Aは、フランジ36を介して、仕切り板41に固定されるため、仕切り板41の強度が増大し、しかも一次空間41Aと二次空間41Bとの間のシール性を向上させることができる。
【0027】
上記送風機3は、空気吸込み口を仕切り板41の下の一次空間41Aに臨ませ、空気吹き出し口を仕切り板41の上の二次空間41Bに臨ませ、上ケース33Aのフランジ36よりも上に位置するファンケースの一部33Cを仕切り板41の上の二次空間41Bに臨ませている。
【0028】
本実施形態では、図1を参照し、上ケース33Aのフランジ36よりも上に位置するファンケースの一部33Cを、仕切り板41の開口を通じて、上の二次空間41Bに臨ませているため、従来のように、外箱11内に設置された仕切り板41の下の一次空間41A内に、送風機3のファンケース33のすべてを収容したものに比べて、その分だけ仕切り板41の位置が低くなるため、従来とほぼ等価の風路を、外箱11内に十分に確保した上で、当該外箱11の高さ方向の寸法を低く抑えることができる。
【0029】
従って、天井裏の高さが低いビル等の建物に対しても、その天井裏に簡単に設置することができる等の効果が得られる。
【0030】
つぎに、別の実施形態を説明する。
【0031】
図4を参照し、この送風機3は、上ケース33Aと下ケース33Bとを複数本のビスで接合した場合、このファンケース33の両側に、空気吸込み口を画成するノズル33Dが一体的に形成される。
【0032】
そして、この別の実施形態では、ファンケース33の側面であって、ノズル33Dの下部、すなわち下ケース33Bのノズル33Dの下部に、ノズル外周の略1/3の長さを備えた、略円弧状の突起33Eを備えて構成されている。33Fは、送風機3の吹出し口である。
【0033】
図5は、突起33Eを設けた場合の騒音測定結果、図6は、突起33Eを設けない場合の騒音測定結果を示している。
【0034】
図6と比較した場合、本実施形態では、送風機3によって送風される風が、突起33Eによって整流されてスムーズに送風機3に導かれるため、全体騒音が42.1dbから40.6dbに低下し、特に400Hz近傍の騒音が43.0dbから39.3dbと大きく低減された。
【0035】
上記各実施形態では、仕切り板41をいわゆる断熱鋼板で形成することが望ましい。この場合、仕切り板41の断熱面を当該仕切り板41の上の二次空間41Bに臨ませることが望ましい。これによれば、図1を参照して、仕切り板41と内部発泡スチロール13間のシール性が向上され、しかも二次空間41B内で発生する騒音が吸収されるからである。
【0036】
以上、一実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、これに限定されるものでないことは明らかである。
【0037】
【発明の効果】
本発明では、天井埋込型空気調和装置における、外箱の高さ方向の寸法が抑制され、小型化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による天井埋込型空気調和装置の一実施形態を示す断面図である。
【図2】空気調和機本体の分解斜視図である。
【図3】空気調和機本体とドレンパンの分解斜視図である。
【図4】空気調和機本体とドレンパンと送風機の分解斜視図である。
【図5】本実施形態による騒音測定結果を示す図である。
【図6】従来の騒音測定結果を示す図である。
【符号の説明】
1 室内機本体
3 送風機
5 熱交換器
11 外箱
33 ファンケース
33A 上ケース
33B 下ケース
33C 一部
33D ノズル
33E 突起
36 フランジ
41 仕切り板
41A 一次空間
41B 二次空間
Claims (5)
- 天井に吊り下げられる外箱内にこの外箱内を上下に仕切る仕切り板を備え、この仕切り板に、空気吸込み口を仕切り板の下の一次空間に臨ませ、空気吹き出し口を仕切り板の上の二次空間に臨ませた送風機を取り付け、この送風機により吸い込んだ空気を、仕切り板の上の二次空間内に配置された熱交換器によって熱交換して送風する2方向カセット型の天井埋込型空気調和装置において、
前記ファンケースを上ケースと下ケースとに分割し、
前記仕切り板には前記上ケースのフランジよりも上に位置する全部を前記仕切り板の外に突出可能に開口を形成し、
この開口から突出した前記上ケースの全部を当該仕切り板の上の二次空間に臨ませて、前記上ケースを当該上ケースのフランジを介して前記仕切り板に固定したことを特徴とする天井埋込型空気調和装置。 - 前記送風機の空気吸込み口を画成するノズルを、当該送風機のファンケースの側面に備え、このファンケースの側面であって、ノズルの下部に略円弧状の突起を備えたことを特徴とする請求項1記載の天井埋込型空気調和装置。
- 前記突起が前記ノズル外周の略1/3の長さを備えたことを特徴とする請求項2記載の天井埋込型空気調和装置。
- 前記仕切り板が断熱鋼板であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の天井埋込型空気調和装置。
- 前記仕切り板の断熱面を当該仕切り板の上の二次空間に臨ませたことを特徴とする請求項4記載の天井埋込型空気調和装置。
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