JP4016375B2 - 給湯用熱交換器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭酸ガスを冷媒とする冷凍サイクルの放熱器を利用して、高温高圧の冷媒により水を温める給湯用熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5に示す冷媒に炭酸ガスを用いた冷凍サイクルの給湯用熱交換器23が知られている。即ち、吸熱器20と圧縮機19と放熱器と膨張弁22との間をCO2 ガス8の冷媒が流通する。そして、その放熱器を給湯用熱交換器23とし、CO2 ガスパイプ3に高温高圧の冷媒が流通し、水パイプ1に水7が供給され、両者の間に熱交換を行うものである。
【0003】
このような給湯用熱交換器23は、一例として図6に示すものが知られている。この給湯用熱交換器23は、水パイプ1の外周にその直径よりも細いCO2 ガスパイプ3を螺旋状に密に巻回し、CO2 ガスパイプ3に高温高圧となったCO2 ガス8の冷媒を流通させ、水パイプ1の一方から水7を流入し、水7とCO2 ガス8との間で熱交換を行って、温水を得るものである。
【0004】
また、他の給湯用熱交換器23として、図7に示すものが知られている。これは多数の細いCO2 ガスパイプ3が図8の如く並列された細管群を有し、その細管群をU字状に曲折し、夫々のCO2 ガスパイプ3の両端を一対のCO2 ガスヘッダ6に連通させる。そして多数のCO2 ガスパイプ3の外面にウォータジャケット27を設け、蛇行状の水流路を形成する。そして一方のCO2 ガスヘッダ6から夫々のCO2 ガスパイプ3を介し、他方CO2 ガスヘッダ6に高温高圧の冷媒を流通させる。それと共に、ウォータジャケット27に水7を供給して、CO2 ガス8との間に熱交換を行い、温水を得るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図6に示すような熱交換器は、仮にCO2 ガスパイプ3に亀裂が生じても、炭酸ガス及びそのガス中に含まれるコンプレッサ等のオイルが水パイプ1内に浸入するおそれはない。
このような冷媒に炭酸ガスを用いた冷凍サイクルによる給湯器は、従来の電気ヒーターを用いる給湯器に比べてその熱効率が一般的に高い。
しかしながら、図6に示す給湯用熱交換器23は水パイプ1の外周にCO2 ガスパイプ3を密着して螺旋状に巻回してなるが、その製造が面倒であると共に、単位容積当たりの熱交換性能が低い欠点がある。
【0006】
また、図7に示す給湯用熱交換器23は多数の細いCO2 ガスパイプ3を密接し、その両端にCO2 ガスヘッダ6を取付けると共に、CO2 ガスパイプ3の並列した外面にウォータジャケット27を配置する構造を有するため、その製造が極めて面倒である欠点があった。
そこで、本発明は構造が簡単で組み立て易く且つ、仮にCO2 ガスパイプ3に亀裂が生じても、その炭酸ガス等と水パイプ1内の水とが混ざり合うことを防止できる安全な給湯用熱交換器を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、互いに平行に並列された複数の水パイプ(1) と、夫々その水パイプ(1) の軸線に直交して並列されると共に、水パイプ(1) 内に流水路が確保されるように、夫々の水パイプ(1) を液密に貫通する複数のガイドパイプ(2) と、
夫々のガイドパイプ(2) に同軸に内装され、その外面がガイドパイプ(2) の内面に伝熱的に接触するCO2 ガスパイプ(3) と、を具備し、
そのCO2 ガスパイプ(3) の外面と前記ガイドパイプ(2) の内面との間に漏れガス排出用のガイド溝(4) が形成され、
前記水パイプ(1) に被加温用の水(7) が供給されると共に、前記CO2 ガスパイプ(3) に高温高圧のCO2 ガス(8) が供給されるように構成された給湯用熱交換器である。
【0008】
請求項2に記載の本発明は、請求項1において、
前記ガイドパイプ(2) の少なくとも一端が開放されている給湯用熱交換器である。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。
図1は本発明の給湯用熱交換器の斜視略図であり、図2は図1のII−II断面図である。
この例は、図1に示す如く互いに平行に並列された多数の水パイプ1の両端が一対の水ヘッダ5にろう付け等の手段により液密に連通されている。夫々の水ヘッダ5には、入口パイプ12及び出口パイプ14が突設されている。この水ヘッダ5は、水パイプ1の直径よりも大なるパイプ材からなり、その上下両端が端蓋10,11によって閉塞されている。
【0010】
次に、水パイプ1にはその直径よりも小なる直径の多数のガイドパイプ2がろう付け等により液密に貫通されている。このガイドパイプ2は、図2に示す如くその内周面に複数のガイド溝4がその軸線に平行に、或いは螺旋状に形成されている。そしてガイドパイプ2は、その外周を水7が流通できるように水パイプ1の内周に比べて充分小さな外直径に形成されている。
【0011】
次に、夫々のガイドパイプ2にはその内周面に整合するCO2 ガスパイプ3が挿通される。そしてCO2 ガスパイプ3内に拡開治具が挿通され、CO2 ガスパイプ3の外周とガイドパイプ2の内周とが密着されている。そして夫々のCO2 ガスパイプ3の上下両端は、ガイドパイプ2の存在しない部分があり、それによって夫々のガイド溝4が開放される。さらにCO2 ガスパイプ3の上下両端は、一対のCO2 ガスヘッダ6に連通され、その連通部がろう付け等の手段により液密に固定されている。夫々のCO2 ガスヘッダ6には、入口パイプ13,出口パイプ15が突設固定されている。
【0012】
このようにしてなる給湯用熱交換器23は、図において入口パイプ12から水7が供給され、左側の水ヘッダ5を介して夫々の水パイプ1に水7が供給される。そして、CO2 ガスヘッダ6の入口パイプ13から高温高圧のCO2 ガス8が供給され、一方のCO2 ガスヘッダ6及び夫々のCO2 ガスパイプ3を介して他方のCO2 ガスヘッダ6及び出口パイプ15よりそれが導き出される。そして水パイプ1内の水7と、CO2 ガスパイプ3内のCO2 ガス8とが熱交換され、水7は温水となって出口パイプ14から流出される。
【0013】
次に、図3はCO2 ガスパイプ3の他の実施の形態であり、図2の実施の形態はガイドパイプ2の内面にガイド溝4が形成されていたが、それに代えて図3ではCO2 ガスパイプ3の外面にガイド溝4が形成されている。この場合おいては、ガイドパイプ2の内面にガイド溝4は不要となる。
【0014】
次に、図4は本発明の他の実施の形態であり、この例が前記第1の実施の形態と異なる点は、ガイドパイプ2及びCO2 ガスパイプ3が偏平状に形成されていることである。そしてCO2 ガスパイプ3には、多数の仕切部9が一体に形成されている。これらの仕切部9は、アルミニュームの押出材を利用して一体に形成することができる。そしてCO2 ガスパイプ3とガイドパイプ2との間、及びガイドパイプ2と水パイプ1との間は、ろう付け等により固定することができる。なお、その際のガイド溝4の大きさは、ろう材によって閉塞されない程度の大きさとする必要がある。
【0015】
また、この例ではガイドパイプ2,CO2 ガスパイプ3が偏平であり、その断面の長軸が水パイプ1の軸線に平行に位置されているため、放熱面積が広く効果的に水7を温水に変えることができる。なお、夫々のCO2 ガスパイプ3に導かれるCO2 ガス8は高温高圧であり、それに耐え得る程度のCO2 ガスパイプ3の強度を必要とする。
なお、仮にCO2 ガスパイプ3の外面に亀裂が生じても、その亀裂から流出するCO2 ガス8及びそれに含まれるコンプレッサ等のオイル成分は、ガイド溝4に保持され外部に流出される。それにより、例えCO2 ガスパイプ3に亀裂が生じても、水パイプ1内の水を汚染するおそれがない。
【0016】
【発明の作用・効果】
本発明の給湯用熱交換器は、水パイプ1を液密に貫通するガイドパイプ2にCO2 ガスパイプ3が内装され、そのガイドパイプ2とCO2 ガスパイプ3との間にガイド溝4が形成されたものである。そしてCO2 ガスパイプ3にCO2 ガス8が供給され、水パイプ1に水7が供給されるものである。
従って、仮にCO2 ガスパイプ3に亀裂が生じ、CO2 ガス8及びそこに含まれるコンプレッサ内部の油成分等が洩れ出したとしても、それが水7に混入されるおそれはない。即ち、CO2 ガスパイプ3に亀裂が生じたとしても、その外側にガイドパイプ2が存在するため、CO2 ガス8等はガイド溝4によって排出される。そのため給湯中に不純物が混入するおそれのない、安全な熱交換器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の給湯用熱交換器の斜視略図。
【図2】図1のII−II矢視断面略図。
【図3】本発明の給湯用熱交換器のCO2 ガスパイプ3の他の実施の形態を示す横断面図。
【図4】本発明のさらに他の給湯用熱交換器の要部縦断面図。
【図5】本発明の対象となる給湯用熱交換器が配置された冷凍サイクルのブロック図。
【図6】従来型給湯用熱交換器の斜視略図。
【図7】他の従来型給湯用熱交換器の斜視略図。
【図8】図7のVIII−VIII矢視断面略図。
【符号の説明】
1 水パイプ
2 ガイドパイプ
3 CO2 ガスパイプ
4 ガイド溝
5 水ヘッダ
6 CO2 ガスヘッダ
7 水
8 CO2 ガス
9 仕切部
10,11 端蓋
12,13 入口パイプ
14,15 出口パイプ
19 圧縮機
20 吸熱器
21 ファン
22 膨張弁
23 給湯用熱交換器(放熱器)
27 ウォータジャケット
Claims (2)
- 互いに平行に並列された複数の水パイプ(1) と、
夫々その水パイプ(1) の軸線に直交して並列されると共に、水パイプ(1) 内に流水路が確保されるように、夫々の水パイプ(1) を液密に貫通する複数のガイドパイプ(2) と、
夫々のガイドパイプ(2) に同軸に内装され、その外面がガイドパイプ(2) の内面に伝熱的に接触するCO2 ガスパイプ(3) と、を具備し、
そのCO2 ガスパイプ(3) の外面と前記ガイドパイプ(2) の内面との間に漏れガス排出用のガイド溝(4) が形成され、
前記水パイプ(1) に被加温用の水(7) が供給されると共に、前記CO2 ガスパイプ(3) に高温高圧のCO2 ガス(8) が供給されるように構成された給湯用熱交換器。 - 請求項1において、
前記ガイドパイプ(2) の少なくとも一端が開放されている給湯用熱交換器。
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---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
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