JP4015525B2 - 誘導加熱システムの出力電流制御方法およびその装置 - Google Patents

誘導加熱システムの出力電流制御方法およびその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、共振型インバータを備えた誘導加熱システムに係り、特に近接して配置した複数の加熱コイルのそれぞれに、対応する直列共振型インバータによって電流を供給する誘導加熱システムの出力電流制御方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
誘導加熱は、加熱コイルに電流を流して磁場を発生させ、被加熱部材に電磁誘導による渦電流を発生させて加熱するもので、抵抗体加熱では得ることができない高温を発生させることができるため、各方面において採用されている。誘導加熱用の電源としては、回路の振動を利用して動作することによって出力波形に歪が少なく、高効率で負荷に電力を供給できる共振型インバータがしばしば用いられている。そして、近年は、複数の加熱コイルを近接して配置し、それぞれの加熱コイルに対応して設けた共振型インバータを同時に駆動して被加熱部材を加熱する誘導加熱システムが開発されている。図4は、2台の直列共振型インバータのそれぞれに加熱コイルを設けた誘導加熱システムの回路図を示したものである。
【0003】
図4において、誘導加熱システム1は、第1加熱ユニット10と第2加熱ユニット20とを備えており、各加熱ユニット10、20のそれぞれに第1逆変換部(インバータ)12、第2逆変換部22と、これらの逆変換部12、22に対応した第1負荷部14、第2負荷部24とが設けられている。各負荷部14、24は、それぞれ第1加熱コイル16、第2加熱コイル26を有し、これらの加熱コイル16、26が近接配置されている。そして、各逆変換部12、22は、第1チョッパ回路18、第2チョッパ回路28を介して順変換部3に並列接続してある。また、各加熱ユニット10、20の負荷部14、24は、加熱コイル16、26とコンデンサC1 、C2 が直列接続してあって、逆変換部12、22が直列共振型インバータを構成している。なお、図4において、v1 、i1 は第1逆変換部12の出力電圧と出力電流、R1 は第1加熱コイル16の内部抵抗、L1 は第1加熱コイル16の自己誘導係数である。また、v2 、i2 、R2 、L2 は、それぞれ第2逆変換部22の出力電圧と出力電流、第2加熱コイル26の内部抵抗と自己誘導係数である。
【0004】
このような誘導加熱システム1においては、複数の加熱コイル16、26によって被加熱部材(図示せず)を加熱できるため、被加熱部材が大きなものであっても容易に均一に加熱でき、また各加熱コイルに供給する電流量を異ならせることにより、被加熱部材の複数領域を異なった加熱温度に制御することができる。
すなわち、誘導加熱は、上記したように、被加熱部材に渦電流を発生させて加熱する。したがって、被加熱部材に発生する電力PHは、被加熱部材に発生する渦電流をIH、被加熱部材の固有抵抗をRHとすると、
【数1】
Figure 0004015525
となる。そして、被加熱部材に生ずる渦電流IHは、加熱コイルが発生する磁束密度、すなわちインバータの出力電流に依存する。したがって、被加熱部材を所定の加熱温度に制御する場合、インバータの出力電流を一定に保持する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図4のように、2つの加熱コイル16、26が近接配置されると、各加熱コイル間16、26において相互誘導が発生し、同図に示したように、第1負荷部14には、第2逆変換部22の出力電流i2 による誘導電圧vM2が生じ、第2負荷部24には第1逆変換部12の出力電流i1 による誘導電圧vM1が生ずる。このため、第1逆変換部12と第2逆変換部22との出力電圧v1 、v2 は、
【数2】
Figure 0004015525
【数3】
Figure 0004015525
のようになる。
【0006】
ただし、これらの数式において、θは出力電流i1 、i2 の位相差であり、XL1、XL2は第1加熱コイル16、第2加熱コイル26による誘導性リアクタンス、XC1、XC2はコンデンサC1、C2による容量性リアクタンスである。また、Mは相互誘導係数であって、結合係数をk、加熱コイル16、26の自己誘導係数をL1、L2とすると、M=k(L121/2である。また、ωは角周波数であって、各逆変換部12、22の出力周波数をfとした場合、ω=2πfであり、jは虚数単位を示す。
【0007】
そして、各出力電流i、iが同期している場合、各逆変換部12、22の出力電圧v、vは、
【数4】
Figure 0004015525
【数5】
Figure 0004015525
のように表される。このため、2つの加熱コイル16、26が近接配置されている場合、図4に示したように、第1負荷部14には第2逆変換部22の出力電流iに基づく相互誘導電圧(誘導電圧)VM2が生じ、第2負荷部24には第1逆変換部12の出力電流に基づく誘導電圧VM1が生ずる。したがって、誘導加熱ユニット1の各加熱コイル16、26を近接して配置した場合、各負荷部14、24に相互誘導による誘導電圧が発生するため、各逆変換部(インバータ)12、22の出力電流が相互誘導の影響を受けて不安定となり、被加熱部材の加熱温度を高精度に制御することが困難となる。
なお、近接配置した複数の加熱コイル間に生ずる相互誘導による影響を除去する技術が、特開2002−260833号に記載されている。
【0008】
本発明は、前記従来技術の欠点を解消するためになされたもので、相互誘導の影響下にある共振型インバータの出力電流を安定させることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る誘導加熱システムの出力電流制御方法は、複数の加熱コイルのそれぞれに対応して共振型インバータを設けた誘導加熱システムの出力電流制御方法であって、前記各インバータの出力電流を検出するとともに、制御対象インバータの出力電流とこの制御対象インバータの設定出力電流との出力電流偏差を求め、前記制御対象インバータの負荷部における前記他のインバータの出力電流に基づく誘導電圧と前記出力電流偏差とに基づいて、前記設定出力電流が得られる前記制御対象インバータの目標直流電圧を演算し、この目標直流電圧が得られるように前記制御対象インバータに入力する直流電流を制御する、ことを特徴としている。
【0010】
そして、上記出力電流制御方法を実施する出力電流制御装置は、複数の加熱コイルのそれぞれに対応して設けた共振型インバータのそれぞれの出力電流を検出する出力電流検出部と、この出力電流検出部が検出した制御対象インバータの出力電流とこの制御対象インバータの設定出力電流との偏差を求める出力電流偏差演算部と、前記制御対象インバータの負荷部における他の前記インバータの出力電流に基づく誘導電圧を求める誘導電圧演算部と、この誘導電圧演算部が求めた前記誘導電圧と前記出力電流偏差演算部が求めた出力電流偏差とに基づいて、前記制御対象インバータの出力電流が前記設定出力電流になる入力直流電圧を求める目標入力電圧演算部と、この目標入力電圧演算部が求めた目標入力直流電圧に基づいて、前記制御対象インバータに直流電力を供給する直流電源部を制御し、目標入力直流電圧を出力させる電源制御部と、を有することを特徴としている。
【0011】
また、直流電源部は順変換部とチョッパ回路とを有するように構成でき、電源制御部はチョッパ回路の通流率を制御する構成とすることができる。さらに、電源制御部は、目標入力電圧演算部が求めた目標入力直流電圧に基づいて、目標入力直流電圧が得られるチョッパ回路の出力電流を求める目標直流電流演算部と、この目標直流電流演算部が求めた目標直流電流に基づいて、チョッパ回路の通流率を制御するチョッパ制御部と、を有するように構成してよい。
【0012】
【作用】
上記のごとくなっている本発明は、制御対象インバータの出力電流を制御する際に、他のインバータの出力電流による誘導電圧を考慮してフィードフォワード的に制御するため、相互誘導の影響を小さくすることができ、制御対象インバータの出力電流を安定させることが可能となる。したがって、加熱コイルによって発生する磁束密度を安定させることができ、被加熱部材の加熱温度を高精度に制御することができる。
【0013】
インバータに直流電力を供給する直流電源部を順変換部とチョッパ回路とを有するように構成し、インバータ(逆変換部)をいわゆる電圧型インバータにすると、負荷部側の応答性がよく、インバータの出力電流を容易、迅速に設定電流に制御することができる。そして、目標入力電圧演算部の求めた制御対象インバータの目標入力直流電圧が得られるようにチョッパ回路の通流率を制御する場合、目標入力直流電圧が得られるようなチョッパ回路の出力電流(目標直流電流)を求め、この目標直流電流に基づいてチョッパ回路の通流率を制御すると、チョッパ回路の通流率とチョッパ回路の出力電流との間に比例関係が存在するため、制御を容易に行なうことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係る誘導加熱システムの出力電流制御方法およびその装置の好ましい実施の形態を、添付図面に従って説明する。
図2には、本発明の実施の形態に係る出力電流制御装置を備えた誘導加熱システムの説明図である。図2において、誘導加熱システム100は、交流電源102に順変換部104が接続してあり、順変換部104の出力側に平滑コンデンサ106が設けてある。この順変換部104は、交流電源102が出力する交流電力を直流電力に変換する。そして、誘導加熱システム100は、第1加熱ユニット200と第2加熱ユニット300とを有している。これらの加熱ユニット200、300は、平滑コンデンサ106に並列に接続してある。
【0015】
第1加熱ユニット200と第2加熱ユニット300とは、それぞれ対応して第1直流変換部202、第2直流変換部302、各直流変換部202、302の出力側に設けた逆変換部である第1インバータ204、第2インバータ304、第1負荷部206、第2負荷部306を有している。各直流変換部202、302は、周知の第1チョッパ回路210、第2チョッパ回路310と、これらのチョッパ回路210、310の出力側に設けた平滑用のコンデンサ212、312とから構成してある。そして、各直流変換部202、302と順変換部104、平滑コンデンサ106とが直流電源部を構成している。また、各チョッパ回路210、310のチョップ部226、326は、トランジスタと、トランジスタに逆並列接続したダイオードとから構成してある。
【0016】
第1インバータ204、第2インバータ304は、各アームがトランジスタと、このトランジスタに逆並列に接続したダイオードからなるブリッジ回路によって構成してある。そして、各インバータ204、304の出力側には、それぞれに対応して第1負荷部206、第2負荷部306が接続してある。各第1、第2負荷部206、306は、それぞれ第1加熱コイル214、第2加熱314とコンデンサ216、316とが直列に接続してある。したがって、各インバータ204、304は、直列共振型インバータを構成している。なお、図1において符号R1、R2は加熱コイル214、314の内部抵抗であり、符号C1、C2はコンデンサ216、316の容量、符号L1、L2は第1加熱コイル214と第2加熱コイル314との自己誘導係数を示す。
【0017】
各チョッパ回路210、310の出力側には、コンデンサ212、312との間に、各チョッパ回路210、310の出力電流を検出するための直流電流検出器218、318が設けてある。また、各インバータ204、304の入力側には、直流電圧検出器220、320が設けてある。これらの直流電圧検出器220、320は、対応するインバータ204、304の入力直流電圧であるコンデンサ212、312の両端電圧を検出する。そして、直流電流検出器218、318と直流電圧検出器220、320との検出信号は、対応する加熱ユニット200、300に設けた詳細を後述する出力電流制御装置230、330に入力するようになっている。また、インバータ204、304の出力側には、インバータ204、304の出力電流i1、i2を検出する出力電流検出器(出力電流検出部)222、322が設けてある。そして、各出力電流検出器222、322の検出信号は、それぞれ両方の出力電流制御装置230、330に入力するようにしてある。これらの出力電流制御装置230、330は、対応した第1インバータ204、第2インバータ304がそれぞれ制御対象インバータとなっていて、これらのインバータ204、304の出力電流i1、i2を後述するように制御する。
【0018】
出力電流制御装置230は、図1のようになっていて、チョッパ制御部232、目標直流電流演算部234、目標入力電圧演算部236、誘導電圧演算部238、電流偏差演算部(出力電流偏差演算部)240、出力電流設定器242を有している。出力電流設定器242には、第1インバータ204の制御目標とする出力電流(設定電流)i10が設定される。この設定電流i10は、電流偏差演算部240に入力される。そして、電流偏差演算部240は、出力電流検出器222の検出信号と出力電流設定器242の設定信号とが入力するようになっていて、両者の偏差Δi1=i10−i1を求めて目標入力電圧演算部236に入力する。一方、誘導電圧演算部238は、出力電流検出器322の検出した第2インバータ304の出力電流i2に基づいて、第1負荷部206における相互誘導電圧(誘導電圧)を求めて目標入力電圧演算部236に入力する。
【0019】
目標入力電圧演算部236は、後述するように、出力電流偏差Δi1と誘導電圧と、直流電圧検出器220の検出した直流電圧VDC1とから第1インバータ204の出力電流i1が設定電流i10となるような目標入力直流電圧を求める。また、目標直流電流演算部234は、目標入力電圧演算部236の出力側に設けてあって、チョッパ制御部232とともに電源制御部を構成している。そして、目標直流電流演算部234は、目標入力電圧演算部236の演算結果および直流電圧検出器220と直流電流検出器218との検出信号に基づいて、目標入力電圧演算部236が求めた目標入力直流電圧値を得るための、チョッパ回路210の出力する目標直流電流値を演算する。この目標直流電流演算部234が求めた目標直流電流値は、チョッパ制御部232に送出される。
【0020】
チョッパ制御部232は、デューティ比演算回路244とチョッパ制御回路246とから構成してある。デューティ比演算回路244は、目標直流電流演算部234が求めた目標直流電流値が得られるようなチョッパ回路210のデューティ比、すなわちチョップ部226の通流率を求める。このデューティ比は、チョッパ制御回路246に入力される。チョッパ制御回路246は、デューティ比演算回路244の求めたデューティ比(通流率)が得られるようなチョッパゲートパルスを生成し、チョッパ回路210のチョップ部226に与える。また、第2加熱ユニット300側の出力電流制御装置330は、第1加熱ユニット200側の出力電流制御装置230と同様に構成してある。
【0021】
上記のごとくなっている誘導加熱システム100は、第1加熱ユニット200の第1負荷部206に設けた第1加熱コイル214と、第2加熱ユニット300の第2負荷部306に設けた第2加熱コイル314とが近接配置される。したがって、第1加熱コイル214と第2加熱コイル314との間には、相互誘導が発生する。このため、第1加熱ユニット200の第1インバータ204と第2加熱ユニット300の第2インバータ304との出力電流i1、i2は、相互誘導の影響を受けて不安定になる。そこで、実施形態の誘導加熱システム100は、各加熱ユニット200、300に出力電流制御装置230、330を設けて各インバータ204、304の出力電流が設定電流i10、i20となるように制御している。次に、出力電流制御装置230の作用を、図1に基づいて説明する。
【0022】
出力電流制御装置230の電流偏差演算部240は、所定時間(例えば、1ms)ごとに出力電流検出器222が検出した第1インバータ204の出力電流i1を読み込み、出力電流設定器242に設定された設定電流i10と比較して両者の偏差Δi1=i10−i1を求め、目標入力電圧演算部236に入力する。また、誘導電圧演算部238は、電流検出器322が検出した第2インバータ304の出力電流i2を所定時間ごとに読み込み、第2インバータ304の出力電流i2による第1負荷部206における誘導電圧ωMi2を算出し、目標入力電圧演算部236に入力する。目標入力電圧演算部236は、入力された出力電流偏差Δi1、誘導電圧ωMi2に基づいて、出力電流偏差Δi1が零となる目標入力直流電圧VDC1 *を算出して目標直流電流演算部234に送出する。
【0023】
第1インバータ204と第2インバータ304とが相互誘導の影響を受けており、これらの出力電流i1、i2が同期している場合、前記したように各インバータ204、304の出力電圧v1、v2は、
【数6】
Figure 0004015525
【数7】
Figure 0004015525
である。また、これらの実効値V1E、V2Eは、それぞれ次のようになる。
【数8】
Figure 0004015525
【数9】
Figure 0004015525
【0024】
したがって、第1インバータ204の出力電流i1が設定電流i10に対してΔi1の偏差を有している場合、出力電流i1を設定電流i10に一致させるための出力電圧の実効値V1E *は、次の数式10のようになる。
【数10】
Figure 0004015525
【0025】
ところで、図3(1)に示したように、インバータにVDCの直流電圧が入力し、インバータから同図(2)のようにパルス高さVDC、デューティ比50%のパルス状出力電圧(基本波)が出力された場合、インバータ出力電圧の基本波の実効値と入力直流電圧VDCとの間には、一般に、
【数11】
Figure 0004015525
【数12】
Figure 0004015525
の関係が成立する。
【0026】
これは、矩形波の実効値と、矩形波に含まれている正弦波の実効値との関係が0.9であることを示す。また、数式12は、インバータの出力電圧および出力電流をインバータに入力する直流電圧の関数として表すことができることを示している。そして、出力電流偏差Δi1=e1=i10−i1とおき、この偏差に所定時間ごと(例えば、1msごと)に演算して求めたゲインを乗じた比例積分制御(PI制御)用偏差eGV1を、
【数13】
Figure 0004015525
とする。ただし、Aは比例項のゲインであり、Bは積分項のゲインである。そして、Δtは積分時間を表す。
【0027】
したがって、第1インバータ204の出力電流i1を設定電流i10に制御する第1インバータ204の出力電圧の実効値V1E *は、実効値V1E *を得るための目標入力直流電圧をVDC1 *とすると、係数を考慮しない場合、数式10、数式12、数式13の関係から、
【数14】
Figure 0004015525
が得られる。
【0028】
ただし、上式において、(n)は、n回目の演算の際に、直流電圧検出器220によって検出された第1インバータ204の入力直流電圧(直流電源部の出力電圧)である。また、θは、第1インバータ204の出力電圧と出力電流との位相差であって、cosθは、
【数15】
Figure 0004015525
【数16】
Figure 0004015525
の関係から求める。ただし、VDC、IDCは、インバータの入力直流電圧と入力直流電流である。
【0029】
目標入力電圧演算部236は、出力電流偏差演算部240、誘導電圧演算部238の演算結果と、直流電流検出器220の検出信号とを読み込み、上記の各数式に基づいて、数式14によって表された目標入力直流電圧VDC1 *を演算し、演算結果を目標直流電流演算部234に入力する。そして、電流制御装置230の目標直流電流演算部234は、目標入力電圧演算部236から目標入力直流電圧VDC1 *が入力してくると、直流電圧検出器220と直流電流検出器218との検出信号を読み込み、第1チョッパ回路210の目標出力電流IDC1 *を次のようにして求める。
【0030】
直流電源部の出力電流IDCと出力電流VDCとは、オームの法則により、次の関係がある。
【数17】
Figure 0004015525
ただし、数式17においてRDCは、インバータ側の直流等価抵抗である。
【0031】
そして、直流電源部の出力電圧VDCに偏差ΔVDCが生じた場合、この偏差を零にする目標直流電流IDC *は、次式のようになる。
【数18】
Figure 0004015525
【0032】
したがって、直流電源部の現在の出力電圧、すなわち第1インバータ204の入力直流電圧VDC1に対して、目標入力直流電圧がVDC1 *である場合、両者の間にΔVDC1=VDC1 *−VDC1の偏差がある。そこで、目標直流電流演算部234は、
【数19】
Figure 0004015525
とおき、この偏差に所定時間ごと(例えば、1msごと)に求めたゲインを乗じたPI制御用偏差εGI1を、
【数20】
Figure 0004015525
とする。ただし、右辺第1項のCは比例項のゲインであり、右辺第2項のDは積分項のゲインである。
【0033】
すなわち、目標直流電流演算部234は、目標入力電圧演算部236から第1インバータ204に入力すべき目標入力直流電圧VDC1 *が入力すると、数式19、数式20のように偏差εGI1を算出し、さらに次式に基づいて第1チョッパ回路210の目標出力電流IDC1 *を演算し、デューティ比演算回路244に与える。
【数21】
Figure 0004015525
【0034】
デューティ比演算回路244は、第1チョッパ回路210の出力電流IDC1の0〜100%と、チョップ部226の通流率(デューティ比)の0〜100%とを対応させてデューティ比を求めるようになっていて、目標直流電流演算部234から目標直流電流IDC1 *が入力してくると、IDC1 *が得られる第1チョッパ回路210のデューティ比を求め、チョッパ制御回路246に送出する。チョッパ制御回路246は、デューティ比演算回路244が求めたデューティ比が得られるゲートパルスを生成し、第1チョッパ回路210のチョップ部226に与えてチョップ部226の通流率を制御する。これにより、第1インバータ204の入力直流電圧がVDC1 *となり、インバータ204の出力電流が設定電流i10に制御される。したがって、第1加熱コイル214から発生する磁束密度が一定に制御され、被加熱部材の加熱温度を高精度に制御することが可能となる。しかも、第2インバータ304の出力電流による誘導電圧を考慮してフィードフォワード的に制御するため、第1インバータ204の出力電流を高精度に制御することができる。なお、第2加熱ユニット300に設けた出力電流制御装置330は、出力電流制御装置230と同様にして第2インバータ304の出力電流を制御する。
【0035】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、制御対象インバータの出力電流を制御する際に、他のインバータの出力電流による誘導電圧を考慮してフィードフォワード的に制御するため、相互誘導の影響を小さくすることができ、制御対象インバータの出力電流を安定させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る出力電流制御装置のブロック図である。
【図2】 実施の形態に係る電流制御装置を備えた誘導加熱システムの説明図である。
【図3】 直流電圧と、インバータの出力電圧との県警を説明する図である。
【図4】 従来の誘導加熱システムの説明図である。
【符号の説明】
100………誘導加熱システム、104、106、202、302………直流電源部(順変換部、平滑コンデンサ、第1直流変換部、第2直流変換部)、204………第1インバータ、206………第1負荷部、210………第1チョッパ回路、214………第1加熱コイル、218、318………直流電流検出器、220、320………直流電圧検出器、222、322………出力電流検出部(出力電流検出器)、226、326………チョップ部、230、330………出力電流制御装置、232、234………電源制御部(チョッパ制御部、目標直流電流演算部)、236………目標電圧演算部、238………誘導電圧演算部、240………出力電流偏差演算部(電流偏差演算部)、242………出力電流設定器、304………第2インバータ、306………第2負荷部、310………第2チョッパ回路。

Claims (4)

  1. 複数の加熱コイルのそれぞれに対応して共振型インバータを設けた誘導加熱システムの出力電流制御方法であって、
    前記各インバータの出力電流を検出するとともに、
    制御対象インバータの出力電流とこの制御対象インバータの設定出力電流との出力電流偏差を求め、
    前記制御対象インバータの負荷部における前記他のインバータの出力電流に基づく誘導電圧と前記出力電流偏差とに基づいて、前記設定出力電流が得られる前記制御対象インバータの目標直流電圧を演算し、
    この目標直流電圧が得られるように前記制御対象インバータに入力する直流電流を制御する、
    ことを特徴とする誘導加熱システムの出力電流制御方法。
  2. 複数の加熱コイルのそれぞれに対応して設けた共振型インバータのそれぞれの出力電流を検出する出力電流検出部と、
    この出力電流検出部が検出した制御対象インバータの出力電流とこの制御対象インバータの設定出力電流との偏差を求める出力電流偏差演算部と、
    前記制御対象インバータの負荷部における他の前記インバータの出力電流に基づく誘導電圧を求める誘導電圧演算部と、
    この誘導電圧演算部が求めた前記誘導電圧と前記出力電流偏差演算部が求めた出力電流偏差とに基づいて、前記制御対象インバータの出力電流が前記設定出力電流になる入力直流電圧を求める目標入力電圧演算部と、
    この目標入力電圧演算部が求めた目標入力直流電圧に基づいて、前記制御対象インバータに直流電力を供給する直流電源部を制御し、目標入力直流電圧を出力させる電源制御部と、
    を有することを特徴とする誘導加熱システムの出力電流制御装置。
  3. 請求項2に記載の誘導加熱システムの出力電流制御装置において、
    前記直流電源部は、順変換部とチョッパ回路とを有しており、
    前記電源制御部は、前記チョッパ回路の通流率を制御する、
    ことを特徴とする誘導加熱システムの出力電流制御装置。
  4. 請求項3に記載の誘導加熱システムの出力電流制御装置において、
    前記電源制御部は、前記目標入力電圧演算部が求めた前記目標入力直流電圧に基づいて、目標入力直流電圧が得られる前記チョッパ回路の出力電流を求める目標直流電流演算部と、
    この目標直流電流演算部が求めた目標直流電流に基づいて、前記チョッパ回路の通流率を制御するチョッパ制御部と、
    を有することを特徴とする誘導加熱システムの出力電流制御装置。
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