JP4125689B2 - 誘導加熱用インバータの制御方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、誘導加熱コイルに給電するインバータの制御方法に係り、特に近接配置されて相互誘導の影響を受ける複数の加熱コイルのそれぞれに接続した誘導加熱用インバータの制御方法および装置に関する。
複数の加熱コイルを用いて被加熱物を加熱する場合、被加熱物に所定の温度分布が得られるように、各加熱コイルに対応してインバータを設け、各加熱コイルへの給電制御を行なうようにしている。そして、複数の加熱コイルを近接して配置して誘導加熱を行なった場合、加熱コイル間において相互誘導が生じ、被加熱物の温度制御が困難になったり、インバータの運転に支障をきたすことがある。このため、加熱コイル間に生ずる相互誘導の影響に応じてインバータを適正に制御する必要がある。
しかし、加熱コイル間の相互誘導は、被加熱物の材質や形状の変化などによって変化するため、インバータを適正に制御することが困難となる。そこで、特許文献1には、2つのインバータのそれぞれに接続した加熱コイルを含む高周波回路同士を逆結合トランスによって結合し、逆結合トランスによって相互誘導による干渉起電力を相殺し、インバータの動作を安定させることが提案されている。
特開2000−100552号公報
ところで、複数の加熱コイルによって被加熱物を誘導加熱する場合、被加熱物の形状や得ようとする被加熱物の温度分布によっては、一部の加熱コイルの発生磁束を他の加熱コイルの発生磁束より大幅に小さくしなければならないことがある。すなわち、一部のインバータは、出力を他のインバータの出力より非常に小さくしなければならない場合がある。このような場合において、出力の大きなインバータの加熱コイルに流れる電流が何らかの原因により大きく変動した場合に、出力の小さなインバータ(低出力インバータ)の加熱コイル側に相互誘導に基づく大きな誘導電流、誘導電圧が発生する。このため、低出力インバータは、相互誘導の影響により出力電圧、出力電流の波形が大きく歪み、転流失敗が生じたり、ときには電流が逆流してインバータが損傷することもある。そして、特許文献1には、逆結合トランスによって2つの高周波回路間に生ずる相互誘導の影響を緩和するようにしている。
しかし、上記したように、相互誘導の状態は、被加熱物の材料の状態、形状等によって変化する。このため、加熱コイル部における相互誘導による誘導起電力が変化し、逆結合トランス部を相互誘導の状態に応じて(自動)調節する必要があり、相互誘導の影響を理想的に消去することは困難である。しかも、逆結合トランスは、共振の大電流が流れる回路に挿入するため電力損失が大きく、大電流に耐えられるよう大きな形状を有するところから、イニシャルコスト、ランニングコスト等に問題がある。
本発明は、前記従来技術の欠点を解消するためになされたもので、出力の大きなインバータによる相互誘導の影響による出力の小さなインバータの転流失敗や損傷を防ぐことを目的としている。
上記したように、出力の大きなインバータと出力の小さなインバータとのそれぞれの加熱コイルがお互いの相互誘導の影響下にある場合、各インバータを同時に平行して運転したときに、出力が大きい側の加熱コイルに流れる電流が大きく変動すると、出力の小さな低出力インバータは、出力電圧,出力電流が相互誘導の大きな影響を受け、実質的に出力制御をすることができない。そこで、このような場合、低出力インバータによる温度制御を一時的に放棄して出力を大きくし、出力の大きなインバータの加熱コイルによる相互誘導の影響を小さくする。
すなわち、上記の目的を達成するために、本発明に係る誘導加熱用インバータの制御方法は、相互誘導する加熱コイルの各々に接続された複数のインバータを同時に、かつ前記各インバータの一部の出力を他の前記インバータの出力より小さくして運転する誘導加熱用インバータの制御方法であって、前記出力の小さなインバータの出力電圧と出力電流との位相差を求め、前記位相差が前記出力の小さなインバータが、転流失敗を起こさない位相差または誘導電流の影響による出力電流波形の歪みに基づく出力電流と出力電圧の位相の逆転が生じない位相差として予め定めた基準位相差より小さくなったときに、前記出力の小さなインバータの出力を大きくする、ことを特徴としている。インバータが並列共振型である場合、前記位相差は、出力電圧に対する出力電流の進み位相である。また、インバータが直列共振型である場合、前記位相差は、出力電圧に対する出力電流の遅れ位相である。
そして、上記制御方法を実施する本発明に係る誘導加熱用インバータの制御装置は、相互誘導する加熱コイルの各々に接続された複数のインバータを同時に運転する誘導加熱用インバータの制御装置であって、出力が他より小さな低出力インバータの出力電圧を検出する電圧検出部と、前記低出力インバータの出力電流を検出する電流検出部と、前記電圧検出部と前記電流検出部とが出力する検出信号に基づいて、前記出力電圧と前記出力電流との位相差を求める位相差検出部と、前記位相差検出部が求めた検出位相差を前記低出力インバータが、転流失敗を起こさない位相差または誘導電流の影響による出力電流波形の歪みに基づく出力電流と出力電圧の位相の逆転が生じない位相差として予め定めた基準位相差と比較し、前記検出位相差が前記基準位相差より小さくなったときに、前記低出力インバータの出力を大きくする出力制御部と、を有することを特徴としている。
また、本発明に係る誘導加熱用インバータの制御装置は、相互誘導する加熱コイルの各々に接続された複数のインバータに対応して設けられ、前記インバータの出力電圧を検出する電圧検出部と、前記各インバータに対応して設けられ、前記インバータの出力電流を検出する電流検出部と、前記各インバータに対応して設けられ、対応する前記電圧検出部と前記電流検出部とが出力する検出信号に基づいて、前記出力電圧と前記出力電流との位相差を求める位相差検出部と、前記各インバータに対応して設けられ、対応する前記電圧検出部と前記電流検出部との検出信号に基づいて、前記インバータの出力を求める出力演算部と、前記各出力演算部が求めた出力に基づいて、出力が他より小さい低出力インバータを求めるとともに、前記低出力インバータに対応する前記低出力インバータが、転流失敗を起こさない位相差または誘導電流の影響による出力電流波形の歪みに基づく出力電流と出力電圧の位相の逆転が生じない位相差として予め定めた前記位相差検出部が求めた検出位相差を基準位相差と比較し、前記検出位相差が前記基準位相差より小さくなったときに、前記低出力インバータの出力を大きくする出力制御部と、を有することを特徴としている。
出力の大きなインバータと出力の小さなインバータとを並行運転しているときに、出力の大きなインバータの加熱コイルに流れる電流が一時的に大きく変動した場合、出力の小さな低出力インバータの加熱コイルには、相互誘導による大きな誘導電流、誘導電圧が発生する。このため、低出力インバータは、大きな誘導電流、誘導電圧の影響を受けて出力電圧、出力電流の波形が大きく歪み、出力電圧と出力電流との位相差が転流に必要とする値より小さくなり、転流失敗が発生したり、電流が逆流して損傷するおそれがある。そこで、本発明は、このような場合、低出力インバータによる温度制御を一時的に放棄(中断)し、低出力インバータの出力を大きくして相互誘導による影響を小さくする。すなわち、相互誘導による大きな誘導電流、誘導電圧が発生した場合に、低出力インバータの出力を大きくして出力電圧または出力電流の波形の歪を小さくする。これにより、低出力インバータの転流失敗や電流の逆流による損傷を防ぐことができる。しかも、2つの回路間は、逆結合トランスによって結合されていないため、通常の運転時には高精度の温度制御が可能となる。
本発明に係る誘導加熱用インバータの制御方法および装置の好ましい実施の形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る誘導加熱用インバータの制御装置を備えた第1実施形態の誘導加熱システムの説明図である。なお、この実施形態においては、2台のインバータを同時に並行して運転する場合について説明するが、3台以上の場合も同様である。
図1において、誘導加熱システム10は、第1加熱ユニット100と第2加熱ユニット200とから構成してある。各加熱ユニット100、200は、同様に形成してあって、交流電源12に接続した順変換部(コンバータ)102、202を備えている。順変換部102、202の出力側には、平滑リアクトル103、203を介して逆変換部である第1インバータ104、第2インバータ204が接続してある。順変換部102、202と平滑リアクトル103、203とは、直流電源部を構成している。すなわち、順変換部102、202は、例えばサイリスタのブリッジ回路によって構成してあって、交流電源12が出力する交流電力を直流電力に変換して出力する。そして、平滑リアクトル103、203は、順変換部102、202が出力した直流電流を平滑化して対応するインバータ104、204に供給する。各インバータ104、204の出力側には、それぞれに対応して第1負荷部106、第2負荷部206が接続してある。
第1インバータ104、第2インバータ204は、各アームがトランジスタと、このトランジスタに直列に接続したダイオードからなるブリッジ回路によって構成してある。また、各インバータ104、204の出力側に設けた第1負荷部106、第2負荷部206は、それぞれが第1加熱コイル114、第2加熱コイル214とコンデンサ116、216とが並列に接続してある。したがって、各インバータ104、204は、並列共振型インバータを構成している。なお、各加熱コイル114、214の内部抵抗は省略してある。
さらに、誘導加熱システム10は、第1インバータ104と第2インバータ204との出力を制御する制御ユニット20を有する。制御ユニット20は、各インバータ104、204の出力電圧を検出する電圧検出部32、52と、各インバータ104、204の出力電流を検出する電流検出部34、54を有している。電圧検出部32、52は、各負荷部106、206のコンデンサ116、216に並列に接続してある。また、各電流検出部34、54は、加熱コイル114、214に直列に接続してある。
さらに、制御ユニット20は、出力制御部22を有するとともに、第1加熱ユニット100と第2加熱ユニット200とのそれぞれに対応してコンバータ制御部36、56、インバータ制御部38、58、出力演算部40、60、位相差検出部42、62を有している。出力演算部40、60は、対応する電圧検出部32、52と電流検出部34、54との検出信号が入力し、これらの検出信号に基づいて、対応するインバータ104、204の出力、すなわち出力電力を求め、出力制御部22に入力する。また、各位相差検出部42、62は、対応する電圧検出部32、52と電流検出部34、54との検出信号が入力し、これらの検出信号に基づいて、対応するインバータ104、204の出力電圧と出力電流との位相差を求めて出力制御部22に入力する。
出力制御部22は、詳細を後述するように、出力の小さなインバータ104(またはインバータ204)の出力電圧と出力電流との位相差が予め設定されている基準位相差より小さくなると、コンバータ制御部36(またはコンバータ制御部56)とインバータ制御部38(またはインバータ制御部58)とに第1インバータ104(または第2インバータ204)の出力を増大させる信号を与える。コンバータ制御部36(またはコンバータ制御部56)は、対応する順変換部102(または順変換部202)のサイリスタのオン・オフを制御し、導通率を大きくして第1インバータ104(または第2インバータ204)に供給する電流量を大きくする。また、各インバータ制御部38(またはインバータ制御部58)は、第1インバータ104(または第2インバータ204)を構成しているトランジスタのオン・オフを制御し、導通率を大きくしてインバータの出力電圧を増大させる。
出力制御部22は、図2に示したように、各出力演算部40、60の出力信号が入力する低出力インバータ抽出部24と、各位相差検出部42、62に対応して設けた位相差比較部26(26a、26b)とを有する。さらに、出力制御部22は、低出力インバータ抽出部24と各位相差比較部26の出力信号が入力する出力増大指示部28を備えている。各位相差比較部26は、インバータの出力電圧と出力電流との基準の位相差が予め与えられており、位相差検出部42、62が求めた位相差(検出位相差)を基準位相差と比較し、比較結果を出力増大指示部28に出力する。
なお、図1において加熱コイル114、214の内部抵抗は省略してある。そして、第1加熱コイル114と第2加熱コイル214は、近接配置されていて、相互に相互誘導の影響を受けるようになっている。また、第1インバータ104と第2インバータ204とは、実施形態の場合、出力に大きな差をもって運転されるようになっている。すなわち、この実施形態においては、第2インバータ204は、低出力インバータとなっていて、例えば第1インバータ104の出力に対して60%以下の出力で運転するように設定されている。
このようになっている実施形態の誘導加熱システム10においては、交流電源12の出力する交流電力は、順変換部102、202において直流電力に変換され、平滑リアクトル103、203によって直流電流が平滑化されたのち、逆変換部である第1インバータ104と第2インバータ204に供給される。各インバータ104、204は、インバータを構成しているトランジスタがインバータ制御部38、58によってオン・オフ制御され、入力する直流電力を交流電力にして対応する第1負荷部106と第2負荷部206とに供給する。各インバータ104、204は、正常に運転されている場合、図3(1)に第2インバータ204の出力電圧v2と出力電流i2とを例にして示したように、出力電流i2が出力電圧v2に対して進み位相となっていて、転流余裕角γだけ位相が進むように運転される。
両加熱ユニット100、200の加熱コイル114、214は、前記したように、相互に相互誘導の影響を受ける近接した位置に配置されている。また、第2インバータ204は、出力が第1インバータ104の出力より大幅に小さくされた状態で運転されている。そして、何らかの原因により第1インバータの出力電流iが一時的に大きく変動すると、第2負荷部206の加熱コイル214に、図3(1)の破線に示したように、第1インバータ104の出力電流iによる大きな誘導電圧ωMi が発生する。なお、Mは、相互誘導係数である。
このため、低出力インバータである第2インバータ204の出力電圧は、図3(1)の一点差線に示したように、自己の出力電圧v2と誘導電圧ωMi1との和となり、誘導電圧ωMi1の影響を受けて出力電圧の波形が大きく歪んで転流余裕角γが得られず、出力電流i2が出力電圧(v2+ωMi1)に対して位相が遅れるなどして転流失敗を生ずる。そこで、実施形態においては、第2インバータ204の出力電流i2の出力電圧に対する進み位相が、予め定めた値より小さくなったときに、第2インバータ204の出力電流または電圧若しくは両者を大きくして出力を増大させるようにしている。
各インバータ104、204の出力電圧v1、v2と出力電流i1、i2とは、対応する電圧検出部32、52、電流検出部34、54によって検出される。これらの電圧検出部32、52、電流検出部34、54は、検出したインバータ104、204の出力電圧と出力電流とを、対応する出力演算部40、60と位相差検出部42、62とに入力する。各出力演算部40、60は、検出された出力電圧v1、v2と出力電流i1、i2とから、対応するインバータ104、204の出力電力を求め、図2に示したように、求めた出力電力を出力制御部22の低出力インバータ抽出部24に入力する。一方、各位相差検出部42、62は、対応する電圧検出部32、52と電流検出部34、54との検出信号に基づいて、例えば出力電圧v1、v2のゼロクロスと出力電流i1、i2のゼロクロスとから、出力電圧と出力電流との位相差を求め、図2に示したように、出力制御部22の対応する位相差比較部26a、26bに入力する。
出力制御部22の低出力インバータ抽出部24は、各出力演算部40、60が求めたインバータ104、204の出力に基づいて、出力の小さい低出力インバータを求めるとともに、各インバータ104、204の出力差が予め与えられている出力差(例えば、一方のインバータの出力が他方のインバータの出力に対して60%以下)以上の差であるか否かを判断する。そして、低出力インバータ抽出部24は、両者の出力差が設定出力差以上であるときに、低出力インバータ(この実施形態では第2インバータ204)の情報を出力増大指示部28に出力する。一方、各位相差比較部26には、インバータ104、204が転流失敗を起こさない出力電圧と出力電流との位相差が基準位相差として与えられている。そして、位相差比較部26は、位相差検出部42、62が求めた検出位相差を基準位相差と比較し、検出位相差が基準位相差より小さくなるとその旨を出力増大指示部28に出力する。
出力増大指示部28は、低出力インバータ抽出部24から第2インバータ204の出力が設定出力差以上に小さな出力で運転されているとの情報を受け、第2インバータ204に対応した位相比較部26bから出力電圧(v2+ωMi1)と出力電流i2との位相差が基準位相差より小さいとの比較結果を受け取ると、コンバータ制御部56とインバータ制御部58とに出力増大指示信号を出力する。コンバータ制御部56は、第2加熱ユニット200の順変換部(コンバータ)202を構成しているサイリスタの導通率を大きくし、第2インバータ204に供給する直流電流を増大させる。また、インバータ制御部58は、PWM制御などによって、第2インバータ204を構成しているトランジスタの導通率を大きくする。これにより、第2インバータ204の出力電圧は、図3(2)の符号v2´に示したように大きくなり、第1インバータ104の出力電流i1による相互誘導の影響を小さくすることができる。すなわち、第2インバータ204の出力電圧は、図3(2)の一点鎖線に示したように、自身の出力電圧v2´と誘導電圧ωMi1との和となり、出力電圧の位相を出力電流i2´に対して遅らせることができ、転流失敗や電流の逆流を防ぐことができる。しかも、第1インバータ104側と第2インバータ204側は、逆結合トランスなどによって結合されていないため、制御が容易で、高精度の温度制御を行なうことができる。なお、第1インバータ204の出力電流i1が正常に戻った場合、通常の制御運転が行なわれる。
図4は、第2実施形態の説明図であって、実施形態に係る制御ユニット20を直列共振型インバータに適用した例を示したものである。この実施形態に係る誘導加熱システム50は、第1加熱ユニット300と第2加熱ユニット400とから構成してある。これらの加熱ユニット300、400は、順変換部302、402が例えばダイオードのブリッジ回路からなっていて、その出力側に周知のチョッパ回路301、401が設けてある。チョッパ回路301、401の出力側には、平滑コンデンサ303、403と第1インバータ304、第2インバータ404とが並列に接続してある。順変換部(コンバータ)302、402と平滑コンデンサ303、403とは、直流電源を構成していて、順変換部302、402が交流電源12の出力する交流電力を直流電力に変換して出力し、平滑コンデンサ303、403が順変換部302、402の出力した直流電圧を平滑化してインバータ304、404に供給する。
各インバータ304、404の出力側には、それぞれに対応して第1負荷部306と第2負荷部406が接続してある。各負荷部306、406は、同様に形成してあって、第1加熱コイル114とコンデンサ116とが直列に、第2加熱コイル214とコンデンサ216とが直列に接続してある。したがって、各インバータ304、404は、直列共振型インバータを形成している。
制御ユニット20Aは、第1実施形態の制御ユニット20のコンバータ制御部36、56に代えて、チョッパ回路301、401の通流率を制御するチョッパ制御部37、57を有する。制御ユニット20Aの他の構成は、第1実施形態の制御ユニット20と同様である。
このようになっている第2実施形態において、第2インバータ404の出力が第1インバータ304の出力より大幅に小さくされた状態で運転されている場合、第1インバータ304の出力電流が大きく変動すると、第2加熱コイル214に大きな誘導電流が発生する。このため、第2インバータ404の出力電流は、図5(1)に示したように、自身の出力した電流i2と誘導電流との合成した電流iとなり、出力電流の波形が歪んで、出力電圧v2の位相より進んだりする。このため、第2インバータ404のゼロボルトスイッチング(ZVS)制御ができず、スイッチングロスが生ずるとともに、インバータを構成しているトランジスタが損傷するおそれがある。
そこで、この第2実施形態においては、第2インバータ404が第1インバータ304の出力より大幅に小さな出力で運転されている場合に、第2加熱コイル214に大きな誘導電流が流れ、第2インバータ404の出力電流iの出力電圧v2に対する位相遅れが基準値より小さくなったときに、出力制御部22の出力増大指示部28が、チョッパ制御部57とインバータ制御部58とに出力増大指示信号を出力する。
チョッパ制御部57は、第2加熱ユニット400のチョッパ回路401を構成しているトランジスタなどのチョップ部を制御し、チョッパ回路401の通流率を大きくする。これにより、平滑コンデンサ403に蓄えられる電荷量が増大し、第2インバータ404に与える電圧が上昇する。また、インバータ制御部58は、第2インバータ404を構成しているトランジスタの導通率を大きくする。これにより、第2インバータ404の出力電流が増大し、相互誘導による影響を小さくすることができる。すなわち、図5(2)に示したように、第2インバータ404の出力電流iの出力電圧v2´に対する位相を遅らすことができ、ZVS制御を行なうことができる。したがって、第2インバータ404のスイッチングロスを実質的になくすことができ、トランジスタの損傷を防ぐことができる。
なお、上記各実施形態においては、出力の小さなインバータの出力を増大させるために出力電圧と出力電流との両方を増大させる場合について説明したが、出力電圧と出力電流とのいずれか一方を大きくして出力を増大させてもよい。また、前記実施形態においては、出力制御部22に低出力インバータ抽出部24を設けた場合について説明したが、インバータの出力は予め設定されるため、各インバータについて位相差比較部と出力増大支持部とを有する出力制御部を設け、出力の小さなインバータに対応した出力制御部を起動させるようにしてもよい。さらに、出力制御部は、低出力インバータが常に決まった特定のインバータである場合、このインバータにだけ設けるようにしてもよい。
第1実施形態の説明図である。 実施形態に係る出力制御部のブロック図である。 第1実施形態の作用を説明する図である。 第2実施形態の説明図である。 第2実施形態の作用を説明する図である。
符号の説明
10、50………誘導加熱システム、20、20A………制御ユニット、22………出力制御部、24………低出力インバータ抽出部、26a、26b………位相差比較部、28………出力増大指示部、32、52………電圧検出部、34、54………電流検出部、36、56………コンバータ制御部、37、57………チョッパ制御部、38、58………インバータ制御部、40、60………出力演算部、42、62………位相差検出部、100、300………第1加熱ユニット、102、202、302、402………順変換部、104、304………第1インバータ、106、306………第1負荷部、114………第1加熱コイル、200、400………第2加熱ユニット、204、404………第2インバータ、206、406………第2負荷部、214………第2加熱コイル、301、401………チョッパ回路。

Claims (5)

  1. 相互誘導する加熱コイルの各々に接続された複数のインバータを同時に、かつ前記各インバータの一部の出力を他の前記インバータの出力より小さくして運転する誘導加熱用インバータの制御方法であって、
    前記出力の小さなインバータの出力電圧と出力電流との位相差を求め、
    前記位相差が前記出力の小さなインバータが、転流失敗を起こさない位相差または誘導電流の影響による出力電流波形の歪みに基づく出力電流と出力電圧の位相の逆転が生じない位相差として予め定めた基準位相差より小さくなったときに、前記出力の小さなインバータの出力を大きくする、
    ことを特徴とする誘導加熱用インバータの制御方法。
  2. 請求項1に記載の誘導加熱用インバータの制御方法において、
    前記インバータは、並列共振型インバータであって、
    前記位相差は、前記出力電圧に対する前記出力電流の進み位相である、
    ことを特徴とする誘導加熱用インバータの制御方法。
  3. 請求項1に記載の誘導加熱用インバータの制御方法において、
    前記インバータは、直列共振型インバータであって、
    前記位相差は、前記出力電圧に対する前記出力電流の遅れ位相である、
    ことを特徴とする誘導加熱用インバータの制御方法。
  4. 相互誘導する加熱コイルの各々に接続された複数のインバータを同時に運転する誘導加熱用インバータの制御装置であって、
    出力が他より小さな低出力インバータの出力電圧を検出する電圧検出部と、
    前記低出力インバータの出力電流を検出する電流検出部と、
    前記電圧検出部と前記電流検出部とが出力する検出信号に基づいて、前記出力電圧と前記出力電流との位相差を求める位相差検出部と、
    前記位相差検出部が求めた検出位相差を前記低出力インバータが、転流失敗を起こさない位相差または誘導電流の影響による出力電流波形の歪みに基づく出力電流と出力電圧の位相の逆転が生じない位相差として予め定めた基準位相差と比較し、前記検出位相差が前記基準位相差より小さくなったときに、前記低出力インバータの出力を大きくする出力制御部と、
    を有することを特徴とする誘導加熱用インバータの制御装置。
  5. 相互誘導する加熱コイルの各々に接続された複数のインバータに対応して設けられ、前記インバータの出力電圧を検出する電圧検出部と、
    前記各インバータに対応して設けられ、前記インバータの出力電流を検出する電流検出部と、
    前記各インバータに対応して設けられ、対応する前記電圧検出部と前記電流検出部とが出力する検出信号に基づいて、前記出力電圧と前記出力電流との位相差を求める位相差検出部と、
    前記各インバータに対応して設けられ、対応する前記電圧検出部と前記電流検出部との検出信号に基づいて、前記インバータの出力を求める出力演算部と、
    前記各出力演算部が求めた出力に基づいて、出力が他より小さい低出力インバータを求めるとともに、前記低出力インバータに対応する前記位相差検出部が求めた検出位相差を前記低出力インバータが、転流失敗を起こさない位相差または誘導電流の影響による出力電流波形の歪みに基づく出力電流と出力電圧の位相の逆転が生じない位相差として予め定めた基準位相差と比較し、前記検出位相差が前記基準位相差より小さくなったときに、前記低出力インバータの出力を大きくする出力制御部と、
    を有することを特徴とする誘導加熱用インバータの制御装置。
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