JP4014135B2 - エポキシ樹脂用赤燐系難燃剤およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、赤燐粒子から溶出するリンのオキソ酸の溶出を低減し、耐食性および難燃性に優れたエポキシ樹脂用赤燐系難燃剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
封止材は半導体ICを空気中の湿気やホコリ等から保護し、半導体ICの取り扱いを容易にするものであり、現在はエポキシ樹脂封止材がほとんどを占めている。
【0003】
従来、エポキシ樹脂封止材の難燃剤としては、ハロゲン化エポキシ樹脂またはハロゲン化エポキシ樹脂と三酸化アンチモンの併用使用が行われていた。ところが最近、地球環境汚染の問題や健康被害が浮上するとともに、難燃剤についてもノンハロゲン化への要求が高まり、塩素、臭素などのハロゲン化合物や三酸化アンチモンは使用されなくなる傾向にある。ノンハロゲン系の難燃剤として、赤燐は有力な難燃剤であるが、赤燐を使用する場合は赤燐と空気中の水分との反応により微量のホスフィンガスが発生する問題や、赤燐表面からのリンのオキソ酸が溶出するという問題を抱えていた。
【0004】
赤燐表面から溶出したリンのオキソ酸は、例えば半導体IC回路に接触した場合、アルミの配線を腐食して信頼性低下の原因となり、これらの溶出イオンの低減は赤燐系難燃剤をエポキシ樹脂封止材に適用する場合の大きい問題であり、また、その他の電気信頼性が要求される分野への赤燐の使用を困難なものとしている一つの要因である。
【0005】
赤燐からのホスフィン発生の問題については、過去に多くの検討がなされており、赤燐表面をアルミニウム、チタニウムなどの無機金属水酸化物で被覆処理をおこなったり、フェノール樹脂やメラミン樹脂などの有機化合物で被覆処理したり、あるいは、無機化合物と有機化合物の2重被覆処理方法などを行なうことにより、ホスフィン発生量を低減する方法等が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した被覆処理した赤燐にいたっても、赤燐粒子の表面からのリンのオキソ酸が溶出してくるため、積層板や半導体封止材等を初めとする電気信頼性が要求される分野に対して、適用することが困難であった。例えば、半導体封止用のエポキシ樹脂に赤燐系難燃剤を使用した場合に、封止材の信頼性試験において、赤燐から溶出するリンのオキソ酸により、IC回路が腐食され、信頼性が低下するという問題がある。
【0007】
赤燐からリンのオキソ酸が溶出する一つの原因として、赤燐表面の被覆処理方法が良好な場合でも、エポキシ樹脂封止材を製造する際に、赤燐が他の材料、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂硬化剤、シリカフィラー等と一緒に混合、混練する際に、赤燐粒子が機械的な摩擦力やせん断力を受けて、赤燐の被覆層が剥離し、この剥離した個所から赤燐と水とが直接接触してリンのオキソ酸が溶出するものと考えられる。この場合、封止材の信頼性試験では不合格となる場合が多い。
【0008】
半導体封止用エポキシ樹脂の赤燐系難燃剤としては、例えば、ポリリン酸メラミンと、赤燐粒子の表面をフェノール樹脂で被覆した後、更にエポキシシランカップリング剤及びアミノシランカップリング剤で被覆した赤燐を併用する方法(特開平10−182940号公報)、表面層がTixOy(x、yは正数で、x:y=1:2〜1:4)である赤燐系難燃剤を用いる方法(特開平7−173372号公報)、赤燐の表面を水酸化アルミニウムで被覆した後、更にその表面をフェノール樹脂で被覆したもので、平均粒子径が2〜8μm、最大粒子径が20μm以下である赤燐系難燃剤を用いる方法(特開平10−152599号公報)、表面層がSixOy(X、Yは正数で、X:Y=1:2〜1:4)である赤燐系難燃剤を用いる方法(特開平7−157542号公報)等が提案されている。
【0009】
また、被覆処理した赤燐系難燃剤とBiOX(OH)Y(NO3 )Z (X=0.9〜1.1、Y=0.6〜0.8、Z=0.2〜0.4)やMg4.3Al2 (OH)12.6CO3 ・3.5H2 Oのイオン捕捉剤を併用する方法も提案されている(特開平8−151427号公報、特開平9−227765号公報)。
【0010】
しかしながら、前記の被覆処理した赤燐系難燃剤は、エポキシ樹脂封止材を製造する際に、赤燐粒子が機械的な摩擦力やせん断力を受けて、赤燐の被覆層が剥離し、この剥離した個所から赤燐と水とが直接接触してリンのオキソ酸が溶出する。また、イオン捕捉剤を併用する方法においても、リンのオキソ酸の捕捉能力が低いため、なおも現実的な課題の解決には至っていない。
【0011】
また、特開昭62−21704号公報には、赤燐粒子の表面をAl又はZnの水酸化物で被覆し、更に水酸化亜鉛を含有する熱硬化性樹脂で二重被覆した耐湿性及び耐食性が改善された難燃剤用被覆赤燐が提案されている。
【0012】
しかしながら、特開昭62−21704号公報の赤燐は、赤燐粒子を水に分散させたスラリーに水溶性金属塩を添加し、次いでアルカリ剤を添加して赤燐粒子表面に金属の酸化物又は水酸化物として沈着させて無機物を被覆した赤燐を得て、該無機物を被覆した赤燐を洗浄処理することなく、その反応終了後の電気伝導度が10000μs/cm以上もあるようなイオン性不純物を含有するスラリーに直接水酸化亜鉛及び熱硬化性樹脂の合成原料又はその初期縮合物を添加し、熱硬化性樹脂の単独重合条件で重合反応を行って製造している。このようにして得られる安定化赤燐は、重合反応の際に被覆樹脂中に大量のイオン性不純物が取り込まれ、後に洗浄処理を施しても樹脂中のイオン性不純物を除くことが難しく、また無理に電気伝導度を下げるために洗浄を繰り返すと赤燐粒子表面の被覆が破れ、リンのオキソ酸の溶出量が多くなる。
【0013】
また、特開2000−281874号公報には、80℃で20時間抽出したときに溶出する燐酸イオンと亜燐酸イオンの合計含有量が2000ppm以下であって、P含有量が20〜40重量%の赤燐系難燃剤を用いた半導体封止用エポキシ樹脂組成物が提案されている。
しかしながら、特開2000−281874号公報の赤燐系難燃剤は、P含有量が低いため、難燃効果が不足している。
【0014】
即ち、本発明は、この様な従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、電気信頼性が要求される分野への適用を可能とすることができる耐食性に優れたエポキシ樹脂用赤燐系難燃剤を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、先に赤燐粒子の表面を無機物で被覆した後、更に無水亜鉛化合物を含有する熱硬化性樹脂で被覆した赤燐系難燃剤を用いた難燃性、耐湿性が優れたエポキシ樹脂組成物(PCT01/JP01/04363号)を提案した。
【0016】
更に半導体封止用を初めとする厳しい電気信頼性が要求されるエポキシ樹脂用の赤燐系難燃剤について鋭意研究を重ねた結果、赤燐系難燃剤として赤燐粒子表面を水酸化亜鉛で被覆処理した第一被覆層、更に酸化亜鉛を含有するフェノール樹脂で被覆処理した第二被覆層を有する赤燐系難燃剤において、特に第一次被覆が可溶性亜鉛化合物とアルカリ剤をpH6.5以上の条件下において反応させて生成する水酸化亜鉛の結晶構造を保った状態で緻密に被覆され、また製造工程において不純物の除去のために洗浄工程を厳密に行うことにより、20℃における水に分散したスラリーの電気伝導度、80℃で20時間放置後の溶出するリンのオキソ酸の量及び80℃で20時間放置後のスラリーの電気伝導度を特定したものが、被覆処理時の凝集やその後の再凝集を抑制し分散性に優れ、この赤燐系難燃剤を半導体封止用エポキシ樹脂の難燃剤として用いたものは、難燃性、耐湿信頼性が優れたものとなることを知見し本発明を完成するに至った。
【0017】
即ち、本発明は、赤燐粒子の表面に第一次被覆が水酸化亜鉛の被覆からなり、第二次被覆が酸化亜鉛を含有するフェノール樹脂被覆からなる二重被覆層が形成されたP含有量が65〜97重量%の赤燐系難燃剤であって、該赤燐系難燃剤は下記の(D1)〜(D3)の特性を有することを特徴とするエポキシ樹脂用赤燐系難燃剤を提供するものである。
(D1)赤燐粒子に対する水酸化亜鉛の被覆量が0.5〜10重量%で、
(D2)20℃の水に赤燐系難燃剤を10重量%分散させたスラリーの電気伝導度が30μs/cm以下で、
(D3)該赤燐系難燃剤8gに水80mlを加えて80℃で20時間加熱した際に溶出するPO4イオン濃度が10ppm以下で、PHO3イオン濃度が200ppm以下で、PH2O2イオン濃度が150ppm以下で、且つ80℃で20時間放置後の電気伝導度が100μs/cm以下である。
【0018】
前記赤燐系難燃剤に用いられる赤燐粒子は、その表面の第一次被覆の水酸化亜鉛が、特に可溶性亜鉛化合物とアルカリ剤をpH6.5以上で反応させて生成した水酸化亜鉛の被覆からなるものが好ましい。
【0019】
また、前記赤燐系難燃剤は、該赤燐系難燃剤8gに水80mlを加えて160℃で20時間加熱した際に溶出するPO4イオン濃度が100ppm以下で、PHO3イオン濃度が250ppm以下で、PH2O2イオン濃度が2000ppm以下で、且つ160℃で20時間放置後の電気伝導度が2000μs/cm以下であることが好ましい。
【0020】
また、前記赤燐系難燃剤は平均粒径が、1〜50μmの範囲であることが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のエポキシ樹脂用赤燐系難燃剤は、赤燐粒子の表面に第一次被覆が水酸化亜鉛の被覆からなり、第二次被覆が酸化亜鉛を含有するフェノール樹脂被覆からなる二重被覆層が形成された、P含有量が65〜97重量%の赤燐系難燃剤であり、本発明の赤燐系難燃剤は、第一次被覆が水酸化亜鉛からなること、好ましくは可溶性亜鉛化合物とアルカリ剤をpH6.5以上の条件下において反応させて生成する水酸化亜鉛の結晶構造を保った状態の被覆からなること、及び下記の(D1)〜(D3)の特性を有するものを用いることが特に重要な要件となる。
(D1)赤燐粒子に対する水酸化亜鉛の被覆量が0.5〜10重量%で、
(D2)20℃の水に赤燐系難燃剤を10重量%分散させたスラリー(以降、10重量%スラリーと記す)の電気伝導度が30μs/cm以下で、
(D3)該赤燐系難燃剤8gに水80mlを加えて80℃で20時間加熱した際に溶出するPO4イオン濃度が10ppm以下で、PHO3イオン濃度が200ppm以下で、PH2O2イオン濃度が150ppm以下で、且つ80℃で20時間放置後の電気伝導度が100μs/cm以下である。
【0025】
以下にかかる赤燐系難燃剤について説明する。
本発明にかかる第一層の水酸化亜鉛の被覆は、可溶性亜鉛化合物とアルカリ剤の反応により生成する水酸化亜鉛の被覆からなる。本発明者らは、水酸化亜鉛の被覆は、反応中のpHの管理により異なってくることを見出した。例えば、図1および図2に示す水酸化亜鉛の被覆により説明する。図1は後述する本発明の実施例の赤燐系難燃剤試料1の(a2−2)工程後の赤燐粒子表面上に形成させた水酸化亜鉛被膜の状態を示す赤燐粒子構造の電子顕微鏡写真(倍率2000倍)であり、図2は後述する実施例の赤燐系難燃剤試料2の(a2−1)工程後の赤燐粒子表面上に形成させた水酸化亜鉛被膜の状態を示す赤燐粒子構造の電子顕微鏡写真(倍率2000倍)である。
【0026】
即ち、図2の水酸化亜鉛の被覆は、可溶性亜鉛化合物とアルカリ剤を最初にpH6.5以上に調整しただけで、反応中のpHを管理しないで得られたものであり、電子顕微鏡写真に示す様に、水酸化亜鉛の結晶が反応中に副生する酸に溶解した状態を示す表面がつるつるした平滑な水酸化亜鉛の被覆であり、粒子の大きさも小さいものである。これに対して、図1の水酸化亜鉛の被覆は、電子顕微鏡写真に示す様に、可溶性亜鉛化合物とアルカリ剤の反応中pHを6.5以上に維持するので、反応中に酸が副生することが抑制され、生成した水酸化亜鉛の結晶が酸に溶解することはなく、結晶構造を保った状態で角ばった強固な緻密な被覆であり、粒子の大きさも大きいものである。
【0027】
本発明における赤燐系難燃剤においては、図1及び図2に示す様に、赤燐粒子の表面を被覆したものが用いられるが、本発明において、この水酸化亜鉛を被覆した赤燐系難燃剤は、赤燐粒子に対する水酸化亜鉛の被覆量が、添加した可溶性亜鉛化合物およびアルカリの理論量論比より求めた理論量の40重量%以上、好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上で水酸化亜鉛を被覆したものが好ましく、特に上記の図1の結晶構造を保った水酸化亜鉛の被覆を有するものを用いることが好ましく、更に、その表面に酸化亜鉛を含有するフェノール樹脂で被覆することにより、リンのオキソ酸の溶出を低減させることができる。
【0028】
本発明において、この赤燐粒子に対する水酸化亜鉛の被覆量は0.5〜10重量%、好ましくは0.6〜3重量%、更に好ましくは0.8〜2重量%である。この被覆量が0.5重量%未満では溶出するリン酸分イオンの固定化能が不足し、一方、被覆量が10重量%を超えると赤燐系難燃剤の凝集や再凝集が起こりやすくなり、所望の粒度調製を行うことが困難になったり、或いはいくら赤燐系難燃剤の粒度調整をおこなっても、保管時やエポキシ樹脂組成物の混練時に再凝集し、このため粒子径が大きくなって樹脂分散性が悪くなり、後述するように凝集粒子自体の最大粒径が後述する範囲であればよいが、その範囲を超える粒子は、基板とICチップとの隙間(Gap)に存在することとなるため不良品の発生の一つの原因となることから好ましくない。
【0029】
本発明で用いる赤燐系難燃剤は、水酸化亜鉛の被覆、特に上記の結晶構造を保った水酸化亜鉛の被覆表面を、更に酸化亜鉛を含有するフェノール樹脂で被覆した赤燐系難燃剤である。
【0030】
前記赤燐系難燃剤は、赤燐の含有量が65〜97重量%、好ましくは75〜95重量%であることが好ましい。この理由は、赤燐含有量が65重量%未満では被覆成分量が多くなるためバインダー効果で赤燐粒子が凝集するため粒子径が大きくなって、封止樹脂中の分散性が低下し、難燃効果も低下する傾向にあり、一方、赤燐含有量が97重量%を超えると、被覆成分が少ないため、リン酸成分の溶出やホスフィンガスの発生を伴う傾向があることから好ましくない。
【0031】
本発明において、上記した赤燐系難燃剤は、20℃の水に10重量%スラリーとしたときの電気伝導度が30μs/cm以下、好ましくは20μs/cm以下のものを用いることが重要な要件となり、この理由は、電気伝導度が30μs/cmを超えると、例えば、封止材等のエポキシ樹脂の難燃剤として用いた場合、電気信頼性が劣る傾向があるため好ましくない。
【0032】
更に本発明において、用いる赤燐系難燃剤は、通常の封止材の調製の際のエポキシ樹脂との混練温度においても安定性を有するものであることが重要な要件となる。即ち、該赤燐系難燃剤8gに水80mlを加えて80℃で20時間加熱した際に溶出するPO4 イオン濃度が10ppm以下、好ましくは8ppm以下、PHO3 イオン濃度が200ppm以下、好ましくは150ppm以下、PH2 O2 イオン濃度が150ppm以下、好ましくは100ppm以下で、且つ80℃で20時間放置後の電気伝導度が100μs/cm以下、好ましくは80μs/cm以下である。
【0033】
溶出するPO4 イオン濃度、PHO3 イオン濃度及びPH2 O2 イオン濃度を上記範囲とする理由は、この範囲を超えると溶出するPO4 イオン、PHO3 イオン及びPH2 O2 イオンにより、例えば、この赤燐系難燃剤を封止材のエポキシ樹脂の難燃剤として用いた場合、半導体素子の表面に形成されたアルミニウム配線の腐食が発生し、半導体封止材の耐湿電気信頼性が損なわれる傾向があるため好ましくない。
【0034】
また、80℃における20時間放置後の電気伝導度を上記範囲とする理由は、この範囲を超えると上記したとおり、例えば、この赤燐系難燃剤を封止材のエポキシ樹脂の難燃剤として用いた場合、半導体封止材の耐湿電気信頼性が損なわれるため好ましくない。なお、本発明においてこの電気伝導度は、塩素イオン、臭素イオン、PO4 イオン、PHO3 イオン、PH2 O2 イオン、SO4 イオン、NH4 イオン、Naイオン、Kイオン等のイオン性化合物に起因する値である。
【0035】
また、本発明にかかる赤燐系難燃剤は、更に高温下での安定性を有するものであることが好ましく、即ち、該赤燐系難燃剤8gに水80mlを加えて160℃で20時間加熱した際の溶出するPO4 イオン濃度が100ppm以下、好ましくは80ppm以下で、PHO3 イオン濃度が250ppm以下、好ましくは200ppm以下で、PH2 O2 イオン濃度が2000ppm以下、好ましくは1900ppm以下であり、また、この条件下でのスラリーの電気伝導度が2000μs/cm以下、好ましくは1900μs/cm以下である。本発明にかかる赤燐系難燃剤は、この高温の160℃の加熱条件下においても、溶出する上記のイオン性化合物の低減したものを用いることにより高温の条件下においても電気信頼性に優れている。
【0036】
また、本発明に係る赤燐系難燃剤は、赤燐系難燃剤中のフェノール樹脂の含有量が固形分換算で0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%である。フェノール樹脂の含有量を上記範囲とする理由は、0.5重量%未満では樹脂被覆効果が得られなくなるためリンのオキソ酸の溶出やホスフィンガスの発生量が多くなる傾向があり、一方、20重量%を超えると凝集により赤燐の粒径が大きくなって樹脂分散性が悪くなり難燃効果も低下する傾向があるので好ましくない。
【0037】
また、酸化亜鉛の含有量は、フェノール樹脂(固形分)100重量部に対して50〜1000重量部、好ましくは100〜500重量部とすることが好ましい。酸化亜鉛の含有量を上記範囲とする理由は、50重量部未満では溶出するリン酸成分の固定化能が不足するだけでなく、被膜樹脂の強度が低下して容易に被膜が破れ、半導体封止用エポキシ樹脂組成物とした時に、封止材の信頼性試験において、赤燐から溶出するリンのオキソ酸によりICが腐食され、電気信頼性が低下する傾向があることから好ましくない。一方、1000重量部を超えると赤燐系難燃剤全体のP含有量が小さくなり、難燃効果が低下する傾向があることから好ましくない。
【0038】
本発明において、用いることができる酸化亜鉛の物性としては、微細なものが被覆樹脂との均一分散性および溶出するリンのオキソ酸との反応性の面で好ましく、通常レーザー法により求められる平均粒径が2μm以下、好ましくは0.2〜1μmのものが好ましい。
【0039】
また、かかる赤燐系難燃剤は、レーザー法により求められる平均粒径が1〜50μmであり、特に3〜30μmのものが好ましい。この理由は、平均粒径が1μm未満のものは技術的に被覆処理することが困難なことから被覆に欠陥が生じやすいため実用的でなく、一方、50μmを超えると樹脂分散性が悪くなり、好ましい難燃効果も得られない傾向があることから好ましくない。
【0040】
また、かかる赤燐系難燃剤は、半導体封止用エポキシ樹脂の難燃剤として用いる場合には、平均粒径と最大粒径を使用するICパッケージの形態に合わせて好適な範囲の平均粒径を選択することが好ましい。更に詳述すると、赤燐系難燃剤が使用されるICパッケージの形態により、それぞれ好適な範囲の粒径が存在する。例えば、CSP(Chip size package、チップサイズパッケージ)やBGA(Ball grid Array、ボールグリッドアレイ)などの液状封止材やトランスファーBGAと呼ばれる薄型パッケージに使用する場合は、基板とICチップとの隙間(Gap)よりも大きい粒子が存在することは好ましくなく、この場合は、レーザー法により求められる平均粒径が1〜10μm、最大粒径が20μm以下であることが好ましい。これに対して、DIP(Dual inlin package、デュアル インライン パッケージ)やZIP(Zig−Zag inlin package、ジグザグ インライン パッケージ)と呼ばれる比較的厚型のICパッケージに使用する場合は、レーザー法により求められる平均粒径が10〜50μm、最大粒径が150μm以下が好ましい。TSOP(Thin smale outline package、薄型スモールアウトラインパッケージ)、TQFP(Thin quadflat package、薄型クリッド フラット パッケージ)とよばれる薄型ICパッケージに使用する場合は、この中間の粒度特性のものを使用することが好ましく、レーザー法により求められる平均粒径が5〜20μm、最大粒径が45μm以下が好ましい。
【0041】
本発明で用いる、特に上記の図1の結晶構造を保った水酸化亜鉛の被覆を有し、更らに、その表面に酸化亜鉛を含有するフェノール樹脂で被覆した特性の赤燐系難燃剤は、以下の製造方法により製造することができる。
【0042】
即ち、下記の(a1)〜(a5)工程を含むことを特徴とするエポキシ樹脂用赤燐系難燃剤の製造方法である。
(a1)赤燐粒子を少なくとも酸で洗浄する工程
(a2−1)該洗浄処理した赤燐粒子を水に分散させたスラリーに、可溶性亜鉛化合物及びアルカリ剤を添加してスラリーのpHを6.5以上に調整した後、反応させ赤燐粒子表面を水酸化亜鉛で被覆処理する工程、または(a2−2)該洗浄処理した赤燐粒子を水に分散させたスラリーに、可溶性亜鉛化合物及びアルカリ剤を添加してスラリーのpHを6.5以上に維持しながら赤燐粒子表面を水酸化亜鉛で被覆処理する工程。
(a3)該水酸化亜鉛を被覆した赤燐粒子を純水で10%スラリーとした時の電気伝導度が1000μS/cm以下となるまで洗浄処理する工程。
(a4)該洗浄処理した水酸化亜鉛で被覆した赤燐粒子を水に分散させたスラリーに、酸化亜鉛及びフェノールの初期縮合物を添加し、pH6.5以上で重合反応をおこなって水酸化亜鉛で被覆した赤燐粒子表面にフェノール樹脂で被覆して二重被覆赤燐を得る工程。
(a5)該二重被覆赤燐を20℃の水に10重量%分散したスラリーの電気伝導度が30μs/cm以下となるまで純水で洗浄して赤燐系難燃剤を得る工程。
【0043】
前記(a1)の工程は、酸及びアルカリから選ばれる少なくとも1種以上で洗浄を行う。すなわち少なくとも酸で洗浄処理した後、赤燐粒子を水に分散させ、赤燐粒子スラリーとする。赤燐粒子のこの洗浄工程は、硝酸等の酸によりスラリーのpHを2以下、好ましくは1.5以下とし、鉄、ニッケル、銅等の赤燐の酸化触媒となる金属分や、化学的に不安定で、発火があるとともにリン酸分イオンの溶出に一つの要因となる黄燐分を除去する。また、この酸による洗浄処理を行う前、赤燐粒子スラリーに水酸化ナトリウム等のアルカリを添加して、スラリーpHを9以上、好ましくは10以上とし、予め大部分の黄燐分を除去し、次いで、上記した酸処理を施して、鉄、ニッケル、銅等の金属分や、黄燐分の除去操作を行ってもよい。なお、アルカリ処理は、過酸化水素等の酸化剤の存在下におこなって、ホスフィンガスを酸化させながらおこなうことが好ましい。
【0044】
このような酸で洗浄処理した赤燐粒子は、更に純水で赤燐粒子スラリーのpHが2以上、好ましくは2.5以上となるまで洗浄処理することが好ましく、このように酸で洗浄処理した赤燐粒子は無処理のものと比べ、リン酸成分の溶出を低減することができる。
【0045】
なお、赤燐粒子は、予め、所望の平均粒径、最大粒径等の粒度を調製したものを用いることが好ましく、更に、粒径1μm未満のものを被覆することが技術的に難しいためこの粒子の占める割合が10重量%以下としたものを用いることが好ましい。
【0046】
(a2−1)または(a2−2)工程は、(a1)工程後の赤燐粒子を水に分散させたスラリーに、可溶性亜鉛化合物及びアルカリ剤を添加して水酸化亜鉛で赤燐粒子表面を被覆処理する工程である。この(a2−1)または(a2−2)工程において、pH6.5以上で水酸化亜鉛を赤燐粒子に沈着させ、熟成することが重要な要件となる。
【0047】
具体的には、(a1)工程後の赤燐粒子5〜30重量部、好ましくは10〜20重量部を水100重量部に分散させ赤燐スラリーを調製し、次いで、赤燐スラリーに、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛等の可溶性亜鉛化合物0.05〜3重量部、好ましくは0.2〜2重量部を添加し、アンモニアガス、アンモニア水、苛性ソーダ、苛性カリ、NaHCO3 、Na2 CO3 、K2 CO3 、KHCO3 、Ca(OH)2 等の無機アルカリ剤またはエタノールアミン等の有機アルカリ剤から選ばれた少なくとも1種以上のアルカリ剤を添加し、該スラリーのpHを6.5以上、好ましくは7.5〜8.5に調製し、温度40〜95℃、好ましくは75〜90℃で反応および熟成を行って微細な水酸化亜鉛を赤燐粒子表面に沈着させる。
【0048】
この(a2−1)または(a2−2)工程では赤燐粒子の表面を水酸化亜鉛で被覆するが、結晶構造を保った水酸化亜鉛の被覆を形成させるためには、可溶性亜鉛化合物にアルカリ剤添加後のpH管理が特に重要となる。
【0049】
(a2−1)工程では、かかる反応は可溶性亜鉛化合物を溶解した反応系にアルカリ剤をpHが6.5〜9になるように添加するが、反応が進行するに従って、例えば、原料として可溶性亜鉛化合物として硫酸亜鉛、アルカリ剤としてアンモニアを用いた場合には、硫酸等の酸成分が副生する。このため、反応系内のpHは反応当初よりpH6以下の酸性側にシフトしたものとなる。この反応系のpHが6.5未満では水酸化亜鉛の溶解性が増す傾向があるが水酸化亜鉛の被覆が形成される。
【0050】
一方、(a2−2)工程では、反応原料のアルカリ剤を添加した後でも、反応中、常にpHを6.5以上に保持するために、上記したアルカリ剤により適宜pH調製を行いながら酸成分の副生を防いで水酸化亜鉛を析出させること及びその後の熟成を行うことを特徴とする。
【0051】
次に、放冷した後、(a3)工程により、処理後の赤燐を10%スラリーとした時の電気伝導度が1000μs/cm以下、好ましくは500μs/cm以下となるまで水酸化亜鉛を被覆した赤燐をろ過洗浄する。この(a3)工程を施すことにより、後の(a5)工程の洗浄操作を赤燐粒子の被覆を傷つけることなく容易に実施することができるようになり、また、次の(a4)工程で被覆したフェノール樹脂中に極力不純物が取り込まれないで済むので、その使用の最中にこの被覆成分中に取り込まれた不純物による溶出を抑えることができる。
【0052】
かかる(a3)工程において、水酸化亜鉛を被覆した赤燐を洗浄する方法としては、特に制限はないがリパルプ等の手段により行うことが特に好ましい。
【0053】
(a4)工程は、(a3)工程後の水酸化亜鉛を被覆した赤燐を水に分散させたスラリーに、酸化亜鉛とフェノール樹脂の初期縮合物を添加し、フェノール樹脂の単独重合条件で重合反応を行って、水酸化亜鉛で被覆した赤燐粒子表面に酸化亜鉛を含有するフェノール樹脂を被覆して二重被覆赤燐を得る工程である。この(a4)工程において、pH6.5以上で重合反応及びその後の熟成を行うことが重要な要件となる。
【0054】
具体的には、(a3)工程後の水酸化亜鉛を被覆した赤燐5〜30重量部、好ましくは10〜20重量部を水100重量部に分散させ赤燐スラリーを調製し、次いで、該赤燐スラリーを、アンモニア、水酸化ナトリウム等のアルカリ又は塩酸、硝酸、硫酸等の酸を添加し、pHを7以上に調製し、次いで、前記の酸化亜鉛の粉末を0.25〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部と、フェノール樹脂(初期縮合物:固形分として)0.25〜3重量部、好ましくは0.5〜2重量部を添加して、60〜90℃で1〜3時間攪拌しながら重合反応を行う。
【0055】
この(a4)工程では上記したとおり、反応系のpHを常に6.5以上に維持することが重要であり、通常、反応開始前にpHを6.5以上に調製しても反応中や熟成中に赤燐から溶出するリン酸成分によりpHが次第に酸性側にシフトする。このため上記したようにpHが6.5未満になると赤燐粒子を被覆した水酸化亜鉛が溶解するため、この工程が終了するまで反応系内にアルカリ剤を適宜添加し、pHが6.5以上となるようにpH管理を行う。また、フェノール樹脂の重合反応は、pHが8を超えると極端に反応が遅くなることから重合反応中は好ましくは6.5〜7.5の範囲にpHを調製することが好ましい。
【0056】
なお、この(a4)工程において、赤燐スラリーに微細な酸化亜鉛を均一に分散させるため、必要に応じてヘキサメタリン酸アルカリや界面活性剤のような所望の分散剤の添加やコロイドミルやホモジナイザー又は超音波などの強力セン断分散処理等の分散処理を行ってもよい。
【0057】
反応終了後、(a5)工程で、該二重被覆赤燐を20℃の水に10重量%分散したスラリーの電気伝導度が30μs/cm以下、好ましくは20μs/cm以下となるまで純水で洗浄し、乾燥し、所望により粒度調整を行って製品とする。
【0058】
かかる(a5)工程において、二重被覆した赤燐を洗浄する方法としては、特に制限はないがリパルプ等の手段により行うことが特に好ましい。
【0059】
本発明にかかる赤燐系難燃剤は、所望により他の難燃剤、リン酸成分と反応して不溶性又は難溶性のリン酸塩として固定する金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩又は金属リン酸塩や無機イオン交換体を併用して用いることが出来る。
【0060】
併用することができる他の難燃剤としては、水和金属酸化物、含窒素系難燃剤、リン系難燃剤等が挙げられる。
【0061】
水和金属酸化物としては、吸熱反応による燃焼抑制作用のあるMmOn・xH2O(Mは金属、m、nは金属の原子価によって定まる1以上の整数、xは含有結晶水を示す。)で表わされる化合物または該化合物を含む複塩であり、具体的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム、ドーソナイト、スズ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム、塩基性炭酸亜鉛、ホウ砂、モリブデン酸亜鉛、リン酸亜鉛、リン酸マグネシウム、ハイドロタルサイト、ハイドロカルマイト、カオリン、タルク、セリサイト、パイロフィライト、ベントナイト、カオリナイト、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛等或いは特開2000―195993号公報に記載の多面体形状の複合金属水酸化物が挙げられる。
【0062】
含窒素系難燃剤としては、メラミン、メラミンシアヌレート、メチロール化メラミン、(イソ)シアヌール酸、メラム、メレム、メロン、サクシノグアミン、硫酸メラミン、硫酸アセトグアナミン、硫酸メラム、硫酸グアニルメラミン、メラミン樹脂、BTレジン、シアヌール酸、イソシアネール酸、イソシアヌール酸誘導体、メラミンイソシアヌレート、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン等のメラミン誘導体、グアニジン系化合物等が挙げられる。
【0063】
リン系難燃剤としては、例えば、リン酸トリエチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリフェニル、リン酸クレジルフェニル、リン酸オクチルジフェニル、ジエチレンリン酸エチルエステル、ジヒドロキシプロピレンリン酸ブチルエステル、エチレンリン酸ジナトリウムエステル、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチル―プロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチルブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミン、リン酸グアニル尿素、ポリリン酸メラミン、リン酸グアニジン、エチレンジアミンリン酸塩、ホスファゼン、メチルホスホン酸メラミン塩等が挙げられる。
【0064】
前記した他の難燃剤は1種又は2種以上で用いられ、これらの中、水和金属酸化物が好ましい。他の難燃剤の添加量は、赤燐系難燃剤100重量部に対して10〜1000重量部、好ましくは30〜300重量部である。
【0065】
リン酸成分と反応して不溶性又は難溶性のリン酸塩として固定化する金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩又は金属リン酸塩としては、例えば、Zn、Mg、Ti、Ca、Al、Co、Zr、Snから選ばれる酸化物、水酸化物、炭酸塩又はリン酸塩の1種又は2種以上が挙げられる。具体的には、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、オルト珪酸亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、珪酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化コバルト、水酸化コバルト、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酸化スズ、水酸化スズが挙げられ、これらは1種又は2種以上で用いられる。これらは含水物であっても無水物でもあってもよいが含水物の場合は、エポキシ樹脂と混練成型する際に、成型温度により水分が発生し、この水分が赤燐と反応してホスフィンを発生するなど不具合が生じる傾向があることから無水物の方が好ましい。
【0066】
無機イオン交換体としては、ハイドロカルマイト系無機アニオン交換体、ハイドロタルサイト系無機アニオン交換体、BiOX (OH)Y (NO3 )Z (X=0.9〜1.1、Y=0.6〜0.8、Z=0.2〜0.4)、Mg4.3 Al2 (OH)12.6CO3 ・3.5H2 O、Sb2 O5 ・2H2 O、SbSiv Biw Ox (OH)y (NO3 )z ・nH2 O(V=0.1〜0.3、w=1.5〜1.9、x=4.1〜4.5、y=1.2〜1.6、z=0.2〜0.3、n=1〜2)の無機アニオン交換体等を例示することが出来る。
【0067】
これらの金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩又は金属リン酸塩や無機イオン交換体の配合割合は、赤燐系難燃剤100重量部に対して、1〜20重量部、好ましくは5〜20重量部とすることが好ましい。
【0068】
また、本発明の赤燐系難燃剤は、所望によりエポキシ樹脂やフェノール樹脂等に、必要に応じて他の難燃剤、リン酸成分と反応して不溶性又は難溶性のリン酸塩として固定する金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩又は金属リン酸塩や無機イオン交換体或いは、通常エポキシ樹脂に配合させる硬化剤、硬化促進剤や着色剤、離型剤、表面処理剤等の添加剤を含有させたマスターバッチとして、エポキシ樹脂に適宜配合してもよい。マスターバッチを調製する場合には、赤燐含有量として、20〜40重量%、好ましくは25〜35重量%とすることが好ましい。
【0069】
本発明のエポキシ樹脂用赤燐系難燃剤は、赤燐から溶出するリンのオキソ酸の溶出がほとんどないことから、特に電気信頼性が要求される、例えば、半導体封止材、積層板、プリント配線板、フラットケーブル等の電気部品用のエポキシ樹脂の難燃剤として好適に用いることが出来る。
【0070】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0071】
実施例1
<(a1)工程>
塊状の赤燐を粉砕、分級して平均粒径が20μmで最大粒径が45μm、粒径1μm未満の粒子の含有量2重量%の赤燐を得た。この赤燐210gに水525gを加えて赤燐スラリーとし、過酸化水素水溶液を0.7ml加えた。次いで水酸化ナトリウム水溶液でpHを10に調製し、80℃で6時間保持した。次いで、硝酸を加え、pHを1に調製した後、80℃で4時間処理した後、ろ過し、スラリーのpHが2.5となるまで水で洗浄を行った。
【0072】
<(a2−2)工程>
この洗浄した赤燐粉末100gを純水800mlに懸濁させて赤燐のスラリーを調製した。次いで、硫酸亜鉛を0.01モル含有する硫酸亜鉛水溶液30mlを添加した後、温度80℃において攪拌しながらアンモニア水溶液をpHが8になるまで添加した。添加終了後、更にpHを7.0〜7.5の範囲となるようにアンモニア水溶液を用いて、pH管理を行いながら80℃で1時間攪拌を継続して、水酸化亜鉛の沈着処理を行った。このときの水酸化亜鉛の被覆量はICP発光分析の結果0.9重量%であった。なお、化学量論比より求めた理論量は0.99重量%である。また、得られた水酸化亜鉛を被覆した赤燐の電子顕微鏡写真を図1に、この水酸化亜鉛を被覆した赤燐について80℃における溶出試験を行った結果を表1に示す。
【0073】
<(a3)工程>
次いで、常法によりろ過して反応液からこの被覆赤燐を分離回収し、再び水を加えてスラリーとした後、常法によりリパルプして、この被覆赤燐の10%スラリーとした時の電気伝導度が300μs/cm以下になるまでろ過、リパルプを繰り返して行った。
【0074】
<(a4)工程>
洗浄終了後赤燐20gを純水180gに分散させ、攪拌しながらここにアンモニア水を加え、pHを10.0に調製した。次いで、平均粒径0.3μmの酸化亜鉛(東邦亜鉛社製;商品名:銀嶺)2gおよびフェノール樹脂(大日本インキ社製、初期縮合物、フェノライトTD2388;固形分26%)3.8gを添加し、添加終了後、10分間攪拌した後、塩酸を滴下しpHを7〜7.5に調製した。
次に、90℃で1時間、pHが下がらないようにアンモニア水を滴下して反応系のpHを6.5〜7に維持しながら90℃で1時間反応させた。
【0075】
<(a5)工程>
次に、放冷したのち、20℃の10%スラリーの電気伝導度が30μs/cm以下になるまで純水でろ過、洗浄を行った。ろ過ケーキは軽く分散させながら減圧乾燥したのち、140℃で2時間硬化処理を行い、放冷後、100メッシュのフルイを通過させて赤燐系難燃剤を調製した。この赤燐系難燃剤の主物性を表2に示す。
【0076】
実施例2
<(a1)工程>
塊状の赤燐を粉砕、分級して平均粒径が20μmで最大粒径が45μm、粒径1μm未満の粒子の含有量2重量%の赤燐を得た。この赤燐210gに水525gを加えて赤燐スラリーとし、過酸化水素水溶液を0.7ml加えた。次いで水酸化ナトリウム水溶液でpHを10に調製し、80℃で6時間保持した。次いで、硝酸を加え、pHを1に調製した後、80℃で4時間処理した後、ろ過し、スラリーのpHが2.5となるまで水で洗浄を行った。
【0077】
<(a2−1)工程>
この洗浄した赤燐粉末100gを純水800mlに懸濁させて赤燐のスラリーを調製した。次いで、硫酸亜鉛を0.01モル含有する硫酸亜鉛水溶液30mlを添加した後、温度80℃において攪拌しながらアンモニア水溶液をpHが8になるまで添加した。添加終了後、pH管理をおこなわず、そのまま80℃で1時間攪拌を継続して、水酸化亜鉛の沈着処理を行った。このときの水酸化亜鉛の被覆量はICP発光分析の結果0.3重量%であった。なお、化学量論比より求めた理論量は0.99重量%であり、沈着処理終了後の反応系のpHは5であった。
【0078】
また、得られた水酸化亜鉛を被覆した赤燐の電子顕微鏡写真を図2に示し、この水酸化亜鉛を被覆した赤燐について80℃における溶出試験を行った結果を表1に示す。
【0079】
<(a3)工程>
次いで、常法によりろ過して反応液からこの被覆赤燐を分離回収し、再び水を加えてスラリーとした後、常法によりリパルプして、この被覆赤燐の10%スラリーとした時の電気伝導度が300μs/cm以下になるまでろ過、リパルプを繰り返して行った。
【0080】
<(a4)工程>
洗浄終了後赤燐20gを純水180gに分散させ、攪拌しながらここにアンモニア水を加え、pHを10.0に調製した。次いで、平均粒径0.3μmの酸化亜鉛(東邦亜鉛社製;商品名:銀嶺)2gおよびフェノール樹脂(大日本インキ社製、初期縮合物、フェノライトTD2388;固形分26%)3.8gを添加し、添加終了後、10分間攪拌した後、塩酸を滴下しpHを7.0〜7.5に調製した。
次に、90℃で1時間、pH管理をおこなわずそのまま反応させた。反応終了後の反応系内のpHは5であった。
【0081】
<(a5)工程>
次に、放冷したのち、20℃の10%スラリーの電気伝導度が30μs/cm以下になるまで純水でろ過、洗浄を行った。ろ過ケーキは軽く分散させながら減圧乾燥したのち、140℃で2時間硬化処理を行い、放冷後、100メッシュのフルイを通過させて赤燐系難燃剤を調製した。この赤燐系難燃剤の主物性を表2に示す。
【0082】
<水酸化亜鉛を被覆した赤燐の80℃における溶出試験>
実施例1および実施例2の(a2−2)工程および(a2−1)工程後の水酸化亜鉛を被覆した赤燐について下記の要領で溶出イオンの濃度の測定を行った。
【0083】
水酸化亜鉛を被覆した赤燐8.0gを100mlのポリプロピレン製ビンに採取し、蒸留水80mlを加えて密栓する。送風定温乾燥機にて80℃で、20時間加熱、抽出後、乾燥機より取り出し、10分以内に常温まで冷却し、上澄み液をろ過した後、ろ液中の溶出PO4 イオン濃度、PHO3 イオン濃度、PH2 O2 イオン濃度をイオンクロマトグラフで測定した。その結果を表1に示す。なお、表中のN.D.は、溶出PO4 イオン濃度が0.09ppm以下を示す。
【0084】
【表1】
【0085】
図1、図2及び表1の結果より実施例1の(a2−2)工程後の水酸化亜鉛の被覆と、実施例2の(a2−1)工程後の水酸化亜鉛の被覆とでは、水酸化亜鉛の被覆特性が明らかに異なり、実施例1の水酸化亜鉛の被覆は、実施例2のものと比べ結晶構造を保った緻密な被覆が形成され、粒子の大きさも大きいことが分かる。
【0086】
比較例1
前記実施例1の(a4)工程において、酸化亜鉛を添加しない以外は実施例1と同様な条件で赤燐系難燃剤を得た。この赤燐系難燃剤の主物性を表2に示す。
【0087】
比較例2
塊状の赤燐を粉砕、分級して平均粒径が20μmで最大粒径が45μm、粒径1μm未満の粒子の含有量2重量%の赤燐を得た。この赤燐210gに水525gを加えて赤燐スラリーとし、過酸化水素水溶液を0.7ml加えた。次いで水酸化ナトリウム水溶液でpHを10に調製し、80℃で6時間保持した。次いで、硝酸を加え、pHを1に調製した後、80℃で4時間処理した後、ろ過し、スラリーのpHが2.5となるまで水で洗浄を行った。
【0088】
この洗浄した赤燐粉末100gを純水1000mlに懸濁させて赤燐のスラリーを調製した。次いで、水酸化アルミニウム(Al(OH)3 )換算で1gに相当する量の硫酸アルミニウムを添加した。添加終了後、30分間攪拌した後、水酸化ナトリウムを添加してスラリーのpHを8.0に調製し、その後液温を85℃まで上げて85℃で2時間熟成を行った。
【0089】
次いで、常法によりろ過して反応液からこの被覆赤燐を分離回収し、再び水を加えてスラリーとした後、常法によりリパルプして、この被覆赤燐の10%スラリーとした時の電気伝導度が300μs/cm以下になるまでろ過、リパルプを繰り返して行った。
【0090】
ろ過ケーキを水に分散させて、攪拌しながらフェノール樹脂(大日本インキ社製、初期縮合物、フェノライトTD2388;固形分26%)を固形物換算で赤燐に対して5%相当分を添加し、更に塩酸を添加してスラリーのpHを2以下とした。スラリーを加熱して90℃で1時間保持してフェノール樹脂の硬化反応を完結させた。
【0091】
放冷した後、10%スラリーの電気伝導度が30μs/cm以下になるまで十分にスラリーのろ過、洗浄を行った。ろ過ケーキは軽く分散させながら減圧乾燥したのち、140℃で2時間硬化処理を行い、放冷後、100メッシュのフルイを通過させて赤燐系難燃剤を調製した。この赤燐系難燃剤の主物性を表2に示す。
【0092】
<電気伝導度の測定>
上記で調製した赤燐系難燃剤を純水に分散させ10重量%スラリーとした時の電気伝導度を測定したその結果を表2に示す。なお、電気伝導度の測定は溶出イオンの測定用検液を使用して、電気伝導度計により測定した。
【0093】
<粒径の測定>
上記で調製した赤燐系難燃剤をレーザー法で、マイクロトラック(X100型)粒度分布測定装置により、平均粒径を測定した。また、分析用フルイにて最大粒径を測定した。その結果を表2に示す。
【0094】
<赤燐系難燃剤の溶出イオン及び電気伝導度の評価>
実施例1〜2及び比較例1〜2で調製した赤燐系難燃剤について下記の要領で溶出イオンの濃度の測定を行った。
【0095】
赤燐系難燃剤8.0gを100mlのポリプロピレン製ビンに採取し、蒸留水80mlを加えて密栓する。送風定温乾燥機にて80℃で、20時間加熱、抽出後、乾燥機より取り出し、10分以内に常温まで冷却し、上澄み液をろ過した後、ろ液中の溶出PO4 イオン濃度、PHO3 イオン濃度、PH2 O2 イオン濃度をイオンクロマトグラフで測定した。その結果を表3に示す。
【0096】
また、加熱条件を160℃で、20時間にし、ろ液中の溶出PO4 イオン濃度、PHO3 イオン濃度、PH2 O2 イオン濃度をイオンクロマトグラフで測定した。その結果を表3に示す。
【0097】
また、上記の溶出イオンの測定で用いたろ液の電気伝導度を20℃で測定した。その結果を表3に示す。なお、電気伝導度の測定は溶出イオンの測定用検液を使用して、電気伝導度計により測定した。
【0098】
【表2】
【0099】
(注)水酸化亜鉛の被覆量の値は、(a2−1),(a2−2)工程後のものをICP発光分析で測定した値である。
【0100】
【表3】
【0101】
(注)表3中の*1は80℃×20hrs、*2は160℃×20hrsの測定条件を示す。
【0102】
次に、前記で調製した赤燐系難燃剤試料30重量部、無機系難燃剤として、水酸化アルミニウム(住友化学;CL−310、平均粒径11μm)35重量部、ノボラック型フェノール樹脂(硬化剤、住友ベークライト;PR53195)35重量部を均一に混合してマスターバッチを調製した。
【0103】
<難燃性の評価>
下記組成物
エポキシ樹脂(油化シェル、YX−4000H) 113.98重量部
フェノール樹脂《群栄化学、PSM4261》 61.50重量部
トリフェニルホスフィン(北興化学) 2.26重量部
OPワックス(ヘキスト) 1.13重量部
カーボンブラック(三菱化学) 1.13重量部
溶融シリカ(日本化学、シルスターM2430) 820.0重量部
マスターバッチ 33.3重量部
の混合物をミキサーで常温混合し、2軸熱ロールで80〜85℃で7分間混練したのち、剥離、冷却、粉砕してエポキシ樹脂組成物を調製した。次いで、トランスファー成型機で、成型温度175℃、成型樹脂圧7MPa、成型時間120秒の条件で燃焼試験用として、12.5mm×125mm×1mm厚さの試験片を成型した。これらの試験片を使用して、UL−94による燃焼試験を行った。その結果を表4に示す。
【0104】
【表4】
【0105】
【発明の効果】
上記したとおり、本発明の赤燐系難燃剤は、リンのオキソ酸の溶出が低減されていることから、特に電気信頼性が要求される、例えば、半導体封止材、積層板、プリント配線板、フラットケーブル等の電気部品用へ適用を可能とすることができる耐食性に優れた赤燐系難燃剤である。
又本発明の赤燐系難燃剤は、エポキシ樹脂の難燃性に優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の(a2−2)工程後の赤燐粒子表面上に形成させた水酸化亜鉛被膜の状態を示す赤燐粒子構造の電子顕微鏡写真(倍率2000倍)である。
【図2】実施例2の(a2−1)工程後の赤燐粒子表面上に形成させた水酸化亜鉛被膜の状態を示す赤燐粒子構造の電子顕微鏡写真(倍率2000倍)である。
Claims (4)
- 赤燐粒子の表面に第一次被覆が水酸化亜鉛の被覆からなり、第二次被覆が酸化亜鉛を含有するフェノール樹脂被覆からなる二重被覆層が形成されたP含有量が65〜97重量%の赤燐系難燃剤であって、該赤燐系難燃剤は下記の(D1)〜(D3)の特性を有することを特徴とするエポキシ樹脂用赤燐系難燃剤。
(D1)赤燐粒子に対する水酸化亜鉛の被覆量が0.5〜10重量%で、
(D2)20℃の水に赤燐系難燃剤を10重量%分散させたスラリーの電気伝導度が30μs/cm以下で、
(D3)該赤燐系難燃剤8gに水80mlを加えて80℃で20時間加熱した際に溶出するPO4イオン濃度が10ppm以下で、PHO3イオン濃度が200ppm以下で、PH2O2イオン濃度が150ppm以下で、且つ80℃で20時間放置後の電気伝導度が100μs/cm以下である。 - 前記赤燐粒子の表面の第一次被覆が可溶性亜鉛化合物とアルカリ剤をpH6.5以上で反応させて生成した水酸化亜鉛の被覆からなる請求項1記載のエポキシ樹脂用赤燐系難燃剤。
- 前記赤燐系難燃剤は、該赤燐系難燃剤8gに水80mlを加えて160℃で20時間加熱した際に溶出するPO4イオン濃度が100ppm以下で、PHO3イオン濃度が250ppm以下で、PH2O2イオン濃度が2000ppm以下で、且つ160℃で20時間放置後の電気伝導度が2000μs/cm以下である請求項1または2記載のエポキシ樹脂用赤燐系難燃剤。
- 前記赤燐系難燃剤の平均粒径が1〜50μmの範囲である請求項1乃至3のいずれかの項に記載のエポキシ樹脂用赤燐系難燃剤。
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