JP4013689B2 - 炭化水素改質用触媒、炭化水素分解装置、及び燃料電池用改質器 - Google Patents

炭化水素改質用触媒、炭化水素分解装置、及び燃料電池用改質器 Download PDF

Info

Publication number
JP4013689B2
JP4013689B2 JP2002221157A JP2002221157A JP4013689B2 JP 4013689 B2 JP4013689 B2 JP 4013689B2 JP 2002221157 A JP2002221157 A JP 2002221157A JP 2002221157 A JP2002221157 A JP 2002221157A JP 4013689 B2 JP4013689 B2 JP 4013689B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
nickel
reforming
reaction
hydrocarbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002221157A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004057963A (ja
Inventor
徳雄 松崎
康法 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP2002221157A priority Critical patent/JP4013689B2/ja
Publication of JP2004057963A publication Critical patent/JP2004057963A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4013689B2 publication Critical patent/JP4013689B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化水素改質用触媒、その触媒を用いた炭化水素分解装置、及び燃料電池用改質器に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭化水素を水素と一酸化炭素を含むガスへ変換する改質反応には、水蒸気改質、炭酸ガス改質、部分酸化改質、オートサーマル改質など種々の反応形式が知られている。本発明における触媒は、改質反応の形式で特に限定されるものではないが、部分酸化改質、オートサーマル改質のような分子状酸素を導入しての改質反応に有用に用いるものである。
【0003】
炭化水素改質反応において触媒に要求される基本的な性能は、活性が高いこと、さらに触媒寿命が長いことである。改質反応では、触媒上で炭素質の析出、触媒種のシンタリング、担体種の変化などにより触媒活性が低下することがあるため、長寿命触媒の開発は特に大きな課題でもある。また、触媒調製の容易さ、触媒の取り扱い易さも実用面からは重要なポイントである。さらに触媒そのものコストもより安価であることが要求される。
【0004】
このため、種々のタイプの触媒が開発されたり提案されている(例えば、Applied Catalsis A:General221(2001)p.459、 触媒学会編 触媒講座第8巻p.263〜273(講談社1986年発行) 、特開平2001−348207)。公知の改質反応の触媒は、基本的には、触媒活性成分と触媒担体から構成されている。すなわち触媒活性成分である金属の粒子が担体表面或いは担体の細孔内上に担持されている。特に、触媒活性成分としては、ニッケル粒子が活性もあり広く用いられている。そのようなニッケル担持触媒はコストも比較的安価であり実用性の高い触媒である。また貴金属が担持した触媒にも活性が高いものがあることは知られているが、触媒のコストが高いという問題点がある。
【0005】
改質触媒は実用的には長寿命であることが不可欠であり、ニッケル担持触媒についても、長寿命の触媒を開発する方向で種々検討されている。改質反応が高温であるため、耐熱性無機材料担体にNiを担持した触媒が提案されている。例えば、Catalysis Letters,74,No.1-2,p.31(2001)にはアルミナ、マグネシア、ジルコニア、Mgスピネルなどを担体としたNi/Al2O3、Ni/MgO、Ni/ZrO2、Ni/MgAl2O4などの各種Ni 担持触媒が検討されている。
【0006】
例えば、特開平5−161848には、特殊なマグネシア担体を用いてのNi/MgO触媒の調製が報告されている。なお、これらニッケル担持触媒は触媒調製時にニッケルが酸化物粒子と担持されるため、使用前に水素還元し活性化して使用される。
【0007】
また、特公昭49−9312号やJ.Catal. vol.204,(2001),p.89には、触媒組成として、先ず、Ni−耐火性酸化物−アルカリ化合物系触媒が記載されている。これら文献では、触媒にアルカリ化合物を含むことによって、炭化水素の水蒸気改質反応や炭酸ガス改質反応において触媒失活の一因である炭素析出が抑制される触媒になることを教えている。このように、Ni系改質触媒には、炭素の析出を防止するためアルカリ成分が添加されていることが多い。
【0008】
しかしながら、カリウムなどアルカリ成分の種類によっては、反応中に触媒のアルカリ成分が飛散して反応装置、配管その他に腐蝕を引き起こすなど別の問題を引き起こす可能性もある。また、触媒は使用前には水素還元して活性化される。
【0009】
また、Chemistry Letter, 2001,p.88には、Ni/Ce-ZrO2系触媒が示されている。すなわち、Ceで修飾されたZrO2担体上に、Ni化合物を担持し還元処理することによって、Ni担持触媒としている。炭化水素の部分酸化改質反応において活性低下が少ない安定な性能の触媒となることが示されている。
【0010】
特開2000−79340号公報には、炭素含有Ni/α‐Al23と炭素含有NiAl2O4とからなる触媒系が炭化水素の水蒸気改質に安定な触媒系であると報告している。Ni粒子の結晶の格子定数を大きくしたことを特徴にしている。
【0011】
触媒誌vol.44,(2002),p.131には、Ni置換ハイドロタルサイト([NixMg3-xAl(OH)8]1/2CO3 2-・2H2O, x=0.25-1.0)を調製し、焼成、還元処理により高活性、高安定性の改質触媒が得られることが示されている。すなわち、この系の触媒は、Ni置換ハイドロタルサイト前駆体を用い、さらに還元処理して高分散のNi金属微粒子を形成させ、高活性改質触媒としている。なお、還元処理をしないと活性が発現しないとされている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、炭化水素の改質反応において経済性が高く、且つ取り扱いの容易な触媒を提供することを目的とする。すなわち高価な貴金属を含まなく、高活性でしかも長時間安定した活性を示す触媒を提供する。特にNi系触媒では、通常、炭素析出による活性低下が起こるが、本発明では高活性で、しかも活性低下の起こり難い触媒を提供することを目的とする。
【0013】
従来の改質触媒は、担体に金属微粒子が担持されているものであるため、ある種の貴金属担持触媒を除き、触媒調製時に、或いは触媒使用前に、水素還元のような特別な活性化処理を必要とする。水素還元された多くの金属担持触媒は、空気に触れると劣化するため、実質的には反応器中で使用直前に還元する。このことは、水素のような還元ガスの使用を必要とし、しかも安全性が確保できない限り触媒として使用出来ないことにもなり、実用にあたって制約のある触媒でもある。従って、水素還元処理を施さなくても安定的に活性で、しかも空気中でも失活しない触媒が望まれる。本発明では、特にNiのような経済性の高い卑金属を構成成分とする酸化物を触媒物質として用いることを検討した。これにより、従来のNi担持型触媒において不可避とされている水素還元処理を行なわなくても高い活性を長時間安定的に発現する炭化水素改質触媒を提供しようすることを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、従二価金属及びアルミニウムからなるスピネル化合物であることを特徴とする炭化水素改質用触媒に関する。
【0015】
また、本発明は、二価金属がニッケルであることを特徴とする上記の触媒に関する。
【0016】
また、本発明は、該触媒としてニッケル(Ni)とアルミニウム(Al)を原子比Ni/Al=0.01/2〜0.5/2の比率で含む多孔質の欠損型スピネル結晶構造体であることを特徴とする触媒に関する。
【0017】
また、本発明は、上記の触媒を用いることを特徴とする炭化水素分解装置に関する。
【0018】
また、本発明は、上記の炭化水素分解装置を用いることを特徴とする燃料電池用改質器に関する。
【0019】
【発明の実施形態】
本発明の触媒は、二価金属及びアルミニウムからなるスピネル化合物であることを特徴とする炭化水素改質用触媒である。
【0020】
二価金属としては、ニッケル、マグネシウム、コバルト、鉄などが挙げられる。中でも、ニッケルが好ましい。
【0021】
触媒の構造としては、ニッケル(Ni)とアルミニウム(Al)を原子比Ni/Al=0.01/2〜0.5/2、好ましくは、 0.02/2 〜0.2/2 の比率で含む多孔質の欠損型スピネル結晶構造体であることが好ましい。
【0022】
本発明において、スピネルとは、例えば、化学式MgAl24 (あるいはMgO・Al23 )で表わされるマグネシウムとアルミニウムの複合酸化物(マグネシウムアルミネート)であり、センショウ石とも呼ばれていて、従来より耐火物の材料として多く用いられている。一方、スピネル型構造とは、AB24型の化合物(AとBとは2価または3価の金属元素)に見られる代表的な結晶構造型であって、正八面体もしくは略正八面体の外形を呈する結晶であって、立方格子に属し、酸素原子がほぼ立方最密パッキングに詰まった形の構造を意味する。
【0023】
また、本発明のニッケルアルミネートNiAl24とはこのスピネル型構造を有する化合物の一つである。また、スピネル型構造をとる物質にはγ‐Al2Oに代表されるように、結晶構造は基本的にはMgAl24と同様なスピネル型構造であるが、欠損があるスピネル型構造の物質もある。欠損型のスピネル型構造の物質もX線回折において、スピネル型構造の場合と同様な回折ピークを与える。NiAl24についても、Ni/Al原子比が1/2の場合に理想的なスピネル型構造となるが、本発明のようにNi/Al原子比が1/2以下の場合には欠損型のスピネル型構造をとりうる。
【0024】
本発明のニッケルとアルミニウムの原子比Ni/Al=0.01/2〜0.5/2の比率で含む多孔質のスピネル結晶構造体とは、他に共存金属がない場合は欠損型のスピネル型構造のニッケルアルミネートと見なされるものである。実際は、文字通り欠損型のスピネル型構造のニッケルアルミネートか、或いはNiAl24スピネルと欠損型スピネル型構造のγ‐Al2O の混合物と考えられるものである。本発明では、このどちらであるかを特定するものではない。すなわち、本発明のニッケルアルミネート触媒の原子配列において完全なスピネル構造のものであっても、また欠陥型のスピネル構造のものであってもよい。
【0025】
また、本発明のニッケルアルミネート触媒は、多孔質の粉末あるいは成型体であるが、その表面部分のみにスピネル構造を持つものであってもよい。すなわち、たとえば、表面部分がスピネル構造を持ち、内部が非晶質構造あるいは他の結晶構造のものであってもよい。また、本発明のスピネル型構造を有するニッケルアルミネート系触媒の内部の化学組成は、表面部分と同一である必要はなく、たとえば、内部はアルミナなどの他の物質から構成されていてもよい。
【0026】
さらに、本発明では触媒の成分について、原子比Ni/Al=0.01/2〜0.5/2としているが、改質反応に悪い効果を与えない限り、他の金属、例えば、アルカリ土類、希土類などの金属を共存させてもよい。その場合、スピネル型構造をとりうる金属を添加しても良いし、またスピネル型構造をとらない金属を加えてもよい。
【0027】
本発明のスピネル型構造を有するニッケルアルミネート触媒は、その形状において限定されるものではない。粉末であっても、成形体であっても、また、別の基材、例えば、ハニカム基材の上に形成されていてもよい。
【0028】
本発明におけるニッケルアルミネート触媒は多孔質であることが望ましく、通常、細孔容積が0.1〜1.5mL/g、好ましくは0.3〜1.3mL/gの範囲のものを用いることができる。
【0029】
本発明における多孔質ニッケルアルミネート触媒は種々の方法で調製することができるが、以下に基本的な調製法を述べる。
【0030】
本発明の多孔質ニッケルアルミネート触媒は、アルミナゾルとニッケル塩水溶液とから製造することもできる。すなわち、アルミナゾルとニッケル塩を含む水溶液を、アルミナゾル中のアルミニウム成分に対して、二価金属成分が例えば約0.5/2(原子比)となるような量で混合したのち、ロータリーエバポレータなどを用いて水を蒸発させ、次に、たとえば110℃で10時間乾燥する。そして、得られたニッケル塩とアルミナゾルの混合物を700℃以上(好ましくは700〜1300℃)の温度で焼成することにより、ニッケル塩の分解を経て、本発明のスピネル型構造を有する多孔質ニッケルアルミネート系触媒を製造することができる。このような多孔質ニッケルアルミネート触媒は、その製造途中にて、あるいは製造後に必要に応じてふるいなどを用いて適宜整粒或いは成形を行なうこともできる。例えば、上記の乾燥の前にアルミナゾルとニッケル塩との混合物を押し出し成形してペレット状としたのち、その後の乾燥と焼成を行なうことができる。または、アルミナゾルとニッケル塩との混合物の乾燥品を打錠成形などで成形体としてもよい。
【0031】
アルミナの成形体を用いても、ニッケルアルミネート触媒を調製することができる。原料のアルミナとしては、多孔質の活性アルミナまたはγ‐アルミナの成形体を用いる。
【0032】
即ち、まず、二価金属のニッケル塩の水溶液を調製する。そして、この水溶液に上記の多孔質アルミナ成形体を、アルミニウム成分に対して、ニッケル成分が例えば0.5/2(原子比)となるような量で含浸し、次いでロータリーエバポレータなどの蒸発用器具を用いて水を蒸発させて、アルミナ成形体にニッケルを吸着(あるいは付着)させ、その後、たとえば110℃で10時間乾燥する。そして、得られたニッケル吸着アルミナ成形体を、700℃以上(好ましくは700〜1300℃)の温度で焼成することにより、欠損型のスピネル型構造を有する多孔質ニッケルアルミネート触媒を製造することができる。なお、本発明の多孔質ニッケルアルミニウム触媒は、その製造途中にて、あるいは製造後に、必要に応じてふるいなどを用いて適宜整粒を行なうこともできる。
【0033】
本発明のスピネル触媒は、炭化水素を水素、一酸化炭素を含むガスに改質するための触媒として用いられることができる。
すなわち、水蒸気改質、炭酸ガス改質、オートサーマル法、部分酸化法など公知の改質反応での触媒として用いることができる。反応温度は500−900℃が適している。
【0034】
炭化水素としては、パラフィン類、シクロパラフィン類、オレフィン類、シクロオレフィン類などを挙げることができる。具体的には、例えば、イソオクタン、メタン、プロパンなどをあげることができる。中でも、イソオクタンが好適である。これら炭化水素は単独でも良いし、また混合物でも良い。このため、例えばガソリン成分や天然ガス成分の炭化水素類を水素、一酸化炭素を主成分とするガスに改質するのに適用できる。中でもイソオクタンの酸化的水蒸気改質、メタンの部分酸化改質に好適である。
また、一酸化炭素の高温改質触媒としても使用することができる。
また、燃料電池用の水素製造触媒としても用いることができる。
【0035】
【実施例】
(実施例1) 〔 触媒(A)の調製 〕
スピネル結晶構造を有し、所定のNi/Al比である触媒を以下のようにして調製した。すなわち、硝酸ニッケル6水和物0.20gを量り取り、メタノール0.8mlに溶解した。次いで、20〜40メッシュに整粒した多孔質のγ−アルミナ(比表面積150m/g)1.0gをこの溶液に浸漬しニッケル成分を含浸させた。これを減圧下70℃で乾燥させ、さらに400℃で1時間空気中熱処理を行った。次にこれを電気炉にて空気中900℃で焼成し触媒とした。
【0036】
なお、この触媒のX線回折を図1に示すが、回折ピークより単相のスピネル結晶構造物であった。なお、酸化ニッケル或いはニッケル金属粒子による回折ピークは存在しなかった。さらに、触媒の電子顕微鏡測定でもニッケルの粒子は存在せず、EDS測定で点分析よりAlとNiは均一に分布していることが確認された。またEPMAによる元素分析からNi含有量は4.0wt%(原子比Ni/Al=0.07/2)であった。したがって、この触媒は欠損型のスピネル化合物Ni0.07Al3.04(或いは(AlNi)(AlNi)O3.04, w+y=2, x+z=0.07)と同定された。
【0037】
(実施例2) (イソオクタンの水蒸気改質反応)
実施例1で調製された触媒(A)0.50gを反応器に充填し、反応温度850℃で窒素ガスを50ml/minで流しながら、イソオクタンを10 g/h、水を0.25g/hの速さで導入し、反応を行った。なお、この場合はS/C=2に相当する。
反応開始5時間後の結果は、イソオクタン転化率は100%であり、CO 540mmol/h、CO 245mmol/h、CH 84mmol/h、H 2930mmol/hの速度で反応ガスが得られた。即ち、H/CO比は3.7であり、水素生成速度は65.6Nm/kghであった。この反応中の数時間では活性の低下はまったく見られなかった。
【0038】
(比較例1) (触媒(B)の調製と水蒸気改質)
硝酸ニッケル6水和物1.50gを量り取り、メタノール6mlに溶解した。
次いで、30%シリカゾル3.30gをこの溶液と混合し、ロータリエバポレーターで乾燥させた。これを200℃で乾燥させ、さらに500℃で1時間空気中熱処理を行った。次にこれを雰囲気炉にて水素中450℃で還元し触媒(B)とした。
【0039】
この触媒はX線回折より、ニッケルに関わる物質としてはニッケル金属粒子と酸化ニッケルの2種が回折ピークとして確認された。
この触媒を用いて、反応温度を800℃とした以外は実施例2と同じ条件で、イソオクタンの水蒸気改質反応を行った。反応開始2時間後の結果は、イソオクタン転化率は100%であり、CO 100mmol/h、CO 232mmol/h、CH 41mmol/h、H 1297mmol/hの速度で反応ガスが得られた。即ち、H/CO比はほぼ13、水素生成速度は29.1Nm/kghであった。
なお、この触媒の活性は数時間で初期活性の1/10以下に低下した。
【0040】
(実施例3) (イソオクタンのオートサーマル(酸化的水蒸気)改質反応)
実施例1で調製された触媒(A)0.50gを反応器に充填し、反応温度850℃で窒素ガスを50ml/minで、酸素ガスを90ml/min.で流しながら、イソオクタンを10 g/h、水を0.25g/hの速さで導入し、反応を行った。なお、この場合はS/C=2に相当する。
反応開始5時間後の結果は、イソオクタン転化率は100%であり、CO 661mmol/h、CO 443mmol/h、CH 64mmol/h、H 1995mmol/hの速度で反応ガスが得られた。即ち、H/CO比はほぼ3であり、水素生成速度は44.7Nm/kghであった。
【0041】
(実施例4) (触媒(C)の調製とイソオクタンの酸化的水蒸気改質)
実施例1に示した方法において硝酸ニッケル6水和物の使用量を所定量に変えることによって、触媒としてNi0.14Al3. 1 (或いは(AlwNix)(AlyNiz)O3.14,w+y=2,x+z=0.14)と同定される欠損型のスピネル化合物の触媒(C)を調製した。
この触媒を用いて、反応温度を800℃とした以外は実施例3と同じ条件で、イソオクタンのオートサーマル改質反応を行った。 反応開始5時間後の結果は、イソオクタン転化率は100%であり、CO 742mmol/h、CO 437mmol/h、CH 0mmol/h、H 2194mmol/hの速度で反応ガスが得られた。即ち、H/CO比はほぼ3、水素生成速度は49.1Nm/kghであった。
【0042】
(実施例5) (触媒(D)調整とイソオクタンの酸化的水蒸気改質)
実施例1に示した方法において、硝酸ニッケル6水和物の使用量を所定量に変え、さらに硝酸マグネシウムを所定量加えることによって、触媒としてNi0.14Mg0.2Al3. 3 (或いは(AlwNixMg0.2)(AlyNiz) O3.34,w+y=2,x+z=0.14)と同定された欠損型のスピネル化合物の触媒(C)を調製した。
【0043】
この触媒を用いて、反応温度を800℃とした以外は実施例3と同じ条件で、イソオクタンのオートサーマル改質反応を行った。反応開始5時間後の結果は、イソオクタン転化率は100%であり、CO 605mmol/h、CO 523mmol/h、CH 34mmol/h、H 2146mmol/hの速度で反応ガスが得られた。即ち、H/CO比は3.5であり、水素生成速度は48.1Nm/kghであった。
【0044】
(実施例6)(触媒(A) 寿命試験−イソオクタンの酸化的水蒸気改質)
触媒(A)を用い、実施例3と同条件で触媒の寿命試験を行った結果を図2に示す。イソオクタンの酸化的水蒸気改質において安定した触媒活性が示された。
【0045】
(実施例7) (メタンの部分酸化改質反応)
実施例4で調製された触媒(C)0.50gを反応器に充填し、反応温度800℃でメタンガスを100ml/min、酸素ガスを60ml/minおよび窒素ガスを240ml/minで流し、反応を行った。なお、この場合のガス空間速度SVは12000/hに相当する。
反応開始5時間後の結果は、メタン転化率は100%であり、CO 471mmol/h、CO 24mmol/h、CH 5mmol/h、H 977mmol/hの速度で反応ガスが得られた。即ち、H/CO比はほぼ2、水素生成速度は21.9Nm/kghであった。
【0046】
(実施例8) (触媒(C) 寿命試験−メタンの部分酸化改質)
実施例4で調製された触媒(C)を用いて、実施例7と同条件で触媒の寿命試験を行った結果を図3に示す。メタンの部分酸化改質において安定した触媒活性が示された。
【0047】
【発明の効果】
炭化水素の改質反応を行なうにあたって、本発明のスピネル型構造を有する多孔質ニッケル・アルミネート系触媒を用いることによって、高い改質反応性が示され、かつ触媒活性の長期安定になるなどの活性や耐久性などの特性が示され、またその製造も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の触媒(A)のX線回折図を示す。
【図2】 実施例6のオートサーマル改質 触媒寿命試験を示す。
【図3】 実施例8の部分酸化改質 触媒寿命試験を示す。

Claims (1)

  1. ニッケル(Ni)とアルミニウム(Al)を原子比Ni/Al=0.07/2〜0.14/2の比率で含む多孔質の欠損型スピネル結晶構造体であることを特徴とする炭化水素改質用触媒。
JP2002221157A 2002-07-30 2002-07-30 炭化水素改質用触媒、炭化水素分解装置、及び燃料電池用改質器 Expired - Fee Related JP4013689B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002221157A JP4013689B2 (ja) 2002-07-30 2002-07-30 炭化水素改質用触媒、炭化水素分解装置、及び燃料電池用改質器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002221157A JP4013689B2 (ja) 2002-07-30 2002-07-30 炭化水素改質用触媒、炭化水素分解装置、及び燃料電池用改質器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004057963A JP2004057963A (ja) 2004-02-26
JP4013689B2 true JP4013689B2 (ja) 2007-11-28

Family

ID=31941557

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002221157A Expired - Fee Related JP4013689B2 (ja) 2002-07-30 2002-07-30 炭化水素改質用触媒、炭化水素分解装置、及び燃料電池用改質器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4013689B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8129304B2 (en) 2004-02-02 2012-03-06 National Institute For Materials Science Intermetallic compound Ni3Al catalyst for reforming methanol and methanol reforming method using same
WO2010122855A1 (ja) 2009-04-24 2010-10-28 国立大学法人山梨大学 一酸化炭素の選択的メタン化触媒、その製造方法及びそれを用いた装置
WO2013068905A1 (en) * 2011-11-08 2013-05-16 Basf Se Process for producing reforming catalyst and reforming of methane
WO2014021224A1 (ja) * 2012-07-30 2014-02-06 戸田工業株式会社 炭化水素分解用触媒体、該触媒体を用いた水素含有混合改質ガスを製造する方法、並びに燃料電池システム
KR101444600B1 (ko) 2013-05-15 2014-09-30 경북대학교 산학협력단 고활성 및 황저항성을 가지는 탄화수소 자열 개질 반응용 니켈계 다공성 스피넬 촉매의 제조방법, 이에 의하여 제조된 촉매 및 이를 사용한 공정

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004057963A (ja) 2004-02-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR920000149B1 (ko) 내열성촉매 및 그 사용방법
JP5666777B2 (ja) 一酸化炭素転換用触媒およびそれを用いた一酸化炭素変成方法
US20070167323A1 (en) Porous carrier for steam-reforming catalysts, steam-reforming catalyst and process for producing reactive mixed gas
WO2002038268A1 (fr) Catalyseur de reformage pour hydrocarbures et procede de reformage correspondant
EP2539069A1 (en) Nanosized gold catalysts for co oxidation and water gas shift reactions
JP2008018414A (ja) 炭化水素を分解する触媒、該触媒を用いた炭化水素の分解方法及び水素の製造方法、並びに発電システム
JPWO2009011133A1 (ja) 炭化水素を分解する触媒
JP2000000469A (ja) リホ―ミング用ニッケル系触媒およびこれを用いた合成ガスの製法
Maboudi et al. Effect of mesoporous nanocrystalline supports on the performance of the Ni–Cu catalysts in the high-temperature water-gas shift reaction
Wu et al. Ni nanocatalysts supported on mesoporous Al 2 O 3–CeO 2 for CO 2 methanation at low temperature
JP2002535119A (ja) ニッケル、ルテニウム及びランタンを担持する触媒担体
JP4013689B2 (ja) 炭化水素改質用触媒、炭化水素分解装置、及び燃料電池用改質器
Tri et al. High activity and stability of nano‐nickel catalyst based on LaNiO3 perovskite for methane bireforming
Zhang et al. Enhanced catalytic activity of CO 2 hydrogenation to CO over sulfur-containing Ni/ZrO 2 catalysts: Support size effect
Jun et al. Nickel-calcium phosphate/hydroxyapatite catalysts for partial oxidation of methane to syngas: effect of composition
JP2013017913A (ja) 水蒸気改質触媒及び該触媒を用いた水素製造方法
CA3215982A1 (en) Carbon dioxide methanation catalyst molded body and method for producing the same
JP2006122793A (ja) 触媒及びその製造法、水性ガスシフト反応用触媒及び水性ガスの製造方法並びに排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化方法。
Kim et al. Promotion effects of ceria in partial oxidation of methane over Ni-calcium hydroxyapatite
JP2004202425A (ja) 炭化水素改質用触媒、炭化水素分解装置、及び燃料電池用改質器
JP4776403B2 (ja) 炭化水素の改質用触媒
JP2007516825A (ja) 改質触媒
JP4799312B2 (ja) 合成ガス製造触媒
JP5462685B2 (ja) 水蒸気改質用触媒、水素製造装置及び燃料電池システム
RU2668863C1 (ru) Способ получения синтез-газа из CO2

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040819

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070529

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070626

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070821

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070903

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100921

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100921

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110921

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110921

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120921

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120921

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120921

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130921

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees