JP4799312B2 - 合成ガス製造触媒 - Google Patents

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Description

本発明は、天然ガス等の低級炭化水素から接触部分酸化法により合成ガスを製造するために用いる触媒に関する。
天然ガスは、メタンに代表される低級炭化水素(炭素数1〜5の炭化水素)を主成分とする。近年、天然ガスの改質反応により、水素および一酸化炭素を主成分とする合成ガスを製造する技術の開発や改良がさかんである。合成ガスは、C1化学により各種製品を製造するための原料となり、またメタノール、合成ガソリン、ジメチルエーテル(DME)などといったクリーンな燃料を製造するための原料ともなることから、合成ガスへの改質技術は、天然ガスの有効利用のための根幹をなすものであるといえる。
天然ガスから合成ガスへの改質技術として、従来から、(1)水蒸気改質法、(2)オートサーマルリフォーミング法(ATR:AutoThermal Reforming)、(3)接触部分酸化法(CPOX:Catalytic Partial OXidation)などが知られている(特許文献1〜3、非特許文献1)。
水蒸気改質法は、天然ガスにスチームを添加し、これを加熱炉中に設置され改質触媒が充填された反応管に通すことにより、水素と一酸化炭素を主成分とする合成ガスに転換するものである。この反応は吸熱反応なので外部から多量の熱を供給する必要があり、そのため熱利用効率が低く、大規模製造に適用しようとすると反応装置が巨大化するという難点がある。
オートサーマルリフォーミング法は、原料である天然ガスの一部を酸素または空気の添加によりバーナー燃焼させ、生成した高温の燃焼ガスを触媒層に通して改質するものである。すなわち、天然ガス(典型的にはメタン)の燃焼により二酸化炭素と水(スチーム)が生成し、これらが触媒層中でさらにメタンと反応して水素と一酸化炭素を生成する。この方法では、燃焼反応で発生した熱を改質反応(吸熱反応)に利用するので外部から熱を供給する必要がないという利点があるが、バーナーの寿命を維持するために過剰のスチームを供給する必要があり、経済的に最適な条件で運転することが困難であるという難点がある。
接触部分酸化法は、原料天然ガスの一部を酸素または空気の添加により触媒燃焼させ、生成した高温の燃焼ガスをさらに触媒層中で改質するものである。この方法は、オートサーマルリフォーミング法のバーナー燃焼を触媒燃焼に変えたものといえ、機構がシンプルで高い熱効率ないし生産効率が期待できるが、触媒層入口付近に発熱が集中してホットスポットが生成しやすく、高熱による触媒の劣化や反応器の損傷が問題となる。これは、触媒層入口付近では大きな発熱を伴う燃焼反応が先行し、下流部に行くに従って吸熱を伴う改質反応が進行するという、2段階の反応が触媒層内で生ずるからである。
また、接触部分酸化法には、反応器内のガス流速を非常に大きくできる(線速度として10〜100m/s)という特徴がある。これは装置のコンパクト化が可能であるという利点である反面、ガス混合後の滞留時間がきわめて短くなるので天然ガス等の原料ガスと酸素を含む酸化ガスとの均一混合が困難になるという別の問題を提起する。原料ガスと酸化ガスとの混合が不均一なまま、これが触媒層に供給されると、触媒との接触時間も短いために酸素のすり抜けが起り、生成ガス中に酸素が残存して爆発の危険をもたらす。また、原料ガスの濃度むらが原因となって触媒層の温度むらが生じ、それによりホットスポットが形成されて触媒の劣化(シンタリング)や破壊(部分的な熱膨張による歪みの発生)が生じることにもなる。
以上に述べたように、接触部分酸化法は理論的に優れた方法であるが、これを実用化するためには、原料ガスと酸化ガスとを空間的にも時間的にも均一に反応させ、ホットスポットの生成をいかに防止するかという点が鍵となる。そのためには、原料ガスと酸化ガスとを速やかに混合することが必要であるとともに、原料天然ガスが二酸化炭素と水にまで完全酸化(完全燃焼)せずに、一酸化炭素と水素にまで酸化された時点で止まるよう(直接的接触部分酸化)にする必要がある。メタンを例にとって直接的接触部分酸化反応の反応式を示せば、
CH + 1/2O −−−> 2H + CO ・・・(1)
となる。上記(1)式の発熱量は36kJ/モルであり、メタンの完全燃焼の発熱量(802kJ/モル)と比べて桁違いに小さく、かつ吸熱反応を伴わずに合成ガスを製造するので、ホットスポットが形成されにくい。しかしながら、メタンの酸化を一酸化炭素(と水素)で止めるようにコントロールするには、きわめて高い選択性が触媒に要求される。接触部分酸化法の実用化に際しては、上記直接的接触部分酸化を実現する触媒の開発が必要であり、本発明者らは、そのような触媒を既に提案している(特許文献4)。
上記特許文献4に記載された触媒は、マグネシア(MgO)を典型とする第1の成分、セリア(CeO)を典型とする第2の成分、およびジルコニア(ZrO)を典型とする第3の成分からなる担体(以下「3成分担体」という)に、ロジウム(Rh)を典型とする触媒金属を担持させたものである。この触媒は、直接的接触部分酸化をある程度実現するとともに、比較的低温で十分な活性および選択性を示すので、操作温度を全体的に低くして運転することにより、仮にホットスポットの生成が多少あっても、触媒の劣化や反応器の破損を防止することができるものである。また、この触媒の担体はアルミナや安定化ジルコニアなどからなる多孔質基体(フォームやハニカム)に上記3成分からなる被覆体を設けたものであり、接触部分酸化における大きなガス流通速度の下でも圧損を極端に増大させることがないものである。
一方、合成ガス製造プロセスにおける転化率や選択性の向上を図るために、用いる触媒の組成をいろいろと工夫することは、以前から行われている。たとえば、特許文献5はニッケル・コバルト系元素、アルミニウム・マグネシウム系元素および希土類元素を含む複合酸化物からなる触媒を開示しており、特許文献6はII族元素、希土類元素およびロジウムを含む六方晶複合酸化物からなる触媒を開示しており、特許文献7はロジウム単体スピネルまたはロジウム含有スピネルからなる触媒を開示している。
国際公開第97/37929号 国際公開第01/36323号 米国特許第6402989号 特開2005−199264号 欧州出願公開第582004号 米国出願公開第2003045423号 米国出願公開第2002172642号 Snamprogetti, Study in Surface Science and Catalysis, Vol.119, p.699, 1998
特許文献4に記載された触媒は、上に述べたように、操作温度を低くできる(ATRより200〜300℃低くできる)ことから、それまでの触媒に比べて経済的にも若干有利であるが、転化率および選択性には未だ改良の余地があると思われる。また、接触部分酸化法のメリットが生かせる高圧かつ高流速の条件で運転したところ実用上問題となりうる量のタールの生成が確認され、この点でも改良の余地があることがわかった。すなわち、本発明は、特許文献4に記載された触媒に比べ、より高い反応性(転化率および選択性)およびタール抑制能を有する触媒を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するため、炭素数1〜5の炭化水素と酸素を含む原料ガスから、一酸化炭素と水素を主成分とする合成ガスを製造する際に使用される合成ガス製造用触媒であって、マグネシアを含む担体上に、ロジウム(Rh)と、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)および銀(Ag)からなる群より選択される少なくとも1種の第2金属とを担持したことを特徴とする触媒を提供する。
本発明の触媒を用いることにより、未だ成功例のない天然ガスの接触部分酸化法による合成ガス製造プロセスの構築が十分に期待できる。それにより、水蒸気改質やATR等の既存の合成ガス製造プロセスに比べて、装置の大幅なコンパクト化が可能となり、熱効率も向上する。本発明の触媒を用いた接触部分酸化法は、特に、GTL向けの大規模合成ガス製造プロセスに好適である。
本発明者らは、種々検討した結果、特許文献4に記載された触媒において、触媒金属であるロジウムに加え、コバルト、亜鉛、モリブデンまたは銀から選択される少なくとも1種の金属元素(以下これらを包括的に「第2金属」とよぶ)を併せて担持させると、メタン転化率や水素および一酸化炭素(CO)の選択率が向上することを見いだした。それがどのような機構によるのかは明らかでないが、これらの金属元素はロジウムに比べて水素やCOの吸着力が弱く、触媒表面で水素やCOが生成するとそれが完全酸化される前に触媒から離し、その結果、水素やCOの選択率が向上したのではないかと考えられる。ここで、メタン転化率、水素選択率およびCO選択率は、以下の式(2)〜(4)によってそれぞれ与えられる(流入量および流出量はいずれもモル流量)。
メタン転化率=(メタン流入量−メタン流出量)/(メタン流入量) (2)
水素選択率=(水素流出量×0.5)/(メタン流入量−メタン流出量) (3)
CO選択率=(CO流出量)/(メタン流入量−メタン流出量) (4)
また、第2金属の添加は、同時に、タールの生成を有効に抑制することもわかった。これは全く予期し得なかったことであり、本発明者らが実験的検討を重ねる中で見出したことである。その理由はやはり明らかではないが、添加された第2金属がタールの前駆体であるアルキルラジカルや水素あるいは水酸基ラジカルを消費(クエンチ)するからではないかと考えられる。
本発明の触媒は、ロジウムおよび第2金属を、マグネシアを含む担体上に担持させたものである。マグネシアを含む担体は、マグネシア単独からなるものでもよいが、マグネシウムを含む少なくとも1種のアルカリ土類金属の酸化物である第1の成分と、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)およびランタノイドからなる群より選択される少なくとも1種の元素の酸化物である第2の成分と、ジルコニアまたはジルコニアを主成分とする固体電解質性を有する物質である第3の成分とを含んでなり、第1の成分に対する第2の成分のモル比が0.05〜0.35であり、第1の成分に対する第3の成分のモル比が0.05〜1.5であるような担体であることが好ましい。
第1の成分に対する第2の成分のモル比が0.05より小さいときは、原料炭化水素の転化率が低くなり、また、この比が0.35より大きくても、やはり原料炭化水素の転化率が低くなる傾向がある。一方、第1の成分に対する第3の成分のモル比が0.05より小さいときは、水素および一酸化炭素生成の選択率が低くなり、また、これが1.5より大きいときは、原料炭化水素の転化率と水素生成の選択率のいずれもが低くなる傾向がある。
第1、第2および第3の成分は、好ましくは、それぞれ粒径0.5〜5μm程度の粉末状にして混合し、150〜350N/mm程度の成形圧で圧縮成形する。この圧縮成形工程においては、必要に応じて、原料混合粉末にグラファイトやカーボンブラックなどのバインダーを添加してもよい。得られた圧縮成形体は、空気雰囲気中、950〜1300℃で2〜10時間焼成すれば所望の担体となる。得られた担体は、好ましくは、0.1〜5m/g、より好ましくは、0.2〜1m/gのBET比表面積(窒素吸脱着法による)を有する。
こうして得られた担体の表面にはロジウムおよび第2金属を担持させる。ロジウムは、担体の単位重量に対し、好ましくは100〜10000重量ppmの割合で担持させる。ロジウム担持量が100重量ppmより少ないと反応速度が小さくなり、原料炭化水素の転化率も低くなる。一方、この値が10000重量ppmを超えても反応速度の増大はそれほど望めない。第2金属は、ロジウムの担持量に対し、好ましくは0.2〜2.0(モル比すなわち金属原子数の比)の割合で担持させる。これにより、高い転化率および選択率が得られる。
担体にロジウムおよび第2金属を担持させるには、担体の吸水率に応じ、所定量のロジウムおよび第2金属が付与されるようにそれぞれ調製したロジウム含有水溶液および第2金属含有水溶液を担体に含浸させればよい。たとえば、ロジウムおよび第2金属を0.1〜30重量%程度含むそれらの塩の水溶液中に、担体を30〜120分程度浸漬した後、液から引き上げて乾燥すればよい。あるいは、水溶液中に浸漬させる代わりに、担体表面に水溶液を少量ずつ滴下したり、スプレーで噴霧したりしてもよい。水溶液としては、当該金属の硝酸塩、塩化物等の無機酸塩や酢酸塩、シュウ酸塩等の有機酸塩の水溶液が好ましく用いられる。水溶液を付与した担体は50〜200℃で乾燥させる。こうしてロジウムおよび第2金属を含有させた触媒を、空気雰囲気中、600〜1000℃で2〜10時間焼成すれば、担体上にそれらの金属元素を担持した所望の触媒が得られる。得られた触媒成形体をさらに粉砕し、粉末状にしてもよい。
金属元素は、一般に水溶液中で正電荷を有するため、塩基性の担体上に担持されやすいという性質がある。たとえば、マグネシア、ジルコニア及びセリアからなる担体を用いた場合、ロジウムや第2金属はマグネシア上に選択的に担持される。なお、担持されたロジウム及び第2金属は、その一部または全部が合金化していることが好ましい。
本発明の触媒においては、マグネシアを含む担体が、三次元網目構造体上に形成されたコーティング層であることがより好ましい。接触部分酸化法では、触媒層におけるガス流通速度を非常に大きくすることができ、それにより装置のコンパクト化が図れるというメリットがあるが、その場合、粒状の触媒を単に充填しただけであると圧力損失が非常に大きくなってしまい、装置の設計が困難になる場合があるからである。これに対し、三次元網目構造体の形態をとると、接触部分酸化における大きなガス流通速度の下でも極端な圧損の増大を抑えることができる。
三次元網目構造体としては、セラミックフォームやセラミックハニカムが好ましく用いられる。セラミックフォームの三次元網目構造のセルの寸法は、10〜40セル/インチ程度であることが好ましい。セラミックフォームの材質は、アルミナ、コーディライト、アルミナ/コーディライト、炭化ケイ素、ムライト、アルミナ/ジルコニア等の中から、適宜選択すればよい。一方、セラミックハニカムのセルの寸法は、100〜400セル/平方インチ程度であることが好ましい。
三次元網目構造体上に担体材料をコーティングするには、当該担体を構成すべき第1〜第3の成分の粉末を含むスラリーを調製し、このスラリー中に三次元網目構造体を浸せきしては引き上げて乾燥させる操作を繰り返して当該粉末の塗膜を形成し、これを1000℃程度の高温で焼成すればよい。
本発明の触媒を用いて合成ガスを製造するには、当該触媒が粒状の形態であれば、これを垂直管型反応器に充填し、形成された触媒充填層に天然ガス等の原料ガスと酸素や空気等の酸化ガスとの混合ガスを流通させればよい。このとき、混合ガス中の酸素分子のモル数と炭素原子のモル数との比O/Cが0.3〜0.6の範囲にあることが好ましい。なお、当該触媒が三次元網目構造体上に形成されたコーティング層の形態であるときは、反応器は必ずしも垂直管型でなくてもよい。
触媒層の入口におけるガス温度が100〜500℃であり、触媒層の出口におけるガス温度が600〜1200℃であることが好ましい。入口側温度が100℃未満であると混入するスチームが液化する場合があり、500℃を超えるとメタンと酸素の自然着火が起こる可能性がある。出口側温度が600℃より低い条件ではメタンの転化率が低く、1200℃より高いと予備加熱のためのエネルギー消費が大きくなってしまう。触媒層の入口におけるガス圧力は経済的見地から0.1〜10MPa程度であることが好ましい。
触媒層が占める体積を原料ガス流量で除した値である接触時間(τ)は、一般に0.5×10−3〜50×10−3秒程度であることが好ましい。この値が0.5×10−3秒より小さいと混合ガスのすり抜けが生じやすくなり、一方、この値が50×10−3秒を超えると生成した合成ガスが逆反応によって消費される割合が大きくなる。
(1)担体の製造
軽質な塩基性炭酸マグネシウム粉末を1200℃で分解、焼成した後、粉砕して粉末マグネシア担体を得た。これとは別に、水酸化マグネシウム粉末を圧縮成形後、1200℃で焼成し、得られた焼結体を粉砕、篩い分けして粒径0.3〜0.4mmの粒状マグネシア担体を得た。
一方、酸化マグネシウム、酸化セリウム(IV)および酸化ジルコニウム(IV)の各粉末を、MgO/CeO/ZrO=1/1/1(重量比)となるように秤量して均一に混合し、これを圧縮成形後、1200℃で焼成して3成分の焼結体を得た。得られた焼結体を粉砕、篩い分けして粒径0.3〜0.4mmの粒状3成分担体を調製した。
(2)第2金属の種類が反応性に与える影響
(2−a)触媒の調製
上記(1)で得られた粉末マグネシア担体に、ロジウム3.0×10−5モル/g触媒単独、およびこれと各種第2金属(Co、Zn、Ni、Cr、Fe、Mo、Ag)0.76×10−5モル/g触媒を担持させて8種の触媒を調製した。具体的には、上記(1)で得られた粉末マグネシア担体を所定濃度の塩化ロジウム水溶液に浸漬して攪拌した後、これに(ロジウム単独担持触媒の場合を除き)水溶性の各種第2金属前駆体を所定量添加し、攪拌溶解後、80℃にて攪拌しながら水分を蒸発させた。その後、110℃にて一晩乾燥させた後、500℃で3時間焼成し、これを圧縮成形、粉砕、篩い分けして、粒径0.12〜0.18mmの触媒を調製した。
調製した8種の触媒のうち4種(Rh+Mo、Rh+Co、Rh+Zn、Rh単独)につき、水素昇温還元(5%H/Ar気流中、昇温速度10℃/分)の結果を、それぞれRhを共存させなかった場合と比較して図1に示す。マグネシア(MgO)担体上に担持させた第2金属(Mo、Co及びZn)の還元ピークはいずれも900℃付近にあるが、ロジウム(Rh)を共存させるとこれらのピークはいずれも消失した。このとき消費された水素量は、ロジウム及び第2金属を完全な金属状態にまで還元する量であった。これらの結果は、ロジウムと第2金属とが合金相を形成していることを示すものである。
(2−b)メタン改質反応
上記(2−a)で調製した8種の触媒を、内径4mmの垂直管型反応器(中心に熱電対用の鞘管、外径2.6mmが貫通している)に充填して高さ1.4mmの触媒層を形成した。これに、1気圧、700℃で、メタン/酸素/窒素=4/2/94(モル比)の混合ガスを、全量で1500cc/分(GHSV=5.1×10/時、接触時間τ=0.7ミリ秒)で流通させた。混合ガス流通開始120分後の出口ガスの組成を分析し、上掲式(2)〜(4)にしたがってメタン転化率、水素選択率およびCO選択率を計算した。結果を表1に示す。
Figure 0004799312
(3)第2金属の担持量が反応性に与える影響
(3−a)触媒の調製
上記(1)で得られた粉末マグネシア担体に、ロジウム3.0×10−5モル/g触媒とともに、亜鉛またはコバルトをロジウムに対してそれぞれ0〜2.0または0〜3.0のモル比になるような量で担持させ、第2金属(亜鉛またはコバルト)担持量の異なる11種の触媒を調製した。具体的には、マグネシア担体を所定濃度の塩化ロジウム水溶液に浸漬、攪拌した後、酢酸亜鉛または硝酸コバルトを所定量添加し、攪拌溶解後、80℃で攪拌しながら水分を蒸発させた。これを110℃で一晩乾燥させた後、500℃で3時間焼成し、圧縮成形、粉砕、篩い分けして粒径0.12〜0.18mmの触媒を調製した。
(3−b)メタン改質反応
上記(3−a)で調製した11種の触媒を用いた以外は(2−b)と同様にして、メタンの改質反応を実施した。180分後の出口ガスの組成を分析し、上掲式(2)〜(4)で求めたメタン転化率、水素選択率およびCO選択率を、表2ならびに図2および図3に示す。
Figure 0004799312
(4)連続試験
(4−a)触媒の調製
上記(1)で製造した3成分担体に、ロジウム2.0×10−5モル/g触媒を担持させた触媒(Rh/3成分触媒)と、さらに亜鉛0.5×10−5モル/g触媒を担持させた触媒(Rh−Zn/3成分触媒)を調製した。具体的には、以下のように調製した。
(Rh/3成分触媒の調製)
3成分担体に、Rhの担持量が2.0×10−5モル/g触媒となるように濃度調整を行った酢酸ロジウム水溶液を含浸させ、風乾後60℃で16時間乾燥し、次いで950℃で焼成を行ってRh/3成分触媒を調製した。
(Rh−Zn/3成分触媒の調製)
3成分担体に、Znの担持量が0.5×10−5モル/g触媒、Rhの担持量が2.0×10−5モル/g触媒となるように濃度調整を行った硝酸亜鉛/酢酸ロジウム水溶液を含浸させ、風乾後60℃で16時間乾燥し、次いで950℃で焼成を行ってRh−Zn/3成分触媒を調製した。
(4−b)メタン改質反応(低圧)
上記(4−a)で調製したRh/3成分触媒およびRh−Zn/3成分触媒を用い、図4に示す装置を用いて、4時間の連続試験を行った。具体的には、これら2種の触媒をそれぞれ内径16mmの垂直管型反応器3に充填して高さ5mmの触媒層を形成し、これに0.5MPa、400℃でメタン/酸素=2/1(モル比)の混合ガスを、マスフローコントローラ1および2でGHSV=400000/時(接触時間τ=45ミリ秒)に調整して流通させた。反応器は環状電気炉4で加熱した。出口ガスは冷却器5で冷却し、気液分離器6で凝縮成分を除去した後、圧力調整弁7で減圧した。減圧した出口ガスの流量および組成をガスメータ8およびガスクロマトグラフィ9で連続的にモニタリングした。3時間経過後の触媒の反応性を比較して、表3に示す。
Figure 0004799312
また、3時間経過後の微量副生物の生成速度を比較して、表4に示す。表4より、Rh−Zn/3成分触媒ではタール生成の前駆体と考えられるエタン及びエチレンの生成速度がRh/3成分触媒より小さいことがわかる。
Figure 0004799312
(4−c)メタン改質反応(高圧)
上記(4−a)で調製したRh/3成分触媒およびRh−Zn/3成分触媒に加え、上記(1)で調製した粒状マグネシア担体上にロジウムのみを2.0×10−5モル/g触媒で担持させた触媒(Rh/マグネシア触媒)を用い、図4に示したものと同様な装置を用いて、実装置における操作条件に近い高圧および高速条件下で200時間の連続試験を行った。具体的には、これら3種の触媒を、それぞれ内径16mmの垂直管型反応器に充填して高さ5mmの触媒層を形成し、これに1.1MPaおよび200℃で、メタン/酸素=2/1(モル比)の混合ガスをGHSV=1000000/時(接触時間τ=36ミリ秒)で流通させ、出口ガスの組成を連続的にモニタリングした。また、メタン転化率、水素選択率およびCO選択率の変化を図5〜図7に示す。図5および図6より、メタン転化率および水素選択率において、3成分担体を用いた触媒はマグネシア担体を用いた触媒に比べて反応性の低下が小さいことがわかる。
表5は、Rh−Zn/3成分触媒とRh/3成分触媒さらにはRh/マグネシア触媒の反応特性を比較して示すものである。これは、図5〜図7の170時間経過時点における反応器からの出口ガスを分析した結果に基づくものである。表5から、Rh−Zn/3成分触媒は、反応温度が低いにも拘らず、高い転化率および選択率を示していることがわかる。
Figure 0004799312
さらに、3成分担体を用いた上記2種の触媒について、連続試験終了後に反応器下流に設置した圧力調整弁を調査したところ、ロジウムのみを担持したRh/3成分触媒を充填した反応器の下流ではタールの付着が認められたが、ロジウムと亜鉛を担持したRh−Zn/3成分担体を充填した反応器の下流ではタールの付着は認められなかった。
各触媒の水素昇温還元分析結果を示す。 ロジウムに対する亜鉛の担持量と反応性の関係を示す。 ロジウムに対するコバルトの担持量と反応性の関係を示す。 連続改質試験に用いた装置のフローを示す。 連続試験におけるメタン転化率のモニタリング結果を示す。 連続試験における水素選択率のモニタリング結果を示す。 連続試験におけるCO選択率のモニタリング結果を示す。
符号の説明
1 マスフローコントローラ
2 マスフローコントローラ
3 反応器
4 環状電気炉
5 冷却器
6 気液分離器
7 圧力調整弁
8 ガスメータ
9 ガスクロマトグラフィ


Claims (4)

  1. 炭素数1〜5の炭化水素と酸素を含む原料混合ガスから、一酸化炭素と水素を主成分とする合成ガスを製造する際に使用される合成ガス製造用触媒であって、マグネシアを含む担体上に、ロジウムと、亜鉛、モリブデンおよび銀からなる群より選択される少なくとも1種の第2金属とを担持してなり、
    該ロジウムの担持量が、担体単位重量当たり100〜10000重量ppmであり、
    該第2金属の担持量が、ロジウムの担持量に対して0.2〜2.0モル/モルであることを特徴とする触媒。
  2. 該マグネシアを含む担体が、マグネシウムを含む少なくとも1種のアルカリ土類金属の酸化物である第1の成分と、スカンジウム、イットリウムおよびランタノイドからなる群より選択される少なくとも1種の元素の酸化物である第2の成分と、ジルコニアまたはジルコニアを主成分とする固体電解質性を有する物質である第3の成分とを含んでなり、第1の成分に対する第2の成分のモル比が0.05〜0.35であり、第1の成分に対する第3の成分のモル比が0.05〜1.5である請求項記載の触媒。
  3. 該マグネシアを含む担体が、三次元網目構造体上に形成されたコーティング層である請求項1または2記載の触媒。
  4. マグネシアを含む担体上に、ロジウムと、亜鉛、モリブデンおよび銀からなる群より選択される少なくとも1種の第2金属とを担持してなる合成ガス製造用触媒を充填した触媒層に、炭素数1〜5の炭化水素と酸素を含む原料混合ガスを流通させて、一酸化炭素と水素を主成分とする合成ガスを製造する方法であって、
    該ロジウムの担持量が、担体単位重量当たり100〜10000重量ppmであり、
    該第2金属の担持量が、ロジウムの担持量に対して0.2〜2.0モル/モルであり、
    該マグネシアを含む担体が、マグネシウムを含む少なくとも1種のアルカリ土類金属の酸化物である第1の成分と、スカンジウム、イットリウムおよびランタノイドからなる群より選択される少なくとも1種の元素の酸化物である第2の成分と、ジルコニアまたはジルコニアを主成分とする固体電解質性を有する物質である第3の成分とを含んでなる、三次元網目構造体上に形成されたコーティング層であって、第1の成分に対する第2の成分のモル比が0.05〜0.35であり、かつ、第1の成分に対する第3の成分のモル比が0.05〜1.5であり、
    原料混合ガス中の酸素/炭化水素の存在比O/C(ただしOは酸素のモル数でありCは炭化水素由来の炭素のモル数である)を0.3〜0.6の範囲とし、
    該触媒層の入口におけるガス温度を100〜500℃の範囲とし、
    該触媒層の出口におけるガス温度を600〜1200℃の範囲とし、
    該触媒層の入口におけるガス圧力を0.1〜10MPaの範囲とし、
    該触媒層における接触時間を0.5×10−3〜50×10−3秒の範囲とすることを特徴とする方法。
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