JP4013288B2 - 3−5族化合物半導体用電極の製造方法と3−5族化合物半導体素子 - Google Patents

3−5族化合物半導体用電極の製造方法と3−5族化合物半導体素子 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般式InxGayAlzN(x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表される3−5族化合物半導体用電極の製造方法と該製造方法で得られた電極を有する3−5族化合物半導体素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
紫外から青色、緑色の可視領域における発光ダイオード(以下、LEDと記すことがある。)やレーザダイオード等の発光素子、紫外から青色、緑色の可視領域に感度を有する受光素子、または高温、高周波、ハイパワーの動作が可能な電界効果トランジスタやヘテロバイポーラトランジスタ等の電子素子の材料として、一般式InxGayAlzN(ただし、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表される窒化物系3−5族化合物半導体が知られている。とくにInNを混晶比で10%以上含むものは、In濃度に応じて可視領域での発光波長を調整できるため、表示用途等に重要である。また、InNの混晶比が10%未満のものは、紫外線領域での発光が可能なため紫外線レーザーダイオード等の用途に有用である。
【0003】
LEDやレーザーダイオード等の発光素子では、正負の電荷(電子と正孔)を効率よく注入するために接触抵抗の小さな電極が必要である。n型の化合物半導体に用いる電極材料としては、接触抵抗の十分小さなものが知られているが、p型の化合物半導体に用いる電極材料としては、接触抵抗の十分小さなものは知られていない。このため、現状では、比較的接触抵抗の小さなp電極材料として、NiAu合金やMgAu合金等が用いられているが、n電極材料に比べると依然として接触抵抗が大きいため、主にp電極の接触抵抗によって素子の駆動電圧が大きくなっており、特に高い電流密度で駆動する半導体レーザーでは大きな問題となっている。
そこで接触抵抗を低減させる方法として、電極形成後に電極材料に応じて適当な温度で熱処理をすることが一般に行われている。しかしながらこの方法でも、十分小さな接触抵抗のp電極を得ることはできていなかった。
【0004】
接触抵抗を低減させる他の方法として、GaNのいわゆるプリズム面である{10−10}面または{−12−10}面に電極を形成する方法が有効であることが理論的に予想されている(第44回応用物理学関係連合講演会28p-D-13)。しかしながら、一般に窒化物系3−5族化合物半導体は、良好な結晶を得るためにサファイアC面または{11−20}面上に成長させるが、この場合には窒化物半導体はC軸方向に成長するので、表面は{0001}面となり、これまでプリズム面を露出させることはできなかった。
サファイアの{01−12}面を利用すれば、GaNのプリズム面である{11−20}が成長表面になることが知られている。しかしながら、この面方位で成長した結晶は、品質が十分でなく、いまだ発光素子に利用できるものは得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、3−5族化合物半導体に用いられる接触抵抗の小さな電極の製造方法、特にC軸成長した良好な結晶品質の3−5族化合物半導体に用いられる接触抵抗の小さな電極の製造方法および該製造方法により得られた電極を用いた3−5族化合物半導体素子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような事情をみて鋭意検討した結果、特定の湿式エッチング条件で形成されるエッチピットが六角柱形の構造を有し、その側面がほぼ表面に直角なプリズム面からなることを見出した。この湿式エッチング処理によりp層表面にプリズム面を形成し、しかる後にp電極を形成することにより良好な電流注入特性を示すp電極が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、[1]一般式InxGayAlzN(ただし、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表される3−5族化合物半導体表面に電極を製造する方法において、該半導体表面に湿式エッチング法によりエッチピットからなる凹凸を形成した後に電極を形成する工程を有する3−5族化合物半導体用電極の製造方法に係るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明を詳細に説明する。
本発明における3−5族化合物半導体とは、一般式InxGayAlzN(ただし、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表される窒化物系3−5族化合物半導体である。
【0009】
本発明の3−5族化合物半導体用電極の製造方法は、窒化物系3−5族化合物半導体に電極を形成する前に、該半導体表面に湿式エッチング法によりエッチピットからなる凹凸を形成した後に電極を形成する工程を有することを特徴とする。該半導体表面の成長表面、特に成長表面である{0001}面を湿式エッチングして、表面に対して傾斜した面または表面に直角な面を有するエッチピットを形成することが好ましい。
本発明において、該湿式エッチングに用いる湿式エッチング剤として、以下に述べる3種類の物質群の中の少なくとも一つを用いることが好ましい。すなわち、本発明は、該湿式エッチングに用いる湿式エッチング剤として、(1)PO4、PO3、PO2、P27、P26もしくはP413を分子式中に含む化合物の溶融塩、または(2)SO4、SO3、S24、S23、S27、S28もしくはSO8を分子式中に含む化合物の溶融塩、または(3)前記(1)の中の少なくとも1つの化合物と(2)の中の少なくとも1つの化合物との混合物の溶融塩を用いることが好ましい。
【0010】
第1の物質群は、PO4、PO3、PO2、P27、P26もしくはP413を分子式中に含む化合物の溶融塩である。なかでもPO4またはPO3を分子式中に含む化合物の溶融塩が好ましい。
PO4、PO3、PO2、P27、P26もしくはP413を分子式中に含む化合物の例として、リン酸2水素アンモニウム(NH42PO4)、リン酸水素2アンモニウム((NH42HPO4)、リン酸アンモニウム3水和物((NH43PO4・3H2O)、メタリン酸((HPO3n)、亜リン酸(H3PO3)、次亜リン酸(H3PO2)、2リン酸(H427)、次リン酸(H426)、ポクリン酸(H6413)などを好ましく用いることができる。なかでもリン酸2水素アンモニウム(NH42PO4)、メタリン酸(HPO3nが好ましい。
【0011】
第2の物質群は、SO4、SO3、S24、S23、S27、S28もしくはSO8を分子式中に含む化合物の溶融塩である。なかでもSO4、SO3を分子式中に含む化合物の溶融塩が好ましい。
SO4、SO3、S24、S23、S27、S28もしくはSO8を分子式中に含む化合物の例として、硫酸水素アンモニウム(NH4HSO4)、硫酸アンモニウム((NH42SO4)、亜硫酸アンモニウム((NH42SO3)、亜硫酸水素アンモニウム(NH4HSO3)、アミド硫酸アンモニウム((NH4SO3NH2)などを好ましく用いることができる。なかでも硫酸水素アンモニウム(NH4HSO4)、硫酸アンモニウム((NH42SO4)が好ましい。
【0012】
第3の物質群は、上記第1の物質群の中の少なくとも1つの化合物と上記第2の物質群の中の少なくとも1つの化合物との混合物の溶融塩である。
【0013】
以上のエッチング剤のいずれかを用いると、GaNだけでなくGaN以外の窒化物系3−5族化合物半導体の表面をエッチングすることができる。このエッチング剤の特徴は、窒化物系3−5族化合物半導体に特有の高密度の転位等の結晶欠陥を介してエッチングが進行してゆくことである。このためエッチングの初期にはエッチピットが形成され、これがエッチングの進行に伴い、横方向に拡大してゆく。拡大したエッチピットどうしがつながり結晶表面がなくなると、実質的に表面全体を掘り下げエッチングしたのと同じ状態にすることもできる。
【0014】
エッチピット形状は、結晶の対称性を反映したものになる。六方晶系の対称性を有する窒化物系3−5族化合物半導体は通常、6回対称性をもつ{0001}面が成長表面になるのでエッチピットは、六角形の形状になる。また、エッチピットの立体形状は、六角錐型と六角柱型のものがある。
【0015】
六角柱型のエッチピットは、基板表面に平行な底面があるのが特徴であり、その側面は、成長表面にほぼ直角な面になる場合が多く、完全に直角な場合は{1210}面になる。六角柱形エッチピットが形成された場合には、もとの表面である{0001}面の他にエッチピットの側面も、電極との接触面として利用できる。
六角柱型のエッチピットでは、孔の径をエッチング条件により、0.01μmから10μm程度の範囲で調整ができる。六角柱型のエッチピットは、深さ方向のエッチング速度に比べて横方向のエッチング速度の方が大きいために、深さに比べて径の大きな浅いエッチピットになる。このため六角柱型のエッチピットを横方向に拡大させ互いにつながるようにすると、もとの表面が消失し、広い面積にわたって結晶の内部を露出させることも可能である。
【0016】
一般に六角柱型のエッチピットの深さは、個々のエッチピットによってまちまちであるため、エッチピットのつながった部分に段差が生じ、エッチング面には凹凸が残った状態となる。このようにしてできた結晶内部の露出部には、他の方法、例えば従来用いられているドライエッチング法で結晶内部を露出させた場合に生じるダメージがないため、ダメージ層の除去やダメージの回復の工程を行う必要がなく、ただちに通常の方法で良好な電流注入特性をもつ電極を形成することができる。
【0017】
六角錐型のエッチピットは、傾斜面と成長表面との角度が約30〜80゜の範囲にある場合が多い。六角錐型のエッチピットが形成された場合には、もとの表面である{0001}面の他に、エッチピットの傾斜面を電極との接触面として利用できる。六角錐型のエッチピットの大きさも、エッチング条件によりある程度制御できるが、六角柱型に比べて制御は難しい。径が大きくなりすぎると、エッチピットが半導体薄膜を貫通し、基板に達する場合がある。
【0018】
エッチピットの形成された半導体表面は、エッチピットの形成されてない表面よりも表面積が増大しているので、同一面積の電極を形成した場合には接触抵抗を小さくすることができる。
また、特にp型の化合物半導体の場合には、電極との固有接触抵抗は価電子帯のホールの有効質量に関係し、ホールの有効質量が小さい方が固有接触抵抗は小さくなる。ホールの有効質量は結晶の対称性を反映した異方性を有し、窒化物系3−5族化合物半導体の場合にはC面の方向で最大となり、プリズム面の方向で最小になる。従って、C面に対して直角に近い面ほどp層と電極との固有接触抵抗は小さくなる。
すなわち、エッチピットの形成されたp層表面は、エッチピットのない表面よりも表面積が増大しているだけでなく、増大した部分(すなわちエッチピット側面)が固有接触抵抗が小さい面であるために電流注入特性がさらに向上し、小さな接触抵抗を得ることができる。
上述のように、本発明の効果は、p型およびn型半導体のどちらの場合でも得ることができるが、p型の半導体を用いた場合に特に著しい。
【0019】
本発明の効果をより有効に発現させるためには、エッチピットの密度、深さ、横方向のサイズを調整することが重要である。
エッチピット密度は、大きい方が、エッチピット側面部の面積を大きくできるので好ましい。一方、エッチピット密度が増えすぎると、結晶内に転位が増えるので、電荷の輸送特性が低下して接触抵抗が大きくなる場合がある。好ましいエッチピット密度の範囲は、104cm-2以上1010cm-2以下である。エッチピット密度は、格子定数の異なる層を積層することにより、ある程度調整ができる。 横方向のサイズは、エッチピットどうしがつながらない程度の大きさに調整する方が、エッチピットどうしがつながるまで大きくするよりも、エッチピットの側面部の面積が大きくできるので好ましい。
【0020】
エッチピット深さは、深い方がエッチピットの側面部の面積が大きくできるので好ましい。一方、表面側がp層のpn接合を有する構造においては、p層に形成したエッチピットがn層にまで達すると、p電極の電流注入特性が低下するので好ましくない。従ってエッチピットの深さはp層を貫通せず、かつなるべく深いものが好ましい。また、深いエッチピットを形成するためにp層の層厚は、厚い方が好ましく、好ましいp層の層厚は、100Å以上10μm以下である。p層の厚さが100Å未満では、p層内部までの深さのエッチピットを形成するのが難しくp層を貫通しやすいので好ましくなく、10μmよりも厚いと、成長に時間がかかるので実用的ではない。
【0021】
エッチピットの立体形状は、エッチャント組成、窒化物系3−5族化合物半導体の結晶品質、伝導性等によって主に影響をうける。
【0022】
窒化物系3−5族化合物半導体結晶の伝導性に関しては、n型不純物またはp型不純物をドーピングして高い伝導性を有する結晶の方が、不純物ドーピングを行わず高抵抗の結晶よりも、六角柱型エッチピットができやすい傾向がある。高抵抗の結晶では、六角錐型のエッチピットができやすい。
通常、LEDや半導体レーザーなどの発光素子や受光素子は、電極からの電荷の注入をよくするため、また電流経路を発光面(受光面)に均一に広げるために、活性層や特殊な機能をもたせるために導入した一部の層を除けば、ほとんどの層は高い導電性を有する層で占められる。このため、本発明の方法は、実用的な発光素子や受光素子の構造に対しては、六角柱型エッチピットを形成させ、小さな接触抵抗の電極を形成させるのに有効に作用する。
【0023】
六角柱型エッチピットは、第1の物質群を用いた場合に特にできやすい傾向がある。第1と第2の物質群の混合物の溶融塩(すなわち第3の物質群)では、その混合比に応じてエッチピットの形状が変化する。第2の物質群は、第1の物質群と混合して用いた場合エッチング速度を早める働きがあり、特に深さ方向のエッチング速度を速める働きがある。このため、窒化物系3−5族化合物半導体を完全に除去し、基板を露出させる目的に用いる場合には、第2の物質群と第3の物質群と混合して用いることが好ましい。
【0024】
第3の物質群を用いた場合(すなわち第1、第2の物質群の混合物)に、六角柱型のエッチピットを形成させるためには、リン(P)とイオウ(S)の合計モル数に対するリンのモル分率が大きいことが必要である。具体的には20%以上100%以下の範囲、さらに好ましくは50%以上100%以下の範囲で六角柱型のエッチピットが形成できる。リン(P)とイオウ(S)の合計モル数に対するリン(P)のモル分率が20%未満の場合には、六角錐型のエッチピットが形成されやすい。
【0025】
エッチングの好ましい温度は、200℃以上400℃以下であり、さらに好ましくは230℃以上370℃以下である。エッチング温度が200℃より低いと、塩が溶融しない場合があるので実用的でなく、また溶融してもほとんどエッチピットが形成しないため好ましくない。また、エッチング温度が400℃より高いとエッチングが進行しすぎてエピタキシャル結晶が消失する場合があるため好ましくない。
【0026】
半導体素子を作製するためには、ウエーハーの必要な場所だけエッチングできるように、マスクが必要となる。好ましいマスク材料としては、エッチング剤によって溶解されない金(Au)、白金(Pt)等の貴金属単体、またはこれらを主として含む金属積層膜または合金、あるいはSiO2、Si34などを好適に用いることができる。これらの中で、金(Au)、白金(Pt)等の貴金属を主として含む金属積層膜または合金は、窒化物系3−5族化合物半導体のp電極に利用できるものが含まれる。窒化物系3−5族化合物半導体に形成されたp電極パターンをそのままエッチングの際のマスクとして利用することもできる。p電極パターンをマスクとして利用することにより、発光素子および受光素子の作製プロセスの一部を簡素化することができる。
【0027】
p層に接触させる電極(p電極)用の材料の例としては、仕事関数が比較的大きな金属と貴金属との積層構造、または合金が挙げられる。具体的にはNi、Co、Ge、Pdの少なくとも1つと、AuあるいはPtとの積層構造または合金が挙げられる。
また、別のp電極の例としては、GaN中でアクセプタとなる金属と貴金属との積層構造、または合金が挙げられる。具体的には、Mg、Ca、Zn、CdもしくはBeの少なくとも1つの金属と貴金属との積層構造または合金が挙げられる。
【0028】
n層に接触させる電極(n電極)用の材料の例としては、Al、TiAl、PdAl、In、InSnなどが挙げられる。これらの電極材料が酸化しやすい性質の場合には、この上にAu、Pt等の貴金属を積層して安定性を向上させることができる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
図1に示す構造の窒化ガリウム系半導体試料と、該試料の表面の層であるp層の接触抵抗評価用の電極を作製した。窒化ガリウム系半導体はMOVPE法により成長した。
基板1はサファイアC面を鏡面研磨したものを有機洗浄して用いた。まず550℃で、水素をキャリアガスとしてTMGとアンモニアを供給して、GaNバッファ層2を500Å成長した。次に1100℃でTMG、アンモニアを用いてGaN層3を3μm成長した。
次に785℃で、キャリアガスを窒素とし、TEG、TEAを用いて、Ga0.8Al0.2N層4を300Å成長した。次に、1100℃でアンモニアおよびドーパント原料であるビスシクロペンタジエニルマグネシウム(以下Cp2Mgと略記することがある。)を用いて、p型GaN(Mgドープ)層5を5000Å成長した。成長終了後、基板を取り出し、窒素中800℃で熱処理を行ない、Mgドープのp型GaN層5を低抵抗のp型層にした。
【0030】
このようにして得られた試料表面にAuを1500Å蒸着した後、この上にフォトリソグラフィによってフォトレジストのパターンを形成し、純水で3倍に稀釈した王水を用いて、露出したAu部分をエッチングして除去し、必要部分だけp型GaNの露出し他はAuで覆われた試料を作製した。このAuマスクのついた試料をリン酸2水素アンモニウム(NH42PO4)の溶融塩で湿式エッチングした。エッチング温度、時間は300℃、14分である。湿式エッチングの終わった試料を水洗、乾燥してエッチング剤を除去した後、光学顕微鏡で表面状態を観察し、六角柱型のエッチピットが多数できていることを確認した。
次にエッチピットの形成された領域の上に、p電極を形成した。これを行うために、通常のフォトリソグラフィーによりフォトレジストパターン形成した後、真空蒸着法により、Niを30Å、引き続いてAuを1150Å堆積させた後、有機溶剤を用いたリフトオフにより、不要なNiAu部分を取り除き、p電極6のパターンを形成した。p電極のパターンは図2に示すものを用いた。この図にはp電極領域内のエッチピットの状態を模式的に示してある。
【0031】
比較例1
該化合物半導体の成長後リン酸2水素アンモニウム(NH42PO4)の溶融塩による湿式エッチング処理を行わなかったことを除いては、実施例1と同様にして窒化ガリウム系半導体試料と、p層の接触抵抗評価用の電極を作製し、実施例1と同様の評価を行なった。実施例1と比較例1の間隔10μmのp電極間の電流電圧特性を図3に示す。湿式エッチングを行った実施例1の場合の方が電流がよく流れ、接触抵抗が低減していることがわかる。
【0032】
【発明の効果】
本発明の3−5族化合物半導体用電極の製造方法によれば、接触抵抗の小さな電極が得られ、特にC軸成長した良好な結晶品質の3−5族化合物半導体に適用して接触抵抗の小さな電極が得られ、該製造方法により得られた電極を用いることにより、駆動電圧を小さくすることができる発光素子等の3−5族化合物半導体素子が得られるので、きわめて有用であり、工業的価値が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いた化合物半導体の構造を示す断面図。
【図2】実施例1で用いたp電極のパターンを示す図。
【図3】実施例1と比較例1における電流電圧特性を示す図。
【符号の説明】
1・・・基板
2・・・バッファ層
3・・・アンドープGaN層
4・・・AlGaN層
5・・・Mgドープp型GaN層
6・・・p電極

Claims (4)

  1. 一般式InxGayAlzN(ただし、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表される3−5族化合物半導体表面に電極を製造する方法において、該半導体表面に湿式エッチング法によりエッチピットからなる凹凸を形成した後に電極を形成する工程を有し、湿式エッチングに用いる湿式エッチング剤として、(1)PO 4 、PO 3 、PO 2 、P 2 7 、P 2 6 もしくはP 4 13 を分子式中に含む化合物の溶融塩、または(2)SO 4 、SO 3 、S 2 4 、S 2 3 、S 2 7 、S 2 8 もしくはSO 8 を分子式中に含む化合物の溶融塩、または(3)前記(1)の中の少なくとも1つの化合物と(2)の中の少なくとも1つの化合物との混合物の溶融塩を用いることを特徴とする3−5族化合物半導体用電極の製造方法。
  2. 一般式In x Ga y Al z N(ただし、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表される3−5族化合物半導体がp型の伝導性を有することを特徴とする請求項1記載の3−5族化合物半導体用電極の製造方法。
  3. 一般式In x Ga y Al z N(ただし、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表される3−5族化合物半導体がC軸方向に成長してなるものであることを特徴とする請求項1または2記載の3−5族化合物半導体用電極の製造方法。
  4. 請求項1、2または3記載の3−5族化合物半導体用電極の製造方法で製造された電極を有することを特徴とする3−5族化合物半導体素子。
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