JPH1116852A - 3−5族化合物半導体用電極の製造方法と3−5族化合物半導体素子 - Google Patents

3−5族化合物半導体用電極の製造方法と3−5族化合物半導体素子

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JPH1116852A
JPH1116852A JP16845997A JP16845997A JPH1116852A JP H1116852 A JPH1116852 A JP H1116852A JP 16845997 A JP16845997 A JP 16845997A JP 16845997 A JP16845997 A JP 16845997A JP H1116852 A JPH1116852 A JP H1116852A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】3−5族化合物半導体に用いられる接触抵抗の
小さな電極の製造方法、特にC軸成長した良好な結晶品
質の3−5族化合物半導体に用いられる接触抵抗の小さ
な電極の製造方法および該製造方法により得られた電極
を用いた3−5族化合物半導体素子を提供する。 【解決手段】一般式InxGayAlzN(ただし、x+
y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で
表される3−5族化合物半導体表面に電極を製造する方
法において、該半導体表面に湿式エッチング法によりエ
ッチピットからなる凹凸を形成した後に電極6を形成す
る工程を有する3−5族化合物半導体用電極の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般式InxGay
AlzN(x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、
0≦z≦1)で表される3−5族化合物半導体用電極の
製造方法と該製造方法で得られた電極を有する3−5族
化合物半導体素子に関する。
【0002】
【従来の技術】紫外から青色、緑色の可視領域における
発光ダイオード(以下、LEDと記すことがある。)や
レーザダイオード等の発光素子、紫外から青色、緑色の
可視領域に感度を有する受光素子、または高温、高周
波、ハイパワーの動作が可能な電界効果トランジスタや
ヘテロバイポーラトランジスタ等の電子素子の材料とし
て、一般式InxGayAlzN(ただし、x+y+z=
1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表される
窒化物系3−5族化合物半導体が知られている。とくに
InNを混晶比で10%以上含むものは、In濃度に応
じて可視領域での発光波長を調整できるため、表示用途
等に重要である。また、InNの混晶比が10%未満の
ものは、紫外線領域での発光が可能なため紫外線レーザ
ーダイオード等の用途に有用である。
【0003】LEDやレーザーダイオード等の発光素子
では、正負の電荷(電子と正孔)を効率よく注入するた
めに接触抵抗の小さな電極が必要である。n型の化合物
半導体に用いる電極材料としては、接触抵抗の十分小さ
なものが知られているが、p型の化合物半導体に用いる
電極材料としては、接触抵抗の十分小さなものは知られ
ていない。このため、現状では、比較的接触抵抗の小さ
なp電極材料として、NiAu合金やMgAu合金等が
用いられているが、n電極材料に比べると依然として接
触抵抗が大きいため、主にp電極の接触抵抗によって素
子の駆動電圧が大きくなっており、特に高い電流密度で
駆動する半導体レーザーでは大きな問題となっている。
そこで接触抵抗を低減させる方法として、電極形成後に
電極材料に応じて適当な温度で熱処理をすることが一般
に行われている。しかしながらこの方法でも、十分小さ
な接触抵抗のp電極を得ることはできていなかった。
【0004】接触抵抗を低減させる他の方法として、G
aNのいわゆるプリズム面である{10−10}面また
は{−12−10}面に電極を形成する方法が有効であ
ることが理論的に予想されている(第44回応用物理学
関係連合講演会28p-D-13)。しかしながら、一般
に窒化物系3−5族化合物半導体は、良好な結晶を得る
ためにサファイアC面または{11−20}面上に成長
させるが、この場合には窒化物半導体はC軸方向に成長
するので、表面は{0001}面となり、これまでプリ
ズム面を露出させることはできなかった。サファイアの
{01−12}面を利用すれば、GaNのプリズム面で
ある{11−20}が成長表面になることが知られてい
る。しかしながら、この面方位で成長した結晶は、品質
が十分でなく、いまだ発光素子に利用できるものは得ら
れていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、3−
5族化合物半導体に用いられる接触抵抗の小さな電極の
製造方法、特にC軸成長した良好な結晶品質の3−5族
化合物半導体に用いられる接触抵抗の小さな電極の製造
方法および該製造方法により得られた電極を用いた3−
5族化合物半導体素子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な事情をみて鋭意検討した結果、特定の湿式エッチング
条件で形成されるエッチピットが六角柱形の構造を有
し、その側面がほぼ表面に直角なプリズム面からなるこ
とを見出した。この湿式エッチング処理によりp層表面
にプリズム面を形成し、しかる後にp電極を形成するこ
とにより良好な電流注入特性を示すp電極が得られるこ
とを見出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、[1]一般式Inx
GayAlzN(ただし、x+y+z=1、0≦x≦1、
0≦y≦1、0≦z≦1)で表される3−5族化合物半
導体表面に電極を製造する方法において、該半導体表面
に湿式エッチング法によりエッチピットからなる凹凸を
形成した後に電極を形成する工程を有する3−5族化合
物半導体用電極の製造方法に係るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】次に本発明を詳細に説明する。本
発明における3−5族化合物半導体とは、一般式Inx
GayAlzN(ただし、x+y+z=1、0≦x≦1、
0≦y≦1、0≦z≦1)で表される窒化物系3−5族
化合物半導体である。
【0009】本発明の3−5族化合物半導体用電極の製
造方法は、窒化物系3−5族化合物半導体に電極を形成
する前に、該半導体表面に湿式エッチング法によりエッ
チピットからなる凹凸を形成した後に電極を形成する工
程を有することを特徴とする。該半導体表面の成長表
面、特に成長表面である{0001}面を湿式エッチン
グして、表面に対して傾斜した面または表面に直角な面
を有するエッチピットを形成することが好ましい。本発
明において、該湿式エッチングに用いる湿式エッチング
剤として、以下に述べる3種類の物質群の中の少なくと
も一つを用いることが好ましい。すなわち、本発明は、
該湿式エッチングに用いる湿式エッチング剤として、
(1)PO4、PO3、PO2、P27、P26もしくは
413を分子式中に含む化合物の溶融塩、または
(2)SO4、SO3、S24、S23、S27、S28
もしくはSO8を分子式中に含む化合物の溶融塩、また
は(3)前記(1)の中の少なくとも1つの化合物と
(2)の中の少なくとも1つの化合物との混合物の溶融
塩を用いることが好ましい。
【0010】第1の物質群は、PO4、PO3、PO2
27、P26もしくはP413を分子式中に含む化合
物の溶融塩である。なかでもPO4またはPO3を分子式
中に含む化合物の溶融塩が好ましい。PO4、PO3、P
2、P27、P26もしくはP413を分子式中に含む
化合物の例として、リン酸2水素アンモニウム(NH4
2PO4)、リン酸水素2アンモニウム((NH42
PO4)、リン酸アンモニウム3水和物((NH43
4・3H2O)、メタリン酸((HPO3n)、亜リン
酸(H3PO3)、次亜リン酸(H3PO2)、2リン酸
(H427)、次リン酸(H426)、ポクリン酸
(H6413)などを好ましく用いることができる。な
かでもリン酸2水素アンモニウム(NH42PO4)、
メタリン酸(HPO3nが好ましい。
【0011】第2の物質群は、SO4、SO3、S24
23、S27、S28もしくはSO8を分子式中に含
む化合物の溶融塩である。なかでもSO4、SO3を分子
式中に含む化合物の溶融塩が好ましい。SO4、SO3
24、S23、S27、S28もしくはSO8を分子
式中に含む化合物の例として、硫酸水素アンモニウム
(NH4HSO4)、硫酸アンモニウム((NH42SO
4)、亜硫酸アンモニウム((NH42SO3)、亜硫酸
水素アンモニウム(NH4HSO3)、アミド硫酸アンモ
ニウム((NH4SO3NH 2)などを好ましく用いるこ
とができる。なかでも硫酸水素アンモニウム(NH4
SO4)、硫酸アンモニウム((NH42SO4)が好ま
しい。
【0012】第3の物質群は、上記第1の物質群の中の
少なくとも1つの化合物と上記第2の物質群の中の少な
くとも1つの化合物との混合物の溶融塩である。
【0013】以上のエッチング剤のいずれかを用いる
と、GaNだけでなくGaN以外の窒化物系3−5族化
合物半導体の表面をエッチングすることができる。この
エッチング剤の特徴は、窒化物系3−5族化合物半導体
に特有の高密度の転位等の結晶欠陥を介してエッチング
が進行してゆくことである。このためエッチングの初期
にはエッチピットが形成され、これがエッチングの進行
に伴い、横方向に拡大してゆく。拡大したエッチピット
どうしがつながり結晶表面がなくなると、実質的に表面
全体を掘り下げエッチングしたのと同じ状態にすること
もできる。
【0014】エッチピット形状は、結晶の対称性を反映
したものになる。六方晶系の対称性を有する窒化物系3
−5族化合物半導体は通常、6回対称性をもつ{000
1}面が成長表面になるのでエッチピットは、六角形の
形状になる。また、エッチピットの立体形状は、六角錐
型と六角柱型のものがある。
【0015】六角柱型のエッチピットは、基板表面に平
行な底面があるのが特徴であり、その側面は、成長表面
にほぼ直角な面になる場合が多く、完全に直角な場合は
{1210}面になる。六角柱形エッチピットが形成さ
れた場合には、もとの表面である{0001}面の他に
エッチピットの側面も、電極との接触面として利用でき
る。六角柱型のエッチピットでは、孔の径をエッチング
条件により、0.01μmから10μm程度の範囲で調
整ができる。六角柱型のエッチピットは、深さ方向のエ
ッチング速度に比べて横方向のエッチング速度の方が大
きいために、深さに比べて径の大きな浅いエッチピット
になる。このため六角柱型のエッチピットを横方向に拡
大させ互いにつながるようにすると、もとの表面が消失
し、広い面積にわたって結晶の内部を露出させることも
可能である。
【0016】一般に六角柱型のエッチピットの深さは、
個々のエッチピットによってまちまちであるため、エッ
チピットのつながった部分に段差が生じ、エッチング面
には凹凸が残った状態となる。このようにしてできた結
晶内部の露出部には、他の方法、例えば従来用いられて
いるドライエッチング法で結晶内部を露出させた場合に
生じるダメージがないため、ダメージ層の除去やダメー
ジの回復の工程を行う必要がなく、ただちに通常の方法
で良好な電流注入特性をもつ電極を形成することができ
る。
【0017】六角錐型のエッチピットは、傾斜面と成長
表面との角度が約30〜80゜の範囲にある場合が多
い。六角錐型のエッチピットが形成された場合には、も
との表面である{0001}面の他に、エッチピットの
傾斜面を電極との接触面として利用できる。六角錐型の
エッチピットの大きさも、エッチング条件によりある程
度制御できるが、六角柱型に比べて制御は難しい。径が
大きくなりすぎると、エッチピットが半導体薄膜を貫通
し、基板に達する場合がある。
【0018】エッチピットの形成された半導体表面は、
エッチピットの形成されてない表面よりも表面積が増大
しているので、同一面積の電極を形成した場合には接触
抵抗を小さくすることができる。また、特にp型の化合
物半導体の場合には、電極との固有接触抵抗は価電子帯
のホールの有効質量に関係し、ホールの有効質量が小さ
い方が固有接触抵抗は小さくなる。ホールの有効質量は
結晶の対称性を反映した異方性を有し、窒化物系3−5
族化合物半導体の場合にはC面の方向で最大となり、プ
リズム面の方向で最小になる。従って、C面に対して直
角に近い面ほどp層と電極との固有接触抵抗は小さくな
る。すなわち、エッチピットの形成されたp層表面は、
エッチピットのない表面よりも表面積が増大しているだ
けでなく、増大した部分(すなわちエッチピット側面)
が固有接触抵抗が小さい面であるために電流注入特性が
さらに向上し、小さな接触抵抗を得ることができる。上
述のように、本発明の効果は、p型およびn型半導体の
どちらの場合でも得ることができるが、p型の半導体を
用いた場合に特に著しい。
【0019】本発明の効果をより有効に発現させるため
には、エッチピットの密度、深さ、横方向のサイズを調
整することが重要である。エッチピット密度は、大きい
方が、エッチピット側面部の面積を大きくできるので好
ましい。一方、エッチピット密度が増えすぎると、結晶
内に転位が増えるので、電荷の輸送特性が低下して接触
抵抗が大きくなる場合がある。好ましいエッチピット密
度の範囲は、104cm-2以上1010cm-2以下であ
る。エッチピット密度は、格子定数の異なる層を積層す
ることにより、ある程度調整ができる。 横方向のサイ
ズは、エッチピットどうしがつながらない程度の大きさ
に調整する方が、エッチピットどうしがつながるまで大
きくするよりも、エッチピットの側面部の面積が大きく
できるので好ましい。
【0020】エッチピット深さは、深い方がエッチピッ
トの側面部の面積が大きくできるので好ましい。一方、
表面側がp層のpn接合を有する構造においては、p層
に形成したエッチピットがn層にまで達すると、p電極
の電流注入特性が低下するので好ましくない。従ってエ
ッチピットの深さはp層を貫通せず、かつなるべく深い
ものが好ましい。また、深いエッチピットを形成するた
めにp層の層厚は、厚い方が好ましく、好ましいp層の
層厚は、100Å以上10μm以下である。p層の厚さ
が100Å未満では、p層内部までの深さのエッチピッ
トを形成するのが難しくp層を貫通しやすいので好まし
くなく、10μmよりも厚いと、成長に時間がかかるの
で実用的ではない。
【0021】エッチピットの立体形状は、エッチャント
組成、窒化物系3−5族化合物半導体の結晶品質、伝導
性等によって主に影響をうける。
【0022】窒化物系3−5族化合物半導体結晶の伝導
性に関しては、n型不純物またはp型不純物をドーピン
グして高い伝導性を有する結晶の方が、不純物ドーピン
グを行わず高抵抗の結晶よりも、六角柱型エッチピット
ができやすい傾向がある。高抵抗の結晶では、六角錐型
のエッチピットができやすい。通常、LEDや半導体レ
ーザーなどの発光素子や受光素子は、電極からの電荷の
注入をよくするため、また電流経路を発光面(受光面)
に均一に広げるために、活性層や特殊な機能をもたせる
ために導入した一部の層を除けば、ほとんどの層は高い
導電性を有する層で占められる。このため、本発明の方
法は、実用的な発光素子や受光素子の構造に対しては、
六角柱型エッチピットを形成させ、小さな接触抵抗の電
極を形成させるのに有効に作用する。
【0023】六角柱型エッチピットは、第1の物質群を
用いた場合に特にできやすい傾向がある。第1と第2の
物質群の混合物の溶融塩(すなわち第3の物質群)で
は、その混合比に応じてエッチピットの形状が変化す
る。第2の物質群は、第1の物質群と混合して用いた場
合エッチング速度を早める働きがあり、特に深さ方向の
エッチング速度を速める働きがある。このため、窒化物
系3−5族化合物半導体を完全に除去し、基板を露出さ
せる目的に用いる場合には、第2の物質群と第3の物質
群と混合して用いることが好ましい。
【0024】第3の物質群を用いた場合(すなわち第
1、第2の物質群の混合物)に、六角柱型のエッチピッ
トを形成させるためには、リン(P)とイオウ(S)の
合計モル数に対するリンのモル分率が大きいことが必要
である。具体的には20%以上100%以下の範囲、さ
らに好ましくは50%以上100%以下の範囲で六角柱
型のエッチピットが形成できる。リン(P)とイオウ
(S)の合計モル数に対するリン(P)のモル分率が2
0%未満の場合には、六角錐型のエッチピットが形成さ
れやすい。
【0025】エッチングの好ましい温度は、200℃以
上400℃以下であり、さらに好ましくは230℃以上
370℃以下である。エッチング温度が200℃より低
いと、塩が溶融しない場合があるので実用的でなく、ま
た溶融してもほとんどエッチピットが形成しないため好
ましくない。また、エッチング温度が400℃より高い
とエッチングが進行しすぎてエピタキシャル結晶が消失
する場合があるため好ましくない。
【0026】半導体素子を作製するためには、ウエーハ
ーの必要な場所だけエッチングできるように、マスクが
必要となる。好ましいマスク材料としては、エッチング
剤によって溶解されない金(Au)、白金(Pt)等の
貴金属単体、またはこれらを主として含む金属積層膜ま
たは合金、あるいはSiO2、Si34などを好適に用い
ることができる。これらの中で、金(Au)、白金(P
t)等の貴金属を主として含む金属積層膜または合金
は、窒化物系3−5族化合物半導体のp電極に利用でき
るものが含まれる。窒化物系3−5族化合物半導体に形
成されたp電極パターンをそのままエッチングの際のマ
スクとして利用することもできる。p電極パターンをマ
スクとして利用することにより、発光素子および受光素
子の作製プロセスの一部を簡素化することができる。
【0027】p層に接触させる電極(p電極)用の材料
の例としては、仕事関数が比較的大きな金属と貴金属と
の積層構造、または合金が挙げられる。具体的にはN
i、Co、Ge、Pdの少なくとも1つと、Auあるい
はPtとの積層構造または合金が挙げられる。また、別
のp電極の例としては、GaN中でアクセプタとなる金
属と貴金属との積層構造、または合金が挙げられる。具
体的には、Mg、Ca、Zn、CdもしくはBeの少な
くとも1つの金属と貴金属との積層構造または合金が挙
げられる。
【0028】n層に接触させる電極(n電極)用の材料
の例としては、Al、TiAl、PdAl、In、In
Snなどが挙げられる。これらの電極材料が酸化しやす
い性質の場合には、この上にAu、Pt等の貴金属を積
層して安定性を向上させることができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 図1に示す構造の窒化ガリウム系半導体試料と、該試料
の表面の層であるp層の接触抵抗評価用の電極を作製し
た。窒化ガリウム系半導体はMOVPE法により成長し
た。基板1はサファイアC面を鏡面研磨したものを有機
洗浄して用いた。まず550℃で、水素をキャリアガス
としてTMGとアンモニアを供給して、GaNバッファ
層2を500Å成長した。次に1100℃でTMG、ア
ンモニアを用いてGaN層3を3μm成長した。次に7
85℃で、キャリアガスを窒素とし、TEG、TEAを
用いて、Ga0. 8Al0.2N層4を300Å成長した。次
に、1100℃でアンモニアおよびドーパント原料であ
るビスシクロペンタジエニルマグネシウム(以下Cp2
Mgと略記することがある。)を用いて、p型GaN
(Mgドープ)層5を5000Å成長した。成長終了
後、基板を取り出し、窒素中800℃で熱処理を行な
い、Mgドープのp型GaN層5を低抵抗のp型層にし
た。
【0030】このようにして得られた試料表面にAuを
1500Å蒸着した後、この上にフォトリソグラフィに
よってフォトレジストのパターンを形成し、純水で3倍
に稀釈した王水を用いて、露出したAu部分をエッチン
グして除去し、必要部分だけp型GaNの露出し他はA
uで覆われた試料を作製した。このAuマスクのついた
試料をリン酸2水素アンモニウム(NH42PO4)の
溶融塩で湿式エッチングした。エッチング温度、時間は
300℃、14分である。湿式エッチングの終わった試
料を水洗、乾燥してエッチング剤を除去した後、光学顕
微鏡で表面状態を観察し、六角柱型のエッチピットが多
数できていることを確認した。次にエッチピットの形成
された領域の上に、p電極を形成した。これを行うため
に、通常のフォトリソグラフィーによりフォトレジスト
パターン形成した後、真空蒸着法により、Niを30
Å、引き続いてAuを1150Å堆積させた後、有機溶
剤を用いたリフトオフにより、不要なNiAu部分を取
り除き、p電極6のパターンを形成した。p電極のパタ
ーンは図2に示すものを用いた。この図にはp電極領域
内のエッチピットの状態を模式的に示してある。
【0031】比較例1 該化合物半導体の成長後リン酸2水素アンモニウム(N
42PO4)の溶融塩による湿式エッチング処理を行
わなかったことを除いては、実施例1と同様にして窒化
ガリウム系半導体試料と、p層の接触抵抗評価用の電極
を作製し、実施例1と同様の評価を行なった。実施例1
と比較例1の間隔10μmのp電極間の電流電圧特性を
図3に示す。湿式エッチングを行った実施例1の場合の
方が電流がよく流れ、接触抵抗が低減していることがわ
かる。
【0032】
【発明の効果】本発明の3−5族化合物半導体用電極の
製造方法によれば、接触抵抗の小さな電極が得られ、特
にC軸成長した良好な結晶品質の3−5族化合物半導体
に適用して接触抵抗の小さな電極が得られ、該製造方法
により得られた電極を用いることにより、駆動電圧を小
さくすることができる発光素子等の3−5族化合物半導
体素子が得られるので、きわめて有用であり、工業的価
値が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いた化合物半導体の構造を示す断
面図。
【図2】実施例1で用いたp電極のパターンを示す図。
【図3】実施例1と比較例1における電流電圧特性を示
す図。
【符号の説明】
1・・・基板 2・・・バッファ層 3・・・アンドープGaN層 4・・・AlGaN層 5・・・Mgドープp型GaN層 6・・・p電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 33/00 H01L 21/306 F H01S 3/18 B 31/10 H

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式InxGayAlzN(ただし、x+
    y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で
    表される3−5族化合物半導体表面に電極を製造する方
    法において、該半導体表面に湿式エッチング法によりエ
    ッチピットからなる凹凸を形成した後に電極を形成する
    工程を有することを特徴とする3−5族化合物半導体用
    電極の製造方法。
  2. 【請求項2】湿式エッチングに用いる湿式エッチング剤
    として、(1)PO4、PO3、PO 2、P27、P26
    もしくはP413を分子式中に含む化合物の溶融塩、ま
    たは(2)SO4、SO3、S24、S23、S27、S
    28もしくはSO8を分子式中に含む化合物の溶融塩、
    または(3)前記(1)の中の少なくとも1つの化合物
    と(2)の中の少なくとも1つの化合物との混合物の溶
    融塩を用いることを特徴とする請求項1記載の3−5族
    化合物半導体用電極の製造方法。
  3. 【請求項3】一般式InxGayAlzN(ただし、x+
    y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で
    表される3−5族化合物半導体がp型の伝導性を有する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の3−5族化合
    物半導体用電極の製造方法。
  4. 【請求項4】一般式InxGayAlzN(ただし、x+
    y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で
    表される3−5族化合物半導体がC軸方向に成長してな
    るものであることを特徴とする請求項1、2または3記
    載の3−5族化合物半導体用電極の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3または4記載の3−5族
    化合物半導体用電極の製造方法で製造された電極を有す
    ることを特徴とする3−5族化合物半導体素子。
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