JP4013258B2 - 鍵構造体 - Google Patents

鍵構造体 Download PDF

Info

Publication number
JP4013258B2
JP4013258B2 JP2004001236A JP2004001236A JP4013258B2 JP 4013258 B2 JP4013258 B2 JP 4013258B2 JP 2004001236 A JP2004001236 A JP 2004001236A JP 2004001236 A JP2004001236 A JP 2004001236A JP 4013258 B2 JP4013258 B2 JP 4013258B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
key
base body
base end
key structure
end portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004001236A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005195795A (ja
Inventor
賢一 西田
一郎 大須賀
陽一郎 下向
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP2004001236A priority Critical patent/JP4013258B2/ja
Priority to CNB2005100041055A priority patent/CN100570702C/zh
Priority to US11/031,238 priority patent/US7265288B2/en
Priority to CNU200520002484XU priority patent/CN2805012Y/zh
Publication of JP2005195795A publication Critical patent/JP2005195795A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4013258B2 publication Critical patent/JP4013258B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10CPIANOS, HARPSICHORDS, SPINETS OR SIMILAR STRINGED MUSICAL INSTRUMENTS WITH ONE OR MORE KEYBOARDS
    • G10C3/00Details or accessories
    • G10C3/12Keyboards; Keys

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)
  • Push-Button Switches (AREA)

Description

本発明は、木質部を有する鍵に適用される鍵構造体に関する。
従来、下記特許文献1、2のように、押鍵操作により回動する鍵として機能する鍵構造体の一部に木材等の木質部を採用したものが知られている。このような木質系の鍵構造体では、少なくとも、演奏時及び非演奏時に外観となって視認されるいわゆる「見えがかり部位」に木質部を配することで、木質感が付与され、高級感が得られる。これらの鍵構造体は、木質部が、例えば、演奏操作面を含んだ合成樹脂製の上板体の下面及び合成樹脂製の鍵ベース体の上面に接着等で固定されて保持される。上板体や鍵ベース体は鍵形状に対応して長尺で、これら保持部材と木質部とで鍵構造体が構成される。
特開2003−271127号公報 特開2003−271128号公報
しかしながら、上記特許文献1、2の鍵構造体では、温度変化や湿度変化等の環境変化による木質部の寸法変化や、製造誤差を吸収する等のため、鍵ベース体の基端部と木質部との間に、長手方向における間隙が設けられており、この間隙近傍においては、木質部が鍵ベース体にのみ保持される状態となる。そのため、例えば、押鍵時等には、鍵ベース体の上記間隙近傍に応力が集中することとなり、鍵構造体全体の曲げ剛性が低い。
従って、剛性を高くして耐久性や精度を高める上で、改善の余地があった。特に、鍵構造体の剛性を高める上では、環境変化で変形する木質部の特性だけでなく、金型成形により変形する合成樹脂製の上板体及び鍵ベース体の特性をも総合的に考慮することが望まれる。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、基端部と木質部との間近傍における上下方向の剛性を高めることができる鍵構造体を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の請求項1の鍵構造体は、基端部(21)と該基端部から奏者方向に延設された延設部(22)とが一体に形成されて成る長尺の鍵ベース体(20)と、前記鍵ベース体の前記基端部との間に該鍵ベース体の長手方向における間隙部(CL1)を有して前記鍵ベース体の前記延設部の上部(22a)に固定された木質部(30)と、演奏操作面(10a)を有し前記木質部の上部(30a)に固定された上板体(10)とから構成され、鍵盤装置に取り付けられたとき、押鍵操作により奏者側端部が上下方向に回動し、鍵として機能する鍵構造体(K1)であって、前記鍵ベース体の前記基端部の上部と前記上板体とが、前記上板体と一体または別体の接続部(11)を介して連結されて固定状態にされたことを特徴とする。
好ましくは、本発明の鍵構造体は、上記請求項1の構成において次のように構成される。すなわち、前記鍵ベース体の前記延設部のうち少なくとも前記間隙部の近傍部分(22Br)が薄肉に形成されたことを特徴とする(請求項2)。あるいは、前記接続部のうち前記間隙部の近傍部分(41Br)の上下方向の剛性が、前記鍵ベース体の前記延設部のうち前記間隙部の近傍部分(62Br)の上下方向の剛性に比し低いことを特徴とする(請求項3)。あるいは、前記接続部のうち前記間隙部の近傍部分に、前記鍵ベース体の前記基端部に固定状態とされていない領域(41Br2)が設けられ、該領域の前記長手方向における長さ(L1)が、前記木質部の上下方向の厚みに応じた所定長さ以上確保されていることを特徴とする(請求項4)。あるいは、前記鍵ベース体、前記上板体及び前記接続部はいずれも合成樹脂で構成され、常温常湿である定常環境下において、前記接続部(71)が前記木質部に固定状態にあって且つ前記接続部と前記鍵ベース体の前記基端部(81)とを固定状態にする前には、前記接続部と前記基端部との両対向部(71a、81b)間に上下方向の間隙部(CL2)が生じるように構成した後、前記両対向部を固定状態にすることで、前記定常環境下において、前記接続部の前記対向部(71a)に、前記基端部の前記対向部(81b)に対する引張力(F1)が生じるように構成されたことを特徴とする(請求項5)。あるいは、前記鍵ベース体の前記基端部と前記接続部との固定部分において、前記接続部に上下方向の貫通穴(11a、11b、11c)が設けられたことを特徴とする(請求項6)。なお、上記括弧内は例示である。
本発明の請求項1に係る鍵構造体によれば、基端部と木質部との間近傍における上下方向の剛性を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る鍵構造体の平面図である。同図(b)は、同鍵構造体の右側面図、同図(c)は同鍵構造体の後部を示す分解斜視図である。
本実施の形態では、一例として、鍵構造体K1が、C鍵(音高C用の白鍵)に適用された構成を示す。なお、鍵構造体K1は、白鍵だけでなく、黒鍵にも適用してもよい。以降、鍵構造体K1の奏者側を前方と呼称し、奏者側からみた右側を右方と呼称する。鍵構造体K1は主に、いずれも合成樹脂で構成される上板体10及び鍵ベース体20と、木質系材製の木質部30とから構成される。
鍵ベース体20は、基端部21と、該基端部21から前方(奏者方向)に延設される延設部22とが一体に形成されて構成される。基端部21の下方に開口する凹部内には、回動支点23が一体に形成されている。また、図1(c)に示すように、基端部21の上面21eには、接着剤溜まり用溝21a、21b、及び押鍵操作検出に用いられるセンサリード14が収容される溝21c、21d等が形成されている。
図1(a)、(b)に示すように、木質部30は、鍵ベース体20の延設部22とほぼ同じ長さを有し、延設部22の上面22aに接着固定される。木質部30と基端部21との間には、長手方向における間隙CL1が生じている。この間隙CL1は、主として、長手方向における木質部30と鍵ベース体20との寸法ばらつきを吸収するため、及び、環境変化に起因する木質部30の伸縮、変形による木質部30と鍵ベース体20との固定状態の悪化を防止するために設けられるものである。
上板体10は、演奏操作面10aを有し、木質部30よりやや長く形成される。上板体10の、間隙CL1よりやや前方位置から後端までの部分である後部11には、後述するネジ13を挿通するための貫通穴11a、及び接着剤注入用の貫通穴11b、11c等が形成されている(図1(c)参照)。上板体10は、木質部30の上面30a及び鍵ベース体20の基端部21の上面21eの双方に接着固定されている。これに加えて、上板体10の後部11は、鍵ベース体20の基端部21に対して、ネジ13によっても固定されている。
すなわち、鍵ベース体20に木質部30を接着固定した後、木質部30の上面30aと上板体10との間に接着剤を介在させて、上板体10を鍵ベース体20及び木質部30の上方から被せる。そして、図1(c)に示すように、係止部材12に挿通されたネジ13を、貫通穴11aに挿通して基端部21に仮螺着する。その際、センサリード14は溝21cを、21dに収める。その後、貫通穴11b、11cから接着剤を注入して、接着剤溜まり用溝21a、21bに接着剤を行き渡らせ、ネジ13を本螺着することで、鍵構造体K1の組み付けが完了する。鍵構造体K1は、不図示の鍵盤装置に取り付けられたとき、回動支点23を中心として先端部が上下方向に回動自在になる。
木質部30は、鍵構造体K1に木質感を付与する役割を果たす。すなわち、隣接する鍵の押鍵時には、鍵構造体K1の側面の一部が奏者から見えるが、木質系材製の木質部30を側面の一部として視認されるように配したことから、奏者にとっては、鍵構造体K1が上面や前面を除いて木材で構成されているかのように見える。これにより、鍵構造体K1に木質感が付与され、高級感が与えられる。
ところで、上板体10の後部11は、基端部21と木質部30とに橋渡しされた状態となっている。間隙CL1の上方において基端部21と木質部30とを連結する後部11の部分を特に、「ブリッジ部11Br」と呼称する。仮に、基端部21と木質部30とがブリッジ部11Brで連結されておらず、間隙CL1が上方に開放されている状態であるとすると、間隙CL1近傍においては、木質部30が鍵ベース体20によってのみ保持される状態となるため、押鍵時等には、鍵ベース体20の延設部22の間隙CL1近傍部分であるブリッジ部22Brに応力が集中することとなり、鍵構造体K1全体としての曲げ剛性は低いものとなる。ところが、本実施の形態では、上板体10の後部11で基端部21と木質部30とを連結して固定状態としたので、基端部21と木質部30との間、特に間隙CL1近傍の上下方向の剛性が高まっている。
また、鍵ベース体20の延設部22は上下方向に薄い薄板状に形成されており、その高さ方向の厚みは、上板体10の後部11の厚みよりも薄くなっている。特に、ブリッジ部22Brが薄肉に形成されていることで、金型成形により生じる鍵ベース体20の上下方向の反りが鍵構造体K1全体に与える影響を少なくすることができる。
すなわち、鍵ベース体20は、基端部21と延設部22との境界部分で上下方向の厚みが急変するため、金型成形により、該境界部分から基端部21に対して延設部22が上下方向に反りやすい。大きな反りが生じた鍵ベース体20に木質部30及び上板体10を組み付けたとき、仮にブリッジ部22Brが厚く形成されているとすると、鍵ベース体20が無理に矯正されてその内部に大きな残留応力が生じ、これが原因となって(リバウンドによって)鍵構造体K1全体が歪んでしまう。ところが本実施の形態では、ブリッジ部22Brが薄肉形成されていることから、鍵構造体K1として組み付けられる際に、鍵ベース体20の上下方向の変形が、大きな残留応力を生じることなく容易に矯正され、組み付け後の鍵構造体K1の歪みを小さくすることができる。一方、鍵構造体K1全体としての剛性は、主にブリッジ部11Brにより確保されるため、少なくともブリッジ部11Brはブリッジ部22Brよりも厚く、乃至高い剛性となるように形成される。
本実施の形態によれば、基端部21と木質部30とが、間隙CL1の上方において上板体10の後部11によって連結固定されるので、鍵構造体K1の、特に基端部21と木質部30との間近傍における上下方向の剛性を高めることができる。また、ブリッジ部22Brが薄肉で形成されたので、組み付けられた後の鍵構造体K1の歪みを小さくすることができる。
また、上板体10の後部11に、貫通穴11a、11b、11cを設け、ネジ止めや接着剤注入に用いるようにしたので、ネジ13や接着剤という他材を介した上板体10と鍵ベース体20との固定が容易になっている。なお、貫通穴の用途はこれら例示したものに限定されない。
なお、上板体10の後部11と鍵ベース体20の基端部21とは、ネジ止め及び接着で固定するようにしたが、これに限らず、いずれか一方のみでもよいし、何らかの他の固定手法で固定状態としてもよい。
なお、本実施の形態では、木質部30と鍵ベース体20の基端部21とを固定的に接続する接続部は、上板体10の後部11であって上板体10と一体のものとしたが、これに限るものでなく、上板体10とは別体の部材であってもよく、少なくともブリッジ部11Brに相当する部分を含む部材であればよい。
(第2の実施の形態)
図2(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る鍵構造体の後半部の右側面図である。同図(b)、(c)は同鍵構造体の間隙部近傍の右側面図である。
本発明の第2の実施の形態の鍵構造体K2は、第1の実施の形態の鍵構造体K1に対して、上板体及び鍵ベース体の形状が異なり、その他の構成は同様である、なお、第1の実施の形態と同じ構成要素には同一符号が付してある。貫通穴11a、11b、11c等の図示は省略されているが、第1の実施の形態と同様に設けられている。
図2(a)に示すように、鍵構造体K2においては、鍵ベース体60は、その延設部62が、鍵構造体K1の鍵ベース体20の延設部22よりも厚く形成され、その他は同様に構成される。また、上板体40は、その後部41が薄板状に形成され、その他は鍵構造体K1の上板体10と同様に構成される。木質部30と鍵ベース体60の基端部61とは、上板体40の後部41を介して固定的に接続されている。
ここで、後部41のうち間隙CL1の上方部分であるブリッジ部41Brと鍵ベース体60の延設部62のうち間隙CL1の下方部分であるブリッジ部62Brとを比べると、ブリッジ部41Brの方がブリッジ部62Brよりも薄く、上下方向の剛性が十分に低くなっている。
上述したように、木質部30は、環境変化により寸法が変化し、例えば、高湿下では膨張し(図2(b)参照)、低湿下では収縮する(図2(c)参照)という特性がある。ところが、本実施の形態では、ブリッジ部41Brの方がブリッジ部62Brよりも低剛性であるため、同図(b)、(c)に示すように、木質部30の高さが変化したときであっても、ブリッジ部41Brが上下方向に容易に変形し、ブリッジ部62Brの変形がほとんど回避される。
すなわち、木質部30の寸法誤差乃至変形をブリッジ部41Brが吸収し、鍵ベース体60の延設部62の変形を抑制することができる。鍵ベース体60には、図示しないが、鍵アクチュエータ、鍵復帰バネ、キー動作ガイド等の鍵機能部が設けられることが多いため、これら機能部の精度を維持するべく、変形は極力回避しなければならないが、ブリッジ部41Br変形したとしても、上板体40の特に後部41は非見えがかり部となって外観に影響せず、鍵機能にも影響がほとんどない。このような事情を考慮し、ブリッジ部41Brに木質部30の寸法変化の吸収を大きく負担させることで、外観に影響を与えることなく鍵機能の維持を図っている。なお、このことは、木質部30の製造誤差による寸法誤差に対しても有効である。
本実施の形態によれば、鍵構造体K2の、基端部61と木質部30との間近傍における上下方向の剛性を高めることに関し、第1の実施の形態と同様の効果を奏するだけでなく、加工精度や環境変化に起因する木質部30の上下方向の寸法誤差乃至変化があっても、ブリッジ部41Brがそれを吸収することで、鍵ベース体60、ひいては鍵構造体K2全体の変形を抑制することができる。
(第3の実施の形態)
図3(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る鍵構造体の後半部の右側面図である。同図(b)、(c)は同鍵構造体の間隙部近傍の右側面図である。
本発明の第3の実施の形態の鍵構造体K3は、上記第2の実施の形態の鍵構造体K2の鍵ベース体60の基端部61に段差部を設けた点が鍵構造体K2と異なり、その他の構成は第2の実施の形態と同様である。なお、第2の実施の形態と同じ構成要素には同一符号が付してある。
図3(a)に示すように、鍵構造体K3においては、鍵ベース体60の基端部61の前端部上部に段差部61aが形成されている。上板体40の後部41は、基端部61に対して、段差部61aより後方部分が固定されている。従って、鍵構造体K3の長手方向において、後部41の、上記間隙CL1と段差部61aを併せた長さL1の領域が、基端部61及び木質部30のいずれにも上板体40の後部41が固定状態とされていない領域となっている。この領域を「ブリッジ部41Br2」と呼称する。そして、このブリッジ部41Br2の長さL1は、木質部30の上下方向の厚みに応じて設定されており、例えば、木質部30の上下方向の厚みの30%以上の値(所定長さ)(例えば3mm)以上に設定される。
上記第2の実施の形態の鍵構造体K2では、上板体40の後部41のブリッジ部41Brは間隙CL1相当の長さしか有しないため、上下方向に変形するとき、側面視S字状に小さく撓むことになる。これによって、ブリッジ部41Brの反力が基端部61及び木質部30に加わり、ブリッジ部41Brの破壊や、後端エビ反り等のように鍵構造体K2を変形させる原因に成り得る。これに対し、本第3の実施の形態の鍵構造体K3では、ブリッジ部41Br2の長さL1を長くとっていることから、図3(b)、(c)に示すように、木質部30の高さが変化したときにおける、ブリッジ部41Br2のS字状の撓みを鍵構造体K2に比し緩やかにすることができる。これにより、鍵構造体K3の歪みを小さくすることができる。
本実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様の効果を奏するだけでなく、木質部30の上下方向の寸法誤差乃至変化を吸収しようとして撓む上板体40のブリッジ部41Br2の変形を緩やかにして、鍵構造体K3の歪みを一層小さくすることができる。
(第4の実施の形態)
図4(a)、(b)は、本発明の第4の実施の形態に係る鍵構造体の後半部の間隙部近傍の右側面図である。同図(a)は上板体の後部の固定前、同図(b)は上板体の後部の固定後の状態をそれぞれ示す。
本発明の第4の実施の形態の鍵構造体K4は、上記第3の実施の形態の鍵構造体K3に比し、鍵ベース体の基端部の厚み、基端部の段差部の長さが主に異なる。
まず、上板体70は、上板体40と同様に構成され、金型成形により、上板体70の後部71が、上板体70の前半部から理想的に真っ直ぐ後方に延設されているものとする。一方、鍵ベース体80の基端部81の前端部上部に段差部81aが形成されている。基端部81の段差部81aより後方部分の厚み(高さ)H1は、鍵構造体K3の鍵ベース体60における同部分の厚みより薄く形成されている。鍵ベース体80のその他の部分は鍵ベース体60と同様に構成される。組み付け時には、基端部81の対向面81bと後部71の対向面71aとが接着されることになるが、基端部81の高さが低いことで、常温常湿である定常環境下において、木質部30にのみ上板体70を固定した状態では、両対向面71a、81bとの間に上下方向の間隙部CL2が生じるようになっている。すなわち、木質部30の厚み(高さ寸法)は、温度、湿度によって変化するが、定常環境下においては、図4(a)、(b)に示すように、木質部30の上面位置が基端部81の対向面81bよりも上方に位置する。
鍵構造体K4の組み付けは、次のようにしてなされる。まず、鍵ベース体80の延設部82上に木質部30を接着固定し、木質部30上に上板体70を接着固定する。次に、図4(b)に示すように、基端部81の対向面81bと後部71の対向面71aとを固定することで、鍵構造体K4の組み付けが完了する。この固定は、上記第1〜第3の実施の形態と同様に接着及びネジ止めで行う。鍵構造体K4の長手方向において、後部71の、間隙CL1と段差部81aを併せた長さL2の領域であるブリッジ部71Br2は、基端部81及び木質部30のいずれにも後部71が固定状態とされていない。
組み付け後の鍵構造体K4は、定常環境下においては、木質部30の上面位置が基端部81の対向面81bよりも上方に位置するので、対向面71aが対向面81bを上方に引っ張る引張力F1が生じることになる。また、これとつ釣り合うべく、木質部30と上板体70との間の、特に後部の接着部CONには、上板体70が木質部30を押圧する押圧力R1が生じている。
上板体70と鍵ベース体80は共に合成樹脂製であることから、両対向面71a、81b間の接着剤による接着強度は高い。これに対し、木質部30と上板体70との接着強度は弱い。そのため、環境変化に起因する木質部30の寸法変化に対して、木質部30と上板体70との特に後部の接着部CONにおける剥離を如何に防止するかが重要となるが、定常環境下において組み付け前の間隙部CL2を設けたことで、図5で説明するように、この課題が解決されている。
図5は、環境変化による木質部30の寸法変化と、各接着部に生じる反力との関係を示す鍵構造体の後半部の間隙部近傍の右側面図である。図5(a)〜(c)は、定常環境下において間隙部CL2を設けない構成の鍵構造体、図5(d)〜(f)は、本実施の形態(定常環境下において間隙部CL2を設ける構成)の鍵構造体K4をそれぞれ示す。図(a)、(d)が低湿環境下、図5(b)、(e)が定常環境下、図5(c)、(f)が高湿環境下の状態を示している。
図5(a)〜(c)の構成では、まず、定常環境下では、図5(b)に示すように、対向面71a、接着部CON2には、引張力及び押圧力のいずれもほとんど生じない。また、高湿環境下では、木質部30が膨張し、図5(c)に示すように、対向面71aには、対向面81bに対する上方への引張力Fbが、接着部CON2には、上板体70が木質部30を押圧する押圧力Rbがそれぞれ生じる。一方、低湿環境下では、木質部30が収縮して、図5(a)に示すように、木質部30の上面位置が基端部81の対向面81bよりも低くなるため、対向面71aに押圧力Faが、接着部CON2に引張力Raが生じる。この引張力Raが生じることで、接着強度の弱い接着部CON2において上板体70と木質部30との剥離が生じやすい。
これに対し、本実施の形態の鍵構造体K4では、定常環境下では、図4(b)、図5(e)に示すように、対向面71aに引張力F1が生じ、接着部CONには押圧力R1が生じている。高湿環境下では、木質部30が膨張し、図5(f)に示すように、対向面71aには引張力F2(F2>F1)、接着部CONには押圧力R2(R2>R1)が、それぞれ生じる。これらの状態では、接着部CONには押圧力しか生じないため、接着部CONにおける引張力による剥離のおそれがない。
一方、図5(d)に示すように、低湿環境下において、木質部30が収縮して、木質部30の上面位置が基端部81の対向面81bとほぼ面一になると、対向面71a、接着部CONには、引張力及び押圧力のいずれもほとんど生じない。特に、低湿環境下でも接着部CONに引張力が生じないことで、木質部30と上板体70との剥離が防止される。
木質部30の寸法変化を吸収するべく、ブリッジ部71Br2(図4(b)参照)が変形することになるが、上記引張力及び押圧力を小さいものとする観点から、ブリッジ部71Br2の長さL2は、主に高湿時を考慮して十分に長く確保するのが望ましく、例えば、16mm程度に設定される。
本実施の形態によれば、第3の実施の形態と同様の効果を奏するだけでなく、環境変化に起因して木質部30の上下方向の厚みが増大しても、上板体70と木質部30との間に離間方向の大きな力(引張力)が生じにくいようにして、接着部CONにおける両者の剥離を防止することができる。
なお、本実施の形態では、金型成形により、上板体70の後部71が真っ直ぐ延設しているものとしたが、これに限るものでなく、後部71が上方または下方に曲がっている場合であってもよい。すなわち、後部71の曲がりの程度と、基端部80の後端部の高さH1の設定との組み合わせにより、定常環境下における鍵構造体K4の組み付け後に、後部71の対向面71aが基端部81の対向面81bを引っ張る力が生じるように設定すればよい。好ましくは、想定される低湿時において、接着部CONに引張力が生じないか、生じても小さい力であるように設定すればよい。
本発明の第1の実施の形態に係る鍵構造体の平面図(図(a))、同鍵構造体の右側面図(図(b))、同鍵構造体の後部を示す分解斜視図(図(c))である。 本発明の第2の実施の形態に係る鍵構造体の後半部の右側面図(図(a))、同鍵構造体の間隙部近傍の右側面図(図(b)、(c))である。 本発明の第3の実施の形態に係る鍵構造体の後半部の右側面図(図(a))、同鍵構造体の間隙部近傍の右側面図(図(b)、(c))である。 本発明の第4の実施の形態に係る鍵構造体の後半部の間隙部近傍の右側面図である。 環境変化による木質部の寸法変化と、各接着部に生じる反力との関係を示す鍵構造体の後半部の間隙部近傍の右側面図である。
符号の説明
10、40、70 上板体、 10a 演奏操作面、 11a、11b、11c 貫通穴、 11、41、71 後部(接続部)、 20、60、80 鍵ベース体、 21、61、81 基端部、 22、62 延設部、 22a 上面(上部)、 22Br、62Br ブリッジ部(延設部のうち間隙部の近傍部分)、 30 木質部、 30a 上面(上部)、 41Br ブリッジ部(接続部のうち間隙部の近傍部分)、 41Br2 ブリッジ部(領域)、 71a 対向面(対向部)、 81b 対向面(対向部)、 K1〜K4 鍵構造体、 L1 長さ、 CL1、CL2 間隙部、 F1 引張力

Claims (6)

  1. 基端部と該基端部から奏者方向に延設された延設部とが一体に形成されて成る長尺の鍵ベース体と、前記鍵ベース体の前記基端部との間に該鍵ベース体の長手方向における間隙部を有して前記鍵ベース体の前記延設部の上部に固定された木質部と、演奏操作面を有し前記木質部の上部に固定された上板体とから構成され、鍵盤装置に取り付けられたとき、押鍵操作により奏者側端部が上下方向に回動し、鍵として機能する鍵構造体であって、前記鍵ベース体の前記基端部の上部と前記上板体とが、前記上板体と一体または別体の接続部を介して連結されて固定状態にされたことを特徴とする鍵構造体。
  2. 前記鍵ベース体の前記延設部のうち少なくとも前記間隙部の近傍部分が薄肉に形成されたことを特徴とする請求項1記載の鍵構造体。
  3. 前記接続部のうち前記間隙部の近傍部分の上下方向の剛性が、前記鍵ベース体の前記延設部のうち前記間隙部の近傍部分の上下方向の剛性に比し低いことを特徴とする請求項1記載の鍵構造体。
  4. 前記接続部のうち前記間隙部の近傍部分に、前記鍵ベース体の前記基端部に固定状態とされていない領域が設けられ、該領域の前記長手方向における長さが、前記木質部の上下方向の厚みに応じた所定長さ以上確保されていることを特徴とする請求項1記載の鍵構造体。
  5. 前記鍵ベース体、前記上板体及び前記接続部はいずれも合成樹脂で構成され、常温常湿である定常環境下において、前記接続部が前記木質部に固定状態にあって且つ前記接続部と前記鍵ベース体の前記基端部とを固定状態にする前には、前記接続部と前記基端部との両対向部間に上下方向の間隙部が生じるように構成した後、前記両対向部を固定状態にすることで、前記定常環境下において、前記接続部の前記対向部に、前記基端部の前記対向部に対する引張力が生じるように構成されたことを特徴とする請求項1記載の鍵構造体。
  6. 前記鍵ベース体の前記基端部と前記接続部との固定部分において、前記接続部に上下方向の貫通穴が設けられたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の鍵構造体。
JP2004001236A 2004-01-06 2004-01-06 鍵構造体 Expired - Fee Related JP4013258B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004001236A JP4013258B2 (ja) 2004-01-06 2004-01-06 鍵構造体
CNB2005100041055A CN100570702C (zh) 2004-01-06 2005-01-06 键结构
US11/031,238 US7265288B2 (en) 2004-01-06 2005-01-06 Key structure
CNU200520002484XU CN2805012Y (zh) 2004-01-06 2005-01-06 键结构

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004001236A JP4013258B2 (ja) 2004-01-06 2004-01-06 鍵構造体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005195795A JP2005195795A (ja) 2005-07-21
JP4013258B2 true JP4013258B2 (ja) 2007-11-28

Family

ID=34708992

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004001236A Expired - Fee Related JP4013258B2 (ja) 2004-01-06 2004-01-06 鍵構造体

Country Status (3)

Country Link
US (1) US7265288B2 (ja)
JP (1) JP4013258B2 (ja)
CN (2) CN2805012Y (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4293040B2 (ja) * 2003-09-12 2009-07-08 ヤマハ株式会社 鍵構造体
JP4013258B2 (ja) * 2004-01-06 2007-11-28 ヤマハ株式会社 鍵構造体
JP4929945B2 (ja) * 2006-09-21 2012-05-09 ヤマハ株式会社 鍵盤装置
JP4992600B2 (ja) * 2007-08-07 2012-08-08 ヤマハ株式会社 電子楽器用鍵盤装置
JP5273511B2 (ja) * 2007-10-23 2013-08-28 ヤマハ株式会社 鍵盤楽器用白鍵
JP5277836B2 (ja) * 2008-09-25 2013-08-28 ヤマハ株式会社 鍵盤装置
JP6328463B2 (ja) * 2013-11-01 2018-05-23 ローランド株式会社 鍵盤装置

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2470148A (en) * 1944-09-28 1949-05-17 Rca Corp Keyboard for musical instruments
US2844065A (en) * 1952-09-13 1958-07-22 Baldwin Piano Co Key and keyboard construction
US3087368A (en) * 1960-07-14 1963-04-30 Pratt Read & Co Keyboard chassis assembly
US3120146A (en) * 1961-06-02 1964-02-04 Pratt Read & Co Inc Musical instrument key
US3417649A (en) * 1964-09-04 1968-12-24 Vocaline Company Of America In Keyboard construction
US3616722A (en) * 1969-10-22 1971-11-02 Ricardo Hochleitner Jr Keyboard for musical instruments
US3738216A (en) * 1970-10-28 1973-06-12 Jasper Electronics Mfg Corp Keyboard for musical instruments
JP3758590B2 (ja) * 2002-03-13 2006-03-22 ヤマハ株式会社 鍵構造体及び鍵盤装置
JP3858733B2 (ja) * 2002-03-13 2006-12-20 ヤマハ株式会社 鍵構造体
CN1551100A (zh) * 2003-05-16 2004-12-01 ������������ʽ���� 音锤、键盘装置及底盘
JP4333509B2 (ja) * 2003-09-12 2009-09-16 ヤマハ株式会社 鍵構造体
JP4013258B2 (ja) * 2004-01-06 2007-11-28 ヤマハ株式会社 鍵構造体

Also Published As

Publication number Publication date
CN1637846A (zh) 2005-07-13
US7265288B2 (en) 2007-09-04
US20050145093A1 (en) 2005-07-07
CN2805012Y (zh) 2006-08-09
CN100570702C (zh) 2009-12-16
JP2005195795A (ja) 2005-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4839969B2 (ja) 鍵盤装置
CN111584276B (zh) 按键组件及包括此按键组件的键盘
JP4333509B2 (ja) 鍵構造体
JP4780461B2 (ja) 電子鍵盤楽器の鍵盤構造
US7265288B2 (en) Key structure
US6693235B2 (en) Key for musical instrument
JP5186882B2 (ja) 電子楽器の鍵盤装置
CN111429869B (zh) 乐器
JP5487767B2 (ja) 鍵盤楽器の鍵盤支持構造
JP5797074B2 (ja) 鍵盤楽器の筬前
JP2007163526A (ja) 電子鍵盤楽器の鍵ガイド構造
JP4419738B2 (ja) 鍵構造体
JP4929945B2 (ja) 鍵盤装置
JP3076161B2 (ja) ゴルフクラブのネックソケット
JP2009145731A (ja) 鍵盤楽器の鍵構造
JP2009042381A (ja) 電子楽器用鍵盤装置
CN101515449B (zh) 键结构体及键盘装置
JP4678153B2 (ja) 鍵構造体
JP4992600B2 (ja) 電子楽器用鍵盤装置
JP5829874B2 (ja) 電子鍵盤楽器のコントロールパネル支持構造
JP4645459B2 (ja) 引戸における樹脂パネルの取付構造
JP5663912B2 (ja) 鍵構造、鍵盤構造及び操作子構造
JP5142766B2 (ja) 電子機器
JP2003177739A (ja) ピアノの筬
KR19990035160U (ko) 기타음쇠

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060424

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20060425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070619

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070723

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070820

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070902

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100921

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4013258

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100921

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110921

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120921

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130921

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees