JP4012325B2 - 画像処理方法、画像処理装置、画像形成装置および記録媒体 - Google Patents

画像処理方法、画像処理装置、画像形成装置および記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の原稿を読み取り変倍処理を行い、この変倍画像を面付けして1つの画像を生成する画像処理方法、画像処理装置、画像形成装置および当該画像処理方法を実行するプログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数の原稿を読み取り変倍処理を行い、この各々の変倍画像を出力画像の領域をN個に分割した各領域に配置し、1つの画像を生成する機能(以下、N−UP機能という)を備えた画像処理装置および画像形成装置が知られている。
例えば、特開平1−221981号公報には、原稿を順次変倍して、その変倍画像を1つの画面上に分割して配置した画像を生成する技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術では、原稿画像を拡大して出力画像に面付けする際に、そのまま面付けしていたので出力画像にボケが生じ、原稿画像のディテールが損なわれたり、鮮明な出力画像を得ることができなかった。また、原稿画像を縮小して面付けする際にも、そのまま面付けしていたので、出力画像にモアレが生じて画質劣化を招き、その出力画像を印刷したものは商用の印刷物としては使用できないものであった。
【0004】
そこで、本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、複数の原稿画像を面付けして出力する際にボケやモアレ等の画質劣化につながる要因を排除して良好な画質の出力画像を得ることができる画像処理方法、画像処理装置、画像形成装置および当該画像処理方法を実行するプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1発明の画像処理方法は、複数の原稿を読み取り、各々所定の変倍率で変倍処理を行って複数の変倍画像を生成する過程と、前記複数の変倍画像を面付けした合成画像を生成する過程と、前記各変倍画像に対する前記変倍率に応じたフィルタを用いて、前記合成画像における該変倍画像が面付けされた領域の各画素に対してフィルタリング処理を行うことにより画像データを生成する過程とを有することを特徴とするものである。
【0006】
第2発明の画像処理方法は、上記第1発明の画像処理方法において、前記フィルタリング処理において、前記変倍率に応じて平滑化の効果が異なるフィルタを用いることを特徴とするものである。
【0007】
第3発明の画像処理装置は、上記第1又は第2発明の画像処理方法を実行することを特徴とするものである。
第4発明の画像形成装置は、第3発明の画像処理装置によって生成された画像データの供給を受けて出力を行うことを特徴とするものである。
【0008】
第5発明の記録媒体は、上記第1又は第2発明の画像処理方法を実行するプログラムを記録したものであり、この記録媒体として、FD,MO,CD−ROM,DVD−RAM,テープメディア等種々の記録媒体を用いることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
A.実施形態の原理
本発明の実施形態の前提として、実施形態で用いられる面付け処理およびフィルタリング処理の原理について説明する。
図14(a)は、4枚の原稿画像A,B,C,Dを出力画像Eに面付けする4−UPの例を示したものである。
まず、画像処理装置のメモリ上に出力画像Eを展開するために必要な領域が確保される。通常の4−UP処理では、原稿画像Aは70%に縮小されて出力画像Eのメモリ領域E1に展開され、原稿画像Bは130%に拡大されてメモリ領域E2に展開され、原稿画像Cは30%に縮小されてメモリ領域E3に展開され、原稿画像Dは200%に拡大されてメモリ領域E4に展開されるものとする。
【0011】
この場合、メモリ領域E1,E3に展開された画像ではモアレが発生する(特にメモリ領域E3ではその傾向が顕著である)ことが経験上分かっている。
そこで、原稿画像を変倍した後、フィルタリング処理を行ってから出力画像に面付けすることとする。また、このフィルタリング処理を行う際に、1×4のローパスフィルタを用いることとする。図14(b)は、変倍率とフィルタの係数との関係を示すテーブルについて示したもので、同図(c)に示すように係数aは注目画像に割り当てられ、係数bは注目画像の両横1近傍画素に割り当てられ、係数cは注目画素の左横2近傍画素に割り当てられる。
そして、平滑化の効果が大きいものから順にフィルタF1〜F4の4種類のフィルタが設定され、変倍率が小さい程、平滑化の効果が大きいフィルタを用いるようになっている。
【0012】
このテーブルを参照して、図14(a)の4−UP処理では、原稿画像Aを70%に縮小してメモリ領域E1に展開する際には、フィルタF2を用いてフィルタリング処理を行い、原稿画像Bを130%に拡大してメモリ領域E2に展開する際には、フィルタF3を用いてフィルタリング処理を行い、原稿画像Cを30%に縮小してメモリ領域E3に展開する際には、フィルタF1を用いてフィルタリング処理を行い、原稿画像Dを200%に拡大してメモリ領域E4に展開する際には、フィルタF3を用いてフィルタリング処理を行うようにする。
このようなフィルタリング処理を実行することにより、面付け画像において画質劣化を起こすことなく最適な画質を得ることができる。
【0013】
続いて、この発明の好ましい実施の形態について、以下、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
B.第1実施形態
1.実施形態の構成
1.1.全体構成
図1は、本実施形態に係る画像処理システムの構成を示したものである。
この画像処理システムは、ユーザが原稿の読み取り/プリント指定を行うオペレーションパネル等からなるユーザインタフェース装置(UI;User Interface)1と、UI1により設定されたジョブ動作に従って各装置に指令を与えるとともにシステム全体を統括制御するシステム制御装置(SYS;System Controller)2と、ADF(自動原稿送り装置)またはプラテンガラス上にセットされた各原稿画像を読み取り電気信号に変換する画像入力装置(IIT;Image Input Terminal)3と、IIT3から入力された画像に対して補正・変換・編集処理を行うとともに、N−UP処理を実行する画像処理装置(IPS;Image Processing System)4と、IPS4によって生成されたN−UP画像の供給を受け、電気信号を光信号に変換して静電潜像によるゼログラフィを用いた画像形成を行う画像出力装置(IOT;Image Output Terminal)5とを備えて構成される。
【0014】
1.2.画像処理系を中心とした構成
図2は、IIT3,IPS4から成る画像処理系を中心とした構成を示したものである。
スキャナ部10は、ハロゲンランプ、ミラーおよびレンズ等を用いた光学系を採用し、1ライン数千画素程度のRGBライン型CCDラインセンサを搭載している。このCCDセンサで読み取られた信号は、アナログアンプで増幅されA/D変換部11でディジタル信号に変換される。
IPS4では、IIT3から供給されるRGB各色所定ビット数(例えばRGB各色8ビット)のディジタル信号に種々の処理を施し、IOT5の特性に見合ったYMCK信号を生成する。
【0015】
このIPS4は、入力されたディジタル画像信号に対してシェーディング補正を行うシェーディング補正部12と、このシェーディング補正された画像信号に対してグレーバランス補正を行うグレーバランス補正部13と、TRE(Triple Reduce Enlaragement)基板上に設けられた回路によりRGB入力画像に対して主走査方向・副走査方向の変倍処理、およびフィルタリング処理を行う主走査変倍・フィルタリング処理部14Aと、N−UP処理を行うN−UP画像形成部15と、画像形成部15で面付けされたRGB画像をYMCK画像に変換して出力する色変換処理部16と、再現性の向上を図るための濃度調整、コントラスト調整、ネガポジ反転、カラーバランス調整などを行う階調補正制御部(TRC;Tone Reproduction Control)17とを備えて構成される。
【0016】
ユーザがUI1からN−UPの指示を与えると、スキャナ部10では、入力原稿に対して副走査方向のスキャン速度を変化させることにより副走査方向の変倍を行うとともに、CCDセンサによって読み取られた画像が光電変換によりRGBアナログ画像信号として出力される。このアナログ画像信号がA/D変換部11に伝送されRGBディジタル画像信号となり、このディジタル画像信号に対し、シェーディング補正部12でシェーディング補正処理が行われ、さらにグレーバランス補正部13でグレーバランス補正処理が行われる。そして、このディジタル画像信号に対して、主走査変倍・フィルタリング処理部14Aで主走査方向の変倍およびフィルタリング処理が行われて、N−UP画像形成部15で出力画像に面付けされる。さらに、この面付けされたRGB画像が色変換処理部16でYMCK画像に変換され、TRC17で種々の補正処理が行われてIOT5に転送される。
【0017】
IOT5では、供給されたYMCK信号を半導体レーザの点灯制御するドライバへ入力して光信号に変換する。IOT5内のレーザビーム走査装置は、赤外半導体レーザ、レンズ、ポリゴンミラー等により構成され、数10μm径のスポット光となって感光体ドラムを走査する。この感光体ドラムは、帯電器により帯電されており光信号により静電潜像が形成される。この静電潜像に応じてトナーを供給することによりトナー像が生成され、転写ドラム上に吸着させた用紙上に転写される。そして、感光体ドラムの余分なトナーはクリーナで除去される。これら一連の工程をK,Y,M,Cの順番に繰り返し、用紙上に多重転写・定着することによってN枚の画像が面付けされたカラー画像が出力される。
【0018】
2.実施形態の動作
2.1.N−UP処理の動作シーケンス
次に、ユーザが原稿をセットしてから面付け画像が生成されるまでの動作について、図4に基づき説明する。
まず、ユーザは、ADFに複数枚の原稿をセットし、またはIIT3のプラテンガラス上に原稿を1枚ずつセットし、UI1を介してジョブ動作の設定を行う。この際、UI1の操作パネルから4面付け、8面付けといった面付け数(N−UP数)、A3,A4,B4,B5といった出力用紙サイズ、および50%,120%といったように入力原稿を出力用紙に面付けする際の倍率を入力する(S1)。
ここで、出力用紙サイズとしては、上記のようにマニュアル指定してもよいし、倍率、面付け数および入力原稿サイズから自動的に出力用紙サイズを設定する自動設定としてもよい。同様に、倍率も上記のようにマニュアル指定してもよいし、入力原稿サイズ、出力用紙サイズおよび面付け数との関係から各原稿を面付けする際の倍率を自動的に設定する自動設定としてもよい。
【0019】
このような設定が完了し、ユーザが図示しないスタートボタンを押下すると以下の処理が実行される。
UI1からユーザが指定した情報はSYS2に伝送され、倍率が自動設定の場合(S2;YES)は、用紙サイズとN−UP数とから各原稿に対する倍率が算出され(S3)、ステップS6に進む。一方、倍率がマニュアル指定の場合(S2;NO)は、用紙サイズが自動設定であるか否かが判断される(S4)。
ステップS4で用紙サイズが自動設定の場合(S4;YES)には、倍率、N−UP数および原稿サイズから出力用紙サイズが決定され(S5)、ステップS6に進む。ステップS4で用紙サイズがマニュアル指定の場合は、そのままステップS6に進む。
【0020】
ステップS6では、IPS4において出力画像用メモリが確保される。
そして、本実施形態では、後述するTagを使用する処理(IPS4において画像編集用回路を使用して面付け済み画像に対する編集を行う処理)を実行せずに(S7;NO)、複数の原稿画像に対して各々変倍処理およびフィルタリング処理を施した後、出力画像に面付けする(S8)。つまり、IIT3で副走査方向に変倍処理された複数の原稿画像に対し、主走査変倍・フィルタリング処理部14Aで各々主走査方向の変倍処理および各変倍率に応じたフィルタを用いたフィルタリング処理を行い、このフィルタリング処理画像をN−UP画像形成部15で順次出力画像のN個の分割領域のいずれかに書き込むことで、面付けされた合成画像(N−UP画像)が生成される。
【0021】
2.2.具体的な処理動作
次に、図9〜図13に基づいて、A3横原稿100、A4横原稿101、A6横原稿102の3枚の原稿を読み取り、出力画像を4分割した領域に面付けする4−UPの具体的な処理動作について説明する。なお、、図9〜図13において、FSは主走査方向、SSは副走査方向を示すものとする。
【0022】
2.2.1.自動倍率設定の場合のN−UP処理
図9は、倍率設定を行わず、AMS(Auto Magnification System;自動倍率調整システム)を用いて、複数の原稿を自動的に1枚の用紙に面付する場合の例を示したものである。
同図では、原稿100,101,102の3枚の原稿を読み取り、A3横の出力用紙200に4分割して面付けする4−UPの場合を示している。この場合、4分割された各領域(R1,R2,R3,R4)の各サイズはA5となるから、原稿画像100に対しては50%に縮小し、原稿画像101に対しては70%に縮小し、原稿画像102に対しては141%に拡大して面付けすればよいことになる。
【0023】
まず、IIT3において、スキャナの露光ランプの移動スピードを上げて原稿100を読み取ることで、副走査方向に50%に縮小した変倍画像を得る。この画像がIPS4に転送され、主走査変倍・フィルタリング処理部14Aにおいて、既述のTRE基板上に設けられた回路により、主走査方向に50%に変倍されるとともにフィルタリング処理が実行される。この場合、図14(b)のテーブルを参照して、フィルタF1の1×4ローパスフィルタを用いて50%変倍画像に対する平滑化処理が実行される。
そして、このフィルタリング処理を施した50%変倍画像が、N−UP画像形成部15のメモリ(CMM)上に確保された出力画像の4分割領域R1に面付けされる。
【0024】
同様に、原稿画像101はIIT3で副走査方向に70%に縮小され、主走査変倍・フィルタリング処理部14Aで主走査方向に70%に縮小されるとともに、フィルタF2を用いて、この70%変倍画像にフィルタリング処理が施され、出力画像の4分割領域R2に面付けされる。
また、原稿画像102はIIT3、IPS4を介して141%に拡大され、さらに主走査変倍・フィルタリング処理部14Aにおいて、フィルタF3を用いて、この141%変倍画像に対してフィルタリング処理が施され、出力画像の4分割領域R3に面付けされる。
なお、出力画像の4分割領域R4には原稿画像が面付けされず、この領域内の各画素のRGB各画素値として0を与えた画像が形成される(図10〜図13における領域R8,R12,R16,R20、および図11、図13の場合のように分割領域のサイズよりも小さい変倍画像を面付けした場合に生成される余白部分についても同様である)。
【0025】
図10は、図9の場合と同様、AMSを用いて4−UP処理を行う場合で、出力用紙をA3からA4に変更した場合の例を示したものである。
この場合、出力画像の4分割された各領域(R5,R6,R7,R8)のサイズはA6となるから、原稿画像100に対しては35%に縮小し、原稿画像101に対しては50%に縮小し、原稿画像102に対してはそのまま面付けすればよいことになる。
ここで、スキャナの露光ランプの移動速度の関係上、IIT3での副走査方向の縮小の下限は50%となっている。したがって、原稿画像100に対しては、まず、IIT3において副走査方向に70%に縮小し、次いで、主走査変倍・フィルタリング処理部14Aの処理により、主走査方向に35%に縮小、副走査方向に1/2に縮小することによって、35%変倍画像を得る。そして、この変倍画像に対してフィルタF1を用いてフィルタリング処理が施されて出力画像の4分割領域R1に面付けされる。
【0026】
同様に、原稿画像101に対しては、IIT3において副走査方向に50%に縮小し、次いで、主走査変倍・フィルタリング処理部14Aの処理により、主走査方向に50%に縮小されて、50%変倍画像が生成される。この変倍画像に対してフィルタF1を用いてフィルタリング処理が施されて出力画像の4分割領域R2に面付けされる。そして、原稿画像102に対しては、変倍処理を行うことなく、出力画像の4分割領域R3に面付けされる。
【0027】
2.2.2.出力用紙サイズが自動設定の場合のN−UP処理
次に、マニュアルで倍率指定がなされ、出力用紙サイズが自動設定の場合の面付け処理について説明する。
この場合、入力原稿サイズおよび倍率に基づいて出力画像の分割領域のサイズが決まり、この分割領域サイズと分割数および変倍画像の配置パターンにより出力用紙サイズが決定される。
なお、図11、図12に示す例では倍率がともに50%であるので、フィルタF1を用いてフィルタリング処理が実行される。
【0028】
図11は、各原稿サイズに倍率をかけたサイズのうち、最も大きいサイズを基準として出力画像の分割領域のサイズが決めることとし、この分割領域サイズと面付け数(この場合N=4)および変倍画像の配置パターンの関係から出力用紙のサイズを決定する例である。
同図において、原稿画像100に対する50%変倍サイズであるA5サイズが分割領域R9のサイズとなるので、出力用紙サイズはA3となる。原稿画像101は、50%に縮小されてA6サイズとなり、この変倍画像がフィルタリング処理されて領域R10に面付けされる。この場合、変倍画像のサイズが分割領域のサイズより小さいので、変倍画像は分割用域R10の中心に配置される。原稿画像102についても同様に50%変倍画像のサイズはA8となるので、この変倍画像がフィルタリング処理されて分割領域R11の中心に配置される。
【0029】
図12は、各原稿サイズに倍率をかけたサイズのうち、最も小さいサイズを基準として出力画像の分割領域のサイズが決めることとし、この分割領域サイズと面付け数(この場合N=4)および変倍画像の配置パターンの関係から出力用紙のサイズを決定する例である。
同図において、原稿画像102に対する50%変倍サイズであるA8サイズが分割領域R13のサイズとなるので、出力用紙サイズはA6となる。原稿画像101は、50%に縮小されてA6サイズとなり、この変倍画像がフィルタリング処理されて分割領域R14に面付けされる。この場合、変倍画像のサイズが分割領域のサイズより大きいので、変倍画像は分割用域R14の中心に配置されるとともに、領域R14のサイズでクリッピングされる。原稿画像100についても同様に50%変倍画像のサイズはA5となるので、この変倍画像がフィルタリング処理されて分割領域R15の中心に配置されるとともに、領域R15のサイズでクリッピングされる。
【0030】
2.2.3.倍率および出力用紙サイズがマニュアル指定の場合のN−UP処理
図13は、倍率および出力用紙サイズともにマニュアル指定の場合の4−UP処理の例である。
この場合、ユーザによって倍率50%、出力用紙サイズがA3である旨の指定がされたものとする。したがって、分割領域R17〜R20のサイズはA5となる。
原稿画像102は50%に縮小されてA8サイズとなり、この変倍画像がフィルタリング処理されて分割領域R17の中心に配置される。同様に原稿画像101は50%に縮小されてA6サイズとなり、この変倍画像がフィルタリング処理されて分割領域R17の中心に配置される。また、原稿画像100は50%に縮小されてA5サイズとなり、この変倍画像がフィルタリング処理されて分割領域R19に配置される。
【0031】
2.3.N−UP処理における最大面付け数
図6は、入力原稿のサイズと出力用紙のサイズを決めた場合の最大面付け数の例を表形式でまとめたものである。
(1)原稿サイズと用紙サイズとが同じ場合、例えば、原稿サイズおよび出力用紙サイズがともにA3の場合には、最大8面付けすることができる。この場合1つの面付けサイズはA6となるから、原稿画像は35%に縮小されることになるから、IIT3で副走査方向に70%縮小され、IPS4で主走査方向に35%縮小、副走査方向に1/2に縮小される。また、最小の2面付けの場合は、70%縮小となる。
(2)原稿サイズが用紙サイズよりも小さい場合、例えば、原稿サイズがA6で、出力用紙サイズがA3の場合には、最大8面付けすることができる。この場合、原稿画像を倍率100%、つまりそのまま面付けすればよいことになる。また、最小の2面付けの場合は、200%拡大となる。
(3)原稿サイズが用紙サイズよりも大きい場合、例えば、原稿サイズがA3で、用紙サイズがA6の場合には、最大2面付けすることができる。この場合、原稿画像を25%に縮小する必要があるので、IIT3で副走査方向に50%縮小してからIPS4で主走査方向に25%に縮小、副走査方向に1/2に縮小する。
【0032】
2.4.N−UP処理における画像の配置方法
図7は、2−UP処理を行う場合の画像の配置方法について示したものである。
同図(a)に示したように、縦長原稿(Portrait)が2枚入力された場合には、左から右に配置するパターンと右から左に配置するパターンの2通りのパターンがある。
同図(b)に示したように、横長原稿(Landscape)が2枚入力された場合には、上から下に配置するものとする。
なお、正方形の原稿が入力された場合、上記いずれのパターンにも該当しないので、システム制御装置2から配置パターンに関するコマンドがIPS4に供給されて面付けが行われる。
【0033】
図8は、N−UP処理における面付け数と配置順序との関係について示したもので、特に4面付けと8面付けの場合の例を挙げている。
出力画像の左上の分割領域を開始エリアとして、水平方向に変倍画像を面付けする場合には、同図に示したように1→2→3→4(4面付けの場合)→5→6→7→8(8面付けの場合)の順序で、N−UP画像形成部15において面付けが行われる。つまり、「Z」を紙面下方向に鋸刃状に描くように変倍画像の面付けが行われる。同様に、出力画像の右上の分割領域を開始エリアとして、水平方向に変倍画像を面付けする場合には、▲1▼→▲2▼→▲3▼→▲4▼(4面付けの場合)→▲5▼→▲6▼→▲7▼→▲8▼(8面付けの場合)の順序で面付けが行われる。つまり、「Z」を左右ミラー反転した文字を紙面下方向に鋸刃状に描くように変倍画像の面付けが行われる。
【0034】
一方、出力画像の右上の分割領域を開始エリアとして、垂直方向に変倍画像を面付けする場合には、同図に示したようにA→B→C→D(4面付けの場合)→E→F→G→H(8面付けの場合)の順序で面付けが行われる。つまり、「N」を紙面左方向に鋸刃状に描くように変倍画像の面付けが行われる。また、出力画像の左上の分割領域を開始エリアとして、垂直方向に変倍画像を面付けする場合には、あ→い→う→え(4面付けの場合)→お→か→き→く(8面付けの場合)の順序で面付けが行われる。つまり、「N」を左右ミラー反転した文字を紙面右方向に鋸刃状に描くように変倍画像の面付けが行われる。
【0035】
C.第2実施形態
変倍画像をフィルタリング処理してから面付けする第1実施形態と異なり、第2実施形態においては、変倍画像を面付けした画像に対してフィルタリング処理を実行する。この点を考慮して、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0036】
1.実施形態の構成
第2実施形態に係る画像処理システムは、第1実施形態と同様、図1に示したものである。そして、図3は、第2実施形態に係る画像処理システムにおいて、画像処理系の構成を中心に表現したものである。
IPS4は、図2に示した通常の構成に加え、L*a*b*画像を解析して領域分分離(文字、写真、異なる画像等の分離)を行う編集用ASIC(Application Specific Integrated Circuit)19と、L*a*b*画像に対してTagを介して種々の指令を与えるグラフィックコントローラ20と、L*a*b*画像における上記分離領域ごとにナンバリングを行う編集用DRAM21と、編集用DRAM21によってナンバリングされたL*a*b*画像の各領域に対してコマンドを与えるArea Commnad TagからMag Tagを生成するデコード用RAM22とを備える。
そして、IPS4の主走査変倍処理部14Bでは、フィルタリング処理を実行せず、変倍画像がそのままN−UP画像形成部15で面付けされる。そして、色変換処理部16においてRGB画像であるN−UP画像に対して、RGB空間からL*a*b*色空間への変換処理が行われて、このL*a*b*画像データが編集用ASIC19に取り込まれる。編集用ASIC19上の回路により、L*a*b*画像が面付け画像毎の領域に分割されて、グラフィックコントローラ20の指示に基づいて編集用DRAM21で各分割領域毎に番号(領域番号;例えば4−UPの場合1〜4)が与えられる。この各領域に対して変倍率に応じたフィルタの供給を指示するArea Commnad TagがRAM22で展開されてMag Tagが出力され、このMag Tagをフィルタリング処理部18に供給することで、N−UP領域毎のフィルタリング処理が各画素毎に実行される。
【0037】
2.実施形態の動作
図4に示す動作フローにおいて、ステップS7においてTagを介した処理を実行するのでステップS9に進み、主走査変倍処理部14Bで読み取った複数の原稿画像を変倍処理して、この変倍画像をN−UP画像形成部15で出力画像用メモリに書き込む処理が行われる。
そして、N−UP数、用紙サイズに応じてグラフィックコントローラ20から編集用DRAM21へ各分割領域毎にナンバリングする処理が実行される(S10)。そして、Area Command Tagを用いてN−UP領域毎に変倍率に応じてフィルタを変えるためのMag Tagが出力される(S11)。
【0038】
このArea Command Tagとして、例えば4−UPの場合、次のように規定されている。エリアコマンド”0”は、分割領域の0番の原稿は30%縮小原稿であり、Mag Tagとして”00”が出力されるよう規定されている。そして、エリアコマンド”1”は、1番の原稿は125%拡大原稿であり、Mag Tagとして”10”が出力されるよう規定されている。また、エリアコマンド”2”は、2番の原稿は70%縮小原稿であり、Mag Tagとして”01”が出力されるよう規定されている。エリアコマンド”3”は、3番の原稿は280%拡大原稿であり、Mag Tagとして”11”が出力されるよう規定されている。
【0039】
図5は、Area Command TagおよびMag Tagを用いてフィルタリング処理を行う際の概要を示している。同図(b)に示したように上記の如き4ビットから成るArea Command Tagが、デコード用RAM22に供給されると、2ビットのMag Tagが出力される。このMag Tagには、同図(a)に示したように、”00”、”01”、”10”、”11”のいずれかの情報が記録されており、このMag Tagの値に応じてフィルタF1〜F4のいずれかが選択される。このMag Tagをフィルタリング処理部18に入力することで、乗算・加算回路において、注目画素の近傍画素の画素値にフィルタ係数を乗算して加算した値を注目画素の画素値とする処理が実行される(S12)。
【0040】
D.実施形態の効果
面付け画像に対しては、フィルタリング処理が施されているので、従来のN−UP処理とは異なり、モアレやボケといった画質劣化の少ない良好が画像を得ることができる。また、カラープリンタで出力テストを行った結果では、ギラつき感や粒状感を抑制する効果も認められた。
【0041】
E.変形例
この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような種々の変形が可能である。
(1)本実施形態では、フィルタリング処理において、1×4の1次元ディジタルフィルタを用いたが、3×3や5×5等のマトリックスから成る2次元ディジタルフィルタを用いることとしてもよい。また、ローパスフィルタ(平滑フィルタ)のみならず、画質向上に寄与するものであれば、ハイパスフィルタ(鮮鋭化フィルタ)等の他のフィルタを用いてもよい。さらに、複数種類のフィルタを用いてフィルタリング処理を複数回実行してもよい。
(2)本実施形態では、図14(b)に示した変倍率とフィルタ係数とを対応付けた1つのテーブルを用いて、変倍率に応じたフィルタを選択して変倍画像にフィルタリング処理を行ったが、フィルタ特性の異なるテーブルを複数用意しておき、入力画像毎に異なるテーブルを参照するようにしてもよい。
例えば、文字、線画、写真、淡い色調の原稿、ディテールの細かい原稿等の違いに起因する入力原稿画像の特性に応じて、複数のテーブルを用意しておき、入力画像に応じて適切なテーブルを参照してフィルタ係数を選択するようにしてもよい。
(3)入力画像データとして、ページ記述言語で記述されたデータを用いて変倍処理を行い、この変倍画像に対してフィルタリング処理を行って面付けすることも可能である。また、当該変倍画像を面付けした後、フィルタリング処理を実行することも可能である。
【0042】
【発明の効果】
この発明によれば、複数原稿を読み取り面付けして1枚の用紙に出力する際に、画質劣化につながるボケやモアレのない出力物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る画像処理システムの構成を示すシステム概念図である。
【図2】 第1実施形態の画像処理系の構成を中心に表現したものである。
【図3】 第2実施形態の画像処理系の構成を中心に表現したものである。
【図4】 N−UP処理の動作シーケンスを示すフローチャートである。
【図5】 Area Command TagおよびMag Tagを用いフィルタリング処理を行う際の状況を模式的に示したもので、(a)はMag Tagによってフィルタ係数が割り当てられて画素毎にフィルタリング処理が実行されることを示し、(b)はArea Command TagによりMag Tagが出力される様子を示したものである。
【図6】 入力原稿サイズと出力用紙サイズとの関係から最大面付け数を求める表である。
【図7】 2−UPの場合の配置パターンを示す図で、(a)は縦長画像を面付けする場合、(b)は横長画像を面付けする場合を示したものである。
【図8】 面付け時の配置順序と配置パターンを示したものである。
【図9】 倍率自動指定時の面付け処理の概要を示したものである。
【図10】 出力用紙サイズを変えた場合の倍率自動指定時の面付け処理の概要を示したものである。
【図11】 出力用紙サイズ自動指定時の面付け処理の概要を示したものである(面付けする変倍画像のうち最大サイズのものを基準として用紙サイズを決定する場合)。
【図12】 出力用紙サイズ自動指定時の面付け処理の概要を示したものである(面付けする変倍画像のうち最小サイズのものを基準として用紙サイズを決定する場合)。
【図13】 倍率および出力用紙サイズをマニュアル指定した場合の面付け処理の概要を示したものである。
【図14】 本実施形態の原理を説明する図であって、(a)は、4−UPの状態を示し、(b)は、変倍率とフィルタ係数とを対応付けるテーブルであり、(c)は、(b)のフィルタ係数a,b,cと近傍画素との関係を示したものである。
【符号の説明】
1 ユーザインタフェース装置(UI)
2 システム制御装置(SYS)
3 画像入力装置(IIT)
4 画像処理装置(IPS)
5 画像処理装置(IOT)
10 スキャナ部
11 A/D変換部
12 シェーディング補正部
13 グレーバランス補正部
14A 主走査変倍・フィルタリング処理部
14B 主走査変倍処理部
15 N−UP画像形成部
16 色変換処理部
17 階調補正制御部(TRC)
18 フィルタリング処理部
19 編集用ASIC
20 グラフィックコントローラ
21 編集用DRAM

Claims (5)

  1. 複数の原稿を読み取り、各々所定の変倍率で変倍処理を行って複数の変倍画像を生成する過程と、
    前記複数の変倍画像を面付けした合成画像を生成する過程と、
    前記各変倍画像に対する前記変倍率に応じたフィルタを用いて、前記合成画像における該変倍画像が面付けされた領域の各画素に対してフィルタリング処理を行うことにより画像データを生成する過程と
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  2. 請求項1に記載の画像処理方法において、
    前記フィルタリング処理において、
    前記変倍率に応じて平滑化の効果が異なるフィルタを用いること
    を特徴とする画像処理方法。
  3. 請求項1又は2に記載の画像処理方法を実行すること
    を特徴とする画像処理装置
  4. 請求項3に記載の画像処理装置によって生成された画像データの供給を受けて出力を行うこと
    を特徴とする画像形成装置
  5. 請求項1又は2に記載の画像処理方法を実行するプログラムを記録した記録媒体
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