JP4011688B2 - Mos構造中の金属電極を有するセンサの製造方法 - Google Patents

Mos構造中の金属電極を有するセンサの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はMOS構造中の金属電極を有するセンサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属電極を形成する通常の製造工程は通常の一般的なMOS処理方法と併用されることができないので、このようなセンサの製造は実施できない。一般的なMOSプロセスでは、付加的な処理工程は金属電極の付着、特にフォトリソグラフ、エッチング、レジスト剥離工程を必要とされる。金属電極がそれらに共通して使用される材料、即ち金またはプラチナ等の貴金属から形成されるならば、MOS構造は前述のステップが実行されるとき金属により汚染される。これはシリコン酸化物の特性、特にMOSトランジスタの場合、ゲート酸化物とその下に位置するチャンネルの特性に悪影響を与える。さらに、処理工程を実行するために半導体工場で使用される装置が汚染され、これはMOS製造では許容されない。アルミニウムまたはチタニウム等の卑金属の電極が付着されるならば、これらの金属は付着および他の材料との接触期間にそれらの特性を変化する。結果として、センサの特性も同様に変化する。プラチナが金属電極に使用されるならば、接着材料が必要とされ、そのためチタニウムが使用される。この場合、前述の不適切な特性が組合わされる。さらに、金属電極の付着に必要とされる付加的なステップのために、プロセスは複雑で高価になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、信頼性のあるセンサ信号を生成するMOS構造中の金属電極を有するセンサを製造するための経済的な製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この目的は、本発明によるMOS構造中の金属電極を有するセンサの製造方法により実現され、ここでMOS構造はパッシベーション層を形成するまでの一般的なMOS処理工程で製造され、金属電極構造を有する感知領域はMOS処理工程期間中に形成され、金属電極構造は金属の予め定められた接着特性を有する材料から作られ、感知領域はパッシベーション層と、感知領域とパッシベーション層との間に位置する層をエッチングすることにより露出され、MOS構造の表面の金属被覆は金属層が金属電極構造のみに接着するように行われる。
【0005】
本発明の製造方法では、MOS構造はパッシベーション層を形成するまでは通常の処理工程で製造され、これはMOS構造を保護する役目を行う。この標準的なMOS処理工程期間中に、金属電極構造を有する感知領域が形成される。感知領域と金属電極構造は、MOS構造で必要な材料が選択されることができる。付加的なマスクは感知領域と金属電極構造に対して必要ない。感知領域と金属電極構造はMOS処理工程で使用されるマスクの生成期間中に形成されることができる。パッシベーション層を有するMOS構造の製造後、パッシベーション層は感知領域を露出するためにエッチングされる。他の層がパッシベーション層と感知領域との間に設けられるならば、これらは対応してエッチングされる。このエッチング工程は他のエッチング工程と共に実行されることができ、付加的なマスクを必要としない。金属電極を形成するために、構造は金属で被覆される。金属が金属電極構造のみに接着しながらMOS構造の表面全体が処理される金属被覆プロセスが使用されるので、これは付加的なマスクを必要としない。金属電極構造の材料と金属は適切な接着能力をもつように選択される。したがって、金属電極の形成に付加的な処理工程の必要性が除去されるので、本発明による製造方法は非常に簡単である。しかしながら、特に、これは金属電極の形成とMOS処理工程とを結合することを可能にするだけである。金属電極の形成はフォトリソグラフ、エッチングまたはレジスト剥離工程を必要としないので、MOS構造またはMOS処理工程を実行するための装置が汚染されずに、金属電極は貴金属から作られることができる。
【0006】
本発明の第1の実施形態では、金属被覆はメッキ、特に無電解のメッキにより行われる。この場合、金属電極構造の材料と、付着される金属は適切に選択されなければならない。無電解のメッキが使用されるならば、付着される金属は金属電極構造の材料よりもより貴である金属の特性をもたなければならない。
【0007】
本発明の第2の実施形態では、金属被覆は、金属を蒸着し、それに続いて超音波エネルギを用いた金属層の選択的な材料依存性除去により行われる。金属電極構造の材料と、この構造を囲む材料と、金属が適切に選択されるならば、この構造の外側の付着金属は超音波処理によって確実かつ容易に除去されることができる。MOS構造に悪影響を及ぼす処理工程も、マスク動作に関連する高価な処理工程も必要ではない。
【0008】
貴金属、特にパラジウムが有効な金属被覆として使用される。パラジウムをセンサ構造へ選択的に接着することが確実にされる。除去する前に水素含有ガスにより金属層を処理することも有効である。金属層の選択的な除去はより確実で高速である。
【0009】
感知領域がシリコンで作られ、金属電極構造の外側の領域は、金属による接着がシリコンより良好ではない材料で被覆されることが有効である。シリコンウェハで開始したならば、感知領域の形成に適切なシリコン層は少なくとも1つのMOSトランジスタを含んだMOS構造を生成する処理工程の結果として既に存在する。感知領域はそれ自体の基体上またはMOS処理期間中に製造されたシリコン層上に形成されてもよい。例えば、これはゲート電極を形成するためにMOSトランジスタのゲート領域上にポリシリコンを付着するのと同時に形成される。さらに、酸化物、特にシリコン酸化物によりゲート電極構造の外側の領域を被覆することが有効であり、それはこれに必要な処理工程がシリコン半導体にMOS構造を製造する期間中に実行されるからである。
【0010】
感知領域を露出するためのパッシベーション層およびその他の層のエッチング期間中に、結合パッドの領域が露出されるならば、さらにプロセスの簡素化が実現される。これに対して付加的なマスクおよびエッチング工程は必要ではない。結合パッド領域はシリコンであり、感知領域と同一のマスク工程で形成される。この方法で、導電通路を形成し接触を行うために通常使用されるアルミニウムは半導体の内部から出されない。センサがバイオセンサまたは化学センサとして使用されるならば、アルミニウムとアルミニウム合金は液体中に溶融し、細胞等の生きた器官に対して有毒である理由で、液体はアルミニウムと接触できないので、MOS構造全体は試験された液体で覆われてもよい。この実施形態は原理上、MOS製造プロセスとMOS構造特性における変化を含まない。
【0011】
本発明の別の実施形態では、MOS構造の電気相互接続はシリコンで形成される。パッシベーション層は実質上、相互接続がアルミニウムであり、厚いパッシベーション層が必要とされる場合よりも薄く作ることができるので、薄いMOS構造が製造されることができる。従来必要であったアルミニウム層および付加的な絶縁層が不要になるので、構造も薄くなる。アルミニウムの使用を避けることによって、より高い温度で処理工程を実行することが可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明を添付図面を参照してより詳細に説明する。
図1はフィールド酸化物層2が付着されている半導体基板1を示している。半導体基板1は例えばシリコンであってもよく、フィールド酸化物層2は二酸化シリコンでよい。フィールド酸化物層2はMOSトランジスタが設けられる位置に開口3を有する。開口3では、ゲート酸化物層4が付着され、これは実質上フィールド酸化物層2よりも薄い。フィールド酸化物層2とゲート酸化物層4上に付着されているポリシリコン層5は、ゲート酸化物層4上にゲート電極8、フィールド酸化物層2上に相互接続部6と感知領域7を形成するような方法でパターン処理される。感知層7は金属電極がそこに形成されるための構造を有する。示されている実施形態では、感知領域は平坦な金属電極を支持する役目を行う。感知領域7のシリコンはまたインターデジタルキャパシタを形成するための櫛形構造のような空間的に異なった構造を有していてもよい。これを実現するため、感知領域7のシリコンは金属電極で被覆されない位置でフィールド酸化物層2を露出する方法でパターン化される。
【0013】
これまで説明した構造の製造を含む処理工程は一般的なMOS処理工程に対応する。これらの工程を実行するのに必要な詳細は当業者によく知られている。感知領域7は構造、特にMOSトランジスタの製造期間中に限定されることが確実にされなければならない。示された実施形態では感知領域7はシリコンゲート電極8と相互接続部6と同時に形成される。
【0014】
図2で示されているように、続いて絶縁層9が付着され、開口が所望の接触領域上、特にMOSトランジスタ10と相互接続部6上に形成される。電気接触部を形成するように絶縁層9の開口が導体層11の材料で充填される方法で、導体層11は絶縁層9上に付着される。MOS構造全体は保護層12で被覆される。導体層11は一般的にはアルミニウム層である。
【0015】
金属電極13が付着されている領域の感知層7を露出するためパッシベーション層12と絶縁層9に開口がエッチングされる。同時に、相互接続6の領域は結合パッドを形成するために露出される。MOS構造の表面は、金属層が金属電極の感知領域の構造と、結合パッドのための相互接続部6の露出された領域のみに接着する方法で金属を被覆される。この方法で、金属電極13と結合パッド14が図3で示されているように形成される。
【0016】
金属電極13と結合パッド14の構成は、金属電極13の感知領域7の構造と、結合パッド14の領域が金属に良好に接着する材料から形成され、パッシベーション層12と絶縁層9は金属電極13と結合パッド14の構造の材料が良好に接着しない材料で形成されることにより可能にされる。適切な材料は、相互接続部6と感知領域7にはポリシリコン、金属電極13と結合パッド14にはパラジウム、絶縁層9には二酸化シリコン、パッシベーション層12にはシリコン窒化物および/またはシリコン酸化物である。
【0017】
本発明の1実施形態では、選択的な金属被覆はメッキ、特に無電解メッキにより行われる。この場合、前述の材料選択の場合のように、付着される金属はベースの材料よりも貴金属である材料でなければならない。
【0018】
本発明の第2の実施形態では、金属はパターン化されたパッシベーション層12が設けられているMOS構造の表面全体にわたって蒸着することにより付着される。したがって生成された金属層はその後、選択的に除去されなければならない。これはMOS構造に超音波処理を施すことにより行われ、その期間中に金属層はパッシベーション層12と絶縁層9から分離する。超音波処理前に、MOS構造は水素含有ガスで処理されてもよい。パラジウムで製造されている場合、金属層は水素を取るので、これは金属層をパッシベーション層12からより容易に分離する結果となる。シリコンとパラジウムの接着特性によってパラジウム層は超音波処理期間中でさえもシリコンから分離しない。図3で示されている実施形態では、感知領域の構造は平坦な金属電極が接着する内部領域を含んでいる。この処理によって他の構造、特にインターデジタルキャパシタ構造を形成することも可能である。
【0019】
図4、5は本発明にしたがったプロセスによるMOS構造の別の実施形態の製造を示している。以下説明する以外の方法でなければ、この構造は図1乃至3を伴って説明したプロセスで製造される。図4は開口3を有するフィールド酸化物層2が半導体基体1上に付着された後の構造を示している。開口3にMOSトランジスタを形成するため、ゲート酸化物層4がそこに付着され、これはこの実施形態では、フィールド酸化物層2と、半導体基体の表面を露出するゲート酸化物層4との間にコンタクト開口が設けられる方法で成形される。この方法では、基体1上に形成されたMOSトランジスタ10と、フィールド酸化物層2に付着されたポリシリコン層5との間で直接接触が可能にされる。示された実施形態では、ポリシリコン層5は、感知領域7、ゲート電極8、相互接続部6、6´を形成するように成形される。相互接続部6、6´はMOSトランジスタ10との接触を形成し、結合パッド14を形成する両方に使用されることができる。
【0020】
図5は、前述したプロセスのうちの1つによって、感知領域7の構造と結合パッド14のための開口を有するパッシベーション層12が形成された後の構造を示しており、開口において選択的に露出されたシリコン領域へ金属層が付着され、即ち感知領域7の構造上へ付着され、また結合パッド14の領域へ付着された後の構造を示している。この実施形態はシリコン相互接続部を使用し、即ち付加的なアルミニウム相互接続部と中間の絶縁層の付着が避けられ、それによってプロセスはより簡単になり、より薄いMOS構造が実現されることができる。さらに、アルミニウムの使用が避けられるので、構造は高温処理にも耐えられ、それによって高温プロセスが製造期間に実行されることができる。アルミニウム相互接続部を有する一般的なMOS構造と比較して、相互接続部のより高い電気抵抗による他の電気特性が考慮されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にしたがったプロセスで製造されたMOS構造の第1の実施形態の断面図。
【図2】本発明にしたがったプロセスで製造されたMOS構造の第1の実施形態の断面図。
【図3】本発明にしたがったプロセスで製造されたMOS構造の第1の実施形態の断面図。
【図4】異なった処理工程後、本発明にしたがったプロセスで製造されたセンサの第2の実施形態の断面図。
【図5】異なった処理工程後、本発明にしたがったプロセスで製造されたセンサの第2の実施形態の断面図。

Claims (10)

  1. MOS構造を備えた半導体装置と同一の半導体基板上に形成されている金属電極を有するセンサの製造方法において、
    半導体基板の表面に酸化物層と導電層とを順次付着させてMOS構造を形成し、半導体基板上にセンサの領域を形成し、このMOS構造とセンサの領域とを含む半導体基板の全表面をパッシベーション層により被覆し、
    被覆されたパッシベーション層にエッチングによって前記センサの領域に到達する開口を形成し、この開口中に露出された前記センサの領域に金属層を付着させてセンサの金属電極を形成し、
    この金属電極は前記センサの領域のみと良好な接着が行なわれるような接着特性を有する金属材料で構成されているセンサの製造方法。
  2. 前記センサの金属電極の形成はメッキによって行われる請求項1記載の製造方法。
  3. 前記センサの金属電極の形成は、金属の蒸着と、それに後続する超音波エネルギを用いた選択的な金属層材料依存した除去処理により行われる請求項1記載の製造方法。
  4. 前記センサの金属電極の金属層には、貴金属、特にパラジウムが使用される請求項1乃至3のいずれか1項記載の製造方法。
  5. 前記選択的な除去前に、金属層は水素含有ガスによって処理される請求項記載の製造方法。
  6. 前記センサの領域はシリコンによって形成され、前記金属電極の外側の領域は、電極の金属に対して良好に接着しない材料で被覆されている請求項1乃至5のいずれか1項記載の製造方法。
  7. 前記金属電極外側の領域が酸化物、特にシリコン酸化物で被覆される請求項1乃至6のいずれか1項記載の製造方法。
  8. 前記センサの領域を露出するためのパッシベーション層のエッチング期間に、結合パッド領域も同じエッチング処理によって露出される請求項1乃至7のいずれか1項記載の製造方法。
  9. 前記結合パッド領域がポリシリコンによって形成され、前記センサの領域の形成と同じマスクステップで形成される請求項記載の製造方法。
  10. 前記MOS構造を備えた半導体装置の電気相互接続部がポリシリコンから形成される請求項1乃至9のいずれか1項記載の製造方法。
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