JP4010713B2 - 引き戸錠の室外側引き戸用錠装置 - Google Patents
引き戸錠の室外側引き戸用錠装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4010713B2 JP4010713B2 JP20872899A JP20872899A JP4010713B2 JP 4010713 B2 JP4010713 B2 JP 4010713B2 JP 20872899 A JP20872899 A JP 20872899A JP 20872899 A JP20872899 A JP 20872899A JP 4010713 B2 JP4010713 B2 JP 4010713B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sliding door
- lock
- support shaft
- operation lever
- outdoor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Lock And Its Accessories (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は引き戸錠の室外側引き戸用錠装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
引き戸を施錠するための引き戸錠としては、特開平10-280767号公報記載のものが知られている。この従来例において、室外側の引き戸内には一対の操作レバーが同軸回りに回転自在に軸支される室外側引き戸用錠装置が、室内側の引き戸には鎌形ロック部材が回転自在に軸支された室内側引き戸用錠装置が各々収納される。
【0003】
室外側引き戸用錠装置の操作レバーは、室外側引き戸に固定されたシリンダ錠への回転操作により上下駆動されるスライダにより回転駆動されて自由端が室内側引き戸内に進入する。鎌形ロック部材は室内側引き戸用錠装置の錠ケースに上下移動自在に配置される駆動板により駆動することができ、駆動板が下方に移動すると、室外側引き戸の係入孔に進入して室内側引き戸の移動を禁止する。シリンダ錠を施錠側に回転駆動させると一方の操作レバー(施錠操作レバー)が時計回りに回転して駆動板を引き下げて施錠状態となり、解錠側に回転駆動させると他方の操作レバーが反時計回りに回転し、駆動板を引き上げて解錠状態となる。
【0004】
また、シリンダ錠を操作しない状態において各操作レバーは室外側引き戸内に収容された初期位置に保持される必要があり、このため、スライダは軸回りに巻回されるトーションスプリングにより操作レバーを初期位置に保持する位置に維持される。
【0005】
しかし、この従来例において、操作レバーはスライダに係止されるだけで初期応力が負荷されていないために、スライダに対して遊びがある。このため、スライダがトーションスプリングにより所定位置に保持されても操作レバーのがたつきを防止することができず、動作が不安定であるという欠点がある。また、操作レバーにがたつきがあると、操作レバーがストライク面から室内側引き戸に向けて突出する可能性があり、解錠状態で引き戸を操作した際に室内側引き戸に干渉するおそれもある。
【0006】
また、上述した従来例において、操作レバーの支軸はストライク面から離れて配置されているために、操作レバーのレバー長が長くなって軌道半径が大きくなり、装置が大型化するという欠点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の欠点を解消すべくなされたものであって、動作信頼性が高く、かつ、装置の小型が可能な引き戸錠の室内外側引き戸用錠装置、および引き戸錠の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば上記目的は、
シリンダ錠1への操作により上下駆動されるスライダ2と、
スライダ2の駆動方向によりいずれか一方が選択されて支軸19周りに回転駆動され、室外側引き戸3内の初期位置から室内側引き戸4内に進入して室内側引き戸4内に配置された鎌形ロック部材5を室外側引き戸3の係入孔6に進退させる一対の操作レバー7、7’とを錠ケース8に配置して室外側引き戸3内に収容され、
前記一対の操作レバー7、7’は、積層状態で共通の支軸19に軸支されるとともに、脚部9bが各操作レバー7、7’に各々遊嵌されるトーションスプリング9により支軸19周りに各操作レバー7、7’が初期位置側に付勢され、
かつ、前記トーションスプリング9は、コイル部9aが巻き重ねられる方向を支軸19の長手方向に合致させた姿勢で該支軸19の後方である操作レバー7,7’の後方に無拘束状態で配置されるとともに、脚部9bに形成されたリング部9cが各操作レバー7,7’の各々背面方向に突設されるピン7a、7a’に遊嵌されていずれか一方の脚部9bの移動に伴って各操作レバー7,7’に対する初期位置側への付勢を維持して移動可能な状態で操作レバー7,7’に装着される引き戸錠の室外側引き戸用錠装置を提供することにより達成される。
【0011】
室外側引き戸用錠装置10のスライダ2の駆動方向はシリンダ錠1への操作方向により決定され、例えば、シリンダ錠1を解錠方向に回転操作するとスライダ2が上方に、施錠方向に回転させると下方に移動する。一対の操作レバー7、7’は、スライダ2の駆動方向により選択されていずれか一方が回転し、室内側引き戸用錠装置16を動作させて鎌形ロック部材5を駆動する。
【0012】
トーションスプリング9は脚部9bを操作レバー7に遊嵌して操作レバー7に初期位置側への付勢力を与え、各操作レバー7を初期位置に保持する。操作レバー7に直接初期位置への復元力を与える本発明において、操作レバー7は無負荷状態になることがなく、不用意にストライク面から突出したり、がたつくことが確実に防止される。
【0013】
トーションスプリング9は脚部9bが操作レバー7、7’に拘束され、コイル部9aがフローティング状態、すなわち、支持軸等により拘束されることなく、脚部9bの移動に伴って移動可能な状態で装着される。このコイル部9aは操作レバー7、7’の後方、すなわち、室外側引き戸3の室内側に偏位した位置に配置される。このようにトーションスプリング9を配置することにより、支軸19周りにコイル部9aを巻装する場合に比して、操作レバー7、7’の支軸19をストライク面に可及的に接近させることができるために操作レバー7、7’のレバー長を短くでき、全体を小型化することが可能になる。
【0014】
すなわち、図4(c)、(d)に示すように、支軸19周りにトーションスプリング9のコイル部9aを巻装した場合には、コイル部9aを挟んで一対の操作レバー7、7’を配置することとなり、操作レバー7、7’間の間隔dは図4(a)、(b)に示す本発明に比して広くなる。操作レバー7、7’を平板状に形成すると、操作レバー7、7’を受容するための室内側引き戸4の係入孔6を大きくする必要があり、これを避けるために、操作レバー7、7’は中心方向にオフセットされるが、後述するガードカバー20を装着する際には、施錠状態において室外側引き戸用錠装置10に進入してくるガードカバー20内壁との間に十分な動作クリアランスを取る必要があるために、操作レバー7、7’の支軸19とストライク面21との距離Dを大きくする必要がある(クリアランスがないと、図4(d)におけるA点での干渉が発生する)。ガードカバー20内壁とのクリアランスの確保の要請は、チリ寸(室内外引き戸間の間隙寸法)wが小さく、ガードカバー20の室外側引き戸用錠装置10への進入寸法が大きな場合に発生するが、一方、引き戸錠はチリ寸wの大きな引き戸への適用も考慮する必要があり、かかる場合にも対応可能とするためには、図4(c)に示すように、操作レバー7、7’が室内側引き戸4のロック操作プレート11を押圧、あるいは引き上げすることができるように、操作レバー7、7’のレバー長Lを十分に長くする必要が生じ、結果、装置全体が大型化する。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、引き戸錠は、室外側引き戸3に装着される室外側引き戸用錠装置10と、室内側引き戸4に装着される室内側引き戸用錠装置16とからなる。
【0018】
室外側引き戸用錠装置10は室外側壁面に固定される化粧座22と、室外側引き戸3内に固定される錠ケース8とを有し、錠ケース8には、スライダ2、および一対の操作レバー7、7’が装着される。スライダ2は化粧座22に固定されるシリンダ錠1への回転操作により上下駆動され、駆動方向は、例えば、シリンダ錠1を施錠方向に回転操作した場合には下方に、解錠方向に操作した場合には上方に駆動されるというように、シリンダ錠1への回転操作方向により一義的に決定される。
【0019】
図示の例において、シリンダ錠1はキー挿入開口1aを室外側引き戸3表面に露出させて化粧座22に固定され(図5(a)参照)、該キー挿入開口1a内に挿入されるキープレートによりロータ1bの端部に固定されたピニオン23を回転させることができる。スライダ2は上記ピニオン23の歯が噛み合う矩形開口2bを所定ピッチで開設した板体であり、ピニオン23の回転により上下駆動される。
【0020】
一対の操作レバー7、7’は錠ケース8に立設される支軸19を共通の回転軸として該支軸19周りに回転自在に軸支される。各操作レバー7、7’は操作先端部7b、7b’を備え、操作先端部7b、7b’が室外側引き戸3内に収容される初期姿勢(図1の状態)では、各操作先端部7b、7b’は室内側引き戸4を向き、かつ、支軸19に対して上下反対方に位置する。上記支軸19は、該支軸19から操作先端部7b、7b’までの距離(レバー長)が短くても、室内側引き戸4への進入距離を長くするために、可及的にストライク面21に接近して設けられる。これら操作レバー7、7’は図4(b)、および図5(b)に示すように、表裏面を接触させた積層状態で支軸19に軸支されており、各操作レバー7、7’には互いに背向するピン7a、7a’が突設される。ピン7a、7a’は支軸19に対して操作先端部7b、7b’と反対方で、かつ、支軸19から引いた上記スライダ2の操作方向線(図6(a)における矢印B)より適宜間隔δ離れた位置に設けられ、該ピン7a、7a’をスライダ2により押し下げ、あるいは引き上げることにより支軸19周りに回転させることができる。
【0021】
上記操作レバー7、7’を回転操作するために、スライダ2には各操作レバー7、7’のピン7a、7a’に対応する一対の干渉部2a、2a’が形成される。図6に示すように、各干渉部2a、2a’は、一方がスライダ2の降下時に一方のピン7aに干渉して該ピン7aを押し下げ、他方がスライダ2の上昇時に他方のピン7a’に干渉して該ピン7a’を押し上げるように形成される。干渉部2a、2a’の位置は一方がピン7aを作動させている際には、他方の干渉部2a’は他方のピン7a’から離隔した位置にあるように設定され、スライダ2の駆動方向により操作レバー7、7’のいずれか一方のみに選択的に回転力が与えられる。
【0022】
図示の例において、スライダ2は各操作レバー7、7’の表面に平行し、縦長の切欠2d、2d’が切り欠かれた2枚の翼片2c、2c’を有し、一方の切欠2c’の上端、および他方の切欠2cの下端が干渉部2a、2a’とされる(図5参照)。両操作レバー7、7’が初期位置にある際には、各干渉部2a、2a’は対応する操作レバー7、7’のピン7a、7a’に圧接しており、図2に示すように、スライダ2が施錠方向(下方向)に駆動された際には一方の操作レバー7(以降、施錠操作時に回転する操作レバー7を便宜上「施錠用操作レバー7」、解錠操作時に回転する操作レバー7’を「解錠用操作レバー7’」と呼ぶ。)のみが干渉部2aに干渉して反時計回りに回転し、図3に示すように、解錠方向に駆動された際には解錠用操作レバー7’のみが時計回りに回転する。干渉部2a、2a’は図6に示すように、室外表面側に延びる凹部2eを有しており、操作レバー7、7’のピン7a、7a’は干渉部2a、2a’に押圧された際に、支軸19周りに回転しながら凹部2e内に嵌合する。
【0023】
上記各操作レバー7、7’を初期位置に維持するために、トーションスプリング9が装着される。トーションスプリング9はコイル部9aと、コイル部9aから延設される脚部9bとからなり、脚部9b先端にはリング部9cが形成される。リング部9cは上記ピン7a、7a’に形成された嵌合溝(図示せず)に遊嵌し、ピン7a、7a’に対して空転自在で、かつ、ピン7a、7a’の自由端方向への移動が移動が規制されて抜け止めされる。このトーションスプリング9は図4(b)に示すように、コイル部9aの巻き方向を支軸19の長手方向に合致させた姿勢で配置され、一方のリング部9cが施錠用操作レバー7のピン7aに、他方が解錠用操作レバー7’のピン7a’に装着される。操作レバー7、7’に装着した状態でコイル部9aは操作レバー7、7’の後方に無拘束状態で保持され、脚部9bの位置関係により決定される所定位置を占める。また、トーションスプリング9は両操作レバー7、7’が初期位置にある際に所定の初期撓み角が与えられるように設計されており、ピン7a、7a’はトーションスプリング9により相互に離間する方向に付勢されて対応する干渉部2a、2a’に圧接し、各操作レバー7、7’は初期姿勢を維持する。
【0024】
いずれかの操作レバー7、7’が回転すると、該操作レバー7、7’のピン7a、7a’は他方の操作レバー7’、7のピン7a’、7aに接近する関係にあるから、コイル部9aはピン7a、7a’間に引いた線分を底辺とする二等辺三角形上の頂点位置に移動しながら巻き込み角(撓み角)を増加させる。この後、操作レバー7、7’への操作力が解除されると、コイル部9aにおける弾性復元力により操作レバー7、7’は初期位置に戻される。上述したように、操作レバー7、7’が干渉部2a、2a’に押圧された状態でピン7a、7a’は凹部2e内に嵌合しているために、例えば操作レバー7、7’が近傍の部品に干渉してトーションスプリング9の弾性復元力では戻らない場合でも、シリンダ錠1を操作することにより、凹部2eの干渉部2a、2a’との対向壁面2f(図6参照)によりピン7a、7a’を強制操作することができるために、信頼性が向上する。また、初期位置においてピン7a、7a’は干渉部2a、2a’に圧接しているために、スライダ2との間にがたつきが発生することがない。この結果、操作レバー7、7’がストライク面21より突出して室内側引き戸4と干渉することがなく、しかも、シリンダ錠1のロータ1bがキー抜き差し位置まで確実に戻るために、キーの抜き差し感も良好になる。
【0025】
したがってこの実施の形態において、シリンダ錠1を施錠方向に回転させると、図2に示すように、スライダ2を介して施錠用操作レバー7が回転し、後述する室内側引き戸用錠装置16の鎌形ロック部材5を施錠位置に移行させて施錠が完了する。この後、シリンダ錠1への操作力を解除すると、トーションスプリング9の弾性復元力により施錠用操作レバー7は初期位置に復帰する。また、施錠状態からシリンダ錠1を解錠方向に回転させると、図3に示すように、スライダ2を介して解錠用操作レバー7’が回転し、鎌形ロック部材5を解錠位置に移行させて解錠状態となり、シリンダ錠1への操作力の解除とともに解錠用操作レバー7’は初期位置に復帰する。
【0026】
一方、室内側引き戸用錠装置16は、図1に示すように、室内側引き戸4に固定される錠ケース18と、室内側表面に配置される化粧座24とを有し、錠ケース18にはロック操作プレート11と、鎌形ロック部材5が配置される。錠ケース18に上下移動自在に装着されるロック操作プレート11は作動片11aを備え、図2、図3に示すように、室内側引き戸用錠装置16内に進入してきた操作レバー7、7’の操作先端部7b、7b’に作動片11aが押し上げられ、または押し下げられて上下駆動される。
【0027】
鎌形ロック部材5は、先端に鎌形のロック部5aを有し、錠ケース18に回転自在に軸支される。この鎌形ロック部材5には、上記ロック操作プレート11に突設されるロック操作突起11bが遊嵌する長孔5bが形成され、ロック操作プレート11の上下動に対応してロック部5aが室内側引き戸4内に収容される解錠位置(図1の状態)と、上記室外側引き戸用錠装置10の係入孔6から進入してストライクプレート25に係止する施錠位置(図2の状態)との間を回転する。また、ロック操作プレート11と錠ケース18との間にはクリックスプリング26が介装され、ロック操作プレート11を下方ストローク終端位置と上方ストローク終端位置のいずれかに停止させる。
【0028】
図示の例において、クリックスプリング26は両脚部26aをロック操作突起11b、および鎌形ロック部材5の支軸27に遊嵌して装着されており、施錠用操作レバー7によりロック操作プレート11が所定長押し上げられると、ロック操作プレート11はクリックスプリング26の作用により上方ストローク終端まで移動して鎌形ロック部材5を施錠位置に移行させる(図2参照)。また、施錠状態において解錠用操作レバー7’によってロック操作プレート11が押し下げられると、クリックスプリング26の作用によりロック操作プレート11は下方ストローク終端まで移動し、鎌形ロック部材5を解錠位置に移動させる(図1参照)。
【0029】
また、この実施の形態において、室内側引き戸用錠装置16には施錠時における引き戸間の隙間からの操作レバー7、7’へのアクセスを禁止するためのガードカバー20が設けられる。ガードカバー20は、図7(a)に示すように、初期位置にある両操作レバー7、7’の操作先端部7b、7b’の周囲を囲むことができる程度の大きさの中空矩形断面を有し、錠ケース18に対して室外側に向けて移動自在に装着される。一方、ロック操作プレート11にはガイド溝11cが形成されており、上記ガードカバー20の側面から突設されるガイドピン20aが遊嵌される。ガイド溝11cはロック操作プレート11の施錠方向への移動によりガイドピン20aを室外側に移動させるように形成される。
【0030】
ロック操作プレート11が施錠方向に駆動されると、ガイドピン20aが押されてガードカバー20は室外側引き戸用錠装置10側に飛び出し、チリ寸wが小さな場合には、図4(b)に示すように、室外側引き戸用錠装置10内に進入し、チリ寸wが大きな場合には、図2に示すように、ストライク面21とほぼ同一面に先端が位置して引き戸3、4間に突出してきた操作レバー7、7’を囲む。このため、施錠状態において引き戸3、4間の隙間から杆体を差し込んで解錠操作レバー7’を強制回転させ、鎌形ロック部材5を初期位置に移動させることができないために、防盗性能が向上する。
【0031】
さらに、この実施の形態において、室内側引き戸用錠装置16には施錠操作時に施錠位置に室外側引き戸3がない場合、施錠操作を禁止する安全装置28が配置される。図9、10に示すように、安全装置28は、圧縮スプリング12により室外側、すなわち、室外側引き戸3側に付勢される検知部材13と、ロック操作プレート11とから構成され、ロック操作プレート11にはストッパ部11dと、ロック操作プレート11が解錠位置にある際に圧縮スプリング12の付勢力に抗して検知部材13を室外側引き戸3に干渉しない位置まで退避させる制止部11eが設けられる。一方、検知部材13には、該検知部材13が飛び出し側ストローク終端位置にある時に上記ストッパ部11dの施錠位置方向への移動経路を遮断し、その他の飛び出し位置ではストッパ部11dの移動経路を開放するブロック部13bが設けられる。
【0032】
解錠位置からロック操作プレート11を施錠位置側に移動させようとすると、まず、制止部11eによる検知部材13の制止が解除されて検知部材13は圧縮スプリング12の弾性復元力により飛び出し方向に移動する。図9(a)に示すように、飛び出し方向に施錠対象である室外側引き戸3が存在していると、検知部材13は室外側引き戸3に衝接するために飛び出し側ストローク終端まで飛び出すことができない。この状態ではストッパ部11dの移動経路は開放されているために、ロック操作プレート11は図9(b)に示すように、さらに上方、すなわち施錠位置側に移動することが可能であり、鎌形ロック部材5を施錠位置に移動させることができる。これに対し、図10に示すように、飛び出し方向に室外側引き戸3が存在していない場合には、検知部材13は飛び出し側ストローク終端まで飛び出すために、ストッパ部11dの移動経路はブロック部13bにより遮断されてロック操作プレート11は施錠位置まで移動することができず、鎌形ロック部材5が施錠位置に移動することはない。
【0033】
図示の例において、検知部材13は側壁部に形成されたガイド突部13cを錠ケース18のガイド溝11cに嵌合して錠ケース18に対して摺動自在に装着され(図8参照)、圧縮スプリング12は検知部材13の室内側先端にバネ受け凹部13dと、錠ケース18に設けられたバネ受け突部18aに径方向を拘束されて所定位置に配置される(図1参照)。また、制止部11eは傾斜面で検知部材13に接触しており、ロック操作プレート11の施錠位置への移動が禁止された状態で操作力を解除した際には、クリックスプリング26の復元力によって制止部11eの傾斜面に発生する縮退方向の分力が圧縮スプリング12の力より大きいことから検知部材13は退避位置に自動的に移動する。
【0034】
さらに、上記検知部材13は、引き戸を閉めた状態で鎌形ロック部材5が係入孔6に正対するように室内側引き戸用錠装置16と、室外側引き戸用錠装置10の相対位置を取付作業時に調整するための取付位置調整装置としても利用される。取付位置調整装置として利用するために、検知部材13はドライバ14が挿通可能な径の中空部13aを有して中空筒状に形成される。この検知部材13の中空部13aは室内側引き戸用錠装置16の室内側表面に開放されており、鎌形ロック部材5が係入孔6に正対した状態で室外側引き戸用錠装置10の位置決め孔15と一直線上に並ぶように配置される。
【0035】
図示の例において、圧縮スプリング12の内径は検知部材13の中空部13aの径よりやや大径に形成されており、バネ受け突部18aと化粧座24には検知部材13の中空部13aと一直線に並ぶ透孔29が形成される。室内側引き戸用錠装置16を固定するに際して、まず、図1に示すように、透孔29、および検知部材13の中空部13aにドライバ14を貫通させ、さらに、ドライバ14の先端を室外側引き戸用錠装置10の位置決め孔15に挿入する。この状態において室外側引き戸用錠装置10、室内側引き戸用錠装置16の錠ケース18、および化粧座24は正規位置に整列されており、ビス等を締め付ければ鎌形ロック部材5が係入孔6に正対した状態で各部を固定することができる。
【0036】
加えて、この実施の形態において、室内側引き戸用錠装置16には室内側から施解錠操作をするための室内側錠操作手段と、室内側から施錠状態を知るための表示手段を備える。室内側錠操作手段は、ロック操作プレート11の操作部30を室内側に露出させて形成され、表示手段は、操作部30に連結され、操作部30の操作により上記透孔29を閉塞、開放する表示プレート17により構成される。
【0037】
図示の例において、操作部30はロック操作プレート11に止着されるスライドピン30aを、化粧座24に対して上下方向に摺動自在なスライドノブ30bに嵌合させて形成される。スライドノブ30bには化粧座24に対するガイド板を兼用する表示プレート17が一体に形成される。図2に示すように、スライドノブ30bを上方に移動させると、ロック操作プレート11は上方に移動して鎌形ロック部材5を施錠位置に移動させることができ、このとき、表示プレート17は化粧座24の透孔29を閉塞する。図1に示すように、鎌形ロック部材5が解錠位置にある際には、透孔29は開放状態であるために、利用者は透孔29を覗き、開放状態であるか否かで施解錠状態を判別できる。この場合、表示プレート17に着色しておけば、視認性がより良好になる。
【0038】
図11に室外側引き戸用錠装置10の変形例を示す。この変形例は、扉厚の変化に対する融通性を高めるための変形を示すもので、ピニオン23の中心には軸方向に貫通する角穴23aが形成される。一方、シリンダ錠1のロータ1bの端部には薄い引き戸の厚さよりやや短寸の角芯1cが固定される。角芯1cは上記角穴23aに嵌合可能な断面矩形の杆体であり、先端には導入テーパ1dが設けられる。したがってこの変形例において、図11(b)に示すように厚さの厚い引き戸に対しても、構成要素を変化させることなく、錠装置を装着することができるために、汎用性が高まる。
【0039】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、動作信頼性が高く、かつ、装置の小型が可能な引き戸錠の室内外側引き戸用錠装置、および引き戸錠を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を示す断面図である。
【図2】施錠操作を示す断面図である。
【図3】解錠操作を示す断面図である。
【図4】本発明の作用を示す説明図で、(a)は操作レバーの側面図、(b)は(a)の平面図、(c)はトーションスプリングの保持方法を変更した場合の操作レバーの側面図、(d)は(c)の平面図である。
【図5】室外側引き戸用錠装置を示す図で、(a)は図1の5A方向矢視図、(b)は図1の5B方向矢視図である。
【図6】スライダの要部を示す図で、(a)は図5(b)の6A方向矢視図、(b)は図5(b)の6B方向矢視図である。
【図7】室内側引き戸用錠装置を示す図で、(a)は図1の7A方向矢視図、(b)は図1の7B方向矢視図である。
【図8】安全装置を示す図で、(a)は側面図、(b)は(あ)の8B方向矢視図である。
【図9】安全装置が解除された状態を示す図で、(a)は施錠操作途中を示す図、(b)は施錠完了状態を示す図である。
【図10】安全装置の作動状態を示す図である。
【図11】本発明の変形例を示す図で、(a)は厚さの薄い引き戸への適用を示す図、(b)は厚さの厚い引き戸への適用を示す図である。
【符号の説明】
1 シリンダ錠
2 スライダ
2a、2a’ 干渉部
3 室外側引き戸
4 室内側引き戸
5 鎌形ロック部材
6 係入孔
7、7’ 操作レバー
7a、7a’ ピン
8 錠ケース
9 トーションスプリング
9a コイル部
9b 脚部
9c リング部
10 室外側引き戸用錠装置
11 ロック操作プレート
12 圧縮スプリング
13 検知部材
13a 中空部
14 ドライバ
15 位置決め孔
16 室内側引き戸用錠装置
17 表示プレート
18 錠ケース
Claims (3)
- シリンダ錠への操作により上下駆動されるスライダと、
スライダの駆動方向によりいずれか一方が選択されて支軸周りに回転駆動され、室外側引き戸内の初期位置から室内側引き戸内に進入して室内側引き戸内に配置された鎌形ロック部材を室外側引き戸の係入孔に進退させる一対の操作レバーとを錠ケースに配置して室外側引き戸内に収容され、
前記一対の操作レバーは、積層状態で共通の支軸に軸支されるとともに、脚部が各操作レバーに各々遊嵌されるトーションスプリングにより支軸周りに各操作レバーが初期位置側に付勢され、
かつ、前記トーションスプリングは、コイル部が巻き重ねられる方向を支軸の長手方向に合致させた姿勢で該支軸の後方である操作レバーの後方に無拘束状態で配置されるとともに、脚部に形成されたリング部が各操作レバーの各々背面方向に突設されるピンに遊嵌されていずれか一方の脚部の移動に伴って各操作レバーに対する初期位置側への付勢を維持して移動可能な状態で操作レバーに装着される引き戸錠の室外側引き戸用錠装置。 - 前記スライダには、移動方向により一方がいずれか一方の操作レバーのピンに干渉して該操作レバーを回転駆動する干渉部が設けられる請求項1記載の引き戸錠の室外側引き戸用錠装置。
- 室外側引き戸に収容され、該引き戸に装着されたシリンダ錠への操作により上下駆動されるスライダと、
スライダの駆動方向によりいずれか一方が選択されて支軸周りに回転駆動され、室外側引き戸内の初期位置から室内側引き戸内に進入して該室内側引き戸内のロック操作プレートを上下いずれかの方向に駆動する一対の操作レバーと、
室内側引き戸に収容され、前記ロック操作プレートにより駆動されて室外側引き戸内に進退する鎌形ロック部材とを有し、
前記一対の操作レバーは、積層状態で共通の支軸に軸支されるとともに、脚部が各操作レバーに各々遊嵌されるトーションスプリングにより支軸周りに各操作レバーが初期位置側に付勢され、
かつ、前記トーションスプリングは、コイル部が巻き重ねられる方向を支軸の長手方向に合致させた姿勢で該支軸の後方である操作レバーの後方に無拘束状態で配置されるとともに、脚部に形成されたリング部が各操作レバーの各々背面方向に突設されるピンに遊嵌されていずれか一方の脚部の移動に伴って各操作レバーに対する初期位置側への付勢を維持して移動可能な状態で操作レバーに装着される引き戸錠。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20872899A JP4010713B2 (ja) | 1999-07-23 | 1999-07-23 | 引き戸錠の室外側引き戸用錠装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20872899A JP4010713B2 (ja) | 1999-07-23 | 1999-07-23 | 引き戸錠の室外側引き戸用錠装置 |
Related Child Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006319101A Division JP4486634B2 (ja) | 2006-11-27 | 2006-11-27 | 引き戸錠の室外側引き戸用錠装置 |
JP2006319102A Division JP4486635B2 (ja) | 2006-11-27 | 2006-11-27 | 引き戸錠の室内側引き戸用錠装置 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001032590A JP2001032590A (ja) | 2001-02-06 |
JP2001032590A5 JP2001032590A5 (ja) | 2005-08-11 |
JP4010713B2 true JP4010713B2 (ja) | 2007-11-21 |
Family
ID=16561105
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20872899A Expired - Lifetime JP4010713B2 (ja) | 1999-07-23 | 1999-07-23 | 引き戸錠の室外側引き戸用錠装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4010713B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4486634B2 (ja) * | 2006-11-27 | 2010-06-23 | 株式会社アルファ | 引き戸錠の室外側引き戸用錠装置 |
CN113719199B (zh) * | 2020-05-25 | 2023-03-10 | 稳多企业股份有限公司 | 用于拉门的锁具 |
-
1999
- 1999-07-23 JP JP20872899A patent/JP4010713B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001032590A (ja) | 2001-02-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7013689B2 (en) | Flush mounted latch | |
JP2004022549A (ja) | ロック可能なスイッチ機構 | |
JP6538409B2 (ja) | 車両のハンドル装置 | |
US7724112B2 (en) | Safety switch | |
JP4010713B2 (ja) | 引き戸錠の室外側引き戸用錠装置 | |
US5020343A (en) | Lockset having improved actuator | |
KR20060015511A (ko) | 마그네틱 키로 작동되는 로크 | |
JP4486634B2 (ja) | 引き戸錠の室外側引き戸用錠装置 | |
JP4486635B2 (ja) | 引き戸錠の室内側引き戸用錠装置 | |
EA019144B1 (ru) | Дверной замок | |
JP3842479B2 (ja) | ドアロック装置のハンドル機構 | |
JP4194713B2 (ja) | 扉用電気錠 | |
JPH04221182A (ja) | 彫込み錠装置 | |
CN111937502B (zh) | 电气设备框体及电气设备 | |
JPH11192837A (ja) | ウィンドウロック装置 | |
CN114909028A (zh) | 门的弹出式锁定把手装置 | |
JP6418389B2 (ja) | ラッチ受 | |
JP2606685Y2 (ja) | ガードアーム錠のガードアーム不正解除防止装置 | |
JP2877394B2 (ja) | 錠 | |
JP2001164808A (ja) | 防犯扉 | |
JP3042991B2 (ja) | クレモンロック装置 | |
JP4346803B2 (ja) | 面付ガードアーム錠。 | |
KR100287277B1 (ko) | 잠금장치 | |
JP2509753Y2 (ja) | 引き戸用用心錠 | |
JPH08303087A (ja) | ラッチロック装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20050127 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050127 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20050127 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050209 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060926 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20061127 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061127 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070327 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070528 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20070528 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070904 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070904 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4010713 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100914 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100914 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100914 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110914 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110914 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120914 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120914 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130914 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |