JP2001164808A - 防犯扉 - Google Patents

防犯扉

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JP2001164808A
JP2001164808A JP34581299A JP34581299A JP2001164808A JP 2001164808 A JP2001164808 A JP 2001164808A JP 34581299 A JP34581299 A JP 34581299A JP 34581299 A JP34581299 A JP 34581299A JP 2001164808 A JP2001164808 A JP 2001164808A
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door
dead bolt
locking
unlocking
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JP34581299A
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Mitsunori Miyake
三徳 三宅
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Goal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防犯性に優れた効果を持つ複数の扉錠
を、使用者が行なう一つの操作によって同時に施解錠で
きるようにした防犯扉を提供する。 【解決手段】 1つの扉3に、デッドボルト10と室内
側に設けたサムターン4aと室外側に設けたシリンダ4
b,4cと前記サムターン4aの回動操作をデッドボル
ト10の突出動作または後退動作に変換する施解錠連動
機構12とを有する主錠4と、この主錠4の上部または
下部に配置されて、デッドボルトとこのデッドボルト2
0,24を主錠4の施解錠動作に合わせて突出動作また
は後退動作させる施解錠連動機構21,26とを有する
補助錠5,6と、主錠4および補助錠5,6の施解錠連
動機構12,21,26を構成する構成部材14,2
2,24aに形成された係合部4d,5a,6aに係合
することにより、主錠4と補助錠5,6の施解錠連動機
構12,21,26を連結させる連結部材7とを有し、
前記サムターン4aまたはシリンダ4b,4cによる操
作で主錠4と補助錠5,6の施解錠を可能とした扉錠4
〜6を取り付けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室内側からはサム
ターンで施解錠でき、室外側からは鍵の操作によるシリ
ンダの動作によって施解錠できるようにした扉錠を取り
付けた防犯扉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、不法な錠破壊者による破錠に
対して効果的な防犯性を有する扉錠として、1つの扉に
対して複数の扉錠を設けた防犯扉を取付けることが行わ
れている。つまり、1つの扉に複数の扉錠を設けること
により、錠破壊者によってたとえ一つの扉錠を破壊でき
たとしてもその他の扉錠によって施錠状態を保つことが
でき、それだけ扉錠の防犯性能を向上できることが知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の防犯
扉は扉に取り付けた扉錠の数が多くなればなるほど、使
用者が扉錠の施解錠操作も多くならざるを得ず、複数の
施解錠操作を行うことが煩わしかった。このため、使用
者によっては複数の扉錠があるにもかかわらず、常に用
いるのは一つだけの扉錠であることがあり、複数の扉錠
を取付けたことに意味がなくなるだけでなく、複数ある
扉錠のうちどれを施錠したのかを忘れることにより扉を
開けたいときに、複数の扉錠に対して施解錠動作を繰り
返して解錠しなければならなくなる事態が生じることも
あった。
【0004】さらには、複数の扉錠の全てを施錠するた
めには、各々独立した扉錠の場合には複数の鍵を使用す
る必要があり、その何れか一つの鍵を紛失するだけで、
扉を開けることができなくなる事態が生じることもあっ
た。
【0005】本発明は、上述した点を考慮に入れてなさ
れたものであって、その目的とするところは、防犯性に
優れた効果を持つ複数の扉錠を、使用者が行なう一つの
操作によって同時に施解錠できるようにした防犯扉を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の防犯扉は、1つの扉に、デッドボルトと室
内側に設けたサムターンと室外側に設けたシリンダと前
記サムターンの回動操作をデッドボルトの突出動作また
は後退動作に変換する施解錠連動機構とを有する主錠
と、この主錠の上部または下部に配置されて、デッドボ
ルトとこのデッドボルトを主錠の施解錠動作に合わせて
突出動作または後退動作させる施解錠連動機構とを有す
る補助錠と、主錠および補助錠の施解錠連動機構を構成
する構成部材に形成された係合部に係合することによ
り、主錠と補助錠の施解錠連動機構を連結させる連結部
材とを有し、前記サムターンまたはシリンダによる操作
で主錠と補助錠の施解錠を可能とした扉錠を取り付けた
こと(請求項1)を特徴としている。
【0007】したがって、本発明の防犯扉は、主錠のサ
ムターンまたはシリンダを操作するだけで主錠と補助錠
の両方の施解錠を可能とするので、使用者は二つの扉錠
を意識する必要がなく便利であると共に、防犯扉として
の防犯性を向上できる。
【0008】また、前記補助錠が電気的駆動部材によっ
て施解錠連動機構を動作させ、デッドボルトを突出動作
または後退動作させて主錠と補助錠を共に施解錠する電
気錠である場合(請求項2)には、電気的駆動部材を補
助錠側に設けるだけで主錠と補助錠の二つを電気的に施
解錠動作させることができ、可及的に簡素な構成によっ
て防犯性に優れた電気錠付きの防犯扉を形成することが
できる。前記電気的駆動部材を補助錠側に設けているの
で、主錠の複雑化や巨大化を避けることができる。すな
わち、扉錠の取付けが容易となる。
【0009】前記主錠側のデッドボルトの施錠状態と解
錠状態との間に、デッドボルトを扉枠に形成されたガー
ドに対して係合させるガード状態を設け、補助錠側の施
解錠連動機構に、主錠が解錠状態からガード状態までの
間は補助錠側のデッドボルトを解錠状態に保つためのあ
そびを設けた場合(請求項3)には、使用者はサムター
ンを操作してガード状態にすることにより、補助錠を解
錠することができるのでガードによる制限された扉の開
閉を行うことができる。
【0010】前記施解錠連動機構にデッドボルトからの
後退操作を前記連結部材に伝達させない弾性体継手を有
する場合(請求項4)には、たとえ主錠または補助錠の
何れか一方のデッドボルトを無理やり後退させることが
できたとしても、もう一方の扉錠を解錠することが不可
能であるから、防犯性をさらに向上できる。
【0011】前記扉錠が1つの主錠に対して2つ以上の
補助錠を有し、これらの扉錠を1つの連結部材によって
連結してある場合(請求項5)には、より多くの補助錠
を一度に施解錠できるので、防犯性をより向上できるだ
けでなく、連結部材が一つであるゆえに扉錠の取付けに
かかる手間が少なくなる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の防犯扉の構成を図
面に基づいて説明する。図1は第1実施例の防犯扉1を
示す正面図、図2は室内側から見た正面図、図3は扉の
回動端側の側面図、図4は扉枠の開放端側の側面図であ
る。図1〜4において、2は扉枠、3はこの扉枠2の一
端側2aに一端側3aを枢支した扉である。
【0013】前記扉3の他端側3b(回動端側)には縦
方向に扉錠の取付溝3cが形成されており、4は取付溝
3cに対して取り付けられた主錠、5は主錠4の下方に
取り付けられた第1補助錠、6は主錠4の上方に取り付
けられた第2補助錠であって、これらの扉錠4〜6は長
尺の棒体からなる連結部材7によって連結されている。
一方、扉枠2の他端側2b(開放端側)には前記各扉錠
4〜6にそれぞれ対応する位置に錠受け金具8〜10を
設けている。
【0014】前記主錠4のケース4’内には、その室内
側において使用者が主錠4のデッドボルト11を施解錠
操作可能とするサムターン4aと、室外側において使用
者が鍵を用いてデッドボルト11を施解錠操作可能とす
る第1シリンダ4bおよび第2シリンダ4cを有してい
る。なお、本例で説明する主錠4は、施錠するときに
は、第1シリンダ4bの操作で施錠できるが、解錠する
ときは、二つのシリンダ4b,4cを決められた順序で
操作することによってのみ解錠できるようにした扉錠で
あり、その防犯性をより高めている。しかしながら、本
発明は主錠4が二つのシリンダ4b,4cを有すること
に限定するものではない。
【0015】図5、図6、図7は、それぞれ前記扉錠4
の内部構造を示す透視図であり、図5は扉錠4が施錠状
態にあるときの各部の状態を示し、図6は扉錠4がガー
ド状態にあるときの各部の状態を示し、図7は扉錠4が
解錠状態にあるときの各部の状態を示している。図5〜
7に示すように、主錠4は前記デッドボルト11を操作
するための施解錠連動機構12を有している。そして、
この施解錠連動機構12は例えば前記サムターン4aの
回動操作に伴って回動するギヤ13や、このギヤ13に
設けたピニオンPに噛合するラックRが形成され、ギヤ
13の回動に連動して上下摺動可能に設けられたスライ
ド部材14などの構成部材を有している。また、ギヤ1
3には、その動作角度を所定の操作角度α,βによって
定められた角度に弾性的に保持するクリック機構13a
を設けている。
【0016】前記スライド部材14に設けられガイド溝
14aにはデッドボルト11に設けられたピン11aが
係合しており、スライド部材14の上下摺動に伴って、
デッドボルト11を突出させることも後退させることも
可能としている。なお、11bはデッドボルト11に取
り付けられて、その突出動作および後退動作を安定させ
るためのガイド板である。
【0017】15は第1シリンダ4bに連動して回動す
る回動操作部材であり、前記スライド部材14に形成さ
れたラックRに噛合するピニオンPを有するギヤ16
と、前記第1シリンダ4bに連動して回動すると共にギ
ヤ16に対して約90°のあそび回動角θを持って連動
するギヤ操作部材17とを有している。なお、本例では
ギヤ16を前記ギヤ13とほぼ同径にし、これに形成さ
れるピニオンPの数やピッチ、およびスライド部材14
に形成されるラックRの数やピッチを合わせてその操作
性がほゞ同じになるようにしているが、本発明はこれを
限定するものではない。
【0018】18は第2シリンダ4cに連動して回動す
る回転体であり、この回転体18はばね18aによって
図示時計回り方向に付勢されることにより、開放状態
(後述する係止解除状態)において、図5に示すよう
に、前記ギヤ操作部材17の突出部17aに当接して、
このギヤ操作部材17の解錠方向への回動を阻止する当
接部18bを有している。
【0019】19は前記スライド部材14に一体的に保
持され、回動可能に枢支される係止部材であって、ばね
19aによって図示反時計周り方向に付勢されている。
この係止部材19にはスライド部材14が施錠状態にあ
るときに、前記第2シリンダ4cをばね18aに逆らっ
て反時計周りに回動させることにより、回転体18の当
接部18bを元の位置に戻さないように係止状態に保持
するための係止部19bを有している。なお、後述の説
明で詳述するように、この係止部19bによる回転体1
8の係止はスライド部材14の図示下方向への移動、す
なわち、第1シリンダ4bによる解錠動作によって解除
され、回転体18は再び図7の如く元の係止解除状態に
戻るように構成されている。
【0020】次に、前記主錠4の施解錠動作を説明す
る。まず、室内側からサムターン4aを用いて扉錠4の
施解錠を行う場合について説明する。室内側からサムタ
ーン4aを用いて解錠状態にある扉錠4をガード状態と
するには、図7に示す解錠状態からサムターン4aを角
度βだけ図示時計回りに回動操作するだけでよく、この
操作によって、図6に示すように、デッドボルト11を
ガード状態に対応した位置に突出させることができる。
すなわち、前記サムターン4aを角度βだけ図示時計回
りに回動操作すると、この回動操作に伴ってギヤ13も
同じく角度βだけ図示時計回りに回動し、このギヤ13
のピニオンPと係合するラックRを有するスライド部材
14は上方へ摺動することになる。
【0021】そして、このスライド部材14の上方への
摺動によって、前記デッドボルト11のピン11aが、
前記溝14aに押されてデッドボルト11の突出方向に
移動し、前記溝14aに形成された段部14bに当接し
て止まる。また、このとき、クリック機構13aによっ
て、この状態が安定に保持される。すなわち、デッドボ
ルト11が適宜の長さ、たとえば全長の半分程度だけ扉
3の外側へ突出し、デッドボルト11の先端に形成され
たフランジ部分11cを図4に示す扉枠2に設けたガー
ドアーム8aに対して係合させることができるようにな
る。したがって、使用者は、ガードアーム8aによって
許容される範囲Wだけ扉3を開けて、来訪者の確認や部
屋の換気を行うことが可能となる。
【0022】図6のガード状態にある扉錠4をサムター
ン4aによって解錠状態とするには、上記とは逆方向に
同じ角度βだけサムターン4aを回動すればよい。
【0023】室内側からサムターン4aを用いてガード
状態にある扉錠4を施錠状態とするには、図6に示すガ
ード状態から更にサムターン4aを角度αだけ図示時計
回りに回動操作するだけでよく、この操作によって、図
5に示すように、デッドボルト11を扉3の側方へ完全
に突出させることができる。すなわち、前記サムターン
4aを角度αだけ図示時計回りに回動操作すると、この
回動操作に伴ってギヤ13も同じく角度αだけ図示時計
回りに回動し、このギヤ13のピニオンPと係合するラ
ックRを有するスライド部材14は上方へ摺動すること
になる。そして、このスライド部材14の上方への摺動
によって、前記デッドボルト11のピン11aが、前記
溝14aに沿って扉3の図示左端側へ移動することによ
り、デッドボルト11が扉3の側方へ完全に突出し、扉
錠4は施錠状態となる。また、このとき、クリック機構
13aによって、この状態が安定に保持される。
【0024】図5の施錠状態にある扉錠4をサムターン
4aによって図6のガード状態とするには、上記とは逆
方向に同じ角度αだけサムターン4aを回動すればよ
い。
【0025】また、サムターン4aを用いて解錠状態に
ある扉錠4を施錠状態とするには、図7に示す解錠状態
からサムターン4aを角度α+βだけ図示時計回りに回
動操作するだけでよく、この操作によって、図5に示す
ように、デッドボルト11を扉3の側方へ完全に突出さ
せることができる。すなわち、前記サムターン4aを角
度α+βだけ図示時計回りに回動操作すると、この回動
操作に伴ってギヤ13も同じく角度α+βだけ図示時計
回りに回動し、このギヤ13のピニオンPと係合するラ
ックRを有するスライド部材14は上方へ摺動すること
になる。そして、このスライド部材14の上方への摺動
によって、前記デッドボルト11のピン11aが、前記
溝14aに沿って扉3の図示左端側へ移動することによ
り、デッドボルト11が扉3の側方へ完全に突出する。
こうして、扉錠4は施錠状態となる。
【0026】図5の施錠状態にある扉錠4をサムターン
4aによって図7の解錠状態とするには、上記とは逆方
向に同じ角度α+βだけサムターン4aを回動すればよ
い。
【0027】上記のようにサムターン4aを用いて扉錠
4の操作を行う際に、スライド部材14の摺動に伴っ
て、スライド部材14のラックRに係合するピニオンP
を有する回動操作部材15のギヤ16も回動することに
なるが、ギヤ操作部材17は、ギヤ16に対して約90
°のあそび回動角θを持って連動するように形成されて
いることから、ギヤ操作部材17は、回動することはな
く、また、ギヤ16の回動を妨げることもない。
【0028】上述のように、サムターン4aを用いれ
ば、室内側から扉錠4の施解錠を行うことができる。
【0029】次に、室外側から鍵を用いて扉錠4の施解
錠を行う場合について説明する。まず、室外側から鍵を
用いて図7に示す解錠状態にある扉錠4を図6に示すガ
ード状態とするには、扉3を閉めた状態で、鍵を第1シ
リンダ4bに差し込んで図示時計回りに回動させるだけ
でよい。すなわち、鍵を第1シリンダ4bに差し込んで
図示時計回りに角度βだけ回動させると、ギヤ操作部材
17に設けた作動部17b,17bによってギヤ16も
図示時計回りに角度βだけ回動し、ギヤ16のピニオン
Pに係合するラックRを有するスライド部材14が上方
に摺動する。
【0030】このスライド部材14の上方への摺動によ
って、前記デッドボルト11のピン11aが、前記溝1
4aに形成された段部14bにまで移動することによ
り、デッドボルト11が適宜の長さ、たとえば全長の半
分程度だけ扉3の外側へ突出し、デッドボルト11の先
端に形成されたフランジ部分11cを図4に示す扉枠2
に形成されたガードアーム8aに対して係合させること
ができるようになる。このとき、ギヤ13およびサムタ
ーン4aも連動して前記の如くサムターン4aを操作し
たときと同じ状態まで回動し、この状態がクリック機構
13aによって安定に保持される。そして、鍵は第1シ
リンダ4bを角度βだけ元に回動してから抜き取ること
ができる。したがって、使用者は、ガードアーム8aに
よって許容される範囲だけ扉3を開けて、来訪者の確認
や部屋の換気を行うことが可能となる。
【0031】室外側から鍵を用いて図6に示すガード状
態にある扉錠4を図5に示す施錠状態とするには、鍵を
第1シリンダ4bに差し込んで図示時計回りに回動させ
るだけでよい。すなわち、鍵を第1シリンダ4bに差し
込んで図示時計回りにあそび角度βだけ回動させた後、
更に角度αだけ回動させると、ギヤ操作部材17とギヤ
16が図示時計回りに回動し、ギヤ16のピニオンPに
係合するラックRを有するスライド部材14が最上端に
摺動する。このスライド部材14の最上端への摺動によ
って、前記デッドボルト11のピン11aが前記溝14
aに沿って扉3の図示左端側へ移動し、デッドボルト1
1が完全に扉3の側方へ突出する。このとき、ギヤ13
およびサムターン4aも連動して前記の如くサムターン
4aを操作したときと同じ状態まで回動し、この状態が
クリック機構13aによって安定に保持される。そし
て、鍵は第1シリンダ4bを角度α+βだけ元に回動し
てから抜き取ることができる。こうして、扉錠4は施錠
状態となる。
【0032】次に、室外側からシリンダによって図5に
示す施錠状態にある扉錠4を図7に示す解錠状態とする
には、まず、第2シリンダ4cに鍵を差し込んで図示反
時計回りに回動させると、回転体18が反時計方向に回
動する。このとき、回転体18の当接部18bが係止部
材19の係止部19bに当接するが、係止部材19は時
計方向には回動可能であるので、回転体18の反時計方
向の回動を阻止することがない。さらに回転体18を回
動すると、回転体18が所定の角度回動した時点で、係
止部材19はバネ19aによって元の位置に戻り、その
係止部19bが回転体18の当接部18bに当接する。
したがって、第2シリンダ4cから鍵が抜かれた後、ば
ね材18aの付勢によって回転体18が図示時計回りに
回動しようとしても、その回動は当接部18bが前記係
止部19bに当接することにより阻止される。すなわ
ち、回転体18の当接部18bがギヤ操作部材17の回
動を阻止しない状態に保持される。
【0033】続いて、第2シリンダ4cから鍵を抜いて
第1シリンダ4bに差し込み、鍵を角度α+βだけ図示
反時計回りに回動させると、ギヤ操作部材17の反時計
方向への回動を阻止していた当接部18bが移動してい
るので、ギヤ操作部材17は反時計方向に回動し、ギヤ
16を一体回動させ、ギヤ16のピニオンPに係合する
ラックRを有するスライド部材14が下方へ摺動する。
そして、このスライド部材14の最下端への摺動によっ
て、前記デッドボルト11のピン11aが、前記溝14
aに押動されて、デッドボルト11は完全に後退する。
このとき、スライド部材14の下動により係止部材19
も一体的に下動し、当接部18bに当接している回転体
18は反時計方向に回動し、係止部19bと離れた瞬間
にばね18aにより元の位置まで戻る。次に、鍵により
第1シリンダ4bを角度α+βだけ元に戻して鍵を抜き
取る。(図7参照)
【0034】また、室外側から鍵を用いて施錠状態にあ
る扉錠4をガード状態とするには、前記と同様、まず、
第2シリンダ4cを回動操作した後に、第1シリンダ4
bを角度αだけ反時計方向に回動させればよい。
【0035】また、室外側から鍵を用いて図6に示すガ
ード状態にある扉錠4を解錠状態とするには、第1シリ
ンダ4bを反時計方向に回動しようとしても、突出部1
7aが回転体18の当接部18bに当接して回動できな
い。従って、まず、第2シリンダ4cによって回転体1
8を図示反時計方向に回動させた後、第1シリンダ4b
を角度βだけ反時計方向に回動させればよい。
【0036】なお、施錠状態にある扉錠4をガード状態
または解錠状態とするに際して、鍵を用いて第2シリン
ダ4cを反時計方向に回動する前に、第1シリンダ4b
を反時計方向に回動しようとしても、ギヤ操作部材17
の突出部17aが回転体18の当接部18bに当接して
いるため、回動が阻止されるのである。
【0037】室外側から鍵を用いて図7の解錠状態にあ
る扉錠4を図5の施錠状態とするには、扉3を閉めた状
態で、鍵を第1シリンダ4bに差し込んで角度α+βだ
け図示時計回りに回動させるだけでよい。すなわち、鍵
を第1シリンダ4bに差し込んで図示時計回りに回動さ
せると、作動部17bによりギヤ16も図示時計回りに
回動し、ギヤ16のピニオンPに係合するラックRを有
するスライド部材14が最上端に摺動する。第1シリン
ダ4bを角度βだけ回したときにはガード状態となる
が、そのまま更に角度αだけ回すと、このスライド部材
14が最上端まで摺動し、前記デッドボルト11のピン
11aが前記溝14aに沿って扉3の図示左端側へ移動
し、扉3の内側へ後退していたデッドボルト11が完全
に扉3の側方へ突出する。こうして、扉錠4は施錠状態
となる。
【0038】上述の扉錠4の動作において説明したよう
に、扉錠4のデッドボルト11の突出動作および後退動
作は、施解錠連動機構12を構成する構成部材の一つで
あるスライド部材14の上下方向の摺動によってなされ
る。そして、このスライド部材14には、扉錠4の施解
錠操作を他の補助錠5,6に連動させるための係合部と
して係合ピン4dが形成されており、この係合ピン4d
は扉錠4の前後両側に突出している。
【0039】図8は前記主錠4に形成された係合ピン4
dの位置と、主錠4の状態との対応関係を示す図であ
る。図8に示すように、係合ピン4dが最上端にあると
き主錠4は施錠状態、図8の1点鎖線および図7で示す
ように最下端にあるときは解錠状態であり、図8の2点
鎖線および図6で示すようにその間のほゞ中間位置にお
いてガード状態となる。また、この係合ピン4dは扉3
の開放端側3bに形成された前記取付溝3c内に収納さ
れる位置に形成されており、係合ピン4dに対して仮想
線によって示す後述の連結部材7の係合凹部7aを連結
することにより、主錠4の施解錠動作に連動して連結部
材7が上下方向に摺動される。
【0040】図9は主錠の下方に設けられた第1補助錠
5の連動機構の構成を示す図である。図9に示すよう
に、前記連結部材7の下端部分に形成された係合凹部7
bが係合ピン5aに係合することにより、前記主錠4の
施解錠動作に伴って係合ピン5aが上下方向に摺動する
ように構成されている。
【0041】図10は前記主錠4の解錠状態における第
1補助錠5の内部構成を示す透視図である。図10にお
いて、20は第1補助錠5のデッドボルト、21はこの
デッドボルト20の施解錠連動機構、22はこの施解錠
連動機構21を構成する構成部材の一つであるスライド
部材、23はこのスライド部材22に形成されたラック
Rに対して一定のあそびAを有して係合するピニオンP
を有する回動部材であり、この回動部材23の一端には
前記デッドボルト20を突出動作または後退動作させる
ためのカム23aと、この回動部材23の回転角をデッ
ドボルト20を突出状態または後退状態の何れかに相当
する位置で保持させるためのクリック機構23bとを有
している。
【0042】また、前記スライド部材22には前記係合
ピン5aが取り付けられることにより、前記連結部材7
の上下摺動に伴って、スライド部材22が上下摺動する
ように構成されている。すなわち、主錠4の施解錠動作
に合わせてスライド部材22が上下摺動し、このスライ
ド部材22の上下摺動に伴って回動部材23が回動する
ことにより、デッドボルト20を突出または後退させて
第1補助錠5を施解錠できるように構成している。
【0043】今、主錠4が解錠状態であるときには、図
10に示す第1補助錠5も解錠状態であり、前記回動部
材23は前記クリック機構23bによってデッドボルト
20を後退させた状態を保つことができる回転位置に保
持されている。
【0044】図11は主錠4がガード状態であるときの
第1補助錠5の状態を示している。主錠4がガード状態
になることにより、前記係合ピン5aが図9に示したガ
ード状態の位置まで引き上げられ、前記スライド部材2
2が同様に上方向に摺動する。しかしながら、スライド
部材22のラックRとギヤ23のピニオンPとの間には
一定のあそびAが形成されているので、主錠4が解錠状
態からガード状態までの間はラックRとピニオンPが噛
み合うことはない。
【0045】したがって、主錠4が解錠状態では勿論の
こと、ガード状態であっても第1補助錠はデッドボルト
20を後退させたままの状態を保つことができ、第1補
助錠5は解錠状態を保つことができるように構成されて
いる。なお、主錠4にガード状態がない場合には、前記
あそびAを形成しなくてもよいことはいうまでもない。
【0046】一方、図12は主錠4が施錠状態であると
きの第1補助錠5の状態を示している。図12に示すよ
うに、主錠4が施錠状態になって連結部材7が再上端ま
で移動したときにはスライド部材22が最上端まで摺動
しスライド部材22のラックRとギヤ23のピニオンP
の係合によりギヤ23が回動し、カム23aによってデ
ッドボルト20が押し出されて突出動作する。
【0047】なお、前記デッドボルト20にはほゞコ字
状に形成された鎌片20aが支軸20bを中心に回動可
能に枢支されており、この鎌片20aがデッドボルト2
0を突出した状態で、時計回りに回動して鎌状突起部2
0cを突出するように構成している。したがって、前記
第1補助錠5を無理にこじ開けようとして、例えば、バ
ール等により扉3と扉枠2との隙間を拡げて、デッドボ
ルト20と錠受け金具9との係合を外して不法に開扉し
ようとしても、鎌状突起部20cが扉枠2の錠受け金具
9に強力に係合し、これが容易に外れることがなく、不
法に開扉できないようにしている。
【0048】図13は主錠4の上方に設けた第2補助錠
6の詳細な構成を示す図3の拡大図である。図13に示
すように、前記連結部材7の上端部はL字状に屈折する
と共にこの屈折部分7cに係合孔7dを形成しており、
この係合孔7dには第2補助錠6のデッドボルト24の
一端に設けられた継手部分24aが挿入される。そし
て、係合孔7dに継手部分24aが挿入された状態で、
継手部分24aの先端に連結部材7の屈折部分7cに係
合するための係合ピン6aを設けている。
【0049】また、前記継手部分24aの基部にはフラ
ンジ24bを形成し、このフランジ24bと前記屈折部
分7cとの間にスプリング25を設けて、フランジ24
bを図示上方、すなわち、デッドボルト24を突出方向
に付勢している。なお、係合ピン6aが屈折部分7cに
当接しデッドボルト24のそれ以上の突出は規制されて
いる。すなわち、この継手部分24a,フランジ24
b,スプリング25,係合ピン6a,屈折部分7cおよ
び係合孔7dによって所定ストロークBの伸縮範囲を有
する弾性体継手26を形成しており、この弾性体継手2
6が第2補助錠6の施解錠連動機構を構成する。なお、
27は前記デッドボルト24の上下方向の摺動を案内す
るガイド部材である。
【0050】つまり、施解錠連動機構に弾性体継手26
を形成することにより連結部材7の上下摺動に伴って、
前記デッドボルト24を上下摺動させることができ、主
錠4や第1補助錠5の施解錠動作に連動して第2補助錠
6の施解錠を行うことができると共に、扉3と扉枠2と
の隙間からデッドボルト24を直接後退させて、主錠4
および第1補助錠5を無理に解錠させようとしても、デ
ッドボルト24の後退をスプリング25によって吸収
し、連結部材7を下方に摺動させないようにすることが
できる。
【0051】したがって、前記弾性体継手26を設ける
ことにより、たとえ第2補助錠6のデッドボルト24を
無理に押し下げることができたとしても、主錠4および
第1補助錠5を解錠することはできないので、防犯性を
より向上することができる。なお、このような弾性体を
用いた非可逆性の連結手段である弾性体継手を主錠4や
第1補助錠5の施解錠連動機構12,21に形成しても
よいことは言うまでもない。
【0052】また、前記第2補助錠6は主錠4が解錠状
態からガード状態までの間はデッドボルト24の上端を
1点鎖線および2点鎖線にして示すように扉3の上端か
ら突出させないようにして、あそびAを設けている。し
たがって、使用者が主錠4をガード状態にした状態で、
第2補助錠6を解錠状態とすることにより、前記ガード
8a(図4参照)が許容する範囲における扉3の開閉を
行なうことを可能としている。
【0053】以上に詳述したように、前記各扉錠4〜6
の施解錠連動機構にはそれぞれ係合ピン4d,5a,6
aを形成し、一本の連結部材7の適所に設けられた係合
部7a,7b,7cをこれらの係合ピン4d,5a,6
aに係合することにより、主錠4の施解錠操作に連動し
て、各補助錠5,6を施解錠可能としている。
【0054】図14は各扉錠4〜6を扉3に取り付けた
状態の水平方向断面図であって、図14(A)は主錠4
の取付部分、図14(B)は第1補助錠5の取付部分、
図14(C)は第2補助錠6の取付部分、図14(D)
は扉錠4〜6を取り付けていない部分で、連結部材が存
在する部分における断面を示している。図14(A),
14(B)に示すように、前記取付溝3cの幅W1 は扉
錠4,5の幅W2 よりも幾らか広くしており、かつ、取
付溝3cの適所に前記扉錠4,5の扉錠取付用開口部3
dを形成している。したがって、前記扉錠取付用開口部
3dに扉錠4,5を取り付けた状態で扉錠4,5の両側
部の取付溝3c内に空間3eを形成している。
【0055】本発明の防犯扉1を組み付けるときには、
図14(C)に示すように、扉3に形成された取付溝3
cに対して第2補助錠6を取り付けて前記連結部材7を
例えば、取付溝3c内の室内側端に沿わせるように配置
する。なお、本例では、連結部材7を取付溝3c内の室
内側端に沿わせるように配置することにより、たとえ室
外側から扉3の一部を切り裂いたり歪ませることによっ
て取付溝3cを切開することができたとしても、室外側
から連結部材7を上下に摺動させることができないよう
にしている。しかしながら、本発明は連結部材7の配置
を取付溝3cの室内側端に沿わせることに限定するもの
ではなく、室外側端に沿わせるように構成してもよいこ
とは言うまでもない。
【0056】次いで、主錠4および第1補助錠5を取り
付けるときには、前記係合ピン4d,5aが取付溝3c
内に位置するように形成されるので、この係合ピン4
d,5aを前記連結部材7に形成された係合部7a,7
bに係合するようにして、主錠4および第1補助錠5を
取り付けることにより、連結部材7による各扉錠4〜6
の施解錠を連動させることができる。とりわけ、本発明
では、一本の連結部材7の各係合部7a,7b,7dを
各係合ピン4d,5a,6aに係合するだけで、3つの
扉錠4〜6を連動させることができ、その構成が可及的
に簡素化されているので極めて容易に施工できる利点が
ある。
【0057】また、図14(D)に示すように、前記扉
錠4〜6を形成しない取付溝3cの部分には、取付溝3
c内に前記空間3eを形成すると共に、連結部材7が表
面に露出しないようにするフランジ部分28aを設けた
化粧板28を取り付けている。この化粧板28を取り付
けることにより、扉3の見栄えを良くすると共に、連結
部材7を外部から上下摺動させることによって扉錠4〜
6の施解錠操作を外部から行うことができないようにし
ている。
【0058】なお、上述の説明では、主錠4に対して2
つの補助錠5,6を設けた例を開示しており、補助錠
5,6を2つ設けることにより、防犯扉1としての防犯
性能を飛躍的に向上しているが、本発明はこの点を限定
するものではない。すなわち、主錠4に対して1つの補
助錠5または6だけを連動させるようにしてもよいこと
はいうまでもない。
【0059】図15は本発明の防犯扉の第2実施例を示
す全体図である。本例の防犯扉1’が第1実施例におい
て説明した防犯扉1と異なる点は、扉3に取り付けられ
る第1補助錠が電気錠5’であることにあり、その他の
点は図1〜14に示した、第1実施例と同じであるの
で、各部の詳細な説明を省略する。
【0060】図16〜18は前記電気錠5’の構成を説
明する透視図であり、図16は施錠状態、図17は解錠
状態の電気錠5’の構成を示す透視図、図18は電気錠
5’の側面方向から見た透視図である。
【0061】図16〜18に示すように、本例の第1補
助錠5’(電気錠)は図10〜12に示した第1実施例
の第1補助錠5の構成に加えて、電力によってスライド
部材22を動作させてデッドボルト20の突出動作また
は後退動作を行なう電気的駆動部材29と、扉3が閉じ
た状態にあることを検知する扉位置センサ30と、前記
電気的駆動部材29の動作状況を検知するためのリミッ
トスイッチ31とを有している。また、これに伴って、
第2補助錠5’の錠受け金具9’には前記デッドボルト
20の係合部9aに加えて、扉3を閉じた状態において
前記扉位置センサ30を操作するための押圧機構9bを
備えている。
【0062】前記電気的駆動部材29は、スライド部材
22に形成されたラックR’に係合するピニオンP’を
一端側に有すると共に他端側にギヤ32bを有するカム
32と、このカム32の回転軸33と同軸に設けられて
前記カム32に形成された係合片32aに係合する係合
部34a,34bを有して一定のあそび回転角θ’を有
しカム32と連動して回動する回転体34と、この回転
体34に形成された係合片34cに係合する係合凹部3
5aを有すると共に電気的駆動部材29によって施解錠
する時には選択的に前記ギヤ32bに嵌合する2つのギ
ヤ35b,35cを回動自在に枢支するクラッチ板35
と、このクラッチ板35と同軸に設けられると共に前記
2つのギヤ35b,35cに嵌合する第1ギヤ36aと
後述の第2ギヤ36bとを有しクラッチ板35に所定ト
ルクの回転力を伝達する回転体36と、この回転体36
にギヤ37aを介して回動力を伝達する可逆回転モータ
37とを有している。
【0063】したがって、例えば、図16に示す解錠状
態にある電気錠5’は、前記扉位置センサ30がオン状
態にあり、リミットスイッチ31がオン状態にあること
を確認して、可逆回転モータ37をCに示す方向に回動
させることにより、デッドボルト20と突出動作させる
ことができる。このとき、前記回転体36は時計回りに
回動し、これに伴ってクラッチ板35が時計回りに回動
する。そして、この回転体36の回動はギヤ35cが前
記ギヤ32bに係合するまで回動し、これに伴って回転
体34を反時計回りに少し回動させた状態で、その回動
を停止する。
【0064】次いで、前記ギヤ35cとギヤ32bとの
係合によって可逆回転モータ37の回転力がギヤ36
b,36a,35c,32bを介して伝達し、前記カム
32を時計回りに回動することにより、前記スライド部
材22を上方向に摺動させて前記デッドボルト20を突
出させることができる。なお、デッドボルト20の突出
動作が終了するころには前記回転体34の係合部34a
が係合部32aに押されて、回転体34は時計回りに少
し回動し、前記ギヤ35cとギヤ32bの係合を外すこ
とができるので、可逆回転モータ37の回転力が際限な
くスライド部材22に伝達されることがない。また、前
記リミットスイッチ31はオフ状態になるので、電気的
駆動部材29による電気錠5’の施錠が完了したことを
知ることができる。
【0065】一方、前記電気錠5’のスライド部材22
に形成された係合ピン5aは施錠状態においては最上端
の位置に摺動する。同様に、前記電気的駆動部材29を
用いて電気錠5’を解錠操作した場合には、前記係合ピ
ン5aを最下端の位置に摺動させることができる。な
お、詳細な動作は解錠時とほぼ同じであるのでその説明
を省略する。
【0066】したがって、前記係合ピン5aに係合する
係合凹部7bを有する連結部材7を電気錠5’の施錠動
作に伴って上方向に摺動させることができ、電気錠5’
の施解錠動作によって主錠4および第2補助錠6を同時
に施解錠することができる。
【0067】つまり、一つの電気的駆動部材29によっ
て3つの扉錠4〜6の施解錠動作を行うことができるの
で、3つの扉錠4〜6を有し防犯性に優れていると共に
電気的に施解錠することができる防犯扉1’を可及的に
簡素化された構成で形成できるので、それだけ防犯扉
1’の製造コストを引き下げることができる。また、主
錠4を含めて補助錠5,6を電気的に施解錠できる構成
を形成するために、主錠4内に比較的複雑な電気的駆動
部材29を形成する必要がないので、主錠4の巨大化を
招くことがないので、その取付けを容易に行うことがで
きる。
【0068】加えて、主錠4の操作によって使用者が手
動で各扉錠4〜6を施解錠するときには、前記回転体3
4が一定のあそび回転角θ’を有してカム32と連動し
ているので、このカム32が手動による施解錠動作で回
動することはない。また、ギヤ35aまたは35bとギ
ヤ32bとの係合は電気的駆動部材29による施解錠動
作が終了した時点で外されるものであるから、電気的駆
動部材29を設けたことによって使用者による手動操作
が重たくなることも、電気的駆動部材29に無理な力が
かかることもなくすことができる。すなわち、耐久性と
操作性に優れた電気錠5’を有する防犯扉1’を形成す
ることができる。
【0069】なお、本例に示した防犯扉1’において
も、図1〜14の説明で示した防犯扉1と同様の変形が
可能であることはいうまでもない。また、電気的駆動部
材29を第2補助錠6に形成するなどの変形も可能であ
る。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の扉錠によ
れば、主錠のサムターンまたはシリンダを操作するだけ
で主錠と補助錠の両方の施解錠を可能とするので、使用
者は複数の扉錠を操作する必要がなく便利であると共
に、防犯扉としての防犯性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の防犯扉の構成を概略的に
示す正面図である。
【図2】上記防犯扉の構成を概略的に示す背面図であ
る。
【図3】上記実施例における扉の回動端側の側面図であ
る。
【図4】上記実施例における扉枠の開放端側の側面図で
ある。
【図5】主錠の施錠状態における内部構造を示す透視図
である。
【図6】前記主錠のガード状態における各部の状態を示
す透視図である。
【図7】前記主錠の解錠状態における各部の状態を示す
透視図である。
【図8】主錠に形成された係合ピンの位置と、主錠の状
態との対応関係を示す図である。
【図9】第1補助錠の連動機構の構成を示す図である。
【図10】扉錠が解錠状態にある場合の第1補助錠の内
部構成を示す透視図である。
【図11】扉錠がガード状態にある場合の第1補助錠の
内部構造を示す透視図である。
【図12】扉錠が施錠状態にある場合の第1補助錠の内
部構造を示す透視図である。
【図13】第2補助錠の構成を概略的に示す図3の拡大
図である。
【図14】(A)は扉錠の構成を概略的に示す部分拡大
横断面図、(B)は第1補助錠の構成を概略的に示す部
分拡大横断面図、(C)は第2補助錠の構成を概略的に
示す部分拡大横断面図、(D)は扉の回動端部付近の構
成を概略的に示す部分拡大横断面図である。
【図15】本発明の第2実施例の防犯扉の構成を概略的
に示す正面図である。
【図16】上記実施例の第1補助錠の解錠状態における
各部の状態を示す透視図である。
【図17】前記第1補助錠の解錠状態における各部の状
態を示す透視図である。
【図18】前記第1補助錠の側面から見た縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1…防犯扉、3…扉、4…主錠、4a…サムターン、4
b,4c…シリンダ、4d,5a,6a…係合部、5,
6…補助錠、5’…電気錠、7…連結部材、8a…ガー
ドアーム、10,20,24…デッドボルト、12,2
1,26…施解錠連動機構、26…弾性体継手、29…
電気的駆動部材、A…あそび。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つの扉に、デッドボルトと室内側に設
    けたサムターンと室外側に設けたシリンダと前記サムタ
    ーンの回動操作をデッドボルトの突出動作または後退動
    作に変換する施解錠連動機構とを有する主錠と、この主
    錠の上部または下部に配置されて、デッドボルトとこの
    デッドボルトを主錠の施解錠動作に合わせて突出動作ま
    たは後退動作させる施解錠連動機構とを有する補助錠
    と、主錠および補助錠の施解錠連動機構を構成する構成
    部材に形成された係合部に係合することにより、主錠と
    補助錠の施解錠連動機構を連結させる連結部材とを有
    し、前記サムターンまたはシリンダによる操作で主錠と
    補助錠の施解錠を可能とした扉錠を取り付けたことを特
    徴とする防犯扉。
  2. 【請求項2】 前記補助錠が電気的駆動部材によって施
    解錠連動機構を動作させ、デッドボルトを突出動作また
    は後退動作させて主錠と補助錠を共に施解錠する電気錠
    である請求項1に記載の防犯扉。
  3. 【請求項3】 前記主錠側のデッドボルトの施錠状態と
    解錠状態との間に、デッドボルトを扉枠に形成されたガ
    ードに対して係合させるガード状態を設け、補助錠側の
    施解錠連動機構に、主錠が解錠状態からガード状態まで
    の間は補助錠側のデッドボルトを解錠状態に保つための
    あそびを設けた請求項1または2に記載の防犯扉。
  4. 【請求項4】 前記施解錠連動機構にデッドボルトから
    の後退操作を前記連結部材に伝達させない弾性体継手を
    有する請求項1〜3の何れかに記載の防犯扉。
  5. 【請求項5】 前記扉錠が1つの主錠に対して2つ以上
    の補助錠を有し、これらの扉錠を1つの連結部材によっ
    て連結してある請求項1〜4の何れかに記載の防犯扉。
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