JP4010599B2 - 水中有害生物防除剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、海水中もしくは工業用水系における有害生物の付着、繁殖による被害の防止を目的とする水中有害生物防除剤に関し、詳しくは、船舶、漁網、浮標、海水誘導管などの水中構造物表面における水中有害生物の付着を防止するために用いられ、さらには製紙用のスライムコントロール剤としても応用が可能である水中有害生物防除剤を提供するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
水中構造物、例えば、船舶、港湾施設、浮標、パイプライン、橋梁、海底油田掘削設備、発電所あるいは臨海プラントの導水路管、漁網や養殖用筏などにはフジツボ、イガイ、アオサなどの大型付着動植物および珪藻、バクテリアなどの微細生物が付着し構造物の腐食、船舶の海水摩擦抵抗の増大、漁網の目詰りによる魚介類の大量ヘイ死、重量増加による沈降や作業能率の低下などの被害が発生する。また河川水や湖水などの自然水を利用した冷却水などの工業用水系および中、上水道水を使用する循環式冷却装置などでは、バクテリア、珪藻、ラン藻、アオミドロなどが異常繁殖し、水質の悪化や器壁への付着による冷却効率の低下や水管の閉塞、流量減少などの障害を引き起こす。
【0003】
このような水中の有害生物による被害を防止するために、亜酸化銅、ロダン化銅、酸化水銀などの無機重金属化合物あるいはトリブチル錫オキサイド、トリフェニル錫オキサイド、トリブチル錫(メタ)アクレリート重合物などの有機金属化合物を含有する防汚剤を用いることが行われている。
【0004】
しかしながら、従来用いられていたこれらの化合物は毒性が極めて強く、取り扱いに特別の注意を要するだけではなく、魚体への蓄積による奇形の発生や環境汚染が問題となっており、重金属や有機金属を含有しない防汚剤を用いることが要望されていた。
【0005】
この重金属や有機金属を含有しない防汚剤として、チウラム化合物、ベンゾチアゾール化合物、チオシアン化合物などの硫黄原子を含む種々の化合物が提案されているが、未だそれら効果は不十分であった。また、特開平6−340503号公報には、ポリスルフィド化合物を使用することが提案されているが、これらを単独あるいは明細書中に記載された併用できる他の化合物を併用した場合においても未だ十分な生物活性効果が得られず、また特開平7−126116号公報には、ジメチルジチオカルバミオン酸塩と高級脂肪族アミン化合物とを組み合わせてなる水中防汚剤が提案されているが未だ満足できるものではなかった。
【0006】
そこで、安全衛生、環境面での問題点、すなわち毒性や残留性などが低く、生態系や作業環境に悪影響を及ぼすことがなく、しかも、その効果を長期間発揮しえる水中有害生物防除剤が要望されている。
【0007】
また、パルプ工場及び製紙工場のパルプ調整工程及び抄紙工程において、バクテリア、酵母、糸状菌等の微生物の繁殖によってスライムが形成され、種々の障害を引き起こすことが知られている。スライムはパルプスラリーが流れる水路、例えば、抄紙工程中のリフラー壁、スクリーン、インレット又はチェスト壁、あるいは、白水ピット、回収白水パイプの内壁等の水を使用する工程のほとんど全ての部分に付着し、次第にその厚さを増し、ついには剥離してパルプスラリー中に混入したり、スクリーンやパイプを詰まらせてしまう。パルプスラリー中に混入したスライム塊は、紙上に黄色ないし褐色の斑点を生じて製品の品質を低下せしめたり、紙切れまで起こして操業トラブルの原因となったり、さらに微生物の繁殖による種々の障害がもたらされる。特に高速マシーンを使用する際には大きな問題となり、著しい生産性の低下、経済的損失を招来する。
【0008】
近年、白水回収率の向上、澱粉、ポリアクリルアミド、サイズ剤等の添加剤による富栄養化、無機物填料を含む堆積物、木材の樹脂成分、古紙に由来する接着剤やインキ成分に起因するピッチ状堆積物の増加などにより、製紙工程は一層微生物の繁殖に適する環境となっている。特に白水回収率の向上は、スライムコントロール剤に対する耐性菌の出現および菌交替現象を引き起こしやすくし、スライムコントロール剤の効力低下の原因となっている。
【0009】
そのため、従来より多くのスライムコントロール剤が開発され使用されているが、このような条件下において満足すべき効力を持続するスライムコントロール剤は未だ得られておらず、優れたスライムコントロール剤が要望されていた。
【0010】
従って、本発明の目的は、安全衛生、環境面での問題点、すなわち毒性や残留性などが低く、生態系や作業環境に悪影響を及ぼすことがなく、しかも、その効果を長期間発揮し得る、特に製紙用のスライムコントロール剤としても有効な水中有害生物防除剤を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、特定の第四級アミン化合物が、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0012】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、下記〔化〕(前記〔化1〕と同じ)の一般式( I )−1〜( I )−3で表される第四級アミン化合物の少なくとも1種を有効成分として含む水中有害生物防除剤を提供するものである。
【0013】
【化2】
Figure 0004010599
〔式中、Aは R −(S) n −CH 2 −を表し、 R はアルキル基を示し、nは2〜5を示す。QはN + と一緒になって酸素原子および/または窒素原子を含有することのできる5員環または6員環を表し、 R 1 および R 2 は各々独立にアルキル基、アリール基、アリールアルキル基またはアルキルアリール基を示し、 R 6 はアルキル基、アリール基、アリールアルキル基またはアルキルアリール基を示し、Qに結合してアルキレン基を形成してもよく、p、qおよびrは1または2を表し、sおよびtは0〜4を表し、p=1のとき、 R 3 はアルキル基、アリール基、アリールアルキル基またはアルキルアリール基を示し、p=2のとき、 R 3 はアルキレン基、アリーレン基またはこれらの複合基を表し、q=1のとき R 4 は水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基またはアルキルアリール基を示し、q=2のとき、 R 4 は直接結合手、アルキレン基、アリーレン基またはこれらの複合基を表し、r=1のとき R 5 は水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基またはアルキルアリール基を示し、r=2のとき、 R 5 はアルキレン基、アリーレン基またはこれらの複合基を表し、 X 1 および X 2 はハロゲン原子またはアルキル基を表し、X - はアニオンを表す。〕
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の水中有害生物防除剤について詳細に説明する。
【0015】
本発明の水中有害生物防除剤の有効成分として用いられる第四級アミン化合物が有する上記一般式(I)中のAで表される基において、Rで表されるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、第三アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、第三オクチル、ノニル、イソノニル、第三ノニル、デシル、イソデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチルなどの基があげられる。
【0019】
上記一般式(I)−1〜(I)−3で表される化合物において、QがN+ (四級アミン)と一緒になって形成しうる環構造としては、例えば、ピロール、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリンなどに起因する環構造があげられる。R1、R2、R3、R4、R5、R6、X1およびX2で表されるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチルなどの基があげられ、これらは直鎖状、分岐鎖状または環状であることができ、また、不飽和結合、エーテル結合、カルバモイル結合などを有することができ、さらに水酸基、ハロゲン原子などによって置換されているものでもよい。R1、R2、R3、R4、R5、およびR6で表されるアリール基としては、例えば、フェニル、ナフチルなどの基があげられる。R1、R2、R3、R4、R5、およびR6で表されるアリールアルキル基としては、例えば、ベンジル、α−メチルベンジル、α,α−ジメチルベンジルなどの基があげられる。R1、R2、R3、R4、R5、およびR6で表されるアルキルアリール基としては、例えば、前記アルキル基に置換された前記アリール基などがあげられる。R3、R4およびR5で表されるアルキレン基およびR6から形成されるアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレンなどの基があげられ、これらは直鎖状、分岐鎖状または環状であることができ、また、不飽和結合またはエーテル結合などを有することができ、さらに水酸基などによって置換されているものでもよい。また、R3、R4およびR5で表されるアリーレン基としては、フェニレン、ナフチレンなどの基があげられる。また、X1およびX2で表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、沃素などがあげられる。
【0020】
また、X- で表される第四級アミン化合物のアニオンとしては、例えば、水酸アニオン;フッ素、塩素、臭素、沃素等のハロゲン化アニオン;フッ素酸、塩素酸、臭素酸、沃素酸等のハロゲン酸アニオン;過フッ素酸、過塩素酸、過臭素酸、過沃素酸等の過ハロゲン酸アニオン;チオシアン酸アニオン、六フッ化リン酸アニオン、六フッ化アンチモンアニオン、スルホン酸アニオン、硫酸アニオンなどの無機酸アニオン、有機酸アニオンなどがあげられる。
【0021】
上記第四級アミン化合物を製造する方法としては、例えば、ハロゲン化メチル・アルキルポリスルフィドと第三級アミン化合物または含窒素芳香族化合物とを溶媒中にて反応させることによりハロゲンアニオンの第四級アミン化合物が容易に得られ、さらにこれを必要に応じて常法に従ってアニオン交換することで他のアニオンの第四級アミン化合物も容易に得られる。また、この反応は比較的容易に進行するため、場合によっては使用時にこれらを保存時または使用中に混合して生成させることも可能である。
【0022】
上記第四級アミン化合物を形成することのできる上記第三級アミン化合物としては、例えば、オクチルジメチルアミン、ドデシルジメチルアミン、ヘキサデシルジメチルアミン、オクタデシルジメチルアミン、ヤシアルキルジメチルアミン、牛脂アルキルジメチルアミン、硬化牛脂アルキルジメチルアミン、ジドデシルメチルアミン、ジオクタデシルメチルアミン、ジ牛脂アルキルメチルアミン、ジヤシアルキルメチルアミン、ドデシルテトラデシルメチルアミン、ドデシルオクタデシルメチルアミン、テトラデシルヘキサデシルメチルアミン、ドデシルメチルプロピルアミン、ヘキサデシルメチルアミン、牛脂アルキルエチルプロピルアミン、牛脂アルキルジエチルアミン、牛脂アルキルジプロピルアミン、牛脂アルキルジブチルアミン、ヤシアルキルジヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリデシルアミン、β−ヒドロキシドデシルジメチルアミン、β−ヒドロキシヘキサデシルジメチルアミン、β−ヒドロキシオクタデシルジメチルアミン、ジ(β−ヒドロキシヘキサデシル)メチルアミン、ジ(β−ヒドロキシオクタデシル)メチルアミン、牛脂アルキルオキシプロピルジメチルアミン、牛脂アルキルオキシプロピルジエチルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルジメチルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルジエチルアミン、3−ドデシルオキシエチルジメチルアミン、3−ドデシルオキシエチルジエチルアミン、3−ヤシアルキルオキシプロピルジメチルアミン、3−ヤシアルキルオキシプロピルジエチルアミンなどの脂肪族三級アミン化合物;ベンジルジメチルアミン、ベンジルジエチルアミン、ジベンジルメチルアミンなどの芳香脂肪族三級アミン化合物;ピリジン、ビピリジル、α−コリジン、β−コリジン、γ−コリジン、ピリミジンなどの芳香族三級アミン化合物;トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジンなどの複素環式三級アミン化合物などがあげられる。
即ち、本発明に係る上記第四級アミン化合物は、脂肪族三級アミン化合物、芳香脂肪族三級アミン化合物、芳香族三級アミン化合物および複素環式三級アミン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種より得られる構造を有する第四級アミン化合物である
【0023】
従って、本発明に使用される上記第四級アミン化合物としては、例えば、下記〔化〕〜〔化13〕に示す化合物1〜11などがあげられる。
【0024】
【化3】
Figure 0004010599
【0025】
【化4】
Figure 0004010599
【0026】
【化5】
Figure 0004010599
【0027】
【化6】
Figure 0004010599
【0028】
【化7】
Figure 0004010599
【0029】
【化8】
Figure 0004010599
【0030】
【化9】
Figure 0004010599
【0031】
【化10】
Figure 0004010599
【0032】
【化11】
Figure 0004010599
【0033】
【化12】
Figure 0004010599
【0034】
【化13】
Figure 0004010599
【0035】
本発明の水中有害生物防除剤は、前述の通り、特定の基〔前記一般式(I)で表される基〕を有する第四級アミン化合物の少なくとも1種を有効成分とするにものである。そして、本発明の水中有害生物防除剤には、従来使用されている防汚剤(生物活性性の防汚成分)の1種以上を併用することもでき、場合によっては、より長期間の効果を奏することもできる。
【0036】
本発明において、上記第四級アミン化合物と併用することのできる上記防汚剤としては、例えば、テトラメチルチウラムジサルファイド、テトラエチルチウラムジサルファイド、テトラ−n−プロピルチウラムジサルファイド、テトライソプロピルチウラムジサルファイド、テトラ−n−ブチルチウラムジサルファイド、テトライソプチルチウラムジサルファイド、N,N’−エチレンビスチオカルバモイルサルファイド、N,N’−プロピレンビスチオカルバモイルサルファイド、N,N’−ブチレンビスチオカルバモイルサルファイドなどのチウラム系化合物;銅粉、銅−ニッケル合金粉などの銅系金属粉;酸化第一銅、チオシアン酸第一銅、塩基性炭酸銅、ピロリン酸銅、ナフテン酸銅、アビエチン酸銅、銅オキシキノリンなどの銅化合物;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、エチレンビスジチオカルバミン酸亜鉛、プロピレンビスジチオカルバミン酸亜鉛、ビス(ジメチルジチオカルバモイル)エチレンビスジチオカルバミン酸亜鉛、エチレンビスジチオカルバミン酸マンガン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸鉄などのジチオカルバメート系化合物;2−(4−チアゾリル)ベンツイミダゾ−ル、メチル−1−(ω−シアノペンチルカルバモイル)−2−ベンツイミダゾ−ル、2−メルカプトベンツイミダゾ−ル亜鉛、2−チオシアノメチルチオベンツイミダゾ−ルなどのベンツイミダゾ−ル系化合物;2−メルカプトベンゾチアゾ−ル、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾ−ル、2−(チオシアノメチルスルホニル)ベンゾチアゾ−ル、2−チオシアノエチルチオ−4−クロロベンゾチアゾ−ル、2−チオシアノプロピルチオ−5,7−ジクロロベンゾチアゾ−ル、2−チオシアノメチルチオ−4,5,6,7−テトラクロロベンゾチアゾ−ルなどのベンゾチアゾ−ル系化合物;テトラクロロイソフタロニトリル、5−クロロ−2,4−ジフルオロ−6−メトキシイソフタロニトリルなどのニトリル系化合物;4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンなどのイソチアゾリン系化合物;1−〔2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−プロピル−1,3−ジオキソラニル−2−メチル1−1H−1,2,4−トリアゾール、4,4−ジメチル−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(4−トリフルオロメチル−2−クロロフェニル)−1−ペンテン−2−オールなどのトリアゾール系化合物;2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、2,3,6−トリクロロ−4−プロピルスルホニルピリジン、2,6−ジクロロ−3,5−ジシアノ−4−フェニルピリジン、トリフェニル硼素ピリジンなどのピリジン化合物;2,4−ジクロロ−6−(α−クロロアニリノ)−s−トリアジン、2−クロロ−4−メチルアミノ−6−イソプロピルアミノ−s−トリアジン、2−クロロ−4,6−ビス(エチルアミノ)−s−トリアジン、2−クロロ−4,6−ビス(イソプロピルアミノ)−s−トリアジン、2−メチルチオ−4,6−ビス(エチルアミノ)−s−トリアジン、2−メチルチオ−4−エチルアミノ−6−イソプロピルアミノ−s−トリアジン、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジンなどのトリアジン系化合物;3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−メトキシ−1−メチル尿素、1−(α,α’−ジメチルベンジル)−3−メチル−3−フェニル尿素、1−(2−メチルシクロフェニル)−3−フェニル尿素などの尿素系化合物;2−アミノ−3−クロロ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジシアノ−1,4−ジチアアントラキノンなどのキノン系化合物;N−トリクロロメチルチオテトラヒドロフタルイミド、N−1,1,2,2−テトラクロロエチルチオオテトラヒドロフタルイミド、N−トリクロロメチルチオフタルイミド、N−フルオロジクロロメチルチオフタルイミド、N,N−ジメチル−N’−フェニル−N’−(フルオロジクロロメチルチオ)スルフリルアミド、トリクロロメチルチオメタンスルホン−p−クロロアニリド、N−(1,1,2,2,−テトラクロロ−2−フルオロエチルチオ)メタンスルホンアニリド、N−フルオロジクロロメチルチオ−N−3−クロロフェニル−N’−ジメチル尿素、N−フルオロジクロロメチルチオ−N−3,4−ジクロロフェニル−N’−メチル尿素、N−フルオロジクロロメチルチオ−N−トリススルホニル−N−メチルアミンなどのN−ハロアルキルチオ系化合物;N−(2−クロロフェニル)マレイミド、N−(4−フルオロフェニル)マレイミド、N−(3,5−ジクロロフェニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリクロフェニル)マレイミド、N−4−トリルマレイミド、N−2,4−キシリルマレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2’,6’−ジメチルフェニル)マレイミドなどのマレイミド系化合物;3,5−ジメチル−テトラヒドロ−1,3,5,2(H)−チアジアジン−2−オン、3,3’−エチレンビス(テトラヒドロ−4,6−ジメチル−2H−1,3,5−チアジアジン−2−オン、3,5−ジメチル−2−チオテトラヒドロ−1,3,5−チアジアジン、3,5−ジベンジルテトラヒドロ−1,3,5−チアジアジン─2−チオンなどのチアジアジン系化合物;チオシアン化メチル、チオシアン化クロロメチル、チオシアン化エチル、メチレンビスチオシアネート、クロロメチレンビスチオシアネート、エチレンビスチオシアネート、クロロエチレンビスチオシアネート、イソボルニルチオシアナセテ−ト、メチルイソチオシアネート、アリルイソチオシアネート、フェニルイソチオシアネート、ベンジルイソチオシアネートなどのチオシアン化合物;カプリルフェノ−ル、ノニルフェノ−ルなどのアルキルフェノ−ル化合物;トリス(オクチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイトなどのアルキルフェニルホスファイト化合物;トリス(オクチルフェニル)ホスフェート、トリス(ノニルフェニル)ホスフェート、トリス(ジノニルフェニル)ホスフェート、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスフェートなどのアルキルフェニルホスフェート化合物;オクチル・クロロメチルジスルフィド、デシル・クロロメチルジスルフィドなどのポリスルフィド化合物などがあげられる。
【0037】
また、本発明の水中有害生物防除剤には、これらの防汚剤とともに、ワセリン、シリコン、ポリブテン、塩化パラフィン、ポリスルフィド化合物などの溶出調整剤を併用することもできる。
【0038】
本発明の水中有害生物防除剤は、例えば、必要に応じて塗膜形成成分(塗膜形成剤)を配合して防汚塗料とし、漁網などを浸漬・塗布したり、船舶、水中構築物に塗布することができるが、特に塗膜形成成分を使用することにより、長期にわたる防汚効果を持続させることができるため好ましい。本発明の水中有害生物防除剤を塗料組成物または漁網用防汚剤液として用いる場合、本発明の水中有害生物防除剤の配合量は、本発明に係る有効成分(前記第四級アミン化合物)が通常1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%となるような量で、使用目的、防汚期間などを考慮して適宜選択される。
【0039】
上記塗料組成物あるいは上記防汚剤液を調製するために用いられる成分は特に制限を受けず、従来これらの塗料組成物あるいは防汚剤液を調製するために用いられる成分をそのまま用いることができる。例えば、有機溶剤系塗料として用いられる塗膜形成成分としては、塩化ビニル系樹脂、塩化ゴム系樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、アルキッド樹脂、クマロン樹脂、石油系樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム系樹脂、ワックス、パラフィン、ロジンエステル、ロジン系樹脂などを単独または複合して使用することができ、また、水性系塗料として用いられる塗膜形成成分としては、アクリルエマルジョン樹脂、エポキシエマルジョン樹脂、酢酸ビニル樹脂などを用いることができる。
【0040】
さらに、上記塗料組成物あるいは上記防汚剤液には、さらに、通常使用される可塑剤;弁柄等の着色顔料;タルク、硫酸バリウム等の充填剤;キシレン、プソイドクメン、ソルベントナフサ、ブタノール、イソプロピルアルコール、メチルイソブチルケトン、ジエチルベンゼン、トリエチルベンゼン、メシチレン等の溶剤などを任意の割合に含有することができる。
【0041】
また、本発明の水中有害生物防除剤は、優れた製紙用のスライムコントロール剤として機能し、以下にその詳細に付いて説明する。
【0042】
製紙用スライムコントロール剤として用いる場合の本発明の水中有害生物防除剤は、使用が容易となるように、水または有機溶媒あるいはこれらの混合溶媒に溶解または分散させて製剤化することも可能である。また、その場合に溶解性あるいは分散性を改善するため種々の界面活性剤を使用することもできる。
【0043】
上記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等の極性溶媒;エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、グリセリン等のポリオール類;メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、カルビトール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテルアルコール類などがあげられる。
【0044】
上記界面活性剤としては、例えば、ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシルサルフェート、アンモニウムドデシルサルフェートなどのアルキルサルフェート;ナトリウムドデシルポリグリコールエーテルサルフェート;ナトリウムスルホリシノート;スルホン化パラフィンのアルカリ金属塩、スルホン化パラフィンのアンモニウム塩などのアルキルスルホネート;ナトリウムラウレート、トリエタノールアミンオレート、トリエタノールアミンアビエテートなどの脂肪酸塩;ナトリウムベンゼンスルホネート、アルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属サルフェートなどのアルキルアリールスルホネート;高アルキルナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;ジアルキルスルホコハク酸塩;ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩;ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩などのアニオン系界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;脂肪酸モノグリセライド;トリメチロールプロパン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンオキシプロピレン共重合体;エチレンオキサイドの脂肪酸アミン、アミドまたは酸との縮合生成物などのノニオン系界面活性剤、例えば、第1〜3級アミン塩;ピリジニウム塩;第4級アンモニウム塩などのカチオン系界面活性剤、例えば、ポリビニルアルコール;ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸カリウム、ポリ(メタ)アクリル酸アンモニウム、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート;ポリヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの高分子界面活性剤、分子内に上記不飽和単量体と共重合しえる不飽和結合を有するノニオン系、アニオン系あるいはカチオン系の反応性界面活性剤などがあげることができる。
【0045】
また、製紙用スライムコントロール剤として用いる場合の本発明の水中有害生物防除剤には、更に、他の抗菌成分を含むこともでき、該他の抗菌成分としては、例えば、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチルイソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチルイソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾロン化合物おびこれらの金属塩または金属錯体;2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、1,1−ジブロモ−1−ニトロプロパノール、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、3−ブロモ−3−ニトロ−2,4−ペンタンジオール、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ブタンジオール、3−ブロモ−3−ニトロ−2−ブタノール、2−ブロモ−2−ニトロ−2−ブタノール、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセトキシプロパン、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−アセトキシエタン、3−ブロモ−3−ニトロ−4−カプリノイルオキシ−2−ペンタノール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−フェニルエタノール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−(o−クロロフェニル)エタノール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−フェニルプロパノールメチレンビスチオシアネート、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オン、2,2−ジブロモ−2−ニトリロアミド、5−クロロ2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリル、1,2−ビス(ブロモアセトキシ)エタン、1,4−ビス(ブロモアセトキシ)プロパン、α−ブロモ−3−ニトロアセトフェノン、ジクロログリオキシム、2,2−ジブロモ−2−シアノアセトアミド、テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド;ピリジン系化合物、次亜塩素酸塩類などがあげられる。
【0046】
さらに、製紙用スライムコントロール剤として用いる場合の本発明の水中有害生物防除剤には、必要に応じて種々の添加剤を配合することができる。
【0047】
製紙用スライムコントロール剤として用いる場合の本発明の水中有害生物防除剤は、パルプ調整あるいは抄紙工程に使用される用水源、抄物等により異なるが、通常は用水に対して、本発明に係る有効成分(前記第四級アミン化合物)が0.1〜100ppm、好ましくは0.5〜50ppmとなる量で配合することにより効果を発揮するものである。(尚、ppmは、重量基準である。)
【0048】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によって何等制限を受けるものではない。
【0049】
先ず本発明に係る第四級アミン化合物の製造例を示す。その他実施例に使用される第四級アミン化合物もこれらと同様に製造した。
【0050】
製造例1(化合物1−塩素アニオン)
オクチル・クロロメチルジスルフィド53.1g、N,N−ジメチル・n−ヘキサデシルアミン63.2gおよびヘキサン58gを仕込み、室温にて5時間撹拌すると徐々に白濁が生じ、さらに一晩放置して白濁物をろ過した。得られた白色結晶をクロロホルム/ヘキサン混合溶液で再結晶して融点157〜167℃の白色結晶83g(収率71%)を得た。
【0051】
下記の1H NMR(以下、単に「NMR」という)の結果より目的物の生成を確認した。
NMR(CDCl3 )、δ、ppm:0.93(6H、t、-CH3)、1.25(38H、-CH2- )、2.2(2H、brs、-N-CH2 CH 2 -)、2.93(2H、t、-S-CH2 CH 2 -)、3.4(8H、m、-N-CH3、-N-CH2- )、5.25(2H、s、-S-CH2-Cl )
【0052】
製造例2(化合物6−6フッ化リン酸アニオン)
オクチル・クロロメチルジスルフィド53.1g、ピリジン32.5gおよびヘキサン43gを仕込み、室温にて5時間撹拌すると徐々に白濁が生じ、さらに一晩放置して白濁物をろ過した。得られた白色結晶をクロロホルム/ヘキサン混合溶液で再結晶して融点138〜143℃の白色結晶56g(収率65%)を得た。
【0053】
上記により得られた白色結晶を当量以上の六フッ化リン酸カリウムを溶解した水に撹拌しながら除々に加えていくと水に不溶な結晶が得られた。
【0054】
下記のNMRの結果より目的物の生成を確認した。
NMR(CDCl3 )、δ、ppm:0.85(3H、t、-CH3)、1.10〜1.85(12H、m、-CH2- )、2.8(2H、t、SS-CH2- )、6.5(2H、s、SS-CH 2 -N- )、8.1(2H、t、N-CH-CH-)、8.5(1H、t、N-CHCH-CH-)、9.7(2H、d、N-CH-
【0055】
製造例3(化合物7−塩素アニオン)
オクチル・クロロメチルジスルフィド53.1g、4,4’−ビピリジン61.1gおよびヘキサン57gを仕込み、室温にて5時間撹拌すると徐々に白濁が生じ、さらに一晩放置して白濁物をろ過した。得られた白色結晶をクロロホルム/ヘキサン混合溶液で再結晶して融点178〜182℃の白色結晶87g(収率67%)を得た。
【0056】
下記のNMRの結果より目的物の生成を確認した。
NMR(CDCl3 )、δ、ppm:0.85(6H、t、-CH3)、1.10〜1.85(24H、m、-CH2- )、2.8(4H、t、SS-CH2- )、6.5(4H、s、SS-CH 2 -N- )、8.1(4H、t、N-CH-CH-)、9.7(4H、d、N-CH-
【0057】
製造例4(化合物10−塩素アニオン)
オクチル・クロロメチルジスルフィド53.1g、トリエチレンジアミン26.3gおよびヘキサン40gを仕込み、室温にて5時間撹拌すると徐々に白濁が生じ、さらに一晩放置して白濁物をろ過した。得られた白色結晶をクロロホルム/ヘキサン混合溶液で再結晶して融点151〜157℃の白色結晶47g(収率59%)を得た。
【0058】
下記のNMRの結果より目的物の生成を確認した。
NMR(CDCl3 )、δ、ppm:0.85(6H、t、-CH3)、1.10〜1.85(24H、m、-CH2- )、2.8(4H、t、SS-CH2- )、6.5(4H、s、SS-CH 2 -N- )、9.7(12H、d、N-CH-
【0059】
実施例1
配合物(下記〔表1〕および〔表2〕参照)(配合量単位;重量部)を高速ホモミキサーで充分に混合して漁網用防汚塗料を調整した。この漁網用防汚塗料を用い、ポリエチレン製試験用網(無結節60本撚節20cm×30cm)に漬け込みによる染網を施し、2日間風乾させた。
【0060】
この試験用網を神奈川県横須賀市、静岡県静岡市および愛媛県北宇和郡の試験用筏で海中1mの深さに4月より浸漬し、付着生物による汚損の程度を経時的に観察し、塗装面積に対する付着面積の割合を測定した。結果は次に示す基準により5段階で評価した。その結果を下記〔表1〕および〔表2〕に示す。
A:付着が全く認められない。
B:わずかに付着が認められた。
C:25%未満の部分に付着が認められた。
D:25%以上に付着が認められた。
E:全面に付着し、塗装面が完全に覆われた。
【0061】
【表1】
Figure 0004010599
【0062】
【表2】
Figure 0004010599
【0063】
【化14】
Figure 0004010599
【0064】
【化15】
Figure 0004010599
【0065】
*5:ジメチルベンジルアミン
【0066】
実施例2
【0067】
試験化合物(下記〔表3〕および〔表4〕参照)(配合量単位;重量部)をジエチレングリコールに溶解してスライムコントロール剤を調整した。
【0068】
直径30cm、深さ30cmのステンレス製水槽に温度調節装置、攪拌機、温度計およびスライム測定用に幅5cm、長さ30cm、厚さ1.0cmのラワン材2枚を取りつけた。1000倍に希釈したワックスマン液体培地にパルプ1%および白水培養溶液を(新聞用紙製紙工程より採取した白水をワックスマン液体培地で培養した培養液)0.1ml/リットルの割合で添加した後、硫酸アルミニウムでpH5に調整した人工白水をこの槽に2リットル/時間の流速で供給し、同量の人工白水を排出させた。前記スライムコントロール剤を供給人工白水に対し5ppm(重量基準)となるようにポンプで1日3回、1回3時間添加した。白水温度を30℃に保ち撹拌を続け、20日後および40日後にスライムの発生状況を確認した。評価は下記の3段階で行なった。その結果を下記〔表3〕および〔表4〕に示す。
A:スライムの付着なし。
B:スライムが全面に薄く付着した。
C:スライムが全面に厚く付着した。
【0069】
【表3】
Figure 0004010599
【0070】
【表4】
Figure 0004010599
【0071】
上記実施例の結果から明らかなように、ポリスルフィド化合物は魚網用防汚剤として用いた場合にもスライムコントロール剤として用いた場合でもその効果は不十分であり(比較例1-1,2-1 )、三級アミン化合物あるいは本発明に係る特定の基を持たない第四級アミン化合物はほとんどその効果がみられない(比較例1-2 〜1-4 ,2-2〜2-4 )。
【0072】
これに対し、本発明に係る特定の基を有する第四級アミン化合物を有効成分とする本発明の水中有害生物防除剤は、魚網用防汚剤として使用した場合においてもスライムコントロール剤として使用した場合においても著しく優れた効果を示すことが明らかである(実施例 1-1〜1-16,2-1 〜2-16)。また、本発明に係る特定の基を提供しうるポリスルフィド化合物を三級アミン化合物と混合するによっても、本発明に係る第四級アミン化合物を一部に形成され相乗効果を示す(実施例1-16,2-16)。
【0073】
【発明の効果】
本発明の水中有害生物防除剤は、防汚剤として使用することにより、環境汚染を起こすことなく、船舶、魚網、浮標、海水誘導管などの水中構造物表面における水中有害生物の付着を防止することが可能となり、またスライムコントロール剤として使用することにより、パルプ調整工程あるいは抄紙工程におけるスライムの発生を有効に抑制することができる。

Claims (3)

  1. 下記〔化1〕の一般式( I )−1〜( I )−3で表される第四級アミン化合物の少なくとも1種を有効成分として含む水中有害生物防除剤。
    Figure 0004010599
    〔式中、Aは R −(S) n −CH 2 −を表し、 R はアルキル基を示し、nは2〜5を示す。QはN + と一緒になって酸素原子および/または窒素原子を含有することのできる5員環または6員環を表し、 R 1 および R 2 は各々独立にアルキル基、アリール基、アリールアルキル基またはアルキルアリール基を示し、 R 6 はアルキル基、アリール基、アリールアルキル基またはアルキルアリール基を示し、Qに結合してアルキレン基を形成してもよく、p、qおよびrは1または2を表し、sおよびtは0〜4を表し、p=1のとき、 R 3 はアルキル基、アリール基、アリールアルキル基またはアルキルアリール基を示し、p=2のとき、 R 3 はアルキレン基、アリーレン基またはこれらの複合基を表し、q=1のとき R 4 は水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基またはアルキルアリール基を示し、q=2のとき、 R 4 は直接結合手、アルキレン基、アリーレン基またはこれらの複合基を表し、r=1のとき R 5 は水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基またはアルキルアリール基を示し、r=2のとき、 R 5 はアルキレン基、アリーレン基またはこれらの複合基を表し、 X 1 および X 2 はハロゲン原子またはアルキル基を表し、X - はアニオンを表す。〕
  2. 製紙用スライムコントロール剤として用いられることを特徴とする請求項記載の水中有害生物防除剤。
  3. 塗膜形成剤が配合されていることを特徴とする請求項1または2記載の水中有害生物防除剤。
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