JP4009992B2 - シャフト付き樹脂ロールの製造装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、シャフト付き樹脂ロールの製造装置に関し、更に詳細には、例えばメカニカルフロス(機械的攪拌)法等により調整された気泡を含む流動性樹脂原料から、少なくとも軸方向(長手方向)における、更には半径方向における硬度等の物性における差違をなくし略同一となし得るようにしたシャフト付き樹脂ロールを連続的に製造する製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コピー機やファクスその他の事務機器等には、転写ロールや送紙・給紙ロール等の構成部材が配設されている。このロールは、所謂マイクロセル構造を有する高機能ウレタン素材を所要長のロールとして成形し、これに回転支持部材としての軸体を同軸的に挿通配置することで得られるものである。そして前記ロールへの成形に際しては、一般にその原料に対して水や発泡材を添加せずに、乾燥エアーまたは窒素等の不活性の造泡用気体を混合して所要の発泡体を製造する所謂機械的攪拌法(以下、メカニカルフロス法と云う)が好適に採用されている。このメカニカルフロス法を採用することによって得られるロールは、その内部に含まれる気泡の大きさが略同一かつ均質に分散すると共に、その形状の異方性が小さいと云った構造的特徴を有する。このため得られるロールは、例えば印刷用紙等のシート状の被搬送物を給送する際に要求される外周面の押圧力、すなわちニップ圧(ニップ量)が一定となってスリップすることなく給送をなし得る等の優れた利点を有する。
【0003】
従来技術の理解に資するために、以下にメカニカルフロス法によりウレタン発泡体からなる樹脂ロールを製造する方法およびその装置の一例を記載する。ここで得られるロールは、前記造泡用気体と原料とを混合して得られる流動性のある気体混合済み原料(以下、流動性樹脂原料と云う。(ここでは発泡ウレタン樹脂である))Mを、例えば図20〜図23に示すように、得るべき製品の形状に合致するキャビティ218を有する、成形型216内に注入することで成形される。前記成形型216は、複数の独立したキャビティ218を画成する各キャビティ半体220が当接面上に並列状態で凹設された一対の金型半体222を回動可能に軸支したものであって、複数の該成形型216が搬送ラインに沿って並列状態で配設されている。また前記成形型216の所定位置には、前記流動性樹脂原料Mを注入するための注入孔224が、キャビティ218と空間的に連通するよう開設されている。更に前記各キャビティ半体220には、得るべき成形品である発泡した樹脂ロールRの両端部位となる位置から金型半体222の各端部に亘った部位に掛けて断面半円状の溝226が形成されており、該成形型216が開放された際に、この溝226を介して中子228が装着されるようになっている。
【0004】
前記樹脂ロールRを製造するに際しては、前記成形型216を以下のようにして用いる(図22参照)。すなわち、
▲1▼前記樹脂ロールRの製造ラインの所定位置に配置される中子装着位置230に上流側から到来した前記成形型216における一方の金型半体222を回動させ、前記キャビティ半体220を開放させる。
▲2▼この状態で、一方の金型半体222の各キャビティ半体220に、前記溝226を介して中子228を夫々装着する。この中子228自体は、最終製品である前記樹脂ロールRに同心的に挿通配置されるシャフトと同径の外径寸法に設定されると共に、該ロールRの軸方向長さよりも充分に長い寸法に設定された棒状部材であって、当該溝226に装着することで、キャビティ半体220の軸心と整列した状態でその内側面との間に充分な成形用の空間、すなわちキャビティ218を画成する。
【0005】
▲3▼この中子228が装着された前記成形型216は、その一方の金型半体222を回動させることで閉成され、例えば1ブロック分だけ前記製造ラインに沿って下流側の原料注入装置232に移動される。これにより、それまで上流側に位置していた別の成形型216が下流側に搬送され、前記中子装着位置230に到来した時点で、先の成形型216と同様にその一方の金型半体222が開放されて各キャビティ218に中子228が夫々装着される。そしてこの手順が繰り返されることにより、該中子228が装着された成形型216が順次製造ラインに沿って下流側に移送される。
▲4▼製造ライン下流側に搬送された前記成形型216に、前記注入孔224を介して前記流動性樹脂原料Mが注入される。
▲5▼前記流動性樹脂原料Mが注入された成形型216は、製造ラインの更に下流側に設けられているトンネル加熱炉234により加熱される。これにより前記流動性樹脂原料Mは、前記キャビティ218内で反応・硬化し、該キャビティ218の内部輪郭形状を外部輪郭形状とするロールに成形される。前記トンネル加熱炉234は、製造ラインに沿って成形された所要長の加熱炉であって、その内部温度が前記流動性樹脂原料Mの反応・硬化に必要な所要温度に制御・保持されている。
【0006】
▲6▼前記トンネル加熱炉234での加熱による反応・硬化終了後は、前記成形型216は更に下流側に位置する脱型ステーション236に搬送される。この脱型ステーション236において前記成形型216は、一方の前記金型半体222の回動により開放状態となる。この状態において、前記中子228の両端部を前記溝226から離脱させることで、成形品である発泡体の樹脂ロールRをキャビティ半体220から離脱させ、更に該中子228を該ロールRから引き抜くことで成形品が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述した成形型216を使用した樹脂ロールRの製造装置の稼働により、前記キャビティ218の内部で前記流動性樹脂原料Mに熱が加えられ、反応・硬化の終了により所期の樹脂ロールRが得られる。しかしながらこの製造工程によるときは、以下の問題点が指摘される。
▲1▼基本的にバッチ処理であり、連続的な製造、すなわち効率的かつ製造コストを大きく低減させた製造が困難である。
▲2▼前記流動性樹脂原料Mへの加熱は、基本的に外部からしか実施できないため、前記キャビティ218内部に注入された該流動性樹脂原料Mの反応・硬化に部位によるバラツキが生じてしまう。これにより、得るべき樹脂ロールRの物性が不均質となり好適なロールRを製造し得ない。殊に得られる樹脂ロールRをなすウレタン発泡体は良好な断熱体であり、先に反応・硬化した表面部位が断熱体として作用するので、該反応・硬化後の表面部位より更に内側へ熱を効率的に伝達することができなくなる。従って、得られる樹脂ロールRの物性が、その半径方向に亘って大きく不均質となってしまう。
▲3▼そこで前記加熱による弊害を少なくすると共に、前記反応・加熱に必要な時間を短縮するために、前記成形型216および中子228に予熱を施すことも一般的である。この場合、製造工程上、前記成形型216に流動性樹脂原料Mを注入する前に前述の加熱が施されるが、該原料Mは該成形型216の所定部位に設けられた注入孔224(図20および図21参照)から注入されるため、図23に示す如く、該注入孔224近傍の前記流動性樹脂原料Mが最も速く接触する部位から順次反応・硬化が始まってしまう。その結果、該流動性樹脂原料Mの注入経路(この場合、得られる樹脂ロールRの軸方向)に沿って、物性の異なる樹脂ロールRが製造されるという重大な欠点が指摘される。
▲4▼前述の▲2▼および▲3▼で述べた問題を回避する手段として、前記流動性樹脂原料Mを、低温から長い時間を掛けることで該原料M内の温度差を解消しつつ、徐々に加熱する方法が考えられる。しかしこの場合、加熱に過度の時間が必要とされ、またバッチ処理はサイクルタイムが短い方が良いという点からも、実際の工業的量産をなす製造に向かないことは明らかである。
【0008】
【発明の目的】
この発明は、前述した従来の技術に内在している課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、得るべき樹脂ロールの外径に略等しい内径を有する成形パイプを使用し、ここに該樹脂ロールの外形状を規制する長尺シートを用いて流動性樹脂原料を移送しつつ加熱して反応・硬化させることで、連続的にかつ部位により硬度等の差違がなく物性が略同一となっているシャフト付き樹脂ロールを効率的に製造し得る装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決し、所期の目的を好適に達成するため本発明に係るシャフト付き樹脂ロールの製造装置は、得るべき樹脂ロールの外径に略等しい内径を有し、製造ラインの上流側から下流側に向けて直列に配置した所要数の成形パイプと、
最上流に位置する前記成形パイプの上流側に配設され、前記製造ラインに沿って長尺シートを供給する長尺シート供給装置と、
前記長尺シート供給装置の下流側に配設され、前記長尺シートの供給に伴い該長尺シートを徐々に筒状に成形し、該長尺シートの長手方向に沿った両端縁を近接させて前記成形パイプの内部を通過し得る長尺円筒体となす規制部材を備える長尺シート製筒装置と、
前記長尺シートが前記長尺シート製筒装置により筒状に成形される過程で、流動性樹脂原料を該長尺シートの上方開口領域に注入する原料注入装置と、
前記長尺シートの上方開口領域に、少なくとも外周面が誘導発熱され得るシャフトを、得るべき樹脂ロール長尺物の略中心軸線に沿って供給するシャフト供給装置と、
前記複数の成形パイプに近接配置され、前記長尺円筒体により包囲された状態で該成形パイプ内を移送される流動性樹脂原料に対し、その反応・硬化に必要な熱量を少なくとも誘導発熱原理により付与する加熱装置と、
最下流の前記成形パイプの下流側に配設され、内部に形成された樹脂ロール長尺物と共に、前記長尺円筒体を引っ張り移送するロール長尺物引張装置とから構成したことを特徴とする。
【0010】
前述した課題を解決し、所期の目的を好適に達成するため本願の別の発明に係るシャフト付き樹脂ロールの製造装置は、得るべき樹脂ロールの外径に略等しい内径を有し、製造ラインの上流側から下流側に向けて直列に配置した所要数の成形パイプと、
最上流に位置する前記成形パイプの上流側に配設され、前記製造ラインに沿って第1長尺シートおよび第2長尺シートを供給する長尺シート供給装置と、
前記長尺シート供給装置の下流側に配設され、前記第1長尺シートの供給に伴い該第1長尺シートを徐々に筒状に成形して前記成形パイプの内部を通過し得る長尺円筒体とすると共に、該長尺円筒体の少なくとも長手方向に沿った両端縁からの流動性樹脂原料の漏洩を防止するべく前記第2長尺シートを被覆させる規制部材を備える長尺シート製筒装置と、
前記第1長尺シートが前記長尺シート製筒装置により筒状に成形される過程で、流動性樹脂原料を該第1長尺シートの上方開口領域に注入する原料注入装置と、
前記第1長尺シートの上方開口領域に、少なくとも外周面が誘導発熱され得るシャフトを、得るべき樹脂ロール長尺物の略中心軸線に沿って供給するシャフト供給装置と、
前記複数の成形パイプに近接配置され、少なくとも前記長尺円筒体により包囲された状態で該成形パイプ内を移送される流動性樹脂原料に対し、その反応・硬化に必要な熱量を少なくとも誘導発熱原理により付与する加熱装置と、
最下流の前記成形パイプの下流側に配設され、内部に形成された樹脂ロール長尺物と共に、少なくとも前記長尺円筒体を引っ張り移送するロール長尺物引張装置とから構成したことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るシャフト付き樹脂ロールの製造装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお従来技術で項で既に述べた部材と同一の部材に関しては、同一符号を付けてその説明は省略する。本願の発明者は、例えばメカニカルフロス法によりウレタンの発泡樹脂ロール(以下、樹脂ロールと云う)を製造するに際して、得るべき樹脂ロールの外径に略等しい内径を有する成形パイプを使用すると共に、ここに該樹脂ロールの外形状を規制し、流動性樹脂原料を移送しつつ、少なくとも誘導発熱(加熱)原理により反応・硬化させることで、内部における硬度等の各種物性の差違が殆どなく略同一、すなわち均一性の高い物性を発現する樹脂ロールが連続的に製造し得ることを知見したものである。なお、本発明において長手方向に沿った両端縁が近接するとは、該両端縁同士が接触した状態を含むものとする。また円筒体とは、真円に近い形状から楕円形等も含み、更に角部を面取りしたような多角形形状等も含む趣旨である。
【0012】
(シャフト付き樹脂ロールの製造装置の全体構成について)
実施例に係る樹脂ロールの製造ラインをなす製造装置10は、基本的に直線的なライン状に構成され、図1に示す如く、該製造装置10の上流側から下流側に向けて直列に複数配置した所要数の成形パイプ20と、その最上流に配設され、該ラインに沿って第1長尺シート92(以下、第1シート92と云う)および第2長尺シート94(以下、第2シート94と云う)を連続的に供給する長尺シート供給装置24と、この下流側に配設され、該第1シート92および第2シート94を徐々に筒状に成形して得られる内側の長尺円筒体93および外側の長尺円筒体95からなる長尺二重円筒体90となす長尺シート製筒装置30と、該円筒体90内への流動性樹脂原料Mの注入およびシャフト98の供給を夫々行なう原料注入装置50およびシャフト供給装置52と、該円筒体90内の流動性樹脂原料Mを加熱する加熱装置60と、該パイプ20の最下流側で該円筒体90を連続的に引っ張り移送するロール長尺物引張装置70と、該装置70の下流側で得られた樹脂ロール長尺物LRの外周面から該円筒体90を連続的に剥離してシート状に戻す長尺シート剥離装置72と、該長尺物LRを所要長に切断するロール切断装置74とから基本的に構成されている。なお、本実施例において上流側および下流側とは、所定の位置を基点として夫々前記製造ラインにおける起点側および終点側を夫々指すものとする。また以下の各構成機器の説明は、基本的に製造工程の流れに従って製造ラインの上流側から順になされている。
【0013】
(成形パイプ20について)
前記成形パイプ20は、最終的に得るべき樹脂ロールRの外径に略等しい内径を有し、前記製造装置10をなす製造ラインの上流側から下流側に向けて配置される構成部材である。具体的には、その内部に加熱を施すべき流動性樹脂原料Mを両シート92および94に包囲させた状態で移送しつつ加熱して樹脂ロールRの基となる樹脂ロール長尺物LRとする部材である。また実際の製造装置10は、その容易な運用を考え、図1に示す如く、後述([0039])する加熱装置60については部位毎の加熱をなす各加熱機構62、64および66毎に少なくとも対応的に分割された複数かつ直列に配置した成形パイプ20から構成されている。この場合、前記複数の成形パイプ20は、互いにその中心軸線を整列させるように配列されている。そして前記成形パイプ20の材質としては、基本的に前記加熱装置60による所定温度への加熱に耐え得ると共に、前述した誘導発熱原理・誘電発熱原理による効率的な加熱を行ない得るよう、例えばガラスシートに高い耐熱性(具体的には150℃程度)を有するエポキシ樹脂を含浸する等して製造した、所謂非磁性体かつ誘電損失の小さい物質の採用が好適である。この材質については、後述([0042]〜[0044])する各加熱機構62、64および66等の加熱原理によって好適なものが変わるため、該加熱機構62、64および66等の説明時に併せて説明する。
【0014】
また前記成形パイプ20における内径は、前述の如く、最終的に得るべき樹脂ロールRの外径に略等しくなるように設定される。ここで留意すべきは、本発明で得られる該ロールRはメカニカルフロス法で得られるロール、すなわち予め流動性樹脂原料M中に所要の造泡用気体を混合・攪拌しておき、この原料に加熱を施して反応・硬化を促進して得られるロールであっても、該加熱によりその体積の若干の増加は回避し得ない点である。この体積増加は、加熱による反応・硬化が殆ど行なわれない上流側に配列される成形パイプ20においては起こらず、従って製造工程上問題も生じない。しかし、加熱の進行が進行する下流側に配列される成形パイプ20においては、前記流動性樹脂原料Mがその体積増加によって、該パイプ20の内周面20aに対して押圧的な状態となってしまい、その結果、該パイプ20内における該原料Mの移送が困難となってしまう畏れがある。
【0015】
本発明においてはこのような事態を回避すべく、前記流動性樹脂原料Mを包囲しつつ移送する手段である両シート92および94(後述[0020])を使用している。そしてこれをより積極的に回避すべく、図2に示す如く、部位毎の加熱をなす各加熱機構62、64および66が夫々配置される成形パイプ20の内径を製造ラインの流れに伴って段階的に拡大させる手法が採用されている。この手法は、例えば化学的発泡法により発泡され、その体積が2〜3倍以上と著しく増加する前記流動性樹脂原料Mの場合等にも有効である。
【0016】
なお、この内径の段階的な拡大は必須でなく、殊に前記流動性樹脂原料Mとして発泡されない、所謂ソリッドな原料Mを使用した場合には、最終的に得るべき樹脂ロールRの外径に略等しい内径を有する成形パイプ20だけの使用によっても、良好な該ロールRの製造は可能である。しかし、このような内径差を設けることで、反応・硬化途中の原料Mの外径規制を確実なものとすると共に、膨張による移送速度の低下等の各種弊害を効率的に回避し得る効果を奏する。また各パイプ20毎の段階的な内径拡大を連続的なものとして、所謂ラッパ状に内径が拡大するようにしてもよい。更に本実施例で複数の成形パイプ20を使用しているが、これに換えて一体型の長い成形パイプを使用するようにしてもよい。
【0017】
(ガイドシート76について)
前記成形パイプ20の内周面20aには、該内周面20aに接触しながら移送される前記第1シート92および第2シート94の間の摩擦を低減するべくガイドシート76が該成形パイプ20の長手方向に延在されるようになっている。前記ガイドシート76には、少なくとも2つの役割がある。すなわち、▲1▼使用する前記流動性樹脂原料Mの種類等により長尺二重円筒体90と内周面20aとの間に摩擦力が発生するが、該長尺二重円筒体90と内周面20aとの間に介在することで該摩擦力を低減し、該長尺二重円筒体90の移送を容易とする点と、▲2▼前記両シート92および94により包囲されてかつ加熱前の流動状態にある流動性樹脂原料Mが外部に漏洩した場合に、該漏洩による弊害を軽微な程度に抑制する点との2つである。
【0018】
従って前記ガイドシート76は、前記流動性樹脂原料Mが漏洩する可能性がある成形パイプ20における部位に配置される必要があり、また交換時の容易性を確保するため、最上流から最下流に至る該成形パイプ20の全長に亘って連続的に配置することが望ましい。この点を考慮し、本実施例においては前記ガイドシート76の基点および終点を夫々成形パイプ20の最上流および最下流に位置させることで、該パイプ20の全長に亘ってその内周面20aに延在させてある。また前記基点においてガイドシート76をロール状に巻き付けたガイドシート供給機構22から連続的に導出を可能にすると共に、前記終点において該ガイドシート76をロール状に巻き取り得るガイドシート回収機構23を設け、必要に応じて該成形パイプ20内のガイドシート76を巻き取り交換をなし得るよう構成されている。また前記ガイドシート76の材質等としては、前記加熱装置60による加熱と摩擦低減性とを考慮し、アラミド繊維を主体とし、これを所要のシート状に織り上げてフッ素樹脂またはシリコーン樹脂等をコートした長尺物が好適に使用される。前記ガイドシート76の主体としては、アラミド繊維の他、アラミド紙、ポリイミドフィルムまたはPPS(ポリフェニレンサルファイド)フィルム等が採用可能である。前記成形パイプ20の長さおよび内径並びに必要とされる耐熱性等の要素に鑑み、その内周面20aにフッ素樹脂やシリコーン樹脂等を直接的に付与する低摩擦化加工は困難となる場合がある。このような場合において前記ガイドシート76は、非常に簡便かつ有効に低摩擦化加工を実現し得る代替手段である。
【0019】
(長尺シート供給装置24について)
前記長尺シート供給装置24は、前記製造ラインにおける一連の装置の最上流に配置され、前記第1シート92をロール状に巻き付けたロール体を備える第1長尺シート供給機構26と、前記第2シート94をロール状に巻き付けたロール体を備える第2長尺シート供給機構28とから構成されている。この長尺シート供給装置24は、前記流動性樹脂原料Mを包囲して得るべき樹脂ロールRの外形状に規制すると共に、該流動性樹脂原料Mを前記成形パイプ20内を移送する手段として機能する前記第1シート92および第2シート94を連続的または間接的に供給する装置である。具体的には、夫々ロール状とされた前記第1シート92および第2シート94の供給元である第1長尺シート供給機構26および第2長尺シート供給機構28を備え、前記製造ラインに沿って第1シート92および第2シート94を供給し得るように構成されている。また前記第1シート92および第2シート94は、後述([0023])する長尺シート製筒装置30により前記流動性樹脂原料Mをその内側より該第1シート92、第2シート94の順序で包囲するようにされている(図2(a)参照)。なお前記第1長尺シート供給機構26および第2長尺シート供給機構28からの前記第1シート92および第2シート94の供給は、後述([0050])するロール長尺物引張装置70により引っ張られることで供給されるため、殊に積極供給はされないが、必要に応じて前記ロール体を積極駆動して繰り出し供給するようにしてもよい。
【0020】
前記第1シート92および第2シート94は、前記長尺シート供給装置24から連続的に供給され、後述([0054])する長尺シート剥離装置72に巻き取り回収される。すなわち長尺シート供給装置24は、長尺シート剥離装置72と一対となった装置と捉えることも可能である。そして、前記第1シート92および第2シート94が製造ライン、すなわち複数の成形パイプ20内を通過するための駆動力は、最下流側に配列される該成形パイプ20と前記長尺シート剥離装置72との間に配置されるロール長尺物引張装置70により与えられる。
【0021】
また前記第1シート92および第2シート94は、前述した如く、前記流動性樹脂原料Mを包囲して得るべき樹脂ロールRの外形状を規制すると共に、該パイプ20内を移送する手段として機能するものである。このため、前記流動性樹脂原料Mを反応・硬化させる際に加えられる熱に対する耐熱性、得られる樹脂ロールRからの離形性、前記成形パイプ20内を移送される際の低摩擦性および前記ロール長尺物引張装置70の引張力に耐え得る機械的強度(引張強度)等を備えることが要求される。前記耐熱性は一般に使用される前記流動性樹脂原料Mの反応・硬化に必要とされる、例えば110℃での使用を考慮して少なくとも130℃以上とされ、引張強度は前記ロール長尺物引張装置70により付勢される引張力に耐え得る材質、厚さ等の物性を有するのが適宜選択される。例えば電気的な絶縁性を有し、表面に離形処理を施した紙材や樹脂シート等が挙げられる。更に前記第2シート94における短手方向の全長、すなわち幅寸法は、少なくとも前記第1シート92における幅寸法以上に設定されている(詳細は後述([0027]))。
【0022】
前記第1シート92における前述した離形性等の各種加工等については、前記流動性樹脂原料Mに直接的に接触することに鑑み、該第1シート92における該原料M供給側に離形性に資する加工が施される。また前記第2シート94は、成形パイプ20の内表面20aに直接的に接触するため、該第2シート94が該内周面20aに指向する側は低摩擦性に資する加工が施される。また前記第1シート92および第2シート94の相互に接触し合う側に、摩擦を低減させる加工を施すようにしてもよい。
【0023】
(長尺シート製筒装置30について)
前記長尺シート製筒装置30は、図3に示す如く、前記長尺シート供給装置24と最上流の前記成形パイプ20との間に配置され、所定間隔離間して設けられる規制部材としての複数の板状部材32と、各板状部材32を直立支持可能な共通基台38とから構成されている。そして前記第1シート92および第2シート94を徐々に筒状に成形し、最終的に前記成形パイプ20の内部通過を許容すると共に、該第1シート92および第2シート94における夫々の長手方向に沿った両端縁92a,92aおよび94a,94aを夫々重ね合わせて長尺二重円筒体90とするようになっている。前記長尺二重円筒体90は、前記第1シート92からなり流動性を有する流動性樹脂原料Mの漏洩を防止しつつ直接的に包囲する内側の長尺円筒体93と、前記第2シート94からなり該長尺円筒体93を更に外側から包囲する外側の長尺円筒体95とから構成されている(図2(a)参照)。この長尺シート製筒装置30において、前記第1シート92および第2シート94の断面形状の円筒形状への成形、すなわち両円筒体93および95への成形は、製造ラインに沿って直列的に配置された複数の板状部材32によってなされる。
【0024】
前記複数の板状部材32には、その配置位置に応じて、前記第1シート92および第2シート94に要求される夫々の断面形状と略同一な第1スリット34および第2スリット36が個々に穿設され、該第1シート92および第2シート94が挿通可能となっている。前記長尺シート製筒装置30の主要部をなす前記共通基台38は、該板状部材32を製造ラインに対して複数の板状部材32を直交的に配置し得る複数の溝部38aを備えている。すなわち夫々の板状部材32は、前記共通基台38により製造ラインに対して上下左右方向に微調整可能かつ所要間隔で直列支持される。具体的には、第1スリット34および36を通過する前記第1シート92および第2シート94が、製造ラインに対して供給経路に沿う中心軸線に整列して、ここでは略平行状態を維持するよう構成されている。
【0025】
前記第1スリット34および第2スリット36は、図4に示す如く、前記製造ラインに沿って配置される前記複数の板状部材32の個々の配置位置において、該第1シート92および第2シート94に要求される断面形状に夫々対応する形状を有している。すなわち前記第1シート92および第2シート94は、前記長尺シート製筒装置30を通過することで、その長手方向に沿った両端縁92a,92aおよび94a,94aを夫々重ね合わせるようにされると共に、得るべき樹脂ロールRと中心軸線を整列させた長尺円筒体93および長尺円筒体95に夫々成形され、最終的には前記長尺二重円筒体90を構成するようになっている。
【0026】
このようにして、徐々に長尺円筒体93および長尺円筒体95にされる前記第1シート92および第2シート94は、前記長尺シート製筒装置30の経路途中においては、その断面形状がU字形状、所謂上方開口状態となった円弧状になる。また前記第1シート92および第2シート94を長尺円筒体93および長尺円筒体95に成形する後期の段階においては、何れのシート92,94もその断面形状が略筒状となっている。そこで例えば前記長尺シート製筒装置30の下流側等の位置によっては、前記板状部材32に穿設される前記第2スリット36だけで前記第1シート92および第2シート94を両円筒体93,95に成形し得るよう構成してある(図4参照)。すなわち、前記長尺シート製筒装置30の所要の下流側における前記板状部材32に関しては、第2スリット36だけを備える構成とすることで、該板状部材32の製造コストの低減が可能である。
【0027】
前述した上方開口状態、すなわち上方開口領域を有する状態となった前記第1シート92に対して、図5に示す如く、前記原料注入装置50による流動性樹脂原料Mの注入およびシャフト供給装置52によるシャフト98の供給が行なわれる(詳細は後述([0029]))。そして前記流動性樹脂原料Mの注入およびシャフト98の供給が行なわれた後は、前記第1シート92における上部開口は徐々に閉じていき、その外周側を前記第2シート94により覆われることになる。この際、前記第1シート92および第2シート94は最終的に、夫々の前記両端縁92a,92aおよび94a,94aが重ね合わされた重合部92b,94bを夫々有する長尺円筒体93および長尺円筒体95とされるが、該第2シート94における短手方向の全長、すなわち幅寸法は第1シート92の幅寸法より長く設定されているので、該長尺円筒体93が長尺円筒体95に完全に覆われる。このような構造とすることにより、前記長尺円筒体93から流動状態である流動性樹脂原料Mが漏洩した場合にも、前記長尺二重円筒体90の外へ該原料Mが漏洩する事態を回避し得る。
【0028】
なお、図6に示す如く、前記長尺二重円筒体90の外側をなす第2シート94の進行(供給)方向に対して略垂直に配置された複数のローラ102を規制部材として備える長尺シート製筒装置100を採用することも可能である。前記複数のローラ102は、前記第2シート94を得るべき長尺円筒体95へと成形するように、その配置位置に応じて、すなわち該第2シート94の長尺円筒体95への成形の度合いに応じて、配置角度並びに配置数等が適宜設定されている。ここでは外側に位置する前記第2シート94の成形を行なうよう記載しているが、該第2シート94の内側に存在し、かつ幅の狭い前記第1シート92は、該第2シート94の長尺円筒体95への成形に伴って必然的に長尺円筒体93に成形されるため殊に問題は生じない。この他、長尺シート製筒装置としては、必要とされる第2スリット36の各部位における形状を連続的に有するブロック体や、前記ロール102を所要長のコンベアに換装した構成としてもよい。
【0029】
(原料注入装置50およびシャフト供給装置52について)
前記原料注入装置50は、予め準備された流動性樹脂原料Mの前記第1シート92における上方開口領域への注入を制御下に実施する装置であり、該流動性樹脂原料Mを貯留する原料タンク(図示せず)に連通されたノズルにより構成されている。また前記シャフト供給装置52は、得るべき樹脂ロールRに必要とされるシャフト98を前記第1シート92における上方開口領域へ間欠的に供給する装置である。本実施例で使用される流動性樹脂原料Mは、前述の如く、メカニカルフロス法によってウレタン樹脂となるポリオールおよびイソシアネート等の原料と、該原料に反応・硬化後にセルとなる乾燥エアーまたは窒素等の不活性ガス等の造泡用気体とを混合して製造される。また前記流動性樹脂原料Mは、成形時の温度において注入等を許容し得る流動性を有する樹脂原料一般を指し、得られる樹脂ロールRに求められる物性等により、適宜原料における素材および発泡するか否かといった性状が決定される。前記素材としては、例えばウレタン、ウレア、NBRラテックス、アクリルラテックスまたはPVCラテックス等の一般的な樹脂が使用可能である。また原料性状についても、前述の如く、使用温度域で流動状態をなせば、ソリッド、機械的発泡による発泡原料または化学的発泡がなされる発泡原料の何れであってもよい。なお、誘電発熱原理による自己発熱をなし得るよう、誘電率が1.1以上で、誘電損失(係数)が1×10−3を超える組成物が好適に使用される。
【0030】
前記シャフト98としては、得るべき樹脂ロールRに必要とされる所要長を有する中実または中空の物質が使用される。また後述([0039])する加熱装置60において誘導発熱原理を利用した内部加熱機構62を使用する際には、少なくともその外周面98bに誘導発熱され得る物質が付与等された中実または中空の物質が使用される(本実施例においては中実構造)。前記物質としては、後述([0040])する誘導発熱原理による熱供給を効率的に実施すべく、鉄等の磁性体を採用してもよく、この他、得るべき樹脂ロールRに軽量性等が必要とされる場合には、軽量なABS樹脂を採用すると共に、該シャフト98の外周面98bとして、例えば誘導発熱され得る金属片や金属メッキを付与するようにしてもよい。このように誘導発熱され得る物質をシャフト98の外周面98bに備えていれば、内部の物質にはステンレス等の非磁性体、ガラス、セメント或いはPOM(ポリオキシメチレン)またはPES(ポリエーテルサルホン)等の各種樹脂が採用可能である。
【0031】
また前記シャフト98は、その両端部98a,98aに非磁性体からなり、得るべき樹脂ロールRの外径に略等しい内径を有する位置決め部材99,99が装着された状態で供給される。前記位置決め部材99は、前記シャフト98の中心軸線を得るべき樹脂ロールRにおける中心軸線に沿わせるための部材であり、該部材99を装着することで前記長尺円筒体93および長尺円筒体95の内径の規制も可能となる。前記位置決め部材99を構成する非磁性体としては、素材自体が弾性を有するシリコーンゴム等や、弾性は有しないがアルミニウム等が好適である。前記位置決め部材99として、シリコーンゴムの如き弾性体を使用すれば、樹脂ロール長尺物LRを内包した長尺二重円筒体90を引っ張り移送するロール長尺物引張装置70として、該長尺二重円筒体90を挟持的に固定しつつ引っ張るサンドイッチコンベア(後述([0050]))等の使用において、該樹脂ロール長尺物LRへの挟持による圧縮変形を抑制し得る効果も期待できる。なお、本発明に係る製造装置10については、前記シャフト98に換えて、所謂ダミーシャフトを使用して、一旦シャフト付き樹脂ロールの製造をなし、その後に該ダミーシャフトを引き抜いて中空円筒状の樹脂ロールになし、その後に必要に応じて所要のシャフト部材を挿入するようにしてもよい。この場合、前記ダミーシャフトの外周面には、反応・硬化した流動性樹脂原料Mからの離形性を高めるべく、所要の離形処理を施すのが好ましい。このようにすることで、後述する後加工ステーション78において個々にシャフト98を対応的に挿入する方法が採用され、例えば軸方向に短尺の樹脂ローラを効率的に製造し得る。
【0032】
また、前記ダミーシャフトの存在により、該ダミーシャフトと前記流動性樹脂原料Mとの境界面には積極的にスキン層が形成される。そして前記スキン層の存在により、前記シャフト98を樹脂ロールRへ装着する際の圧入性および接着性等の加工性が向上する。なお前記ダミーシャフトとして、前記樹脂ロールRに挿入されるシャフト98と略同一な直径および柔軟性を備える長尺部材を使用してもよい。この長尺のダミーシャフトは、例えば前記流動性樹脂原料Mの注入前には前記板状部材32に別途該ダミーシャフトを支持し得るよう設けられた孔部と、注入後には別途設けられた支持部材とによって位置決めされ、これにより略中心軸線に該長尺のダミーシャフトを備えた該樹脂ロール長尺物LRが得られる。
【0033】
前記原料注入装置50から注入される流動性樹脂原料Mの注入量は、順次移送される第1シート92において、供給される該原料Mを包囲して得るべき樹脂ロールRの体積となるように算出することで決定される。すなわち得るべき樹脂ロールRの断面積がA(cm)であり、移送される第1シート92の速度がB(cm/sec)の場合、前記流動性樹脂原料Mの注入量は、A×B(cm/sec)と算出され、該原料Mの密度から単位時間当りの供給重量も算出し得る。なお、前記流動性樹脂原料Mとして、発泡剤が混合された化学的発泡法による発泡原料が使用された際には、前述の各要素の他、該原料における発泡倍率による体積増加を考慮して注入量の決定がなされる。前記シャフト98が前記原料注入装置50の上流で供給される場合、該シャフト98および位置決め部材99の体積を考慮した計算がなされる。
【0034】
なお、複数の前記シャフト98を、図7に示すように、複数の前記位置決め部材99によって連結させた状態とし、前記上方開口領域に対して連続的に供給することも可能である。また、前記原料注入装置50およびシャフト供給装置52の配置位置については、前記長尺シート製筒装置30において前記流動性樹脂原料Mおよびシャフト98を、前記第1シート92の上方開口領域に注入・供給し得る位置であれば殊に問題はない。従って、前記原料注入装置50およびシャフト供給装置52の製造ラインに対する配置順序については、殊に限定されず、何れの装置50,52が上流側に配置されてもよい。前記原料注入装置50が上流側に設置された際には、殊に制限事項はなく、第1シート92の移送速度から算出される適正量の流動性樹脂原料Mを連続的に注入すればよい。
【0035】
一方、前記シャフト供給装置52が上流側に設置された場合には、その下流側に前記シャフト98が供給されるため、該供給位置においては該シャフト98(位置決め部材99含む)の体積分だけ前記流動性樹脂原料Mが余剰となる。この余剰分は、前記第1シート92からの流動性樹脂原料Mの漏洩を悪化させる原因となるため、この場合、前記シャフト98の供給部位に合わせて該流動性樹脂原料Mの供給量を低下させたり、間欠停止させたりする等の制御を行なうことが好ましい。
【0036】
(封止装置80について)
本実施例において前記長尺シート製筒装置30は、図8に示す如く、前記重合部92bが形成される直後の位置に、電熱ヒータを内蔵した熱良導体の金属ブロック82を、上下方向に移動させ得る封止装置80が備えられている。この封止装置80は、図9に示す如く、前記重合部92bの近傍に金属ブロック82を当接・押圧させることで、該押圧部分の前記流動性樹脂原料Mを局所的かつ瞬時に反応・硬化させるものである。すなわち、漏洩の可能性がある部分の流動性樹脂原料Mを積極的に反応・硬化させることによって、それ以上の該流動性樹脂原料Mの漏洩を防止する構成となっている。これにより前記長手方向に沿った両端縁92aからの流動性樹脂原料Mの外部への漏洩防止性を、更に高めることができる。
【0037】
前記流動性樹脂原料Mはその注入性等を考えた場合、粘性が低く流動性が高い方が好ましい。しかしこのような状態にあっては、図10に示す如く、前記重合部92bに少量の前記流動性樹脂原料Mが介在してしまう場合が想定される。このような場合においては、漏洩した少量の前記流動性樹脂原料Mだけを前記重合部92b内で反応・硬化させることで、該重合部92bの粘着成分として利用し得るため、より効率的な該流動性樹脂原料Mの漏洩防止が期待できる(図10(a)参照)。また、前記流動性樹脂原料Mの漏洩量が多く、該流動性樹脂原料Mが重合部92bから漏洩した場合であっても、該重合部92bを更に外側から覆う前記重合部94b内または近傍で同じく反応・硬化されるようになっている(図10(b)参照)。
【0038】
なお前記金属ブロック82に換えて、同じく電熱ヒータを内蔵した熱良導体の金属ローラを使用するようにしてもよい。この場合、前記長尺二重円筒体90の移送に伴って前記金属ローラも回転されることになり、殊に該長尺二重円筒体90との間に摩擦が生じることがなく前記ロール長尺物引張装置70に負荷をかけることがないので好適である。また前記重合部92b,94bの位置が相違する場合においては、該重合部94b内または近傍の流動性樹脂原料Mの反応・硬化を行なうべく、該重合部94bの形成予定ラインに沿って、例えば前記第1スリット34および/または第2スリット36内にラインヒータ等を配置することで対応するようにしてもよい。また、図11に示す如く、前記長手方向に沿った両端縁92aおよび/または94aが重ね合わされない場合であっても、その近傍領域の流動性樹脂原料Mを反応・硬化させることで同じく該原料Mの漏洩防止をなしえる。
【0039】
(加熱装置60について)
前記加熱装置60は、前記長尺シート製筒装置30の下流側に配設され、該製筒装置30を経て移送状態にある長尺二重円筒体90の内部に夫々注入・供給された流動性樹脂原料Mおよびシャフト98に反応・硬化に必要な熱量を供給するものである。すなわち前記加熱装置60は、誘導発熱原理を利用して前記流動性樹脂原料Mを加熱する内部加熱機構62、外部加熱機構64および予備加熱機構68と、誘電発熱原理を利用して流動性樹脂原料Mを加熱する中間加熱機構66とから基本的に構成されており、本実施例では内部加熱機構62、外部加熱機構64、予備加熱機構68、中間加熱機構66の順で上流側から下流側に向けて配設されている(図2参照)。本発明では前記加熱の方法として、誘導発熱原理および誘電発熱原理が採用されている。例えば図12に示す如く、前記誘導発熱原理により、前記流動性樹脂原料Mにおける前記成形パイプ20の内周近傍(以下、外周領域OPと云う)およびシャフト98の外周面98b近傍(以下、内周領域IPと云う)の両部分が加熱され、更に誘電発熱原理により前述した外周領域OPおよび内周領域IPに挟まれた中間領域MPが加熱される。
【0040】
本実施例において前記内部加熱機構62および外部加熱機構64は、前記夫々の成形パイプ20の外周に巻回された誘導コイル63へ交流電圧を印加して加熱する構成となっており、また前記中間加熱機構66は、該成形パイプ20を挟んで対向的に配置される一対の電極67,67に高周波電圧を印加して加熱する構成となっている。なお、前記誘導発熱原理は、誘導コイルに電流(周波数50Hz〜40MHz)を流すことでその磁束中に存在する磁性体に誘導電流を生起させ、該磁性体を自己発熱させる原理である。また誘電発熱原理は、350KHz〜40MHzの高周波交流電界中に被加熱物を存在させて、該被加熱物の分子運動を活性化させて自己発熱させる原理をいう。
【0041】
従って前述の構成から明らかなように、前記流動性樹脂原料Mにおける内周領域IP、外周領域OPおよび中間領域MPの加熱は、前記加熱装置60において誘導発熱原理を利用した内部加熱機構62、同じく誘導発熱原理を利用した外部加熱機構64および誘電発熱原理を利用した中間加熱機構66により、夫々順次個別に実施される。本実施例においては、基本的に前記内部加熱機構62、外部加熱機構64および中間加熱機構66の順序で直列配置されており、該外部加熱機構64および中間加熱機構66の間に予備加熱機構68が、該中間加熱機構66の後、すなわち最下流側に保温機構69が夫々配置されている。
【0042】
前記内部加熱機構62は、誘導発熱原理により前記流動性樹脂原料M内に存在するシャフト98、殊に該シャフト98における外周面98bを自己発熱させ、この熱により該シャフト98を囲繞している原料Mの内周領域IPを選択的に反応・硬化させる装置である。前記誘導発熱原理は、前述の如く、磁性体に作用するものであるため、本内部加熱機構62が配置される部位においては該シャフト98以外の物質、具体的には前記両シート92,94、流動性樹脂原料M並びに成形パイプ20は非磁性体であることが望ましく、本実施例においてもこの構成となっている。また供給するエネルギーに対する温度効率を考えた場合、前記シャフト98はその全体が磁性体となっている、所謂中実構造であるものより、中空構造でかつ加熱すべき前記内周領域IPに接触するシャフト外周面98bの部分だけが磁性体であることが好ましい。これは、例えば前記シャフト98の本体を非磁性体であるABS樹脂等で作製し、その外周面全体を誘電発熱させ得る金属薄片で被覆した構造とすることで達成される。
【0043】
また前記外部加熱機構64は、同じく誘導発熱原理を利用して前記流動性樹脂原料Mにおける前記外周領域OPを選択的に反応・硬化させる装置である。具体的に本外部加熱機構64の部位においては、前記成形パイプ20の外周部に前記誘導発熱原理により自己発熱する磁性体を材質とする筒状体64aが備えられており(図2参照)、該筒状体64aが誘導発熱原理により自己発熱され、これにより前記成形パイプ20が昇温され、この熱により流動性樹脂原料Mにおける外周領域OPを選択的に反応・硬化させている。前記筒状体64aについては、前記内部加熱機構62と同様に供給するエネルギーに対する温度効率を高めるために、その肉厚を薄くすることが好ましい。また前記筒状体64aを配置せず、前記外部加熱機構64の対応部位の成形パイプ20を磁性体とするようにしてもよい。この他、前記筒状体64aは成形パイプ20の外周部にあるため、図13に示す如く、通常の電熱ヒータ65等による、所謂伝導加熱による直接加熱も可能である。この場合、前記筒状体64aとしては、熱伝導効率の良好な、例えば金属素材が好適に採用される。
【0044】
前記中間加熱機構66は、誘電発熱原理により前記流動性樹脂原料Mにおける前記中間領域MPを優先的に反応・硬化させる装置である。本来、前記流動性樹脂原料Mを反応・硬化させて得られるウレタン発泡体(本実施例の場合)は断熱性が高い。従って、前記流動性樹脂原料Mにおける内周領域IPおよび外周領域OPが、夫々前記内部加熱機構62および外部加熱機構64により反応・硬化された後は、該両部分IPおよびOPに挟まれた中間領域MPの迅速かつ効率的な加熱は一般に困難である。またこの部位における前記成形パイプ20については、誘電発熱原理による前記流動性樹脂原料Mの自己発熱に多くのエネルギーを供給し得るよう、誘電損失の小さい物質であることが望ましい。
【0045】
本発明に係る製造装置10によれば、前記中間領域MPを誘電発熱原理により自己発熱させて反応・硬化させるため、前述の問題は起こり得ない。また、前記誘電発熱原理は、加熱すべき流動性樹脂原料Mに対して与えられる電場により行なわれるため、その加熱部位は該電場内に存在して自己発熱が可能な部分に自ずと限定される。また前記誘電発熱原理は、全体のエネルギー準位を均一にするように一定確率的(ランダム)になされるために加熱均一性も高い。すなわち断熱素材として作用するウレタン発泡体に囲まれた(挟まれた)前記中間領域MPを迅速かつ均質に加熱する場合、最適な方法といえる。また前記中間加熱機構66が対応的に配設される成形パイプ20の材質としては、前記一対の電極67,67からの高周波電圧の印加により熱を生じない誘電損失の小さい物質であることが望ましく、前述した材質からなる成形パイプ20も好適に使用し得る。
【0046】
また本実施例では、前記中間加熱機構66の直前に前記シャフト98を誘導発熱原理により予熱(本実施例においては再加熱)するための予備加熱機構68が配置されている。この予備加熱機構68は、前記中間加熱機構66によって中間領域MPに熱を与える際に、該熱量が他の部分、殊に熱伝導性が高い材質からなる前記シャフト98に熱が吸収されるのを補充するためである。この予備加熱機構68の存在によって、前記中間領域MPが自己発熱して得られた熱量は、前記シャフト98に吸収されてしまうことなく該中間領域MPの効率的な反応・硬化に供される。なお、前記内部加熱機構62と中間加熱機構66との間の時間的距離が、例えば加熱装置60内での配置変更等で短かくなる場合には、前記シャフト98は高い温度を維持しているため、本予備加熱機構68は必須とはされない。
【0047】
更に、本加熱装置60の最下流部における前記長尺二重円筒体90により被覆された樹脂ロール長尺物LRの通過ゾーンには、前記内部加熱機構62、外部加熱機構64および中間加熱機構66から供給された熱量を効率的に利用して、該樹脂ロール長尺物LRの熱養生を行なう保温機構69が設けられている。具体的には、対応する部位の成形パイプ20の周りを断熱材69aで囲繞することでなされる。すなわち、前記各領域IP、OPおよびMPに必要とされる熱量(エネルギー量)は、対応する前記各加熱機構62、64および66の長さ並びに出力によって決定される。このため前記出力を大きくすれば、理論的には短い加熱機構62、64および66によっても、充分なエネルギー量を確保し得る。
【0048】
しかし、前記流動性樹脂原料Mが樹脂ロール長尺物LRとなるための化学変化、すなわち硬化には、所要の時間が必要とされる。これは化学反応においてはその原料物質および生成物質(ここでは夫々流動性樹脂原料Mおよび樹脂ロール長尺物LR)によって、反応定数が決定されており、この定数等によって反応速度が左右されるためである。従って、良好な樹脂ロール長尺物LRを得るためには、前記加熱装置60を構成する各加熱機構62、64および66の出力以外に、充分な反応時間、すなわち該加熱装置60の長さが必要とされる。そしてこの反応時間中においては、前記流動性樹脂原料Mに内在されるエネルギー量は多いほど効率が良く、このため過剰なエネルギーを加えずに、前記流動性樹脂原料Mが既に与えられたエネルギーを保持しつつ前記反応時間を確保するために、前記保温機構69が設けられている。なお本保温機構69については、少なくとも前記各加熱機構62、64および66により与えられた熱を維持するようにすればよいので、前記断熱材69aに換えて所定の加熱手段を使用して積極的な保温を実施するようにしてもよい。
【0049】
なお本実施例では、主要な各加熱機構62、64および66は、前述の如く、前記内部加熱機構62、外部加熱機構64および中間加熱機構66の順序で配置され、この順序で配置されることによって以下の効果が期待できる。すなわち、▲1▼流動性のある前記流動性樹脂原料Mの均質性が最も高い状態、すなわち該原料Mの全てが流動物である状態下において、前記内周領域IPの流動性樹脂原料Mの反応・硬化を最初に実施することで、得るべき樹脂ロールRに必要とされるロール部分とシャフト98との確実かつ強固な接合(ウレタン樹脂の場合は接着)を実現し得る。
▲2▼前記流動性樹脂原料Mの大部分が反応・硬化されていない状態、すなわち加熱および該反応による体積膨張の影響を受ける前に、前記外周領域OPの流動性樹脂原料Mの反応・硬化を実施することで、前記長尺二重円筒体90外への該流動性樹脂原料Mの効果的な漏洩防止をなし得る。
▲3▼前記各領域IP、OPおよびMPにおける反応・硬化の時間的なズレは、得るべき樹脂ロールRにおいて半径方向における、例えば硬度等の差違といった物性差の原因となる。しかし、先に前記各領域IPおよびOPを得るべく制御された熱を加え、該各領域IPおよびOPとして、最小限の厚さだけを反応・硬化させた後に、残留した流動性樹脂原料Mの大部分を一度に誘電発熱原理によって反応・硬化させれば、前記物性差は最小限に抑制され、その結果、均質な物性を有する良好な樹脂ロールRを製造可能となる。
また、前記流動性樹脂原料Mにおける各領域IP、OPおよびMPは直接加熱されることになるため、該流動性樹脂原料Mの反応・硬化によって形成されるウレタン発泡体の断熱作用に起因する弊害を生じることがなく、その結果、必要とされる熱量の供給に要する時間、すなわち製造時間を短縮し得る。なお、前記各加熱機構62、64および66の配列順序は、この順序に限定されるものでない。なお、前記内周領域IPの加熱については、前記内部加熱機構62を省略すると共に、シャフト98を前記流動性樹脂原料Rが反応を開始しない程度に予熱した状態で供給し、後述の中間加熱機構66で加熱するようにしてもよい。同時に前記外周領域MPの加熱を前述([0043])した伝導加熱により実施すれば、誘電発熱原理による加熱は不要となる。
【0050】
(ロール長尺物引張装置70について)
前記ロール長尺物引張装置70は、基本的にサンドイッチコンベアであって、最下流に配置される前記成形パイプ20の下流側に配設され、ここまでの各装置を経ることで得られた樹脂ロール長尺物LRを内包する前記長尺二重円筒体90を制御下に連続して引っ張り移送する一対のベルト70a,70aから構成されている。前記一対のベルト70a,70aは、水平方向かつ同期的に回転可能に構成されると共に、その平坦な外周面が夫々対向するよう配置されている。また前記一対のベルト70a,70aは、任意に離接可能で、かつ互いが接近する方向に常に一定の力が付勢されるよう構成されており、これにより前記樹脂ロール長尺物LRの直径寸法の如何に依存することなく(前記長尺二重円筒体90だけでも)確実に狭持可能となっている。すなわち具体的には、図14に示す如く、前記長尺二重円筒体90を前記樹脂ロール長尺物LRと共に、その両側からンサドイッチ状態に挟持しつつ下流側へ引っ張るものである。
【0051】
前記長尺二重円筒体90は、これまでに説明した通り、常に前記成形パイプ20の内周面20a側と接触した状態で上流側から下流側へ連続的に移送されるものである。そして、前記内周面20aとの接触による移送抵抗を低減して前記長尺二重円筒体90の移送、すなわち樹脂ロール長尺物LRの製造を良好に実施すべく、該内周面20aに摩擦低減のためのガイドシート76を用いたり、該成形パイプ20の内径を段階的に拡大する等の様々な処置が施されている。更にロール長尺物引張装置70において、前記長尺二重円筒体90の引っ張り移送を、その内部に成形され所定の機械的強度を有している樹脂ロール長尺物LRと共に行なうようにしているので、該尺二重円筒体90の引っ張り時において該円筒体90が千切れる等の事態は発生しない。前記樹脂ロール長尺物LRは、弾性変形し得るので、前記サンドイッチコンベアにより両側から挟持されても、その挟持状態を解放後には元の形状に復帰する。また、樹脂ロールRの外径に略等しい内径を有する前記位置決め部材99によっても、挟持を効率的に行なうと共に、前記樹脂ロール長尺物LRの変形を抑制し得る。
【0052】
前記サンドイッチコンベアに換えて、図15に示す如く、その挟持部分が前記長尺二重円筒体90の外形状に略一致したサンドイッチコンベアを使用するようにしてもよい。この場合、前記樹脂ロール長尺物LRに対して、強制的な挟持を行なうことなく、また前記長尺二重円筒体90との接触面積も拡大するため、該長尺物LRの変形を排除すると共に、良好な引っ張り移送を行ない得る。
【0053】
ここまでの各装置を経ることで、得るべき樹脂ロールRの基となる樹脂ロール長尺物LRが得られる。従って、得られた前記樹脂ロール長尺物LRに対して必要とされる、例えば前記樹脂ロールRの外形状を規制等している前記長尺二重円筒体90の剥離や、該樹脂ロール長尺物LRの所要長への切断等の後加工一般を実施することで、樹脂ロールRが得られることになる。これらの各後加工については、手動または自動といった様々な形態が考えられるが、本実施例では以下に記載する各装置により前述の各種後加工を実施するようにしている。
【0054】
(長尺シート剥離装置72について)
長尺シート剥離装置72は、前記ロール長尺物引張装置70の下流側に設けられ、前記樹脂ロール長尺物LRの外周面から前記長尺二重円筒体90を連続的に剥離する装置である。本実施例においては、前記長尺シート剥離装置72には、前記長尺二重円筒体90を前記樹脂ロール長尺物LRからシート状に剥離すると共に、このシート状剥離により得られた第1シート92および第2シート94の双方を別々にロール状に巻き取り回収する第1長尺シート回収機構72aおよび第2長尺シート回収機構72bが備えられている。そしてロール状に回収された前記第1シート92および第2シート94は、そのままの形で前記第1長尺シート供給機構26および第2長尺シート供給機構28から供給される第1シート92,94に使用可能となっている。
【0055】
また前記第1長尺シート回収機構72aおよび第2長尺シート回収機構72bは、前記ロール長尺物引張装置70により付勢される引張速度と略同等の巻取速度で制御下に駆動されるよう構成され、常に回収すべき第1シート92および第2シート94に対して適度な張力を付与し、皺等の発生を回避しつつ再利用が容易となるように回収されている。なお本実施例では、回収した前記第1シート92および第2シート94の双方を再利用に供することで製造コストの低減等を図っているが、該第1シート92または第2シート94の何れか一方だけ再使用するようにしてもよい。例えば、前記流動性樹脂原料Mとして粘度が低く流動性が高い物質を使用したことで、漏洩の畏れが高い場合等は、漏洩による該原料M付着が考えられる前記第1シート92は回収せず、他方の前記第2シート94だけが回収される。
【0056】
(ロール切断装置74について)
前記ロール切断装置74は、前記樹脂ロール長尺物LRを所要長に切断することで得るべき樹脂ロールRとするものである(図1参照)。具体的には、所定間隔で往復移動するカッター74aと、前記長尺二重円筒体90から前記第1シート92および第2シート94を剥離・回収した樹脂ロール長尺物LRを載置可能な台部74bとを備え、該樹脂ロール長尺物LRをカッター74aにより所要長に切断するものである。前記カッター74aは、前記ロール長尺物引張装置70の引張速度に同期して切断をなし得るようされており、この他公知の切断手段が採用可能である。そしてその切断速度は、前記引張速度に対応して設定されている。また前記ロール切断装置74は、製造される樹脂ロールRの内部に配置されるシャフト98の位置を検知または予め知り得る手段、例えば金属検知機または前記シャフト供給装置52との連動等により前記樹脂ロール長尺物LRの切断をなすようにしてもよい。
【0057】
(後加工ステーション78について)
そして前記ロール切断装置74の下流側には、所要長に切断された樹脂ロールRに外周面の研削等の後加工を施す後加工ステーション78が設けられている(図1参照)。この後加工ステーション78で施される後加工としては、前記樹脂ロールRの両端部加工、すなわち前記位置決め部材99,99の取り外しおよび両端部98aの切断や、該樹脂ロールRの外周面研削による高真円度の達成またはセルの露出等が挙げられる。また前記長尺円筒体93における重合部92bの転写により発生する微小な段差は、前記外周面研削により容易に除去可能である。
【0058】
なお本実施例では、前記第1シート92および第2シート94のみを使用して二重構造の長尺二重円筒体90を成形するようにしたが、ガイドシート76を該第1シート92および第2シート94と共に移送する、すなわち3枚の長尺のシート76、92および94により前記流動性樹脂原料Mを移送するよう構成し、前記長尺シート製筒装置30において三重構造の長尺の円筒体に成形して、樹脂ロールRを製造することも可能である。この場合、前記ガイドシート76は、前記ガイドシート供給機構22により連続的に供給されると共に、前記ガイドシート回収機構23によりシート状にされつつ回収される。また移送に必要な駆動力は、前記長尺二重円筒体90と同様に前記ロール長尺物引張装置70によって付勢されるので、前記ガイドシート回収機構23の配置位置は該引張装置70の下流側に設定されることになる。この場合、前記ガイドシート76だけを移送することで、該シート76に伴ってその内側に位置し、前記第1シート92および第2シート94から夫々成形される2つの長尺円筒体93および95は移送される。
【0059】
【変更例】
前記実施例では、前記樹脂ロールRの外形状を規制して包囲する円筒体として、前記第1シート92および第2シート94により二重化された長尺二重円筒体90を使用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図16に示す長尺シート製筒装置110により該長尺シートからなる長尺円筒体93だけを使用して樹脂ロールRを製造してもよい。この場合、図17に示す如く、前記長尺円筒体93の長手方向に沿った両端縁92a,92aは流動性樹脂原料Mの漏洩防止を確実になし得るため、重ね合わせて重合部92bを形成するよう構成される(図17(a)参照)。また、前記流動性樹脂原料Mの粘度を調整すると共に、前記封止装置80を使用することで、前記重合部92bを形成しない状態(図17(b)参照)で樹脂ロールRを製造することも可能である。なお前記長尺シート製筒装置110の構成は、前記長尺シート製筒装置30と略同一であり、各板状部材32に第2スリット36が穿設されず、第1のスリット34だけとなっている点で異なっている。
【0060】
前記長尺シート製筒装置110を用いた樹脂ロールRの製造においては、前記第2シート94が使用されないため、該シート94に関わる各装置・機構等が不必要となり、初期投資コストおよび装置の運用コストを低減させる効果を奏する。その一方で前記長尺二重円筒体90に比較して、引張時に掛かる単位当たりの力が大きくなるため、前記ロール長尺物引張装置70によって付勢される引張力に対する前記第1シート92の引張強度について留意する必要がある。なお、前述([0028])した長尺シート製筒装置100についても採用し得る。
【0061】
【別の変更例】
この他前記第2シート94の幅寸法を短くし、図18に示すような長尺シート製筒装置120により、図19に示すような前記第1長尺シート92からなる長尺円筒体93の長手方向に沿った両端縁92a,92aの間や、該両端縁92a,92aを重ね合わせて形成される重合部92b上を覆うようにして、樹脂ロールRを製造してもよい。前記長尺シート製筒装置120の構成は、前述の長尺シート製筒装置110と略同等で各板状部材32に第2スリット36が穿設されず、第1スリット34だけとなっていると共に、前記長尺シート供給装置24(第2長尺シート供給機構28)から連続的に供給される前記第2シート94が、前記原料注入装置50およびシャフト供給装置52の下流側に配設される第2長尺シート案内装置40により前記第1シート92の所定位置に案内・付与されるように構成されている。前記第2長尺シート供給機構28については、前記長尺シート供給装置24と別体として、前記第2長尺シート案内装置40と一体化するようにしてもよい。
【0062】
前記第2シート94は、前記長尺シートからなる長尺円筒体93の全体を覆うわけではなく、該円筒体93における長手方向に沿った両端縁92a,92aの間または重合部92bからの流動性樹脂原料Mの漏洩を回避し得る程度に存在するだけでよい。また前記第2シート94による前記流動性樹脂原料Mの効率的な漏洩回避のために、該第2シート94における長尺円筒体93との当接する側への所要の粘着手段付与が好適である。この粘着手段に換えて、所要の接着手段を採用するようにしてもよい。
【0063】
前記長尺シート製筒装置120を用いた樹脂ロールRの製造においては、幅寸法が短い第2シート94を使用するため、該シート94に係るコストが低減されると共に、その取り扱いが容易化することによる装置運用コストの低減効果が期待できる。その一方で前述の変更例と同様に、前記長尺二重円筒体90に比較して、引張時に掛かる単位当たりの力が大きくなるため、前記ロール長尺物引張装置70によって付勢される引張力に対する前記第1シート92の引張強度について留意する必要がある。なお、本別の変更例についても、前述([0028])した長尺シート製筒装置100の採用は可能である。
【0064】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係るシャフト付き樹脂ロールの製造装置によれば、得るべき樹脂ロールの外径に略等しい内径を有する成形パイプを使用し、ここに該樹脂ロールの外形状を規制する長尺シートを用いて流動性樹脂原料を移送しつつ加熱して反応・硬化させるようにしたので、連続的にかつ少なくとも軸方向(長手方向)に関して、更には半径方向に関して物性の差違がなく略同一となるシャフト付き樹脂ロールを時間を掛けることなく効率的に製造し得る。また、少なくとも誘電発熱原理を使用することで流動性樹脂原料を加熱するようにしたので、前述の軸方向および半径方向に物性の差違がなく略同一となるシャフト付き樹脂ロールを効率的にかつ短時間で製造し得る効果を奏する。更に前記長尺シートを重ねて使用することで、前記成形パイプ中を移送する流動性樹脂原料の漏洩等も効率的に防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係るシャフト付き樹脂ロールの製造装置全体を示す概略側面図である。
【図2】実施例に係る加熱装置の部分を拡大して示す断面図(図2(a))と、側面図(図2(b))である。
【図3】実施例に係る長尺シート製筒装置の部分を拡大して示す斜視図である。
【図4】図3に示した長尺シート製筒装置を構成する複数の板状部材における夫々のスリットおよび第2スリットの形状を製造ラインの流れに沿って示す説明図である。
【図5】図3に示した長尺シート製筒装置で実施される流動性樹脂原料の注入、シャフトの供給並びに第1長尺シートおよび第2長尺シートの長尺円筒体および長尺円筒体への夫々の成形を段階的に示す工程図である。
【図6】ローラを用いて第1シートおよび第2シートから長尺二重円筒体を得る長尺シート製筒装置の概略を示す斜視図および各製筒段階の断面図である。
【図7】実施例に係る長尺シート製筒装置を使用し、シャフトを連続的に供給する状態を示す概略斜視図である。
【図8】実施例に係る封止装置の部分を拡大して示す斜視図である。
【図9】第1長尺シートの長手方向に沿った両端縁が重ね合わされた際に、図8に示した封止装置で実施される接合部分の流動性樹脂原料の反応・硬化の様子を示した断面図である。
【図10】第1長尺シートの長手方向に沿った両端縁が重ね合わされると共に、流動性樹脂原料が漏洩した際に、図8に示した封止装置で実施される接合部分の流動性樹脂原料の反応・硬化の様子を示した断面図である。
【図11】第1長尺シートの長手方向に沿った両端縁が重ね合わされない場合に、図8に示した封止装置で実施される接合部分の流動性樹脂原料の反応・硬化の様子を示した断面図である。
【図12】実施例に係る加熱装置により実施される各加熱方式で加熱され得る各領域を示す断面図である。
【図13】外部加熱機構として伝導加熱を利用した場合を示す概略図である。
【図14】実施例に係るロール長尺物引張装置の部分を拡大して示す斜視図である。
【図15】ロール長尺物引張装置として、その形状が得られる樹脂ロール長尺物に対応したサンドイッチコンベアを使用した場合を示す斜視図である。
【図16】単一の長尺シートを用いて樹脂ロールを製造する変更例に係る製造装置における長尺シート製筒装置の部分を拡大して示す斜視図である。
【図17】変更列における長尺シートの長手方向に沿った両端縁の接合部分を示す概略断面図である。
【図18】第1長尺シートおよびその幅寸法の短い第2長尺シートを用いて樹脂ロールを製造する別の変更例に係る製造装置における長尺シート製筒装置の部分を拡大して示す斜視図である。
【図19】別の変更列における第1長尺シートの長手方向に沿った両端縁の接合部分を示す概略断面図である。
【図20】従来技術に係る樹脂ロールの製造において、流動性樹脂原料の発泡に使用するロール成形金型を示す平面図である。
【図21】図20に示すロール成形金型に樹脂ロールが成形された際の内部状態を示す断面図である。
【図22】従来技術に係る樹脂ロールの製造において、ロール成形金型による樹脂ロール製造装置および工程を概略的に示す構成図である。
【図23】図20に示すロール成形金型に流動性樹脂原料を注入した際の、該原料の状態を示す状態図である。
【符号の説明】
20 成形パイプ
22 ガイドシート供給機構
23 ガイドシート回収機構
24 長尺シート供給装置
30 長尺シート製筒装置
32 板状部材
34 スリット・第1スリット
36 第2スリット
38 共通基台
40 第2長尺シート案内装置
50 原料注入装置
52 シャフト供給装置
60 加熱装置
62 内部加熱機構
63 誘導コイル
64 外部加熱機構
65 電熱ヒータ
66 中間加熱機構
67 電極
68 予備加熱機構
69 保温機構
70 ロール長尺物引張装置
72 長尺シート剥離装置
74 ロール切断装置
76 ガイドシート
80 封止装置
82 金属ブロック
78 後加工ステーション
90 長尺二重円筒体
92 長尺シート・第1長尺シート
92a 長手方向に沿った両端縁
92b 重合部
93 長尺円筒体
94 第2長尺シート
94a 長手方向に沿った両端縁
94b 重合部
95 長尺円筒体
98 シャフト
98a 両端部
99 位置決め部材
100 長尺シート製筒装置
110 長尺シート製筒装置
120 長尺シート製筒装置
IP 内周領域
LR 樹脂ロール長尺物
M 流動性樹脂原料
MP 中間領域
OP 外周領域
R 樹脂ロール

Claims (17)

  1. 得るべき樹脂ロール(R)の外径に略等しい内径を有し、製造ラインの上流側から下流側に向けて直列に配置した所要数の成形パイプ(20)と、
    最上流に位置する前記成形パイプ(20)の上流側に配設され、前記製造ラインに沿って長尺シート(92)を供給する長尺シート供給装置(24)と、
    前記長尺シート供給装置(24)の下流側に配設され、前記長尺シート(92)の供給に伴い該長尺シート(92)を徐々に筒状に成形し、該長尺シート(92)の長手方向に沿った両端縁(92a)を近接させて前記成形パイプ(20)の内部を通過し得る長尺円筒体(93)となす規制部材(32,102)を備える長尺シート製筒装置(100,110)と、
    前記長尺シート(92)が前記長尺シート製筒装置(100,110)により筒状に成形される過程で、流動性樹脂原料(M)を該長尺シート(92)の上方開口領域に注入する原料注入装置(50)と、
    前記長尺シート(92)の上方開口領域に所要長のシャフト(98)を、得るべき樹脂ロール長尺物(LR)の略中心軸線に沿って供給するシャフト供給装置(52)と、
    前記複数の成形パイプ(20)に近接配置され、前記長尺円筒体(93)により包囲された状態で該成形パイプ(20)内を移送される流動性樹脂原料(M)に対し、その反応・硬化に必要な熱量を少なくとも誘電発熱原理により付与する加熱装置(60)と、
    最下流の前記成形パイプ(20)の下流側に配設され、内部に形成された樹脂ロール長尺物(LR)と共に、前記長尺円筒体(93)を引っ張り移送するロール長尺物引張装置(70)とから構成した
    ことを特徴とするシャフト付き樹脂ロールの製造装置。
  2. 前記加熱装置(60)は、伝導加熱により昇温される成形パイプ(20)を介して前記樹脂ロール長尺物(LR)の外周領域(OP)を選択的に加熱する外部加熱機構(64)と、前記シャフト(98)を囲繞している内周領域(IP)並びに該内周領域(IP)および外周領域(OP)により挟まれる中間領域(MP)を誘電発熱原理により加熱する中間加熱機構(66)とからなる請求項1記載のシャフト付き樹脂ロールの製造装置。
  3. 前記シャフト(98)は、少なくとも外周面(98b)に誘導発熱され得る素材が使用され、該シャフト(98)を誘導発熱原理により発熱させることで流動性樹脂原料(M)の反応・硬化に必要な熱量を供給する請求項1記載のシャフト付き樹脂ロールの製造装置。
  4. 前記加熱装置(60)は、誘導発熱原理により発熱させた前記シャフト(98)を介して前記樹脂ロール長尺物(LR)の内周領域(IP)を加熱する内部加熱機構(62)と、誘導発熱原理により発熱または伝導加熱により昇温される成形パイプ(20)を介して該樹脂ロール長尺物(LR)における外周領域(OP)を加熱する外部加熱機構(64)と、該樹脂ロール長尺物(LR)における前記内周領域(IP)および外周領域(OP)により挟まれる中間領域(MP)を誘電発熱原理により加熱する中間加熱機構(66)とからなる請求項1記載のシャフト付き樹脂ロールの製造装置。
  5. 前記誘電発熱原理を使用する中間加熱機構(66)の上流側に誘導発熱原理を使用する予備加熱機構(68)を配置し、少なくとも外周面(98b)に誘導発熱され得る素材を使用した前記シャフト(98)の予熱を前記予備加熱機構(68)により行なう請求項2〜4の何れかに記載のシャフト付き樹脂ロールの製造装置。
  6. 前記加熱装置(60)の最下流側に、前記長尺円筒体(93)により被覆された樹脂ロール長尺物(LR)の温度を維持する保温機構(69)が配設され、前記内部加熱機構(62)、外部加熱機構(64)および中間加熱機構(66)により加熱された該樹脂ロール長尺物(LR)の熱養生を行なう請求項2〜5の何れかに記載のシャフト付き樹脂ロールの製造装置。
  7. 前記長尺シート製筒装置(100,110)は規制部材(32,102)を備え、該規制部材(32,102)は前記長尺シート(92)の外形を規制することで徐々に前記成形パイプ(20)の内部通過を許容し得る筒状に成形するよう構成されている請求項1〜6の何れかに記載のシャフト付き樹脂ロールの製造装置。
  8. 前記規制部材(32,102)は、前記長尺シート(92)の通過を許容するスリット(34)を穿設した少なくとも1枚の板状部材(32)と、該板状部材(32)を該長尺シート(92)の供給経路に沿う中心軸線に整列させて所要間隔で直立支持する共通基台(38)とからなり、前記スリット(34)は該長尺シート(92)を徐々に筒状に成形し得る形状に設定されている請求項7記載のシャフト付き樹脂ロールの製造装置。
  9. 得るべき樹脂ロール(R)の外径に略等しい内径を有し、製造ラインの上流側から下流側に向けて直列に配置した所要数の成形パイプ(20)と、
    最上流に位置する前記成形パイプ(20)の上流側に配設され、前記製造ラインに沿って第1長尺シート(92)および第2長尺シート(94)を供給する長尺シート供給装置(24)と、
    前記長尺シート供給装置(24)の下流側に配設され、前記第1長尺シート(92)の供給に伴い該第1長尺シート(92)を徐々に筒状に成形して前記成形パイプ(20)の内部を通過し得る長尺円筒体(93)とすると共に、該長尺円筒体(93)からの流動性樹脂原料(M)の漏洩を防止するべく前記第2長尺シート(94)を被覆させる規制部材(32,102)を備える長尺シート製筒装置(30,100,120)と、
    前記第1長尺シート(92)が前記長尺シート製筒装置(30,100,120)により筒状に成形される過程で、流動性樹脂原料(M)を該第1長尺シート(92)の上方開口領域に注入する原料注入装置(50)と、
    前記第1長尺シート(92)の上方開口領域に所要長のシャフト(98)を、得るべき樹脂ロール長尺物(LR)の略中心軸線に沿って供給するシャフト供給装置(52)と、
    前記複数の成形パイプ(20)に近接配置され、少なくとも前記長尺円筒体(93)により包囲された状態で該成形パイプ(20)内を移送される流動性樹脂原料(M)に対し、その反応・硬化に必要な熱量を少なくとも誘電発熱原理により付与する加熱装置(60)と、
    最下流の前記成形パイプ(20)の下流側に配設され、内部に形成された樹脂ロール長尺物(LR)と共に、少なくとも前記長尺円筒体(93)を引っ張り移送するロール長尺物引張装置(70)とから構成した
    ことを特徴とするシャフト付き樹脂ロールの製造装置。
  10. 前記加熱装置(60)は、伝導加熱により昇温される成形パイプ(20)を介して前記樹脂ロール長尺物(LR)の外周領域(OP)を選択的に加熱する外部加熱機構(64)と、前記シャフト(98)を囲繞している内周領域(IP)並びに該内周領域(IP)および外周領域(OP)により挟まれる中間領域(MP)を誘電発熱原理により加熱する中間加熱機構(66)とからなる請求項9記載のシャフト付き樹脂ロールの製造装置。
  11. 前記シャフト(98)は、少なくとも外周面(98b)に誘導発熱され得る素材が使用され、該シャフト(98)を誘導発熱原理により発熱させることで流動性樹脂原料(M)の反応・硬化に必要な熱量を供給する請求項10記載のシャフト付き樹脂ロールの製造装置。
  12. 前記加熱装置(60)は、誘導発熱原理により発熱させた前記シャフト(98)を介して前記樹脂ロール長尺物(LR)の内周領域(IP)を加熱する内部加熱機構(62)と、誘導発熱原理により発熱または伝導加熱により昇温される成形パイプ(20)を介して該樹脂ロール長尺物(LR)における外周領域(OP)を加熱する外部加熱機構(64)と、該樹脂ロール長尺物(LR)における前記内周領域(IP)および外周領域(OP)により挟まれる中間領域(MP)を誘電発熱原理により加熱する中間加熱機構(66)とからなる請求項11記載のシャフト付き樹脂ロールの製造装置。
  13. 前記誘電発熱原理を使用する中間加熱機構(66)の上流側に誘導発熱原理を使用する予備加熱機構(68)を配置し、少なくとも外周面(98b)に誘導発熱され得る素材を使用した前記シャフト(98)の予熱を前記予備加熱機構(68)により行なう請求項10〜12の何れかに記載のシャフト付き樹脂ロールの製造装置。
  14. 前記加熱装置(60)の最下流側に、前記長尺円筒体(93)により被覆された樹脂ロール長尺物(LR)の温度を維持する保温機構(69)が配設され、前記内部加熱機構(62)、外部加熱機構(64)および中間加熱機構(66)により加熱された該樹脂ロール長尺物(LR)の熱養生を行なう請求項10〜13の何れかに記載のシャフト付き樹脂ロールの製造装置。
  15. 前記長尺シート製筒装置(30,100,110)は規制部材(32,102)を備え、該規制部材(32,102)は前記第1長尺シート(92)の外形を規制することで徐々に前記成形パイプ(20)の内部通過を許容し得る筒状に成形するよう構成されている請求項9〜14の何れかに記載のシャフト付き樹脂ロールの製造装置。
  16. 前記規制部材(32,102)は、前記第2長尺シート(94)の外形を規制することで第1長尺シート(92)および該第2長尺シート(94)を徐々に前記成形パイプ(20)の内部通過を許容し得る筒状に成形するよう構成されている請求項10〜15の何れかに記載のシャフト付き樹脂ロールの製造装置。
  17. 前記規制部材(32,102)は、前記第1長尺シート(92)の通過を許容する第1スリット(34)および/または少なくとも該第1長尺シート(92)より幅広の前記第2長尺シート(94)の通過を許容する第2スリット(36)を穿設した少なくとも1枚の板状部材(32)と、該板状部材(32)を該第1長尺シート(92)の供給経路に沿う中心軸線に整列させて所要間隔で直立支持する共通基台(38)とからなり、前記第1スリット(34)および/または第2スリット(36)は該第1長尺シート(92)および第2長尺シート(94)を徐々に筒状に成形し得る形状に設定されており、これにより該第1長尺シート(92)から成形される内側の長尺円筒体(93)および第2長尺シート(94)から成形される外側の長尺円筒体(95)で構成される長尺二重円筒体(90)となし得る請求項16記載のシャフト付き樹脂ロールの製造装置。
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