JP4281052B2 - 棒状体の製造方法およびその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は棒状体の製造方法およびその装置に関し、更に詳細には、流動状態にあった熱硬化性樹脂を加熱硬化させ、全体として均一な気泡径等が達成された均質な発泡体をなし、かつ中心にシャフトが挿通された棒状体またはシャフトを有さない棒状体を、連続的に効率良く製造し得る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コピー機やファクシミリ等の画像処理機器には、潜像転写や送紙・給紙等を行なうロールが多数設けられている。このロールは、例えばマイクロセル構造を有する高機能ウレタン素材を所要長の丸棒体として成形し、これにシャフトを同軸的に挿通配置した構造になっている。前記ロールを構成するマイクロセル構造のウレタン素材を製造するには、ウレタン原料に水や発泡材を添加せず、乾燥エアーや窒素等の造泡用ガスを該原料に混合しながら機械的に攪拌して発泡体とする方法(所謂「メカニカルフロス法」)が好適に採用されている。このメカニカルフロス法の採用により得られるロールは、その内部に含まれる気泡の大きさが略同一で、しかも均質に分散している等の優れた構造的特徴を有している。このため最終製品としてのロールは、例えば紙等のシート状の被搬送物を給送する際に要求される外周面の押圧力、すなわちニップ圧(ニップ量)が一定となって、スリップすることなく円滑に給送をなし得る等の利点を有する。
【0003】
前記メカニカルフロス法によってウレタン発泡体のロールを製造する従来方法を、その製造装置との関係で以下に説明する。このロールは、前述した造泡用ガスとウレタン原料とを混合した流動性のある流動性樹脂原料Mを、図13〜図16に示すように、得るべき製品の外部輪郭形状に略合致するキャビティ218を有する成形型216内に注入することで成形される。すなわち成形型216は、図15に示す如く、複数のキャビティ半体220を分割面上に凹設した一対の金型半体222,222を開閉自在に蝶番軸支したもので、各成形型216は搬送ライン上に所要間隔で多数載置されている。また成形型216の所定位置には、流動性樹脂原料Mを注入するための注入孔224が、夫々のキャビティ218に連通するよう切開されている。更に夫々の金型半体222には、各キャビティ半体220の中心軸線に沿った部位に断面が半円状をなす溝226が形成されており、該成形型216が開放された際に、この溝226に丸棒状の中子228が装着されるようになっている。
【0004】
前記成形型216は、図15に示す工程で使用されて、樹脂ロールRの製造がなされる。すなわち、製造ラインMLの所定位置に設けた中子装着ステーションCSにおいて、上流側から到来した成形型216は停止する。そして成形型216の一方の金型半体222を上方へ回動させて、キャビティ半体220を開放させる。この状態で、他方の金型半体222における夫々のキャビティ半体220に、前記半丸状の溝226を介して中子228を夫々装着する。この中子228は、最終製品となる樹脂ロールRに同心的に挿通配置されるシャフトと同じ外径寸法で、かつ該ロールRに要求される軸方向の長さより充分大きい長さに設定した棒状部材である。すなわち中子228は、前記溝226に装着されることでキャビティ半体220の中心軸心に整列して延在する。
【0005】
前記中子228が装着された成形型216は、上方の金型半体222を回動させることで型閉めがなされ、次いで1ブロック分だけ製造ラインMLに沿って下流側の原料注入ステーションRSへ移動される。また、上流側に位置していた別の成形型216が下流側に搬送され、前記中子装着ステーションCSに到来すると、同様にして各キャビティ218への中子228の装着がなされる。製造ラインMLの原料注入ステーションRSに到来した成形型216へは、原料注入装置232からの流動性樹脂原料Mが、前記注入孔224を介して注入される。この流動性樹脂原料Mが注入された成形型216は、製造ラインMLの下流側に設けたトンネル加熱炉234により加熱される。この加熱により流動性樹脂原料Mは、成形型216のキャビティ218内で反応・硬化し、該キャビティ218の内部輪郭形状を外部輪郭形状とするロールRに成形される。なおトンネル加熱炉234は、製造ラインMLに沿って設けた所要長の加熱炉であって、内部温度が流動性樹脂原料Mの反応・硬化に必要な所要温度に制御・保持されている。
【0006】
トンネル加熱炉234での反応・硬化終了後、前記成形型216は更に下流側に位置する脱型ステーションDSに搬送される。この脱型ステーションDSで成形型216は、上方の金型半体222を回動させることで開放される。この状態下に、前記中子228を前記溝226から持上げることで、発泡体の樹脂ロールRがキャビティ半体220から脱型される。そして、中子228をロールRから引き抜くことで中空の成形品が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記成形型216を使用した製造装置によれば、キャビティ218の内部で流動性樹脂原料Mに熱が加えられ、反応・硬化の過程を経ることで所期の樹脂ロールRが得られる。しかしこの製造装置は、以下の問題点を内在している。
▲1▼ 成形型216の開閉によるバッチ処理を基本とするので、樹脂ロールRを連続的に製造することができず、従って製造効率が低く製造コストも嵩む難点がある。
▲2▼ 流動性樹脂原料Mの加熱は、基本的に成形型216を介して外部から行なう外ない。従って、キャビティ218中における流動性樹脂原料Mの反応・硬化に部分的なバラツキを生じ、得るべき樹脂ロールRの物性が不均質になってしまう。殊に、樹脂ロールRの材質たるウレタン発泡体は良好な断熱体であり、先に反応・硬化する表面側の部位が断熱作用を発揮するので、該反応・硬化後の表面部位より更に内側への熱の効率的な伝達ができなくなる。このため樹脂ロールRの物性が、半径方向に亘って大きく不均質となってしまう。
▲3▼ そこで前記加熱による弊害を少なくすると共に、前記反応・加熱に必要な時間を短縮するために、成形型216および中子228に予熱を施すことが行なわれる。この場合、成形型216へ流動性樹脂原料Mを注入するに先立ち前述の加熱が施されるが、該原料Mは該成形型216の所定部位に設けた注入孔224(図13および図14参照)から注入される。このため、図16に示す如く、注入孔224近傍の流動性樹脂原料Mが最も速く接触する部位から順次反応・硬化が始まってしまう。その結果、得られた樹脂ロールRの物性は、流動性樹脂原料Mの注入経路(樹脂ロールRの軸方向)に沿って異なってしまう、という重大な欠点が指摘される。
▲4▼ 前述の▲2▼および▲3▼で述べた問題を回避するために、流動性樹脂原料Mを低温から長い時間を掛けて昇温させ、該原料M内の温度差を解消する手段が考えられる。この場合は、所要の加熱を完了するのに長い時間を要するが、しかるにバッチ処理はサイクルタイムが短い方が良いので、この手法は工業的量産に適していないことが明らかである。
【0008】
【発明の目的】
この発明は、前述した従来技術に内在している課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、流動状態にある熱硬化性樹脂を加熱硬化させ、全体として均一な気泡径等が達成された均質な発泡体としての棒状体を連続的に効率良く製造し得る方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係る棒状体の製造方法は、得るべき棒状体の外部輪郭形状に合致する内部輪郭形状を有し、少なくとも2つの回転支持体に巻き掛けた状態で周回される可撓性のチューブの全周に亘って設けられ、常には閉成状態にある外周切込を強制開口させる工程と、
周回する前記チューブに連動すると共に、少なくとも2つの回転軸により巻き掛けた状態で周回されるダミーシャフトを、該チューブの内部輪郭断面における所要位置に位置決め供給すると共に、流動状態にある熱硬化性樹脂を、開口状態となったチューブの内部空間に充填供給する工程と、
前記内部空間に供給されて流動状態にある前記熱硬化性樹脂と、前記ダミーシャフトとを加熱機構に通過させることで、該熱硬化性樹脂を硬化させて棒状体となす工程と、
前記外周切込を強制開口させることで、成形された前記棒状体を前記内部空間から連続的に抜き出す工程と、
前記棒状体の外周面から前記ダミーシャフトに到達する切込を形成し、該棒状体内部より該ダミーシャフトが連続的に取り出される工程とからなり、
前記チューブおよびダミーシャフトが連動しつつ、周回することによって前記棒状体が連続的に製造されることを特徴とする。
【0010】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の別の発明に係る棒状体の製造方法は、
得るべき棒状体の外部輪郭形状に合致する内部輪郭形状と、周回方向の全周に亘って設けられた外周切込を常には閉成するよう自己形状保持可能な可撓性とを有する単一のチューブを、少なくとも2つの回転支持体に巻き掛けた状態で周回させ、常には閉成状態にある外周切込を強制開口させる工程と、
流動状態にある熱硬化性樹脂を、開口状態となったチューブの内部空間に充填供給する工程と、
前記チューブのみで保持されて前記内部空間流動状態にある前記熱硬化性樹脂を加熱機構に通過させることで、該熱硬化性樹脂を硬化させて棒状体となす工程と、
前記外周切込を強制開口させることで、成形された前記棒状体を前記内部空間から連続的に抜き出す工程とからなり、
前記チューブが周回することによって前記棒状体が連続的に製造されることを特徴とする。
【0011】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の更に別の発明に係る棒状体の製造装置は、得るべき棒状体の外部輪郭形状に合致する内部輪郭形状を有し、常には閉成状態にある外周切込を全周に亘って設けた可撓性のチューブと、前記チューブを巻き掛けた状態で周回させる少なくとも2つの回転支持体(28,28)からなるチューブ周回機構と、
周回する前記チューブに連動して、周回されるダミーシャフトと、
前記ダミーシャフトを巻き掛けた状態で周回させる少なくとも2つの回転軸(38,38)からなるダミーシャフト周回機構と、
前記外周切込を強制開口して流動状態にある熱硬化性樹脂を前記チューブの内部空間に充填供給すると共に、前記ダミーシャフトを該チューブの周回運動に連動して該内部空間の所要位置に位置決め供給する供給機構と、
前記供給機構の下流側に配置され、前記内部空間で流動状態にある前記熱硬化性樹脂を加熱硬化させて棒状体となす加熱機構と、
前記加熱機構の下流側に配設され、前記外周切込を強制開口して前記内部空間に成形された棒状体を連続的に抜き出す脱型機構と、
前記脱型機構の下流側に配設され、前記棒状体の外周面から該ダミーシャフトに到達する切込を形成し、前記棒状体内部から該切込を介して該ダミーシャフトを連続的に取り出すダミーシャフト取出機構とから構成したことを特徴とする。
【0012】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の更に別の発明に係る棒状体の製造装置は、
得るべき棒状体の外部輪郭形状に合致する内部輪郭形状と、周回方向の全周に亘って設けられた外周切込を常には閉成するよう自己形状保持可能な可撓性とを有する単一のチューブと、
前記チューブを巻き掛けた状態で周回させる少なくとも2つの回転支持体からなるチューブ周回機構と、
前記外周切込を強制開口して流動状態にある熱硬化性樹脂を前記チューブの内部空間に充填供給する供給機構と、
前記供給機構の下流側に配置され、前記チューブのみで保持されて前記内部空間で流動状態にある前記熱硬化性樹脂を加熱硬化させて棒状体となす加熱機構と、
前記加熱機構の下流側に配設され、前記外周切込を強制開口して前記内部空間に成形された棒状体を連続的に抜き出す脱型機構とから構成したことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に本発明に係る棒状体の製造方法およびその装置について、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。製造装置に係る発明の実施形態としては、請求項1および請求項9に夫々記載した製造方法および装置、すなわち図1(a)に示す如く、その中心部にシャフト19を挿通し得る通孔21を有する熱硬化性樹脂の発泡体からなる棒状体18の製造装置と、請求項2および請求項10に夫々記載した製造装置および装置、すなわち図1(b)に示す如く、前記シャフト19を有しない熱硬化性樹脂の発泡体からなる棒状体18の製造装置とに大別されるので、以下の説明も夫々の製造装置に対応した実施例を挙げて行なうことにする。そして前記製造装置により製造される棒状体18は、硬化した熱硬化性樹脂の発泡体からなるが、該発泡体は後述の如く、メカニカルフロス法による発泡体であっても、また化学的発泡法による発泡体であってもよく、主として事務用機器等の各種シャフト有り無しのロールとして使用されるが、用途はこれに限定されるものではない。更に棒状体の横断面は、一般に円形とされるが、前記チューブの内部輪郭断面形状によって、楕円形や多角形にもなし得るものである。なお、本発明において熱硬化性樹脂から製造される製品は、その断面形状に関わらず、一定の断面形状を有する部材となるため棒状体18と称することとする。そして本実施例においては、前記棒状体18の断面形状が円形状となるよう設定されている。また、図1(a)における切込18b(後述[0045])は、後述([0052])する処理により接着等されることでロール等としての使用された際に悪影響が出ないようにされている。
【0014】
(棒状体の製造装置の全体構成について)
実施例に係る棒状体の製造装置10は、図2に示す如く、得るべき棒状体18の外部輪郭(断面)形状と合致する内部輪郭(断面)形状を備え、略長円状に保持した状態で周回されるチューブ20と、該チューブ20を巻き掛けると共に、略長円状に保持した状態で周回させるチューブ周回機構26と、該チューブ20の周回運動に連動して、略長円状に保持した状態で周回され、前記通孔21を形成するダミーシャフト30と、該ダミーシャフト30を巻き掛けると共に、略長円状に保持した状態で周回させるダミーシャフト周回機構36と、該チューブ20に形成されている外周切込22を介してその内部空間20aに該熱硬化性樹脂14および該ダミーシャフト30を供給する供給機構40と、該供給機構40の下流側に配設された加熱機構50と、該加熱機構50の下流側に配設された脱型機構60と、該脱型機構60の下流側に配設されたダミーシャフト取出機構70とから基本的に構成されている。また図2における製造装置10には、前記ダミーシャフト取出機構70から連続的に出てくる長尺状態の棒状体18を所定の長さに切断する切断機構82と、該棒状体18の略中心部に前記ダミーシャフト30の存在により形成されている通孔21に対して、該棒状体18の回転軸となるシャフト19を挿通して一体化させるシャフト供給機構84とからなる付属機構80が備えられている。
【0015】
(チューブについて)
前記チューブ20は、前述の如く、得るべき棒状体18の外部輪郭(断面)形状に合致する内部輪郭(断面)形状の内部空間20aを有しており、前記流動状態にある熱硬化性樹脂14を移送しつつ該棒状体18とする主要部となる部分である。そして後述([0018])するチューブ周回機構26により巻き掛けられ略長円状に保持した状態で周回され、その周回経路上の所要位置において前記熱硬化性樹脂14が充填供給され、更に加熱されて、そして該熱可塑性樹脂14を硬化して得られた棒状体18が脱形されるように構成されている。なお、本実施例における前記チューブ20の断面形状は、円形状の棒状体18を製造するべく、所謂円筒状となっている。
【0016】
そして前記チューブ20は、前述した如く、チューブ周回機構26により略長円状に保持された状態で周回されているが、この周回における半径方向外側を指向する部位に、常には閉成状態に維持される外周切込22が該チューブ20の全周に亘って形成されている。この外周切込22は、前記熱硬化性樹脂14およびダミーシャフト30の内部空間20aへの供給と、製造された棒状体18および該ダミーシャフト30の該内部空間20aからの取り出しとに使用される開口部分としての役割を担う。なお本実施例の場合、前記チューブ20は、その回転軸たる回転支持体28が水平となるよう、すなわち水平面に直交するよう垂直面に沿って周回されるよう構成されている。なお、略長円状に周回される前記チューブ20において、上側に位置する直線的な部分を上直線部A、下側に位置する直線的な部分を下直線部Bと夫々呼称することとする。
【0017】
また前記チューブ20の材質としては、前記外周切込22が開口可能であると共に、図3に示す如く、該外周切込22が常には閉成した状態となる良好な可撓性および厚さを備え、後述([0032])する加熱機構50による前記熱硬化性樹脂14に対する加熱に耐え得る耐熱性を有する、例えばEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン・ターポリマー)ゴムの如きゴム弾性を発現する物質の採用が好適である。また前記外周切込22については、通常は単にその切込方向が前記チューブ20の断面における中心に向かうように形成されているが(図3(a)参照)、より好ましくは前記内部空間20aに充填供給された熱硬化性樹脂14の漏出を効果的に防止し得るように、例えば閉成時にその開口端が部分的に重なり合うように構成することが望ましい(図3(b)参照)。
【0018】
(チューブ周回機構について)
前記チューブ周回機構26は、基本的に巻き掛けられている前記チューブ20を略長円形状に保持する保持部材としての役割と、該チューブ20に周回力を与える周回力伝達部材としての役割を併せ持つ少なくとも2つの回転支持体28,28、該回転支持体28,28を所定位置に回転自在に支持する基部29,29および該回転支持体28,28に駆動力を付勢する図示しない駆動源から構成される。前記回転支持体28は、製造に供される前記チューブ20の断面形状に略合致して、かつ該チューブ20をスムーズに周回させると共に、該チューブ20内に供給される前記熱可塑性樹脂14および該熱可塑性樹脂14から製造される棒状体18に対して不必要な押圧力を与えない形状(本実施例においては、図4に示す如く、その外周面が回転軸に向かって凹んでいる略鼓型)に設定されている。またその凹んだ外周面について、巻き掛けられている前記チューブ20への確実な駆動力の伝達を行ない得るため、該チューブ20と接触している外周面に微細な凸凹形状を施したり、摩擦係数の高い、例えばシリコーン樹脂のコーティング処理を施してもよい。
【0019】
また前記回転支持体28,28の離間距離は、前記チューブ20が保持される略長円形状における長径によって決定されているが、該チューブ20の変更、経時変化による伸び等を考慮し、前記基部29,29の固定位置を移動させることで任意に変更・設定可能なように構成されている。この離間距離の調整により、前記チューブ20の略長円状の度合いも容易に調整し得る。そして本発明においては前記チューブ20が略長円状となった際に、該長円における上側に位置する直線部分、すなわち上直線部Aが充分な長さと直進性とを併有する必要がある。この充分な長さおよび直進性は、後述([0031])する加熱機構50で必要とされる充分な加熱時間の確保と、該機構50の直線的な構造とから要求される。また本実施例の如く、前記棒状体18の内部にシャフト19を挿通させる通孔21を形成するダミーシャフト30を使用する場合には、前記内部空間20aにおける該ダミーシャフト30の位置決め精度は、前述の直進性に大きく影響を受ける。
【0020】
なお、前記チューブ20における上直線部Aおよび該部分に配置される加熱機構50の双方に同一の曲率を与えれば、該曲率を有する棒状体18の連続製造も可能となる。また、本製造装置10が設置される場所等に合わせて、前記回転支持体28の配置数を3つ以上としてもよい。また前記チューブ20の周回経路を略長円状ではなく、複数の前記回転支持体28を配置して任意の屈曲部分を形成し、略L字形状等の複雑な形状に設定するようにしてもよい。このような任意の形状設定により、例えば後述([0027])する供給機構40を2階部分に、同じく後述([0040])する脱型機構60を1階部分に夫々設置して、前記製造装置10の設置許容度を向上させ得る。
【0021】
(ダミーシャフトについて)
前記ダミーシャフト30は、シャフト19を回転軸として有する棒状体18を製造する際に、成形後の該棒状体18に該シャフト19の挿入を許容し得る通孔21(図1参照)を形成する部材である。そして、後述([0027])する供給機構40によって前記内部空間20a内の所定位置に位置決めしつつエンドレスに供給し得ると共に、少なくとも前記上直線部Aにおいて該内部空間20a内における位置を保持し得るように前記チューブ20の形状に合わせて略長円形状に保持・周回され、後述([0045])するダミーシャフト取出機構70により、製造された棒状体18内部よりエンドレスに取り出されるようになっている。このダミーシャフト30は、前記チューブ20に連動した作動を行なうため、該チューブ20および該ダミーシャフト30における周回速度と、前記上直線部Aに相当する周回経路とについては基本的に一致させられている。なお本実施例において、前記内部空間20a内のダミーシャフト30が供給される位置は、前記チューブ20の内部空間20aにおける略中心部(棒状体18とされた際のシャフト19の挿入位置)に沿って存在するように設定されている。
【0022】
また前記ダミーシャフト30は、後述([0025])する2つの回転軸38,38に巻き掛けられる形状(本実施例においては略長円形状)に変形し得る可撓性を有する素材に加工等を施して、完成品である棒状体18に挿通される前記シャフト19と基本的に同一の外径を有する断面円形状となるよう構成されている。このダミーシャフト30の材質としては、一定以上の引張強度および可撓性を有する素材で有れば如何なるものでも採用可能であり、例えばアラミド繊維を芯材として、その周囲をABSの如き樹脂で囲繞したものが好適であり、この他鉄系金属等も採用可能である。なお本実施例では、前記ダミーシャフト30の断面形状が円形状となっているものを使用しているが、この断面形状については、最終的に製造される棒状体18に使用されるシャフト19に合致した形状とすればよく、殊に限定されるものではない。
【0023】
この他、前記ダミーシャフト30については、後述([0033])する好適な棒状体18を製造するための誘導加熱を実施し得るよう、少なくともその表面に磁性を有する素材を用いることが好ましい。前述の磁性がない場合、前記棒状体18の加熱は、通常の輻射加熱または誘電加熱によってなされるため殊に問題は生じないが、前記誘導加熱の導入により、前記棒状体18の好適な製造を目的として実施されるダミーシャフト30の予熱を不要となし得る利点がある。このため、前記熱硬化性樹脂14の均質な加熱、すなわちセル径等の物性が均質となっている良好な棒状体18の好適な製造が容易になる。なお本実施例において前記ダミーシャフト30は、最終的には前記棒状体18内部からの容易な取り出しを目的として、該ダミーシャフト30の外周面に離形処理が施されている。
【0024】
(ダミーシャフト周回機構について)
前記ダミーシャフト周回機構36は、前記チューブ20に対するチューブ周回機構26と同様の働き、すなわち巻き掛けられた前記ダミーシャフト30を略長円形状に保持した状態で周回させるための機構である。このダミーシャフト周回機構36は、基本的に巻き掛けられている前記ダミーシャフト30を略長円形状に保持する保持部材としての役割と、該ダミーシャフト30に周回力を与える周回力伝達部材としての役割を併せ持つ少なくとも2つの回転軸38,38、該回転軸38,38を所定位置に回転自在に支持する基部39,39および該回転軸38,38に駆動力を付勢する図示しない駆動源から構成されている。なお前記駆動源としては、前記チューブ周回機構26と同一の駆動源を利用することも可能である。
【0025】
前記回転軸38は、前記ダミーシャフト30の断面形状に略合致して、該ダミーシャフト30の周回運動をスムーズに実行すると共に、その周回力を効率よく伝達すべく、前記回転支持体28と同様にその外周面がその中心に向かって凹んでいる略鼓型とされている。また前記外周面については、巻き掛けられている前記ダミーシャフト30への確実な駆動力の伝達を行ない得るため、微細な凸凹形状を施したり、摩擦係数の高い、例えばシリコーン樹脂のコーティング処理を施してもよい。
【0026】
このように構成される前記チューブ20およびダミーシャフト30は、基本的に連動して作動している。ここでいう連動とは、垂直面に沿って周回する前記チューブ20において上側で直線的に移動している前記上直線部Aと、同じく垂直面に沿って周回する前記ダミーシャフト30において下側で直線的に移動している部分との移動(周回)速度(向きおよび速さ)が一致している状態を指している。そしてこの部分には前記加熱機構50が配設されており、前記チューブ20内に充填され、その外部輪郭形状を該チューブ20の内部輪郭形状に規制された熱硬化性樹脂14と、ダミーシャフト30とが共に加熱されるようになっている。また前記ダミーシャフト30は、前述の如く、前記チューブ20の内部空間20aにおける略中心部(棒状体18とされた際のシャフト19の挿入位置)に沿って存在するように、前記ダミーシャフト周回機構36によって位置決めされるよう構成されている(図2参照)。
【0027】
(供給機構について)
前記供給機構40は、図5に示す如く、前記チューブ20における上直線部Aにに配設される前記加熱機構50の上流側で、該チューブ20の外周切込22を該チューブ20の周回力を利用して開口部材42によって強制開口させると共に、該外周切込22を介して前記内部空間20aにダミーシャフト30を位置決め供給すると共に、流動状態の熱可塑性樹脂14を充填供給する機構である。この供給機構40は、基本的に前記上直線部Aの上流に配置されて、前記外周切込22を強制開口させる前記開口部材42と、該開口部材42の直下流側にあり外部に対して開口された内部空間20a内に前記ダミーシャフト30を位置決めしつつ供給するダミーシャフト供給部44と、該ダミーシャフト供給部44の下流側に配置されて前記流動状態にある熱可塑性樹脂14を供給する供給管46とから基本的に構成される。そして前記チューブ20は、前記ダミーシャフト30および熱可塑性樹脂14が供給された後に、その可撓性によって自然に閉成状態に移行する。なお、本実施例における上流側とは、前記上直線部Aにおいて前記チューブ20が順次移動(周回)してくる元の側を指し(図2において右側)、下流側とは該チューブ20が時間の経過と共に移動(周回)していく側(図2において左側)を指す。
【0028】
前記開口部材42は、所謂くさび形状を有する部材である。そしてその先端部42aが、前記上直線部Aにおけるチューブ20が到来する上流側を指向するように、前記外周切込22を介して内部空間20aに挿入されている。従って、前記先端部42aに至った外周切込22は、周回する前記チューブ20により開口部材42の形状に伴って徐々に開口した状態とされる。
【0029】
前記ダミーシャフト供給部44は、前記開口部材42の先端部42aの直下流側に位置し、前記内部空間20aにおけるダミーシャフト30が配置されるべき所定位置(本実施例においては、該内部空間20aの略中心部)に該ダミーシャフト30を案内して位置決めする案内部材としての役割を果たすものである。そして前記回転軸38,38に保持・周回されている前記ダミーシャフト30を強制的に所定の位置に案内するよう、該ダミーシャフト30の外径と略同等の内径を有すると共に、該回転軸38,38による保持・周回の状態に大きな影響を与えないように大きな曲率を持つよう構成された屈曲パイプ構造を有している。なお、前記ダミーシャフト供給部44を構成するパイプ部材の内径側は、周回運動をする前記ダミーシャフト30との摺動抵抗を低減するように、低摩擦加工を施すようにしてもよい。また本実施例においては、得るべき棒状体18の断面形状が円形状となり、その軸心位置となる略中心部にシャフト19を挿通させる通孔21を得るように前記ダミーシャフト30が位置決めされていたが、殊にこの形態に限定されるものではなく、例えば該棒状体18の断面形状を三角形状とすると共に、該シャフト19をその一頂点近傍に挿通し得るよう該ダミーシャフト30を位置決めすることも可能である。
【0030】
前記供給管46は、その一方が前記流動状態の熱硬化性樹脂14を供給する図示しない供給源に接続され、他方が前記開口した内部空間20a内に臨む供給孔46aとなっている。そして前記供給孔46aは、前記ダミーシャフト供給部44と干渉せず、かつ該供給部44にできるだけ近接した位置に配置されている。そして前記内部空間20aの断面積と、前記チューブ20の移動(周回)速度とから算出される単位時間当りの体積に略一致するよう設定された前記流動状態の熱硬化性樹脂14を制御下に供給するようになっている。本実施例のような供給管46の位置において、前記流動化された熱硬化性樹脂14を充填供給する場合、前記上直線部Aでは前記チューブ20における外周切込22は常に上側を指向して開口することとなっているため、該熱可塑性樹脂14の外部への漏出の畏れは小さい。
【0031】
この供給機構40において、前記ダミーシャフト供給部44および供給管46における供給孔46aの配置位置は、夫々の役割を好適になし得る条件下において前記開口部材42からできるだけ離間しない位置に設定することが望ましい。これは可撓性により常には閉成状態を保持しようとする前記外周切込22が、前記開口部材42の配置位置から下流側に離れるに従って閉じた状態になり、前記ダミーシャフト30および流動状態にある熱硬化性樹脂14の好適な供給が困難となるためである。また前記外周切込22の閉じた状態を維持する閉成力は、供給後の前記熱硬化性樹脂14の内部空間20aへの保持の観点からより強いことが望まれる。この点からも、前記ダミーシャフト供給部44および供給管46における供給孔46aの配置位置は、前記開口部材42に近い方が好ましい。なお、本実施例においては、上流側から前記ダミーシャフト供給部44、供給管46の順で配置しているが、殊にこの順序に限定されるものではない。逆となる前記供給管46、ダミーシャフト供給部44の順序で配置する場合には、前記内部空間20a内に既に充填供給された前記熱硬化性樹脂14内にダミーシャフト30を位置決め供給することになるため、供給する該熱硬化性樹脂14の量を制御する必要がある。
【0032】
(加熱機構について)
前記加熱機構50は、上直線部A上における前記供給機構40の下流側に配置され、前記内部空間20aで流動状態にある熱硬化性樹脂14を加熱硬化させて棒状体18とする装置である。前記加熱機構50は、前記チューブ20内に保持されて下流側に移送される流動状態の熱硬化性樹脂14を加熱硬化させるものであるから、そのような目的に適うものであれば、加熱原理としては、例えば誘導加熱、誘電加熱、輻射加熱等の各種提案がなされる。すなわち図6は、一例として、誘導加熱装置51から53と誘電加熱装置54とをその順序で直列に配設した状態を示す概略断面図であって、個々の装置の詳細は以下に説明される通りである。なお、これら各種の加熱原理による装置は、所要に応じて単独使用としても、複数基の使用としても、また配列順序を逆にするようにしてもよい。
【0033】
(誘導加熱装置について)
図6において符号51は、誘導加熱の原理により流動状態にある熱硬化性樹脂14を加熱硬化させる第1の誘導加熱装置を示している。この第1の誘導加熱装置51は、前記チューブ20(熱硬化性樹脂14が充填されている)を通過させる塩化ビニル等の非磁性体を材質とするパイプ51aと、このパイプ51aの外周に巻回した誘導コイル51bとから構成されている。前記誘導コイル51bは、図示しない高周波電流供給源に接続してある。そして前記非磁性体を材質とするパイプ51a中を、前記磁性材質のダミーシャフト30を熱硬化性樹脂14と共に送給する過程で、前記誘導コイル51bに通電すると、該ダミーシャフト30に誘導電流が生起される。このため前記ダミーシャフト30が自己発熱して所定温度まで昇温され、該ダミーシャフト30を取り囲んでいる熱硬化性樹脂14が加熱されて、前記熱硬化性樹脂14の中心側から硬化が進行する。
【0034】
このように中心側から加熱されて硬化が進行し始めた前記熱硬化性樹脂14は、更に下流側の第2の誘導加熱装置52(後述[0035])に送られ、ここで硬化しつつある該熱硬化性樹脂14における外周側の硬化を進行させる。なお図6の実施例では、前記誘導加熱装置52の下流側にも、前記誘導加熱装置51と同様の構造をなし、塩化ビニル等の非磁性体を材質とするパイプ53aと、このパイプ53aの外周に巻回した誘導コイル53bとから構成される第3の誘導加熱装置53が配設されている。この下流側の誘導加熱装置53は、前記誘導加熱装置52を通過する間に棒状体18の中心付近の温度が降下することがあるので、該誘導加熱装置53を通過させることでダミーシャフト30の再加熱を行ない、これにより硬化しつつある熱硬化性樹脂14の全体に亘る均質な加熱を達成するものである。なお、下流側に前記誘導加熱装置53を設置することは必ずしも要件でなく、これは実際の稼働状況に応じて設ければ足りる。
【0035】
図6において符号52は、誘導加熱の原理により流動状態にある熱硬化性樹脂14を加熱硬化させる第2の誘導加熱装置を示している。この第2の誘導加熱装置52は、流動状態にある熱硬化性樹脂14が充填供給された筒状のチューブ20を内部通過させる、例えば鉄系金属のような磁性材質のパイプ52aと、該パイプ52aの外周に所要回数だけ巻回した誘導コイル52bとから構成される。前記誘導コイル52bは、図示しない高周波電流供給源に接続され、該誘導コイル52bに所要の高周波電流を流すことで、該コイル52bが巻回された前記磁性材質のパイプ52aに誘導電流が生起される。このため前記パイプ52aが自己発熱して所定温度まで昇温され、該パイプ52aの内側を通過するチューブ20が下流側へ給送される間に、該チューブ20中の熱硬化性樹脂14を加熱して硬化させるものである。すなわち前記チューブ20に充填された熱硬化性樹脂14は、誘導加熱されたパイプ52aの内部を通過するにつれて、該チューブ20により被覆された熱硬化性樹脂14の外側から中心軸(半径方向内方)へ向けて、次第にその硬化が進行することになる。
【0036】
(誘電加熱装置について)
図6において符号54は、前記誘導加熱装置51〜53を経て部分的に硬化された熱硬化性樹脂14を誘電加熱の原理により加熱硬化させる装置を示している。この誘電加熱装置54は、前記熱硬化性樹脂14が充填供給された前記チューブ20を通過させる、例えば塩化ビニル等の非金属を材質とするパイプ54aと、該パイプ54aの外周に所要数で配設した電極54bとから構成されている。この電極54bは、図示しないマグネトロン等の高周波供給源に接続され、該電極から例えば3,000MHzの極超短波(マイクロウェーブ)を発生させる。この極超短波は、非金属材質のパイプ54aを透過して、チューブ20内部の熱硬化性樹脂14に照射される。すなわち前記熱硬化性樹脂14は、前記パイプ54aの内側を通過するチューブ20と共に下流側へ給送される間に、所謂分子振動を生じて摩擦熱を発生することで硬化される。この誘電加熱装置54によれば、前記チューブ20に充填された熱硬化性樹脂14が前記パイプ54aの内部を通過する際に、該熱硬化性樹脂14に照射された極超短波が樹脂全体を均一に分子振動させて、次第にその硬化を進行させるものである。
【0037】
(養生装置について)
図6において符号56は、加熱硬化後の熱硬化性樹脂14を引続き熱エネルギーの損失の少ない環境を通過させて、その硬化を更に緩徐に進行させるための養生装置を示している。この養生装置56は、例えば塩化ビニル等を材質とするパイプ56aの外側に充分な断熱被覆56bを施した断熱領域を構成するものである。すなわち、上流側に設けた前記加熱装置51〜54を通過して硬化した直後の熱硬化性樹脂14に関して、該熱可塑性樹脂14からの急激な熱逃失を養生装置56により防止することで、該熱硬化性樹脂14が硬化した発泡体からなる棒状体18における気泡の分散状態を均一かつ安定化させることができる。図示例の養生装置56では、充分な断熱処理を施した構成としたが、このように厳密に施した断熱構造に加えて、所要の電熱ヒータ等の積極加熱手段を設けるようにしてもよい。
【0038】
また図6では、上流側から下流側に向けて3つの誘導加熱装置51〜53、誘電加熱装置54および養生装置56の順で配列したが、この配列関係は本発明を限定するものでないことは勿論である。例えば、養生装置56は必須の構成部材ではないし、また配設順序は誘電加熱装置54を上流側に設け、その下流側に誘導加熱装置52を設けるようにしてもよい。
【0039】
(輻射加熱装置について)
図6には示さないが、前記加熱装置としては、流動状態にある熱硬化性樹脂14が充填された前記チューブ20を通過させる耐熱性に富む非金属材質のパイプと、該パイプの外周に巻回した電熱ヒータとから構成し、該ヒータに通電して輻射加熱を行なうことで、前記熱硬化性樹脂14を硬化させて棒状体18とする輻射加熱装置を採用してもよい。
【0040】
(脱型機構について)
前記脱型機構60は、図7に示す如く、前記チューブ20における上直線部Aににおける前記加熱機構50の下流側に、前記ダミーシャフト30を略中心部に配置した状態で硬化された棒状体18を内部空間20aに存在させ、閉成状態となっているチューブ20の外周切込22を、該チューブ20の移動(周回)を利用して開口部材62によって強制開口させる共に、該切込22を介して該内部空間20aからダミーシャフト30を備える棒状体18を抜き出す機構である。そして前記脱型機構60は、本実施例においては基本的に前記上直線部Aにおける下流側終端部分近傍に配置されて、前記外周切込22を強制開口させる前記開口部材62と、該開口部材62の下流側でかつ前記上直線部Aの水平延長線上(後述([0045])するダミーシャフト取出機構70まで)に配置された第1移送部64とから構成される。
【0041】
前記開口部材62は、前記開口部材42と同様の構造、すなわちくさび形状を呈する部材である。そしてその先端部62aが、前記上直線部Aにおけるチューブ20が到来する方向上流側を指向するように、前記外周切込22を介して内部空間20aに挿入されている。従って、前記先端部62aに至った外周切込22は、周回する前記チューブ20により開口部材62の形状に伴って徐々に開口した状態とされる。そして前記第1移送部64は、前記開口部材62により強制開口された前記外周切込22から棒状体18を、周回する前記チューブ20の外に抜き出しつつ、かつ前記上直線部Aの水平延長線上への移送を補助する部材であり、該上直線部Aの高さに略一致させて該棒状体18を移送する複数のローラ64aから構成されている。
【0042】
また本実施例において、前述の上直線部Aにおける下流側終端部分近傍とは、下流側に位置している一方の回転支持体28に近接する周回経路近傍に当たるが、当該部位においては周回している前記チューブ20の進行方向が下向きに変位するため、前述の如く、該チューブ20と水平延長線上に移送されて脱形される棒状体18との進行方向に差違が生じることになる。そして、この差違によって前記棒状体18の脱型が容易になされるよう構成されている。
【0043】
前記脱型機構60における前記チューブ20および棒状体18の動きを以下に説明する。前記チューブ20は、前記脱型機構60が配設される側の回転支持体28近傍に至ると、該回転支持体28の回転に合わせてその進行(周回)方向が徐々に下向きに変位して、最終的には前記下直線部Bに至ってその進行方向が反転する。このとき強制開口された前記外周切込22により、前記チューブ20内部に保持されなくなった棒状体18は、前記ダミーシャフト30の動きに従って該チューブ20の周回経路から外れ、前記上直線部Aの延長線上に移送される。すなわち前記チューブ20と棒状体18とは、周回する該チューブ20によって分離されることになる。前記棒状体18は、本脱型機構60においては、基本的に前記回転軸38,38より付勢されるダミーシャフト30の移動(周回)運動によって移送されている。
【0044】
このとき前記外周切込22の開口は、前述の供給機構40と同様に開口部材62の存在する部分しか維持されず、その下流側においては徐々に閉成されることになる。しかし、前記チューブ20から抜き出される棒状体18の存在自体が、前記外周切込22の閉成も防止し得るため問題とはならない。そして脱型後の前記チューブ20は、前記下直線部Bを経て再び上直線部Aに至り、前記供給機構40により前記ダミーシャフト30および流動状態にある熱硬化性樹脂14を供給されることになる。この一連の動作は、前記チューブ20の移動(周回)運動に伴って、連続的に行なわれることは云うまでもない。
【0045】
(ダミーシャフト取出機構について)
前記ダミーシャフト取出機構70は、図8に示す如く、前記チューブ20からダミーシャフト30に伴って抜き出された前記棒状体18に切込18b(図1(a)参照)を形成し、該切込18bを介してダミーシャフト30を取り出す機構である。そしてこのダミーシャフト取出機構70は、前記脱型機構60の下流に配置されて、前記棒状体18の外周面18aから前記ダミーシャフト30に至る部分、すなわち該棒状体18の半径に相当する部分をカットして切込18bを形成するカッターの如き切開手段72と、該切開手段72の直下流側に配設され、該切込18bから前記ダミーシャフト30を取り出す案内部材となるダミーシャフト取出部74と、前記第1移送部64の水平延長線上に配置されて該ダミーシャフト30の取り出された棒状体18を順次移送する第2移送部76とから構成される。
【0046】
前記切開手段72は、上方から観察した際に、前記棒状体18が到来する上流側にその先端部72aが形成された鋭角の略三角形状を呈し、少なくとも前記外周面18aから該棒状体18の略中心部に存在するダミーシャフト30までをカットし、該棒状体18の略中心部から外部へ該ダミーシャフト30を取り出す経路となる前記切込18bを形成する部材である。この切開手段72における先端部72aに対抗する下流側辺72bは、その幅Dが少なくとも前記ダミーシャフト30の直径と略一致するように設定されている。前記棒状体18の断面形状はこの切開部材72のカットにより、図9に示す如く、円筒形状から、一本の線でその半径が切断され、その両端部が接触した状態とされる。
【0047】
前記ダミーシャフト取出部74は、前記切開手段72の直下流側に位置し、前記棒状体18の略中心部から前記切込18bに沿ってダミーシャフト30を外部に取り出しつつ、該ダミーシャフト30が良好な周回運動を継続し得るよう案内する案内部材としての役割を果たすものである。そして前記ダミーシャフト30の外径と略同等の内径を有すると共に、該回転軸38,38による巻き掛け状態の保持・周回の状態に大きな影響を与えないように大きな曲率を持つよう構成された屈曲パイプ構造を有している。なお、前記ダミーシャフト取出部74を構成するパイプ部材の内径側は、周回運動をする前記ダミーシャフト30との摺動抵抗を低減するように、低摩擦加工を施すようにしてもよい。
【0048】
そして前記第2移送部76は、前記切込18bからダミーシャフト30が取り出された後の棒状体18を移送を補助する部材であり、基本的に前記第1移送部64の高さに略一致させて該棒状体18を移送する複数のローラ76aから構成される。
【0049】
前記ダミーシャフト取出機構70における前記ダミーシャフト30および棒状体18の動きを以下に説明する。前記ダミーシャフト30は、前記ダミーシャフト取出機構70が配置される側の回転軸38近傍に至ると、該回転軸38の回転に合わせてその進行(周回)方向が徐々に上向きになり、最終的にはその進行(周回)方向が逆向きになる。従って、前記ダミーシャフト30は、このダミーシャフト取出機構70においてはその進行(周回)方向が上側に向けて徐々に変位することとなる。そして、この進行(周回)方向の変位地点に前記切込18bを形成されることで、前記ダミーシャフト30と棒状体18とは、該ダミーシャフト30の移動(周回)に伴って分離されることになる。この分離は、前記ダミーシャフト30の前記棒状体18の略中心部から外部への取り出しと、該棒状体18が該ダミーシャフト30の移動(周回)経路からの外れること、すなわちその内部に該ダミーシャフト30が存在せず、通孔21が形成された長尺の棒状体18が得られたことを意味する。分離した前記棒状体18は、前記第2移送部76により、前記上直線部Aの延長線上の更なる下流側への移送がなされる。またこの移送をなし得る駆動力は、前記回転軸38,38より付勢されるダミーシャフト30の移動(周回)運動によって前記棒状体18に供給されるものである。
【0050】
このとき前記切込18bが開くことで形成される開口部は、前記棒状体18が閉成状態を維持しようとする力により徐々に閉成されることになる。しかしその力は強いものではなく、また前記下流側辺72bおよびダミーシャフト取出部74の双方の存在と、前記ダミーシャフト30それ自体の存在とにより、前述の閉成が阻害され該ダミーシャフト30は容易に取り出しされる。そして分離後の前記ダミーシャフト30は周回して、再び前記供給機構40に至り、該供給機構40により前記チューブ20内の所定位置に位置決めされてエンドレスに供給されることになる。この一連の動作は、周回する前記ダミーシャフト30に伴って連続的に行なわれることは云うまでもない。
【0051】
(付属機構について)
図2には、前記ダミーシャフト取出機構70の下流側に得られた棒状体18の所定長さへの切断や、筒状の該棒状体18へのシャフト19の挿通を実施する付属機構80が配設されている。前記棒状体18の定尺切断を実施する切断装置82は、上下一対のカッタ82a,82aからなり、両カッタ82a,82aはオリジナルポジションとなる切断待機位置で相互に大きく離間待機しているが、該棒状体18が下流側へ給送されるのに同期して、相互に近接しつつ下流側へ所要距離だけ移動して切断し、次いで相互に離間した後、上流側へ所要距離だけ移動して切断待機位置に復帰する所謂ブロックモーションを行なうようになっている。
【0052】
前記棒状体18に形成されている通孔21に対して、所要のシャフト19を挿入するシャフト挿入装置84は、上流に配置される前記切断装置82で定尺切断加工がなされた該棒状体18を側方向から把持することで固定する把持装置84aと、把持されて固定状態にある前記棒状体18の通孔21に対して、中心軸線を整列させつつシャフト19を挿入する図示しないシャフト供給装置とからなる。そしてこのシャフト19の挿入に先立ち該シャフト19の外周面に対して、前記棒状体18と該シャフト19との接着を強固になし得るための接着剤が塗布されるようになっている。そして、所定寸法長での切断およびシャフト19の挿入がなされた前記棒状体18は、図示しない次の工程に移送されて事務用機器のロール等に仕上げられる。また本実施例においては、前記シャフト19の外周面に対する接着剤の塗布に際して、前記切込18bによる棒状体18の切断部分に対しても該接着剤が適量塗布されて、該切断部分が接着されるようになっている。なお、この切込18bの接着については、別の工程および装置を設けて実施するようにしてもよい。
【0053】
本実施例における製造装置10は、その中核をなす前記チューブ20、チューブ周回機構26、ダミーシャフト30およびダミーシャフト周回機構36等が連動して稼働し、また該棒状体18を製造する直接的部材である該チューブ20およびダミーシャフト30が周回、すなわちエンドレスに作動するため、前記流動性を有する熱硬化性樹脂14から所定の棒状体18を連続的に製造し得る。
【0054】
(棒状体の製造工程について)
次に、前述した各機構を経て棒状体18を製造する工程を概略的に説明する。図10は、実施例に係る製造方法の一連の流れを示す概略図であって、経時的にチューブの強制開口→ダミーシャフトおよび熱硬化性樹脂の供給→加熱→棒状体の抜き出し→ダミーシャフトの取り出し→棒状体の定尺切断に大別される。すなわち各工程は、上流側から下流側へ向けて、チューブの強制開口工程S1と、ダミーシャフトおよび流動化した熱硬化性樹脂の供給工程S2と、熱硬化性樹脂の熱硬化工程S3と、棒状体の抜き出し移送工程S4と、ダミーシャフトの取り出し移送工程S5と、棒状体の定尺切断等の処理工程S6とから構成されている。
【0055】
図10のチューブの強制開口工程S1では、定速周回状態にある前記チューブ20において、前記開口部材42によって外周切込22が強制開口され、流動状態の熱硬化性樹脂14等が内部空間20aに対して供給可能な状態とされる。次いでダミーシャフトおよび熱硬化性樹脂の供給工程S2では、開口状態とされた前記チューブ20の内部へダミーシャフト30が前記ダミーシャフト供給部44を介して位置決めされつつ供給されると共に、流動状態にある熱硬化性樹脂14が前記供給管46を介して充填供給される。前記供給管46から内部空間20aに供給された熱硬化性樹脂14は、該チューブ20の移動(周回)運動により順次軸方向へ充満されていく。
【0056】
前記チューブ20に充填供給された熱硬化性樹脂14は、未だ流動状態を保持しているので、これを硬化させるために次の熱硬化工程S3へ送られる。すなわち加熱機構50には、前述した誘導加熱原理、誘電加熱原理および輻射加熱原理等を適宜選択的または併合的に採用した加熱装置51〜54や、必要に応じて養生装置56が配設され、流動状態にあった熱硬化性樹脂14を熱硬化させることで、得るべき棒状体18を製造する。前記棒状体の抜き出し移送工程S4では、前記内部空間20aに硬化成形された棒状体18を抜き出すよう構成された脱型機構60によって、ダミーシャフト30を伴う該棒状体18を抜き出しつつ下流側へ連続的に移送されることになる。なお本実施例において前記棒状体18の抜き出しには、前記チューブ20の周回運動が、また抜き出し後の該棒状体18の移送には、前記ダミーシャフト30の移動(周回)運動が夫々利用されて効率的になされるようになっている。前記ダミーシャフトの取り出し移送工程S5では、前記ダミーシャフト30によって下流側に移送されている前記棒状体18から、該ダミーシャフト30を取り出すべく切込18bを形成し、連続的に移動(周回)運動している該ダミーシャフト30を該切込18bを介して該棒状体18から取り出される。
【0057】
前記ダミーシャフトの取り出し移送工程S5を経た棒状体18は、必要に応じて定尺切断等を実施する処理工程S6に送られ、前記切断装置82に設けたカッタ82aにより所要長に順次切断される。所要長に切断された棒状体18は、必要に応じてシャフト挿入工程(前記切込18bの接着を含む)を経て、更に仕上げ工程に送られ、必要に応じて外周面に形成されるスキン層の研削加工等がなされて事務用機器ロールとして仕上げられる。なお、前記処理工程S6は必ずしも要件でなく、そのまま別工程へ送り出したり、一般のユーザーへ長尺物として出荷し、該ユーザーにおいてそれらの処理を必要に応じて実施するようにしてもよい。
【0058】
本実施例では、所謂メカニカルフロス法により機械的に発泡させた熱硬化性樹脂14を使用して、微細かつ気泡径が長手方向に均一に揃った気泡(セル)を有し、その物性が均質化した発泡体の棒状体18を製造する例を挙げ、かつ断面が円形状で事務用機器ロールとして最適な棒状体18を想定したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば断面が楕円形であったり、筐体内部のシール部材として好適な多角形であったりする発泡体の棒状体18を製造することもできる。また、棒状体18は、定尺寸法物であっても、任意寸法長のものであってもよい。
【0059】
【別の実施例】
前述の実施例においては、シャフト19を備える棒状体18を製造する装置およびその方法について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図11に示す製造装置90を使用して、該シャフト19を有しない棒状体92を連続的に製造することも可能である。この製造方法およびその装置90においては、前記ダミーシャフト30の関わる全ての工程並びに機構および装置が除去されているだけで、その他の構造および工程については基本的に全く同一である。
【0060】
そして前記製造装置90においては、前記棒状体18内にダミーシャフト30が存在しないため、脱型機構60において該棒状体18をチューブ20から抜き出す駆動力としては、該チューブ20の移動(周回)運動による力だけであり、該駆動力が充分でない場合が考えられる。この事態に好適に対応するため、図12に示す如く、前記脱型機構60の開口部材62の下流側に配置される第1移送部64に、前記棒状体18を移送する複数のローラ64aの他に、強制的に該棒状体18を移送させ得る一対のサンドイッチ式のベルトコンベア66,66を配置してもよい。前記ベルトコンベア66,66は、前記棒状体18における給送軌跡を挟むことで該棒状体18を狭持して強制移送させるものであり、所要間隔だけ長手方向に離間させたプーリ66a,66aに巻き掛けられている。対向し合う両ベルトコンベヤ66,66の間隙寸法は、給送すべき棒状体18の断面寸法より僅かに小さい程度に設定され、各ベルトコンベヤ66における少なくとも1つのプーリ66aを回転駆動することで、該棒状体18を両側から押圧した状態下に下流側へ強制的に引張り移送し得るものである。
【0061】
【発明の効果】
以上に説明した如く、本発明に係る棒状体の製造方法およびその装置によれば、以下の有益な効果が奏されるものである。
(1) 流動状態にあった熱硬化性樹脂を加熱硬化させて、全体として気泡径が均一であり、均質な物性が達成された発泡体としての棒状体を、連続的に効率良く製造することができる。
(2) シャフトを有しない棒状体の製造も、シャフトを中心長手方向に挿通する棒状体も、僅かな機構の変更によって低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係る棒状体の製造方法およびその装置により製造されたシャフト有り棒状体(図1(a))と、シャフト無し棒状体(図1(b))を概略的に示す斜視図である。
【図2】実施例に係る棒状体の製造装置の全体的な構成を示す概略図であって、棒状体を所要長に切断する切断装置と、シャフトを挿通させるシャフト供給装置とからなる付属機構が付加されている。
【図3】実施例に係るシャフトの断面における外周切込(図3(a))と、該外周切込が部分的に重なるよう構成されたチューブの断面(図3(b))とを示す概略図である。
【図4】実施例に係るチューブおよび回転支持体の巻き掛けの関係を示す概略斜視図である。
【図5】実施例に係る供給機構を示す概略斜視図である。
【図6】実施例に係る加熱機構を示す概略断面図である。
【図7】実施例に係る脱型機構を示す概略斜視図である。
【図8】実施例に係るダミーシャフト取出機構を示す概略斜視図である。
【図9】図8のダミーシャフト取出機構により形成される切込の形成前後を比較して示す概略断面図である。
【図10】実施例に係る棒状体を製造する工程を示す工程図である。
【図11】別の実施例に係る棒状体の製造装置の全体的な構成を示す概略図であって、棒状体を所要長に切断する切断装置が付加されている。
【図12】別の実施例に係る脱型機構に付加されるベルトコンベアを示す概略斜視図である。
【図13】従来技術に係る樹脂ロールの製造において、流動性樹脂原料の発泡に使用するロール成形金型を示す平面図である。
【図14】図13に示すロール成形金型に樹脂ロールが成形された際の内部状態を示す断面図である。
【図15】従来技術に係る樹脂ロールの製造において、ロール成形金型による樹脂ロール製造装置および工程を概略的に示す構成図である。
【図16】図13に示すロール成形金型に流動性樹脂原料を注入した際の、該原料の状態を示す状態図である。
【符号の説明】
10 製造装置
14 熱硬化性樹脂
18 棒状体
18a 外周面
18b 切込
20 チューブ
20a 内部空間
22 外周切込
26 チューブ周回機構
28 回転支持体
30 ダミーシャフト
36 ダミーシャフト周回機構
38 回転軸
40 供給機構
50 加熱機構
51 誘導加熱装置(第1の誘導加熱装置)
51a 非金属材質のパイプ
51b 誘導コイル
52 誘導加熱装置(第2の誘導加熱装置)
52a 磁性材質のパイプ
52b 誘導コイル
53 誘導加熱装置(第3の誘導加熱装置)
53a非金属材質のパイプ
53b 誘導コイル
54 誘電加熱装置
54a 非金属材質のパイプ
54b 電極
60 脱型機構
66 ベルトコンベヤ
70 ダミーシャフト取出機構
82 切断装置
90 製造装置
S1 外周切込を強制開口させる工程
S2 充填供給する工程
S3 棒状体となす工程
S4 棒状体を抜き出す工程
S5 ダミーシャフトを取り出す工程

Claims (18)

  1. 得るべき棒状体(18)の外部輪郭形状に合致する内部輪郭形状を有し、少なくとも2つの回転支持体(28,28)に巻き掛けた状態で周回される可撓性のチューブ(20)の全周に亘って設けられ、常には閉成状態にある外周切込(22)を強制開口させる工程(S1)と、
    周回する前記チューブ(20)に連動すると共に、少なくとも2つの回転軸(38,38)に巻き掛けた状態で周回されるダミーシャフト(30)を、該チューブ(20)の内部輪郭断面における所要位置に位置決め供給すると共に、流動状態にある熱硬化性樹脂(14)を、開口状態となったチューブ(20)の内部空間(20a)に充填供給する工程(S2)と、
    前記内部空間(20a)に供給されて流動状態にある前記熱硬化性樹脂(14)と、前記ダミーシャフト(30)とを加熱機構(50)に通過させることで、該熱硬化性樹脂(14)を硬化させて棒状体(18)となす工程(S3)と、
    前記外周切込(22)を強制開口させることで、成形された前記棒状体(18)を前記内部空間(20a)から連続的に抜き出す工程(S4)と、
    前記棒状体(18)の外周面(18a)から前記ダミーシャフト(30)に到達する切込(18b)を形成し、該棒状体(18)内部より該ダミーシャフト(30)が連続的に取り出される工程(S5)とからなり、
    前記チューブ(20)およびダミーシャフト(30)が連動しつつ、周回することによって前記棒状体(18)が連続的に製造される
    ことを特徴とする棒状体の製造方法。
  2. 得るべき棒状体(18)の外部輪郭形状に合致する内部輪郭形状と、周回方向の全周に亘って設けられた外周切込(22)を常には閉成するよう自己形状保持可能な可撓性とを有する単一のチューブ(20)を、少なくとも2つの回転支持体(28,28)に巻き掛けた状態で周回させ、常には閉成状態にある外周切込(22)を強制開口させる工程(S1)と、
    流動状態にある熱硬化性樹脂(14)を、開口状態となったチューブ(20)の内部空間(20a)に充填供給する工程(S2)と、
    前記チューブ(20)のみで保持されて前記内部空間(20a)流動状態にある前記熱硬化性樹脂(14)を加熱機構(50)に通過させることで、該熱硬化性樹脂(14)を硬化させて棒状体(18)となす工程(S3)と、
    前記外周切込(22)を強制開口させることで、成形された前記棒状体(18)を前記内部空間(20a)から連続的に抜き出す工程(S4)とからなり、
    前記チューブ(20)が周回することによって前記棒状体(18)が連続的に製造される
    ことを特徴とする棒状体の製造方法。
  3. 前記チューブ(20)の内部に供給された熱硬化性樹脂(14)は、誘導加熱原理による加熱機構(50)を通過して硬化がなされる請求項1または2記載の棒状体の製造方法。
  4. 前記チューブ(20)の内部に供給された熱硬化性樹脂(14)は、誘電加熱原理による加熱機構(50)を通過して硬化がなされる請求項1または2記載の棒状体の製造方法。
  5. 前記チューブ(20)の内部に供給された熱硬化性樹脂(14)は、輻射加熱原理による加熱機構(50)を通過して硬化がなされる請求項1または2記載の棒状体の製造方法。
  6. 前記ダミーシャフト(30)は鉄系金属の如き磁性体を材質とし、前記誘導加熱原理による加熱機構(50)を通過させて該ダミーシャフト(30)を誘導加熱させることで、前記チューブ(20)の内部に供給された熱硬化性樹脂(14)を中心側から硬化させるようになっている請求項1記載の棒状体の製造方法。
  7. 前記流動状態の熱硬化性樹脂(14)は機械的に発泡させた発泡体であって、該熱硬化性樹脂(14)を硬化させて得られた棒状体(18)は連通気泡構造となっている請求項1または2記載の棒状体の製造方法。
  8. 得るべき棒状体(18)の外部輪郭形状に合致する内部輪郭形状を有し、常には閉成状態にある外周切込(22)を全周に亘って設けた可撓性のチューブ(20)と、
    前記チューブ(20)を巻き掛けた状態で周回させる少なくとも2つの回転支持体(28,28)からなるチューブ周回機構(26)と、
    周回する前記チューブ(20)に連動して、周回されるダミーシャフト(30)と、
    前記ダミーシャフト(30)を巻き掛けた状態で周回させる少なくとも2つの回転軸(38,38)からなるダミーシャフト周回機構(36)と、
    前記外周切込(22)を強制開口して流動状態にある熱硬化性樹脂(14)を前記チューブ(20)の内部空間(20a)に充填供給すると共に、前記ダミーシャフト(30)を該チューブ(20)の周回運動に連動して該内部空間(20a)の所要位置に位置決め供給する供給機構(40)と、
    前記供給機構(40)の下流側に配置され、前記内部空間(20a)で流動状態にある前記熱硬化性樹脂(14)を加熱硬化させて棒状体(18)となす加熱機構(50)と、
    前記加熱機構(50)の下流側に配設され、前記外周切込(22)を強制開口して前記内部空間(20a)に成形された棒状体(18)を連続的に抜き出す脱型機構(60)と、
    前記脱型機構(60)の下流側に配設され、前記棒状体(18)の外周面(18a)から該ダミーシャフト(30)に到達する切込(18b)を形成し、前記棒状体(18)内部から該切込(18b)を介して該ダミーシャフト(30)を連続的に取り出すダミーシャフト取出機構(70)とから構成した
    ことを特徴とする棒状体の製造装置。
  9. 得るべき棒状体(18)の外部輪郭形状に合致する内部輪郭形状と、周回方向の全周に亘って設けられた外周切込(22)を常には閉成するよう自己形状保持可能な可撓性とを有する単一のチューブ(20)と、
    前記チューブ(20)を巻き掛けた状態で周回させる少なくとも2つの回転支持体(28,28)からなるチューブ周回機構(26)と、
    前記外周切込(22)を強制開口して流動状態にある熱硬化性樹脂(14)を前記チューブ(20)の内部空間(20a)に充填供給する供給機構(40)と、
    前記供給機構(40)の下流側に配置され、前記チューブ(20)のみで保持されて前記内部空間(20a)で流動状態にある前記熱硬化性樹脂(14)を加熱硬化させて棒状体(18)となす加熱機構(50)と、
    前記加熱機構(50)の下流側に配設され、前記外周切込(22)を強制開口して前記内部空間(20a)に成形された棒状体(18)を連続的に抜き出す脱型機構(60)とから構成した
    ことを特徴とする棒状体の製造装置。
  10. 前記脱型機構(60)は、前記外周切込(22)を介して前記チューブ(20)の内部空間(20a)に挿入され、該外周切込(22)を強制開口する開口部材(62)を備えている請求項8または9記載の棒状体の製造装置。
  11. 前記チューブ(20)は、その断面形状が略円形状に設定されている請求項8または9記載の棒状体の製造装置。
  12. 前記チューブ(20)は、所定のゴム弾性を有する物質から作製されている請求項8または9記載の棒状体の製造装置。
  13. 前記外周切込(22)は、前記チューブ(20)の周回経路の外周側を指向するよう構成される請求項8または9記載の棒状体の製造装置。
  14. 前記加熱機構(50)は、流動状態にある熱硬化性樹脂(14)が内部に充填された前記チューブ(20)を通過させる磁性材質のパイプ(52a)と、該パイプ(52a)の外周に巻回した誘導コイル(52b)とからなり、該誘導コイル(52b)に電流を流して磁性材質のパイプ(52a)を誘導加熱させることで、前記熱硬化性樹脂(14)を硬化させる誘導加熱装置(52)を有する請求項8または9記載の棒状体の製造装置。
  15. 前記加熱機構(50)は、流動状態にある熱硬化性樹脂(14)が内部に充填された前記チューブ(20)を通過させる非金属材質のパイプ(54a)と、該パイプ(54a)の外周に配設した電極(54b)とからなり、該電極(54b)に高周波電流を流して誘電加熱を行なうことで、前記熱硬化性樹脂(14)を硬化させる誘電加熱装置(54)を有する請求項8または9記載の棒状体の製造装置。
  16. 前記加熱機構(50)は、流動状態にある熱硬化性樹脂(14)が内部に充填された前記チューブ(20)を通過させる非金属材質のパイプと、該パイプの外周に巻回したヒータの如き加熱手段とからなり、該加熱手段に通電して輻射加熱を行なうことで、前記熱硬化性樹脂(14)を硬化させる加熱装置を有する請求項8または9記載の棒状体の製造装置。
  17. 前記加熱機構(50)は、流動状態にある熱硬化性樹脂(14)が内部に充填された前記チューブ(20)を通過させる非金属材質のパイプ(51a)と、該パイプ(51a)の外周に巻回した誘導コイル(51b)とからなり、該誘導コイル(51b)に電流を流して、前記流動状態にある熱硬化性樹脂(14)の中心に保持された磁性材質のダミーシャフト(30)を誘導加熱させることで、該ダミーシャフト(30)近傍の前記熱硬化性樹脂(14)を硬化させる誘導加熱装置(51)を有する請求項8記載の棒状体の製造装置。
  18. 前記加熱機構(50)は、
    流動状態にある熱硬化性樹脂(14)が内部に充填された前記チューブ(20)を通過させる磁性材質のパイプ(52a)と、該パイプ(52a)の外周に巻回した誘導コイル(52b)とからなり、該誘導コイル(52b)に電流を流して磁性材質のパイプ(52a)を誘導加熱させることで、前記熱硬化性樹脂(14)を硬化させる誘導加熱装置(52)と、
    記誘導加熱装置(52)の直下流に配置され、流動状態にある熱硬化性樹脂(14)が内部に充填された前記チューブ(20)を通過させる非金属材質のパイプ(53a)と、該パイプ(53a)の外周に巻回した誘導コイル(53b)とからなり、該誘導コイル(53b)に電流を流して、前記流動状態にある熱硬化性樹脂(14)の中心に保持された磁性材質のダミーシャフト(30)を誘導加熱で再加熱させることで、前記熱硬化性樹脂(14)の硬化をなし得る別の誘導加熱装置(53)を有する請求項8記載の棒状体の製造装置。
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