JP4009880B2 - 刺繍ミシン - Google Patents

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JP4009880B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも二つの刺繍ヘッドを備え、該各刺繍ヘッドの休止/作動を制御可能な刺繍ミシンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8に示すように、二つ以上の刺繍ヘッド46を備える多頭式の多針刺繍ミシンにおいては、各刺繍ヘッド46に、糸切り、針替え時等に上糸67を挟持する糸つかみ機構63と、必要的に切断された上糸67を針の下方から針の後方へはらうための糸はらい機構65と、上糸67の糸切れを検知する糸切れ検知器62とが設けられている。そして、いずれか一つの刺繍ヘッド46において糸切れが起こり、それが糸切れ検知器62により検出されると、刺繍ミシン全体の作動が停止するようになっている。
【0003】
しかし、一つの刺繍ヘッド46において糸切れが起きても、その刺繍ヘッド46のみを休止させ、残りの刺繍ヘッド46では作動を続行させたい場合がある。また、試し縫いするときやロットが少ないとき等のように、一部の刺繍ヘッド46のみを作動させ、残りの刺繍ヘッド46を休止させたい場合もある。
【0004】
そこで、各刺繍ヘッド46の側部には、手動操作により針棒の上下動を休止させるキャンセル機構49が設けられ、休止させたい刺繍ヘッド46のみを手動で休止させられるようになっている。さらに、こうして休止させた刺繍ヘッド46における糸切れ検知器62を作動状態のままにしておくと、休止によって上糸67が消費されない状態を糸切れと誤認して検出してしまい、刺繍ミシン全体の作動が停止してしまったり、稼働中の刺繍ヘッド46の刺繍動作と同期して糸つかみ動作や糸はらい動作をすると針穴から上糸67が抜けてしまう等の不都合がある。このため、各刺繍ヘッド46の正面上部には、糸切れ検知器62による検知作用を休止させると同時に糸つかみ機構63及び糸はらい機構65を休止させる手動休止スイッチ61が設けられている。
【0005】
ところで、従来のキャンセル機構49は、図9〜図11に示すように、針棒50の上部に係合して該針棒50を上下動させる係合子51を該係合位置と該係合が外れた退避位置とにアーム52を介して移動させるロータリーソレノイド53と、係合子51を退避位置にアーム52を介して移動させる手動キャンセルレバー55とよりなる。図9及び図10は係合子51がバネ60の付勢によって針棒50の上端に係合し、該針棒50が上下駆動されている状態を示す。
【0006】
そして、図11に示すように、手動キャンセルレバー55のつまみ56をフレーム57の長孔58に沿って左方向に移動させると、突出棒54がアーム52の端部を押して該アーム52を回動させる。このとき、アーム52の他端に設けられた押圧片59が係合子51を押圧し、該係合子51を退避位置に移動させて、針棒50の上下動を休止させようになっており、また、つまみ56をフレーム57の係合凹部58aに係合させることで、係合子51の退避位置を保持するようになっている。
【0007】
なお、ロータリーソレノイド53は、刺繍加工中に、針棒50を上下動させている係合子51をアーム52を介して前記退避位置に移動させることによって、いわゆるジャンプ(目とび)を行なうためのものであり、上記手動によるキャンセル操作のために設けられているものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の通り、従来の刺繍ミシンにおいて、一部の刺繍ヘッド46のみを休止させるには、手動キャンセルレバー55と手動休止スイッチ61の二つを別々に手動で操作する必要があり、面倒であった。
【0009】
しかも、手動キャンセルレバー55は刺繍ヘッド46の側部に設けられていたため、刺繍ヘッド46同士が近接配置されたタイプの多頭刺繍ミシンにおいては、ヘッド間に手を入れにくく、手動キャンセルレバー55を操作しづらかった。また、最近は防音、デザイン上等の観点から全刺繍ヘッド46に渡ってそれらの前面全体にカバー47を設けることがあるが、そのような場合、カバー47の裏側に回ってから手動キャンセルレバー55を操作しなければならず、面倒であった。
【0010】
そこで、刺繍ヘッド46の休止時に、ジャンプ(目とび)用のロータリーソレノイド53を励磁させてアーム52を回動させ、針棒50の上下動を休止させるように構成することも考えられるが、この励磁状態を長時間保持すると、ロータリーソレノイド53が焼けつくおそれがあるとともに、消費電力が大きくなるという問題があり、実現困難であった。さらに、電源が切れると、ロータリーソレノイド53による状態保持が解除され、バネ60によって係合子51が係合位置に戻ってしまうという問題もあった。
【0011】
本発明の目的は、上記課題を解決し、少なくとも二つの刺繍ヘッドを備える多頭式の刺繍ミシンにおいて、簡単な操作によって、各刺繍ヘッドを個別に休止させることができ、その休止状態の保持に電力が不要な刺繍ミシンを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、針棒の上下動を休止させるキャンセル機構と、上糸の糸切れを検知する糸切れ検知器と、該糸切れ検知器による検知作用を休止させる手動休止スイッチとが設けられた刺繍ヘッドを、少なくとも二つ備えた多頭式の各刺繍ヘッドを個別に制御する刺繍ミシンにおいて、各刺繍ヘッドの前記キャンセル機構は、前記針棒を上下動させる係合子を、励磁が解かれると前記針棒に係合する係合位置にアームを介して移動させ、励磁されると前記針棒との係合が外れた退避位置にアームを介して移動させるロータリーソレノイドと、励磁されると前記退避位置に移動した後のアームの回動経路に突出部が突出し、その後励磁を解かれても該突出部は突出状態を保持して該アームの回動を止めることで、前記ロータリーソレノイドの励磁を解いても前記係合子を前記退避位置に保持させるキープソレノイドとよりなり、休止させたい刺繍ヘッドの前記糸切れ検知器による検知作用を休止すべく該刺繍ヘッドの前記手動休止スイッチを手動操作すると、前記ロータリーソレノイドが励磁されて、前記係合子が前記針棒との係合が外れた退避位置に前記アームを介して移動し、次に、前記キープソレノイドが励磁されて、前記退避位置に移動した後の前記アームの回動経路に前記突出部が突出し、その後、キープソレノイド及びロータリーソレノイドの励磁が解かれた状態で、前記針棒の上下動の休止状態を保持するように構成した。
【0015】
「ロータリーソレノイド」は、内蔵コイルの励磁により可動鉄心が作動して回転軸が一定角度回転し、前記励磁を止めることにより内蔵のバネによって前記回転軸が前記角度分だけ逆回転する動作を行なう。また、「キープソレノイド」は、一度励磁すると突出部が突出して停止し、もう一度励磁すると突出部が後退して停止する動作を行なう、いわゆる双安定形ラッチングソレノイドである。
【0016】
「手動休止スイッチ」は、刺繍ヘッドに直接設けてもよいが、刺繍ヘッドから離れた操作パネル等に集中的に設けて各刺繍ヘッドに配線接続する(間接的に設ける)こともできる。
【0017】
上糸を針の上方において挟持する糸つかみ機構を備える場合、次のいずれかの構成をとることもできる。
▲1▼ 糸切れ検知器による検知作用が休止したときに、糸つかみ機構の作動を休止させて上糸を挟持しないように構成する。
▲2▼ 糸切れ検知器による検知作用が休止したときに、糸つかみ機構を作動させて上糸を挟持するように構成する。
▲3▼ 糸切れ検知器による検知作用が休止したときに、糸つかみ機構の作動を休止させて上糸を挟持しないか又は作動させて上糸を挟持するかを選択可能に構成する。
【0018】
また、別の本発明では、針棒の上下動を休止させるソレノイドを用いたキャンセル機構と、上糸の糸切れを検知する糸切れ検知器と、該糸切れ検知器による検知作用を休止させる手動休止スイッチと、該上糸を針の上方において挟持する糸つかみ機構とが設けられた刺繍ヘッドを、少なくとも二つ備えた刺繍ミシンを運転する方法において、前記刺繍ヘッドのうちの1頭の刺繍ヘッドが刺繍中に糸切れを起こしたとき、刺繍ミシン全体を停止させ、全頭の刺繍ヘッドの糸切り装置を作動させて上糸と下糸の糸切りを行った後、前記1頭以外の残りの刺繍ヘッドでは、前記手動休止スイッチを操作して前記糸切れ検知器による検知作用を休止させ、前記キャンセル機構により前記ソレノイドを励磁した後その励磁を解いた状態で針棒を休止保持してジャンプ状態にし、また、前記糸つかみ機構を作動させて上糸を挟持した後、刺繍枠を所定針数だけ戻し、前記1頭の刺繍ヘッドだけで補修縫いを行った後、全頭で刺繍縫いを再開することを特徴とする。
【0019】
さらに、別の本発明では、針棒の上下動を休止させるソレノイドを用いたキャンセル機構と、上糸の糸切れを検知する糸切れ検知器と、該糸切れ検知器による検知作用を休止させる手動休止スイッチと、該上糸を針の上方において挟持する糸つかみ機構とが設けられた刺繍ヘッドを、少なくとも二つ備えた刺繍ミシンを運転する方法において、前記刺繍ヘッドのうちの1頭の刺繍ヘッドが刺繍中に糸切れを起こしたとき、刺繍ミシン全体を停止させ、全頭の刺繍ヘッドの糸切り装置を作動させて上糸と下糸の糸切りを行った後、前記1頭の刺繍ヘッドのオートメンディングスイッチを押すと、オートメンディングスイッチが押されていない残りの刺繍ヘッドでは、前記手動休止スイッチを操作しなくてもコントローラが自動的に糸切れ検知器による検知作用を休止させ、前記キャンセル機構により前記ソレノイドを励磁した後その励磁を解いた状態で針棒を休止保持してジャンプ状態にし、また、前記糸つかみ機構を作動させて上糸を挟持した後、刺繍枠を所定針数だけ戻し、前記1頭の刺繍ヘッドだけで補修縫いを行った後、全頭で刺繍縫いを再開することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1〜図6は本発明を具体化した第一実施形態の多頭式刺繍ミシン1を示している。この刺繍ミシン1は、図1に示すように、テーブル30上に間隔をおいて連設された4頭の刺繍ヘッド2と、刺繍ヘッド2の下方において、テーブル30上に載置された刺繍枠31と、テーブル30の右側において、刺繍加工する図形データ、刺繍ミシン1の作動指示等を入力するためのコントローラ32とを備えている。
【0021】
図1及び図2に示すように、各刺繍ヘッド2は、色換えが可能な五本の針5と、上下動自在に支持されて下端に各針5が止着された五本の針棒4と、選択された一本の針棒4を主軸(図示略)の回転力によって上下駆動する針棒駆動機構6と、針棒4の上下動を休止させるキャンセル機構7と、糸切り、針替え時等に上糸(上糸)27を針5の上方において挟持する糸つかみ機構24と、必要的に切断された上糸27を針5の下方から針5の後方へはらうための糸はらい機構26とを備えている。また、各刺繍ヘッド2は、正面上部のテンション台25に、上糸27の糸切れを検知する糸切れ検知器23と、糸切れ検知器23による検知作用を休止させると同時に糸つかみ機構24及び糸はらい機構26の作動を休止させる手動休止スイッチ9とを備えている。
【0022】
手動休止スイッチ9と、糸切れ検知器23、糸つかみ機構24及び糸はらい機構26とは、コントローラ32を介して接続されており、手動休止スイッチ9を操作すると、その信号はコントローラ32に入力され、コントローラ32が糸切れ検知器23、糸つかみ機構24及び糸はらい機構26を制御するようになっている。
【0023】
針棒駆動機構6は、ヘッドフレーム3に針棒4と平行に設けられた案内棒10と、該案内棒10に沿って上下動自在に設けられた昇降体11と、主軸(図示略)の回転力によって昇降体11を上下動させる昇降機構(図示略)とよりなる。昇降体11は、針棒4の係合部12と係合する係合子13を備え、該係合子13は、針棒4と係合する係合位置と該係合が外れた退避位置との間を、水平面内において回動可能にボルト14で軸支され、バネ15によって係合位置側に付勢されている。
【0024】
キャンセル機構7は、図4に示すように、ヘッドフレーム3にそれぞれ設けられたロータリーソレノイド16と、キープソレノイド17とを備えている。ロータリーソレノイド16の回転軸18にはアーム19の略中間位置が固着され、アーム19は回転軸18を中心に水平面内において回動可能となっている。アーム19の一端側には係合子13を押圧する棒状の押圧片20が下方に突設されており、ロータリーソレノイド16を励磁してアーム19を回動させると、押圧片20が係合子13をバネ15に逆らってボルト14を軸に回動させ、係合子13を退避位置に移動させるようになっている。
【0025】
また、ロータリーソレノイド16の側方にはキープソレノイド17が下向き(上向きでもよい)に設けられており、その突出部21は、アーム19が係合子13を退避位置に移動させている状態において、アーム19の反押圧片20側の移動経路上に突出可能となっている。突出部21が下方へ突出すると、アーム19の回動を阻止することによって、係合子13を退避位置に保持するようになっている。
【0026】
このように構成された多頭式の各刺繍ヘッドを個別に制御する刺繍ミシン1において、前述したように、糸切れが起きた刺繍ヘッド2のみを休止させ、残りの刺繍ヘッド2を作動続行させたい場合や、一部の刺繍ヘッド2のみを作動させ、残りの刺繍ヘッド2を休止させたい場合等には、休止させたい刺繍ヘッド2の手動休止スイッチ9を押しさえすればよい。手動休止スイッチ9を押すと、その休止信号を入力したコントローラ32は、その刺繍ヘッド2に設けられた上糸27の糸切れを検知する糸切れ検知器23からの信号を無視するようにし、(図3に実線で示すように)糸つかみ機構24及び糸はらい機構26を作動させないようにする。さらに、コントローラ32は、上記キャンセル機構7を作動させ、針棒4の上下動を休止させるようになっている。
【0027】
キャンセル機構7の作動について説明すると、図2及び図5は係合子13が針棒4の係合部12に係合した係合位置にある状態を示している。この状態では、ロータリーソレノイド16は励磁されておらず、また、キープソレノイド17の突出部21は後退しており、アーム19の移動経路には突出していない。
【0028】
キャンセル機構を作動させるには、コントローラ32は、まず、ロータリーソレノイド16を励磁する。そうすると、図3及び図6に示すように、回転軸18を中心にアーム19が回動し、該アーム19に設けられた押圧片20が押圧して係合子13がボルト14を中心に回動する。このため、係合子13が針棒4の係合部12を外れ、退避位置に移動する。
【0029】
次に、コントローラ32がキープソレノイド17を励磁すると、突出部21がアーム19の移動経路に突出する。その後、コントローラ32は、キープソレノイド17の励磁を解くが、突出部21は突出状態を保持する。
【0030】
そして、コントローラ32はロータリーソレノイド16の励磁を解くが、アーム19は、突出部21によって回動を阻止され、係合子13も退避位置の状態を保持するため、針棒4の上下動の休止状態(キャンセル状態)が保持されるようになっている。
【0031】
このように構成された本実施形態の刺繍ミシン1によれば、刺繍ヘッド2の正面上部の手動休止スイッチ9を操作するだけで、糸切れ検知器23による検知作用及び糸つかみ機構24と糸はらい機構26の作動を禁止すると同時にキャンセル機構7を作動させることができ、キャンセル機構7を手動で操作する面倒がいらない。従って、従来のようにヘッド間に手を入れる必要がなく、刺繍ヘッド2同士を極限まで近接配置した場合でも問題は生じない。また、図1に二点鎖線で示すように、防音、デザイン上等の観点から全刺繍ヘッド2に渡ってそれらの前面全体にカバー22を設けた場合でも、従来のようにキャンセル機構の作動のためにカバー22の裏側に回る必要がない。
【0032】
また、キャンセル機構7においては、キャンセル状態の保持にキープソレノイド17を使用しているため、キャンセル状態を保持するために電力を必要としない。従って、電源が切れた場合でも、キャンセル状態が解除されてしまうという問題は生じない。
【0033】
次に、図7は、本発明を具体化した第二実施形態の刺繍ミシン39のキャンセル機構40を示し、次の点においてのみ、第一実施形態と相違している。従って、第一実施形態と同様の部分については、図7に示すように、同一の番号を付して重複説明を避ける。
【0034】
本キャンセル機構40にはキープソレノイド41が用いられており、その突出部42は、アーム43の一端に連結され、該アーム43は、中間部が軸44によってヘッドフレームに水平面内に回動可能に軸支されている。そして、コントローラ32がキープソレノイド41を励磁すると、突出部42が突出してアーム43を介して係合子13を退避位置に移動させ、もう一度励磁すると、突出部42が後退してアーム43を介して係合子13を係合位置に移動させるようになっている。
【0035】
本実施形態のキャンセル機構40には、第一実施形態のものと異なり、ロータリーソレノイドが不要で、キャンセル機構40の構成及び制御が簡単となるが、アーム43を回動させるのに十分な駆動力を備えた容量のキープソレノイド41が必要となる。この点を除けば、本実施形態によっても第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0036】
なお、本発明は前記実施形態の構成に限定されず、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)各刺繍ヘッドの針棒駆動機構とミシン主軸との間にクラッチ機構を設け、休止すべき刺繍ヘッドに関し、このクラッチを切ることにより針棒駆動機構全体を休止させるようにすること。
(2)糸切れ検知器による検知作用を休止させる場合、糸切れ検知器からの信号を無視するのではなく、糸切れ検知器への電源の供給を断つ等により、糸切れ検知器からコントローラへ検知信号が入力されないようにすること。
【0037】
(3)前記実施形態で、糸切り後のいわゆるオートメンディング(自動補修)を行う場合には、次のようになる。
【0038】
図1の4頭の刺繍ヘッド2のうちの1頭が刺繍中に糸切れを起こし、糸切れ検知器23が何等かの原因でその糸切れを検知せずに、刺繍が施されない場合は、作業者が糸切れに気付いたときに停止スイッチを手動操作する。すると、刺繍枠31は比較的素早く停止するが、ミシン主軸は慣性によりしばらく回転するので、コントローラ32は縫目が進まないように、前記キャンセル機構7のロータリーソレノイド16を励磁させて係合子13を退避位置に移動させ、針棒4の上下動を休止させて目とび(ジャンプ)状態にする。その後、天秤が上死点にきた位置でミシン主軸は停止し、ジャンプ解除が解除されるとともに刺繍ミシン1全体が停止する。
【0039】
次に、作業者がスイッチを押して、全4頭の糸切り装置を作動させ、上糸27と下糸(図示略)の糸切りを行う。
【0040】
続くオートメンディングでは、まず、ミシン主軸が停止した状態で、刺繍枠31を所定針数だけ戻す。具体的には、作業者が、先程糸切れを起こして補修すべき刺繍ヘッド2のオートメンディングスイッチ(図示略)を押すことにより行ない、押している間、刺繍枠31は戻り動作をする。
【0041】
次に、作業者はミシン主軸を作動させて、先程オートメンディングスイッチを押した1頭だけで補修縫いを開始させる。残りの3頭は、前記刺繍枠31を戻す前に、作業者が手動休止スイッチ9を操作して、糸切れ検知器23による検知作用を休止させるとともに針棒4を休止させ、ジャンプ状態にしておく。このオートメンディングにおいては、前記残りの3頭で手動休止スイッチ9を操作したときに、糸切れ検知器23による検知作用が休止しても、(図3に二点鎖線で示すように)糸つかみ機構24は作動させて上糸27を挟持するように、コントローラ32等を構成することが好ましい。なぜなら、ジャンプ時に天秤が動いても、上糸27が糸つかみ機構24で挟持されているから、上糸27が針5から抜けるのを防止できるからである。
【0042】
従って、前記1頭だけでの補修縫いが停止位置まで進んで、全頭で刺繍縫いを再開したときに、残りの3頭で上糸が針5から抜けていないので、最初から確実に縫目が形成される利点がある。また、この構成(糸つかみ機構24を作動させる構成)は、試し縫いするときやロットが少ないとき等のように、一部の刺繍ヘッドのみを作動させ、残りの刺繍ヘッドを休止させたい場合にも、その休止ヘッドにおいて同様の利点がある。
【0043】
上記オートメンディングにおいて、3頭の刺繍ヘッド2でジャンプ状態が長時間続いても、キャンセル機構7におけるキャンセル状態の保持にキープソレノイド17を使用しているため、ロータリーソレノイド16が焼けることはない。
【0044】
なお、手動休止スイッチ9を操作して、糸切れ検知器23による検知作用が休止したときに、糸つかみ機構24の作動を休止させて上糸27を挟持しないか又は作動させて上糸27を挟持するかを選択可能に構成する(例えば、選択スイッチを設ける)こともできる。
【0045】
また、補修縫いすべき刺繍ヘッド2のオートメンディングスイッチが押された場合に、オートメンディングスイッチが押されていない残りの刺繍ヘッド2では、作業者が手動休止スイッチ9を操作しなくても、自動的に糸切れ検知器23による検知作用を休止させ、糸つかみ機構24を作動させて上糸27を挟持するように、コントローラ32等を構成することが好ましい。
【0046】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明によれば、少なくとも二つの刺繍ヘッドを備える多頭式の刺繍ミシンにおいて、簡単な操作によって、各刺繍ヘッドを個別に休止させることができ、その休止状態の保持に電力が不要な刺繍ミシンを提供することができるという優れた効果を奏する。特に、キャンセル状態の保持にキープソレノイドを使用しているため、キャンセル状態を保持するために電力を必要としない。従って、電源が切れた場合でも、キャンセル状態が解除されてしまうという問題は生じない。
【0048】
上記効果に加え、請求項3又4の発明によれば、針棒が休止しかつ天秤が動くときに、上糸を糸つかみ機構で挟持して、上糸が針から抜ける不具合を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第一実施形態の刺繍ミシンの正面図である。
【図2】針棒作動時における図1のII−II線断面図である。
【図3】針棒休止時における図2と同様の断面図である。
【図4】同刺繍ミシンのキャンセル機構を示す分解斜視図である。
【図5】図2のV−V線断面図である。
【図6】図3のVI−VI線断面図である。
【図7】同刺繍ミシンの第二実施形態のキャンセル機構を示す分解斜視図である。
【図8】従来の刺繍ミシンの正面図である。
【図9】図8のIX−IX線断面図である。
【図10】針棒作動時における図9のX−X線断面図である。
【図11】針棒休止時における図10と同様の断面図である。
【符号の説明】
1 刺繍ミシン
2 刺繍ヘッド
4 針棒
7 キャンセル機構
9 手動休止スイッチ
13 係合子
16 ロータリーソレノイド
17 キープソレノイド
19 アーム
21 突出部
23 糸切れ検知器
24 糸つかみ機構
27 上糸
39 刺繍ミシン
40 キャンセル機構
41 キープソレノイド
42 突出部
43 アーム

Claims (4)

  1. 針棒の上下動を休止させるキャンセル機構と、上糸の糸切れを検知する糸切れ検知器と、該糸切れ検知器による検知作用を休止させる手動休止スイッチとが設けられた刺繍ヘッドを、少なくとも二つ備えた多頭式の各刺繍ヘッドを個別に制御する刺繍ミシンにおいて、
    各刺繍ヘッドの前記キャンセル機構は、
    前記針棒を上下動させる係合子を、励磁が解かれると前記針棒に係合する係合位置にアームを介して移動させ、励磁されると前記針棒との係合が外れた退避位置にアームを介して移動させるロータリーソレノイドと、
    励磁されると前記退避位置に移動した後のアームの回動経路に突出部が突出し、その後励磁を解かれても該突出部は突出状態を保持して該アームの回動を止めることで、前記ロータリーソレノイドの励磁を解いても前記係合子を前記退避位置に保持させるキープソレノイドとよりなり、
    休止させたい刺繍ヘッドの前記糸切れ検知器による検知作用を休止すべく該刺繍ヘッドの前記手動休止スイッチを手動操作すると、前記ロータリーソレノイドが励磁されて、前記係合子が前記針棒との係合が外れた退避位置に前記アームを介して移動し、次に、前記キープソレノイドが励磁されて、前記退避位置に移動した後の前記アームの回動経路に前記突出部が突出し、その後、キープソレノイド及びロータリーソレノイドの励磁が解かれた状態で、前記針棒の上下動の休止状態を保持するように構成したことを特徴とする刺繍ミシン。
  2. 前記上糸を針の上方において挟持する糸つかみ機構を備え、前記糸切れ検知器による検知作用が休止したときに、前記糸つかみ機構の作動を休止させて上糸を挟持しないように構成した請求項1記載の刺繍ミシン。
  3. 前記上糸を針の上方において挟持する糸つかみ機構を備え、前記糸切れ検知器による検知作用が休止したときに、前記糸つかみ機構を作動させて上糸を挟持するように構成した請求項1記載の刺繍ミシン。
  4. 前記上糸を針の上方において挟持する糸つかみ機構を備え、前記糸切れ検知器による検知作用が休止したときに、前記糸つかみ機構の作動を休止させて上糸を挟持しないか又は作動させて上糸を挟持するかを選択可能に構成した請求項1記載の刺繍ミシン。
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