JP4009680B2 - 練りシート生地とその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は積層して取り扱われる練りシート生地とその製造方法に関するものであり、例えば、ギョーザ、焼売、ワンタン、春巻、生春巻、クレープ、などの包み食品に用いられ、あるいはそれ単独で食されたり、食品の盛り付けシートなどとして用いられる。
【0002】
【従来の技術】
例えば、包み食品に用いられる練りシート生地は、各家庭やレストランにて手作りされたり、業者によって製造したものが冷蔵保存品や冷凍保存品などとして販売されている。家庭向けの販売に際しては、一度に使いきれる単位として、例えばギョーザの皮であれば20〜30枚程度、春巻きの皮の場合は10枚程度ずつ包装して市販されている。業務用になると春巻きの皮でもメーカー側およびユーザー側双方の取り扱い上の便宜などから1袋50枚程度の包装になっている上、輸送のためにはさらに何袋ずつかを1まとめにして梱包する際に幾層か積み重ねられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のように練りシート生地を積層して取り扱うのに、練りシート生地どうしが付着し合う問題がある。積層枚数が多く、積層している時間が長いほど付着しやすく剥がすのに苦労するし、失敗して破れ歩留まりが低下する。
【0004】
特に、乾燥状態で包装し市販されているライスペーパは、使用する際にお湯に浸すことによって戻してからしか使用できない不便がある。また、戻した状態では互いに付着し合うために積層できず、互いが重ならないように置き並べるのに広いスペースを採る問題があり、各自が好きな具を包みながら順次に食べるには不便である。
【0005】
そこで、本発明者等は、これら練りシート生地が付着し合う問題につき、種々に実験をし検討を重ねたところ、各種の練り生地がある添加物によって付着性が低下することを知見した。
【0006】
本発明の目的は、そのような新たな知見に基づき、積層しても付着し合わない取り扱いおよび使用に便利な練りシート生地とその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の練りシート生地は、積層して取り扱われ、小麦粉や米粉などの穀物粉、澱粉、加工澱粉などの澱粉類の少なくとも1つを用い、シルク蛋白を0.01〜5%程度添加して混練された水分28〜40%程度で、シルク蛋白を含まないものに比し積層状態での剥離性のよい厚さが0.1〜0.8mm程度のシートに成形されていることを特徴とするものである。
【0008】
このような構成では、小麦粉や米粉などの穀物粉、澱粉、加工澱粉などの澱粉類の少なくとも1つを用い、混練されシートに成形された練りシート生地は、混練材料の種類や割合によって種々な用途に対応した厚さが0.1〜0.8mm程度の各種の練りシート生地になるが、それらが加熱品として普通に用いられる40%以下の水分含有率、非加熱品として普通に用いられる28〜40%のものにおいて、前記シルク蛋白の添加によって、これが添加されていない場合に比し、互いに付着し合わない性質が得られ、練り上げたものをその場で積層して使用に供する場合は勿論、積層したものを小口包装して市販したり、多数枚を積層して大口包装し業務用に供したりして、積層状態のまま使用されるまで日日が経ち、また、冷蔵保存していたものを加熱して用いたり、冷凍して長期保存されたものを解凍して用いる、などの各場合にも、シルク蛋白を含まないものに比し積層状態での剥離性がよく互いに付着し合わず剥離時に破れ難く取り扱いや使用に便利なものとなる。
【0009】
以上の練りシート生地は、ギョーザ、焼売、ワンタン、春巻、生春巻、クレープ、など包み食品に用いるのが好適であるが、これに限られることはない。シルク蛋白は非加熱のものを用いていると、臭いを持たないので、食味、食感に影響しない。乳化油脂が添加されていると、シルク蛋白と相まって練りシート生地の付着性を弱めるのに好都合である。増粘多糖類が添加されていると劣化を抑えるので、シルク蛋白と相まって、さらに日持ちを長くすることができる。
【0010】
破れ難いので厚さは0.1mm程度から提供して安定に使用されるものとなり、種々な用途に用いるのに好適となる。厚さを0.4mm程度とし、粳米粉を主成分とすることで前記ライスペーパに対応するものとなるが、澱粉を増し、薄くするほど透明性が得られ、生春巻を作るのに中の具が透けて見えやすくなり、より楽しく、より食欲をそそり、具や餡との一体感が増して食感にも優れた食品となる。厚さを0.1〜0.4mm程度として口溶け性が良好で包み込んだ具や餡などとの食感のマッチングがよくなる。加熱処理されていると加熱しないで食してよく、生食や調理済みの具や餡を包んで使用するのにそのまま食べられるので便利である。塩その他の調味料が添加されていると、用途に適した食味の練りシート生地となるので好適である。
【0011】
加熱品の場合水分が40%以下であるのが使用上の引張り強度や保存に好適であり、水分が32%程度以上であると澱粉類の劣化を抑えるために密封して冷蔵保存し、電子レンジなどで70〜80℃程度に加熱して食するのが好適であり、水分を30%以下に保つとそのまま食するのに好適なものとなる。非加熱品の場合水分が28〜40%程度の水分含有率に設定してギョーザ、焼売、ワンタンなどの主として加熱調理食品に適用される各種用途の練りシート生地に好適である。
【0012】
本発明の練りシート生地製造方法は、小麦粉や米粉などの穀物粉、澱粉や加工澱粉などの澱粉類の1以上に、シルク蛋白を0.01〜5%程度添加して水で混練したものを、160℃以下の加熱担持面に連続に塗布しながら加熱して40%以下の含水率を持ち、積層状して取り扱われ、シルク蛋白を含まないものに比し積層状態での剥離性のよい厚さが0.1〜0.8mm程度の練りシート生地を製造することを特徴とするものである。
【0013】
このような構成により、混練物の単位時間当たりの塗布量と連続な塗布速度との関係によって所定の厚みの練りシート生地が、そのまま食べられる加熱食品として得られる。
【0014】
連続塗布は、相対移動する加熱担持面と、混練物を連続に供給する供給部と、の間で行うことにより容易に実現し、担持面上に形成される練りシート生地は所定の大きさおよび形状に切り分けることにより各種使用に適し、また、便利なものとすることができる。担持面が移動する側で移動方向にエンドレスなものを用いると、前記連続塗布による練りシート生地を連続に製造することができ、自動的な大量生産に好適となる。
【0015】
加熱処理して得た40%以下での所定の含水率を持った練りシート生地は、その所定の含水率から乾燥しない間に密封することにより、適正な品質のまま保存食として提供することができる。
【0016】
本発明のそれ以上の目的および特徴は、以下の詳細な説明および図面の記載によって明らかになる。本発明の各特徴は、それ自体単独で、あるいは可能な限り種々な組合せで複合して用いることができる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の練りシート生地と、その製造方法につき、実施例を示しながら説明する。
【0018】
本実施例の練りシート生地は、積層して取り扱われるもので、主として、ギョーザ、焼売、ワンタン、春巻、生春巻、クレープ、など包み食品に用いるのが好適であるが、これに限られることはない。例えば、それ単独でフライにしたりオイル焼きしたりして食されたり、パスタや各種の麺等にする練りシート生地として取り扱い、または提供するもの、また、食品類の盛り付け用シートなど、包み生地以外に用いられる練シート生地一般に適用して有効であり、いずれも本発明の範疇に属する。
【0019】
本実施例の練りシート生地は、積層して取り扱われ、小麦粉や米粉などの穀物粉、澱粉、加工澱粉などの澱粉類の少なくとも1つを用い、シルク蛋白を添加して混練されて、シルク蛋白を含まないものに比し積層状態での剥離性がよいものとして、図1に示すように四角形な練りシート生地1、図2に示すように円形な練りシート生地2、あるいは三角形や扇形など用途に応じた各種の練りシート生地に形成されている。これによって、それぞれの用途にそのままの形や大きさで適用することができる。
【0020】
以上のように、小麦粉や米粉などの穀物粉、澱粉、加工澱粉などの澱粉類の少なくとも1つを用い、混練されシートに成形された練りシート生地1、2などは、混練材料の種類や割合によって種々な用途に対応した各種の練りシート生地になる。例えば春巻、つまり揚げ春巻の皮を例にとれば、小麦粉が主体となり、それに乳化油脂や食塩が添加される。用途によって小麦粉は薄力粉、中力粉、強力粉などを使い分け、あるいは適当な配合量にて組合せ用いられるし、場合によっては卵も混練される。また、用途によってはコーンスターチなど他の穀物粉も適用される。
【0021】
加熱品の練りシート生地1、2などは通常40%程度以下の水分含有率のものとされ、非加熱品の練りシート生地1、2などは通常28〜40%程度の水分含有率のものとされるが、前記シルク蛋白の添加によって、これが添加されていない場合に比し、互いに付着し合わない性質が得られる。これにより、練り上げた練りシート生地1、2などをその場で積層して使用に供する場合は勿論、積層したものを小口包装して市販したり、図3に示すように多数枚を積層して樹脂袋3などにより大口包装し業務用に供したりして、積層状態のまま使用されるまで日日が経ち、また、冷蔵保存していたものを加熱して用いたり、冷凍して長期保存されたものを解凍して用いる、などの各場合にも、互いに付着し合わず取り扱いや使用に便利なものとなる。また、シルク蛋白の連鎖性によって生地の腰が強く破れにくくなり、動物蛋白、つまり各種アミノ酸による旨味も得られて、食感、食味が増す。さらに、シルク蛋白は成膜性に優れ保水性がよいので、練りシート生地1、2などの疲労、劣化や変質を抑え日持ちを長くすることができる。
【0022】
シルク蛋白は、繭、生糸、フィブロイン、セリシン、脱皮殻、蛹の少なくとも1つを含んでいれば有効であり、無菌飼育された養蚕生産物から得たものであれば食品衛生上好適である。また、天火乾燥や加熱乾燥されていないもの、つまり非加熱なものを選択すると、シルク蛋白が加熱されることによる発臭がなく、食味、食感に影響しない。
【0023】
また、乳化油脂が添加されていると、シルク蛋白と相まって練りシート生地の付着性を弱めるのに好都合である。増粘多糖類が添加されていると劣化を抑えるので、シルク蛋白と相まって、さらに日持ちを長くすることができる。
【0024】
既述したように練りシート生地1、2は破れ難いので厚さは0.1mm程度から提供して安定に使用されるものとなり、種々な用途に用いるのに好適となる。厚さを0.4mm程度とし、粳米粉を主成分とすることで前記ライスペーパに対応するものとなるが、澱粉を増し、薄くするほど透明性が得られ、生春巻を作るのに中の具が透けて見えやすくなり、より楽しく、より食欲をそそり、具や餡との一体感が増して食感にも優れた食品となる。厚さを0.15〜0.4mm程度として口溶け性が良好で包み込んだ具や餡などとの食感のマッチングがよくなる。加熱処理されていると加熱しないで食してよく、生食や調理済みの具や餡を包んで使用するのにそのまま食べられるので便利である。塩その他の調味料が添加されていると、用途に適した食味の練りシート生地1、2などとなるので好適である。また、澱粉と加工澱粉の組合せによっても透明性を調整したり、耐老化性を強めたりすることができる。
【0025】
加熱品では水分が前記のように40%程度以下であるのが引張り強度の面や保存の面で好適であり、水分が32%程度以上であると澱粉類の劣化を抑えるために密封して冷蔵保存し、電子レンジなどで70〜80℃程度に加熱して食するのが好適であり、水分を30%以下に保つとそのまま食するのに好適なものとなる。非加熱品では水分が前記のように28〜40%程度として、主としてギョーザ、焼売、ワンタンなどの加熱調理食品に適用される各種用途の練りシート生地に好適である。
【0026】
以上のような練りシート生地1、2などを製造するのに、本実施例では、図4に示すように、小麦粉や米粉などの穀物粉、澱粉や加工澱粉などの澱粉類の1以上に、シルク蛋白を添加して水で混練した混練物11を、160℃程度以下の所定温度に調整される加熱担持面12に連続に塗布しながら加熱して所定の含水率を持った練りシート生地13を製造することを基本的な操作としている。
【0027】
混練物11の単位時間当たりの塗布量と連続な塗布速度との関係によって所定の厚みの練りシート生地13が、そのまま食べられる加熱食品として得られる。同時に、130℃以下と温度を低くしていくと加熱温度がこの種食品の従来の加熱温度160℃程度に比して低温であるため、無理のない塗布量および塗布速度にて0.1mm以下の厚さの練りシート生地13でも、所定の含水率を確保して得られる。つまり、過熱、過剰乾燥にならないで得られる。
【0028】
図4に示す実施例の場合、連続塗布は、相対移動する加熱担持面12と、混練物11を連続に供給する混練物供給部14と、の間で行うことにより容易に実現し、加熱担持面12上に形成される練りシート生地13はカッタ15や抜き形などにより所定の大きさおよび形状に切り分け、あるいは型抜きして練りシート生地1、2などとすることにより各種使用に適し、また、便利なものとすることができる。切り分け、あるいは型抜きなどした練りシート生地1、2などは適当な枚数ずつに積層して取り扱うのが好適である。
【0029】
図4に示す場合、加熱担持面12が移動する側で移動方向にエンドレスな例えばドラムをなし、前記連続塗布による練りシート生地13を帯状に連続に製造することができ、自動的な大量生産に好適となる。図4に示すような大英技研社製の装置にて実現する。この装置について説明すると、混練物11を供給する混練物供給部14はドラム形態をした加熱担持面12の幅方向にライン状のノズル口14aが伸びたディスペンサであり、これにタンク16内の混練物11が供給ローラ対17の定量送り出し機能によって定量供給される。ノズル口14aは加熱担持面12との間が形成すべき練りシート生地13の厚みに見合うギャップに設定され、単位時間当たりの混練物11の供給量と、加熱担持面12の移動速度との関係によって所定の厚みの練りシート生地13を製造する。混練物供給部14は塗布ブラシや塗布マットなどでもよい。
【0030】
加熱担持面12上で製造される帯状に連続した練りシート生地13はセパレータ17によって剥離され、コンベア18によりカッタ15による切断位置に搬送される。切断位置にはカッタ15と対向するカッタ台19が位置し、カッタ15との間に連続した練りシート生地13を受け入れ、カッタ15の回転や前後動による定期的な切断動作によって練りシート生地13を所定の大きさの練りシート生地1とする。切断された練りシート生地1は自重で、あるいは図示しない捌き装置にてコンベア20の上に順次倒れ込み、コンベア20の間欠的な搬送によって、停止時間に見合った枚数分だけ自動的に積層されながら先へ搬送され、包装などに供する。もっとも、製造装置は図示するものに限られることはなく、種々な設計のものによって達成することができる。
【0031】
加熱処理して得た所定の含水率を持った練り生地シート1などは、その所定の含水率状態から乾燥しない間に密封することにより、適正な品質のまま保存食として提供することができる。
【0032】
シルク蛋白としてはセリシンを所定量含有すれば、シルク蛋白による上記特徴が確実に得られる。セリシンは粉末や溶液で提供されており、それら市販のものを用いてもよい。しかし、その純度は1〜100%のものがある。前記付着性などの改善のためにセリシンは混練物に対する濃度として見ると、0.01〜5%程度として有効であり、経済性は別として10%程度添加すると、耐付着性が格段に向上するとともに、腰の強さが要求される製品、パスタや麺、ピザ用の練りシート生地、練りシート生地などに特に好適であるし、食味も向上する。また、保水性も向上し日持ちがよくなる。
【0033】
一方、セリシンは高温、高圧水によって抽出またはおよび溶解されたものであると、有機溶媒により抽出またはおよび溶解されたもののように人体への影響を懸念しなくてよく食品衛生上好適である。この意味で、無菌飼育された養蚕生産物から抽出またはおよび溶解したものを原料とするのがさらに好適である。
【0034】
ところで、高温、高圧水は、繭、生糸、フィブロイン、セリシン、脱皮殻、の少なくとも1つを含む養蚕生産物、天然のもののいずれかに対して浴することにより、それらを溶解させることができる。水は120℃からの温度範囲として溶解が明らかに起き、温度条件の違いによって溶解時間に差が出る。180〜200℃のような高温水は例えば22MPa前後の圧力で得られ、いわゆる亜臨界水が好適である。しかし、超臨界水でもよい。これらの高温、高圧の水による溶解では、その温度、圧力、処理時間などの溶解条件の違いによって、養蚕生産物の溶解度を操作することができる。
【0035】
このような操作によれば、例えば養蚕生産物を糸に分解し、またアミノ酸の鎖をどのように分子、成分単位にも切ることができる。これを段階的に進めると、特定の単位のものを順次に抽出することができ、セリシンも得られる。もっとも、蚕の糞、屑繭、絹製品の生地、端切れ、屑糸なども溶解対象としての養蚕生産物に含めてもよい。
【0036】
次に、具体的な実施例を示すと、以下の通りである。
実施例1
春巻の皮用練りシート生地であって、混練物の配合割合は
小麦粉 100
乳化油脂 2
食塩 0.8
シルク蛋白 0.01〜5
水 100
であり、乳化油脂、食塩、シルク蛋白エキス、水を予め混合して仕込み水として用いた。
【0037】
混練は予め5〜10℃程度にした仕込み水で、小麦粉を縦型ミキサーあるいは連続ミキサーにて混練する。混練した生地は約1時間熟成させてより均一な生地にした。
【0038】
生地の焼き上げは図4に示す装置で160℃程度以下にて行い、例えば0.4mm〜0.8mm程度の範囲における後目的とする厚さ、40%程度以下の目的とする水分含有率を持った春巻用の練りシート生地とした。
【0039】
これを箱詰め冷凍状態で流通された品物の1ヶ月後の加熱再生状態での剥離性は従来品のそれに比し大差があり、作業性、歩留まりの向上につながった。
実施例2
生春巻用の練りシート生地であって、混練物の配合割合が
粳米粉 100 60 0
澱粉 0 40 100
(加工澱粉含む)
乳化油脂 2 同 同
増粘多糖類 0.5 同 同
シルク蛋白 0.01〜5 同 同
水 120 同 同
の3種類であり、実施例1の場合同様に混練し、120℃程度以下で焼き上げた。但し、厚みは0.1〜0.4とし、ライスペーパ程度かそれよりも薄くした。水分は20〜40%程度にした。
【0040】
この場合、練りシート生地を厚さ0.1〜0.4mm程度の薄皮としても強靭でしかも口溶けがよかった。澱粉が多いほど透明性が向上し、澱粉、加工澱粉の組合せを調整することにより、透明性や耐老化性を調整することができた。水分量を32%以下にコントロールすることにより、そのまま食べることができる。水分が32%以上の場合は澱粉の老化があってもポリ袋等で包装されているまま電子レンジ等で70〜80℃程度に加熱すると、美味しく食べることができ、この場合も剥離性は十分に得られた。なお、沸騰しない温度条件程度以下にて澱粉のアルファ化、つまり固化を図って焼き上げるとそれよりも高い温度条件の場合よりも透明度は上がった。
【0041】
この場合、粳米粉を0、澱粉を100とした通常では無味状態となる条件にても、シルク蛋白の添加によって旨味が得られた。一般に粳米粉が多くなるほど引張り強度は低く、澱粉が多くなるほど種々な澱粉の組合せによって引っ張り強度が増す。
【0042】
【発明の効果】
本発明の練りシート生地によれば、小麦粉や米粉などの穀物粉、澱粉、加工澱粉などの澱粉類の少なくとも1つを用い、混練されシートに成形された練りシート生地は、混練材料の種類や割合によって厚さが0.1〜0.8mm程度の種々な用途に対応した各種の練りシート生地になるが、それらが普通に用いられる加熱品での40%以下の水分含有率、非加熱品での28〜40%程度の含水率において、前記シルク蛋白の添加によって、これが添加されていない場合に比し、互いに付着し合わない性質が得られ、練り上げたものをその場で積層して使用に供する場合は勿論、積層したものを小口包装して市販したり、多数枚を積層して大口包装し業務用に供したりして、積層状態のまま使用されるまで日日が経ち、また、冷蔵保存していたものを加熱して用いたり、冷凍して長期保存されたものを解凍して用いる、などの各場合にも、シルク蛋白を含まないものに比し積層状態での剥離性がよく互いに付着し合わず剥離時に破れ難く取り扱いや使用に便利なものとなる。
【0043】
シルク蛋白は非加熱のものを用いていると、臭いを持たないので、食味、食感に影響しない。乳化油脂が添加されていると、シルク蛋白と相まって練りシート生地の付着性を弱めるのに好都合である。増粘多糖類が添加されていると劣化を抑えるので、シルク蛋白と相まって、さらに日持ちを長くすることができる。
【0044】
破れ難いので厚さは0.1mm程度から提供して安定に使用されるものとなり、種々な用途に用いるのに好適となる。厚さを0.4mm程度とし、粳米粉を主成分とすることで前記ライスペーパに対応するものとなるが、澱粉を増し、薄くするほど透明性が得られ、生春巻を作るのに中の具が透けて見えやすくなり、より楽しく、より食欲をそそり、具や餡との一体感が増して食感にも優れた食品となる。厚さを0.1〜0.4mm程度として口溶け性が良好で包み込んだ具や餡などとの食感のマッチングがよくなる。加熱処理されていると加熱しないで食してよく、生食や調理済みの具や餡を包んで使用するのにそのまま食べられるので便利である。塩その他の調味料が添加されていると、用途に適した食味の練りシート生地となるので好適である。
【0045】
加熱品の場合、水分が40%以下であるのが引張り強度の面や保存性の面で好適であり、水分が32%程度以上であると澱粉類の劣化を抑えるために密封して冷蔵保存し、電子レンジなどで70〜80℃程度に加熱して食するのが好適であり、水分を30%以下に保つとそのまま食するのに好適なものとなる。非加品の場合水分が28〜40%程度の水分含有率に設定してギョーザ、焼売、ワンタンなどの主として加熱調理食品に適用される各種用途の練りシート生地に好適である。
【0046】
本発明の練りシート生地の製造方法によれば、混練物の単位時間当たりの塗布量と連続な塗布速度との関係によって所定の厚みの練りシート生地が、そのまま食べられる加熱食品として得られる。
【0047】
連続塗布は、相対移動する加熱担持面と、混練物を連続に供給する供給部と、の間で行うことにより容易に実現し、担持面上に形成される練りシート生地は所定の大きさおよび形状に切り分けることにより各種使用に適し、また、便利なものとすることができる。担持面が移動する側で移動方向にエンドレスなものを用いると、前記連続塗布による練りシート生地を連続に製造することができ、自動的な大量生産に好適となる。
【0048】
加熱処理して得た所定の含水率を持った練り生地シートは、その所定の含水率から乾燥しない間に密封することにより、適正な品質のまま保存食として提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る練りシート生地の1つの例を示す斜視図である。
【図2】本実施例に係る練りシート生地の別の例を示す斜視図である。
【図3】図1の練りシート生地を多数積層して包装した状態を示す斜視図である。
【図4】加熱した練りシート生地を製造する製造方法と装置の実施例を示す概略図である。
【符号の説明】
1、2 練りシート生地
3 袋
11 混練物
12 加熱担持面
13 練りシート生地
14 混練物供給部

Claims (12)

  1. 積層して取り扱われ、小麦粉や米粉などの穀物粉、澱粉、加工澱粉などの澱粉類の少なくとも1つを用い、シルク蛋白を0.01〜5%程度添加して混練された水分28〜40%程度で、シルク蛋白を含まないものに比し積層状態での剥離性のよい厚さが0.1〜0.8mm程度のシートに成形されていることを特徴とする練りシート生地。
  2. ギョーザ、焼売、ワンタン、春巻、生春巻、クレープ、など包み食品に用いられる請求項1に記載の練りシート生地。
  3. 乳化油脂が添加されている請求項1、2のいずれか1項に記載の練りシート生地。
  4. 増粘多糖類が添加されている請求項1〜のいずれか1項に記載の練りシート生地。
  5. 調味料が添加されている請求項1〜のいずれか1項に記載の練りシート生地。
  6. 加熱品であって水分が40%以下、または非加熱品であって水分が28〜40%である請求項1〜のいずれか1項に記載の練りシート生地。
  7. 密封包装されている請求項1〜のいずれか1項に記載の練りシート生地。
  8. 冷蔵保存されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の練りシート生地。
  9. 冷凍保存されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の練りシート生地。
  10. 小麦粉や米粉などの穀物粉、澱粉や加工澱粉などの澱粉類の1以上に、シルク蛋白を0.01〜5%程度添加して水で混練したものを、160℃以下の加熱担持面に連続に塗布しながら加熱して40%以下の含水率を持ち、積層状して取り扱われ、シルク蛋白を含まないものに比し積層状態での剥離性のよい厚さが0.1〜0.8mm程度の練りシート生地を製造することを特徴とする練りシート生地の製造方法。
  11. 連続塗布は、相対移動する加熱担持面と、混練物を連続に供給する供給部と、の間で行う請求項10に記載の練りシート生地の製造方法。
  12. 加熱処理して得た40%以下での所定の含水率を持った練りシート生地は、その所定の含水率から乾燥しない間に密封する請求項10、11のいずれか1項に記載の練りシート生地の製造方法。
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