JP2023111309A - 蒸し麺及びその製造方法 - Google Patents

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Masaki Shiozuka
健 長嶋
Takeshi Nagashima
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Abstract

【課題】 麺類本来の風味、弾力及び外観を維持しつつ、やわらかく咀嚼性に優れ、且つ嚥下性にも優れる蒸し麺及びその製造方法を提供すること。【解決手段】 水分含有率が61.5質量%以上66.0質量%以下であり、品温20℃における破断応力が1.0×105N/m2以上1.8×105N/m2未満であり、品温20℃におけるもろさ応力が7.5×104N/m2以下である蒸し麺の製造方法であって、麺線に蒸煮を施すこと、上記蒸煮中に前記麺線に第1のシャワー水を噴射すること、及び上記蒸煮後に前記麺線に第2のシャワー水を噴射することを含み、上記麺線に噴射する上記第1のシャワー水の水量が、上記麺線1g当たり6.00mL/g以上12.00mL/g以下の範囲内であり、上記麺線に対する上記第2のシャワー水の水量が、上記麺線1g当たり5.00mL/g以上10.00mL/g以下の範囲内である蒸し麺の製造方法。【選択図】 図1

Description

本発明は、蒸し麺及びその製造方法に関する。
介護食における麺料理においては、咀嚼・嚥下困難者のために、麺をやわらかくするための調理が行われることが多い。すなわち、茹で麺においては、麺を通常よりも長い時間茹でることでやわらかい麺に仕上げることが行われている。また、蒸し麺の代表として焼そばの調理においては、蒸し麺を焼成する際に添加する水を増量することが行われている。
しかしながら、上記方法で茹で麺又は蒸し麺に好ましい食感を維持しながら適量の水分を含ませることは困難である。特に蒸し麺は水を吸い込みやすくないため、焼成時に添加する水を増量すると余剰の水に麺線から小麦粉が溶け出し、麺線表面にべたつきが発生したり、焦げ付き易くなる。また、増量した水を麺に吸水させることができたとしても、麺線が膨潤し、のびた状態になりやすく、ぶつぶつとした食感となる。このように、通常の蒸し麺を調理により適度な弾力がありつつやわらかい麺に仕上げることは容易ではない。
高齢化社会を迎えて、咀嚼・嚥下困難者を対象とした様々な製品、食品の物性を改良するための原料及び配合比や、これらの製造方法が開発されている。例えば特許文献1には、嚥下食用の麺様食品として、茹でた麺と豆腐と小麦粉を撹拌し、これに増粘多糖類を加えて麺状に再成形した麺様食品が開示されている。しかし、このような麺様食品は、増粘多糖類等の添加剤や異種の食品原料の添加を必要とするため、食感や風味が従来の麺類とは異なるという問題があった。
また、特許文献2には、嚥下し易い包装冷凍茹で麺が開示されている。つまり、茹で麺と液体とが冷凍状態で包装容器に収容されており、喫食時に包装容器ごと加熱解凍することにより、上記茹で麺に上記液体が吸収され、やわらかい茹で麺を提供することが可能となるというものである。同文献に開示された技術は、上記の通り茹で麺を対象とするものであり、蒸し麺の場合は同じ技術でやわらかく且つ適度な弾力性のある麺を提供することは困難である。
また、特許文献3には、咀嚼力が弱い場合でも好適に食することができる麺として、麺厚が2mm以下であり、麺長が5cm以下の乾燥麺状食品が開示されている。麺長に関しては、上述した特許文献2に開示された包装冷凍茹で麺においても、3cm又は5cmに短くカットされている。しかし、麺線長が5cm以下と短くカットされた場合、麺らしい見た目を伴っておらず、また箸で掴んで麺を口腔内に運ぶことができないため、麺類を食べている実感がわかないという問題があった。更に、麺長を短くすることで、きざみ食のように口腔内でばらけやすく、食塊を形成しづらいため嚥下しにくいという問題もあった。
更に、破断応力が低くやわらかい麺が必ずしも咀嚼・嚥下困難者を対象とした介護食として適切であるわけではない。すなわち、特に嚥下性については、破断応力以外に嚥下性に影響を及ぼす要因が多く、例えば口の中で分散し易く、食塊を形成しづらい麺は、やわらかくても飲み込み難く、嚥下性が悪いものとなる。このような麺は咀嚼・嚥下困難者を対象とした介護食として適切ではない。
特開2009-219362号公報 特許第4685837号公報 特開2001-352925号公報
本発明は、麺類本来の風味、適度な弾力及び外観を維持しつつ、やわらかく咀嚼性に優れ、且つ嚥下性にも優れる蒸し麺及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1側面によると、
水分含有率が61.5質量%以上66.0質量%以下であり、品温20℃における破断応力が1.0×10N/m以上1.8×10N/m未満であり、品温20℃におけるもろさ応力が7.5×10N/m以下である蒸し麺の製造方法であって、
麺線に蒸煮を施すこと、
上記蒸煮中に上記麺線に第1のシャワー水を噴射すること、及び
上記蒸煮後に上記麺線に第2のシャワー水を噴射すること
を含み、
上記麺線に噴射する上記第1のシャワー水の水量が、上記麺線1g当たり6.0mL/g以上12.00mL/g以下の範囲内であり、上記麺線に対する上記第2のシャワー水の水量が、上記麺線1g当たり5.0mL/g以上10.00mL/g以下の範囲内である蒸し麺の製造方法が提供される。
本実施形態に係る製造方法において、上記蒸煮工程における蒸煮時間は、5分以上であってよい。
本実施形態に係る製造方法において、上記蒸し麺は、小麦粉を含む穀粉及びでん粉からなる主原料を含んでよく、上記主原料の総質量に対する上記でん粉の配合率は6質量%以上であってよい。
本実施形態に係る製造方法において、上記蒸し麺は、エーテル化されたタピオカでん粉を含有してよく、上記破断応力の分散が1.0×109N/m以下であり、且つ、上記破断応力の標準偏差が5.0×10N/m以下であってよい。
本実施形態に係る製造方法は、調理する工程を更に含んでよい。
本実施形態に係る製造方法において、上記蒸し麺は焼そばであってよい。
本実施形態に係る製造方法は、冷凍又は冷蔵する工程を更に含んでよい。
本発明の第2側面によると、水分含有率が61.5質量%以上66.0質量%以下であり、品温20℃における破断応力が1.0×10N/m以上1.8×10N/m未満であり、品温20℃におけるもろさ応力が7.5×10N/m以下である蒸し麺が提供される。
本実施形態に係る蒸し麺は、小麦粉を含む穀粉及びでん粉からなる主原料を含んでよく、上記主原料の総質量に対する上記でん粉の配合率は6質量%以上であってよい。
本実施形態に係る蒸し麺は、エーテル化されたタピオカでん粉を含有してよく、上記破断応力の分散が1.0×109N/m以下であり、且つ、上記破断応力の標準偏差が5.0×10N/m以下であってよい。
本実施形態に係る蒸し麺は、麺線の長さが5cm超20cm以下であってよい。
本実施形態に係る蒸し麺は、調理済み蒸し麺であってよい。
本実施形態に係る蒸し麺は、焼そばであってよい。
本実施形態に係る蒸し麺は、冷凍麺又はチルド麺であってよい。
本発明によれば、麺類本来の風味、弾力及び外観を維持しつつ、やわらかく咀嚼性に優れ、且つ嚥下性にも優れる蒸し麺及びその製造方法が提供される。
本発明の実施形態に係る蒸し麺の製造方法の一例を説明するための概略図。 蒸し麺の水分含有率と破断応力(平均値)に関するグラフ。 蒸し麺の水分含有率と破断応力(平均値)に関するグラフ。 蒸し麺の水分含有率と破断応力(平均値)に関するグラフ。 蒸し麺の水分含有率と破断応力(平均値)に関するグラフ。 蒸し麺の水分含有率と破断応力(平均値)に関するグラフ。
以下に、本発明の実施形態について説明する。
本発明の第1実施形態は蒸し麺であり、特に電子レンジにより加熱し、あるいは包装を開封せずに袋のまま湯煎にかけるだけで喫食可能となる有用な蒸し麺である。本実施形態に係る蒸し麺の種類として、例えば、中華麺、うどん、蕎麦、パスタ等が挙げられ、調理済み蒸し麺として、例えば、焼そば、焼うどん、スパゲティ等が挙げられる。本実施形態に係る蒸し麺は、通常、冷凍麺又はチルド麺(冷蔵麺)の形態で流通するものである。
本実施形態に係る蒸し麺は、水分含有率が61.5質量%以上66.0質量%以下であり、後述する方法により測定される品温20℃における破断応力が1.0×10N/m以上1.8×10N/m未満であり、且つ、もろさ応力が7.5×10N/m以下である蒸し麺である。本実施形態に係る蒸し麺は、以下に詳述する第2実施形態に係る蒸し麺の製造方法により製造することができる。
本実施形態に係る蒸し麺の製造方法は、麺線に蒸煮を施す工程を含み、上記蒸煮工程の間に麺線に第1のシャワー水を噴射すること、及び、上記蒸煮工程の後に麺線に第2のシャワー水を噴射することを含む。本実施形態に係る蒸し麺の製造方法は、一形態において、所定の厚さに麺帯を圧延する工程、圧延後の上記麺帯を麺線に切り出す工程、及び、麺線に蒸煮を施す工程を含み、蒸煮工程の間に麺線に第1のシャワー水を噴射すること、及び、蒸煮工程の後に麺線に第2のシャワー水を噴射することを含む。以下、本実施形態に係る蒸し麺の製造方法の一例を、図1を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る蒸し麺の製造方法の一例を説明するための概略図である。図1中、麺帯aは、麺生地を図示しない圧延ロールによって常法により連続的に圧延して形成された麺帯であり、圧延ロール1により所定の厚みに仕上げられる。
本実施形態に係る蒸し麺の製造方法において、麺帯aの形成に用いられる麺生地は、穀粉を含む主原料に、副原料を溶解した水溶液を添加し、これをミキサーなどを用いて混練することにより得られる。主原料は、穀粉として小麦粉を含有する。小麦粉の一部を、例えば、米粉、そば粉、トウモロコシ粉などの他の穀粉で代替したものを使用してもよい。
主原料として、穀粉に加えてでん粉を含有することが、水分含有率の向上及び品質の安定性の観点から好ましい。ここで品質の安定性とは、後述する方法により測定される破断応力の分散と標準偏差が小さく、蒸し麺のやわらかさにばらつきがないことを意味する。
でん粉としては、タピオカでん粉、馬鈴薯でん粉、コーンスターチでん粉等が挙げられ、これらは生でん粉であってもよいし、生でん粉をエステル化、エーテル化、酸化するなどした加工でん粉であってもよい。本実施形態において、上記でん粉としてタピオカを原料とする加工でん粉を使用することが、所望とする水分含有率を有する蒸し麺を得るために好ましい。タピオカ加工でん粉としては、エーテル化されたタピオカでん粉であることが、上述した品質の安定性の観点から更に好ましい。
本実施形態に係る蒸し麺がでん粉を含有する場合、でん粉の配合率は、穀粉とでん粉からなる主原料の総質量に対して6質量%以上であることが好ましく、6質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上30質量%以下であることが更に好ましい。
本実施形態において、麺生地に含有される他の原料として、食塩、かんすい、増粘多糖類、植物性蛋白質、卵粉、やまいも粉、色素、食品添加物等、麺の種類に応じて通常用いられる原料が使用される。
本実施形態において、原料に対する上記水分の添加量は、麺生地の形成に必要な水分量であればよく、適宜設定される。例えば、麺生地の形成において使用される水分量は、主原料の総質量に対して30質量%以上40質量%以下であってよい。ここで「主原料」とは、麺生地がでん粉を含有しない場合は穀粉のみを意味し、でん粉を含有する場合は穀粉とでん粉を意味する。
圧延ロール1により所定の厚みに圧延された麺帯aは、その後下方向に向けて送り出され、切刃ロール2によって麺帯aが所定の幅に切り出される。ここで切り出された麺線bは、その直下の水平コンベア3に送り出される。
本実施形態に係る蒸し麺の製造方法は、上述した麺線切り出し工程の後、切り出された麺線bにウェーブを形成する工程を更に含んでいてよい。麺線bにウェーブを形成する場合、例えば、水平コンベア3の走行速度を、切刃ロール2での麺線bの搬送速度よりも若干遅くすることにより麺線bの各々に最初のウェーブが形成される。また、切刃ロール2には、図示しない公知のウェーブボックス(導管)又はウェーブ形成ゴムが取り付けられていてよい。これにより麺線bにより強いウェーブを形成することができる。
水平コンベア3上に送られた麺線bは、ウェーブを形成したままで所定の距離を搬送され、その端部より連続的に垂下されて搬送コンベア4に送られる。麺線bの垂下により、ウェーブのかけられた麺線bは一旦伸長し、形成されたウェーブは小さくなるが、このときウェーブが完全に消去されないようにする。例えば、水平コンベア3と搬送コンベア4の高さの差を調整することで麺線bが垂下される高さを所定の高さとする。このようにして麺線bはウェーブが残存した状態で搬送コンベア4に送られる。
本実施形態において搬送コンベア4に送られた麺線bは、ここで再びウェーブを付与される。例えば、麺線bの搬送速度よりも搬送コンベア4の走行速度を遅くすることにより、搬送コンベア4に送られてきた麺線bに再びウェーブを付与することができる。搬送コンベア4において麺線bに付与されるウェーブは、あらかじめ任意の方向に曲げられた残存するウェーブを有する麺線bに対し再び付与されるものであるから、各麺線bに対するウェーブの方向は著しくランダムに変位する方向性が与えられ、その結果、麺線bにはほぐし処理が行われたことになる。麺線bにウェーブが形成され、更にほぐし処理が行われることにより、各麺線間に空隙が多く設けられ、麺線同士が上下に積み重ならず、接触部分を小さくすることができるため、麺線間の結着を効果的に抑制することができる。
搬送コンベア4には起端側から終端側にかけて蒸煮装置5が附設されており、搬送コンベア4に送られた麺線bに蒸煮処理が施される。この蒸煮装置5は、搬送コンベア4の起端から終端にわたって上部側に蒸しボックス6(トンネルタイプの蒸し室)を含み、この蒸しボックス6の長手方向に蒸気供給用パイプ7が配管され、これにより蒸気が蒸しボックス6内に供給されている。蒸煮処理における蒸気の温度は、例えば、90℃以上100℃以下の範囲内であってよい。また、蒸煮時間は、一例によれば5分以上であってよく、他の例によれば5分以上10分以下の範囲内であってよく、他の例によれば6分以上8分以下の範囲内であってよい。
蒸しボックス6の上側の長手方向略中央には、走行する搬送コンベア4上の麺線bに向かってシャワー水を噴射する第1のシャワー装置8が設けられている。これによって搬送コンベア4で移送される麺線bに蒸し途中でシャワー水が噴射される。第1のシャワー装置8から噴射されるシャワー水の温度は、例えば10℃乃至90℃以下である。以下において、第1のシャワー装置8から麺線bに噴射されるシャワー水を「第1のシャワー水」という。
第1のシャワー装置8が設置される位置及び数は特に限定されるものではない。蒸しボックス6内に設置された第1のシャワー装置8が1個の場合、図1に示されるように、蒸しボックス6の長手方向の略中央に設置されてもよいし、他の位置でもよい。また、蒸しボックス6内に設置された第1のシャワー装置8が複数の場合、複数の第1のシャワー装置8が、麺線bの搬送方向に沿って所定間隔で設置されることが好ましい。例えば、蒸しボックス6内に設置された第1のシャワー装置8が3個の場合、蒸しボックス6を長手方向に略3等分に区切ってみたとき、各区分の適当な位置に1個ずつの第1のシャワー装置8が設置される。
本実施形態に係る蒸し麺の製造方法において、麺線bに噴射される第1のシャワー水の水量は、麺線bの1g当たり6.00mL/g以上12.00mL/g以下の範囲内であり、好ましくは6.60mL/g以上10.00mL/g以下の範囲内である。なお、蒸しボックス6内に2以上の第1のシャワー装置8が設置されている場合、麺線bに噴射される第1のシャワー水の上記水量は、すべての第1のシャワー装置8から噴射される第1のシャワー水の合計の水量を意味する。
ここで、麺線bに噴射される単位質量(1g)当たりの第1のシャワー水の水量、並びに、後述する第2のシャワー水の水量は、以下の方法で測定される。
例えば、搬送コンベア4に積載した麺線bを一定区間で切り取り、質量を計測し、単位面積当たりの麺線質量(A)を算出する。また、麺線bを積載していない搬送コンベア4上に、トレー等の上面が開口した容器を設置した状態で蒸煮装置5を稼働させ、上記容器でシャワー水を受けることで噴射されたシャワー水の質量を計測する。このシャワー水の質量をトレー面積で除すことで、単位面積当たりのシャワー量(B)を得る。そして(B)を(A)で除すことで麺線bに噴射される単位質量(1g)あたりのシャワー量(mL/g)を得る。なお、シャワー量(B)の測定においては、上述の方法に限らず、搬送コンベア4の移動速度を測定する等して単位面積当たりに噴射されるシャワー量(B)を算出してもよい。
蒸し麺の製造方法において、蒸し工程の途中で麺線にシャワー水をかけることは広く行われている。これは主として加熱された麺線の表面部を洗い流すために行われている。
すなわち、例えば蒸し麺がかんすい(アルカリ剤)を含有する中華麺の場合は、加熱された麺線の表面部をシャワー水で洗い流すことにより、かんすい(アルカリ剤)の存在により蒸煮中に麺が焼け焦げる現象、いわゆるかんすい焼けを防止する。また、蒸し工程ではでん粉がα化されるが、α化には水分の蒸発が伴うため、蒸し工程では麺線への吸水と麺線からの水分の蒸発が同時に起こる。しかしながら、一旦表面がα化されそこに水分がなくなると、麺線の表面がα化されたでん粉によりコーティングされ、中から水分が移動しにくくなり、蒸煮効率が悪化する。また、α化されたでん粉が麺線の表面をコーティングする場合、隣り合う面がこのα化されたでん粉によりくっついてしまうという問題も生じる。これらを防止するために、蒸し工程の途中でシャワー水により麺線の表面を洗い流すことが行われている。
このように、従来蒸し工程の途中で行われる麺線へのシャワーは、麺線の表面を洗い流し、表面を水で湿らせることを主たる目的として行われているものであり、麺線に噴射されるシャワー水の水量は、上述した本実施形態における第1のシャワー水の水量と比べ少ない量であった。このため従来の蒸し麺の製造方法により得られる蒸し麺の水分含有率は低く、本実施形態に係る蒸し麺のように、水分含有率が61.5質量%以上の蒸し麺は存在しなかった。
本実施形態に係る蒸し麺の製造方法では、蒸煮処理中に麺線bに上記水量の第1のシャワー水を噴射することにより、麺のα化を効率よく進行させるだけでなく、61.5質量%以上という極めて高い水分含有率を有する蒸し麺を得ることを可能とする。蒸煮工程で水分含有率の高い麺線に仕上げられた蒸し麺はやわらかいが、例えば茹でのびてやわらかくなった麺とは異なる性質を有する。すなわち、本実施形態に係る蒸し麺の製造方法により得られる蒸し麺は、適度な弾力性を有しつつ、やわらかく咀嚼性に優れ、且つ嚥下性にも優れている。
蒸煮処理が完了した麺線bは、蒸しボックス6を出た後、再度シャワー水が施される。図1において、蒸しボックス6の図示しない出口付近には、第2のシャワー装置9が設置され、蒸しボックス6から出た直後の蒸し麺bにシャワー水が施される。以下において、第2のシャワー装置9から麺線bに噴射されるシャワー水を「第2のシャワー水」という。
上記水量の第1のシャワー水が施された麺線bは、多量の水分を含有するが、蒸しボックス6から出てきた直後の麺線bは高温であるため、第2のシャワー水を施さない場合は麺線から水分が蒸発し、所望とする高水分含有率の麺線bを得ることが困難となる。蒸煮処理が完了した直後の麺線bに第2のシャワー水を噴射することにより、麺線からの水分の蒸発と麺線への吸水が同時に起こり、所望とする水分含有率を有する蒸し麺を得ることが可能となる。また、第2のシャワー水を噴射することにより、麺線表面に付着したでん粉の更なる洗い流しや、麺の一時的な急冷による引き締まりがもたらされる効果もある。
本実施形態に係る蒸し麺の製造方法において、麺線bに噴射する第2のシャワー水の水量は、麺線bの1g当たり5.00mL/g以上10.00mL/g以下の範囲内であり、好ましくは5.50mL/g以上8.50mL/g以下の範囲内である。また、第2のシャワー水の温度は、例えば10℃乃至30℃以下であればよい。
本実施形態に係る蒸し麺の製造方法は、第2のシャワー水を噴射する工程の後、麺線bを引き伸ばす工程を更に含んでいてよい。この場合、図1に示すように、搬送コンベア4の終端には、麺線bを引き伸ばすための網状ベルトを備えた引っ張りコンベア10が設けられている。この引っ張りコンベア10を搬送コンベア4より若干早い速度で走行させることにより、第2のシャワー水を施され冷却された麺線bが引き伸ばされる。麺線4の引き伸ばしにより、麺線bがほぐされる。すなわち、麺線bが引き伸ばされることにより、麺線同士の重なりや接点、結着しつつある箇所が引き剥がされ、麺線がほぐされる。
本実施形態に係る蒸し麺の製造方法は、麺線を所定の長さにカットする工程を含む。カットされた麺線には、通常、麺線同士が結着することを防止するために植物油等の液体油が添加される。
また、本実施形態に係る蒸し麺の製造方法は、調理工程を更に含んでいてよい。調理工程は、例えば、焼成工程及び/又は調味工程を含む。焼成工程及び調味工程は同時に実施されてもよいし、別々に実施されてもよい。
例えば、引っ張りコンベア10上で引き伸ばされた麺線bは、その後連続的に図示しないコンベアで搬送され、図示しない回転刃によって適当な麺線長に切断される。この麺に油を添加する等し、原麺として冷蔵保管される。次いで、麺線は調味液とともに回転焼成機に投入され、焼成と調味付けが施される。
本実施形態に係る蒸し麺の製造方法は、冷却工程を更に含んでいてよい。例えば、調理工程が施された麺線は、ファン冷却される。
本実施形態において、カット後の麺線の長さは、例えば、5cm超20cm以下であってよく、他の例によれば、10cm以上15cm以下であってよい。麺線における5cm超という長さは、例えば箸で麺線1本の中央部を持ち上げて麺線が折れ曲がった際に、麺線端部どうしが接触することができる長さである。この場合、見た目において、また喫食した感じにおいても麺らしさを感じることができる。本実施形態に係る蒸し麺は、やわらかく咀嚼性に優れ、且つ嚥下性にも優れるため、麺線長が5cm超であっても20cm以下程度であれば、咀嚼又は嚥下困難者であっても容易に摂食することができる。また、麺線長が20cm以下である場合、麺が絡むことがなく、一口量を容易に箸で掴むことができ、更に、麺をすする際の吸引力も小さくて済む。
本実施形態に係る蒸し麺は、上記の通り、冷凍麺又はチルド麺(冷蔵麺)の形態で流通し、電子レンジにより、あるいは湯煎にかけて復元して喫食するものである。本実施形態に係る蒸し麺の製造方法では、上記工程を経て製造された麺線を小分けして包装した後、冷凍麺の場合は例えば-30℃以下の冷凍条件で急速冷凍し、チルド麺の場合は例えば0℃以上10℃以下のチルド温度帯で冷却する。
本実施形態に係る蒸し麺は、上述した通り、水分含有率が61.5質量%以上66.0質量%以下の範囲内である。破断応力が低くやわらかい麺であっても、水分含有率が61.5質量%より低い場合、飲み込み難く、嚥下性が悪いものとなる。本実施形態に係る蒸し麺の水分含有率は、好ましくは62.0質量%以上65.0質量%の範囲内である。ここで水分含有率とは、赤外線水分計を用い後述する条件で測定されるものである。
また、本実施形態に係る蒸し麺は、品温20℃における破断応力が1.0×10N/m以上1.8×10N/m未満の範囲内であり、好ましくは1.1×10N/m以上1.6×10N/m以下の範囲内であり、より好ましくは1.3×10N/m以上1.5×10N/m以下の範囲内である。ここで破断応力とは、サンプル100gから任意に選択した10本の麺線について測定した破断応力の平均値である。破断応力は、選択した各麺線を試料台に載台し、クリープメータ2軸物性試験システム(型式:RE2-33005C(XZ)、株式会社山電)を用いて、試料台に載台した麺線に対して上面方向から先端幅1mmのくさび型(治具No.49(株式会社山電))を、測定速度0.05mm/秒、測定歪率95%で貫入することにより測定される。
また、本実施形態に係る蒸し麺は、品温20℃におけるもろさ応力が7.5×10N/m以下であり、好ましくは2.0×10N/m以上7.5×10N/m以下である。もろさ応力が7.5×10N/mを超えると、破断応力が上記範囲内にあり適度な柔らかさを有していたとしても、麺を噛んだ瞬間の抵抗が少なく弾力性に乏しいものとなる。ここでもろさ応力は、破断応力の測定において使用した10本の麺線について算出したもろさ応力の平均値であり、上述した破断応力の測定結果より算出される。
なお、測定サンプルがチルド麺の場合は、ウォーターバスで品温20℃に調整した蒸し麺を、水分含有率及び破断応力の測定用サンプルとした。また、測定サンプルが冷凍蒸し麺の場合は、電子レンジ加熱又は湯煎により解凍した後、ウォーターバスで品温20℃に調整した蒸し麺を、水分含有率及び破断応力の測定用サンプルとした。
本実施形態に係る蒸し麺は、破断応力の分散と標準偏差が小さく、やわらかさにばらつきがなく品質の安定性にも優れる。本実施形態に係る蒸し麺において、後述する方法により測定される破断応力の分散は1.0×10N/m以下であることが好ましく、8.0×10N/m以下であることがより好ましい。また、破断応力の標準偏差は5.0×10N/m以下であることが好ましく、3.0×10N/m以下であることがより好ましい。
以下に、本発明に関連して行った試験について図1を参照しながら記載する。
<試験例1>
例101
小麦粉86.2質量部と、タピオカのエーテル加工でん粉13.8質量部とからなる主原料100質量部を、ミキサー(大竹式渦巻捏機(13kg用)、株式会社大竹麺機)に投入し混合した。主原料とは別に、水96.6質量部に精製塩2.5質量部、かんすい0.7質量部及び黄色色素0.2質量部を加えて撹拌し、溶解することにより、副原料の水溶液を調整した。次いで、この副原料の水溶液を上記ミキサー内の主原料に加え、混練することにより、麺生地Iを得た。
得られた麺生地Iを、図示しない圧延ロールによって常法により連続的に圧延して麺帯aを形成し、圧延ロール1での最終的な圧延により、厚さ約1.3mmの麺帯aを形成した。これを切刃ロール2で切り出して幅約1.5mmの麺線bを得た。
上述した方法により搬送コンベア4に送られた麺線bに対し、蒸煮装置5により蒸煮処理が施される。蒸しボックス6内における蒸気の温度は100℃とし、蒸し時間は6分間とした。ここで使用した蒸煮装置5が備える蒸しボックス6内には、3個の第1のシャワー装置8が設置されている。蒸しボックス6の全長は約500cmであり、これを麺線bの入り口側から長手方向に0cm~100cmの第1区分、100cm~300cmの第2区分、300cm~500cmの第3区分に分けてみたとき、各区分に1個の第1のシャワー装置8が配置されるように3つの第1のシャワー装置8が設置されている。また、搬送コンベア4の上方10cmの位置から第1のシャワー水が麺線bに噴射される位置にこれら3個の第1のシャワー装置8が設置されている。
これら3個の第1のシャワー装置8によって、搬送コンベア4で移送される麺線bに蒸し途中で第1のシャワー水が噴射される。第1のシャワー装置8から噴射される第1のシャワー水の温度は、20℃とした。このときの麺線bに噴射される第1のシャワー水の合計水量は、麺線bの1g当たり6.57mL/gであった。第1のシャワー水の水量は上述した方法により測定した。
蒸煮処理が完了し、蒸煮装置5を出た麺線bに、第2のシャワー装置9から第2のシャワー水を噴射した。第2のシャワー水の温度は20℃とし、水量は麺線bの1g当たり6.59mL/gとした。第2のシャワー水の水量は上述した方法により測定した。
その後、麺線bを15cmの長さにカットした後、電子レンジ又は湯煎に対応した包装容器に100g分取し、-40℃に保持してある冷凍庫に移して急速冷凍することにより、冷凍蒸し麺を得た。
例102
例101に対し、麺線bに噴射する第1のシャワー水の水量を、麺線b1g当たり6.57mL/gから7.73mL/gに変更した以外は例101と同様の条件で冷凍蒸し麺を作製した。なお、麺線b1g当たりの第1のシャワー水の水量の変更は、第1のシャワー装置を取り換えて麺線bに噴射される単位時間当たりの水量を変更することにより行った。試験例1の他の例においても同様である。
例103
例101に対し、麺線bに噴射する第1のシャワー水の水量を、麺線bの1g当たり6.57mL/gから11.03mL/gに変更した以外は例101と同様の条件で冷凍蒸し麺を作製した。
比較例101
例101に対し、麺線bに噴射する第1のシャワー水の水量を、麺線bの1g当たり6.57mL/gから3.21mL/gに変更した以外は例101と同様の条件で冷凍蒸し麺を作製した。
比較例102
例101に対し、麺線bに噴射する第1のシャワー水の水量を、麺線bの1g当たり6.57mL/gから4.85mL/gに変更した以外は例101と同様の条件で冷凍蒸し麺を作製した。
得られた各冷凍蒸し麺について、以下の方法で水分含有率、破断応力及びもろさ応力を測定した。破断応力については分散と標準偏差を算出した。
(水分含有率)
各冷凍蒸し麺を沸騰水中で5分間湯煎解凍し、ウォーターバスで品温20℃に調整したものを測定用サンプルとし、表1に示す条件で水分含有率を測定した。結果を表3に示す。
(破断応力及びもろさ応力)
各冷凍蒸し麺を沸騰水中で5分間湯煎解凍し、ウォーターバスで品温20℃に調整したサンプル100gから任意に選択した10本の麺線各々について、表2に示す条件で破断応力を測定し、その平均値を破断応力とした。破断応力(平均値)の分散及び標準偏差、並びにもろさ応力は、破断応力の測定値から破断強度解析ソフト BAS-3305 Windows(登録商標)版 Ver.2.5(株式会社山電)を使用して算出した。結果を表3及び図2に示す。
例102及び103の冷凍蒸し麺については、後掲の<試験例6>において、食感、咀嚼性及び嚥下性に関する官能評価試験を行った。
<試験例2>
例201乃至206、及び、比較例201乃至203
例102(蒸し時間6分)に対し、蒸し時間、第1のシャワー水の水量及び第2のシャワー水の水量を表4に記載の通りに変更することにより、例201乃至206及び比較例201乃至203の冷凍蒸し麺を製造した。
なお、蒸し時間の変更においては、麺線bが積載されている搬送コンベア4の搬送速度を変更することで調整した。このとき例102で使用した第1のシャワー装置及び第2のシャワー装置と同じシャワー装置を使用し、各例及び比較例の間で第1のシャワー装置及び第2のシャワー装置から単位時間あたりに噴射される水量を固定量としたため、蒸煮時間の長さにほぼ比例して麺線bの1g当たりに噴射される第1のシャワー水及び第2のシャワー水の水量が多くなる。
得られた各冷凍蒸し麺について、試験例1で説明した方法で水分含有率、破断応力を測定し、破断応力については試験例1と同様に分散及び標準偏差、並びにもろさ応力を算出した。結果を表4及び図3に示す。
<試験例3>
例301
例102に対し、でん粉(タピオカのエーテル加工でん粉)を使用せず、主原料を小麦粉100質量部に変更した以外は例102と同様の条件で冷凍蒸し麺を作製した。
例302
例102に対し、主原料中のでん粉(タピオカのエーテル加工でん粉の)の配合率を変更し、小麦粉93.1質量部とタピオカのエーテル加工でん粉6.9質量部とからなる主原料100質量を使用した以外は例102と同様の条件で冷凍蒸し麺を作製した。
例303
例102に対し、主原料中のでん粉(タピオカのエーテル加工でん粉の)の配合率を変更し、小麦粉79.3質量部とタピオカのエーテル加工でん粉20.7質量部とからなる主原料100質量を使用した以外は例102と同様の条件で冷凍蒸し麺を作製した。
例304
例102に対し、主原料中のでん粉(タピオカのエーテル加工でん粉の)の配合率を変更し、小麦粉72.4質量部とタピオカのエーテル加工でん粉27.6質量部とからなる主原料100質量を使用した以外は例102と同様の条件で冷凍蒸し麺を作製した。
得られた各冷凍蒸し麺について、試験例1で説明した方法で水分含有率、破断応力を測定し、破断応力については試験例1と同様に分散及び標準偏差、並びにもろさ応力を算出した。結果を表5及び図4に示す。
<試験例4>
例401
例102に対し、でん粉として、タピオカのエーテル加工でん粉に替えて馬鈴薯の酢酸エステル加工でん粉を使用したこと以外は例102と同様の条件で冷凍蒸し麺を作製した。
得られた冷凍蒸し麺について、試験例1で説明した方法で水分含有率、破断応力を測定し、破断応力については試験例1と同様に分散及び標準偏差、並びにもろさ応力を算出した。結果を表6及び図5に示す。
<試験例5>
市販されている一般的な冷蔵焼そばを用いて試験を行った。この市販品は10℃以下のチルド帯で保存される冷蔵焼そばであり、麺と粉末ソースから構成され、喫食時にフライパンで炒め調理するタイプである。この冷蔵焼そばについては、調理方法として、炒める際に麺150gに対し水60mLを添加することが推奨されている。
比較例501
上記冷蔵焼そばを、調理することなくウォーターバスで品温20℃に調整したものを試験用サンプルとして使用した。
比較例502
サラダ油8cc及び水60mLが入ったフライパンを加熱し、水が沸騰し始めたら150gの上記冷蔵焼そばを投入した。麺をほぐしながら強火で加熱し、2分程度経過したところで一旦消火した。粉末ソースを添加し麺と粉末ソースを手早く混ぜ、再度点火し、麺を返しながら強火で30秒加熱することにより焼そばを調理した。得られた焼そばを密封包装し、ウォーターバスで品温20℃に調整したものを試験用サンプルとした。
比較例503
比較例502に対し、添加する水の量を60mLから90mLに変更したこと以外は比較例502と同様の方法により、焼そばを調理した。得られた焼そばを密封包装し、ウォーターバスで品温20℃に調整したものを試験用サンプルとした。
比較例504
比較例502に対し、添加する水の量を60mLから120mLに変更したこと以外は比較例502と同様の方法により、焼そばを調理した。得られた焼そばを密封包装し、ウォーターバスで品温20℃に調整したものを試験用サンプルとした。
得られた各焼そばについて、試験例1で説明した方法で水分含有率、破断応力を測定し、破断応力については試験例1と同様に分散及び標準偏差、並びにもろさ応力を算出した。結果を表7及び図6に示す。
また、比較例502乃至504の焼そばについては、後掲の<試験例6>において、食感、咀嚼性及び嚥下性に関する官能評価試験を行った。
<試験例6>
上掲で得た例101及び102の冷凍蒸し麺、並びに、比較例502乃至504の焼そばについて、食感、咀嚼性及び嚥下性に関する官能評価試験を行った。
本試験例において、食感、咀嚼性及び嚥下性の評価は、以下に示す観点から行っている。
食感:のびた感じがせず、モチモチ感やコシで表現される食感(弾力性)を感じることができるか。
咀嚼性:蒸し麺のやわらかさと噛み切りやすさ。
嚥下性:咀嚼による食塊のまとまりやすさと飲み込みやすさ。
上記食感、咀嚼性及び嚥下性からなる3つの評価項目について、訓練され官能的識別能力を備えた5人のパネラーに委託して官能評価を行った。官能評価は下記に示す5段階の評価基準に基づき行われた。このとき、5人のパネリスト間において基準が共通するように、例102のサンプルに関する上記3項目の評価をいずれも4(とても良い)に設定した。例101、比較例502乃至504の各サンプルに関する上記3項目の評価は、例102に対する相対評価として評価するものとした。評価結果はパネリスト5人の評価の平均値とした。結果を表8に示す。なお、下記評価基準において、「3:良い(例102よりやや劣る)。」は、製品の品質として問題ないレベルである。
<評価基準>
5:非常に良い(例102より良い)。
4:とても良い(例102と同等)。
3:良い(例102よりやや劣る)。
2:やや悪い(例102より劣る)。
1:悪い(例102よりもかなり劣る)。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
1…圧延ロール、2…切刃ロール、3…水平コンベア、4…搬送コンベア、5…蒸煮装置、6…蒸しボックス、7…蒸気供給用パイプ、8…第1のシャワー装置、9…第2のシャワー装置、10…引っ張りコンベア、a…麺帯、b…麺線

Claims (14)

  1. 水分含有率が61.5質量%以上66.0質量%以下であり、品温20℃における破断応力が1.0×10N/m以上1.8×10N/m未満であり、品温20℃におけるもろさ応力が7.5×10N/m以下である蒸し麺の製造方法であって、
    麺線に蒸煮を施すこと、
    前記蒸煮中に前記麺線に第1のシャワー水を噴射すること、及び
    前記蒸煮後に前記麺線に第2のシャワー水を噴射すること
    を含み、
    前記麺線に噴射する前記第1のシャワー水の水量が、前記麺線1g当たり6.00mL/g以上12.00mL/g以下の範囲内であり、前記麺線に対する前記第2のシャワー水の水量が、前記麺線1g当たり5.00mL/g以上10.00mL/g以下の範囲内である蒸し麺の製造方法。
  2. 前記蒸煮工程における蒸煮時間が5分以上である請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記蒸し麺は、小麦粉を含む穀粉及びでん粉からなる主原料を含み、前記主原料の総質量に対する前記でん粉の配合率が6質量%以上である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記蒸し麺は、エーテル化されたタピオカでん粉を含有し、前記破断応力の分散が1.0×109N/m以下であり、且つ、前記破断応力の標準偏差が5.0×10N/m以下である請求項1乃至3の何れか1項に記載の製造方法。
  5. 調理する工程を更に含む請求項1乃至4の何れか1項に記載の製造方法。
  6. 前記蒸し麺が焼そばである請求項1乃至5の何れか1項に記載の製造方法。
  7. 冷凍又は冷蔵する工程を更に含む請求項1乃至6の何れか1項に記載の製造方法。
  8. 水分含有率が61.5質量%以上66.0質量%以下であり、品温20℃における破断応力が1.0×10N/m以上1.8×10N/m未満であり、且つ、品温20℃におけるもろさ応力が7.5×10N/m以下である蒸し麺。
  9. 小麦粉を含む穀粉及びでん粉からなる主原料を含み、前記主原料の総質量に対する前記でん粉の配合率が6質量%以上である請求項8に記載の蒸し麺。
  10. エーテル化されたタピオカでん粉を含有し、前記破断応力の分散が1.0×109N/m以下であり、且つ、前記破断応力の標準偏差が5.0×10N/m以下である請求項8又は9に記載の蒸し麺。
  11. 麺線の長さが5cm超20cm以下の範囲内である請求項8乃至10の何れか1項に記載の蒸し麺。
  12. 調理済み蒸し麺である請求項8乃至11の何れか1項に記載の蒸し麺。
  13. 前記蒸し麺が焼そばである請求項8乃至12の何れか1項に記載の蒸し麺。
  14. 冷凍麺又はチルド麺である請求項8乃至13の何れか1項に記載の蒸し麺。
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