JP2010516288A - 栄養加工スナック製品 - Google Patents

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Abstract

約10%〜約50%の脱水果物材料、所望量のオートミール、タピオカ、米及びこれらの混合物からなる群から選択される材料から作られる、約30%〜約90%のデンプン材料、約0.1%〜約5.0%の水並びに約1%〜約20%の任意成分を含むスナックチップ。少なくとも約40%のデンプン材料は、α化されることができる。スナックチップは、乾燥成分を水と組み合わせて生地を形成し、次に加熱押出成形機を使用せずにシート化し、乾燥し、半製品を形成することにより作られ、半製品は調理されてスナックチップを形成する。

Description

本発明は、本物の風味を有する栄養加工スナック製品に関する。
デンプンベース材料を含む生地から調製される加工スナック製品は、当該技術分野において周知である。ジャガイモベース生地及びこれらから作られるスナックは、特に周知である。これらの生地は、典型的には油で揚げられる又はベークされてスナックチップを形成する。しかしながら、消費者は、デンプン材料以外の健康に良い成分を含有するスナック製品を求めている。更に消費者は、スナックチップに、より良好な風味及び栄養を要求してきている。全世代がスナックを食するが、子供達がこれらの製品の大量消費者であり、子供達が食するのを楽しむスナック製品から、より多くの栄養を得ることができるならば、これは非常に望ましい。人工の風味料及び防腐剤なしに良好な味のスナック製品を製造することは、更に望ましい。特にスナックが低油脂でありかつ125カロリー未満を有する場合、1食で、(USDA食物ガイドピラミッド(USDA Food Guide Pyramid)に記載されているような)1食分又は半食分の果物、野菜、乳製品又はタンパク質を提供することができるスナック製品は、更により望ましい。
例えば、消費者は、果物及び野菜ベーススナックを食するのを好む。果物及び多くの野菜、並びにこれらの材料の脱水形態は、典型的には高濃度の糖分及び水分を含有する。これらの製品から作られるスナックは調理時に火にかけることで、特に揚げること、ベーキング、押出成形及び他の加熱処理の間に風味を失う傾向がある。また、果物及び野菜成分の製造者は通常、二酸化硫黄、亜硫酸水素塩物質など又はアスコルビン酸若しくはクエン酸といった有機酸などの防腐剤により初期生成物を前処理する。これらの防腐剤は、果物又は野菜の変色を促進させ、調理及び他の処理工程中の褐変反応を増大させる場合がある。更にこれらの成分は、天然製品及び「防腐剤無添加」である、と明言するものには受容不可である。これらの理由により、揚げられる又は調理される果物ベーススナック製品は、消費者に受容可能な形式に作ることが困難であると判明している。
同様に、肉、チーズ、木の実、魚、穀類、卵及び他の栄養食品も、スナック食品での使用に等しく望ましいが、これらも消費者が受容可能なスナック製品に配合することが困難である。油含有量、並びにタンパク質又は繊維含有量もまた配合における課題を提示する。
より具体的には、比較的高い温度並びに薄くサクサクしたスナック製品を製造するのに必要な調理時間は、果物、野菜、肉、チーズ及び魚などのこれらの栄養添加物の風味を損なう。これらの材料の栄養価は多くの場合、調理プロセスの間も同様に、特にプロセスの間に押出し又は蒸しが使用されるときに損なわれる。したがって、新鮮な果物及び野菜などから加工される市販のスナックチップは、「本物の風味」及び主要成分の栄養価を欠いている。
本明細書で使用するとき、「本物の風味」は、リンゴ、トマト、ニンジン、海老、マグロなどの栄養構成成分の風味として又は更にサルサ若しくはピザなどの組み合わせた風味として、消費者が認識する風味を指す。例えば、加工されたリンゴチップの風味は、人工リンゴ風味料の添加なしで新鮮なリンゴの味がするべきである。同様に、トウモロコシ又は海老ベースチップは、人工風味料の添加なしで調理されたトウモロコシ又は海老のような味がするべきである。
果物、野菜、肉、チーズ、木の実、魚、穀類及び卵などを含む加工されたスナックチップにおける天然風味及び栄養価の劣化に関しては、多くの理由が存在する。これらの品目の多く、特に新鮮な果物は水分が豊富である。しかし、スナックチップは、たとえ果物から作られるものにしても、サクサクにするために並びに防腐剤なしで貯蔵安定性を維持するために、含水量は低くなければならない。生地の含水量はある程度まで調整できるが、スナック製品の総含水量は、より低くなければならない。この脱水は通常、蒸し、ベーキング又は揚げることにより行われる。大抵の場合のように、スナックチップが熱い油で揚げられるならば、生地は、総油脂含有量を低く維持するために、並びに所望のカロリー量に合わせるために、油又は油脂が、揚げる前に比較的低くなければならない。
加工チップのつなぎは典型的には、プロセスの一部として予めゲル化されているか又は加熱されているデンプン材料である。例えば、海老チップは多くの国々で非常に人気がある。砕かれた海老を典型的には、例えば米などの淡白な(bland)デンプン材料と混合し、次に生地を高温で調理してデンプンを糊化し、海老を調理する。この第1工程は海老の風味の本物感(authenticity)に負の影響を有し、一部の栄養を同様に損なう。次に生地を乾燥させ、保存安定性である「半分ベークされた」製品にする。この乾燥もまた製品の風味及び栄養を維持するのに弊害をもたらすことがある。最後に半分ベークされた製品は、揚げること、ベーキング及びマイクロ波処理などにより調理されて、サクサクのスナック製品を作る。
かつて栄養食品成分の小片、例えば、果物、野菜、肉及びチーズなどの小片をデンプンベース生地の中に添加したが、添加物の焦げた小片を有する製品しかできず、多くの場合、異臭を有した。これらの製品は良好な味がせず、浅黒いか、焦げたシミを有する場合があった。
更に、高濃度の非デンプン成分が配合されるスナックは、完成製品において異なる質感を有する。スナックの質感は、ガラス状構造が得られる温度の作用である。デンプンのガラス転移温度が高いほど、質感はよりサクサクとしたものになる。使用される非デンプン成分により、低いガラス転移温度では生地はべたついて弱くなることがあり、処理(シート化、切断及び揚げること)が困難である。結局、この種の生地を調理する場合、得られるスナックはサクサクせず、多くの場合、急速にしけてしまう。
したがって、消費者が好む特定の質感及び味の質を維持しながら、比較的高濃度の非デンプン成分、例えば、果物、野菜、肉、チーズ、木の実、魚、穀類、卵などを有する加工スナック製品を作るための配合、生地及び処理に対しての必要性が存在する。生地及びスナックは、糖分及び含水量を減らした栄養材料から作られる必要がある。また、生地シートから作られ又は押出成形され、そして次に揚げられ、部分的に揚げられ、そして次にベークされる、あるいはベークされる、良好な味がする、果物含有スナック製品に対する必要性が存在する。
本発明のこれらの利点及び他の利点は、以下の開示から明らかになるであろう。
本発明の実施形態は、約10%〜約50%の栄養材料、約0%〜約25%のオートミール、タピオカ、米及びこれらの混合物からなる群から選択される、約25%〜約90%のデンプン材料、約0.1%〜約5.0%の水並びに約1%〜約20%の任意成分を含むスナックチップを提供する。更に、本発明のいくつかの実施形態のスナックチップに使用されるデンプン材料の少なくとも約40%は、α化されることができる。任意成分は、天然又は人工風味料、風味増強剤、油脂及び油、天然甘味料、人工甘味料、非消化性油脂又は油、ビタミン又はミネラル並びにこれらの混合物からなる群から選択することができる。典型的には、食塩、砂糖、シナモン、バター、人工バター又はスパイス風味料、人工甘味料、油及び果物片が使用され得る。
本発明の別の態様では、スナックチップは、乾燥成分を水と組み合わせてシート化可能な生地を形成することにより作られることができる。生地は、調理用押出成形機を通過せずに混合し、シート化することができる。シート化した生地を、切断及び乾燥し、加工スナック製品又は「半製品」を形成することができる。この生地は、約250°F未満の温度で乾燥することができる。半製品は、保存安定性であり、貯蔵されて後で調理されることができる。半製品は、乾燥工程の直後に調理され、ベーキング、油で揚げること、真空、マイクロ波及びこれらの方法の組み合わせによりスナックチップを形成することもできる。
本発明の別の態様は、高濃度の栄養乳製品、果物、野菜及び肉又はタンパク質成分を有するスナックチップを供給する。例えば、果物、野菜、肉、チーズ、木の実、魚、穀類、卵などを有するスナックチップで、本物で天然の風味と非デンプン成分の栄養効果との両方を保持するスナックチップが所望されている。更に、本発明のいくつかの実施形態のスナックチップは、主要な天然成分に似せるために人工風味料を添加する必要なしに消費者が受容可能な味を提供することができる。これらは好ましくは、1食のスナックチップでかつ1食当たり125カロリー未満で、(米国疾病予防管理センター(United States Center for Disease Control)(ジョージア州アトランタ(Atlanta))により定義されるような)果物、野菜、乳製品又はタンパク質を提供するように配合され得る。本発明のいくつかの実施形態のスナックチップは、サクサク及びパリパリした質感及び消費者に魅力的な外見を有する。更に、これらから作られる生地及びスナックはほとんど異臭を放たない。
A.定義
本明細書で使用するとき、「糊化デンプン」は、デンプンを処理して糊化したあらゆる種類のデンプンを含む。処理済み又は市販のデンプンは、ほとんどの水分を取り除かれており、一般的に水に不溶性である。デンプンと水が加熱されるにつれて、粒子又は顆粒が水を吸収する。一般に、60℃から70℃まで、この吸収は可逆性である。しかしながら、加熱が続くと、顆粒の膨張は不可逆性となり、糊化が開始する。正確な糊化温度は、デンプンに依存する。糊化は通常、デンプンの半透明性の増加及び溶液の粘度の増加により明らかになる。デンプンはまた糊化されると複屈折を喪失する。
本明細書で使用するとき、糊化デンプンは、完全糊化、部分的糊化及びα化デンプンを含む。糊化デンプンは、湯通し、調理、部分調理及び押出成形により粉を処理したものを含むことができるが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき、「α化」は、デンプンを糊化するように処理することを意味する。α化デンプンは通常、乾燥粉末である。α化は、生地を作るのにデンプンが使用される前に行われる。
本明細書で使用するとき、「脱水果物材料」は、含水量が15%未満の未加工材料又は果物の任意の中間原料を指す。例としては、果物ベース粉、果物ベースペレット、押出成形された果物製品、乾燥果物チップ、減圧で揚げられた果物チップ、空気圧分離された(air puffed)果物含有チップ及びこれらの組み合わせが挙げられる。
本明細書で使用するとき、「栄養添加物」は、USDA食物ガイドピラミッド(USDA Food Guide Pyramid)の部分であるあらゆる食物を指す。これらには、果物、野菜、タンパク質又は肉、乳製品及び油脂が挙げられる。繊維が豊富な食物も栄養添加物である。これらの栄養添加物は、約15%未満の含水量にまで脱水されてもよい。
本明細書で使用するとき、用語「加工された」は、塊茎、穀類、マメ科植物、穀類又はこれらの混合物由来のもののような、粉、粗びき粉及び/又はデンプンを含む生地から作られる食料製品を指す。例えば、ジャガイモの一部を揚げることにより調製されたポテトチップは加工されていないが、ジャガイモフレーク及びデンプンを生地片にして揚げて作られたポテトチップは、加工されたポテトチップである。
本明細書で使用するとき、「天然デンプン」は、いかなる方法でも事前処理又は調理されていないデンプンを指し、ハイブリッドデンプンが挙げられるが、これに限定されない。
本明細書で使用するとき、「脱水ジャガイモ製品」には、ジャガイモフレーク、ジャガイモフラニュール(flanules)、ジャガイモ顆粒、ジャガイモ粒塊、任意の他の脱水されたジャガイモ材料及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき、「シート化可能な生地」は、滑らかな表面上に置かれて、破れたり又は穴を形成したりせずに所望の最終的な厚さにローラーで伸ばすことのできる凝集生地である。シート化可能な生地は、ローラーで伸ばすか、2枚のベルトの間での若しくは低作業量低温プロセスでのプレスにより形成することができる生地を含むこともできる。
本明細書で使用するとき、「デンプン」は、アミロースとアミロペクチンの両方を含有する天然又は未化工の炭水化物ポリマーを指す。これは、例えば、小麦、トウモロコシ、タピオカ、サゴ、米、ジャガイモ、オート麦、大麦及びアマランスが挙げられるがこれらに限定されないマメ科植物、穀類及び塊茎から抽出される。本明細書で使用するとき、デンプンは、例えば、マルトデキストリン、高アミローストウモロコシ、高アミロペクチントウモロコシ、純アミロース、化学的に置換されたデンプン、架橋されたデンプン及び他の変性(化学的、物理的、熱的又は酵素的変性などだが、これらに限定されない)などの加水分解デンプンが挙げられるがこれらに限定されない化工デンプンも指す。
本明細書で使用するとき、「デンプンベース粉」は、天然、脱水(例えば、フレーク、顆粒、ミール)又は粉のいずれかの形態の、デンプンを指す。デンプンベース粉としては、ジャガイモ粉、ジャガイモ顆粒、ジャガイモフラニュール(flanules)、ジャガイモフレーク、トウモロコシ粉、マサトウモロコシ粉、コーングリッツ、コーンミール、米粉、ソバ粉、オート麦粉、豆粉、大麦粉、タピオカ及びこれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。例えば、デンプンベース粉は、塊茎、マメ科植物、穀類又はこれらの混合物由来であってよい。
本明細書で使用するとき、用語「乳化剤」は、生地成分に添加された乳化剤を指す。ジャガイモフレーク(製造中に乳化剤が加工助剤として使用される)の場合のような、生地成分中に元来存在する乳化剤は、用語「乳化剤」に含まれない。
用語「油脂(fat)」及び「油(oil)」は、特に指定のない限り、本明細書では互換的に使用される。用語「油脂」又は「油」は、一般的な意味の食用油脂物質を指しており、例えば、部分的に又は完全に水素添加され又はその他の方法で変性されていてもよい、大豆油、コーン油、綿実油、ヒマワリ油、パーム油、ココヤシ油、キャノーラ油、魚油、ラード及び獣脂のような本質的にトリグリセリドからなる天然又は合成の油脂及び油、並びに部分的に又は完全に非消化性であってもよい、本明細書では非消化性油脂と呼ぶトリグリセリドと類似の特性を有する非毒性の油脂物質が挙げられる。カロリーが低減された油脂及び食用の非消化性油脂、油又は油脂代替品もこの用語に含まれる。
用語「非消化性油脂」は、部分的に又は完全に消化できない食用油脂物質、例えば、オリーン(OLEAN)(商標)のようなポリオール脂肪酸ポリエステルを指す。好ましい非消化性油脂は、スクロースポリエステルのような、トリグリセリドに似た特性を有する油脂物質である。これらの好ましい非消化性油脂は、米国特許第5,085,884号(ヤング(Young)ら、1992年2月4日発行)及び同第5,422,131号(エルセン(Elsen)ら、1995年6月6日発行)に記載されている。特に好ましい非消化性油脂の銘柄は、商品名オリーン(OLEAN)(商標)で市販されている。
用語「乾燥ブレンド」は、本明細書において、混合される材料の処理前に混合された乾燥原材料を意味する。
特に指定がない限り、百分率は全て重量に基づく。
B.スナックチップ
本発明の実施形態は、高濃度の脱水された、所望により乾燥させていない、栄養成分を有するスナックを供給する。これらは、1食28グラムのスナックでかつ1食当たり125カロリー未満で、(米国疾病予防管理センター(United States Center for Disease Control)(ジョージア州アトランタ(Atlanta))が定義するような)好ましくは半食分を超える、より好ましくは1食分を超える果物、野菜、乳製品又はタンパク質を提供するように配合される。本発明の実施形態はまた、例えば、果物、野菜、肉、チーズ、木の実、魚、全粒粉、卵などを、天然の風味及び成分からの栄養効果を提供するスナックチップの中で供給する。更に、本発明のいくつかの態様の栄養スナックは、主要な天然成分に似せるために人工風味料を添加する必要なく配合することができる。本発明のいくつかの態様のスナックは、サクサク及びパリパリした質感及び消費者に魅力的な外見を有する。更に、これらから作られる生地及びスナックはほとんど異臭を放たないでいることができる。
「スナック」及び「スナックチップ」は完全に交換可能に使用され、ヒト及び他の動物により消費可能な製品を意味する。スナック及びスナックチップの非限定的な例には、パン、クラッカー、揚げたスナック、果物及び野菜スナック、ベークした又は乾燥させたスナック、ベビーフード、ドッグフード、犬用ビスケット、他のペット用おやつ又は食品並びに任意の他の好適な食料製品のような製品が挙げられる。
本発明の果物スナックは、
(a)約10%〜約50%の脱水果物材料、
(b)約0%〜約25%のオートミール、
(c)タピオカ、米及びこれらの混合物からなる群から選択される、約25%〜約90%のデンプン
(d)約0.1重量%〜約5.0重量%、好ましくは約0.2重量%〜約重量4%、より好ましくは約0.3重量%〜約3%重量の水並びに
(e)約1%〜約20%の任意成分を含む。
スナックは、好ましくは乾燥成分を水と組み合わせて生地を形成し、次にシート化することにより作られる。シート化された生地は、乾燥し、加工スナック製品又は、保存安定性の中間体である「半製品」を形成することができる。混合及び乾燥は、低作業投入量及び250℃より低い乾燥温度を使用して行うことができる。加工スナック製品は、ベーキング、油で揚げること、真空、マイクロ波及びこれらの方法の組み合わせにより調理して栄養スナックを作ることができる。スナックチップは、最終調理中に膨張してサクサクした質感を提供することができる。
C.脱水果物材料
好ましくは、脱水果物材料は、リンゴベース粉、イチゴベース粉、バナナベース粉、洋ナシベース粉、アンズベース粉、クランベリーベース粉、任意の乾燥果物及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。脱水果物材料には、好ましくはリンゴベース粉、より好ましくは生地に添加することのできる果物片、例えばリンゴ片を挙げることができる。好ましくは、脱水果物材料は、少なくとも約90%以上のリンゴベース粉であることができる。そして更に好ましくは、少なくとも70%以上のリンゴ細胞が、破砕される。しかしながら、大体の細胞破砕は、利用されることができ、それは果物片のサイズに依存する。例えば、より大きな果物片は、より多くの風味のために、40%、50%又は60%の細胞破砕のみ必要とすることができる。
脱水果物材料は、約15重量%以下の含水量に乾燥されることもまた好ましい。また、果物は、特定の粒径分布(粉から粒塊、チップ、押出品及び共押出品まで)に粉砕されてよい。配合物中における脱水果物材料の濃度は、乾燥成分の約10重量%〜約50重量%、好ましくは約25重量%〜約40重量%、より好ましくは約25重量%〜約35重量%である。
好ましくは、粒径は、少なくとも75%の粒子が90メッシュスクリーンを通過するようなものである。
脱水果物材料は、天然若しくは合成風味料、ジュース及びピューレなどで補充されても、風味付けされてもよい。上記のように、他の脱水果物材料が本明細書での使用に適切である。好適な果物ベース粉の例、それらの供給元及び代表的な特性を、以下の表B1及びB2に示す。
Figure 2010516288
Figure 2010516288
* 供給元により提供された情報
果物ピューレは、生地を作るのに使用されることもできる。ピューレが使用されるとき、粒子のサイズは、脱水された粒子の分布におけるサイズと同様であるべきである。果物ピューレが使用されるとき、ピューレ中の水を収容させるために、生地の水添加量を調整することができる。
脱水果物材料を本発明のいくつかの実施形態の加工スナックへ添加する効果を最大化するために、すぐ以下に定義するように、米ベース材料は、生地に含まれることができる。米ベース材料は、任意のデンプンと共に押出成形される又は予め調理されることが好ましく、これは最終スナックチップの膨張に役立つ。
D.デンプン材料
上述のように、脱水果物材料の効果を最大化するために、本発明の少なくとも1つの実施形態の生地は、タピオカ、米及びこれらの混合物からなる群から選択される材料から作られるスナックチップの、約25重量%〜約90重量%、好ましくは約40重量%〜約60重量%、より好ましくは約45重量%〜約55重量%のデンプン材料を含むことができる。
このデンプン材料は、本発明のいくつかの実施形態の果物スナックの本物の果物風味を作り出すのに役立つ。更に、米及びタピオカベースデンプンは、果物風味がより容易に現れるようにする、中立的で清涼な風味を提供する。米及びタピオカは、トウモロコシ又はジャガイモ粉のように果物風味を覆い隠さない、天然に淡白な風味を有する。
更に、本発明のいくつかの実施形態のスナックチップ中で使用されるデンプン材料の少なくとも約40%は、α化されることができる。即ち、少なくとも一部のデンプンは、非デンプン成分を添加する前に調理されることができる。事前加工及び配合は、主要成分及びデンプンを混合し、次に調理、即ち、これらをどちらもその場で糊化させる。その場での糊化には、生地が非常に高い含水量を有すること又は水分喪失が加圧調理若しくは当該技術分野において既知の他の方法により制御されることが必要とされる。それにもかかわらず、その場での糊化の過酷な状況は、風味を壊す傾向を有し、同様に非デンプン成分の栄養価は劣化されると考えられている。
いずれの理論にも束縛されるものではないが、例えば、蒸気などによるその場での糊化は、デンプン細胞を破砕して、細胞内のアミロースを解放すると考えられている。アミロースは、風味構成成分と錯体を生じて、その結果、風味構成成分を捕捉する。更に、その場での糊化は、スナックチップを膨らませ、消費者にとって受容不可能な質感をもたせる。α化デンプンでは、細胞はほとんど損なわれない。
デンプン材料は、加工スナック片を作られ得る優れたシート状製品も得られる、より良い生地を提供する処理及び配合添加物としても機能することができる。
本発明のいくつかの態様に使用できる追加的なデンプン材料には、従来の米粉、従来のタピオカ粉、α化デンプン、低粘性デンプン(例えば、デキストリン、酸変性デンプン、酸化デンプン、酵素変性デンプン)、安定化デンプン(例えば、デンプンエステル、デンプンエーテル)、もち米デンプン又は粉、架橋デンプン、アセチル化デンプン、デンプン糖(例えば、グルコースシロップ、デキストロース、イソグルコース)、処理(例えば、架橋及び糊化)の組み合わせを受けたデンプン及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、本明細書に記載されたデンプン材料が、例えば、レミー工業N.V.(Remy Industries N.V.,)(ベルギー、ルーヴェン・ウィジマール、レミーラーン4、B−3018(Remylaan 4, B-3018 Leuven-Wijgmaal, Belgium))から市販されていることを認識するであろう。従来の米粉には、長粒米、中粒米、短粒米及びもち米又は粒米(grain rice)が挙げられ、全てから米粉を作ることができる。更に、米粉は、米の破片又は全粒から作ることができる。これらの異なる種類の米から作られた米粉は、吸水指数、ピーク粘度、最終粘度及び総アミロース含有量が異なる。更に、米が、米粉に処理される前又は処理された後に、部分的に又は完全に事前調理、湯通し又は任意の他の方法でα化される場合、米粉の特性は更に変性されることができる。
所望の量の種々の米粉を共に混合して、所望のデンプン材料を作られることができる。この混合は、製粉前に穀類を混合すること又は製粉後に粉を一緒に混合することなどにより、しかし、これらに限定されない、任意の好適な手段により達成することができる。
1つの実施形態では、糊化タピオカ粉を使用する。この実施形態では、組成物は、様々な程度に糊化された1種以上のタピオカ粉のブレンドを含むことができる。例えば、糊化タピオカ粉は、完全に調理されたタピオカ、部分的に調理されたタピオカ、湯通しされたタピオカ、押出成形されたタピオカ又はこれらの混合物を含むことができる。これらの方法の全てが米及び米/タピオカブレンドに等しく適用できる。完全に調理された糊化米又はタピオカ粉は約75%〜約100%糊化しており、部分的に調理された米粉及び押出成形された米粉は約25%〜約100%糊化しており、湯通しされた米粉は約75%〜約100%糊化している。
押出成形は、本発明のいくつかの実施形態のためにタピオカ又は米粉を糊化する1つの方法であり得る。押出成形は、米又はタピオカ粉のデンプンを完全に調理するのに必要とされる調理条件を提供し、デンプンの完全な糊化及び高レベルの糊精化(dextrinization)、即ち、デンプン分解をもたらす。本発明のいくつかの実施形態の米粉の調製に押出成形を使用することにより、完成した製品が、生デンプンの味又は粉っぽいデンプンの後味並びに制御されない及び過度の膨張を有さないことが保証される。以下に述べるように、押出成形は、生地の乾燥又はスナックチップの調理での使用に望ましくない。デンプンに単独で押出成形を使用することができるが、これは非デンプン成分、この場合では、添加された果物成分の風味及び栄養価を損なうと考えられている。
所望により、調理及び/又は製粉中に生成される遊離アミロースを錯化するために、デンプン材料に乳化剤を加工助剤として添加することができる。例えば、モノグリセリドは、(乾燥固体基準で)約0.2〜約0.7%、好ましくは約0.3%〜約0.5%の範囲の量で添加できる。
デンプン材料は、広範な粒径分布に粉砕してもよい。具体的な実施形態では、組成物は、約35%のデンプン材料がUS#100メッシュ上に残るような粒径分布を有する。別の好ましい実施形態では、デンプン材料は、約5%〜約30%が60メッシュスクリーン上に残り、約15%〜約50%が100メッシュスクリーン上に残り、約20%〜約60%が200メッシュスクリーン上に残る粒径分布を有することが好ましい。デンプン材料の粒径分布は、混合中の適切な水和作用を保証するために重要である。また、粒径分布は、質感に影響を与え、デンプン材料中の大きな粒子は、溶解の遅延及び歯への詰まり(tooth packing)の一因となる。
C.加工スナック製品の調製
本発明のいくつかの実施形態の「加工スナック製品」は「半製品」である。即ち、これは乾燥し、保存安定性であり、調理準備ができていることを意味する。加工スナック製品はこの時点で消費可能であるが、これは消費者にとって好ましい形態ではない。より具体的には、半分ベークされた製品の味及び質感はそれほど良好ではない。
本発明のいくつかの実施形態の加工スナック製品は、乾燥成分を水と組み合わせて生地を形成し、次にシート化し、乾燥することにより作られる。乾燥は、押出成形せずに約250°F未満の温度で行うことができる。本発明のいくつかの実施形態のスナックチップを形成するために、半分ベークされた加工スナック製品を本明細書に記載されているいずれかの方法により調理することができるが、上述した理由により押出成形は好ましくない。
上述のように、本発明のスナックは消費者に受容可能な形式で多くの栄養を提供する。即ち、本発明のスナックは美味及び栄養豊富の両方である。組成物と処理との本発明の組み合わせは、より多くの栄養要素とより多くの風味構成成分とを保持し、より少ない異臭しか生じないスナックが得られる。一例として、本発明のいくつかの実施形態に従って新鮮又は脱水されたリンゴで作られたスナックチップは、元々のリンゴ原料の必須栄養素を従来のスナックよりも多く保持する。同様に、本発明のいくつかの実施形態の組成物及びプロセスによりリンゴの重要かつ望ましい風味は、より大量に保持される。
デンプン材料と組み合わせた脱水果物スナック材料を使用することが主として好ましい加工スナック製品に関して記載するが、これらの組成物で形成された生地が、いかなる好適な食料製品の製造にも使用できることが当業者には容易に理解できるはずである。例えば、生地は、パン、ソース、クラッカー、揚げたスナック、果物及び野菜スナック、ベークした又は乾燥させたスナック、揚げた食料製品用コーティング、ベビーフード、ドッグフード、犬用ビスケット、他のペット用食品及びあらゆる他の好適な食料製品のような食品を製造するために使用することができる。加工スナック製品の1つの実施形態の製造が、以下に述べられる。
1.生地の配合
本発明のいくつかの実施形態の好ましい生地は、乾燥ブレンド及び添加された水を含む。1つの実施形態では、生地は、約60%〜約85%の乾燥ブレンド及び約15%〜約40%の添加水を含む。好ましくは、添加水は、生地の約15重量%〜約35重量%、更により好ましくは約15重量%〜約30重量%である。生地は、生地の含水量を低減するものを含む、任意の成分を更に含んでよい。例えば、生地の含水量を低下させるために、1)デキストロース当量値の低いマルトデキストリンのような、生地中の加水分解デンプン、2)キサンテン、ヒドロキシプロピルセルロース及びその組み合わせのような多糖並びに3)乳化剤のような材料を生地に添加してよい。
a.乾燥ブレンド
好ましい生地は、約60%〜約85%、好ましくは約65%〜約75%の乾燥ブレンドを含む。乾燥ブレンドは、約5%〜約30%が60メッシュスクリーン上に残り、約15%〜約50%が100メッシュスクリーン上に残り、約20%〜約60%が200メッシュスクリーン上に残る粒径分布を有することが好ましい。
乾燥ブレンドは、脱水果物材料、デンプン材料及び所望により下記の乾燥成分を含む。好ましい乾燥ブレンドは、乾燥成分の約20重量%〜約50重量%の脱水果物材料、乾燥成分の約40重量%〜約60重量%のデンプン材料並びに乾燥成分の1重量%〜約30重量%の任意成分を含む。更に、乾燥ブレンドの残部は、タンパク質源、繊維、ミネラル、ビタミン、着色剤、香料、果物チップ、野菜、種子、ハーブ、スパイス及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない1種以上の他の成分を含んでよい。これらの他の成分を乾燥ブレンドに添加する前に、コーティングすることが有益である場合がある。
b.添加水
本発明のいくつかの実施形態の好ましい生地組成物は、約15%〜約40%の添加水、好ましくは約15%〜約35%、より好ましくは約15%〜約30%の添加水を含む。マルトデキストリン又は固形コーンシロップ、ジュース、濃縮物などの任意成分が溶液として添加される場合、溶液中の水は添加水として含まれる。また、添加水の量には、成分を溶解又は分散させるために使用される任意の水も含まれる。
c.任意成分
いかなる好適な任意成分を本発明のいくつかの実施形態の生地に添加してもよい。かかる任意材料としては、ガム及び繊維のような多糖、乳化剤及びこれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。任意成分は、約0重量%〜約50重量%、好ましくは0重量%〜約40重量%の範囲の量で生地に含まれることが好ましい。好適なガムの例は、米国特許第6,558,730号(ギゾー(Gizaw)ら、2003年5月6日発行)に見ることができる。任意材料としては、野菜(例えば、トマト、ニンジン、ピーマン等)及びマメ科植物原料(例えば、インゲン豆、ヒヨコ豆、グリーンピース等)が挙げられるが、これらに限定されない。
好ましい任意成分はオートミールであり、スナックチップの0%〜約25%、好ましくは約5%〜約20%で存在してもよい。他の任意成分は、食塩、砂糖、桂皮、バター、人工風味料、人工甘味料、油、果物片及びこれらの混合物からなる群から選択される。
追加的なデンプン材料、例えば、オート麦、小麦、ライ麦、大麦、トウモロコシ、マサ、キャッサバ、マサ以外のトウモロコシ、ピーナッツ、脱水ジャガイモ製品(例えば、脱水ジャガイモフレーク、ジャガイモ顆粒、ジャガイモフラニュール、マッシュポテト材料及び乾燥ジャガイモ製品)、並びにインゲン豆、ヒヨコ豆のようなマメ科植物(leguminoses)、並びにこれらの組み合わせを添加してもよい。これらの他のデンプン材料は、異なる組成、質感及び風味のスナックを作るために、ブレンドすることができる。
加工性を補助するために、所望により生地に添加することができる成分は、1種以上の乳化剤である。乳化剤の生地への添加は、生地のべたつきを低減し、シーティングロール、ベルトなどに貼り付くことを最小限に抑える。乳化剤は、完成製品の質感にも影響を与え、乳化剤の量が多ければ密度の高い完成製品が得られる。乳化剤は、生地のシート化の前に生地組成物に添加されることが好ましい。乳化剤は、油脂又はオリーン(Olean)(商標)のようなポリオール脂肪酸ポリエステルに溶解することができる。好適な乳化剤としては、レシチン、モノ及びジグリセリド、ジアセチル酒石酸エステル、並びにプロピレングリコールモノ及びジエステル、並びにポリグリセロールエステルが挙げられる。ヘキサグリセロールのモノエステルのようなポリグリセロール乳化剤を使用することができる。特に好ましいモノグリセリドは、ダニスコ(Danisco)(登録商標)(カンザス州ニューセンチュリー(New Century))より入手可能なジモダン(Dimodan)の商標名で及びアーチャー・ダニエルズ・ミッドランズ社(Archer Daniels Midlands Company)(イリノイ州ジケーター(Decatur))より入手可能なDMG70の商標名で販売されている。
本発明のいくつかの実施形態による任意成分の濃度を算出するとき、脱水果物材料及びデンプン材料に内在する可能性のある任意成分の濃度は含まれない。
2.生地の調製
本発明のいくつかの実施形態の生地は、シート化可能な生地を形成するための任意の好適な方法により調製することができる。典型的には、従来のミキサーを用いて成分を一緒に完全に混合することによりゆるい(loose)乾燥生地が調製される。湿性成分のプレブレンドと乾燥成分のプレブレンドが調製される。即ち、湿性プレブレンドと乾燥プレブレンドとを共に混合して、生地を形成することが好ましい。バッチ作業にはホバート(Hobart)(登録商標)ミキサーが好ましく、連続混合作業にはタービュライザー(Turbulizer)(登録商標)ミキサーが好ましい。あるいは、押出成形機を使用して、生地を混合し、シート又は成形チップを形成することもできる。
a.シート化
一旦調製されると、生地は比較的平坦な薄いシートに成形される。デンプンベース生地から、かかるシートを成形するのに好適な任意の方法が使用されてもよい。例えば、シートを2つの逆回転円筒形ローラーの間で圧延し、均一な比較的薄い生地材料のシートを得ることができる。従来の任意のシート形成装置、粉砕装置及び検量装置が使用されてもよい。圧延ロールは、好ましくは約5℃〜約45℃に冷却されるべきである。好ましい実施形態では、圧延ロールは2つの異なる温度で維持される。生地は、生地を調理しない押出成形装置によりシート状に形成されることもできる。
本発明のいくつかの実施形態の生地は、通常は、約0.038〜約0.25cm(約0.015〜約0.10インチ)、好ましくは約0.048〜約0.127cm(約0.019〜約0.05インチ)、最も好ましくは、約0.051〜0.076cm(0.02インチ〜約0.03インチ)の範囲の厚さを有するシートに形成される。
本発明のいくつかの実施形態の生地シートは、約0.78N(80gf)〜約3.92N(400gf)、好ましくは約0.83N(85gf)〜約2.94N(300gf)、より好ましくは約0.93N(95gf)〜約1.47N(150gf)のシート強度を有する。更に、本発明のいくつかの実施形態の生地は、非常に薄くシート化され、脱水果物材料が高濃度である場合でさえ強い。シート強度は、脱水果物材料の量が減少するにつれて増大する。米及びタピオカベースデンプンにより、脱水果物材料をスナックの配合に組み込んで、シート強度を増加させることができる。本発明の米及びタピオカ粉組成物は、生地中の食品片、例えば、果物、野菜、穀物及び木の実などの切片のための優れた担体である。
その後、生地シートは、所定の寸法及び形状のスナックチップに成形される。スナックチップは、任意の好適な打ち抜き又は切断装置を使用して成形されることができる。スナックチップは、様々な形状へと成形されることができる。例えば、スナックチップは、楕円形、正方形、円形、蝶ネクタイ形、星形車形又は風車形であってよい。1996年1月25日に国際公開特許第WO 96/01572号として公開された国際出願PCT/US95/07610号(ドーズ(Dawes)ら)に記載のように、チップに刻み目をつけて波形チップを作ることもできる。
b.乾燥
上述したシート化生地から切断されたスナック片は、次に乾燥し上述した半製品加工スナック製品を作る。乾燥工程は好ましくは、本物の風味及び非デンプン成分の栄養価を損ねないゆっくりとした穏やかな工程である。数多くの乾燥方法のいずれかを使用することができ、例えば、ベーキング、真空乾燥、マイクロ波加熱及びこれらの混合も可能である。この工程ではデンプンの糊化はほとんど又は全く生じない。これが、少なくとも一部のデンプン材料を生地の形成及び乾燥の前に糊化しなければならないもう1つの理由である。更に、デンプンの糊化は、生地の含水量が非常に少ないため、乾燥時に生じない。上述のように、高含水量は、糊化プロセスの必須要素である。しかしながら、本プロセスでは、良好なシート化製品を形成するため及び乾燥に必要な時間及びエネルギーを最小化するために、水分は低く保たれる。
c.調理
半分ベークされた加工スナック製品を形成した後で、これらを調理してサクサクしたスナックチップを形成することができる。加工スナック製品は、例えば消化性油脂、非消化性油脂又はこれらの混合物を含む油脂組成物中で揚げることができる。最良の結果を得るには、きれいな揚げ油を使用すべきである。油の酸化率を低下させるために、油の遊離脂肪酸含有量は好ましくは約1%未満、より好ましくは約0.3%未満に維持すべきである。いずれかの他の調理方法、例えば、ベーキング、真空乾燥、マイクロ波加熱及びこれらの混合もまた可能である。スナックチップを油で揚げること以外の方法により調理するとき、多くの場合、生地にある程度の油を上述したような任意成分として添加することが望ましい。油をスナックチップに加えて同様に揚げることができる。
加工スナック製品を調理して、約0.74N(75gf)〜約4.9N(500gf)、好ましくは約1.76N(180gf)〜約2.74N(280gf)、最も好ましくは約1.96N(200gf)〜約2.94N(300gf)のチップ破砕強度を有する、果物ベーススナックチップを形成することが好ましい。また、本発明のいくつかの実施形態の加工スナック製品が油で揚げられる場合、得られる果物ベースチップは、約0.3〜1.0g/mL、好ましくは0.4〜0.9g/mL、より好ましくは0.4〜0.8g/mLの密度を有することが好ましい。
本発明のいくつかの実施形態の果物ベーススナックチップの風味及び質感は、それらを、比較的薄く、好ましくは0.046cm〜0.14cm(0.018〜0.055インチ)で、上記のように生地中の含水量が少ないように配合された生地シートから製造した結果である。この少量の水及び配合物中のデンプン材料の存在により、揚げる時間が実質的に低減され、望ましい質感を達成することが可能になる。即ち、脱水果物材料は乾燥されており、デンプン材料は部分的にα化されているため、必要とされる揚げるエネルギーは最小限であり、簡潔化された調理工程中の油脂吸着がより少ない。また、生地製造工程において使用される水の量が少ないため、チップの油脂含有量が典型的な揚げられたスナックより少ないためである。本発明のいくつかの実施形態からの果物ベーススナックチップは、10〜29%、好ましくは15〜25%の範囲の総油脂含有量を有する。
本発明の1つの実施形態では、生地は、マイクロ波加熱を使用して乾燥され、次に約0.4〜約1.0g/mLの密度まで揚げらた加工スナック製品に作られる。
本発明の好ましい実施形態では、揚げ油は、約30%未満、好ましくは約25%未満、最も好ましくは、約20%未満の飽和油脂を有する。この種類の油は、完成スナックチップが示す風味が向上するように、完成スナックチップの潤滑性を改善する。油の融点が低いため、これらの油の風味特性もまた、局所的に味付けされた製品の風味特性を向上させる。かかる油の例としては、中〜高濃度のオレイン酸を含有するヒマワリ油が挙げられる。
本発明の別の実施形態では、加工スナック製品は、非消化性油脂と消化性油脂とのブレンドで揚げられる。ブレンドは、好ましくは約20%〜約90%の非消化性油脂と約10%〜約80%の消化性油脂、より好ましくは約50%〜約90%の非消化性油脂と約10%〜約50%の消化性油脂、更により好ましくは約70%〜約85%の非消化性油脂と約15%〜約30%の消化性油脂とを含む。また、TBHQ、トコフェロール、アスコルビン酸のような酸化防止剤、クエン酸のようなキレート化剤及びジメチルポリシロキサンのような消泡剤を含む、当該技術分野において既知の他の成分が食用油脂及び油に添加されてもよい。
本発明の別の実施形態では、加工スナック製品は、高オレイン酸ヒマワリ油、トウモロコシ油、米油、中オレイン酸ヒマワリ油、パーム油及びこれらの混合物のような飽和油脂の少ない油で揚げられる。
約275°F〜約420°F、好ましくは約300°F〜約410°F、より好ましくは約350°F〜約400°Fの温度で、約6%以下の水分、好ましくは約0.5%〜約4%、より好ましくは約1%〜約3%の水分を有する製品を形成するのに十分な時間にわたって、加工スナック製品を揚げることが好ましい。
好ましくは、加工スナック製品を、連続的に揚げる方法を用いて油で揚げ、揚げている間は固定しておく。この固定された揚げる方法及び装置は、米国特許第3,626,466号(リーパ(Liepa)、1971年12月7日発行)に記載されている。成形され固定されたスナックチップは、最終含水量が約0.5%〜約4%、好ましくは約1%〜約2.5%のサクサクとした状態に揚がるまで、揚げる媒質を通過する。
非固定式の、加工スナック製品を連続的に揚げるか又はバッチで揚げるような、任意の他の揚げる方法も可能である。例えば、スナックチップを移動ベルト又はバスケット上で揚げ油に浸漬することができる。同様に、揚げることは、半固定(semi-constrained)プロセスで起こり得る。例えば、加工スナック製品は、油で揚げられている間、2枚のベルトの間に保持されることができる。
揚げた後に、特徴的な風味を有する油又は高度不飽和油は、加工スナック製品上に噴霧され、混転され又は他の方法で塗布されてもよい。好ましくは、トリグリセリド油及び非消化性油脂が、風味料に対する担体として使用され、加工スナック製品に局所的に添加される。これらには、バター風味油、天然又は人工風味油、ハーブ油及びジャガイモ、ニンニク又はタマネギ風味を加えた油が挙げられるが、これらに限定されない。この方法を使用して油を導入し、通常、スナックを調理するのに必要な加熱中に、油は重合又は酸化することになる。
本発明のいくつかの実施形態の完成スナックチップの油脂含有量は、チップ1食28グラム当たり0グラム〜約9グラムの範囲である。好ましくは、スナックチップの油脂含有量は、チップ1食28グラム当たり約7g未満である。この含有量は、ジャガイモ粉を含むことを除いて同様の条件下で加工したチップ1食28g当たり典型的には11gであるのに比較して、油脂含有量において約20〜50%の削減を表す。
D.製品特徴及び分析方法
1.チップ密度試験手順
スナック製品の密度をアルキメデスの原理(浮力法)により試験する(perform)。浮力は、製品又は材料の特性を評価するために多くの領域で使用されている。浮力法は、アルキメデスの原理に従って、試料をグリセリンの槽に浸して槽の重量増加を観察することにより試料のバルク容量を測定するための技術である。
容器を十分なグリセリンで満たして試料を浸す。グリセリン中に掴み具を浸し、細いワイヤーが界面にあるようにし、はかりを測定する。
各試料の重量を、バランスをとりながら注意深く測定する。この重量測定は、環境に曝されたときに試料が有意な重量の水を摂取するのに先立って行うべきである。
試料を掴み具に取り付け、掴み具ごとグリセリン中に完全に浸す。試料が容器の壁に触れないようにする。重量を記録する。5回の異なる試料採取の時点を使用して繰り返す。以下の等式から密度を計算する。
Ds=Df×Ws/(Ws−F)
式中、
・Ds=試料標本の密度
・Df=流体の密度(グリセリン=1.262)
・Ws=浸される前の試料標本の重量
・F=試料標本が浸された状態でのはかりの読み取り値
5回の密度読み取り値の平均が使用される。
Figure 2010516288
2.油脂分析(%)
チップ中の総油脂割合は、食品業者に既知の標準的な手順により測定でき、好ましくは、総油脂は、酸加水分解により測定される。特に、酸加水分解により総油脂を測定するための方法は、AOACインターナショナル(International)(2000)第17版AOACインターナショナル(International)、米国、メリーランド州、ガイサーズバーグ(Gaithersburg)、公式方法922.06、954.02に見ることができる。
3.水分活性
方法:
1)DTユニット(DT unit)上の温度計が25±0.1℃を表示するようにする。
そうでない場合、表示が25±0.1℃を示すまで水浴温度計を調整する。
2)試料を試料カップに取り、基部を2〜3mmまで覆うようにする。
3)試料を含有する試料カップを測定セル内に置き、レバーを右の端まで廻して測量チャンバを隔離する。
4)読み取り値が安定する(単に表示が照らし出される)まで必要な時間−典型的には45分間〜数時間−待機する。
5)測定値を記録し、測定チャンバから試料カップを取り出す。
6)こぼれた場合には、蒸留水及び風乾によりチャンバを洗浄する。
E.(実施例1〜5)
本発明の特定の実施形態を以下の非限定例により説明する。以下の実施例は、実験室作業台プロセスにより作られた。
表1は、本発明の少なくとも1つの実施形態による4種のリンゴベーススナック用の組成物及びそれらの量を列挙している。実施例1は、リンゴオートミールスナックチップである。
リンゴオートミールチップは、US#30メッシュのふるいを通過するように、まずタピオカをを破砕することによりに作られる。オート麦を一部の水と水和させてマイクロ波にかける。リンゴ粉は、次に水と水和させて、水和されたオート麦と水和したリンゴ粉の両方は、ミキサーで混合される。食塩、桂皮、スプレンダ、バター風味料及び砂糖は、ブレンドされて、プレブレンドを形成した。プレブレンドは、リンゴ/オート麦混合物にゆっくりと添加され、約1分間混合される。デンプンは、ゆっくりと添加され、成分は約1分間混合される。残っている水は、加熱されて添加される。混合は、更に約2分間にわたって継続される。総混合物は、クイジナート(Cuisinart)(著作権(Copy Right))ミキサーの中に定置され、デンプンが完全にブレンドされて生地が形成されるまで約30秒間混合される。
生地は、次にローリングピンを使用してワックス紙の間で約0.035〜0.40の厚さにロールされる。直径約5センチ(約2インチ)の円が、シート化した生地から切断される。この円は、約200Fのラング(Lang)強制空気オーブンに置かれた(place)ステンレススチールトレイに、10%の湿度まで置かれ、水分活性は、約0.85未満にして半製品を製造する。
半製品は、オーブンでベーキングにより仕上げられる。最終製品は、約0.64の水分活性を有する。
Figure 2010516288
実施例5は、α化されたタピオカデンプンに加えて天然ジャガイモデンプン(非糊化)を含むリンゴ及びオートミールチップである。実施例5の成分の濃度は表2に列挙されている。
Figure 2010516288
*α化されていない
参考文献の引用
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、その関連部分において、本明細書に参照として組み込まれるが、いかなる文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものであると解釈されるべきではない。本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における用語のいずれかの意味又は定義と相反する範囲では、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることは当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるこのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

Claims (16)

  1. a)約10%〜約50%の脱水果物材料、
    b)約0%〜約25%のオートミール、
    c)タピオカ、米及びこれらの混合物からなる群から選択される材料から作られる、約30%〜約90%のデンプン材料、
    d)約0.1%〜約5.0%の水並びに
    e)約1%〜約20%の任意成分
    を含むスナックチップであって、前記デンプン材料の少なくとも約40%が、α化されている、スナックチップ。
  2. 前記チップが、乾燥成分を水と組み合わせて生地を形成し、次に加熱押出成形機を使用せずにシート化し、乾燥し、半製品を形成することにより作られ、前記半製品は調理されて前記スナックチップを形成する、請求項1に記載のスナックチップ。
  3. 前記任意成分が、食塩、砂糖、桂皮、バター、人工風味料、人工甘味料、油、果物片及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のスナックチップ。
  4. 前記生地が、約250°F未満の温度で乾燥される、請求項2に記載のスナックチップ。
  5. 前記脱水果物材料が、リンゴベース粉、イチゴベース粉、バナナベース粉、洋ナシベース粉、アンズベース粉、クランベリーベース粉、糖含有量が約80%未満の任意の乾燥果物及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のスナックチップ。
  6. 前記デンプン材料が、タピオカである、請求項1に記載のスナックチップ。
  7. 前記脱水果物材料が、少なくとも約90%以上のリンゴベース粉である、請求項1に記載のスナックチップ。
  8. 少なくとも70%以上のリンゴ細胞が、破砕される、請求項7に記載のスナックチップ。
  9. 前記脱水果物材料が、約15重量%未満の含水量に乾燥される、請求項2に記載のスナックチップ。
  10. 前記含水量が、前記生地の約18重量%〜約35重量%、好ましくは約22重量%〜約30重量%である、請求項2に記載のスナックチップ。
  11. 前記生地の0.5重量%〜約8重量%、好ましくは約2重量%〜約7重量%、より好ましくは約3重量%〜約5重量%の濃度で乳化剤を更に含む、請求項1に記載のスナックチップ。
  12. 油で揚げられる請求項2に記載のスナックチップであって、前記スナックチップが、チップ28グラム当たり約0グラム〜約11グラムの油脂、より好ましくはチップ28グラム当たり約5グラム未満の油脂を有する、請求項2に記載のスナックチップ。
  13. 油で揚げられる請求項2に記載のスナックチップであって、前記スナックチップが、約0.3〜1.0g/mL、好ましくは0.4〜0.9g/mL、より好ましくは0.4〜0.8g/mLの密度を有する、請求項2に記載のスナックチップ。
  14. 油で揚げられている請求項2に記載のスナックチップであって、前記スナックチップが、約0.74N(75gf)〜約4.9N(500gf)、好ましくは約0.93N(95gf)〜約3.92N(400gf)、最も好ましくは約1.18N(120gf)〜約1.96N(200gf)の破砕強度を有する、請求項2に記載のスナックチップ。
  15. マイクロ波加熱を使用して乾燥され、次に約0.4〜約1.0g/mLの密度まで揚げられる、請求項2に記載のスナックチップ。
  16. 前記加工スナック製品が、ベーキング、油で揚げること、真空乾燥、マイクロ波及びこれらの混合により調理される、請求項2に記載のスナックチップ。
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