JP3974099B2 - 麺皮片及び麺皮食品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は麺皮片及び麺皮食品の製造方法に関する。更に詳細には、本発明は、非乾燥の及び油揚げ以外の乾燥法により製造される麺皮片及び麺皮食品の製造方法に関する。
小麦粉に食塩及び水などを加えて混捏し、圧延した麺帯から麺線を切り出して蒸煮又は茹で上げることにより、蕎麦、饂飩(素麺、冷麦を含む)、中華麺、スパゲッティーなどの麺線状食品は日常的に供給されている。また、この麺帯から面状の麺皮片を切り出し、この麺皮片に種々の具材をくるんだ麺皮食品、例えば、餃子、焼売(シューマイ)、春巻き、雲呑(ワンタン)などは、飲食店や一般家庭において広く喫食されている。これらの麺皮片及び麺皮食品のうち幾つかのものは、熱湯を注ぐか又は熱湯中で短時間煮るだけで喫食可能になる即席食品として一般に供給されている。
しかし、一般市場に供給されている従来の麺皮食品は、油揚げ乾燥により製造されているため、油揚げ処理自体の欠点として、湯戻し後に形崩れが起き易かった。また、麺皮の吸油量が増大し、この油が経時的に酸化劣化し、喫食時の食感、風味が悪化したり、湯戻し後のスープなどの風味にも悪影響を及ぼすことがあった。
油揚げ処理に伴うこれらの欠点を解決するため、油揚げに依らず、熱風で乾燥させる即席麺皮食品の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、非油揚乾燥による即席麺皮食品は、乾燥工程の前に麺皮を蒸煮して十分にα化しておく必要がある。特許文献1によれば、小麦粉混合物を混捏し、圧延した麺帯を適宜の大きさに裁断した後に蒸煮を行っている。これは蒸煮麺帯が切断し難く、所望の形状、大きさを得るにあたり、麺帯のロスを極力回避するためと思われるが、この方法で一連の作業をすると、裁断された麺皮の集積、整列、移送に手間暇が掛かり、更に蒸煮された麺皮同士が粘着することに伴うロスも無視できない。また、裁断された麺皮毎の蒸煮ムラが生じ、食感を損ねる恐れもあった。
この問題を解決するために、麺帯自体を蒸煮してから麺皮片に切り出す試みがなされた。この場合、蒸煮麺帯表面の粘着性を低下させるため、蒸し器から出てきた蒸煮麺帯表面に冷風を吹き付けることにより表面を乾燥させたり、蒸煮麺帯表面に“打ち粉”を塗すことにより表面水分を除去するなどの方法が試用された。しかし、蒸煮麺帯表面に冷風を吹き付けることにより表面を乾燥させると、麺帯表面が“上乾き(スキンエフェクト)”を起こし、包餡の際の圧着力が低下したり、切り出された麺皮片の品質又は外観を悪化させたり、具材類を包み込む際の圧着力が低下したりすることがある。また、蒸煮麺帯表面に“打ち粉”を塗すことにより表面水分を除去すると、切り出された麺皮片の表面に使用された“打ち粉”が斑状の模様を形成したり、残存した打ち粉が摂食の際に溶出して味を落とすことがある。幅広麺帯をスリットして複数本の細幅麺帯に分割し、各細幅麺帯から麺皮片を切り出すと生産効率が飛躍的に向上するが、幅広麺帯を蒸煮してから細幅麺帯にスリットする際にも全く同じ問題が生じていた。
特公昭56−24506号公報
従って、本発明の目的は、幅広麺帯を蒸煮してから細幅麺帯にスリットする際に、冷風吹付や“打ち粉”塗布に依らずに蒸煮幅広麺帯表面の水分を除去することができる新たな麺皮片及び麺皮食品の製造方法を提供することである。
前記課題を解決するための手段として、請求項1に係る発明の特徴は、麺皮片の製造方法において、
(a)小麦粉混合物を混捏して生地を調製するステップと、
(b)前記生地を圧延して幅広の麺帯を調製するステップと、
(c)前記圧延幅広麺帯をネットコンベヤで搬送しながら蒸煮するステップと、
(d)前記蒸煮幅広麺帯をネットコンベヤで搬送しながら該麺帯に付着している水滴を除去するステップと、
(e)前記ネットコンベヤにより搬送されてきた幅広麺帯を所定の幅にスリットして複数本の細幅の麺帯を調製するステップと、
(f)前記複数本の細幅麺帯から所定の大きさ及び所定の形状を有する複数個の麺皮片を切り出すステップとからなることである。
前記課題を解決するための手段として、請求項2に係る発明の特徴は、麺皮片の製造方法において、
(a)小麦粉混合物を混捏して生地を調製するステップと、
(b)前記生地を圧延して幅広の麺帯を調製するステップと、
(c)前記圧延幅広麺帯をネットコンベヤで搬送しながら蒸煮するステップと、
(d)前記蒸煮幅広麺帯をネットコンベヤで搬送しながら該麺帯に付着している水滴を除去するステップと、
(e)前記ネットコンベヤにより搬送されてきた幅広麺帯を所定の幅にスリットして複数本の細幅の麺帯を調製するステップと、
(f)前記複数本の細幅麺帯から所定の大きさ及び所定の形状を有する複数個の麺皮片を切り出すステップと、
(g)前記麺皮片を油揚げ以外の手段で乾燥させるステップとからなることである。
前記課題を解決するための手段として、請求項3に係る発明の特徴は、麺皮食品の製造方法において、
(a)小麦粉混合物を混捏して生地を調製するステップと、
(b)前記生地を圧延して幅広の麺帯を調製するステップと、
(c)前記圧延幅広麺帯をネットコンベヤで搬送しながら蒸煮するステップと、
(d)前記蒸煮幅広麺帯をネットコンベヤで搬送しながら該麺帯に付着している水滴を除去するステップと、
(e)前記ネットコンベヤにより搬送されてきた幅広麺帯を所定の幅にスリットして複数本の細幅の麺帯を調製するステップと、
(f)前記複数本の細幅麺帯から所定の大きさ及び所定の形状を有する複数個の麺皮片を切り出すステップと、
(g)前記各麺皮片上に具材類を載置するステップと、
(h)前記各麺皮片で具材類を包み込み、該麺皮片の周縁部を圧着し、包餡物を調製するステップとからなることである。
前記課題を解決するための手段として、請求項4に係る発明の特徴は、麺皮食品の製造方法において、
(a)小麦粉混合物を混捏して生地を調製するステップと、
(b)前記生地を圧延して幅広の麺帯を調製するステップと、
(c)前記圧延幅広麺帯をネットコンベヤで搬送しながら蒸煮するステップと、
(d)前記蒸煮幅広麺帯をネットコンベヤで搬送しながら該麺帯に付着している水滴を除去するステップと、
(e)前記ネットコンベヤにより搬送されてきた幅広麺帯を所定の幅にスリットして複数本の細幅の麺帯を調製するステップと、
(f)前記複数本の細幅麺帯から所定の大きさ及び所定の形状を有する複数個の麺皮片を切り出すステップと、
(g)前記各麺皮片上に具材類を載置するステップと、
(h)前記各麺皮片で具材類を包み込み、該麺皮片の周縁部を圧着し、包餡物を調製するステップと、
(i)前記包餡物を油揚げ以外の手段で乾燥させるステップとからなることを特徴とする麺皮食品の製造方法。
前記課題を解決するための手段として、請求項5に係る発明の特徴は、請求項3又は4に記載された発明の前記ステップ(h)において、圧着が加熱圧着により行われることである。
本発明の方法によれば、蒸煮中及び蒸煮後に麺帯をネットコンベヤで搬送することにより、搬送中に麺帯表面の水分がネットコンベヤの振動により除去され、その後の麺皮片の切り出しを極めてスムーズに行うことができる。切り出された麺皮片は正方形、長方形、多角形、円形などのような面状の新規な食品として喫食することができる。更に、この麺皮片に具材類を被包させると、調理喫食時においても形状を維持し、封止が破れ難い非油揚乾燥麺皮食品を得ることが出来る。
本発明の麺皮片を製造するために使用される小麦粉混合物は小麦粉を主体とする混合物である。小麦粉に加えられる他の副素材としては、米、小麦、馬鈴薯、甘藷、玉蜀黍、葛、タピオカなどの澱粉類、これらの加工澱粉類、小麦以外の穀粉(例えば、蕎麦粉、雑穀粉等)、全卵粉及び活性グルテンなどが使用できる。これらの副素材のうち一種類以上を適宜選択して、小麦粉と共に使用することができる。小麦粉混合物において、小麦粉の配合量は、混合物全体の重量を基準にして30重量%〜100重量%の範囲内であり、副素材の配合量は0重量%〜70重量%の範囲内であることが好ましい。小麦粉の配合量が30重量%未満の場合、圧延時に繋がりが弱く作業性が悪い。
小麦粉混合物は必要に応じて、食塩、調味料、油脂類、糖類、糖アルコール類、着色剤、酵素、乳化剤、抗酸化剤、品質改良剤等の周知の添加物を適宜配合することができる。これら添加物は原料粉に直接混合することもできるし、又は混捏の際の加水に溶解して添合することもできる。
小麦粉混合物に適量の水又は“かんすい”を10重量%〜60重量%加え、常用の常圧又は減圧ミキサーで所定時間混捏する。“かんすい”とはカリウムやナトリウムの炭酸塩とリン酸塩を原料にして、そのうちの1種類か2種類以上の混合物を意味する。
次に、生地をローラで複数回圧延し麺帯とする。麺帯は初めから1枚の麺帯でも良いが、複数枚の麺帯を貼り合わせて一枚の複合麺帯としたものでもよい。また、その他の圧延方法として、エクストルーダ、押し出し成形機、蒸練等を減圧下又は常圧下において用いることもできる。何れの場合も、圧延後の最終麺帯の厚さは約0.3mm〜2mm程度の範囲内であることが好ましい。最終麺帯の厚さが約0.3mm未満の場合、薄すぎて切れ易くなり、作業性が低下する。一方、最終厚さが約2mm超の場合、麺帯が厚すぎて、その後の蒸煮工程におけるα化処理に悪影響が出るばかりか、最終製品の食感も不良になる。
本発明の各方法では、麺帯の状態で蒸煮し、α化処理を施す。蒸煮処理条件自体は本発明の必須要件ではない。一般的に、常用の蒸煮装置を使用することによりこのα化処理を実施することができる。例えば、一例として、0.5kg/cm〜1.5kg/cmの圧力を有し、温度が約110℃の水蒸気を例えば、100kg/時間の蒸気量で供給し、約1分間〜2分間蒸煮処理することにより、麺帯を約95%〜約98%にまでα化させることができる。
蒸煮装置内で湿熱蒸気を用いて麺帯を蒸煮処理すると、蒸煮装置の壁面で結露した水滴がベルトコンベヤ表面や麺帯表面に落下することがある。ベルトコンベヤ表面に落下した水滴は麺帯の裏面に回り込むことが多々あった。この水滴をそのままにしておくと、麺帯が部分的に過剰水分になり品質低下を招いたり、その後の裁断工程で麺帯がスリッターやカッターの切り刃に粘着して作業性が悪化することがある。このため、本発明では、圧延幅広麺帯をネットコンベヤで搬送しながら蒸煮し、更に、蒸煮装置から出てカッターに至るまでの間も、蒸煮麺帯をネットコンベヤで搬送することにより、麺帯裏面への水滴の回り込みを防止すると共に、麺帯上に落下した水滴を除去する。ネットコンベヤは振動しながら無限回転するので、この振動が麺帯に伝播し、麺帯表面に付着している水滴は麺帯外に効果的に排除される。必要に応じて、ネットコンベヤを更に一層振動させるための補助的な振動発生装置(例えば、バイブレータなど)を配設することもできる。本発明で使用されるネットコンベヤは例えば、ステンレス製の網状、メッシュ状、簀の子状、回転可能なローラ状など適宜の形状の搬送面を有するものであることができる。網状のネットコンベヤは、例えば、左巻きと右巻きのスパイラル状の金属を交互に組込み、クリンプ加工をしたロッドで連結した構造を有する。この場合、網目の大きさは最小でピッチ6.0mm、幅3.5mm、最大でピッチ11.0mm、幅7.5mmの範囲内である。最適には、ピッチ8.0mm、幅5.0mmであることが好ましい。網目の大きさがピッチ6.0mm、幅3.5mm未満の場合、麺帯表面の水滴が除去され難くなる。一方、網目の大きさがピッチ11.0mm、幅7.5mm超の場合、麺帯表面に網目模様の凹凸が転写され、表面平滑性が損なわれる。メッシュ状のネットコンベヤは、例えば、金属製の所定の幅の金属板の表面に所定の直径の複数個の穴を規則的間隔で穿設した構造を有する。簀の子状のネットコンベヤは所定の幅の金属板を所定の間隔で連続的に配列した構造を有する。メッシュ状ネットコンベヤのメッシュの大きさは特に限定されない。麺帯が落下しない程度のメッシュサイズであればよい。但し、メッシュが小さすぎると水滴の除去に支障が出るので好ましくない。簀の子状又は回転ローラ状ネットコンベヤの場合、隣接する簀の子又は回転ローラの間隔は2cm〜10cmの範囲内であることが好ましい。間隔が2cm未満の場合、水滴除去効果が低くなる。一方、間隔が10cm超の場合、麺帯に弛み又は垂れ下がりが生じ作業性を悪化させる。簀の子又は回転ローラの表面には、麺帯の付着を防止したり、撥水性を高めたり、伝熱性を制御するために、フッ素樹脂(例えば、ポリフッ化エチレン系合成樹脂)コーティングを施すことができる。言うまでもなく、その他のコーティング材料も使用できる。ネットコンベヤの移動速度は特に限定されない。従来のベルトコンベヤと同等又はそれ以下若しくはそれ以上の速度を使用できる。
ネットコンベヤで水滴を除去しながら搬送されてきた蒸煮幅広麺帯を次いで、スリッターで所定の幅にスリットして、複数本の細幅の麺帯を調製する。蒸煮直後で未だ粘着性を有する麺帯であっても、麺帯表面に水滴が付着していないので、スリットされた各麺帯がスリッターに絡まったり、詰まったり、湾曲したりするような問題が起こることは無い。幅広麺帯を複数本の細幅麺帯にスリットするためのスリッターとしては公知慣用のスリッターを使用することができる。このような目的に好適なスリッターは当業者が容易に選択することができる。ロータリー式のスリッターが好ましい。
本発明の方法では、スリットされた各細幅蒸煮麺帯をカッターで所定のサイズと形状を有する麺皮片に切り出す。麺皮片の形状は例えば、正方形、長方形、円形、三角形、多角形(例えば、五角形以上)、楕円形、星形など任意の形状を採用することができる。切り出しは例えば、所定形状を有する型で麺帯を打ち抜くか、又は切り刃で裁断することにより実施することができる。
更に、麺皮片に具材類を包み込んで麺皮食品として提供することもできる。この場合、麺皮片のサイズは載置される具材類の量などを考慮して適宜決定することができる。麺皮片に被包される具材類は、肉類、野菜類、魚介類、練り製品など任意の食材から調製することができ、塩、砂糖、香辛料などの周知慣用の調味料で味付けすることもできる。これらの具材類は生、半乾燥又は乾燥状態のものを必要に応じて使用することができる。乾燥状態のものを使用する場合、具材類の保存性の点から、含水率が約15%以下、例えば、10%以下であることが好ましい。
麺皮片上に具材類を載置したものは、麺皮片の周縁部を重ね合わせるか又は周縁部を束ねることにより具材類を麺皮片内に被包し、該重ね合わせた又は束ねられた周縁部を圧着させるか、又は周縁部を加熱しながら圧着させ封止する。加熱温度は一般的に、30℃〜150℃の範囲内であることが好ましい。加熱温度が30℃未満では封止が不十分となる恐れがある。一方、加熱温度が150℃超の場合、圧着部分が焦げたり、熔けたりして好ましくない。また、圧着させる際の圧力は0.1kg/cm〜50kg/cmの範囲内であることが好ましい。圧力が0.1kg/cm未満では麺皮片周縁部同士が十分に接着せず、封止が不十分となる恐れがある。一方、圧力が50kg/cm超の場合、麺皮片の接着部が圧潰され封止が破れて中の具材が飛び出してしまうことがある。加熱圧着作業は公知常用の圧着成形機を用いて実施することができる。特に、加熱圧着により、喫食調理時に熱湯を注いで復元させるとき、又は熱湯中で煮戻すときも、封止されたままの状態を長時間維持し、具材類が外に飛び出すような不都合な事態は殆ど発生せず、見栄えも良く、食欲を増進して美味しく喫食できる。
別法として、一方の蒸煮麺帯上の所定位置に所定量の具材類を載置し、その後、他方の蒸煮麺帯を前記一方の蒸煮麺帯上に被せ、具材類を被包するように所定の形状に両麺帯を加熱・圧着して両麺帯を接着させ、この接着縁部に沿って麺帯を切り出すか又は打ち抜くことにより封止された具材入り麺皮食品を製造することもできる。
このようにして得られた麺皮片や具材入り麺皮食品は後の乾燥工程を経ることなく、別途に個包装された調味料を添付してパッケージすることにより最終の製品とすることもできる。このような未乾燥の麺皮片や具材入り麺皮食品は冷蔵(氷温を含む)又は冷凍保存して一般の消費者に販売することができる。このような未乾燥の麺皮片や具材入り麺皮食品には更に、必要に応じて、“かやく類”や“だしの素”を添付することもできる。
従来の饂飩、蕎麦、中華麺、スパゲッティーなどは全て線状に加工されているが、本発明の麺皮片は同じ素材、原料から形成された面状の饂飩、蕎麦、中華麺、スパゲッティーとして提供できる。特に、面状の蕎麦などは存在しないので画期的である。面状の饂飩、蕎麦、中華麺、スパゲッティーは調理してから消費者が自分の所望のサイズに切断するか、又は切断せずに元の大きさのまま直接喫食することもできる。
麺皮片や具材入り麺皮食品を常温流通又は常温保存するために、乾燥させることもできる。乾燥方法としては、通常の熱風乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥、膨化乾燥などの公知慣用の乾燥方法を採用することができる。乾燥はα化麺皮の“上乾き(スキンエフェクト)”の発生を避けるように、十分に時間をかけ、緩慢に行うことが好ましい。乾燥はα化麺皮の含水率が約15%以下になるまで行うことが好ましい。
乾燥された麺皮片又は具材入り麺皮食品を常温にまで冷却した後、別途に個包装された調味料を添付してパッケージすることにより最終の商品が完成される。更に、必要に応じて、“かやく類”や“だしの素”を添付することもできる。
本発明の方法により製造することができる具入り麺皮食品は例えば、雲呑、餃子、焼売、春巻き、ラビオリ、トルテリーニ、ラザーニ、タコスなどの中華風又は洋風食品などである。
以下、実施例により本発明の方法を具体的に例証する。
実施例1
強力小麦粉とタピオカ澱粉(70:35)との混合粉1kgに食塩24g、アルカリ無水物2.4g、ソルビット8gを溶解した水380mlを加え、20分間常圧ミキサーでミキシングし、複合はせず、6段圧延で、厚さ0.65mm、幅42cmのシート状麺帯とし、該麺帯を、ピッチ8.0mm、幅5.0mmの網目を有するネットコンベヤで蒸煮装置内を搬送しながら、庫内温度100℃で1分30秒間蒸煮してα化させ、蒸煮装置から出た後も同じネットコンベヤでスリッターまで搬送し、幅7cmの細幅麺帯6本にスリットした。その後、この各細幅麺帯から7cmx7cmの正方形状の麺皮片を切り出した。
比較例1
搬送コンベヤとしてベルトコンベヤを使用したこと以外は実施例1と同様な処理方法により麺皮片を作製した。
実施例1及び比較例1でそれぞれ得られた麺皮片から5枚を無作為に取り出し、各麺皮片の表面の付着性をクリープメータを用いて測定した。測定は、クリープメータRE2−33005S(株式会社山電製)を用いて、各麺皮片の表面に直径16mmの円柱形プランジャーを、測定速度0.5mm/秒、押し距離0.60mmの条件で押し付け、その後プランジャーを引き上げることにより行った。測定値の単位はJ/mである。この測定値が高いほど、付着性が強いことを意味する。測定結果を下記の表1に示す。
Figure 0003974099
表1に示された結果から明らかなように、搬送手段として常用のベルトコンベヤを用いて製造された麺皮片に比べて、本発明の方法に従い、搬送手段としてネットコンベヤを用いて製造された麺皮片は付着性が著しく低い。従って、本発明の方法によりネットコンベヤを搬送手段として用いると、蒸煮中に麺帯に付着した水滴を効果的に除去できることが理解できる。
実施例2
実施例1で作製された麺皮片にフリーズドライポークミンチ0.6gを包み、室温状態で、圧着板を有するワンタン成形機で絞込み成形した。この時の圧力は、30kg/cmであった。この成形品を116℃、42m/秒の条件で膨化乾燥し、自然冷却を経て、即席具入り麺皮食品(本発明品)を50個得た。
実施例2で製造された乾燥ワンタン(本発明ワンタン)から7個を無作為に取り出した。また、従来の油揚げ乾燥により製造された市販の即席ワンタン(対照ワンタン)から無作為に7個取り出した。取り出された各乾燥ワンタンを熱湯中で復元調理し、その際の形状維持時間を測定した。テスト方法は、容量200mlのビーカー2個を準備し、各ビーカーに本発明ワンタンのサンプル1個及び対照ワンタンのサンプル1個をそれぞれ投入し、温度100℃の熱湯100mlを注ぎ込む。熱湯を注いで3分間経過後、箸で3回撹拌してから目視により各サンプルの形状の状態を観察する。以後、毎分毎に箸で1回撹拌し、箸でサンプルを摘み上げて形状の状態を目視観察する。観察結果を図1の表に要約して示す。図1の表において、「本−」は本発明ワンタンのサンプルを示し、「対−」は対照ワンタンのサンプルを示し、各数字はサンプル番号を示す。また、「○」印は、形状を維持しており、麺皮の外観に異常が無いことを意味する。「△」印は、麺皮に亀裂が入るが箸でつまめることを意味する。「×」印は麺皮が崩れて中身の具材類が漏れ出していることを意味する。
図1の表に示された結果から、本発明の方法により製造された非油揚げ乾燥麺皮食品は油揚げ乾燥された麺皮食品に比べて熱湯中における形状維持性の点で優れていることが理解できる。
実施例3
実施例1で作製された麺皮片にフリーズドライポークミンチ0.6gを包み、50℃に加温された圧着板を有するワンタン成形機で絞込み成形した。この時の圧力は、6kg/cmであった。この成形品を116℃、42m/秒の条件で膨化乾燥し、自然冷却を経て、即席具入り麺皮食品(本発明品)を50個得た。
実施例3で製造された乾燥ワンタン(本発明ワンタン)から7個を無作為に取り出した。また、従来の油揚げ乾燥により製造された市販の即席ワンタン(対照ワンタン)から無作為に7個取り出した。取り出された各乾燥ワンタンを熱湯中で復元調理し、その際の形状維持時間を測定した。テスト方法は、容量200mlのビーカー2個を準備し、各ビーカーに本発明ワンタンのサンプル1個及び対照ワンタンのサンプル1個をそれぞれ投入し、温度100℃の熱湯100mlを注ぎ込む。熱湯を注いで3分間経過後、箸で3回撹拌してから目視により各サンプルの形状の状態を観察する。以後、毎分毎に箸で1回撹拌し、箸でサンプルを摘み上げて形状の状態を目視観察する。観察結果を図2の表に要約して示す。図2の表において、「本−」は本発明ワンタンのサンプルを示し、「対−」は対照ワンタンのサンプルを示し、各数字はサンプル番号を示す。また、「○」印は、形状を維持しており、麺皮の外観に異常が無いことを意味する。「△」印は、麺皮に亀裂が入るが箸でつまめることを意味する。「×」印は麺皮が崩れて中身の具材類が漏れ出していることを意味する。
図2の表に示された結果から、本発明の方法により製造された非油揚げ乾燥麺皮食品は油揚げ乾燥された麺皮食品に比べて熱湯中における形状維持性の点で優れていることが理解できる。また、図1の表に示された結果と図2に示された結果を比較すると、麺皮片で具材を包み込む際、麺皮片の周縁を常温の圧着板で圧着するよりも、加熱した圧着板で圧着させた方が、形状維持性の点で優れていることが理解できる。
本発明の方法は小麦粉混合物を原料としない生地、例えば、米粉や蕎麦粉だけを原料とする生地から調製される麺皮片又は麺皮食品に対しても適用することができる。また、幅広麺帯から細幅麺帯をスリットするのではなく、初めから細幅麺帯を作って、これから麺皮片を切り出すこともできる。
実施例2で製造された本発明の乾燥ワンタンと市販の乾燥ワンタンとの形状維持保存性を比較した試験結果を示す図表である。 実施例3で製造された本発明の乾燥ワンタンと市販の乾燥ワンタンとの形状維持保存性を比較した試験結果を示す図表である。

Claims (3)

  1. (a)小麦粉混合物を混捏して生地を調製するステップと、
    (b)前記生地を圧延して幅広の麺帯を調製するステップと、
    (c)前記圧延幅広麺帯をネットコンベヤで搬送しながら蒸煮するステップと、
    (d)前記蒸煮幅広麺帯をネットコンベヤで搬送しながら該麺帯に付着している水滴を除去するステップと、
    (e)前記ネットコンベヤにより搬送されてきた幅広麺帯を所定の幅にスリットして複数本の細幅の麺帯を調製するステップと、
    (f)前記複数本の細幅麺帯から所定の大きさ及び所定の形状を有する複数個の麺皮片を切り出すステップと、
    (g)前記各麺皮片上に具材類を載置するステップと、
    (h)前記各麺皮片で具材類を包み込み、該麺皮片の周縁部を圧着し、包餡物を調製するステップとからなる麺皮食品の製造方法において、
    前記ステップ(h)における麺皮片の周縁部の圧着が、加熱圧着により行われることを特徴とする麺皮食品の製造方法。
  2. (a)小麦粉混合物を混捏して生地を調製するステップと、
    (b)前記生地を圧延して幅広の麺帯を調製するステップと、
    (c)前記圧延幅広麺帯をネットコンベヤで搬送しながら蒸煮するステップと、
    (d)前記蒸煮幅広麺帯をネットコンベヤで搬送しながら該麺帯に付着している水滴を除去するステップと、
    (e)前記ネットコンベヤにより搬送されてきた幅広麺帯を所定の幅にスリットして複数本の細幅の麺帯を調製するステップと、
    (f)前記複数本の細幅麺帯から所定の大きさ及び所定の形状を有する複数個の麺皮片を切り出すステップと、
    (g)前記各麺皮片上に具材類を載置するステップと、
    (h)前記各麺皮片で具材類を包み込み、該麺皮片の周縁部を圧着し、包餡物を調製するステップと、
    (i)前記包餡物を油揚げ以外の手段で乾燥させるステップとからなる麺皮食品の製造方法において、
    前記ステップ(h)における麺皮片の周縁部の圧着が、加熱圧着により行われることを特徴とする麺皮食品の製造方法。
  3. 前記ネットコンベヤは、ステンレス製の網状、メッシュ状、簀の子状又は回転可能なローラ状の搬送面を有するコンベヤであることを特徴とする請求項1又は2記載の麺皮食品の製造方法。
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