JP4009076B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ、ダイレクトデジタル製版機等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの電子写真方式の画像形成装置においては、感光体ドラムや感光体ベルトからなる像担持体上に、画像情報に対応した静電潜像が形成され、現像装置によって現像動作が実行され、可視像が得られる。
かかる電子写真方式においては、従来より、現像剤がトナーのみからなる一成分現像方式と、現像剤がトナーとキャリアを含む2成分現像方式とが知られている。このうち、2成分現像剤を用いたいわゆる磁気ブラシ現像方式は、転写性や温度・湿度に対する現像特性の安定性が良好な優れた現像方式として知られている。
磁気ブラシ現像方式とは、現像剤担持体(現像ローラ)上にブラシチェーン状に穂立ちされて保持された2成分現像剤が、像担持体に対向する現像領域において現像剤中のトナーを像担持体上の静電潜像部分に供給する方式である。
【0003】
2成分現像方式においては、現像が行われる領域において像担持体と現像剤担持体との距離が近接していた方が画像濃度が得られ、またエッジ効果が少ないことが知られている。このため、像担持体と現像剤担持体との距離を近接させることが望ましいが、反面、近接させると黒ベタ画像やハーフトーンのベタ画像の後端部が白く抜ける、いわゆる「後端白抜け」と呼ばれる画質劣化現象が発生する。
この後端白抜けの例を図7(b)に示す。図7(a)は後端白抜けがない状態を示している。
後端白抜け現象は以下のメカニズムで起こると考えられる。図8は、2成分現像剤を用いた磁気ブラシ現像方式の一例であるネガポジ現像の現像部を示している。図中右側には現像剤担持体である現像ローラが、図中左側には像担持体である感光体が示されている。
【0004】
現像ローラは方向Dへと移動する現像スリーブと、内部に固定された現像磁極を有し、その表面を非磁性トナーと磁性キャリアとを含む2成分現像剤が現像スリーブの移動により感光体との対向部付近へと運ばれている。
2成分現像剤は感光体との対向部付近では現像磁極の磁力によりキャリアが穂立ちし、磁気ブラシを形成する。図8において小さな丸がトナー、大きな丸がキャリアを意味しているが、図面の理解容易のために感光体との対向部内の1本の磁気ブラシだけを実線で示し、他の磁気ブラシは破線で示すと共にトナーも省略してある。
【0005】
一方、感光体はその表面に静電潜像を保持しつつ方向Cに回転している。静電潜像はAに示すように非画像部が負に帯電しているものとする。感光体と現像ローラとの対向部において磁気ブラシは感光体上の潜像に摺擦され、画像部には現像電界によってトナーが付着する。その結果、Bに示すように現像部の下流側では感光体上の潜像の画像部にトナー像が形成される。以下、感光体表面に沿って磁気ブラシが感光体に摺擦する感光体の移動方向の長さをニップと呼ぶ。
なお、感光体上の一点に対し現像剤担持体の一点のみが摺擦すると画像濃度が出ないので、感光体上の一点に対し現像剤担持体の一点のみが摺擦するように感光体と現像スリーブの速度に差を設けるのが一般的であるので、現像スリーブは感光体よりも早く移動するものとする。
【0006】
このような2成分現像方式を例にとり、図9に後端白抜けのメカニズムを示す。図9において(a)〜(c)はいずれも図8の感光体と現像スリーブの対向部付近を拡大した図であり、左側の感光体に対し、右側の磁気ブラシ先端が近づいてくる。
(a)、(b)、(c)は時系列な磁気ブラシの動きを表し、(a)、(b)、(c)の順番で時間が経過していく。感光体と現像ローラの対向部はちょうど非画像部と黒ベタ画像との境界を現像している状態、すなわち後端白抜けが発生し得る状態にあり、感光体の回転下流側には現像されたばかりのトナー像が形成されている。この状態の感光体に向かい、現像スリーブ上の1つの磁気ブラシが近づいてくる。
ここで感光体は実際には時計回りに回転しているが、上述のように現像スリーブが感光体よりも早く移動しているため、磁気ブラシは感光体を追い越していく。そのため、(a)〜(c)においては感光体は静止しているものとしてモデルを簡略化する。
【0007】
(a)において感光体に近づいてくる磁気ブラシは、現像すべき画像部位置Eに至るまでの間に非画像部を通ることになり、このときマイナス電荷同士の反発力Fによりトナーは次第に感光体から離れスリーブ側に移動していく。この現象を以下「トナードリフト」と呼ぶ。
トナードリフト現象の結果、(b)のように磁気ブラシが位置Eに到達する頃には感光体近くの磁気ブラシは正に帯電したキャリアが剥き出しの状態になっている。このため、位置Eの潜像に付着するトナーは存在せず、位置Eは現像されない。さらに(c)において磁気ブラシが位置Gに到達すると、トナーと感光体との付着力が弱い場合には一度感光体に付着したトナーが静電気力によりキャリアにより再付着することもある。
この結果、画像部と非画像との境界では現像が行なわれないことがあり、これが後端白抜けの原因となる。
【0008】
以上の説明は現像ローラと感光体との対向部の1つの断面を図示して説明してきたが、現像ローラの長手方向に沿って観察すると磁気ブラシの長さは一定ではなく、長手方向の位置により大きさの異なる磁気ブラシが立ち上がっている。この様子を図図10に示す。
図10は感光体が存在しないときの磁気ブラシの状態を模式的に示しているが、(a)は長手方向に広がる磁気ブラシの状態を示し、(b)は(a)に示す磁気ブラシを長手方向に対して垂直な面H−H'で切ったときの断面図を示している。すなわち(b)は図8と同じ断面において磁気ブラシを観察した図である。他の図との関係が分かるようにするため、(b)には模式的に感光体との位置関係を示した。
【0009】
(a)に示すように、磁気ブラシの高さは長手方向にばらつきが大きい。このため像担持体への接触位置が長手方向に沿って不揃いにばらつく。この結果、トナードリフトの度合も長手方向にばらつくために後端白抜けの起こる度合は長手方向に一定ではなく、結果として図7(b)に示すような長手方向にぎざぎざした形の後端白抜けが発生することになる。
なお、同様なメカニズムにより横細線が縦細線に比べて細る「横線細り」現象や、孤立ドットの形成が不安定になる現象も発生し、2成分磁気ブラシ現像の高画質化の妨げとなっていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本出願人は上記後端白抜けを解決するため、先に、ニップを狭くする2成分磁気ブラシ現像装置及び磁気ブラシが像担持体に摺擦するニップ領域において磁気ブラシを密に形成する2成分磁気ブラシ現像装置を提案した。
ニップを狭くする2成分磁気ブラシ現像装置及び磁気ブラシが像担持体に摺擦するニップ領域において磁気ブラシを密に形成する2成分磁気ブラシ現像装置は共に、後端白抜けを低減する効果を有していることが確認されているが、その原理は以下に示すものであると考えられている。
【0011】
まず、本発明者は、ニップを短くすることで後端白抜けを改善できることを発見した。これは、現像部でのニップを狭くすることにより磁気ブラシが非画像部を摺擦する時間が短くなり、これによりトナードリフトを低減することがその原理であると考えられる。このことを図11に示す。
図11は図9においてニップを狭めたときの現象を示す図である。すなわち、図11においては図9と異なり、(a)において磁気ブラシは感光体に摺擦する時間が短いためにトナードリフトが低減され、(b)においてトナードリフトが低減されているために位置Eにトナーが供給され、(c)においてもキャリアが剥き出しになっていないために感光体上のトナーがキャリアに再付着することもない。
【0012】
このため後端白抜けは低減される。ニップを狭めるためには現像磁極の半値幅を小さくすることが効果的である。ここで半値幅とは、現像磁極の法線方向の磁力分布曲線の最高法線磁力(頂点)の半分の値を指す部分の角度幅のことであり、例えばN極によって作成されている磁石の最高法線磁力が120mT(ミリテスラ)であれば60mTの値を指す部分の角度幅のことである。
しかしながら、現像磁極の半値幅を小さくするだけでは後端白抜けの発生を完全に抑えることはできないことが分かった。この原因は、長手方向に広がる全ての位置においてニップを狭めることが困難なためと考えられる。すなわち、図10に示されるように磁気ブラシの高さは通常長手方向にばらついており、長手方向で長い磁気ブラシの穂が発生する部分があればその部分はニップが狭くならず、結果としてトナードリフトが発生してしまうと考えられる。
【0013】
そこで、本出願人はさらに後端白抜けを低減させる現像装置として後者の現像装置を提案した。すなわち、磁気ブラシが像担持体に摺擦するニップ領域において磁気ブラシを密に形成することで、磁気ブラシの高さが長手方向にばらつくことを防止する現像装置である。
磁気ブラシを密に形成することで磁気ブラシの高さの長手方向におけるばらつきが防止されることを図12に示す。図12において(a)は密に形成された磁気ブラシを、(b)は従来の磁気ブラシを示している。(a)では磁気ブラシが密に形成されており、このため磁気ブラシの高さの長手方向におけるばらつきは低減されているので、その結果(c)に示すように、後端白抜けのない画像が得られている。
一方、(b)は高さにばらつきがある従来の磁気ブラシを示しており、この状態の磁気ブラシを用いると、(d)に示すように後端白抜けが発生する。このように磁気ブラシがニップに到達する時に十分密に形成されていれば、磁気ブラシの長さの長手方向におけるばらつきは十分に低減される。
【0014】
磁気ブラシが長手方向に十分均一な状態でニップに突入するため、長手方向の各位置においてトナードリフトを十分に低減することができ、この結果、長手方向の各位置において後端白抜けを十分に低減できる。
磁気ブラシを密に形成するには、磁気ブラシを形成する現像磁極の法線方向磁束密度の減衰率を高めれば良い。ここで、現像磁極の法線方向磁束密度の減衰率とは、現像ローラ表面の法線方向磁束密度xに対して現像ローラ表面から1mm離れた部分での法線方向磁束密度yがどの程度減衰したかを表す数値(x−y)÷ x×100 %であり、例えば現像ローラ表面の法線方向磁束密度が100[mT]、現像ローラ表面から1mm離れた部分での法線方向磁束密度が80[mT]のとき減衰率は20%となる。法線方向磁束密度を測定する装置としては、例えばADS社製ガウスメータ(HGM−8300)並びにADS社製A1型アキシャルプローブがある。
【0015】
検討の結果、現像磁極の法線方向磁束密度の減衰率が40%以上、好ましくは50%以上であれば、磁気ブラシの長手方向のばらつきが十分低減できるほど密な磁気ブラシが形成されることが分かった。
減衰率が高まると磁気ブラシが密になる理由は、減衰率が高い場合には現像ローラから離れるに従い磁力が急速に小さくなるために、磁気ブラシの先端位置における磁力が磁気ブラシを維持することができないほど弱まり、その結果磁気ブラシ先端のキャリアが磁力の強い現像ローラ表面に引き付けられるためと考えられる。
【0016】
減衰率を高めるためには現像磁極を形成する磁石の材料を選択する手段や、現像磁極から出る磁力力線の回り込みを強める手段が考えられる。このうち現像磁極から出る磁力力線の回り込みを強める手段としては、例えば現像磁極を、磁気ブラシを穂立ちさせる主磁極および現像剤担持体の移動方向に沿って主磁極の上流、下流に存在する主磁極と逆の極性を有する補助磁極とから構成することが考えられる。
また、現像磁極から出る磁力力線の回り込みを強める別の手段としては、例えば現像剤担持体に搬送磁極等、現像磁極以外の磁極が存在する場合に、現像磁極の半値幅を狭めることで現像磁極から出る磁力線の大部分を搬送磁極へ回り込ませることが考えられる。
【0017】
以上のように、ニップを狭くする2成分磁気ブラシ現像装置によって後端白抜けを低減でき、また、ニップ領域において磁気ブラシを密に形成することによって後端白抜けをさらに低減できることが確認されている。
ところで、このような現像手段を用いると、特に現像ニップが狭い為にリボルバー現像装置の公転時に現像器が着地した場所に地汚れが発生するという、更なる問題が発生した。
【0018】
そこで、本発明は、後端白抜けを低減できるとともに、リボルバー現像装置の公転時に発生する地汚れを防止できる画像形成装置の提供を、その目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、現像剤担持体を具備した現像器を色別に複数備えた回転型現像装置を有し、単一の像担持体上に形成された静電潜像を回転動作により該現像器を切り替えて現像を行う画像形成装置であって、各現像器は、穂立ちした現像剤が該像担持体に摺擦するニップ領域で該現像剤担持体の法線方向への磁束密度の減衰率が40%以上である画像形成装置において、前記回転型現像装置が回転して前記現像剤担持体が前記像担持体に近接する際に、該現像剤担持体に現像バイアスの印加を行い、そのときの現像バイアスの値は、該像担持体の帯電電位と該現像バイアスの電位差である公転ポテンシャルが通常の現像条件よりも該像担持体へのキャリア付着が生じない範囲で高くなるように設定し、且つ、前記公転ポテンシャルの値を、前記回転型現像装置の公転時の回転が180度及び270度回転時には90度回転時よりも大きく設定する、という構成を採っている。
【0020】
請求項2記載の発明では、現像剤担持体を具備した現像器を色別に複数備えた回転型現像装置を有し、単一の像担持体上に形成された静電潜像を回転動作により該現像器を切り替えて現像を行う画像形成装置において、前記回転型現像装置が回転して前記現像剤担持体が前記像担持体に近接する際に、該現像剤担持体に現像バイアスの印加を行い、そのときの現像バイアスの値は、該像担持体の帯電電位と該現像バイアスの電位差である公転ポテンシャルが通常の現像条件よりも該像担持体へのキャリア付着が生じない範囲で高くなるように設定し、且つ、前記公転ポテンシャルの値を、前記回転型現像装置の公転時の回転が180度及び270度回転時には90度回転時よりも大きく設定する、という構成を採っている。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図6に基づいて説明する。
まず、図3乃至図6に基づいて、ニップを狭くする構成、ニップ領域において磁気ブラシを密に形成する構成を説明する。なお、分かり易いように、非回転型の現像装置を有する一般的構成において説明する。
図3は画像形成装置の概要構成図である。像担持体としての感光体ドラム1の周囲には、感光体ドラム1の表面を一様に帯電する帯電手段としての帯電ローラ2、レーザー光3により感光体ドラム1の一様帯電処理面に静電潜像を形成する図示しない露光装置、感光体ドラム1上において静電潜像に対し帯電したトナーを付着させることでトナー像を形成する現像装置4、感光体ドラム1上に形成されたトナー像を記録紙に転写する転写手段としての転写ベルト5、転写後に感光体ドラム1上に残ったトナーを除去するクリーニング装置7、感光体ドラム1上の残留電位を除去する除電装置8、が順に配列されている。
【0026】
このような構成において、帯電ローラ2によって表面を一様に帯電された感光体ドラム1は、露光光3によって静電潜像を形成され、現像装置4によってトナー像を形成される。該トナー像は転写ベルト5によって感光体ドラム1表面から、不図示の給紙トレイから搬送された記録紙へ転写される。その後記録紙上のトナー像は定着装置9によって記録紙に定着される。
一方、転写されずに感光体ドラム1上に残ったトナーはクリーニング装置7によって回収される。残留トナーを除去された感光体ドラム1は除電ランプ8で初期化され、次回の画像形成プロセスに供される。
【0027】
現像装置4の構成を図4に基づき詳細に説明する。現像剤担持体としての現像ローラ41は、感光体ドラム1に近接するように配置されており、両者の対向部分に現像領域が形成されるようになっている。現像ローラ41には、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂などの非磁性体を円筒状に形成してなる現像スリーブ43が図示しない回転駆動機構によって図3に示す矢印方向すなわち時計回り方向に回転されるようにして備えられている。
現像スリーブ43内には、該現像スリーブ43の表面上に現像剤を穂立ちさせるように磁界を形成する磁石ローラ体44が固定状態で備えられている。現像剤を構成するキャリアは、磁石ローラ体44から発せられる磁力線に沿うようにして現像スリーブ43上にチェーン状に穂立ちされるとともに、このチェーン状に穂立ちされたキャリアに対して帯電トナーが付着されて磁気ブラシが形成されるようになっている。
【0028】
形成された磁気ブラシは、現像スリーブ43の回転移送にともなって現像スリーブ43と同方向、すなわち時計回り方向に移送されることとなる。現像剤の搬送方向、すなわち時計回り方向における前記現像領域の上流側部分には、現像剤チェーン穂の穂高さ、すなわち現像剤の量を規制するドクタブレード45が設置されている。現像ローラ41の後方領域には、現像ケーシング46内の現像剤を撹拌しながら現像ローラ41側に汲み上げるスクリュ47が設置されている。
【0029】
磁石ローラ体44は、複数の磁極を備えている。具体的には、現像領域部分に現像剤を穂立ちさせる現像主磁極(P1b)と、現像主極磁力と極性の異なる補助磁極(P1a,P1c)、現像スリーブ43上に現像剤を汲み上げるための磁極P4、現像スリーブ43上に現像剤を汲み上げられた現像剤を現像領域まで搬送させる磁極P5およびP6、現像後の領域で現像剤を搬送させる磁極P2およびP3を備えている。
これらの各磁極P1b,P1a,P1c,P4,P5,P6,P2およびP3は、現像スリーブ43の半径方向に向けて配置されている。この磁石ローラ41は、8極の磁石によって構成されているが、汲み上げ性、黒ベタ画像追従性を向上させるために、P3極からドクタブレード45間に磁極を更に増やして10極や12極で構成される磁石ローラとしても良い。
【0030】
本実施形態では、図5に示すように、現像主極P1群は、P1a,P1b,P1cともに横断面の小さい磁石により構成されている。横断面が小さくなると一般に磁力は弱くなるが、現像ローラ表面の磁力が小さくなりすぎるとキャリアを保持する力が充分ではなくなるために感光体へのキャリア付着を生じることがある。
そこでこれらの磁石は磁力の強い希土類金属合金磁石により作製した。希土類金属合金磁石のうち代表的な鉄ネオジウムボロン合金磁石では最大エネルギー積で358kJ/m3であり、鉄ネオジウムボロン合金ボンド磁石では最大エネルギー積で80kJ/m3前後である。これにより、従来通常用いられていた、最大エネルギー積が36kJ/m3前後、20kJ/m3前後であるフェライト磁石、フェライトボンド磁石等と比べ強い磁力を確保することが可能となった為、横断面の小さい磁石を用いても現像ローラ表面の磁力を確保することが可能となった。磁力を確保するためには、この他にサマリュウムコバルト金属合金磁石等を用いることもできる。
【0031】
上記のような構成により、主磁極(P1b)の半値幅が小さくなり、その結果ニップが短くなった。このように本実施形態においては、感光体ドラム1上を摺擦する磁気ブラシのニップが短くなる為、磁気ブラシ先端部でトナードリフトが起こりにくくなり、結果として、後端部白抜けを低減させることが可能となる。
また、補助磁極(P1a,P1c)の存在により主磁極(P1b)の磁力線の回り込みが強くなり、その結果ニップ部における法線方向の磁力密度の減衰率が高くなるためにニップ内で磁気ブラシが密に形成される。このため、磁気ブラシはニップ部において長手方向にばらつかず十分均一になり、長手方向に亘る全領域で後端白抜けが低減される。
【0032】
感光体ドラム1のドラム径を60mm、現像スリーブ43のスリーブ径を20mmとし、また図6に示すように、主磁極(P1b)の両側にある補助磁極(P1a,P1c)を30°以下の角度、具体的には25゜としたところ、主磁極(P1b)の半値幅が22゜以下、具体的には16°となった。
さらに、補助磁極(P1a、P1c)と補助磁極の外側にある磁極(P2,P6)との変極点(0mT:磁力がN極からS極、S極からN極に変わる点)間角度は120°以下で形成し、この状態で感光体ドラム1を240mm/秒、現像スリーブを600mm/秒の速度で現像した場合にはニップが2mm以下となった。
また、ADS社製ガウスメータ(HGM−8300)並びにADS社製A1型アキシャルプローブを用いて測定した主磁極(P1b)の現像スリーブ表面での磁束密度は117[mT]であるのに対し、現像スリーブ表面から1mm離れた位置での磁束密度は54.4[mT]であり、減衰率は53.5%であった。
【0033】
なお、本実施形態では補助磁極を用いた例を説明したが、補助磁極を用いず主磁極(P1b)のみを用いた場合でも、搬送磁極等(P2〜P6)への磁力線の回り込みが強まる結果、ニップ部において法線方向における磁束密度の減衰率が40%以上になれば磁気ブラシは密に形成され、後端白抜けを充分に低減することができる。
【0034】
次に、図1に基づいて、本実施形態における回転型現像装置を有する画像形成装置としての電子写真方式のカラー複写機(以下「カラー複写機」という)を説明する。説明しないが、後端白抜け対策として上述したニップを狭くする手法、ニップ領域において磁気ブラシを密に形成する手法を適用している。
図1は、カラー複写機の主要部である画像形成部の概略構成図である。このカラー複写機は、図1に示す画像形成部のほか、図示しないカラー画像読み取り部(以下「カラースキャナ」という)、給紙部及びこれらを駆動制御する制御部などによって構成されている。
上記カラースキャナは、原稿のカラー画像情報を、例えばレッド、グリーン、ブルー(以下、それぞれ「R」、「G」、「B」という)の色分解光毎に読み取り、電気的な画像信号に変換する。そして、このカラースキャナで得たR、G、Bの色分解画像信号の強度レベルをもとにして、図示しない画像処理部で色変換処理を行い、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー(以下、それぞれ「Bk」、「C」、「M」、「Y」という)の画像データを得る。
【0035】
画像形成部は、像担持体としての感光体ドラム100、帯電手段としての帯電チャージャ200、クリーニングブレード及びファーブラシからなる感光体クリーニング装置300、露光手段としての図示しない書き込み光学ユニット、現像装置としてのリボルバ現像ユニット400、中間転写ユニット500、2次転写ユニット600、及び定着ローラ対を有する定着ユニット700などで構成されている。
感光体ドラム100は図中に矢印で示すように反時計回り方向に回転し、その周囲には、帯電チャージャ200,感光体クリーニング装置300,リボルバ現像ユニット400の選択された現像器、中間転写ユニット500の中間転写体としての中間転写ベルト501などが配置されている。
【0036】
書き込み光学ユニットは、カラースキャナからのカラー画像データを光信号に変換して、帯電チャージャ200によって一様に帯電された感光体ドラム100の表面に、原稿の画像に対応したレーザ光Lを照射して光書き込みを行い、感光体ドラム100の表面に静電潜像を形成する。
書き込み光学ユニットは、例えば、光源としての半導体レーザ、レーザ発光駆動制御部、ポリゴンミラーとその回転用モータ、f/θレンズ、反射ミラーなどによって構成することができる。
また、リボルバ現像ユニット400は、Bkトナーを用いるBk現像器401,Cトナーを用いるC現像器402、Mトナーを用いるM現像器403,Yトナーを用いるY現像器404、及びユニット全体を反時計回り方向に回転させる現像リボルバ駆動部などによって構成されている。
【0037】
リボルバ現像ユニット400に設置された各現像器401〜404は、静電潜像を現像するために現像剤の穂を感光体ドラム100の表面に接触させて回転する現像剤担持体としての現像スリーブと、現像剤を汲み上げて攪拌するために回転する現像剤パドル、及び現像スリーブを矢印で示す時計回り方向に回転させる現像スリーブ駆動部などで構成されている。
本実施形態では、各現像器401〜404内のトナーはフェライトキャリアとの攪拌によって負極性に帯電され、また、各現像スリーブには図示しない現像バイアス印加手段としての現像バイアス電源により負の直流電圧Vdc(直流成分)に交流電圧Vac(交流成分)が重畳された現像バイアス電圧が印可され、各現像スリーブが感光体ドラム100の金属基体層に対して所定電圧にバイアスされている。
【0038】
カラー複写機本体の待機状態では、リボルバ現像ユニット400はBk現像器401が現像位置に位置するホームポジションで停止しており、コピースタートキーが押されると、原稿画像データの読み取りを開始し、そのカラー画像データに基づいて、レーザ光Lによる光書き込み、すなわち静電潜像形成が始まる(以下、Bk画像データによる静電潜像を「Bk静電潜像」という。C、M、Yについても同様)。
このBk静電潜像の先端部から現像可能にすべく、Bk現像位置に静電潜像の先端部が到達する前に、Bk現像スリーブの回転を開始してBk静電潜像をBkトナーで現像する。そして、以後Bk静電潜像の現像動作を続けるが、Bk静電潜像の後端部がBk現像位置を通過した時点で、速やかに次の色の現像器が現像位置に来るまで、リボルバ現像ユニット400が回転する。
これは少なくとも、次の画像データによる静電潜像の先端部が現像位置に到達する前に完了させる。
【0039】
中間転写ユニット500は、後述する複数のローラに張架された中間転写体である中間転写ベルト501などで構成されている。中間転写ベルト501の周りには、2次転写ユニット600の転写材担持体である2次転写ベルト601、2次転写電荷付与手段である2次転写バイアスローラ605、中間転写体クリーニング手段であるベルトクリーニングブレード504、潤滑剤塗布手段である潤滑剤塗布ブラシ505などが対向するように配設されている。
中間転写ベルト501は、1次転写電荷付与手段である1次転写バイアスローラ507、ベルト駆動ローラ508、ベルトテンションローラ509、2次転写対向ローラ510,クリーニング対向ローラ511、及びアースローラ512に張架されている。各ローラは導電性材料で形成され、1次転写バイアスローラ507以外の各ローラは接地されている。
【0040】
1次転写バイアスローラ507には、定電流または定電圧制御された1次転写電源801により、トナー像の重ね合わせ数に応じて所定の大きさの電流又は電圧に制御された転写バイアスが印可されている。
また、中間転写ベルト501は、図示しない駆動モータによって矢印方向に回転駆動されるベルト駆動ローラ508により、矢印方向に駆動される。また、中間転写ベルト501は、半導体、または絶縁体で、単層または多層構造となっている。
感光体ドラム100上のトナー像を中間転写ベルト501に転写する転写部(以下「1次転写部」という)では、1次転写バイアスローラ507及びアースローラ512で中間転写ベルト501を感光体ドラム100側に押し当てるように張架することにより、感光体ドラム100と中間転写ベルト501との間に所定幅のニップ部を形成している。また、このニップ部の中間転写ベルト501の内周面には、1次転写部除電手段として接地したベルト除電ブラシ513を当接させている。
【0041】
潤滑剤塗布ブラシ505は、板状に形成された潤滑剤としてのステアリン酸亜鉛506を研磨し、この研磨された微粒子を中間転写ベルト501に塗布するものである。この潤滑剤塗布ブラシ505も、中間転写ベルト501に対して隣接可能に構成され、所定のタイミングで中間転写ベルト501に接触するように制御される。
2次転写ユニット600は、3つの支持ローラ602、603、604に張架された2次転写ベルト601などで構成され、中間転写ベルト501の支持ローラ602と603間の張架部が2次転写対向ローラ510に対して圧接可能になっている。3つの支持ローラ602,603,604の一つは、図示しない駆動手段によって回転駆動される駆動ローラであり、その駆動ローラにより2次転写ベルト601が図中に矢印で示す方向に駆動される。
【0042】
2次転写バイアスローラ605は、2次転写手段であり、2次転写対向ローラ510との間に中間転写ベルト501と2次転写ベルト601を挟持するように配設され、定電流制御される2次転写電源802によって所定電流の転写バイアスが印加されている。また、上記2次転写ベルト601及び2次転写バイアスローラ605が、2次転写対向ローラ510に対して圧接する位置と離間する位置とを取り得るように、支持ローラ602及び2次転写バイアスローラ605を矢印方向に駆動する図示しない離接機構が設けられている。その離間位置にある2次転写ベルト601及び支持ローラ602を、図1に2点鎖線で示している。
【0043】
符号650はレジストローラ対を示しており、2次転写バイアスローラ605と2次転写対向ローラ510とに挟持された中間転写ベルト501と2次転写ベルト601の間に、所定のタイミングで転写材である転写紙Pを送り込む。
2次転写ベルト601の定着ローラ対701側の支持ローラ603に張架されている部分には、転写材除電手段である転写紙除電チャージャ606と、転写材担持体除電手段であるベルト除電チャージャ607とが対向している。また、2次転写ベルト601の図中下側の支持ローラ604に張架されている部分には、転写材担持体クリーニング手段であるクリーニングブレード608が当接している。
転写紙除電チャージャ606は、転写紙に保持されている電荷を除電することにより、転写紙自体のこしの強さで転写紙を2次転写ベルト601から良好に分離できるようにするものである。ベルト除電チャージャ607は、2次転写ベルト601上に残留する電荷を除電するものである。また、上記クリーニングブレード608は、2次転写ベルト601の表面に付着した付着物を除去してクリーニングするものである。
【0044】
以上のように構成したカラー複写機において、画像形成サイクルが開始されると、感光体ドラム100は、図示しない駆動モータによって矢印で示す反時計回り方向に回転され、中間転写ベルト501はベルト駆動ローラ508によって矢印で示す時計回り方向に回転される。
中間転写ベルト501の回転に伴ってBkトナー像形成、Cトナー像形成、Mトナー像形成、Yトナー像形成が1次転写バイアスローラ507に印可される電圧による転写バイアスにより1次転写が行われ、最終的にBk、C、M、Yの順に中間転写ベルト501上に重ねてトナー像が形成される。
例えばBkトナー像形成は次のように行われる。帯電チャージャ200は、コロナ放電によって感光体ドラム100の表面を負電荷で所定電位に一様に帯電する。そして、図示しない書き込み光学ユニットにより、Bkカラー画像信号に基づいてレーザ光によるラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当初一様帯電された感光体ドラム100の表面の露光された部分は、露光光量に比例する電荷が消失し、bk静電潜像が形成される。
【0045】
このBk静電潜像に、Bk現像器401のBk現像ローラ上の負帯電されたBkトナーが接触することにより、感光体ドラム100の電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い部分つまり露光された部分にはトナーが吸着し、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。この感光体ドラム100上に形成されたBkトナー像は、感光体ドラム100と接触状態で等速駆動している中間転写ベルト501の表面に転写される。以下、感光体ドラム100から中間転写ベルト501へのトナー像の転写を「ベルト転写」という。
上記ベルト転写後の感光体ドラム100の表面に残留している若干の未転写残留トナーは、感光体ドラム100の再使用に備えて、感光体クリーニング装置300で清掃される。
感光体ドラム100側ではBk画像形成工程の次にC画像形成工程に進み、所定のタイミングでカラースキャナによるC画像データの読み取りが始まり、そのC画像データによるレーザ光書き込みによって、感光体ドラム100の表面にC静電潜像を形成する。
【0046】
そして、先のBk静電潜像の後端部が通過した後で、且つC静電潜像の先端部が到達する前にリボルバ現像ユニット400の回転動作が行われ、C現像器402が現像位置にセットされ、C静電潜像がCトナーで現像される。
以後、C静電潜像領域の現像を続けるが、C静電潜像の後端部が通過した時点で、先のBk現像器401の場合と同様にリボルバ現像ユニットの回転動作を行い、次のM現像器403を現像位置に移動させる。これもやはり次のM静電潜像の先端部が現像位置に到達する前に完了させる。
なお、M及びYの画像形成工程については、それぞれのカラー画像データ読み取り、静電潜像形成、現像の動作が上述のBk、Cの工程と同様であるので説明は省略する。
【0047】
中間転写ベルト501上には、感光体ドラム100上に順次形成されるBk、C、M、Yのトナー像が、同一面に順次位置合わせされて転写される。それにより、中間転写ベルト501上には最大で4色が重ね合わされたトナー像が形成される。
上記画像形成動作が開始される時期に、転写紙Pは図示しない転写紙カセット又は手差しトレイなどの給紙部から給送され、レジストローラ対650のニップで待機している。2次転写対向ローラ510及び2次転写バイアスローラによりニップが形成された2次転写部に中間転写ベルト501上のトナー像の先端がさしかかるときに、ちょうど転写紙Pの先端がこのトナー像の先端に一致するようにレジストローラ対650が駆動され、転写紙Pとトナー像とのレジスト合わせが行われる。
【0048】
そして、転写紙Pが中間転写ベルト501上のトナー像と重ねられて2次転写部を通過する。このとき、2次転写電源802によって2次転写バイアスローラ605に印可される電圧による転写バイアスにより、中間転写ベルト501上の4色重ねトナー像が転写紙上に一括転写される。
転写紙Pは、2次転写ベルト601の移動方向における2次転写部の下流側に配置した転写紙除電チャージャ606との対向部を通過するときに除電され、2次転写ベルト601から剥離して定着ローラ対701に向けて送られる。
この定着ローラ対701のニップ部でトナー像が溶融定着され、図示しない排出ローラ対で装置本体外に送り出され、図示しないコピートレイに表向きにスタックされ、フルカラーコピーを得る。
一方、上記ベルト転写後の感光体ドラム100の表面は、感光体クリーニング装置300でクリーニングされ、図示しない除電ランプで均一に除電される。
また、転写紙Pにトナー像を転写した後の中間転写ベルト501の表面に残留したトナーは、図示しない離接機構によって中間転写ベルト501に押圧されるベルトクリーニングブレード504によってクリーニングされる。
【0049】
リピートコピーの時は、カラースキャナの動作及び感光体ドラム100への画像形成は、1枚目の4色目(Y)の画像形成工程に引き続き、所定のタイミングで2枚目の1色目(Bk)の画像形成工程に進む。
また、中間転写ベルト501の方は、1枚目の4色重ねトナー像の転写紙への一括転写工程に引き続き、表面の上記ベルトクリーニングブレード504でクリーニングされた領域に、2枚目のBkトナー像がベルト転写されるようにする。その後は、1枚目と同様動作になる。
以上は、4色フルカラーコピーを得るコピーモードであったが、3色コピーモード、2色コピーモードの場合は、指定された色と回数の分について、上記同様の動作を行うことになる。
また、単色コピーモードの場合は、所定枚数が終了するまでの間、リボルバ現像ユニット400の所定色の現像器のみを現像動作状態にして、ベルトクリーニングブレード504を中間転写ベルト501に押圧させた状態のままの位置にしてコピー動作を行う。
【0050】
上述のように、リボルバ現像ユニット400ではリボルバー回転軸の周りに4色の現像器が備えられ、現像する色に応じてリボルバ現像ユニット400が回転して感光体ドラム100に近接し、現像が行われる。リボルバ現像ユニット400の現像器は初めどの色の現像スリーブも感光体ドラム100と近接していないホームポジションで待機している。そして現像時はホームポジションである基準位置から、まず第1色目の現像スリーブが感光体に近接する様に切り替わる。
その後4色の現像が行われる場合は、リボルバ現像ユニット400が90度づつ回転して現像器の切り替えが行われ、4色の現像が完了する様になっている。
ホームポジションである基準位置は、第1色目の現像器が感光体ドラム100に対する位置の手前30度の位置となっている。
【0051】
本実施形態ではホームポジションから第1色目はブラック現像で、第2色目がイエロー現像、第3色目がシアン現像、第4色目はマゼンタ現像という順番で4色の現像行われる。
転写が4色重ねて形成される4色モードの場合はリボルバ現像ユニット400は90度づつ回転して現像器の切り替えが行われ、また2色モード、3色モードの場合は必要な色のみ現像、転写が行われる。2色モードは例えばブラックとシアンの場合は、リボルバ現像ユニット400は先ずホームポジションからブラック現像の位置に移動し、その後180度回転してシアン現像のポジションに移動して、ブラック現像とシアン現像のみを行う構成になっている。
【0052】
上述のように、上記構成では現像ニップが狭いために、現像を切り替える場合のリボルバ現像ユニット400を回転させて停止する時に、着地時に感光体ドラム100に余分なトナーが付着して地汚れが発生する現象が見られた。
この問題に対処すべく、本実施形態では、現像バイアスの値として、感光体ドラム100の帯電電位と該現像バイアスの電位差である公転ポテンシャルが通常の現像条件よりも感光体ドラム100へのキャリア付着が生じない範囲で高くなるように設定することを特徴としている。
しかしながら、帯電電位と現像バイアスの電位差である公転ポテンシャルを大きくしすぎると、現像スリーブからキャリアが離れて感光体ドラム100に付着するキャリア付着が発生するので、常に公転ポテンシャルを大きくして地汚れを防ぐ方法は採用することが出来ない。
表1に、公転ポテンシャルと地汚れ・キャリア付着の関係における実験データを示す。但し、表1において、公転ポテンシャルを公転バイアス(単位V)と表示している。
【0053】
【表1】
【0054】
表1から、公転バイアスが300V以上では地汚れ(公転時汚れ)が発生せず、公転バイアスが300V以下ではキャリア付着が発生しないことが判る。
この実験事実を踏まえ、本実施形態では、リボルバ現像ユニット400が回転して現像スリーブが感光体ドラム100に近接する際に、該現像スリーブに現像バイアスの印加を行うが(公転時バイアス)、そのときの現像バイアスの値を、公転ポテンシャルが300Vとなるように設定する。
すなわち、公転時バイアスの値を現像時バイアス(通常の現像条件)よりも下げる制御を行う。具体的には、カラー複写機の図示しないメインコントローラは、現像スリーブが感光体ドラム100に近接する際に、記憶された公転ポテンシャル値300Vに基づいて公転時の現像バイアス値を演算し、該公転時バイアス値を現像スリーブに印加する。
図2にリボルバ現像ユニット400の90度、180度、270度のタイミングチャートを示す。
【0055】
ここで、参考例を説明する。
本発明者の実験によれば、表2に示すように、現像剤の特性によっては色毎に最適な公転ポテンシャルが異なる。すなわち、キャリア付着防止の観点から、例えばブラックとイエローでは最適な公転ポテンシャルの値は250Vであり、シアンとマゼンタでは300Vである。
本参考例では、この実験事実に基づき、公転ポテンシャルの値を、色毎に、すなわち、現像器毎に変える制御を行う。具体的には、カラー複写機の図示しないメインコントローラは、ブラック又はイエローの現像スリーブが感光体ドラム100に近接する際には、記憶された公転ポテンシャル値250Vに基づいて公転時の現像バイアス値を演算し、該公転時バイアス値を現像スリーブに印加する。
シアン又はマゼンタの現像スリーブが感光体ドラム100に近接する際には、公転ポテンシャル値を300Vに切り替え、該公転ポテンシャルの値に基づいて公転時の現像バイアス値を演算し、該公転時バイアス値を現像スリーブに印加する。
【0056】
【表2】
【0057】
次に、第1の実施形態の続きを説明する。
本発明者の実験によれば、リボルバ現像ユニット400の回転において、90度回転のときよりも180度、270度回転したときの方が地汚れが発生しやすいということが確認された。これは、90度の場合に対して、180度、270度の場合は、公転時の加速度が大きく公転時間が長いため、着地の部分が画像領域に入って地汚れが発生しやすいためである。
本実施形態では、この実験事実に基づき、公転ポテンシャルの値を、リボルバ現像ユニット400の公転時の回転が180度(シアン現像)及び270度(マゼンタ現像)の場合には90度回転時よりも大きく設定する制御を行う。すなわち、シアン現像、マゼンタ現像の場合のみ現像バイアスを低くするものである。
具体的には、例えば90度の回転の場合は公転バイアスを300Vに設定し、180度、270度の場合は350Vに設定する。
【0058】
次に、第2の実施形態を説明する。
本発明者の実験によれば、表3に示すように、リボルバ現像ユニット400の公転が、180度、270度になる色の組み合わせにおいて地汚れが発生しやすいということが確認された。表3において、Kはブラックを、Rはレッドを、Bはブルーを示す。
【0059】
【表3】
【0060】
本実施形態では、この実験事実に基づき、公転ポテンシャルの値を、180度、270度になる色の組み合わせにおいて切り替える制御を行う。
具体的には、例えば90度の回転の場合は公転バイアスを300Vに設定し、180度における(K+R)、(K+B)、(K+C)、270度における(K+M)の色の組み合わせの場合は350Vに設定する。
【0061】
次に、第2の参考例を説明する。
本発明者の実験によれば、表4に示すように、転写紙サイズが大きい場合は、地汚れが発生しやすいことが確認された。転写紙のサイズが大きい場合には、リボルバ現像ユニット400の現像器の切り替えが中間転写ベルト501の画像上に来るため、地汚れが画像に出やすいためである。
【0062】
【表4】
【0063】
本参考例では、この実験事実に基づき、公転ポテンシャルの値を、転写紙のサイズに応じて変える制御を行う。
具体的には、例えば地汚れが画像に出やすいA3〜A4Yまでのサイズでは公転ポテンシャルの値を350Vとし、それ以下のサイズは300Vとする。
【0064】
上記各実施形態では、ニップを狭くし、ニップ領域において磁気ブラシを密に形成した構成における公転ポテンシャルの切り替え制御を示したが、かかる構成を前提としない通常構成(従来構成)におけるリボルバ公転時の地汚れ対策においても同様に実施することができる(請求項2)。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、公転時の地汚れとキャリア付着のない良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における画像形成装置としてのカラー複写機の要部正面図である。
【図2】タイミングチャートである。
【図3】ニップを狭くする構成、ニップ領域において磁気ブラシを密に形成する構成をを説明するための非回転型現像装置を有する画像形成装置の要部正面図である。
【図4】図3で示した画像形成装置の現像装置の概要正面図である。
【図5】図3で示した画像形成装置の現像装置における現像ローラの磁力分布とその大きさの程度を示す図である。
【図6】図3で示した画像形成装置の現像装置における主磁極と主磁極磁力形成補助磁石の角度位置関係を示す図である。
【図7】後端白抜けの概念を示す図で、(a)は後端白抜けがない状態を示す図、(b)は後端白抜けが生じた状態を示す図である。
【図8】磁気ブラシ現像方式における現像部の様子を示す図である。
【図9】後端白抜けのメカニズム段階的に示した図である。
【図10】磁気ブラシの状態を示す図で、(a)は現像ローラの長手方向における状態を示す図、(b)は(a)におけるH−H'線での断面図である。
【図11】トナードリフトが低減される原理を段階的に示した図である。
【図12】磁気ブラシのバラツキと後端白抜けとの関係を示す図で、(a)は磁気ブラシが密に形成された状態を示す図、(b)は磁気ブラシにバラツキがある従来の状態を示す図、(c)は後端白抜けがない状態を示す図、(d)は後端白抜けが生じた状態を示す図である。
【符号の説明】
100 像担持体としての感光体ドラム
400 回転型現像装置としてのリボルバ現像ユニット
401、402、403、404 現像器
Claims (2)
- 現像剤担持体を具備した現像器を色別に複数備えた回転型現像装置を有し、単一の像担持体上に形成された静電潜像を回転動作により該現像器を切り替えて現像を行う画像形成装置であって、各現像器は、穂立ちした現像剤が該像担持体に摺擦するニップ領域で該現像剤担持体の法線方向への磁束密度の減衰率が40%以上である画像形成装置において、
前記回転型現像装置が回転して前記現像剤担持体が前記像担持体に近接する際に、該現像剤担持体に現像バイアスの印加を行い、そのときの現像バイアスの値は、該像担持体の帯電電位と該現像バイアスの電位差である公転ポテンシャルが通常の現像条件よりも該像担持体へのキャリア付着が生じない範囲で高くなるように設定し、且つ、前記公転ポテンシャルの値を、前記回転型現像装置の公転時の回転が180度及び270度回転時には90度回転時よりも大きく設定することを特徴とする画像形成装置。 - 現像剤担持体を具備した現像器を色別に複数備えた回転型現像装置を有し、単一の像担持体上に形成された静電潜像を回転動作により該現像器を切り替えて現像を行う画像形成装置において、
前記回転型現像装置が回転して前記現像剤担持体が前記像担持体に近接する際に、該現像剤担持体に現像バイアスの印加を行い、そのときの現像バイアスの値は、該像担持体の帯電電位と該現像バイアスの電位差である公転ポテンシャルが通常の現像条件よりも該像担持体へのキャリア付着が生じない範囲で高くなるように設定し、且つ、前記公転ポテンシャルの値を、前記回転型現像装置の公転時の回転が180度及び270度回転時には90度回転時よりも大きく設定することを特徴とする画像形成装置。
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