JP2001324872A - 現像方法、現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

現像方法、現像装置及び画像形成装置

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JP2001324872A
JP2001324872A JP2000142342A JP2000142342A JP2001324872A JP 2001324872 A JP2001324872 A JP 2001324872A JP 2000142342 A JP2000142342 A JP 2000142342A JP 2000142342 A JP2000142342 A JP 2000142342A JP 2001324872 A JP2001324872 A JP 2001324872A
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Hisafumi Shoji
尚史 庄司
So Kai
創 甲斐
Hiroshi Yasutomi
啓 安富
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コントラスト画像を良好にし且つ画像ノイ
ズを抑制し、階調再現製にも優れた現像方法、現像装置
及び画像形成装置を提供する。 【解決手段】 潜像担持体と現像剤担持体間の距離(現
像ギャップ)を平均キャリア粒径の3倍以上10倍以下
とし、現像ニップの潜像担持体・現像剤担持体間最近接
距離(現像ギャップ)に対するニップ境界部の潜像担持
体・現像剤担持体間距離の比を1.5以下とする。これ
により、磁気ブラシによる潜像担持体上のトナー像撹乱
を最小限にするとともに、エッジ効果を少なくして後端
白抜けを防ぎ横ライン再現性及びドット均一性を向上さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、現像剤担持体表面
の現像領域部分に現像剤を穂立ちさせて現像処理するに
あたって画像濃度を高く且つ低コントラスト画像を良好
にする現像方法、その現像方法を実施するための現像装
置及び当該現像装置を装着した画像形成装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】電子写真その他の、粉体トナーを用いた
画像形成方法において、二成分現像剤を用いた磁気ブラ
シ現像は周知であり、複写機、プリンタ、ファクシミリ
等の画像形成装置において広く利用されている。
【0003】磁気ブラシ現像では、現像剤担持体の表面
に現像剤を搬送し、現像剤をブラシ状(磁気ブラシ)に保
持させて像担持体に接触させ、静電潜像が形成された像
担持体と電気的バイアスが印加されたスリーブとの間の
電界によってトナーが潜像面に選択的に付着することに
より、現像が行われる。
【0004】上記現像剤担持体は、通常、円筒状のスリ
ーブ(現像スリーブ)として構成され、このスリーブ表
面に現像剤の穂立ちを生じさせるように磁界を形成する
磁石体(磁石ローラ)をスリーブ内部に備えている。穂
立ちの際、キャリアが磁石ローラで生じる磁力線に沿う
ようにスリーブ上に穂立ちすると共に、この穂立ちに係
るキャリアに対して帯電トナーが付着されている。上記
磁石ローラは、複数の磁極を有し、それぞれの磁極を形
成する磁石が棒状などに構成されていて、特にスリーブ
表面の現像領域部分では現像剤を立ち上げる現像主磁極
を備えている。上記スリーブと磁石ローラの少なくとも
一方が動くことでスリーブ表面に穂立ちを起こした現像
剤が移動するようになっており、現像領域に搬送された
現像剤は上記現像主磁極から発せられる磁力線に沿って
穂立ちを起こし、この現像剤のチェーン穂は撓むように
潜像担持体表面に接触し、接触した現像剤のチェーン穂
が潜像担持体との相対線速差に基づいて静電潜像と擦れ
合いながら、トナー供給を行う。なお、現像領域とは、
現像剤担持体上で磁気ブラシが立ち上がり潜像担持体と
接触している範囲とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
磁気ブラシ現像においては、画像濃度を高くするための
現像条件と低コントラスト画像を良好に得るための現像
条件とが両立せず、高濃度部と低濃度部との双方を同時
に改善することが困難である。即ち、画像濃度を高くす
るための現像条件としては、(i)潜像担持体と現像スリ
ーブとの間隔である現像ギャップを狭くすること、ある
いは(ii)現像領域幅を広くすることなどが挙げられる。
一方、低コントラスト画像を良好に得るための現像条件
としては、(i')現像ギャップを広くすること、あるいは
(ii')現像領域幅を狭くすることなどがある。つまり、
双方の現像条件は相対するものであって両立せず、全濃
度域にわたって双方の条件を満たして良質な画像を得る
ことは一般に困難とされている。
【0006】潜像像担持体と現像剤担持体の距離(現像
ギャップ)を大きくすると、潜像担持体への磁気ブラシ
による摺擦力が小さくなるため、後端白抜け現象、横ラ
インの再現性が良好である。反面、現像におけるエッジ
効果が大きくなり、孤立点が必要以上に大きく現像され
たり、ラインが太くなったり、ベタ領域やハーフトーン
領域の周囲が強調され、さらにその外側が白く抜けたり
するエッジ強調現象が目立つようになる。その結果、階
調再現の制御も複雑になる。
【0007】これに対して現像ギャップを小さくする
と、現像でのエッジ効果が軽減し、ざらつき感の少ない
画像が得られるようになる。しかし、磁気ブラシによる
摺擦力が強くなり、後端白抜けや横ライン再現性やドッ
トの抜けが悪くなるため、方向依存性の強い画像とな
る。
【0008】そこで本発明は、低コントラスト画像を良
好にし且つ画像ノイズを抑制し、階調再現製にも優れた
現像方法、現像装置及び画像形成装置を提供することを
課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、本発明に
より、現像剤を現像剤担持体に汲み上げて、現像剤担持
体上に磁気ブラシを形成し、潜像担持体に現像剤を摺擦
させて潜像を可視像化する現像方法において、潜像担持
体と現像剤担持体間の距離を平均キャリア粒径の3倍以
上10倍以下とし、現像ニップの潜像担持体・現像剤担
持体間最近接距離に対するニップ境界部の潜像担持体・
現像剤担持体間距離の比を1.5以下とすることにより
解決される。
【0010】また、前記の課題を解決するため、本発明
は、現像剤を汲み上げる現像剤担持体を有し、該現像剤
担持体上に磁気ブラシを形成し、潜像担持体に現像剤を
摺擦させて潜像を可視像化する現像装置において、前記
潜像担持体と現像剤担持体間の距離を平均キャリア粒径
の3倍以上10倍以下とし、現像ニップの潜像担持体・
現像剤担持体間最近接距離に対するニップ境界部の潜像
担持体・現像剤担持体間距離の比を1.5以下とするこ
とを提案する。
【0011】また、前記の課題を解決するため、本発明
は、前記現像剤担持体に内蔵される磁石ローラは、現像
主磁極に隣接して主磁極の磁力形成を補助する補助磁極
を有することを提案する。
【0012】また、前記の課題を解決するため、本発明
は、前記現像剤担持体に内蔵される磁石ローラは、磁石
ローラを構成する全ての磁石のうち磁束密度の半値幅が
最も小さい磁石で主磁極を構成することを提案する。
【0013】また、前記の課題を解決するため、本発明
は、前記潜像担持体は電極部材上にキャリア発生層、キ
ャリア輸送層の順に積層されて構成され、前記キャリア
輸送層の厚さが平均キャリア粒径以下であることを提案
する。
【0014】また、前記の課題を解決するため、本発明
は、上記請求項2〜5のいずれか一項に係る現像装置を
備える画像形成装置を提案する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。先ず本発明に係る現像装置が装着
された画像形成装置の作像部について説明する。図1に
おいて、静電潜像担持体である感光体ドラム1の周囲に
は、当該ドラム表面を帯電するための帯電装置2、一様
帯電処理面に潜像を形成するためのレーザー光線でなる
露光3、ドラム表面の潜像に帯電トナーを付着すること
でトナー像を形成する現像装置4、形成されたドラム上
のトナー像を記録紙へ転写するための転写装置5、ドラ
ム上の残留トナーを除去するためのクリーニング装置
7、ドラム上の残留電位を除去するための除電ランプ8
が順に配設されている。
【0016】このような構成において、帯電装置2の帯
電ローラによって表面を一様に帯電された感光体1は、
露光3によって静電潜像を形成され、現像装置4によっ
てトナー像を形成される。当該トナー像は、転写ベルト
などでなる転写装置5によって、感光体ドラム1表面か
ら、不図示の給紙トレイから搬送された記録紙へ転写さ
れる。この転写の際に感光体ドラムに静電的に付着した
記録紙は、分離爪によって感光体ドラム1から分離され
る。そして未定着の記録紙上のトナー像は定着器9によ
って記録紙に定着される。一方、転写されずに感光体ド
ラム上に残留したトナーは、クリーニング装置7によっ
て除去され回収される。残留トナーを除去された感光体
ドラム1は除電ランプ8で初期化され、次回の画像形成
プロセスに供される。なお、符号6は、図示しない給紙
トレイからの記録紙を、感光体1上のトナー像にタイミ
ングを合わせて送出するためのレジストローラである。
【0017】図2に示すように、現像装置4内には、現
像剤担持体である現像ローラ41が感光体ドラム1に近
接するように配置されていて、双方の対向部分には、感
光体ドラムと磁気ブラシが接触する現像領域が形成され
ている。現像ローラ41は、アルミニウム、真鍮、ステ
ンレス、導電性樹脂などの非磁性体を円筒形に形成して
なる現像スリーブ43が不図示の回転駆動機構によって
図中時計回りに回転されるようになっている。
【0018】本実施例においては、感光体ドラム1のド
ラム径が60mmで、ドラム線速が240mm/秒に設
定され、現像スリーブ43のスリーブ径が20mmで、
スリーブ線速が600mm/秒に設定されている。した
がって、ドラム線速に対するスリーブ線速の比は2.5
である。また感光体ドラム1と現像スリーブ43との間
隔である現像ギャップは0.4mmに設定されている。
現像ギャップは、従来ではキャリア粒径が50μmであ
れば0.65mmから0.8mm程度、言い換えれば、
現像剤粒径の10倍以上に設定されていた。なお、スリー
ブ線速のドラム線速に対する比は最低1.1にまで下げ
てもなお必要な画像濃度を得ることができる。
【0019】現像剤の搬送方向(図で見て時計回り方
向)における現像領域の上流側部分には、現像剤チェー
ン穂の穂高さ、即ち、現像スリーブ上の現像剤量を規制
するドクタブレード45が設置されている。このドクタ
ブレード45と現像スリーブ43との間隔であるドクタ
ギャップは0.4mmに設定されている。更に現像ロー
ラの感光体ドラムとは反対側領域には、現像装置ケーシ
ング内の現像剤を攪拌しながら現像ローラ41へ汲み上
げるためのスクリュー47が設置されている。
【0020】現像ローラのスリーブ43内には、当該現
像スリーブ43の周表面に現像剤の穂立ちを生じるよう
に磁界を形成する磁石ローラ体(磁石ローラ)44が固
定状態で備えられる。この磁石ローラ体から発せられる
法線方向磁力線に沿うように、現像剤のキャリアが現像
スリーブ43上にチェーン状に穂立ちされ、このチェー
ン状に穂立ちされたキャリアに帯電トナーが付着され
て、磁気ブラシが構成される。当該磁気ブラシは現像ス
リーブ43の回転によって現像スリーブ43と同方向
(図で見て時計回り方向)に移送されることとなる。上
記磁石ローラ体44は、複数の磁極(磁石)を備えてい
る。具体的には、現像領域部分に現像剤を穂立ちさせる
現像主磁石P1b、現像主磁極磁力の形成を補助する主
磁極磁力形成補助磁石P1a,P1c、現像スリーブ4
3上に現像剤を汲み上げるための磁石P4、汲み上げら
れた現像剤を現像領域まで搬送する磁石P5,P6、現
像後の領域で現像剤を搬送する磁極P2,P3を備えて
いる。これら各磁石P1b,P1a,P1c,P4,P
5,P2及びP3は、現像スリーブ43の半径方向に向
けて配置されている。本例では、磁石ローラ体44を8
極の磁石によって構成しているが、汲み上げ性、黒ベタ
画像追従性を向上させるためにP3極からドクタブレー
ド45の間に磁石(磁極)を更に増やして10極や12
極で構成してもよい。
【0021】特に図2に示されるように、上記現像主極
群P1は、P1a,P1b,P1cの順で上流側から並
ぶ横断面の小さな磁石から構成されている。横断面の小
さいこれら磁石は希土類金属合金により作製されている
が、サマリウム合金磁石、特にサマリウムコバルト合金
磁石などを用いることもできる。希土類金属合金磁石の
うち代表的な鉄ネオジウムボロン合金磁石では最大エネ
ルギー積が358kJ/m3であり、鉄ネオジウムボロ
ン合金ボンド磁石では最大エネルギー積が80kJ/m
3前後である。このような磁石によって従来の磁石と異
なり、相当に小サイズ化しても必要な現像ローラ表面磁
力を確保できる。従来の通常フェライト磁石やフェライ
トボンド磁石などでは最大エネルギー積が36kJ/m
3前後、20kJ/m3前後である。スリーブ径を大き
くすることが許容される場合には、フェライト磁石やフ
ェライトボンド磁石を用いて形状を大きくとり、あるい
はスリーブ側に向いた磁石先端を細く形成することで半
値中央角を狭くすることが可能である。
【0022】本例では、現像主磁石P1bと、現像スリ
ーブ43上に現像剤を汲み上げるための磁石P4と、汲
み上げられた現像剤を現像領域まで搬送する磁石P6
と、現像後の領域で現像剤を搬送する磁極P2,P3が
N極をなし、現像主磁極磁力の形成を補助する主磁極磁
力形成補助磁石P1a,P1cと、汲み上げられた現像
剤を搬送する磁石P5がS極をなしている。磁力詳細を
示す図3で理解できるように、主磁石P1bとして、現
像ローラ上で85mT以上の法線方向磁力を有する磁石
が用いられた。当該主磁石P1bより回転下流側の主磁
極磁力形成補助磁石と共に例えば60mT以上の磁力を
有すれば、キャリア付着などの異常画像の発生が無いこ
とが確認されている。これよりも小さい磁力の場合には
キャリア付着が発生した。キャリア付着に関係する磁力
は接線磁力であり、この接線磁力を大きくするためには
P1b,P1cの磁力を大きくする必要があるが、どち
らかを十分に大きくすることでキャリア付着の発生を抑
えることができる。磁石P1a,P1b,P1cの磁石
幅は2mmであった。この時のP1bの半値中央角は1
6°であった。この場合、主磁極磁力形成補助磁石P1
a,P1cを有して現像主極群P1を形成しても(図3
の構成)、主磁石P1bの下流側のみに主磁極磁力形成
補助磁石P1cを配置しても(図4の構成)、主磁石P
1bでの半値中央角は変わりなく、主磁極(P1b部
分)の磁力が数%低下するだけである。上流側に主磁極
磁力形成補助磁石(P1a)が無いためにP1a部分の
磁力は低下し、30mT程度になったことが確認された
が、この箇所は入口シールによって覆われるべき部分で
あり、作像部に露出しないので、画像に影響せず、主磁
極に現像剤を提供することが可能である。更に磁石の幅
を狭くすることで、半値中央角は更に細くなることが確
認された。1.6mm幅を用いた際の主磁極の半値中央
角は12°であった。図3のグラフ値から、P1bの最
高法線磁力は90mTと読み取ることができる。この時
の半値中央角は45mTで、その角度幅は25°であ
る。この主磁極の半値中央角25°を境に、それより大
きくすると異常画像の発生があることが確認された。対
照のため、図5に従来の磁石ローラでの磁力詳細を概略
的に示す。
【0023】主磁極磁力形成補助磁石P1a,P1cの
半値中央角は35°以下に形成する。この部分での半値
中央角は外側に位置するP2やP6の半値中央角が大き
いために主磁極でのように半値中央角を相対的に狭く設
定することができない。
【0024】また主磁石P1bと主磁極磁力形成補助磁
石P1a,P1cの位置関係を図6に示す。主磁石P1
bの両側にある主磁極磁力形成補助磁石P1a,P1c
による挟角を30°以下に形成する。上記の例では、主
磁極での半値中央角を16°に設定するために当該挟角
は25°とした。更に主磁極磁力形成補助磁石P1a,
P1cと当該補助磁石の外側にある磁石P2,P6とに
よる変極点(0mT:磁力がN極からS極、S極からN
極に変わる点)の挟角を120°以下にする。
【0025】以上の条件を満たすことにより、主磁極で
の磁気ブラシが感光体に接触して現像するやり方では、
現像ニップが現像剤粒径以上で2mm以下となり、後端
白抜けがなく、横細線や1ドットのように小さい画像で
あっても十分に形成することができる。そのイメージを
図7に示し、図8の従来例と比較する。
【0026】主磁石P1bの磁力によって形成されるス
リーブ表面の磁気ブラシは、穂立ちし始める部分(根元
部分の幅)を2mm以下にすることによって、感光体と
磁気ブラシが接触する部分の現像ニップ幅を2mm以下
に形成することが可能である。
【0027】画像濃度の低い感光体上のトナー像(付着
量の少ないトナー像)を、現像する際に、本実施例の磁
気ブラシを使用した場合には、現像ニップ幅が小さいた
め、感光体上を摺擦する磁気ブラシの接触量(時間)が
少なくなり、磁気ブラシ先端部に発生するカウンターチ
ャージの発生量が低下する。結果として、カウンターチ
ャージをもったキャリアがトナー像を引き付けることに
よる画像後端部が白く抜ける現象を抑えることが可能と
なる。したがって、画像濃度の低い感光体上のトナー像
(付着量の少ないトナー像)の再現性を向上することが
可能となった。また画像濃度が高くなる理由として、本
実施形態の磁石ローラを使用することにより、P1bの
磁気ブラシの長さが小さくなり、現像ニップ幅を小さく
することが可能となり、したがって、現像スリーブが回
転移動し、P1bを通過する際の短くなった磁気ブラシ
が立ち始め現像ニップ間を通過する時間が早くなり(対
感光体線速比がこの部分だけ早くなる現象が起こってい
る)、感光体に摺擦する現像剤の量が増加するために画
像濃度が高くなる。更に現像ニップ幅が小さいので現像
ニップ領域前の現像剤滞留部の現像剤量が少なく、カウ
ンターチャージの発生を抑えることが可能となったため
に画像濃度の低下を抑えることができ、結果として、後
端白抜けの無い画像能力の向上した現像装置を提供する
ことができる。
【0028】次に、現像主極を1極の磁石により構成し
た現像装置を備える本発明の第2実施形態について説明
する。なお、上記実施形態と同じ部分には同じ符号を付
して説明する。
【0029】図9の現像装置4は、図1における現像装
置4に対応するものである。図9において、現像装置4
内には、現像剤担持体である現像ローラ41が感光体ド
ラム1に近接するように配置されていて、双方の対向部
分に現像領域が形成されている。現像ローラ41では、
アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂などの非
磁性体を円筒形に形成してなる現像スリーブ43が不図
示の回転駆動機構によって時計回り方向に回転されるよ
うになっている。本例においては、感光体ドラム1のド
ラム径が60mmで、ドラム線速が240mm/秒に設
定され、現像スリーブ43のスリーブ径が20mmで、
スリーブ線速が600mm/秒に設定されている。した
がって、ドラム線速に対するスリーブ線速の比は2.5
である。また感光体ドラム1と現像スリーブ43との間
隔である現像ギャップは0.4mmに設定されている。
現像ギャップは、従来ではキャリア粒径が50μmであ
れば0.65mmから0.8mm程度、言い換えれば、
現像剤粒径の10倍以上に設定されていた。なお、スリ
ーブ線速のドラム線速に対する比は最低1.1にまで下
げてもなお必要な画像濃度を得ることができる。
【0030】現像剤の搬送方向(図で見て時計回り方
向)における現像領域の上流側部分には、現像剤チェー
ン穂の穂高さ、即ち、現像スリーブ上の現像剤量を規制
するドクタブレード45が設置されている。このドクタ
ブレード45と現像スリーブ43との間隔であるドクタ
ギャップは0.4mmに設定されている。更に現像ロー
ラの感光体ドラムとは反対側領域には、現像ケーシング
46内の現像剤を攪拌しながら現像ローラ41へ汲み上
げるためのスクリュ47が設置されている。
【0031】上記現像スリーブ43内には、当該現像ス
リーブ43の周表面に現像剤を穂立ちさせるように磁界
を形成する磁石ローラ体44が固定状態で備えられてい
る。この磁石ローラ体から発せられる法線方向磁力線に
沿うように、現像剤のキャリアが現像スリーブ43上に
チェーン状に穂立ちされ、このチェーン状に穂立ちされ
たキャリアに帯電トナーが付着されて、磁気ブラシが構
成される。当該磁気ブラシは現像スリーブ43の回転に
よって現像スリーブ43と同方向(図で見て時計回り方
向)に移送されることとなる。上記磁石ローラ体44
は、複数の磁極(磁石)を備えている。具体的には、現
像領域部分に現像剤を穂立ちさせる現像主磁石P1、現
像スリーブ43上に現像剤を汲み上げるための磁石P
4、汲み上げられた現像剤を現像領域まで搬送する磁石
P5,P6、現像後の領域で現像剤を搬送する磁極P
2,P3を備えている。これら各磁石P1,P4,P
5,P2及びP3は、現像スリーブ43の半径方向に向
けて配置されている。本例では、磁石ローラ体44を6
極の磁石によって構成しているが、汲み上げ性、黒ベタ
画像追従性を向上させるためにP3極からドクタブレー
ド45の間に磁石(磁極)を更に増やして8極以上で構
成してもよい。
【0032】特に図9に示されるように、上記現像主極
を形成する主磁石P1は、横断面の小さな磁石から構成
されている。横断面の小さい磁石は希土類金属合金によ
り作製されているが、サマリウム合金磁石、特にサマリ
ウムコバルト合金磁石などを用いることもできる。希土
類金属合金磁石のうち代表的な鉄ネオジウムボロン合金
磁石では最大エネルギー積が358kJ/m3であり、
鉄ネオジウムボロン合金ボンド磁石では最大エネルギー
積が80kJ/m3前後である。このような磁石によっ
て従来の磁石と異なり、相当に小サイズ化しても必要な
現像ローラ表面磁力を確保できる。従来の通常フェライ
ト磁石やフェライトボンド磁石などでは最大エネルギー
積が36kJ/m3前後、20kJ/m3前後である。
スリーブ径を大きくすることが許容される場合には、フ
ェライト磁石やフェライトボンド磁石を用いて形状を大
きくとり、あるいはスリーブ側に向いた磁石先端を細く
形成することで半値中央角を狭くすることが可能であ
る。
【0033】本例では、現像スリーブ43上に現像剤を
汲み上げるための磁石P4と、汲み上げられた現像剤を
現像領域まで搬送する磁石P6と、現像後の領域で現像
剤を搬送する磁石P2,P3がN極をなし、現像主磁石
P1と、汲み上げられた現像剤を搬送する磁石P5がS
極をなしている。磁力詳細を示す図10で理解できるよ
うに、主磁石P1として、現像ローラ上で85mT以上
の法線方向磁力を有する磁石が用いられた。例えば60
mT以上の磁力を有すれば、キャリア付着などの異常画
像の発生が無いことが確認されている。現像剤搬送磁極
をなす下流側の磁石P2は主磁極磁力形成を補助する働
きもあるようで、これを60mT以上あることでキャリ
ア付着の発生が起こらず、これよりも小さい磁力の場合
にはキャリア付着が発生することも確認した。磁石P1
の磁石幅は2mmであった。この時のP1の半値中央角
は22°であった。更に磁石の幅を狭くすることで、半
値中央角は更に細くなることが確認された。1.6mm
幅を用いた際の主磁極の半値中央角は16°で形成され
た。主磁極(P1)の半値中央角25°を境に、それよ
り大きくすると異常画像の発生があることが確認され
た。対照のため、図4に従来の磁石ローラでの磁力詳細
を概略的に示す。
【0034】各磁極での半値中央角の関係を調べた。下
記表1にその結果を示す。半値中央角はP1極を基準と
してP2,P3,P4,P5,P6の順に角度を示し
た。表内における ? は半値中央角として測定できなか
った場合を表している。極性はそれぞれの極が反対極で
もよく、例えばP1極をN極としているがS極でもよ
く、それぞれN,N,N,S,Nの順としてもよい。ま
た実施例5は4極片側磁極配置のものである。実施例1
〜5のいずれも、P1極の磁力が他磁極よりも小さく形
成されている。P1極磁力が小さく設定されることによ
り異常画像の発生を抑えることが可能である。比較のた
めの従来例1〜3の磁石ローラでは、後端白抜けや縦横
比の悪い異常画像が発生した。
【0035】
【表1】
【0036】更に図11に示すように、主磁石P1と当
該磁石の外側にある磁石P2,P6とによる変極点(0
mT:磁力がN極からS極、S極からN極に変わる点)
の挟角を60°以下にする。
【0037】以上の条件を満たすことにより、主磁極で
の磁気ブラシが感光体に接触して現像するやり方では、
現像ニップが現像剤粒径以上で2mm以下となり、後端
白抜けがなく、横細線や1ドットのように小さい画像で
あっても十分に形成することができる。そのイメージを
図12に示し、図8と比較する。
【0038】主磁石P1bの磁力によって形成されるス
リーブ表面の磁気ブラシは、穂立ちし始める部分(根元
部分の幅)を2mm以下にすることによって、感光体と
磁気ブラシが接触する部分の現像ニップ幅を2mm以下
に形成することが可能である。
【0039】画像濃度の低い感光体上のトナー像(付着
量の少ないトナー像)を、現像する際に、本例の磁気ブ
ラシを使用した場合には、現像ニップ幅が小さいため、
感光体上を摺擦する磁気ブラシの接触量(時間)が少な
くなり、磁気ブラシ先端部に発生するカウンターチャー
ジの発生量が低下する。結果として、カウンターチャー
ジをもったキャリアがトナー像を引き付けることによる
画像後端部が白く抜ける現象を抑えることが可能とな
る。したがって、画像濃度の低い感光体上のトナー像
(付着量の少ないトナー像)の再現性を向上することが
可能となった。また画像濃度が高くなる理由として、本
例の磁石ローラを使用することにより、P1の磁気ブラ
シの長さが小さくなり、現像ニップ幅を小さくすること
が可能となり、したがって、現像スリーブが回転移動
し、P1を通過する際の短くなった磁気ブラシが立ち始
め現像ニップ間を通過する時間が早くなり(対感光体線
速比がこの部分だけ早くなる現象が起こっている)、感
光体に摺擦する現像剤の量が増加するために画像濃度が
高くなる。更に現像ニップ幅が小さいので現像ニップ領
域前の現像剤滞留部の現像剤量が少なく、カウンターチ
ャージの発生を抑えることが可能となったために画像濃
度の低下を抑えることができ、結果として、後端白抜け
の無い画像能力の向上した現像装置を提供することがで
きる。
【0040】次に、本発明による、現像ギャップを近接
化した場合の後端白抜け現象の防止、横ラインの再現性
向上及びドット均一性の向上について説明する。先に述
べたように、像担持体と現像剤担持体との現像ギャップ
が大きければ現像時に生じるエッジ効果が強く、次のよ
うな様々な画像上の問題が生じる。:孤立線の幅が太
く、制御ができなくなる。:画像部で濃度が濃い部分
の周辺が白く抜ける。:孤立ドットが大きめに再現さ
れ、面積率による階調再現の直線性が得られにくくな
る。:ハーフトーン部分のざらつきが目立つようにな
る。
【0041】現像ギャップを小さくすると上記のような
エッジ効果による副作用は少なくなり、均一性・階調再
現性に優れた画像を得ることができる。本願発明者は現
像ギャップとキャリアの大きさについて実験を行った結
果、現像ギャップが平均キャリア粒径10個以上になる
とエッジ効果が強くなり、上記した画像の欠陥が目立つ
ようになることを見出した。
【0042】実験に用いたキャリアは、フェライト芯材
をシリコーン樹脂でコーティングしたものである。モデ
ル的にキャリアが1列に並んだ場合を想定すると、電気
抵抗はコート層の総合的な厚みと接触部分の数によって
決まる。キャリアが10個を超えて並ぶと実質的な抵抗
が高くなり、現像ギャップが大きくなるのと同様な状態
になる。キャリア粒径が30μmから60μmの範囲で
この関係が成り立つことが実験的に明らかとなった。
【0043】図13は、現像ギャップとエッジ効果の関
係を示すグラフである。横軸はキャリア個数に換算した
現像ギャップで、縦軸はエッジ効果を官能評価して得た
ランクである(エッジ効果が認められないレベルをラン
ク5とし、最もエッジ効果が強いレベルをランク1と
し、中間をその程度に応じてランク2からランク4とし
た)。なお、キャリア粒径として30μmと60μmの
ものを用いた。いずれの場合もキャリア10個以上にな
るとエッジ効果が強くなっているのがわかる。
【0044】一方、現像ギャップ中にキャリアが3個以
下しか入らないような現像ギャップであれば、キャリア
の動きの自由度が小さくなり、現像剤担持体に保持され
る磁気ブラシによる像担持体の摺擦力が大きくなり、画
像に磁気ブラシによる掃き目が現れたり、像担持体表面
を傷つけて画像に筋があわられるなどの問題が発生し、
像担持体の寿命も短くなる。
【0045】従来、現像ギャップをキャリア3個以上1
0個以下が並んだ大きさに設定すると、後端白抜けや横
ラインの途切れなどが発生した。そのメカニズムについ
て説明する。磁気ブラシと像担持体との間でトナーの移
動によって現像が行われるが、接触現像の場合、主に像
担持体と現像剤が接触する領域(現像ニップ)内でトナ
ーの移動が起こる。ところが、ベタ画像の後端部分が白
く抜ける現象(後端白抜け)が問題となっている。
【0046】図14は、後端白抜けの原因を説明するた
めの現像部を概念的に示した図である。この図におい
て、像担持体(感光体)、現像剤担持体(現像スリー
ブ)はそれぞれ矢印a,bの方向に移動(回転)する。
線速度は現像剤担持体の方が大きい。そのため、磁気ブ
ラシは常に像担持体に形成された静電潜像を追い越しな
がら現像する。
【0047】現像領域上流側で像担持体上の非画像部
(地肌部)に磁気ブラシが接触すると、磁気ブラシ先端
に存在するトナーが現像領域内の電界の影響により現像
剤担持体方向(矢印c)への力を受けて像担持体から離
れる。このため、磁気ブラシが非画像部に接触する時間
が長いほど像担持体近傍のトナー濃度は低下する。磁気
ブラシが現像剤担持体の移動に伴って現像領域下流側に
移動し、画像部に追いつくと、画像部端部(後端)でト
ナー濃度が低い磁気ブラシ先端がすでに現像されて像担
持体に付着しているトナーを矢印dの方向に静電的に吸
引する。このために画像後端部のトナーが少なくなる。
一方で磁気ブラシ先端のトナー濃度は再び増加する。磁
気ブラシがさらに現像領域下流側に移動しても、トナー
濃度が回復しているために像担持体からトナーを吸引す
ることはなくなる。以上の結果、現像領域を通過した像
担持体上には後端部がかすれたような画像が形成され
る。
【0048】現像ニップ内で像担持体と現像剤担持体が
最も近づく点と最も離れる点(ニップの境界)とでは、
形成される電界の大きさが異なる。例えば、像担持体で
ある感光体ドラムの直径が60mm、現像剤担持体であ
る現像スリーブの直径が20mm、現像ギャップが0.
4mm、現像ニップ幅が4mmであるとき、感光体と現
像スリーブの距離は、ニップ中央で0.4mm、ニップ
境界で0.67mmとなり、それによって形成される電
界の強さ(の比)は、現像剤層が均一であるとすると約
1:0.6になる。
【0049】このため、現像ニップの下流では、像担持
体近傍のキャリア上の逆電荷によるトナーの回収が電界
によるトナーの像担持体への付着よりも多くなる。した
がって、上述の説明のようにして後端白抜けが発生しや
すくなる。
【0050】これに対して、現像ニップを狭くし、ニッ
プ中央部と境界部とのギャップの比を1に近づけると、
ニップ境界部でも電界強度が小さくなることがなく、相
対的にキャリアが像担持体上に現像されているトナーを
回収することが実質的になくなる。このため画像後端が
白く抜ける現象が解消される。
【0051】この現像ニップを狭くすることにより後端
白抜けが解消されることを確認するために本願発明者は
実験を行った。実験条件を次の表2に示す。
【表2】
【0052】なお、現像ニップは、像担持体(感光体)
と現像剤担持体(現像スリーブ)を停止させた状態で現
像剤担持体から像担持体へトナーが移行するバイアスを
印加させ、像担持体にトナーが付着した領域を測定する
ことによって求めた。また、ニップ境界部間隔は、感光
体ドラム径、スリーブ径、現像ギャップ、現像ニップか
ら計算によって求めた。いずれの場合も、現像スリーブ
の線速は感光体の線速に対して2.5倍とした。
【0053】実験結果を図15にグラフとして示す。こ
のグラフの横軸は、現像ニップ内の中央部の像担持体・
現像剤担持体間距離(現像ギャップ)に対するニップ境
界部の像担持体・現像剤担持体間距離(ニップ境界部間
隔)の比(間隔比)である。また、縦軸は、後端白抜け
レベルを目視でランク付けした値であり、後端白抜けが
全く認識できないレベルを5、最も目立つレベルを1と
し、中間を相対的にランク付けした。
【0054】このグラフから判るように、間隔比と後端
白抜けの関連が明らかに見られ、間隔比が1.5を超え
ると後端白抜けがかなり目立ち、画像品質が低下する。
また、横ラインの再現性やドットの均一性も低下し、ざ
らつき感も目に付いた。このことから、現像ギャップに
対するニップ境界部間隔の比が1.5以下であれば、後
端白抜けのない画像が形成される。また、同じメカニズ
ムにより横ライン再現性及びドットの安定再現性も向上
する。
【0055】使用する像担持体は有機感光体であり、電
極部より表層側に光キャリア発生層(CGL),光キャ
リア輸送層(CTL)がこの順で積層されたものであ
る。CGLで発生した光キャリアの一部はCTLに移動
し、内部電界により表層に移動し、表面電荷密度分布を
構成して静電潜像を形成する。CTL中を光キャリアが
移動する際に、クーロン的反発力を及ぼしあって拡散
し、静電潜像の解像力が低下する。このため、CTLの
層厚は薄い方が好ましく、特に、平均キャリア粒径より
も小さくする必要がある。
【0056】現像主磁極の磁束密度半値幅を上述のよう
に狭め、CTL層厚を30μm、現像ギャップを400
μm、キャリア粒径を50μmとすると、ざらつき感が
良好な画像を得られたが、CTL層厚を20μm、現像
ギャップを300μm、キャリア粒径を40μmとする
と、さらに細部再現性に優れた画像が得られた。同じ条
件で磁束密度分布を従来と同様に広げて、上記間隔比を
1.5以上にした場合は、後端白抜けが非常に目立つ画
像になった。
【0057】このように、現像主磁極の磁束密度分布の
半値幅を小さくして現像ニップを狭くし、現像ギャップ
に対するニップ境界部間隔の比を1.5以下にするとと
もに、現像ギャップを平均キャリア3個以上10個以下
の大きさとしたことにより、磁気ブラシによる像担持体
上のトナー像撹乱を最小限にするとともに、現像エッジ
効果を少なくするので、後端白抜けがなく横ライン再現
性及びドット均一性に優れ、ざらつき感の良好な画像を
得ることができる。
【0058】最後に、本発明を適用した画像形成装置で
ある電子写真式カラー複写装置(以下、カラー複写機と
いう)の全体について説明する。図21を用いて本カラ
ー複写機の概略構成及び動作について説明する。このカ
ラー複写機は、カラー画像読取装置(以下、カラースキ
ャナという)11、カラー画像記録装置(以下、カラー
プリンタという)12、給紙バンク13等で構成されて
いる。
【0059】上記カラースキャナ11は、コンタクトガ
ラス101上の原稿Gの画像を照明ランプ102、ミラ
ー群103a,103b,103c及びレンズ104を
介してカラーセンサ105に結像して、原稿10のカラ
ー画像情報を、例えば赤、緑、青(以下、それぞれR,
G,Bという)の色分解光毎に読み取り、電気的な画像
信号に変換する。ここで、カラーセンサ105は、本例
ではR,G,Bの色分解手段とCCDのような光電変換
素子で構成され、原稿10の画像を色分解した3色のカ
ラー画像を同時に読み取っている。そして、このカラー
スキャナ11で得たR,G,Bの色分解画像信号強度レ
ベルを基にして、不図示の画像処理部で色変換処理を行
い、黒(以下、Bkという)、シアン(以下、Cとい
う)、マゼンタ(以下、Mという)、イエロー(以下、
Yという)のカラー画像データを得る。
【0060】上記Bk、C、M、Yのカラー画像データ
を得るためのカラースキャナ11の動作は次の通りであ
る。後述のカラープリンタ12の動作とタイミングを取
ったスキャナスタート信号を受けて、照明ランプ102
及びミラー群103a,103b,103c等からなる
光学系が矢印左方向へ原稿10を走査し、1回の走査毎
に1色のカラー画像データを得る。この動作を合計4回
繰り返すことによって、順次4色のカラー画像データを
得る。そして、その都度カラープリンタ12で順次顕像
化しつつ、これを重ね合わせて最終的な4色フルカラー
画像を形成する。
【0061】上記カラープリンタ12は、像担持体とし
ての感光体ドラム20、書き込み光学ユニット22、リ
ボルバ現像ユニット23、中間転写装置26、定着装置
27等で構成されている。上記感光体ドラム20は矢印
の反時計方向に回転し、その周りには、感光体クリーニ
ング装置201、除電ランプ202、帯電器203、電
位センサ204、リボルバ現像ユニット23の選択され
た現像器、現像濃度パターン検知器205、中間転写装
置26の中間転写ベルト261などが配置されている。
【0062】また、上記書き込み光学ユニット22は、
カラースキャナ11からのカラー画像データを光信号に
変換して、原稿10の画像に対応した光書き込みを行
い、感光体ドラム20に静電潜像を形成する。この書き
込み光学ユニット22は、光源としての半導体レーザー
221、不図示のレーザー発光駆動制御部、ポリゴンミ
ラー222とその回転用モータ223、f/θレンズ2
24、反射ミラー225などで構成されている。
【0063】また、上記リボルバ現像ユニット23は、
Bk現像器231K、C現像器231C、M現像器23
1M及びY現像器231Yと、各現像器を矢印の反時計
方向に回転させる後述のリボルバ回転駆動部などで構成
されている。各現像器は図1及び図13の現像器4に相
当するもので、静電潜像を現像するために現像剤の穂を
感光体ドラム20の表面に接触させて回転する現像スリ
ーブと、現像剤を汲み上げて攪拌するために回転する現
像剤パドルなどで構成されている。各現像器231内の
トナーはフェライトキャリアとの攪拌によって負極性に
帯電され、また、各現像スリーブには不図示の現像バイ
アス電源によって負の直流電圧Vdcに交流電圧Vac
が重畳された現像バイアスが印加され、現像スリーブが
感光体ドラム20の金属基体層に対して所定電位にバイ
アスされている。複写機本体の待機状態では、リボルバ
現像ユニット23はBk現像器231Kが現像位置にセ
ットされており、コピー動作が開始されると、カラース
キャナ11で所定のタイミングからBkカラー画像デー
タの読み取りが開始され、このカラー画像データに基づ
いてレーザー光による光書き込み、静電潜像形成が始ま
る(以下、Bk画像データによる静電潜像をBk潜像と
いう。C、M、Yについても同様)。このBk潜像の先
端部から現像可能とすべくBk現像位置に静電潜像先端
部が到達する前にBk現像スリーブを回転開始しておい
て、Bk潜像をBKトナーで現像する。Bk潜像領域の
現像動作が続いて、静電潜像後端部がBk現像位置を通
過した時点で、速やかに次の色の現像器(本例では通常
C現像器)が現像位置にくるまで、リボルバ現像ユニッ
ト23が回転する。これは少なくとも、次の画像データ
による静電潜像先端部が到達する前に完了する。
【0064】上記中間転写装置26は、中間転写ベルト
261、ベルトクリーニング装置262、紙転写コロナ
放電器(以下、紙転写器という)263などで構成され
ている。中間転写ベルト261は駆動ローラ264a、
転写対向ローラ264b、クリーニング対向ローラ26
4c及び従動ローラ群に張架されており、不図示の駆動
モータにより、駆動制御される。またベルトクリーニン
グ装置262は、入口シール、ゴムブレード、排出コイ
ル、入口シール及びゴムブレードの接離機構等で構成さ
れており、1色目のBk画像を中間転写ベルト261に
転写した後の2、3、4色目の画像をベルト転写してい
る間は接離機構によって中間転写ベルト261の表面か
ら入口シール、ブレードを離間させておく。また紙転写
器263は、コロナ放電方式にてAC電圧+DC電圧、
又はDC電圧を印加して、中間転写ベルト261上の重
ねトナー像を記録紙に一括転写する。
【0065】また、カラープリンタ12内の記録紙カセ
ット207及び給紙バンク13内の記録紙カセット30
a,30b,30cには、各種サイズの記録紙が収納さ
れており、指定されたサイズの記録紙のカセットから、
給紙コロ28,31a,31b,31cによってレジス
トローラ対29方向に給紙、搬送される。また、プリン
タ12の図で見て右側面には、OHP用紙や厚紙などの
手差し給紙用の手差しトレイ21が設けられている。
【0066】上記構成のカラー複写機において、画像形
成サイクルが開始されると、まず感光体ドラム20は矢
印の反時計方向に、中間転写ベルト261は矢印の時計
回りに不図示の駆動モータによって回転される。中間転
写ベルト261の回転に伴ってBkトナー像形成、Cト
ナー像形成、Mトナー像形成、Yトナー像形成が行わ
れ、最終的にBk、C、M、Yの順に中間転写ベルト2
61上に重ねてトナ−像が形成される。
【0067】上記Bkトナー像形成は次のように行なわ
れる。帯電器203はコロナ放電によって感光体ドラム
20を負電荷で約−700Vに一様帯電する。そして、
半導体レーザー221はBkカラー画像信号に基づいて
ラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当
初一様荷電された感光体ドラム20の露光部分は、露光
光量に比例する電荷が消失し、Bk潜像が形成される。
そして、このBk潜像にBk現像スリーブ上の負帯電の
Bkトナーが接触することにより、感光体ドラム20の
電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無
い部分、つまり露光された部分にはBkトナーが吸着さ
れ、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。そし
て、感光体ドラム20上に形成されたBkトナー像は、
感光体ドラム20と接触状態で等速駆動している中間転
写ベルト261の表面に、ベルト転写器265によって
転写される(以下、感光体ドラム20から中間転写ベル
ト261へのトナー像転写をベルト転写という)。
【0068】感光体ドラム20上の若干の未転写残留ト
ナーは、感光体ドラム20の再使用に備えて感光体クリ
ーニング装置201で清掃される。ここで回収されたト
ナーは回収パイプを経由して不図示の排トナータンクに
蓄えられる。
【0069】感光体ドラム20側ではBk画像形成工程
の次にC画像形成工程に進み、所定のタイミングでカラ
ースキャナ11によるC画像データ読み取りが始まり、
そのC画像データによるレーザー光書き込みで、C潜像
形成が行われる。そして、先のBk潜像の後端部が通過
した後で、かつC潜像の先端部が到達する前にリボルバ
ー現像ユニット23の回転動作が行なわれ、C現像器2
31Cが現像位置にセットされてC潜像がCトナーで現
像される。C潜像領域の現像が続いて、C潜像の後端部
が現像位置を通過した時点で、先のBk現像器231B
の場合と同様にリボルバー現像ユニット23の回転動作
がなされ、次のM現像器231Mを現像位置に移動させ
る。これもやはり次のM潜像の先端部が現像位置に到達
する前に完了させる。
【0070】なお、M及びYの画像形成工程について
は、それぞれのカラー画像データ読み取り、静電潜像形
成、現像の動作が上述のBk、Cの工程と同様であるの
で説明を省略する。
【0071】上記中間転写ベルト261には、感光体ド
ラム20に順次形成されるBk、C、M、Yのトナー像
を、同一面に順次位置合わせして、4色重ねのトナー像
が形成され、次の転写工程において、この4色のトナー
像が記録紙に紙転写器263により一括転写される。
【0072】上記画像形成動作が開始される時期に、記
録紙は上記記録紙カセット又は手差しトレイのいずれか
から給送され、レジストローラ対29のニップで待機し
ている。そして、紙転写器263に中間転写ベルト26
1上のトナー像先端がさしかかるときに、ちょうど記録
紙の先端がこのトナー像の先端に一致するようにレジス
トローラ対29が、駆動され、記録紙とトナー像とのレ
ジスト合わせが行われる。そして、記録紙が中間転写ベ
ルト261上のトナー像と重ねられて正電位の紙転写器
263の上を通過する。このときコロナ放電電流で記録
紙が正電荷で荷電され、トナー画像が記録紙上に転写さ
れる。続いて紙転写器263の図で見て左側に配置され
るべき不図示のAC+DCコロナによる分離除電器との
対向部を通過するときに、記録紙は除電され、中間転写
ベルト261から剥離して搬送ベルト211に移る。
【0073】そして、中間転写ベルト261面から4色
重ねトナー像を一括転写された記録紙は、搬送ベルト2
11で定着装置27に搬送され、所定温度に制御された
定着ローラ271と加圧ローラ272のニップ部でトナ
ー像が溶融定着され、排出ローラ対32で装置本体外に
送り出され、不図示のコピートレイに表向きにスタック
され、フルカラーコピーを得る。
【0074】一方、ベルト転写後の感光体ドラム20の
表面は、感光体クリーニング装置201(ブラシロー
ラ、ゴムブレード)でクリーニングされ、除電ランプ2
02で均一に除電される。また、記録紙にトナー像を転
写した後の中間転写ベルト261の表面は、ベルトクリ
ーニング装置262のブレードを再びブレード接離機構
で押圧することによってクリーニングされる。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の現像方法
又は現像装置によれば、潜像担持体と現像剤担持体間の
距離を平均キャリア粒径の3倍以上10倍以下とし、現
像ニップの潜像担持体・現像剤担持体間最近接距離に対
するニップ境界部の潜像担持体・現像剤担持体間距離の
比を1.5以下とするので、現像ニップを狭くして現像
ギャップに対するニップ境界部間隔の比を1.5以下に
するとともに、現像ギャップを平均キャリア3個以上1
0個以下の大きさとしたことにより、磁気ブラシによる
像担持体上のトナー像撹乱を最小限にするとともに、現
像エッジ効果を少なくするので、後端白抜けがなく横ラ
イン再現性及びドット均一性に優れ、ざらつき感の良好
な画像を得ることができる。
【0076】請求項3の構成により、現像剤担持体に内
蔵される磁石ローラは、現像主磁極に隣接して主磁極の
磁力形成を補助する補助磁極を有するので、現像主磁極
の磁束密度分布の半値幅を小さくし易くし、後端白抜け
がなく横ライン再現性及びドット均一性に優れ、ざらつ
き感の良好な画像を得ることができる。
【0077】請求項4の構成により、現像剤担持体に内
蔵される磁石ローラは、磁石ローラを構成する全ての磁
石のうち磁束密度の半値幅が最も小さい磁石で主磁極を
構成するので、簡単な構成で現像主磁極の磁束密度分布
の半値幅を小さくすることができ、後端白抜けがなく横
ライン再現性及びドット均一性に優れ、ざらつき感の良
好な画像を得ることができる。
【0078】請求項5の構成により、潜像担持体は電極
部材上にキャリア発生層、キャリア輸送層の順に積層さ
れて構成され、キャリア輸送層の厚さが平均キャリア粒
径以下であるので、シャープな潜像が得られるために解
像力や細部再現性に優れた画像を形成することができ
る。また、後端白抜けがなく横ライン再現性及びドット
均一性に優れ、ざらつき感の良好な画像を得ることがで
きる。
【0079】請求項6の構成により、磁気ブラシによる
像担持体上のトナー像撹乱を最小限にするとともに、現
像エッジ効果を少なくして、後端白抜けがなく横ライン
再現性及びドット均一性に優れ、ざらつき感の良好な画
像を得ることのできる画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る現像装置が装着された画像形成装
置の作像部付近を示す概略構成図である。
【図2】その現像装置の詳細構成図である。
【図3】現像ローラの磁力分布とその大きさ程度を示す
図である。
【図4】補助磁石P1aがない場合の磁力分布を示す図
である。
【図5】比較のための従来公知の現像ローラの磁力分布
を示す図である。
【図6】主磁石と補助磁石の位置関係を表す図である。
【図7】現像領域での現像ギャップやニップの大きさを
示す模式図である。
【図8】比較のための従来公知の現像ギャップやニップ
の大きさを示す模式図である。
【図9】現像主極を1極磁石で構成した実施形態の現像
装置の詳細構成図である。
【図10】その現像装置における、現像ローラの磁力分
布とその大きさ程度を示す図である。
【図11】主磁石と両隣の磁石との位置関係を表す図で
ある。
【図12】現像領域での現像ギャップやニップの大きさ
を示す模式図である。
【図13】現像ギャップとエッジ効果の関係を示すグラ
フである。
【図14】後端白抜けの原因を説明するための現像部を
概念的に示した図である。
【図15】現像ギャップに対するニップ境界部間隔比と
後端白抜けの関連を示すグラフである。
【図16】本発明に係る画像形成装置の全体を示す断面
構成図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(潜像担持体) 2 帯電装置 4 現像装置 5 転写装置 9 定着装置 41 現像ローラ 43 現像スリーブ(現像剤担持体) 44 磁石ローラ体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安富 啓 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H031 AC07 AC17 AC19 AC20 AD03 AD05 BA05 BA09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現像剤を現像剤担持体に汲み上げて、現
    像剤担持体上に磁気ブラシを形成し、潜像担持体に現像
    剤を摺擦させて潜像を可視像化する現像方法において、 潜像担持体と現像剤担持体間の距離を平均キャリア粒径
    の3倍以上10倍以下とし、 現像ニップの潜像担持体・現像剤担持体間最近接距離に
    対するニップ境界部の潜像担持体・現像剤担持体間距離
    の比を1.5以下とすることを特徴とする現像方法。
  2. 【請求項2】 現像剤を汲み上げる現像剤担持体を有
    し、該現像剤担持体上に磁気ブラシを形成し、潜像担持
    体に現像剤を摺擦させて潜像を可視像化する現像装置に
    おいて、 前記潜像担持体と現像剤担持体間の距離を平均キャリア
    粒径の3倍以上10倍以下とし、 現像ニップの潜像担持体・現像剤担持体間最近接距離に
    対するニップ境界部の潜像担持体・現像剤担持体間距離
    の比を1.5以下とすることを特徴とする現像装置。
  3. 【請求項3】 前記現像剤担持体に内蔵される磁石ロー
    ラは、現像主磁極に隣接して主磁極の磁力形成を補助す
    る補助磁極を有することを特徴とする、請求項2に記載
    の現像装置。
  4. 【請求項4】 前記現像剤担持体に内蔵される磁石ロー
    ラは、磁石ローラを構成する全ての磁石のうち磁束密度
    の半値幅が最も小さい磁石で主磁極を構成することを特
    徴とする、請求項2に記載の現像装置。
  5. 【請求項5】 前記潜像担持体は電極部材上にキャリア
    発生層、キャリア輸送層の順に積層されて構成され、前
    記キャリア輸送層の厚さが平均キャリア粒径以下である
    ことを特徴とする、請求項2に記載の現像装置。
  6. 【請求項6】 上記請求項2〜5のいずれか一項に係る
    現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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