JP4008841B2 - 分離型スロットマシン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、遊技の部分を担当するリールユニット及び制御装置を交換ユニットとして、他の部分から分離可能に形成した分離型スロットマシンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のスロットマシンにおいては、遊技内容を変更する際には筐体まるごと交換しなければならなかったので、遊技内容を変更するための台交換の際、遊技内容の変更に関与しないホッパーユニット等も同時に交換されることとなり、交換に要する費用がかかるだけでなく、資源の無駄となっていたという問題点があった。かかる問題を解決すべく、分離型スロットマシンが考案されている。これは、スロットマシンのうち、主として遊技性に関わる部分、すなわちリールユニット及び主基板等の制御装置を交換ユニットとして一体的取り扱い可能とし、最低限この交換ユニットを交換することにより、全体を交換することなく、新しいスロットマシンで遊技しているかのような印象を与えることができる分離型スロットマシンを提供しようとするものである(特許文献1参照)。
【0003】
上記発明は、前扉を上下に二分割し、上扉を交換ユニットに固定し、交換ユニットを上扉後と着脱可能とした分離型スロットマシンとして、すでに実施されており、現行機においては、交換ユニットを収納しやすくするため、中板を奥行き方向に向かって下り傾斜に形成してある。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−47686号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した分離型スロットマシンにおいては、交換ユニットを筐体内から取り出すためには、交換ユニットを少しだけ持ち上げて手前に引き出し、それから枠体の適当な部分(例えば上扉の側面部)に持ち代えて引き出すという作業を行っていた。しかし、交換ユニットは固定の安定性の観点より、筐体内側面にぴったりと嵌り込むように形成されていたため、交換ユニットと筐体との僅かな隙間に手を入れて、交換ユニットを持ち上げながら引き出すという作業を行わなければならない。交換ユニットの底面にはローラが設けてあり、手前側に引き出す際の摩擦抵抗を少なくするように配慮はされているが、交換ユニットの初動時には相当の力を入れる必要があり、また筐体内面との隙間が無い状態で交換ユニットを引き出すのは容易ではない。特に中板が傾斜している場合にはなおさら持ち上げるのが困難で、作業者の負担になっていた。
【0006】
そこで各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、以下の点にある。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、交換ユニット送り出し手段を設けることにより、交換ユニットを筐体内から取り出す際の初動にかかる力を軽減し、容易に取り出し作業を行うことができる分離型スロットマシンを提供しようとするものである。
【0007】
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項2記載の発明は、不使用時には邪魔にならない交換ユニット送り出し手段を有する分離型スロットマシンを提供しようとするものである。
【0008】
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記した請求項2記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項3記載の発明は、交換ユニットを定位置に固定可能な交換ユニット送り出し手段を有する分離型スロットマシンを提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、かっこ内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0010】
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1記載の発明は、正面側に開口する筺体ユニット(1)と、筐体ユニット(1)の開口部(11)を開閉自在に塞ぐ前扉(3)と、複数の図柄が表示された回転リール(23)及びこの回転リール(23)を回転させるための駆動モータを有するリールユニット(22)と、遊技メダルを払い出すための払い出し装置と、前記回転リール(23)及び払い出し装置の作動を制御するための制御装置と、少なくとも前記リールユニット(22)及び制御装置を設置するための支持体を有する交換ユニット(2)と、前記交換ユニット(2)を支持するための支持手段とを少なくとも有している。
【0011】
ここで、前記前扉(3)は、筐体ユニット(1)の開口部(11)を開塞自在に取り付けられており、扉を閉めるとスロットマシンの正面構造となるように形成されているものである。すなわち、回転リール(23)の図柄を見ることができる表示窓(31)や、スロットマシンを操作するための操作部(41)等を設けることができるものである。なお、この前扉(3)は、閉扉状態で筐体ユニット(1)の開口部(11)を閉塞可能であれば、筐体ユニット(1)にとりつけられていてもよいし、筐体ユニット(1)以外の構成部品、例えば枠体(21)などにとりつけられていてもよい。さらにまた、この前扉(3)は、上扉(30)、下扉(40)のように上下に二分割して形成することもできる。
【0012】
前記リールユニット(22)は、表面に複数の図柄が表示される回転リール(23)を複数(例えば3個)有し、各回転リール(23)の回転軸にはこれらを回転させるための駆動モータがそれぞれ設けられている。
前記払い出し装置としては、例えばホッパーユニット(5)等が挙げられるが、遊技メダルを払い出すことのできる装置であればよい。
【0013】
また、前記制御装置としては、例えば配線基板に制御用電子部品一式が搭載されてなる電子基板(単に基板ということもある)等が挙げられるが、回転リール(23)と払い出し装置の作動を制御することができる装置であればよい。スロットマシンでは、回転リールと払い出し装置の作動を制御することができる基板を、通常、主基板と称している。これは、回転リールと払い出し装置の作動以外、例えば画像表示装置や演出用リールや演出用のその他の表示装置などの演出用装置などを制御することができる基板として副基板を備えるようにした場合に、この副基板と区別するためである。
【0014】
前記交換ユニット(2)は、支持体及びリールユニット(22)及び制御装置とから構成されており、前記筐体ユニット(1)の内部に収納可能であり、筐体ユニット(1)内部に、「支持手段」を介して載置あるいは吊り下げて設置固定されるものである。なお、交換ユニット(2)には、上記以外の他の構成部品が含まれていてもよい。 前記支持体としては、例えば枠体(21)が挙げられるが、リールユニット(22)と制御装置を支持することができるものであればよい。支持体は、筐体内部にリールユニット(22)等を固定するためのものであり、さらに、リールユニット(22)及び制御装置を一体的に取り扱い可能とするものである。
【0015】
ここで、前記「支持手段」は、交換ユニット(2)を筐体内に支持するための手段であり、例えば中板(12)、交換ユニット2の重量を下方から支持可能な枠材、ガイドレール、台などを含む。さらには、交換ユニット(2)を筐体内に吊り下げ可能なガイドレールなどの吊り下げ手段も含む。
そして、前記交換ユニット(2)は前記「支持手段」に支持され、筐体ユニット(1)内部に着脱自在に形成されている。すなわち、交換ユニット(2)の支持体は、例えばクリップなどの筐体固定装置(10)により筐体ユニット(1)内部に固定されると共に、筐体固定装置(10)を解除することにより、筐体ユニット(1)から取り出し可能となっている。
【0016】
なお、スロットマシンとしては、上記以外にも、電源装置や設定変更装置を有していても良い。
そして、本発明に係る分離型スロットマシンは、前記交換ユニット(2)の支持体正面側に、支持体に設けられた軸支部(57)と、この軸支部(57)に前後方向に回動可能に軸支され人が操作するための操作部(52)を有するレバー部材(54)と、前記軸支部(57)を挟んで前記レバー部材(54)の反操作部側に設けられた押し出し部(53)とを少なくとも有する交換ユニット送り出し手段(送り出し手段(50))を設け、前記筐体ユニット(1)の正面側に、前記押し出し部(53)が当接可能な当接部(62)を設け、前記レバー部材(54)を手前側に回動させることにより、前記押し出し部(53)が前記当接部(62)を押圧し、前記交換ユニット(2)を手前側に移動可能に形成したことを特徴とする。
【0017】
本発明における交換ユニット送り出し手段(以下送り出し手段(50)という)は、支持体の底面又は上面あるいは側面の正面側に設けられるものであって、レバー部材(54)を軸支部(57)を中心に手前側に回動させることによって、押し出し部(53)が当接部(62)を押圧し、その反力により交換ユニット(2)が手前側に移動するように形成したものである。
【0018】
ここで、前記軸支部(57)は、軸又は凸部あるいは孔であり、軸方向が支持体面(支持体の平面、底面、側面)と平行になるように、支持体の内側あるいは外側に取り付け又は形成されている。
前記レバー部材(54)は、前記軸支部(57)に前後方向に回動可能に軸支されており、一方の端部はレバー部材(54)を回動させるための操作部(52)となっている。操作部(52)は、例えばレバー部材(54)の端部に取り付け又は形成した握り部であってもよいし、レバー部材(54)の端部そのものが操作部(すなわちレバー部材(54)の一端部を人が手で握るなどして操作する)であってもよい。そして、レバー部材(54)は、前記操作部(52)を持って手前側に回動させれば操作部(52)が支持体面から隔離し、奥側に回動させれば操作部(52)が支持体面に接近するようになっている。
【0019】
また、前記押し出し部(53)は、軸支部(57)を挟んで前記操作部(52)の対向側に位置するものであり、レバー部材(54)に設けてもよいし、レバー部材(54)とは別部材で軸支部(57)に取り付けてもよい。そして、前記レバー部材(54)を回動させると、レバー部材(54)と反対方向に回動するように形成されているものである。押し出し部(53)の具体例としては、例えば、レバー部材(54)の反操作部側端部付近に形成された切り欠き部や凸部とすることができる。
【0020】
なお、レバー部材(54)の操作部(52)に加えた力が効果的に押し出し部(53)に伝わるように、レバー部材(54)は押し出し部(53)側で軸支部(57)により軸支されるように形成する(軸支部(57)と操作部(52)との距離を長くする)のが好ましい。
前記当接部(62)は、筐体ユニット(1)の正面側に設けられていればよく、筐体ユニット(1)に設けてもよいし(例えば天板(17)や側板(16)の正面側)、交換ユニット(2)を筐体内に支持するための支持手段(例えば中板(12)の正面側)に設けてもよい。当接部(62)の具体例としては、例えば、筐体ユニット(1)の中板(12)の正面側小口面とすることができる。
【0021】
(作用)
本発明において、交換ユニット(2)を筐体内から取り出すときには、送り出し手段(50)のレバー部材(54)の操作部(52)を引っ張ることにより、レバー部材(54)を軸支部(57)を中心に手前側に回動させる。レバー部材(54)が手前側に回動すると、押し出し部(53)は逆方向、すなわち奥方向に回動し、このとき押し出し部(53)が当接部(62)と当接し、これを押圧する。この押圧力を反力に、交換ユニット(2)は手前側に押し出されるので、この押し出し力を利用して、そのままレバー部材(54)を取っ手として交換ユニット(2)を引き出す。このようにすれば、設置してある交換ユニット(2)をただ持ち上げて引き出す時の初動に比べ、少ない力で交換作業を行うことができる。
【0022】
(請求項2)
(特徴点)
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項2記載の発明は、前記操作部(52)が筐体奥側に位置するように前記レバー部材(54)を固定可能な固定装置(70)を設けたことを特徴とする。
【0023】
前記固定装置(70)は、レバー部材(54)を奥側に回動させて操作部(52)を筐体奥側に位置させた、好ましくは、レバー部材(54)が支持体面(送り出し手段(50)が取り付けられている支持体の面)と略平行となるよう、レバー部材(54)を奥方向に「折りたたんだ」状態で固定するためのものである。
そして、本発明による固定装置(70)は、レバー部材(54)と筐体ユニット(1)とを固定可能であってもよいし、レバー部材(54)と交換ユニット(2)の支持体とを固定するものであってもよい。あるいは、送り出し手段(50)を、レバー部材(54)を「折りたんだ」位置で停止可能に形成してもよい。
【0024】
固定装置(70)の具体例としては、例えば、筐体ユニット(1)(又は交換ユニット(2)の支持体)に設けた、レバー部材(54)(又は操作部(52))を係止可能な可動フックや留め金などとすることができる。あるいは、送り出し手段(50)の軸支部(57)に設けた回転ストッパーとすることができる。
(作用)
本発明によれば、送り出し手段(50)を使用していないとき、すなわち交換ユニット(2)が筐体内に収納されているときには、レバー部材(54)を奥側に回動させて、レバー部材(54)が支持体の表面から極力突出しない状態にしておくことができる。従って、例えば交換ユニット(2)の設置後、筐体固定装置(10)により支持体と筐体内面とを固定する作業や、基板ユニット(24)のハーネスを筐体側につなぐ作業などをするときに、送り出し手段(50)が邪魔になることがない。
【0025】
(請求項3)
(特徴点)
請求項3記載の発明は、上記した請求項2記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項3記載の発明は、前記固定装置(70)は、前記レバー部材(54)に設けられた係合部と、前記筐体ユニット(1)に設けられ前記係合部と係合可能な被係合部から成り、前記係合部及び被係合部は、前記交換ユニット(2)が定位置に設置されることにより係合可能に形成されていることを特徴とする。
【0026】
本発明は、前記固定装置(70)を限定したものである。
ここで、前記「係合部」は、レバー部材(54)のいずれかの部分に設けられていればよく、例えばレバー部材(54)に設けた凸部(55)のように、固定装置(70)としてのみ機能する部材又は部品であってもよいし、例えば棒状の操作部(52)が「係合部」としての機能を兼ねるものでもよい。また、前記「被係合部」は、レバー部材(54)を奥側に回動させたときに前記「係合部」と係合可能となる筐体ユニット(1)内部のいずれかの場所に設けてあればよい。すなわち、筐体ユニット(1)を構成する部分(例えば側板(16)や天板(17))に設けることの他に、筐体ユニット(1)内部に固定された何らかの手段(例えば交換ユニット(2)を支持する支持手段としての中板(12))に設けることも含む。また、「被係合部」は、前記「係合部」が係合可能な形状であればよい。例えば、前記凸部(55)を把持可能な留め金(71)とすることができる。
【0027】
そして、前記「係合部」及び「被係合部」は、交換ユニット(2)が定位置に設置されることにより係合可能となるような位置に設けられている。なお、交換ユニット(2)の「定位置」とは、交換ユニット(2)を固定するのに適した位置のことである。
(作用)
本発明によれば、前記固定装置(70)は、交換ユニット(2)を、筐体ユニット(1)に固定する役割も果たす。すなわち、交換ユニット(2)を定位置に設置し、レバー部材(54)を奥側に回動させると、レバー部材(54)の「係合部」と筐体ユニット(1)に設けられた「被係合部」とが係合する。これにより、レバー部材(54)は筐体ユニット(1)に固定され、交換ユニット(2)はレバー部材(54)を介して筐体ユニット(1)に固定されるものである。
【0028】
なお、前記「係合部」及び「被係合部」の係合に加え、支持体と筐体ユニット(1)との間を筐体固定装置(10)で固定することにより、より確実に交換ユニット(2)を固定することができる。この場合には、固定装置(70)は、交換ユニット(2)を固定する前の仮止め手段としての機能を有することになる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
(図面の説明)
図1乃至図12は、本発明の実施の形態を示すものである。
図1及び図2は分離型スロットマシンを示す分解斜視図、図3はスロットマシンの縦断面図、図4は、中板正面の部分拡大斜視図、図5乃至図7は送り出し手段の斜視図、図8は送り出し手段の作動を示す断面図、図9は送り出し手段の他の例を示す図である。また、図10乃至図12は、本発明の他の実施の形態を示す図である。
【0030】
本実施の形態における分離型スロットマシンSは、図1に示すように、大きく分けて、正面側に開口部11を有する筐体ユニット1、筐体ユニット1内部に着脱自在に設けられる交換ユニット2、筐体ユニット1の開口上部13を開閉可能に塞ぐ上扉30、筐体ユニット1の開口下部14を開閉可能に塞ぐ下扉40とから構成されている。
【0031】
なお、本実施の形態においては、前扉3を上下二分割されているものとしたが、前扉3が一体に形成されているものであってもよい。
(筐体ユニット1)
筐体ユニット1は、底板15及び側板16及び天板17及び裏板18からなる正面側に開口する筺体であり、高さ方向略中央部には、二つの側板16の間に水平方向に中板12が設けられている。
【0032】
ここで、中板12は、開口部11を開口上部13及び開口下部14の二つの空間に仕切るとともに、後述する交換ユニット2を筐体内部に支持する載置手段としての役割を果たすものである。また、中板12は、図3に示すように、奥方向に向かって下り傾斜となるよう形成されている。これは、交換ユニット2を収納しやすくするためと、交換ユニット2が手前側に飛び出すのを防止するためである。さらに、中板12の正面側中央端部には、交換ユニット2を筐体内に収納したときに交換ユニット2に設けられた送り出し手段50を収納するための、送り出し手段収納部60が形成されているが、これについては後述する。
【0033】
前記底板15には電源ユニット4及びホッパーユニット5が設置されている。前記電源ユニット4は、特に図示しないが電源装置が内装されていると共に、遊技店側が種々の設定を行うためのスイッチ等を有している。電源ユニット4及びホッパーユニット5は、交換ユニット2の交換に際し、必ずしも交換する必要のないものであり、交換時には設置されたままにしておけるようになっているものである。
【0034】
なお、本実施の形態においては、メダルを貯留すると共にメダルを払い出す払い出し装置としてホッパーユニット5を有するスロットマシンとしたが、遊技メダルを払い出すことのできる装置であれば、ホッパーユニット5以外の装置が代わりに設けられていてもよい。
また、側板16の正面左側の下部には、下扉40を係合させ、回転自在に支持するための筐体係合部19が、上下方向に間隔をおいて二つ設けられており、筐体係合部19の対向側の側板16には、下扉40を閉めた際、下扉40をロックするための突出片90(ロック機構7)が、上下方向に間隔をおいて二つ設けられている。そして、側板16の内面上方手前側には、交換ユニット2を固定するための筐体固定装置10が取り付けられている。
【0035】
(交換ユニット2)
交換ユニット2は、種々の部品を設置あるいは固定するための支持体としての枠体21と、この枠体21に固定されたリールユニット22及び基板ユニット24とから形成されている。
枠体21は、リールユニット22及び基板ユニット24を設置可能な箱形の金属枠であり、底面後端部には、交換ユニット2の脱着時にその重量を支持し、前後方向に移動させる際の摩擦抵抗を軽減するためのガイドローラ25が設けられている。なお、支持体としては枠体21に限られず、リールユニット22及び基板ユニット24等の機器を設置することが可能な強度を有する構造体であればよい。
【0036】
ここで、リールユニット22は、周囲に複数の図柄を表示した複数の回転リール23と、特に図示しないが、回転リール23を回転させるための駆動モータを有している。また、前記基板ユニット24には、遊技及びスロットマシンの作動を制御するための主基板と、各種演出を行うための副基板が含まれている。前記主基板及び副基板は、スロットマシンの制御装置として機能する。
【0037】
枠体21の正面左側の縦枠には、上扉30を係合させ、回動自在に支持するための枠体係合部27が設けられており、枠体係合部27の対向側の縦枠には、下扉40を閉めた際、下扉40をロックするための突出片90(ロック機構7)が、上下方向に間隔をおいて二つ設けられている。
交換ユニット2は、筐体ユニット1の中板12の上に乗せて開口上部13内部に収納し、筐体固定装置10により筐体ユニット1に固着される。
【0038】
ところで、前記枠体21の底面板26裏面には、交換ユニット2を手前側に送り出すための送り出し手段50が設けられているが、これについては後述する。
(上扉30)
上扉30は、筐体ユニット1の開口上部13を塞ぐための板状の扉であり、交換ユニット2の枠体21に回動自在かつロック可能に形成されている。そして、略中央部に前記回転リール23の図柄を正面側から見ることができる表示窓31を有し、周囲に飾り部33や種々の表示を行うための表示装置32が設けられているものである。
【0039】
ここで、前記飾り部33は、ランプ等により形成しても良く、入賞の報知その他の演出時にランプが点滅するようにしてもよい。また、前記表示装置32は、7セグメントLED等により数字を表示するものや、特に図示しないが、画像を表示するための液晶画面あるいはCRTなどとしてもよい。
さらに、図2に示すように、上扉30の裏面には、前記枠体係合部27に係合可能な上扉係合部36が上下方向に間隔をおいて二つ設けられており、上扉係合部36の対向側には、ロック機構7が設けられている。ロック機構7は、交換ユニット2の枠体21に設けられた突出片90に係止可能な鉤状の係止片を有するラッチ機構などにより構成されており、特に図示しないが解錠手段の操作により突出片90との係止が外れ開扉することができるとともに、扉を閉めれば自動的にロックされるように形成されている。また、上扉30の裏面上部の左右には、種々の音声を出力するためのスピーカ35が設けられている。
【0040】
そして、交換ユニット2を筐体ユニット1内部に固定し、上扉30をロックすることにより、上扉30が筐体ユニット1の開口上部13を閉塞するものである。いわゆる台交換の際には、遊技内容の変更に伴い、例えば回転リール23の数を変更したり、表示装置32の種類を変更する場合もあり、このようなときには上扉30の形状も変える必要があるので、上扉30と交換ユニット2は同時に交換される頻度が高い。このように形成すれば、搬送時、取り付け時において、上扉30と交換ユニット2を一体にして扱うことができ、上扉30と交換ユニット2を同時に取り外し又は取り付けできるので、作業の手間を省くことができる。
【0041】
(下扉40)
下扉40は、筐体ユニット1の開口下部14を塞ぐための、上扉30よりも幅厚の扉であり、筐体ユニット1の側板16に回動自在かつロック可能に形成されているものである。
下扉40の上部は、スロットマシンを作動させるための操作部41となっており、下扉40の上面は、閉扉時においては、上扉30よりも前側に突出するようになっている。また、下部には払い出されたメダルを貯めておくためのメダル受け43が形成されており、下扉40の略中央部には、遊技内容その他の表示をするための前パネルが嵌め込まれている。
【0042】
前記操作部41としては、下扉40の上面右端にはメダル投入口42及び上面左側に設けられたベットスイッチ、正面側にはスタートスイッチ及びストップスイッチ及び鍵穴44が設けられている。なお、ベットスイッチとは、貯留メダルをメダル投入に代えるためのものであり、スタートスイッチ及びストップスイッチは、回転リール23の回転を開始及び停止させるためのものである。また、鍵穴44は、前扉3を解錠するためのものであり、この穴に所定の鍵を差し込んで回すと、下扉40のロックが解除されるものである。
【0043】
さらに、図2に示すように、下扉40の裏面側には、前記メダル投入口42から投入されたメダルを誘導しながらメダルの正偽を判断するためのメダルセレクター45が設けられている。
また、下扉40の裏面には、前記筐体係合部19と係合可能な下扉係合部46が上下方向に間隔をおいて二つ設けられており、下扉係合部46の対向側には、ロック機構7が設けられている。ロック機構7の構成は、上扉30のものと基本的には同様である。そして、下扉40を解錠して開けないと上扉30の解錠手段が操作できないようになっている。
【0044】
(送り出し手段50)
ここで、送り出し手段50について詳述する。
送り出し手段50は、図1及び図3に示すように、交換ユニット2の正面側底部に、前後方向に回動可能に取り付けられた取っ手であり、交換ユニット2の取り出し時に、手前側に回動させることにより交換ユニット2を手前側に移動させるとともに、交換ユニット2を筐体内から引き出すためのものである。
【0045】
送り出し手段50は、図3及び図5に示すように、枠体21の底面板26の裏面正面側中央部に固定されたブラケット56及び軸支部57を有する一対の取り付け手段51と、この取り付け手段51に取り付けられる一対のレバー部材54と、この一対のレバー部材54の間に設けられた操作部52とからなる。
前記ブラケット56は、底面板26の裏面の正面側端部より若干奥側に、横方向に二つ並んで垂下する板部材である。二つのブラケット56の間には、底面板26と平行な軸が渡し設けてあり、この軸の両端部が軸支部57となる。この軸支部57は、図8に示すように、交換ユニット2を筐体内に収納したとき、中板12よりも下側に位置するように形成されている。なお、軸支部57は、ブラケット56の相対向する面に設けた突部であってもよい。
【0046】
前記レバー部材54は、前記軸支部57に回動可能に軸支された棒状部材であり、一方の端部側には、略V字型に切り欠かれた押し出し部53が形成されているとともに、他方の端部側は前記押し出し部53と反対方向に湾曲している。そして、この湾曲部の先端に、棒状の握り部である操作部52が取り付け又は一体形成されており、この操作部52により、一対のレバー部材54が連結されている。そして、前記押し出し部53寄りに前記軸支部57が貫通可能な軸孔が形成されており、操作部52を手前側に引くことによりレバー部材54が軸支部57を中心に回動し、押し出し部53は奥側に移動するように形成されている。
【0047】
なお、前記軸支部57をブラケット56に設けた軸孔とし、前記レバー部材54にこの軸孔に嵌入可能な軸又は凸部を設けてもよい。
(固定装置70)
ところで、前記レバー部材54は、交換ユニット2が定位置に在るときには、図6及び図8(A)の二点鎖線で示すように、中板12の下面とほぼ並行になる位置まで回動させ、固定装置70により固定することができるように形成されている。
【0048】
固定装置70は、レバー部材54に設けられた凸部55と、中板12の裏面に設けられた留め金71から成る。前記凸部55は、図5に示すように、いずれか一方のレバー部材54の、軸支部57及び操作部52の略中間位置に、横方向に突出する円柱状の突起である。留め金71は、図7及び図8に示すように、一対の薄板状のバネ部材であって、外側に湾曲した部分が相対向して形成する把持部72と、把持部72の下方であって内側に湾曲した部分が相対向して形成する開口部73を有する。そして、前記把持部72は、前記凸部55が内部に嵌入可能な径を有し、開口部73は、把持部72よりも狭く形成されていて、凸部55を下方から押入すると外側に開いて凸部55を通過させることができ、凸部55が通過した後は復元して、凸部55を把持部72にと留め置く事ができる。また、凸部55が把持部72に把持されているときにレバー部材54を手前側に回動させれば、開口部73は凸部55に上側から押されて開き、凸部55を通過させて、凸部55と留め金71の係合を解除できるようになっているものである。
【0049】
なお、固定装置70としては、上記構成のものに限られず、レバー部材54を操作部52が奥側になるよう回動させた状態で、中板12裏面に着脱自在に固定可能であれば、如何なる形態であってもかまわない。
(送り出し手段収納部60)
送り出し手段収納部60は、図4に示すように、中板12の正面側端面から奥方向に向かって設けられた二つのスリット61と、この二つのスリット61の間の板部分の下側を切り欠いた切り欠き部63とからなる。このスリット61と切り欠き部63は、交換ユニット2を筐体内に収納したとき、前記送り出し手段50が中板12と干渉しあわないような寸法に形成されている。すなわち、スリット61は、送り出し手段50のブラケット56が嵌入可能な幅に形成されていると共に、交換ユニット2が定位置となったときに、ブラケット56の奥側端面がスリット61の奥部立面61aに当接するか、それよりも長い奥行き寸法を有している。また、切り欠き部63は、送り出し手段50のレバー部材材54を下側に下ろした状態(図7参照)で、交換ユニット2を筐体内に押入していく際、押し出し部53側の先端部が通過可能となるよう切りかかれている。
【0050】
さらに、切り欠き部63により切り欠かれた部分の中板12の正面側の端面は、前記送り出し手段50のレバー部材54を手前側に回動させたとき、押し出し部53が当接する当接部62となるものである。
(交換ユニット2の着脱)
次に、上記構成を有する分離型スロットマシンSにおける、交換ユニット2の着脱及び送り出し手段50の作用を説明する。
【0051】
(1)交換ユニット2の取り付け
筐体内に交換ユニット2を収納するときには、送り出し手段50を、レバー部材54が枠体21の底面板26から垂下する位置(図1、図5参照)にしておく。このようにしておくと、交換ユニット2を持ち上げたり押入するときの取っ手として利用できて便利であるだけでなく、収納途中に中板12と操作部52がぶつかるのを防ぐことができる。そして交換ユニット2を中板12に載せて開口上部13内に押入していくと、交換ユニット2が定位置に設置される前に、送り出し手段50が送り出し手段収納部60に収納される。すなわち、ブラケット56がスリット61に、それからレバー部材54の先端部は切り欠き部62に収納される。そして、さらに交換ユニット2を押入すると、図8(B)の実線で示すように、押し出し部53の端部が当接部62に接触し、その後押し出し部53が当接部62に押しつけられて手前側に回動するとともに、レバー部材54は、図8(B)の二点鎖線で示すように、奥方向に回動する。
【0052】
ここで、前記ブラケット56に、交換ユニット2を定位置に停止させるストッパーとしての機能を持たせることができる。すなわち、ブラケット56の奥側端面がスリット61の奥部立面61aに当接する位置を交換ユニット2の定位置となるよう形成するものである。この場合は、ブラケット56がスリット61の奥部立面61aで係止されることにより、交換ユニット2が定位置に停止する。また、ストッパーとしては、上記以外に、枠体21の底面板26の前端部から下側に折れ曲がった垂下片26a(図8参照)が、中板12の正面側小口面と当接することにより交換ユニット2を定位置に停止させるようにしたり、特に図示しないが、中板12に設けたガイドローラ25を係止させる凹部や、枠体12の背面に設けた裏板18と当接するブロックなどを設けてもよい。
【0053】
さて、上記したストッパーの形態の如何に関わらず、交換ユニット2が定位置となったとき、送り出し手段50は、図8(A)の実線で示す位置にある。このとき、操作部52を上側に持ち上げレバー部材54を奥方向に回動させると、図8(A)の二点鎖線で示すように、レバー部材54は奥側に折りたたまれた状態となる。このとき、レバー部材54に設けられている凸部55が、中板12の裏面に取り付けられた留め金71と係合する。この係合により、レバー部材54は自重で垂れ下がることなく、中板12の裏面に固定される。また、この状態で交換ユニット2に前後方向の力がかかっても、凸部55が留め金71に引っかかっているので、枠体21は前にも後にも移動することはない。また、特に図示しないが、凸部55及び留め金71の係合方向によっては、左右方向の移動も停止可能である。すなわち、固定装置70がストッパーとなり、交換ユニット2が中板12に固定されるものである。その後、筐体固定装置10を用いて、枠体21の上方を筐体ユニット1の側板16内面に固定すれば、確実に交換ユニット2を固定できる。
【0054】
このように、送り出し手段50は、交換ユニット2の収納時には取っ手として使用できるとともに、不使用時に邪魔にならないように折りたたんで収っておくことができる。従って、開口下部14に設置されているホッパーユニット5にメダルを補充する作業などをするときに、送り出し手段50が邪魔になることがない。また、レバー部材54を中板12の裏面に固定可能とすることにより、交換ユニット2が中板12に固定されることとなり、万一、筐体固定装置10の係合を忘れたり、係合が不十分であった場合でも、交換ユニット2が筐体内から飛び出すトラブルを防ぐことができる。さらに、レバー部材54を折りたたんで収うのと、送り出し手段50を介して交換ユニット2と中板12とを固定するのを、単一の動作で行うことができ、また単一の固定装置70により足りるので、極めて効率的、経済的である。
【0055】
(2)交換ユニット2の取り出し
筐体内の定位置に交換ユニット2が収納されている状態では、送り出し手段50は、図6又は図8(A)の二点鎖線に示すように、レバー部材54が奥側に折りたたまれた状態となっている。交換ユニット2を筐体内から取り出す場合には、筐体固定装置10を解除してから、操作部52を引き下げて、レバー部材54を手前側に回動させて、凸部55と留め金71との係合を解除する。操作部52は、固定状態でレバー部材54が下側に湾曲した部分の先端に設けられているので、引き下げるときの手掛かりとなりやすい。
【0056】
凸部55と留め金71との係合を解除すると、送り出し手段50は、図8(A)の実線に示す状態となる。すなわち、押し出し部53は当接部62と面同士で当接する位置まで奥方向に回動し、逆にレバー部材54は手前側に回動し、斜め下方に垂下した状態となる。この状態で、図8(B)に示すように、操作部52を手前側に引っ張り、さらにレバー部材54を手前側に回動させると、押し出し部53が奥方向に回動することにより当接部62を押圧する。このとき、押し出し部53は当接部62と面接触しているので、押圧力が効果的に伝達される。そしてこの押圧力を反力に、交換ユニット2は手前側に押し出される。
【0057】
交換ユニット2が手前側に押し出された時、ガイドローラ25が中板12上を回転することにより、交換ユニット2と中板12との摩擦抵抗が減少し、そのまま操作部52を手前側に引っ張れば、交換ユニット2は容易に手前側に移動する。その後、交換ユニット2をある程度筐体内から引き出したところで、枠体21の上側に手を掛けて引き抜くようにすれば、安全に交換ユニット2を取り出すことができる。
【0058】
このように、送り出し手段50は、中板12の裏面に収ってある状態から下側に引っ張ることにより、交換ユニット2を引き出すための取っ手として使用できるとともに、押し出し部53の作用により交換ユニット2の初動を補助し、普通に持ち上げて引き出すよりもかなり少ない労力で、交換ユニット2を引き出すことができるものである。
【0059】
以上のように、本実施の形態における送り出し手段50は、交換ユニット2を筐体内から取り出す際の送り出し手段としての機能の他に、交換ユニット2を着脱する際の取っ手としての機能、交換ユニット2を収納した際の仮止め手段(又は固定手段)としての機能もあわせもつものである。
(送り出し手段50の他の形態)
ところで、送り出し手段50は、交換ユニット2の底面以外に設けることもできる。例えば、枠体21の側面板28や平面板29に設けてもよいものである。この場合、図9に示すように、筐体ユニット1の側板16や天板17の正面側端部に切り欠き部161,171を設け、この切り欠き部161,171の正面側立面に当接部53が当接可能となるよう、レバー部材54を取り付ける。すなわち、枠体21の側面板28又は平面板29から内側に向かってブラケット56を形成し、軸支部57を枠体21の内側に設ける。この軸支部57に、当接部53が枠体21の外側に突出可能となるよう、レバー部材54を回動可能に取り付けるとともに、側面板28又は平面板29の正面側には、当接部53を突出させるための切り欠き28a,29aを形成する。そして、操作部52を手前側に引っ張ることにより、当接部53が側板16又は天板17を押圧し、交換ユニット2を手前側に送り出すようにしものである。さらに、特に図示しないが、送り出し手段50を枠体21の底面板26の上面に設けても良い。
【0060】
なお、上記のように形成した場合、留め金71を筐体内面に設けると、交換ユニット2の着脱時に支障があるので、留め金71は枠体21に取り付けるのがよい。従って、留め金71は、送り出し手段50の不使用時に送り出し手段50を固定するための手段となり、送り出し手段50は、交換ユニット2の初動を補助するための手段となる。
【0061】
(他の実施の形態)
上述の実施の形態は、交換ユニット2を中板12などの載置手段に載せて設置固定するものであったが、分離型スロットマシンSとしては、このような形態に限られない。そこで、他の実施の形態として、交換ユニット2を天板17から吊り下げるように形成した分離型スロットマシンに、送り出し手段50を用いた場合について説明する。
【0062】
本実施の形態においては、図12に示すように、筐体ユニット1の天板17裏面には、支持手段として、奥行き方向にわたり一対のガイドレール80が設けられており、一方、交換ユニット2の枠体21の平面板29には、前記ガイドレール80と係合可能な一対の係合レール81が設けられている。そして、ガイドレール80に係合レール81を係合させることにより、交換ユニット2を筐体ユニット1の開口部11上方に吊り下げ支持するように形成されているものである。
【0063】
前記ガイドレール80の上面には、図10に示すように、ころやベアリングなどの移動補助手段13が埋設されていて、この移動補助手段13に係合レール81の下面部が当接するように係合し、前後方向に摺動可能となっている。そして、ガイドレール80の正面側端部には、切り欠き部80bが形成されていて、この切り欠き部80bの正面側立面が、送り出し手段50の押し出し部53が当接する当接部80aとなる。
【0064】
前記係合レール81の立ち上がり部81aの正面側には、図11に示すように、軸支部57が側面方向に突設されており、ここにレバー部材54が回動可能に軸止されている。レバー部材54は、反軸支部側端部が湾曲して操作部52となっている棒状部材である。そしてレバー部材54は、図12に示すように、二つの係合レール81にそれぞれ設けられており、枠体21の平面板29の正面端部に形成された切り欠き溝29aを通して、枠体21の内側から操作部52を操作可能となっている。
【0065】
また、前記レバー部材54の側面部には凸部55が、前記ガイドレール80の下面には留め金71がそれぞれ設けられていて、交換ユニット2を定位置に設置してレバー部材54を水平にすると、凸部55が留め金71と係合可能となっている。
以上のように形成された交換ユニット2を筐体ユニット1に取り付ける場合には、送り出し手段50を、レバー部材54が略垂直となる位置(図12参照)にしておき、係合レール81をガイドレール80に係合させて開口部11内に押入する。交換ユニット2が定位置に設置される前に、押し出し部53の端部がガイドレール80の当接部80aに接触し、その後押し出し部53が当接部80aに押しつけられて手前側に回動するとともに、レバー部材54は奥方向に回動する。
【0066】
交換ユニット2が定位置となったとき、送り出し手段50は、図10の実線で示す位置にある。このとき、レバー部材54を奥方向に回動させると、レバー部材54は枠体21の平面板29よりも上側になり、図10の二点鎖線で示すように、レバー部材54に設けられている凸部55が、ガイドレール80の裏面に取り付けられた留め金71と係合する。この係合により、交換ユニット2がガイドレール80に固定される。その後、筐体固定装置10を用いて、交換ユニット2を筐体ユニット1内部に固定すれば、確実に交換ユニット2を固定できる。
【0067】
また、交換ユニット2を筐体内から取り出す場合には、筐体固定装置10を解除してから、枠体21の内側から切り欠き溝29aに手を入れて、レバー部材54を下側に引っ張って、凸部55と留め金71との係合を解除する。すると、押し出し部53は当接部80aと面同士で当接する位置まで奥方向に回動し、逆にレバー部材54は手前側に回動する。この状態で、二つのレバー部材54を同時に手前側に引っ張り、さらにレバー部材54を手前側に、押し出し部53を奥側に回動させることにより、交換ユニット2は手前側に押し出される。
【0068】
交換ユニット2が手前側に押し出された時、係合レール81の下で移動補助手段53が回転することにより、交換ユニット2とガイドレール80との摩擦抵抗が減少し、そのままレバー部材54を手前側に引っ張れば、交換ユニット2は容易に手前側に移動する。その後、交換ユニット2をある程度筐体内から引き出したところで、枠体21の下側に手を掛けて引き抜くようにすれば、安全に交換ユニット2を取り出すことができる。
【0069】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1)
すなわち、請求項1記載の発明によれば、交換ユニット送り出し手段を設けることにより、交換ユニットを筐体内から取り出す際の初動にかかる力を軽減し、容易に取り出し作業を行うことができる分離型スロットマシンを提供することができる。
【0070】
(請求項2)
請求項2記載の発明によれば、上記した請求項1記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項2記載の発明によれば、不使用時には邪魔にならない交換ユニット送り出し手段を有する分離型スロットマシンを提供することができる。
【0071】
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記した請求項2記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項3記載の発明によれば、交換ユニットを定位置に固定可能な交換ユニット送り出し手段を有する分離型スロットマシンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態であって、分離型スロットマシンの分解斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態であって、分離型スロットマシンの、本体から前扉3を外した分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態であって、分離型スロットマシンの縦断面図である。
【図4】本発明の実施の形態であって、送り出し手段収納部を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態であって、送り出し手段を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態であって、送り出し手段を示す斜視図である。
【図7】本発明の他の実施の形態であって、送り出し手段を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態であって、送り出し手段の作動を示す縦断面図である。
【図9】本発明の実施の形態であって、送り出し手段の他の例を示す縦断面図である。
【図10】本発明の他の実施の形態であって、送り出し手段の作動を示す縦断面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態であって、図10の正面図である。
【図12】本発明の他の実施の形態であって、筐体ユニットと交換ユニットを示す斜視面図である。
【符号の説明】
S 分離型スロットマシン
1 筐体ユニット 2 交換ユニット
3 前扉 4 電源ユニット
5 ホッパーユニット 7 ロック機構
10 筐体固定装置 11 開口部
12 中板 13 開口上部
14 開口下部 15 底板
16 側板 17 天板
18 裏板 19 筐体係合部
21 枠体 22 リールユニット
23 回転リール 24 基板ユニット
25 ガイドローラ 26 底面板
27 枠体係合部 28 側面板
29 平面板
30 上扉 31 表示窓
32 表示装置 33 飾り部
35 スピーカ 36 上扉係合部
40 下扉 41 操作部
42 メダル投入口 43 メダル受け
44 鍵穴 45 メダルセレクター
46 下扉係合部
50 送り出し手段 51 取り付け手段
52 操作部 53 押し出し部
54 レバー部材 55 凸部
56 ブラケット 57 軸支部
6O 送り出し手段収納部 61 スリット
62 当接部 63 切り欠き部
70 固定装置 71 留め金
72 把持部 73 開口部
80 ガイドレール 81 係合レール
83 移動補助手段
90 突出片
Claims (3)
- 正面側に開口する筺体ユニットと、
筐体ユニットの開口部を開閉自在に塞ぐ前扉と、
複数の図柄が表示された回転リール及びこの回転リールを回転させるための駆動モータを有するリールユニットと、
遊技メダルを払い出すための払い出し装置と、
前記回転リール及び払い出し装置の作動を制御するための制御装置と、
少なくとも前記リールユニット及び制御装置を設置するための支持体を有する交換ユニットと、
前記交換ユニットを支持するための支持手段とを少なくとも有し、
前記交換ユニットを前記支持手段に支持させて、筐体ユニット内部に着脱自在に形成した分離型スロットマシンにおいて、
前記交換ユニットの支持体正面側に、支持体に設けられた軸支部と、この軸支部に前後方向に回動可能に軸支され人が操作するための操作部を有するレバー部材と、前記軸支部を挟んで前記レバー部材の反操作部側に設けられた押し出し部とを少なくとも有する交換ユニット送り出し手段を設け、
前記筐体ユニットの正面側に、前記押し出し部が当接可能な当接部を設け、
前記レバー部材を手前側に回動させることにより、前記押し出し部が前記当接部を押圧し、前記交換ユニットを手前側に移動可能に形成したことを特徴とする分離型スロットマシン。 - 前記操作部が筐体奥側に位置するように前記レバー部材を固定可能な固定装置を設けたことを特徴とする請求項1記載の分離型スロットマシン。
- 前記固定装置は、前記レバー部材に設けられた係合部と、前記筐体ユニットに設けられ前記係合部と係合可能な被係合部から成り、
前記係合部及び被係合部は、前記交換ユニットが定位置に設置されることにより係合可能に形成されていることを特徴とする請求項2記載の分離型スロットマシン。
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