JP4008556B2 - 画像読み取り装置 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本願発明は、ファクシミリ装置や各種のスキャナ装置に組み込まれるなどして原稿画像を読み取るのに用いられる画像読み取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のとおり、この種の画像読み取り装置は、一般的には、合成樹脂製のフレームケースに所定の必要な部品を組み付けて構成されている。より具体的には、フレームケースには、原稿を対面配置させるための透明板、この透明板の表面の画像読み取り領域に対して光を照射するための光源、画像読み取り領域から反射してきた光を集光する集光レンズ、およびこの集光レンズで集光された光を受光して光電変換する受光素子などが組み付けられている。また、このような構成の画像読み取り装置では、光源から発せられた光を画像読み取り領域に導くための照明用光路や、上記受光素子を配置するための空間室を上記フレームケースに形成するのが一般的である。このような構成によれば、上記フレームケースを樹脂成形することによって、上記照明用光路や空間室をそのフレームケースに一括して形成することができ、画像読み取り装置の製造が容易となる。また、画像読み取り装置の内部に外部の光が不当に入射するようなこともフレームケースによって阻止することができる。さらには、フレームケースに所定の部品をスペース効率良く組み付けることによって、画像読み取り装置全体の小型化を図ることもできる。
【0003】
一方、従来では、上記のような構成の画像読み取り装置を製造する場合、フレームケースの材質としては、黒色の樹脂が使用されていた。その理由は、主に、集光レンズを通過して空間室内に進行した光がこの空間室内において散乱反射を生じさせないようにするためである。すなわち、上記空間室内において光の散乱反射を生じたのでは、これらの散乱光が受光素子に入射し、読み取り画像の解像度が悪くなるという不具合を生じるが、従来では、主にこのような不具合を解消する観点から、フレームケース全体を光の反射率が低い黒色樹脂としていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の画像読み取り装置では、次のような不具合を生じていた。
【0005】
すなわち、画像読み取り装置によって得られる読み取り画像の質を高めるには、光源から発せられた光を画像読み取り領域へ効率良く導き、画像読み取り領域の照度を高める必要がある。とくに、画像読み取り装置をハンディスキャナとして構成する場合には、その必要性が一層高い。ハンディスキャナでは、その使用時において、画像読み取り面を形成する透明板が原稿表面に密着せず、これらの間に隙間が生じたままその原稿画像の読み取りがなされる場合があることを考慮して、そのような場合であっても原稿からの反射光を受光素子上に適切に集束できるように、集光レンズとしては焦点深度の深いレンズが用いられている。ところが、このような集光レンズは、その開口角が狭く、レンズ径が小さくなってしまうために、この集光レンズを透過する光の量は必然的に少なくなり、受光素子の受光量の減少を招く。したがって、画像読み取り装置をハンディスキャナとして構成する場合には、それ以外の場合よりも、画像読み取り領域に照射される光の量をかなり多くする必要がある。
【0006】
ところが、従来の画像読み取り装置では、フレームケース全体が黒色の樹脂製であるために、このフレームケースの表面の各所は光反射率の低い黒色面となっており、必然的に照明用光路の内壁面も光反射率の低い黒色面となっていた。このため、従来では、光源から発せられた光が照明用光路内を進行する際に、その光の多くが上記照明用光路の黒色の内壁面に吸収されてしまい、画像読み取り領域への光の照射効率が悪いものとなっていた。
【0007】
したがって、従来では、画像読み取り領域の照度を高めるには、光源として発光量の多い高価な光源を用いたり、あるいは光源の数を増やすような必要があった。その結果、画像読み取り装置の製造コストが高価となり、またそのランニングコストも高価となる不具合があった。とくに、このような不具合は、画像読み取り領域の照度をより高める必要があるハンディスキャナの場合には、一層顕著となっていた。
【0008】
本願発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、簡易な手段によって、光源から発せられた光を画像読み取り領域に効率良く導くことができるようにして画像読み取り領域の照度を高め、読み取り画像の質の向上が図れるようにすることをその課題としている。
【0009】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
すなわち、本願発明によって提供される画像読み取り装置は、光源から発せられた光を画像読み取り領域に導くための照明用光路を有するとともに、フレームケースを具備している画像読み取り装置であって、上記照明用光路の内壁面は、白色であるとともに、上記画像読み取り領域において反射されて集光レンズによって集光された光を受光する受光素子を内部に配置する空間室が上記フレームケースに形成されており、かつ上記空間室には、上記受光素子の周囲の壁面を低い光反射率とする光反射防止手段が設けられており、上記光反射防止手段は、上記空間室の内壁面を覆うように上記空間室内に下方から嵌合装着され、2つの立ち下がり部と、この立ち下がり部を繋ぐ水平部とを有する下に開口して断 面略コ字状をしているとともに、上記水平部には上記集光レンズを透過した光を上記受光素子に到達させるためのスリットが形成された黒色の反射防止部材によって構成されていることに特徴づけられる。
【0011】
上記照明用光路の内壁面を白色とする手段としては、上記照明用光路を形成するフレームケースを白色の樹脂製とする手段、上記照明用光路の内壁面を白色に塗装する手段、あるいは上記照明用光路内に白色の部材を設ける手段などを適用することができる。フレームケースを白色の樹脂製とした場合には、このフレームケースに複雑な形状の照明用光路を形成する場合であっても、その照明用光路の内壁面の全ての箇所を光反射率の高い白色面にすることが簡単に行え、その製造コストを安価にできるという利点が得られる。
【0012】
本願発明においては、照明用光路の内壁面が白色であるために、その内壁面を光の反射率が高い光反射面とすることができる。したがって、照明用光路の内壁面が光反射率の低い黒色とされていた従来の場合と比較すると、光源から発せられた光が照明用光路を進行する際に発生する光のロスが少なく、光源から発せられた光を高反射率で反射させながら、それらの光を画像読み取り領域へ効率良く導くことができる。したがって、本願発明では、発光量の大きな高価な光源を用いたり、あるいは光源の数を多くするなどの必要性を極力無くし、画像読み取り装置の製造コストやラインニングコストの低減化を図りつつ、画像読み取り領域への照射光量を多くし、読み取り画像の質を高めることができるという格別な効果が得られる。とくに、本願発明は、画像読み取り領域への照射光量をより多くする必要のあるハンディスキャナタイプの画像読み取り装置を構成する場合に、一層適することとなる。
【0013】
このように、本願発明は、光が通過する光路を黒色とすることがいわば常識とされていた画像読み取り装置の技術分野において、その照明用光路の内壁面を白色にすることによって光源から発せられた光のロスを少なくするという従来には見られない新規な技術思想の下になされたものであり、甚だ有用である。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
また、空間室の白色の内壁面を黒色の光反射防止部材で覆うことによって、受光素子の周辺で光の散乱反射が生じることを適切に防止することができる。また、画像読み取り装置を製造する場合には、上記黒色の光反射防止部材を上記空間室内に嵌合装着すればよいから、その製造作業は容易であり、画像読み取り装置の製造コストの上昇の抑制を図る上で好ましいものとなる。
【0018】
【0019】
【0020】
本願発明の他の好ましい実施の形態では、上記光源と上記受光素子とを互いに間隔を隔てて同一面に実装した基板を具備し、この基板は上記受光素子が上記集光レンズの直下に位置するように上記フレームケースの底面部に組み付けられているとともに、上記照明用光路の内壁面には、上記光源の上方において上記光源に対面する傾斜面部が設けられ、かつこの傾斜面部は、その上部側ほど上記集光レンズおよびその直上位置の画像読み取り領域に接近する方向に傾斜している構成とすることができる。
【0021】
このような構成によれば、まず第1に、光源と受光素子とが同一の基板に実装されているために、基板の個数を最小個数にでき、部品点数の削減が図れるに加え、上記基板に実装されている光源と受光素子とをフレームケース内に組み込む作業も一括して行うことができ、画像読み取り装置の製造コストの低減化を図る上で有利となる。第2に、フレームケースの照明用光路の内壁面に設けられた傾斜面部は、光源から発せられてその光源の上方に向かって進行する光を高い反射率で反射し、その光を画像読み取り領域に向けて効率良く導く効果を発揮することが期待できる。第3に、上記傾斜面部は光源の上方においてその上部側ほど上記集光レンズおよびその直上位置の画像読み取り領域に接近する方向に傾斜しているために、画像読み取り領域近傍における照明用光路の開口幅を狭めることができ、その分だけ画像読み取り領域に対して光を集中させて照射させることが可能となる。すなわち、光源の上方位置に傾斜面部が設けられておらず、光源の上方全域が照明用光路とされていたのでは、光源から上方に進行した光の一部はそのままフレームケースの外部へ進行し、画像読み取り領域へ照射されない事態を生じるが、上記構成によれば、そのような事態を解消し、光源から発せられた光を画像読み取り領域へより効率良く照射することが可能となる。
【0022】
本願発明の他の好ましい実施の形態では、上記照明用光路内には、上記フレームケースとは別体の光反射部材が配されているとともに、この光反射部材は、上記光源の上方において上記光源に対面する傾斜面部を有し、かつこの傾斜面部は、その上部側ほど上記集光レンズおよびその直上位置の画像読み取り領域に接近する方向に傾斜している構成とすることができる。
【0023】
このような構成によれば、光源から発せられた光を光反射部材の傾斜面部によって高い反射率で反射させ、その光を画像読み取り領域へ効率良く導く効果が期待できることは勿論のこと、次のような利点も得られる。すなわち、フレームケースを金型を用いて樹脂成形する場合には、当然ながら樹脂成形されたフレームケースから金型が適切に抜けるように配慮する必要があり、このような必要性からフレームケースの照明用光路に形成する傾斜面部については、その面積を一定以上に大きくできない場合がある。これに対し、上記構成は、フレームケースとは別体の光反射部材をフレームケースの照明用光路内に配置する構成であるから、フレームケースの樹脂成形時における金型の抜きなどを考慮することなく、その傾斜面部の面積を大きくすることできる。その結果、上記構成では、光反射部材の傾斜面部の面積を大きくすることによって、たとえば画像読み取り領域近傍における照明用光路の開口幅をかなり狭くし、画像読み取り領域に対してより集中的に光を照射することが可能になるという利点が得られる。
【0024】
本願発明の特徴および利点は、以下の実施形態の説明により、より明らかになるであろう。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0026】
図1は、本願発明に係る画像読み取り装置の一例を示す断面図である。図2は、図1に示す画像読み取り装置の分解斜視図である。
【0027】
図1に示す画像読み取り装置Aは、密着型イメージセンサとして構成されたものであり、フレームケース1、透明板2、セルフォックレンズアレイ3、光反射防止部材4、回路基板5、複数のLEDチップ6、複数の受光素子7、および1もしくは複数のアタッチメント8を具備して構成されている。
【0028】
上記フレームケース1は、たとえばポリカーボネートに酸化チタンを含有させた合成樹脂製である。ただし、その色彩は白色であり、このフレームケース1の各所の表面は全て白色である。このフレームケース1の各所の表面の光反射率は、たとえば97%または98%程度の高い光反射率である。このフレームケース1は、金型を用いて樹脂成形されたものであり、図2に示すように、その全体形状は一定方向に延びる略直方体状である。
【0029】
上記透明板2は、たとえば平面視形状が細長矩形状のガラス板または合成樹脂板であり、上記フレームケース1の上面部に装着されている。この透明板2の表面が、原稿を対向配置させるための原稿載置面または原稿接触面となる。
【0030】
上記セルフォックレンズアレイ3は、本願発明でいう集光レンズの一例に相当するものであり、合成樹脂製などの細長なブロック状のホルダに多数のセルフォックレンズ(ロッドレンズ)を列状に並べて保持させたものである。このセルフォックレンズアレイ3は、上記フレームケース1に形成された溝部10に嵌め込まれて上記透明板2の下方に設けられている。上記透明板2の表面領域(上面領域)のうち、上記セルフォックレンズアレイ3の直上位置の一定領域が画像読み取り領域Sであり、この画像読み取り領域Sは上記セルフォックレンズアレイ3が延びる方向と同一方向にライン状に延びている。この画像読み取り装置Aがハンディスキャナとして構成される場合には、上記セルフォックレンズアレイ3のセルフォックレンズとしては焦点深度の深いレンズが用いられ、透明板2の表面から原稿が多少離反していても、その原稿表面から反射される光を受光素子7の表面に効率良く集束できるように構成される。
【0031】
上記複数の受光素子7は、光電変換を行うものであり、上記回路基板5の上面にその長手方向に沿って列状に並べられて実装されている。上記フレームケース1のセルフォックレンズアレイ3の装着位置の下方には、セルフォックレンズアレイ3と同方向に延びる空間室11が形成されている。上記複数の受光素子7は、上記回路基板5が上記フレームケース1の底面部に組み付けられることによって上記空間室11内に配置され、セルフォックレンズアレイ3によって集束された光を受光できるように設定されている。上記回路基板5は、フレームケース1の外面に形成された係合凸部12,12に係合したアタッチメント8によって支持されている。
【0032】
上記光反射防止部材4は、たとえば黒色のABS樹脂製であり、その各所の表面は光の反射率が低い黒色である。この光反射防止部材4は、一定方向に延びる細長な形状を有しており、その一般部分の断面形状は、下向きに開口した略コ字状とされ、左右2つの立ち下がり部4a,4bと、これらの立ち下がり部4a,4bを繋ぐ水平部4cとを有している。また、上記水平部4cには、上向き状の突起40,40がこの光反射防止部材4の長手方向に一定間隔で複数設けられている。この光反射防止部材4は、フレームケース1に回路基板5を組み付ける以前の段階において上記空間室11に嵌合装着されている。むろん、上記空間室11の上部には、上記複数の突起40,40を挿入可能とする複数の凹部13,13が設けられており、これら凹部13と突起40との嵌合作用により、上記光反射防止部材4の長手方向および短手方向の位置決めが図られている。
【0033】
上記空間室11の白色の内壁面11a〜11c、より具体的には、空間室11の左右両側壁面11a,11bや天井壁面11cの各部は、上記光反射防止部材4によって覆われており、上記複数の受光素子7はこの光反射防止部材4に囲まれている。ただし、上記光反射防止部材4の水平部4cには、セルフォックレンズアレイ3を透過した光を通過させるためのスリット41が設けられている。
【0034】
上記複数のLEDチップ6は、光源の一例に相当し、上記回路基板5の複数の受光素子7が実装されている面と同一面に実装されている。これら複数のLEDチップ6は、上記複数の受光素子7と適当な間隔を隔てて回路基板5の長手方向に所定ピッチ間隔で列状に配置されている。上記回路基板5には、上記複数のLEDチップ6や複数の受光素子7への電力供給や各種の信号の入出力を行うための配線パターン(図示略)が形成されており、コネクタ60を介して外部からの電力供給や信号の入出力が行えるようになっている。この画像読み取り装置Aをカラー画像の読み取りが可能なものとする場合には、上記複数のLEDチップ6としては、R,G,B(レッド,グリーン,ブルー)の各色の光を発するLEDチップを適用すればよく、またモノクロ画像の読み取りの場合には、白色またはこれに代わる色彩の単色光を発するLEDチップを適用すればよい。
【0035】
上記フレームケース1には、照明用光路14が形成されており、この照明用光路14の下部に上記複数のLEDチップ6が配置されている。上記照明用光路14は、上記LEDチップ6から発せられた光を画像読み取り領域Sに導くためのものであり、上記フレームケース1の底部から上方へ延びており、その内壁面の各所は高い光反射率の白色表面のままである。上記照明用光路14は、概略的には2つの内壁面15a,15bによって挟まれた空間部となっており、一方の内壁面15aの高さ方向中間部には、傾斜角度が相違する2つの傾斜面部16a,16bが設けられている。これら2つの傾斜面部16a,16bは、それらの上部側になるほど上記セルフォックレンズアレイ3や画像読み取り領域Sに接近するように傾斜しており、上記LEDチップ6の上方に位置し、このLEDチップ6に対面している。また、他方の内壁面15bにも、画像読み取り領域Sへの光の進行が可能なように傾斜面部17a,17bが適宜設けられている。なお、本願発明では、照明用光路14の内壁面15aに設けられる傾斜面部の数は2つに限定されず、1つのみ、あるは3つ以上の傾斜面部を設けてもよく、さらにその傾斜面部は曲面でもよい。
【0036】
図3は、上記フレームケース1およびその成形用の金型Ka,Kbの一例を示す要部断面図である。同図に示すように、上記フレームケース1は、このフレームケース1の空間室11や照明用光路14などの所定の部分を形成するための凹凸部を有する上下一組の金型Ka,Kbを用いて樹脂成形されたものである。上記フレームケース1の照明用光路14は屈曲しているものの、この照明用光路14の内壁面15aの上部の最も右端となる側壁面18aと内壁面15bの下部の最も左端となる側壁面18bとの間の隙間寸法Lがゼロ以上の値であれば、上記フレームケース1を樹脂成形した後に上記金型Ka,Kbの型抜きを行うことができ、上記フレームケース1を適切に樹脂成形することが可能である。
【0037】
次に、上記構成の画像読み取り装置Aの作用について説明する。
【0038】
まず、図1において、複数のLEDチップ6から発せられた光は、その大部分が照明用光路14の内壁面15a,15bによって反射されながら画像読み取り領域Sに到達し、またその一部の光は直接的に画像読み取り領域Sに到達する。この場合、上記内壁面15a,15bは、高い光反射率の白色面であるから、これらの内壁面15a,15bに多くの光が吸収されるようなことはなく、LEDチップ6から発せられた光は画像読み取り領域Sに配置された原稿(図示略)の表面に効率良く照射される。また、上記内壁面15a,15bは、受けた光を種々の方向に乱反射するために、上記内壁面15a,15bは、所定間隔で並べられた複数のLEDチップ6から発せられて画像読み取り領域Sに向かう光量分布のばらつきを減少させる役割をも発揮することとなる。このため、原稿照明用の光源として点状光源としての複数のLEDチップ6を用いているにも拘わらず、原稿表面の読み取りライン方向(主走査方向)の照度をある程度均一化することが可能となる。
【0039】
さらに、上記内壁面15aに設けられている傾斜面部16a,16bは、LEDチップ6の上方位置においてセルフォックレンズアレイ3や画像読み取り領域Sに接近するようにせりだしており、上記照明用光路14は、LEDチップ6の上方へ向かうにつれて画像読み取り領域Sに接近するように屈曲した断面形状となっている。このため、透明板2の下面にはこのフレームケース1によってカバーされた閉塞領域Laが形成され、透明板2の画像読み取り領域Sやその近傍部分のみが照明用光路14と対向する光照射領域Lbとなっている。したがって、複数のLEDチップ6から発せられた光の多くが、画像読み取り領域Sからかなり離れた部分に無駄に照射されるようなことも防止されることとなり、実際の画像読み取り対象位置となる画像読み取り領域Sに照射される光の量をより多くすることが可能となる。
【0040】
次いで、原稿表面に照射されてこの原稿表面によって反射された光は、その後セルフォックレンズアレイ3を透過して空間室11内に進行し、複数の受光素子7によって受光される。この場合、上記空間室11の白色の内壁面11a〜11cのそれぞれは、光反射率の低い黒色の光反射防止部材4によって覆われているために、上記空間室11内における光の散乱反射は抑制される。したがって、受光素子7への散乱光の入射が抑制され、上記受光素子7はセルフォックレンズアレイ3によって集束された光を適切に受光するために、読み取り画像の解像度が高められることとなる。また、既述したとおり、この画像読み取り装置Aでは、画像読み取り領域Sの照度を高めることができるために、受光素子7の受光量を多くすることもできる。結局、この画像読み取り装置Aでは、受光素子7への散乱光の入射を防止できることと、原稿からの反射光量を多くできることとの相乗効果によって、読み取り画像の画質を高めることができる。セルフォックレンズアレイ3として、レンズ径が小さく、焦点深度の深いレンズを用いた場合には、受光素子7の受光量が少なくなる傾向が見られるが、この画像読み取り装置Aでは、画像読み取り領域Sへの照射光量を多くすることができるために、焦点深度の深いレンズを用いた場合であっても受光素子7の受光量を充分に確保できることとなる。
【0041】
図4は、本願発明に係る画像読み取り装置の他の例を示す断面図である。なお、図4以降の図については、先の実施形態と同一部分は同一符号で示し、その説明は省略する。
【0042】
図4に示す画像読み取り装置Aaは、フレームケース1Aの照明用光路14A内に光反射部材9を設けた構成である。この光反射部材9は、上記フレームケース1Aとは別体に形成されたものであるが、その材質は、たとえばフレームケース1Aと同様なPMMAなどのアクリル系樹脂であり、その各所の表面はたとえば光の反射率が97%または98%程度の高い光反射率の白色である。上記光反射部材9の照明用光路14Aに対面する側壁面90には、たとえば2つの傾斜面部91a,91bが設けられている。これら2つの傾斜面部91a,91bは、列状に配置された複数のLEDチップ6の上方に位置してこれらLEDチップ6に対面しており、その上部側ほどセルフォックレンズアレイ3や画像読み取り領域Sに接近するように傾斜している。
【0043】
上記画像読み取り装置Aaでは、複数のLEDチップ6から発せられた光を、上記光反射部材9の白色の側壁面90によって高い反射率で反射させることができ、これらの光を画像読み取り領域Sに効率良く導くことができる。また、上記画像読み取り装置Aaでは、光反射部材9の傾斜面部91a,91bの面積を大きくして上記光反射部材9の側壁面90を画像読み取り領域Sの方向へ大きくせりださせることができ、透明板2の下面の光反射部材9によってカバーされている閉塞領域La’を、図1で示した先の画像読み取り装置Aの閉塞領域Laよりも大きくし、透明板2の光照射領域Lb’の面積を図1で示した光照射領域Lbよりも狭めることが可能となる。先の図1で示した画像読み取り装置Aでは、図3において説明したとおり、フレームケース1の樹脂成形を可能とするためには、照明用光路14の側壁面18aを側壁面18bよりも画像読み取り領域S側に配置させることはできず、照明用光路14の内壁面15aを画像読み取り領域Sに接近させるには一定の限界がある。ところが、上記画像読み取り装置Aaでは、フレームケース1Aとは別体に形成された光反射部材9を用いているために、この光反射部材9を画像読み取り領域Sに接近させる上で、樹脂成形上の制約を受けるようなことはなく、フレームケース1Aの側壁面15cについては傾斜面とすることなく、上記光反射部材9の上部を画像読み取り領域Sに対してかなり接近させることができる。このため、上記画像読み取り装置Aaでは、透明板2の閉塞領域La’を大きくし、光照射領域Lb’を小さくできる分だけ、画像読み取り領域Sに対して光をより集中的に照射することが可能となる。
【0044】
図5は、本願発明に係る画像読み取り装置の参考例を示す断面図である。
【0045】
同図に示す画像読み取り装置Abは、フレームケース1Bの空間室11の内壁面11a〜11cのそれぞれに黒色塗料を塗布して光反射率の低い塗膜層4Aを形成し、この塗膜層4Aによって白色の内壁面11a〜11cを覆い隠した構成である。このような構成であっても、空間室11内に進行した光が空間室11内において散乱反射することが抑制され、受光素子7にその散乱光が不当に入射することが防止される。
【0046】
なお、本願発明では、空間室11に回路基板5を対面配置させた場合には、上記空間室11内に進行した光の一部が回路基板5の表面によって反射されるが、この回路基板5は受光素子7の受光面に対向しておらず、回路基板5によって反射された光が直接受光素子7に入射することはない。したがって、回路基板5の表面についてはその光反射率を低くするための手段をとくに講じる必要はない。
【0047】
さらに、上述の各実施形態では、フレームケースを白色の樹脂製としたために、このフレームケースを樹脂成形するだけで照明用光路の内壁面を白色とすることができ、その製造コストを安価にできるという利点が得られるが、やはり本願発明はこれに限定されない。本願発明では、たとえばフレームケースを従来と同様に黒色とする一方、その照明用光路の内壁面のみを白色としてもよい。その手段としては、フレームケースに形成された照明用光路の内壁面を白色に塗装する手段や、白色のシート材やフィルムを照明用光路内に配置して黒色の壁面を覆い隠す手段などを採用することができる。
【0048】
その他、本願発明に係る画像読み取り装置の各部の具体的な構成は、上述した実施形態に限定されず、種々に設計変更自在である。本願発明は、光源の種類はLED光源に限定されず、それ以外の光源、たとえば冷陰極管などを用いてもよい。また、光源と受光素子とを同一基板に実装することなく、これら光源と受光素子とを別々の基板に実装してもかまわない。さらに、本願発明に係る画像読み取り装置は、ハンディスキャナタイプの密着型イメージセンサとして、あるいは原稿送り用のプラテンローラに対向して設けられる密着型イメージセンサなどとして構成されるに限らず、たとえば原稿を上面に配置するための透明な原稿載置板の下方においてフレームケースが副走査方向に水平移動するいわゆるフラットベッド型イメージセンサとして構成してもかまわない。
【0049】
さらに、本願発明では、たとえば照明用光路内にプリズムを配置し、光源から発せられた光をこのプリズムを用いて画像読み取り領域に導くようにしてもかまわない。光源から発せられた光がプリズム内に入射して画像読み取り領域に導かれる場合、その光の一部がプリズムの外部に洩れる場合があるが、照明用光路の内壁面を白色としておけば、プリズムから洩れた光を高い反射率で反射し、再度プリズム内に戻したり、あるいはそのまま画像読み取り領域に進行させるといった効果が期待でき、やはり画像読み取り領域の照度を高めることができる。したがって、本願発明でいう照明用光路とは、空洞部として形成されている場合と、内部にプリズムなどの部材が設けられた非空洞部として形成されている場合とのいずれの場合をも含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明に係る画像読み取り装置の一例を示す断面図である。
【図2】 図1に示す画像読み取り装置の分解斜視図である。
【図3】 フレームケースおよびその成形用の金型の一例を示す要部断面図である。
【図4】 本願発明に係る画像読み取り装置の他の例を示す断面図である。
【図5】 本願発明に係る画像読み取り装置の参考例を示す断面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B フレームケース
2 透明板
3 セルフォックレンズアレイ(集光レンズ)
4 光反射防止部材(光反射防止手段)
4A 塗膜層(光反射防止手段)
5 回路基板
6 LEDチップ(光源)
7 受光素子
9 光反射部材
11 空間室
14,14A 照明用光路
16a,16b 傾斜面部
91a,91b 傾斜面部
S 画像読み取り領域
A,Aa,Ab 画像読み取り装置
Claims (3)
- 光源から発せられた光を画像読み取り領域に導くための照明用光路を有するとともに、フレームケースを具備している画像読み取り装置であって、
上記照明用光路の内壁面は、白色であるとともに、
上記画像読み取り領域において反射されて集光レンズによって集光された光を受光する受光素子を内部に配置する空間室が上記フレームケースに形成されており、かつ上記空間室には、上記受光素子の周囲の壁面を低い光反射率とする光反射防止手段が設けられており、
上記光反射防止手段は、上記空間室の内壁面を覆うように上記空間室内に下方から嵌合装着され、2つの立ち下がり部と、この立ち下がり部を繋ぐ水平部とを有する下に開口して断面略コ字状をしているとともに、上記水平部には上記集光レンズを透過した光を上記受光素子に到達させるためのスリットが形成された黒色の反射防止部材によって構成されていることを特徴とする、画像読み取り装置。 - 上記光源と上記受光素子とを互いに間隔を隔てて同一面に実装した基板を具備し、この基板は上記受光素子が上記集光レンズの直下に位置するように上記フレームケースの底面部に組み付けられているとともに、上記照明用光路の内壁面には、上記光源の上方において上記光源に対面する傾斜面部が設けられ、かつこの傾斜面部は、その上部側ほど上記集光レンズおよびその直上位置の画像読み取り領域に接近する方向に傾斜している、請求項1に記載の画像読み取り装置。
- 上記照明用光路内には、上記フレームケースとは別体の光反射部材が配されているとともに、この光反射部材は、上記光源の上方において上記光源に対面する傾斜面部を有し、かつこの傾斜面部は、その上部側ほど上記集光レンズおよびその直上位置の画像読み取り領域に接近する方向に傾斜している、請求項1または2に記載の画像読み取り装置。
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