JP4761668B2 - 表面情報検知装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、被検知対象に光を照射して、その反射光に基づいて被検知対象から情報を得る装置、たとえば被検知対象が記録媒体である場合に、その種類を判別し、あるいは被検知媒体が凹凸を設けることにより情報を記録したものである場合に、その情報を読み取る装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
被検知媒体に光を照射して、その反射光に基づいて被検知媒体の種類を判別する装置としては、特開平2−56375号公報に記載されたものがある。この公報に記載された媒体検知装置は、本願の図10(a)および(b)に示したように被検知媒体Bに光を照射するための発光素子90と、被検知媒体Bからの光を受光する複数の受光素子91,92とを備えたものである。複数の発光素子91,92は、被検知媒体Bからの反射角度θ1,θ2の異なる光を受光するように配置されている。この媒体検知装置9では、受光素子91,92からの出力が一定の閾値よりも大きい場合には検知回路から検知ON信号が出力され、受光素子91,92からの出力が閾値よりも小さい場合には検知回路から検知OFF信号が出力される。そして、各受光素子91,92での検知信号のON/OFF状態に基づいて、被検知媒体Bの種類を判別するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
発光素子90としてLEDを用いた場合には、LED自体が指向性の高い光を発するものでないため、発光素子90からの光は、ある程度の広がりをもって被検知媒体Bに照射される。一方、受光素子91,92においては、入射面に対して全反射臨界角よりも入射角の小さいな光が受光される。つまり、受光素子91,92では、被検知媒体Bにおける点的な領域において反射した光を受光するのではなく、図10(a)において一点鎖線で囲んだように、一定の広がりをもった領域Sにおいて反射した光が受光される。
【0004】
したがって、媒体検知装置9では、複数の受光素子91,92が反射角度θ1,θ2の異なる光を受光できるように構成されているものの、被検知媒体Bからの反射光が適切に分解されないため、各受光素子91,92においては、種々の角度で反射する光を受光してしまう。そのため、各受光素子91,92間において受光される光量の差は小さいなってしまい、精度良く被検知媒体Bの種別を判別することができない。
【0005】
たとえば、被検知媒体Bたるエンボス紙は、表面の凹凸の程度が大きいため、他の被検知媒体Bとは光の散乱程度が異なる。ところが、受光素子91,92において受光できる領域Sが広ければ、つまり反射光の分解の程度が小さければ、被検知媒体Bでの光の散乱程度の相違を、受光素子91,92における受光量の差として充分に反映することができない。その結果、エンボス紙を他の被検知媒体(たとえば普通紙)と判別するのが困難となる。
【0006】
本願発明は、このような事情のもとに考えだされたものであって、被検知媒体に照射した光の反射光に基づいて、被検知媒体の表面性状を正確に把握し、たとえば記録媒体の種別を精度良く判別することができるようにすることを課題としている。
【0007】
【発明の開示】
上記した課題を解決するため、本願発明では次の技術的手段を講じている。すなわち、本願発明により提供される表面情報検知装置は、被検知媒体に光を照射するための光源と、複数のレンズが長手方向に列状に並んだレンズアレイユニットと、上記長手方向に微小間隔で並ぶとともに、上記被検知媒体において反射して上記複数のレンズを透過した光を受光し、かつ受光量に応じた信号を出力する複数の受光素子と、上記複数の受光素子から出力された信号に基づいて、上記被検知媒体の表面性状を把握する演算手段と、を備えた表面情報検知装置であって、上記レンズアレイユニットは、複数の第1レンズが上記長手方向に並ぶ第1レンズアレイと、複数の第2レンズが上記長手方向に並ぶ第2レンズアレイと、を有し、かつ、上記第1レンズアレイと上記第2レンズアレイとが、上記第1レンズと上記第2レンズとの軸心が一致するようにして積み重ねられたものであり、上記被検知媒体からの反射光のうち、上記レンズが上記受光素子上に集光させることができる光は、上記被検知媒体に対する光の照射領域における受光可能エリアたる円形領域に照射された光の反射光であるとともに、隣接するレンズ間においては、個々のレンズが担当する上記受光可能エリアは、相互に一部重複しているとともに、重複領域における一方のレンズの受光可能エリアの外延は、他方の受光可能エリアの中心よりも一方のレンズの受光可能エリアの中心よりの部位に位置しており、上記レンズアレイユニットには、上記レンズの配列のピッチに対応したピッチで複数の貫通孔が形成された遮光手段が設けられているとともに、上記複数の貫通孔の形状により上記受光可能エリアの形状が規定されており、上記光源からの光を上記被検知媒体に対してライン状に照射するための導光部をさらに有しており、かつ、上記演算手段は、各隣接する受光素子からの出力の振幅傾向により上記被検知媒体の表面性状を把握することを特徴としている。
【0008】
この表面情報検知装置では、被検知媒体からの反射光は、レンズアレイユニットを透過してから複数の受光素子において受光されるように構成されている。そのため、一定の条件を満たす反射光をレンズアレイユニットにおいて選択し、それを複数の受光素子において受光させることができるようになる。その結果、被検知媒体の表面性状を精度良く把握できるようになる。
【0010】
同一径の光束を一定の径に集束させる場合には、1つのレンズを用いて光を集束させる場合に比べて、複数のレンズにより光を集束させる場合のほうが焦点深度が小さくなる。このため、第1レンズアレイと第2レンズアレイとを積み重ねたレンズアレイユニットは、焦点深度が比較的に小さなものとなっている。一方、被検知媒体の表面に比較的に大きな凹凸が存在すれば、凸部と凹部とではレンズアレイユニットまでの距離が異なったものととなる。したがって、レンズアレイを積み重ねたレンズアレイユニットように焦点深度の小さくものを用いれば、凸部の反射光と凹部の反射光とで、その受光量が差が相対的に大きくなるため、凹凸といった表面性状を正確に把握することができるようになる。
【0012】
隣接する受光素子の受光可能エリアが相互に大きく重複していれば、反射光の分解能が小さくなって個々の受光素子において受光される光量の差が小さくなる。その一方で、隣接する受光素子の受光可能エリアが全く重複していなければ、被検知媒体における連続した領域について反射光を受光できなくなってしまう。そのため、本願発明のように、隣接する受光素子の受光可能エリアが適度に重複していれば、分解能を大きく確保しつつも、被検知媒体における連続した領域について反射光を受光し、被検知媒体における表面性状の変化を連続的に把握することができるようになる。
【0013】
隣接する受光素子の受光可能エリアの重複の程度は、隣接するレンズ間のピッチを調整することにより決定することができる。また、レンズの配列のピッチに対応したピッチで複数の貫通孔が形成された遮光手段をレンズアレイユニットに設けているので、これにより、隣接する受光素子の受光可能エリアの重複の程度を決定してもよい。つまり、遮光手段貫通孔の形状を調整して各受光素子の受光可能エリアの形状を規定することにより、隣接する受光素子の受光可能エリアの重複の程度を決定することができる。
【0014】
しかも、遮光手段を設けることにより、一定の領域において一定の反射角度をもって反射した光のみをレンズアレイユニットに入射させ、それをレンズアレイユニットを介して複数の受光素子において受光させることができるようになる。これにより、反射光の分解能をさらに高めることができるようになり、被検知媒体の表面性状をより正確に把握できるようになる。
【0016】
源から発せられた光が、導光部においてライン状とされてから被検知媒体へ照射されるため、被検知媒体における光照射領域の広がりを小さくすることができるようになる。その結果、受光素子において受光される光は、LEDにより直接的に被検知媒体に光を照射する場合に比べて、相対的に反射角度の揃った光となるため、本願発明に係る表面情報検知装置では、より高度に分解された光を複数の受光素子において受光させることができるようになる。
【0017】
被検知媒体は、記録媒体であり、上記演算手段は、上記複数の受光素子からの信号に基づいて、予め想定される複数種類の記録媒体の中から、検知対象となる記録媒体の種別を判別するように構成されている。複数種類の記録媒体は、エンボス紙、光沢紙、普通紙、および再生紙から少なくとも2つを選択するのが好ましい。
【0018】
上述したように、本願発明に係る表面情報検知装置は、被検知媒体の表面情報、とくに表面の凹凸状態を適格に把握できるため、エンボス紙を含む複数種の記録媒体を正確に判別することができる。
【0019】
好ましい実施の形態においてはまた、上記被検知媒体は、表面に凹凸を設けることにより情報を記録したものであり、上記演算手段は、上記複数の受光素子からの信号に基づいて、上記被検知媒体に記録された情報を読み取るように構成されている。
【0020】
上述したように、本願発明に係る表面情報検知装置は、表面の凹凸を適格に把握できるため、表面に凹凸を設けることによって被検知媒体に情報を記録した場合には、その情報を正確に読み出すことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。図1は、本願発明に係る表面情報検知装置の一例を示す断面図であり、図2ないし図4は、レンズアレイユニットの一例を示している。
【0022】
図1に示した表面情報検知装置Aは、透明板70と、合成樹脂製のケース71と、このケース71に組み付けられた基板72と、を有している。この基板72上には、主走査方向(紙面と直交する方向)に間隔を隔てて列状に並べられた複数の光源73と、これら複数の光源73と同方向に並べられた複数の受光素子74とが配置されている。
【0023】
各光源73は、たとえば発光ダイオードを用いて構成されている。各受光素子74は、光電変換機能を有するものであり、光を受けると、その受光量に対応した出力レベルの信号を出力する。受光素子74は、たとえば1mm当たりに6個並ぶように配置されている。受光素子74からの出力は、演算手段8に入力される。
【0024】
この演算手段8では、個々の受光素子74からの出力に基づいて、被検知媒体Bの表面状態が把握される。演算手段8は、たとえばCPU、RAMおよびROMなどにより構成することができる。演算手段8では、被検知媒体Bの表面状態を把握した上で、被検知媒体Bが記録媒体である場合には、予め想定される複数種類の記録媒体、たとえば普通紙、エンボス紙、光沢紙あるいは再生紙の中から、その種別を判別する。記録媒体の判別は、たとえば個々の記録媒体に対する複数の受光素子74からの出力特性を予め調べておき、これらの出力特性と、判別対象となる記録媒体に対する出力特性との比較することにより行われる。また、演算手段8は、被検知媒体Bが表面に凹凸を設けることにより情報を記録したものである場合には、その情報を読み取る。凹凸情報の読み出しは、たとえば凹凸具合と情報の内容の対応規則を予め定めておいた上で、読み出し対象に対する複数の受光素子74からの出力特性から凹凸の具体を把握して、これを対応規則に照合させることにより情報の読み出しが行われる。
【0025】
ケース71内においては、透明板70と各光源73との間に導光部材76が配置されている。この導光部材76は、たとえば透明なPMMA製またはPC製であり、各光源73から一定の広がり角度をもって発せられた光を平行光線に近づけるための凸状面76a,76bを有している。これら2つの凸状面76a,76bを通過してきた光は、導光部材76の傾斜面76cによって全反射されることにより、光照射ラインLに向けて効率良く集中的に導くことができるようになっている。ただし、本願発明はこれに限定されず、導光部材76を用いることなくケース71の内面形状を工夫することにより、あるいは導光部材76とは異なる形態の導光部材を用いることにより、各光源73から発せられた光を光照射ラインLに導くようにしてもかまわない。
【0026】
透明板70と各受光素子74との間には、光照射ラインLからの反射光を複数の受光素子74上に結像させることができる部位に、レンズアレイユニットUが配置されている。レンズアレイユニットUは、図2および図3に示したように、第1レンズアレイ1と、第2レンズアレイ2と、遮光部材3とを具備して構成されている。
【0027】
第1レンズアレイ1は、一定間隔で直線状の1列に並んだ複数の第1レンズ11と、これら複数の第1レンズ11に繋がって一体に形成された第1ホルダ部10とを含むレンズアレイ本体1aを具備して構成されている。第2レンズアレイ2は、その基本的な構造が第1レンズアレイ1と共通するものであり、一定間隔で直線状の1列に並んだ複数の第2レンズ21と、これら複数の第2レンズ21に繋がって一体に形成された第2ホルダ部20とを含むレンズアレイ本体2aを具備して構成されている。レンズアレイ本体1a,2aは、いずれも一定方向に延びたブロック状であり、透光性を有する合成樹脂製である。透光性を有する合成樹脂としては、たとえばPMMA(ポリメタクリル酸メチル(メタクリル樹脂))、あるいはPC(ポリカーボネート)が用いられている。
【0028】
第1レンズ11は、軸Cの方向に間隔を隔てた凸状曲面としての第1および第2レンズ面11a,11bを有する両凸レンズとされている。第2レンズ21は、軸Cの方向に間隔を隔てた凸状曲面としての第3および第4レンズ面21a,21bを有する両凸レンズとされている。第1、第2、第3および第4レンズ面11a,11b,21a,21bは、それらによって正立等倍像を結像可能な曲率とされている。
【0029】
上記した各レンズ面は、球面状または非球面状のいずれであってもかまわない。上記各レンズ面を球面にすれば、その製造が容易となる。これに対し、上記各レンズ面を非球面にすれば、収差を少なくすることができる。なお、第1および第2レンズ11,12は、必ずしも両凸レンズである必要はない。たとえば、第2レンズ面11bを平面状にした場合であっても、正立等倍像を結像可能である。第1および第2レンズ11のそれぞれの配列ピッチは、たとえば1mm程度である。上記したレンズ面11a,11b,21a,21bのそれぞれの投影面積の直径は、たとえば0.6〜1.0mm程度である。ただし、本実施形態においては、第2レンズ面11bと第3レンズ面21aとが略同一径とされている点を除き、基本的には、第1レンズ面11aから第4レンズ面21bに向かうにしたがって上記レンズ面の直径が徐々に大きくなるように構成されており、第4レンズ面21bについては、互いに隣り合う第4レンズ面21bどうしが互いに接触するサイズとされている。
【0030】
第1および第2ホルダ部10,20の互いに対向する面10b,20aの長手方向両端部には、凹部13と、段部23aを備えた凸部23との組が二対設けられている。これら凹部13と凸部23の先端部とが嵌合することにより、第1および第2レンズアレイ1,2は互いに重ね合わされて組み付けられているとともに、第1および第2レンズ11,12のそれぞれの軸Cどうしが合わされている。第1ホルダ部10の面10bには段部23aが当接しており、これにより第2レンズ面11bと第3レンズ面21aとの間隔が規定されている。面10b,20aの長手方向中間部には、第1および第2レンズ11,21を避けるようにして、少なくとも1組の凸部14と凹部24とが設けられている。第1および第2レンズアレイ1,2は、これら凸部14と凹部24との嵌合作用によっても互いに位置決めが図られているとともに、第2レンズ面11bと第3レンズ面21aとの間隔が規定されている。
【0031】
このようにして複数の第1レンズ11を有する第1レンズアレイ1と、複数の第2レンズ21を有する第2レンズアレイ2とを、個々のレンズ11,21の軸が一致するようにして積み重ねた構成では、上述したように比較的に焦点深度が小さな光学系が構築される。
【0032】
被検知媒体Bの表面に比較的に大きな凹凸が存在すれば、凸部と凹部とではレンズアレイユニットUまでの距離が異なったものととなる。したがって、焦点深度の小さいレンズアレイユニットUを用いれば、凸部の反射光と凹部の反射光とで、その受光量の差異が相対的に大きくなるため、凹凸といった表面性状を正確に把握することができるようになる。その結果、表面情報検知装置Aが記録媒体の種類を判別するように構成されている場合には、比較的に凹凸の大きなエンボス紙を容易に判別することができるようになり、当該装置Aが表面に凹凸を設けて情報を記録した被検知媒体Bから情報を読み出すものである場合には、その情報を確実に読み出すことができるようになる。
【0033】
遮光部材3は、図2によく表われているように、第1および第2レンズアレイ1,2と同様に、一定方向に延びたブロック状またはシート状であり、適度な厚みを有している。ただし、この遮光部材3は、遮光性を有するたとえば黒色のABS樹脂製とされている。この遮光部材3には、第1および第2レンズ11,21に対応する複数の貫通孔30が直線状の列状に配列されて設けられている。各貫通孔30の直径D2は、各第1レンズ面11aの投影面積の直径D1よりも小さくされている。また、各第1レンズ面11aの一部は、各貫通孔30に嵌入した状態とされている。
【0034】
このようなレンズアレイユニットUでは、図4に示したように遮光部材3の各貫通孔30は、各第1レンズ面11aに入射しようとする光を絞る役割を果たす。つまり、軸Cに対して大きな傾斜角度で進行する光線については、各第1レンズ面11aに入射させず、被検知媒体Bからの反射角度の小さい光線のみを各第1レンズ面11aに入射させることが可能となる。各貫通孔30は、円形とされているため、第1レンズ面11aに光を入射させることができる領域(受光可能エリア)Sが円形状となる。そして、隣接する貫通孔30のピッチを調整することにより、隣接する第1レンズ面11相互の受光エリアSの重複の程度を決定することができる。
【0035】
また、各第1レンズ面11aから各第1レンズ11内に進行した光は、その後その第1レンズ11の軸Cから大きく離反する方向に進行しないこととなる。このため、1つの第1レンズ11内に進行した光がその隣りの第1レンズ11やその隣りの位置関係にある第2レンズ21内に進行すること、および1つの第2レンズ21内に進行した光がその隣りの第2レンズ21内に進行すること(複数のレンズ間における光のクロストーク)を適切に防止することができる。したがって、レンズアレイユニットUを用いた場合には、反射光を適切に分解してそれを第2レンズ21の第4レンズ面21bから出射させて各受光素子74(図1参照)に受光させることができる。結局、第1レンズアレイ1の第1レンズ面11aに被検知媒体Bからの反射光を入射させることができるが受光可能エリアSは、各受光素子74において反射光を受光できるエリアと一致しており、当該エリアは遮光部材3の貫通孔30に規定されている。
【0036】
以上に説明したように、表面情報検知装置Aでは、光照射ラインLと複数の受光素子74の間に焦点深度の小さいレンズアレイユニットUが配置され、このレンズアレイユニットUに遮光部材3が設けられているため、複数の受光素子74に対して高度に分解された光を適切に入射させることができる。その結果、被検知媒体Bの表面状態を適切に把握することができる。
【0037】
本願発明者らは、上述した効果が得られる否かを次の試験により確認した。
【0038】
図1に示した表面情報検知装置Aにより、図5に示した上質普通紙(白色)B′に設定された光照射ラインLに光を照射し、その反射光を各受光素子74に受光させた。そして、各受光素子74からの出力(電圧)を図6に上質紙チャートとして鎖線で示した。なお、レンズアレイユニットUにおいては、第1レンズ11および第2レンズ21間のピッチは1mmとし、遮光部材3の貫通孔30の直径を0.75mm、貫通孔30間のピッチを1mmに設定した。また、受光素子74は1mm当たりに6個ずつ計1728個配置した。
【0039】
次いで、図5に示したように上質普通紙B′にエンボス紙B1、光沢紙B2、同種の上質普通紙B3、および再生紙B4を貼着し、これらの紙の間の領域(図5にダブルハッチングで示した領域BK)を黒色インクにより塗りつぶした被検知媒体を準備した。この被検知媒体について、先と同じ表面情報検知装置Aを用いて各受光素子74からの出力を測定した。その結果を図6に実線で示した。
【0040】
図6から明らかなように、上質普通紙B3からの反射光の受光を担当する受光素子74のグループでは、上質紙チャートの波形と一致している。したがって、他の紙B1,B2,B4に対する出力波形と上質紙チャートとが相違する場合には、その相違は、測定条件などによる誤差ではなく本質的な相違であり、絶対的な傾向として位置づけることができる。
【0041】
エンボス紙B1からの反射光の受光を担当する受光素子74のグループでは、それらの出力を連続的に観察すれば、大きく振幅する波形となっている。この結果は、表面情報検知装置Aでは、被検知媒体Bの表面に凹凸があれば、それを確実に検知でき、上質普通紙B3とエンボス紙B1とを判別できることを意味している。また、表面を凹凸を確実に検知できるため、表面に凹凸を設けることにより情報を記録した被検知媒体Bについては、その情報を確実に読み取れることも伺える。
【0042】
光沢紙B2からの反射光の受光を担当する受光素子74のグループでは、上質紙チャートよりも全体的に大きな出力の波形が得られている。そのため、表面情報検知装置Aでは、光沢紙B2と上質普通紙B3とを判別できることが伺える。
【0043】
再生紙B4からの反射光の受光を担当する受光素子74のグループでは、上質紙チャートよりも全体的に小さな出力の波形が得られている。そのため、表面情報検知装置Aでは、再生紙B4と上質普通紙B3とを判別できることが伺える。
【0044】
レンズアレイユニットとしては、図7に示したようなロッドレンズアレイU′を使用してもよい。このロッドレンズアレイU′は、複数の貫通孔80が長手方向に連続して設けられたホルダ81に対して、各貫通孔80にロッドレンズ82を嵌合保持させたものである。図示したロッドレンズアレイU′では、個々のロッドレンズ82が互いに接触して配置されている。
【0045】
このロッドレンズアレイU′では、遮光部材が設けられていないため、受光可能エリアSの大きさはロッドレンズ82の径により規定され、隣接する受光素子74間での受光可能エリアSの重複の程度は、ロッドレンズアレイ82の径と、ロッドレンズアレイ82間のピッチに規定される。
【0046】
このようなレンズアレイユニット(ロッドレンズアレイ)U′を用いた場合にも、レンズアレイユニットU′によって、被検知媒体Bに設定される各受光素子74の受光可能エリアSが規定される。したがって、被検知媒体Bでの反射角度の小さい光のみをレンズアレイユニットU′において選択し、それを各受光素子74において受光させることができるようになる。
【0047】
本願発明者らはさらに、図7に示したレンズアレイユニットとしてロッドレンズU′を用いた表面情報検知装置を構築し、この表面情報検知装置を用いて図5に示しサンプルにより、先に説明したのと同様な試験を行った。その結果を図9に示した。なお、ロッドレンズアレイU′としては、ロッドレンズ82の直径およびロッドレンズ82の間のピッチが0.63mmとされ、個々のロッドレンズ82が互いに接触したものを用いた。また、図8に示したように、一方の受光可能エリアSの外延が他方の受光可能エリアSの中心を通るようにして隣接する受光可能エリアSどうしが重複するようにロッドレンズU′を配置した。
【0048】
図9を図6と比較すれば分かるように、図7に示したロッドレンズアレイU′を用いたときの結果と、図2および図3に示したレンズアレイユニットUを用いたときの結果は略一致している。ただし、図7に示したロッドレンズアレイU′を用いた場合には、エンボス紙B1からの反射光に対する受光素子からの出力は、図2および図3に示したレンズアレイユニットUの場合のそれよりも振幅が小さくなっている。図7に示したロッドレンズアレイU′を用いた場合の結果からでも、エンボス紙を上質紙B3と判別できることが伺えるが、凹凸の判別に対して、よりシビアな精度要求される場合には、ロッドレンズ82の間のピッチを大きくして、隣接する受光可能エリアSの重複を低減するのが好ましいといえる。
【0049】
図1に示し表面情報検知装置Aでは、透明カバー72から離間した部位に光照射ラインLが設定されていたが、この光照射ラインLを透明カバー72上に設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る表面情報検知装置の一例を示す断面図である。
【図2】レンズアレイユニットの断面図である。
【図3】図2に示したレンズアレイユニットの分解斜視図である。
【図4】図2に示したレンズアレイユニットの受光可能エリアを説明するためのレンズアレイユニットの要部斜視図である。
【図5】複数の被検知媒体に対する複数の受光素子からの出力を測定するために使用したサンプルの模式的分解斜視図である。
【図6】図2ないし図4に示したレンズアレイユニットを用いた表面情報検知装置により、図5に示したサンプルに対する複数の受光素子からの出力特性を示すグラフである。
【図7】レンズアレイユニットとしてのロッドレンズアレイの要部断面斜視図である。
【図8】図7に示したロッドレンズアレイの受光可能エリアを説明するためのロッドレンズアレイの要部斜視図である。
【図9】図7に示したロッドレンズアレイを用いた表面情報検知装置により、図5に示したサンプルに対する複数の受光素子からのの出力特性を示すグラフである。
【図10】従来の検知装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
A 光学装置
U レンズアレイユニット
U′ ロッドレンズアレイ
1 第1レンズアレイ
11 第1レンズ
2 第2レンズアレイ
21 第2レンズ
3 遮光部材
30 貫通孔
73 光源
74 受光素子

Claims (4)

  1. 被検知媒体に光を照射するための光源と、複数のレンズが長手方向に列状に並んだレンズアレイユニットと、上記長手方向に微小間隔で並ぶとともに、上記被検知媒体において反射して上記複数のレンズを透過した光を受光し、かつ受光量に応じた信号を出力する複数の受光素子と、上記複数の受光素子から出力された信号に基づいて、上記被検知媒体の表面性状を把握する演算手段と、を備えた表面情報検知装置であって、
    上記レンズアレイユニットは、複数の第1レンズが上記長手方向に並ぶ第1レンズアレイと、複数の第2レンズが上記長手方向に並ぶ第2レンズアレイと、を有し、かつ、上記第1レンズアレイと上記第2レンズアレイとが、上記第1レンズと上記第2レンズとの軸心が一致するようにして積み重ねられたものであり、
    上記被検知媒体からの反射光のうち、上記レンズが上記受光素子上に集光させることができる光は、上記被検知媒体に対する光の照射領域における受光可能エリアたる円形領域に照射された光の反射光であるとともに、隣接するレンズ間においては、個々のレンズが担当する上記受光可能エリアは、相互に一部重複しているとともに、重複領域における一方のレンズの受光可能エリアの外延は、他方の受光可能エリアの中心よりも一方のレンズの受光可能エリアの中心よりの部位に位置しており、
    上記レンズアレイユニットには、上記レンズの配列のピッチに対応したピッチで複数の貫通孔が形成された遮光手段が設けられているとともに、上記複数の貫通孔の形状により上記受光可能エリアの形状が規定されており、
    上記光源からの光を上記被検知媒体に対してライン状に照射するための導光部をさらに有しており、かつ、
    上記演算手段は、各隣接する受光素子からの出力の振幅傾向により上記被検知媒体の表面性状を把握することを特徴とする、表面情報検知装置。
  2. 上記被検知媒体は、記録媒体であり、
    上記演算手段は、上記複数の受光素子からの信号に基づいて、予め想定される複数種類の記録媒体の中から、検知対象となる記録媒体の種別を判別するように構成されている、請求項1に記載の表面情報検知装置。
  3. 上記複数種類の記録媒体は、エンボス紙、光沢紙、普通紙、および再生紙から選択される少なくとも2つである、請求項に記載の表面情報検知装置。
  4. 上記被検知媒体は、表面に凹凸を設けることにより情報を記録したものであり、
    上記演算手段は、上記複数の受光素子からの信号に基づいて、上記被検知媒体に記録された情報を読み取るように構成されている、請求項1ないしのいずれかに記載の表面情報検知装置。
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