JP4007299B2 - 燃料処理システムの故障診断装置 - Google Patents

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Description

この発明は燃料処理システムの故障診断装置に係り、特に、燃料タンクを含む系内の漏れ故障診断に好適な燃料処理システムの故障診断装置に関する。
従来、例えば特開2002−4959号公報に開示されるように、燃料タンクを含む系内の漏れ故障を診断するための故障診断装置が知られている。この装置は、燃料タンク内のガスを吸い出して燃料タンクに負圧を導入するための負圧ポンプを備えている。タンク内圧は、燃料タンクに漏れが生じていなければ負圧ポンプの作動時に速やかに負圧化する。一方、燃料タンクに漏れが生じていると、その漏れによりタンク内圧の負圧化が妨げられる。このため、上記従来の装置によれば、負圧ポンプを作動させた後、一定の定常圧到達時間の経過を待ってタンク内圧が適正に負圧化されているか否かをみることとすれば、漏れ故障の有無を判断することが可能である。
特開2002−4959号公報 特開平6−235355号公報
しかしながら、上記従来の装置において、負圧ポンプの作動が開始された後、タンク内圧が収束値に低下するのに要する定常圧到達時間は、常に一定ではない。このため、この装置において、一定の定常圧到達時間の経過を待って漏れ故障の有無を判断する手法を用いた場合、タンク内圧が十分に収束値にまで低下していない段階で故障の有無が判断されたり、或いは、タンク内圧が収束値に達した後に、不必要に負圧ポンプの作動が継続されたりといった不都合が生じ得る。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、燃料タンクに圧力を導入し始めた後、タンク内圧が収束値に到達した時点において、タイミング良く漏れ故障の有無を判断することのできる燃料処理システムの故障診断装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、燃料処理システムの故障診断装置であって、
燃料タンクと、
前記燃料タンクに正圧または負圧を導入する圧力導入機構と、
内燃機関が停止している状況下で、前記正圧または負圧の導入が開始された後、定常圧到達時間が経過した時点でのタンク内圧を収束値として検知する収束値検知手段と、
前記収束値に基づいて前記燃料タンクを含む系に漏れが生じているか否かを判断する漏れ故障判断手段と、
前記燃料タンクの空間容積を検知する空間容積検知手段と、
前記空間容積に基づいて前記定常圧到達時間を設定する定常圧到達時間設定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、燃料処理システムの故障診断装置であって、
燃料タンクと、
前記燃料タンクに正圧または負圧を導入する圧力導入機構と、
前記正圧または負圧の導入が開始された後、定常圧到達時間が経過した時点でのタンク内圧を収束値として検知する収束値検知手段と、
前記収束値に基づいて前記燃料タンクを含む系に漏れが生じているか否かを判断する漏れ故障判断手段と、
前記圧力導入機構の圧力導入特性を検出する特性検出手段と、
検出された前記圧力導入特性に基づいて前記定常圧到達時間を設定する定常圧到達時間設定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、
前記定常圧到達時間設定手段は、
前記圧力導入特性が基準の圧力導入特性を示すことを前提とした基準定常圧到達時間を設定する基準定常圧到達時間設定手段と、
検出された前記圧力導入特性と、前記基準の圧力導入特性との特性差を検出する特性差検出手段と、
前記特性差に基づいて前記基準定常圧到達時間を補正することにより前記定常圧到達時間を算出する定常圧到達時間補正手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第4の発明は、第2の発明において、
前記基準定常圧到達時間設定手段は、
前記燃料タンクの空間容積を検知する空間容積検知手段を備え、
前記空間容積に基づいて前記基準定常圧到達時間を設定することを特徴とする。
また、第5の発明は、燃料処理システムの故障診断装置であって、
燃料タンクと、
前記燃料タンクに正圧または負圧を導入する圧力導入機構と、
前記正圧または負圧の導入が開始された後、定常圧到達時間が経過した時点でのタンク内圧を収束値として検知する収束値検知手段と、
前記収束値に基づいて前記燃料タンクを含む系に漏れが生じているか否かを判断する漏れ故障判断手段と、
前記圧力導入機構の作動に伴って当該圧力導入機構と前記燃料タンクとの間で授受されると想定される授受空気量を推定する授受空気量推定手段と、
前記燃料タンクに基準穴が空いている場合に、前記圧力導入機構の作動に伴って当該基準穴からリークすると想定されるリーク空気量を推定するリーク空気量推定手段と、
前記授受空気量と前記リーク空気量とに基づいて、前記燃料タンク内の空気量に生ずると想定される増減量を推定する空気増減量推定手段と、
気体の状態方程式の関係に従って、前記増減量に対応するタンク内圧変化量を推定するタンク内圧変化量算出手段と、
前記圧力導入機構の作動開始後に生ずると想定されるタンク内圧の推移を、前記タンク内圧変化量に基づいて推定する圧力推移推定手段と、
推定された前記タンク内圧の推移に基づいて前記定常圧到達時間を設定する定常圧到達時間設定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第6の発明は、第5の発明において、
前記授受空気量推定手段は、前記圧力推移推定手段により推定される前記タンク内圧に基づいて、前記圧力導入機構の両側に作用する差圧を算出する差圧算出手段と、推定された前記差圧に対して前記圧力導入機構を流通すべき総ガス流量を算出する総ガス流量算出手段と、前記燃料タンク内における空気の質量分率を算出する質量分率算出手段とを備え、前記総ガス流量と前記質量分率に基づいて前記差圧に対して発生するべき前記授受空気量を算出し、
前記リーク空気量推定手段は、前記圧力推移推定手段により推定される前記タンク内圧と、大気圧とに基づいて、前記リーク空気量を算出することを特徴とする。
また、第7の発明は、燃料処理システムの故障診断装置であって、
燃料タンクと、
前記燃料タンクに正圧または負圧を導入する圧力導入機構と、
前記正圧または負圧の導入が開始された後の前記タンク内圧の単位時間当たりの変化量を検出する圧力変化量検出手段と、
前記タンク内圧の単位時間当たりの変化量が判定値以下となった時点でのタンク内圧を収束値として検知する収束値検知手段と、
前記収束値に基づいて前記燃料タンクを含む系に漏れが生じているか否かを判断する漏れ故障判断手段と、を備え
前記圧力変化量検出手段は、
前記圧力導入機構の作動中に、当該圧力導入機構と前記燃料タンクとの間で授受される授受空気量を推定する授受空気量推定手段と、
前記燃料タンクに基準穴が空いている場合に、前記圧力導入機構の作動中に当該基準穴からリークするリーク空気量を推定するリーク空気量推定手段と、
前記授受空気量と前記リーク空気量とに基づいて、前記燃料タンク内の空気の増減量を推定する空気増減量推定手段と、
気体の状態方程式の関係に従って、前記増減量に対応するタンク内圧変化量を推定するタンク内圧変化量算出手段と、
前記圧力導入機構の作動開始後におけるタンク内圧の推移を、前記タンク内圧変化量に基づいて推定する圧力推移推定手段と、を備え
前記タンク内圧変化量に基づいて、前記タンク内圧の単位時間当たりの変化量を検出することを特徴とする
また、第の発明は、第の発明において、
前記授受空気量推定手段は、前記圧力推移推定手段により推定される前記タンク内圧に基づいて、前記圧力導入機構の両側に作用する差圧を算出する差圧算出手段と、推定された前記差圧に対して前記圧力導入機構を流通すべき総ガス流量を算出する総ガス流量算出手段と、前記燃料タンク内における空気の質量分率を算出する質量分率算出手段とを備え、前記総ガス流量と前記質量分率に基づいて前記差圧に対して発生するべき前記授受空気量を算出し、
前記リーク空気量推定手段は、前記圧力推移推定手段により推定される前記タンク内圧と、大気圧とに基づいて、前記リーク空気量を算出することを特徴とする。
第1の発明によれば、燃料タンクの空間容積に基づいて定常圧到達時間を設定し、その定常圧到達時間が経過した時点で燃料タンクを含む系に漏れが生じているか否かを判断することができる。このため、本発明によれば、タンク内圧が収束値に達した時点でタイミング良く漏れ故障を判断することができる。
第2の発明によれば、圧力導入機構の圧力導入特性に基づいて定常圧到達時間を設定し、その定常圧到達時間が経過した時点で燃料タンクを含む系に漏れが生じているか否かを判断することができる。このため、本発明によれば、圧力導入機構の特性のバラツキに影響されることなく、タンク内圧が収束値に達した時点でタイミング良く漏れ故障を判断することができる。
第3の発明によれば、圧力導入機構の圧力導入特性が、基準の特性からどの程度乖離しているかを基準の定常圧到達時間に反映させることにより、簡単な処理で適正に定常圧到達時間を算出することができる。
第4の発明によれば、圧力導入機構の圧力導入特性、および燃料タンクの空き容量の双方に基づいて定常圧到達時間を設定することができる。このため、本発明によれば、タンク内圧が収束値に達した時点で、極めてタイミング良く漏れの有無を判断することができる。
第5の発明によれば、圧力導入機構により授受されると想定される授受空気量と、仮想の基準穴からのリークが想定されるリーク空気量とを推定し、更に、それらの推定値に基づいて、基準穴が存在する場合に燃料タンク内に生ずると想定される空気の増減量を推定することができる。この空気の増減量を状態方程式の関係に当てはめるとタンク内圧変化量を推定することができ、その変化量を積算するとタンク内圧の推移を推定することができる。本発明によれば、このようにして推定したタンク内圧の推移に基づいて、タンク内圧の定常圧到達時間を計算により設定することができる。
第6の発明によれば、タンク内圧の推定値に基づいて圧力導入機構の両側に作用する差圧を算出し、その差圧に基づいて圧力導入機構を流通する総ガス流量を算出することができる。そして、その総ガス流量に質量分率を掛け合わせることにより、圧力導入機構により授受される授受空気量を計算により求めることができる。また、この発明によれば、タンク内圧の推定値と大気圧とに基づいて、仮想の基準穴を通って流通するリーク空気量をも計算により求めることができる。
第7の発明によれば、タンク内圧の単位時間当たりの変化量が判定値以下となった時点で、タンク内圧が収束値に達したと判断することができる。このような手法によれば、極めて簡単な処理により、タイミング良く漏れ故障診断を行うことができる。また、本発明によれば、燃料タンクに仮想の基準穴が空いているものとして、圧力導入機構の作動中に生ずると想定される単位時間当たりのタンク内圧の変化量を計算により求めることができる。そして、その単位時間当たりの変化量が判定値以下となった時点で、タンク内圧が収束値に達したものとして、漏れ故障の有無を判断することができる。
の発明によれば、第6の発明の場合と同様に、圧力導入機構により授受される授受空気量、および仮想の基準穴を通って流通するリーク空気量の双方を、計算により求めることができる。
実施の形態1.
[実施の形態1の装置の構成]
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。本実施形態のシステムは、燃料タンク10を備えている。燃料タンクの内部には、その中に貯留されている燃料の液面に応じた出力を発する燃料計12が設けられている。燃料計12によれば、残留燃料の量、ひいては、燃料タンク10内の空間容積を検知することができる。
燃料タンク10には、また、タンク内圧センサ14が設けられている。タンク内圧センサ14は、燃料タンク10内部の圧力、つまり、タンク内圧PTNKに応じた出力を発するセンサである。燃料タンク10には、ベーパ通路18を介してキャニスタ20が連通している。キャニスタ20の内部には、活性炭22が充填されている。キャニスタ20は、その活性炭22により、燃料タンク10から流入してくる蒸発燃料を吸着することができる。
キャニスタ20には、また、パージ通路24およびパージVSV(Vacuum Switching Valve)26を介して内燃機関の吸気通路(図示せず)が連通している。内燃機関の運転中にパージVSV26を開くと、キャニスタ20に吸気負圧を導き、その内部に吸着されている蒸発燃料を空気と共に脱離させ、キャニスタ20をパージすることができる。
キャニスタ20には、更に、ポンプモジュール30が連通している。ポンプモジュール30は、より具体的には、活性炭22を挟んでベーパ通路18やパージ通路24と反対側においてキャニスタ20に連通している。ポンプモジュール30は、大気通路32を介して大気に開放されている。尚、ポンプモジュール30の構成については、後に図2を参照して詳細に説明する。
本実施形態のシステムは、ECU50(Electronic Control Unit)を備えている。ECU50には、燃料計12やタンク内圧センサ14など、種々のセンサの出力が供給されている。また、ECU50には、パージVSV26やポンプモジュール30などが電気的に接続されている。ECU50は、それらのセンサ出力に基づき、各種のアクチュエータを駆動することにより、本実施形態のシステムを制御することができる。
図2は、ポンプモジュール30の構成を詳細に説明するための図である。図2に示すように、ポンプモジュール30は、キャニスタ20に通じる切り換え弁34を備えている。切り換え弁34には、ポンプ通路36とオリフィス通路38が連通している。ポンプ通路36は、電動ポンプ40を介して大気通路32に連通する通路であり、一方、オリフィス通路38は、オリフィス42を介して大気通路32に連通する通路である。
切り換え弁34は、キャニスタ20とポンプ通路36とを導通させる負圧導入状態と、オリフィス通路38をポンプ通路36に導通させるリファレンス圧発生状態とを選択的に実現することのできる2位置の電磁弁である。電動ポンプ40は、ポンプ通路36側のガスを大気通路32側へ排出するためのポンプである。また、オリフィス42は、基準径(例えばφ0.5mm)の大きさを有する基準孔である。
ポンプモジュール30によれば、切り換え弁34をリファレンス圧発生状態として電動ポンプ40を作動させると、オリフィス通路38に負圧を導入することができる。この場合、ポンプ通路36からオリフィス通路38にわたる系内の圧力は、オリフィス38から流入する空気量と、電動ポンプ40により排出される空気量とを均衡させる圧力に収束する。つまり、この場合、ポンプ通路36には、基準孔(φ0.5mm)を有する系から電動ポンプ40により空気を排出した場合に、その系内に収束値として生ずる圧力が発生する。以下、この圧力を「リファレンス圧PREF」と称す。
ポンプモジュール30は、ポンプ通路36の圧力を検出する圧力センサ44を備えている。このため、本実施形態のシステムによれば、切り換え弁34をリファレンス圧発生状態として電動ポンプ40を作動させることにより、圧力センサ44により、リファレンス圧PREFを検出することができる。
ところで、ポンプ通路36の内圧は、電動ポンプ40が停止しており、かつ、切り換え弁34がリファレンス圧発生状態とされている場合、或いは、内燃機関が停止している場合には、大気圧に収束する。このため、このような状況下では、圧力センサ44により大気圧を検出することができる。
ポンプモジュール30の切り換え弁34が負圧導入状態である場合は、電動ポンプ40が作動すると、キャニスタ20に負圧が導入される。この際、パージVSV26を閉じておけば、キャニスタ20に導かれた負圧を燃料タンク10に導くことができる。つまり、本実施形態のシステムによれば、パージVSV26を閉じて、かつ、切り換え弁34を負圧導入状態として電動ポンプ40を作動させれば、燃料タンク10を含む密閉空間に負圧を導入することができる。この際、密閉空間内の圧力は、タンク内圧センサ14、或いは、ポンプモジュール30内の圧力センサ44により検知することができる。
[タンク内圧PTNKと空間容積の関係]
図3は、ポンプモジュール30により燃料タンク10を含む密閉空間に負圧を導いた場合に、タンク内圧PTNKに生ずる変化を説明するための図である。燃料タンク10に負圧が導入されれば、図3に示すように、タンク内圧PTNKは時間の経過と共に低下する。タンク内圧PTNKは、最終的には、電動ポンプ40の能力に応じた値(以下、収束値PSAT」と称す)に収束する。収束値PSATは、燃料タンク10を含む系の密閉度が高いほど低い値となり、その系の密閉度が低いほど高い値となる。つまり、タンク内圧PTNKの収束値PSATは、燃料タンク10を含む系に漏れが生じている場合は、漏れが生じていない場合に比して高い値となる。
既述したリファレンス圧PREFは、φ0.5mmの基準孔を有する系を電動ポンプ40で負圧化した場合に到達する圧力の収束値である。従って、上述した収束値PSATとリファレンス圧PREFとを比較すれば、燃料タンク10を含む系に基準孔より大きな漏れが生じているか否かを判断することができる。より具体的には、タンク内圧PTNKの収束値PSATがリファレンス圧PREFより低い値に達していれば、燃料タンク10を含む系に基準孔を越える漏れは生じていないと判断することができ、一方、その収束値PSATがリファレンス圧PREFまで低下しない場合には、燃料タンク10を含む系に基準孔より大きな漏れが生じていると判断することができる。このため、本実施形態の装置によれば、電動ポンプ40により燃料タンク10に負圧を導入し始めた後、タンク内圧PTNKが収束値PSATに達するのを待って、PSATとPREFを比較すれば、燃料タンク10を含む系に基準孔より大きな漏れが生じているか否かを精度良く診断することが可能である。
ところで、燃料タンク10への負圧導入が開始された後、タンク内圧PTNKが収束値PSATに達するまでの時間(以下、「定常圧到達時間TSAT」と称す)は常に一定ではない。図3は、その定常圧到達時間TSATが燃料タンク10内の空間容積VSPに応じて変化する様子を示している。つまり、燃料タンク10内に大きな空間容積VSPが存在する状況下では、タンク内圧PTNKを下げるために多量のガスを排出する必要があることから、タンク内圧PTNKの定常圧到達時間TSATが長期化する。一方、その空間容積VSPが小さい場合は、排出すべきガスが少量であることから、定常圧到達時間TSATは短期化する。
図4は、上述した定常圧到達時間TSATと空間容積VSPとの関係をまとめたマップの一例である。この図に示すように、定常圧到達時間TSATと空間容積VSPとの関係は、電動ポンプ40等のハードウェア構成が決まれば、その構成に対して予めほぼ一義的に決定される。一方、燃料タンク10の空間容積VSPは、燃料タンク10の容積が既知であることから、燃料計12の出力に基づいて検知することができる。このため、本実施形態の装置においては、燃料計12の出力に基づいて空間容積VSPを算出し、更に、その空間容積VSPに基づいて、タンク内圧PTNKの定常圧到達時間TSATを算出することができる。
タンク内圧PTNKの収束値PSATをリファレンス圧PREFと比較することにより系内の漏れ故障を診断する場合に、タンク内圧PTNKが収束値PSATに達する前にその比較が行われれば、正確な漏れ故障診断は実現できない。一方、電動ポンプ40の付加を最小限に抑えてその耐久性に余裕を与えるためには、タンク内圧PTNKが収束値PSATに達した直後にその比較が行われ、その後に不必要に電動ポンプ40の作動が継続されないことが望ましい。これらの事情から、収束値PSATとリファレンス圧PREFとを比較して漏れの有無を判断するに当たっては、可能な限り正確に定常圧到達時間TSATが設定されることが望まれる。そこで、本実施形態の装置は、上記の手法で漏れ故障の有無を判断するにあたり、その前提として、燃料タンク10の空間容積VSPにもとづいて正確に定常圧到達時間TSATを設定することとした。
[実施の形態1における具体的処理]
図5は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートを示す。尚、このルーチンは、既述した手法によりリファレンス圧PREFが検知された直後に実行されるものとする。また、本実施形態の装置では、このルーチンが起動されると同時に、電動ポンプ40の作動が開始され、かつ、タンク内圧PTNKのモニタが開始されるものとする。
図5に示すルーチンでは、先ず、燃料計12が示す燃料残量より燃料タンク10内の空間容積VSPが算出される(ステップ100)。次に、図4に示すような空間容積VSP−定常圧到達時間TSATマップが参照され、今回算出された空間容積VSPに対応する定常圧到達時間TSATが算出される(ステップ102)。
次に、定常圧到達時間TSATが経過した時点でのタンク内圧PTNKが収束値PSATとして測定される(ステップ104)。ここでは、より具体的には、図5に示すルーチンが起動された後の経過時間、つまり、電動ポンプ40の作動が開始された後の経過時間が、上記ステップ102において設定された定常圧到達時間TSATに達したか否かが繰り返し判定される。そして、その判定の成立が認められると、その時点のタンク内圧PTNKが収束値PSATとして測定される。
タンク内圧PTNKの収束値PSATが測定されると、その値とリファレンス圧PREFとが比較される(ステップ106)。その結果、PSAT≦PREFの成立が認められた場合は、基準孔以上の漏れは生じていないとの判断がなされる(ステップ108)。一方、その条件の不成立が認められると、基準孔を越える漏れの存在が判定される(ステップ110)。これらの処理が終わると、電動ポンプ40が停止され、また、タンク内圧PTNKのモニタも停止される。
以上説明した通り、図5に示すルーチンによれば、燃料タンク10の空間容積VSPに基づいて適正な定常圧到達時間TSATを設定し、そのTSATが経過した時点でのタンク内圧PTNKを収束値PSATとして測定することができる。この場合、負圧導入の過程においてタンク内圧PTNKをモニタし続けることなく、定常圧到達時間TSATが経過したか否かを監視しておくだけで、タンク内圧PTNKの収束値PSATを正確に検知することができる。このため、本実施形態の装置によれば、電動ポンプ40を無駄に作動させ続けることなく、かつ、極めて簡単な処理により、装置内の漏れ故障の有無を正確に診断することができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、漏れ故障の有無を判断するにあたって、燃料タンク10内に負圧を導入することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、漏れ故障の有無は、燃料タンク10に正圧を導入して判定することとしてもよい。また、この点については、以下に説明する他の実施形態においても同様である。
尚、上述した実施の形態1においては、電動ポンプ40が前記第1の発明における「圧力導入機構」に相当していると共に、ECU50が、上記ステップ104の処理を実行することにより前記第1の発明における「収束値検知手段」が、上記ステップ106〜110の処理を実行することにより前記第1の発明における「漏れ故障判断手段」が、上記ステップ100の処理を実行することにより前記第1の発明における「空間容積検知手段」が、上記ステップ102の処理を実行することにより前記第1の発明における「定常圧到達時間設定手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
[実施の形態2の特徴]
次に、図6乃至図8を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施形態の装置は、図1に示すハードウェア構成に対して、大気温度Tを検出するための大気温センサを加えると共に、ECU50に、後述する図8に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
本実施形態の装置は、燃料タンク10に負圧を導入し始めた後、定常圧到達時間TSATが経過した時点でのタンク内圧PTNKを収束値PSATとして測定し、その収束値PSATとリファレンス圧PREFとの比較により漏れ故障の有無を判断する点において実施の形態1の装置と同様である。ここで、本実施形態の装置は、処理の簡単のため、燃料タンク10の空間容積VSPを考慮することなく、常に燃料タンク10が空であることを前提として定常圧到達時間TSATを設定する点において実施の形態1の装置と相違している。
タンク内圧PTNKが収束値PSATに達するのに要する時間は、燃料タンク10が空である場合、つまり、燃料タンク10の空間容積VSPが最大である場合に最長となる。従って、燃料タンク10が空であるとして定常圧到達時間TSATを設定すれば、基本的には、その時間TSATがタンク内圧PTNKの収束に要する時間に対して過小となるのを防ぐことができる。
ところが、圧力導入に関する電動ポンプ40の特性(以下、「圧力導入特性」と称す)は、電動ポンプ40に対する印加電圧の変動や、ポンプ自身の経時変化等に起因して変化する。そして、電動ポンプ40の圧力導入特性が変化すれば、負圧導入の開始後、タンク内圧PTNKが収束値PSATに達するのに要する時間も変化する。
図6は、電動ポンプ40の圧力導入特性を説明するための図である。電動ポンプ40の圧力導入特性は、ポンプの前後に発生する差圧と、ポンプの排出流量との関係として捕らえることができる。そして、図6に示す通り、その圧力導入特性は、一般には、ポンプ前後差圧とポンプ排出流量とが線形な関係を示すものとして把握することができる。
図6中に実線で示した特性は、標準状態の電動ポンプ40に対して、標準の印加電圧が供給された場合に実現される特性(標準特性)である。一方、図6中に破線で示した特性は、例えば、電動ポンプ40に印加される電圧が標準値より低下した場合に実現される特性(劣化特性)である。標準特性を示す電動ポンプ40と劣化特性を示す電動ポンプ40とが同じ環境で用いられれば、ポンプからの排出流量は、当然に前者の方が多量となる。このため、電動ポンプ40が劣化特性を示す場合の定常圧到達時間TSATは、電動ポンプ40が標準特性を示す場合の定常圧到達時間TSAT(以下、「基準の定常圧到達時間TSAT」と称す)に比して当然に大きな値となる。従って、電動ポンプ40が標準特性を示すものとして基準の定常圧到達時間TSATが設定されれば、その設定値は、電動ポンプ40が劣化特性を示す状況下で必要な収束時間としては過小なものとなる。
ところで、このような定常圧到達時間TSATの過小分は、電動ポンプ40の特性ずれの大きさと相関を有している。従って、その特性ずれの大きさが検出できれば、その特性ずれの大きさに基づいて定常圧到達時間TSATの過小分を補正することは可能である。図6中に示すΔAは、電動ポンプ40の特性ずれの大きさを数値化した変数の一例である。ここでは、同一のポンプ排出流量を発生させるポンプ前後差圧の差を「ずれ量ΔA」としている。本実施形態の装置では、このずれ量ΔAを、以下のような手法で特定することができる。
すなわち、図6中に実線で示す標準特性は、予め実験的に定めておくことが可能である。一方、電動ポンプ40の圧力導入特性は上記の如く線形な特性であるから、電動ポンプ40の運転中にポンプ排出流量とポンプ前後差圧とが少なくとも1組検知できれば、そのデータ対に基づいて、電動ポンプ40の現実の圧力導入特性(破線で示す劣化特性に相当する)を定めることができる。
本実施形態の装置は、実施の形態1の場合と同様に、漏れ故障の診断を開始するに先立ってリファレンス圧PREFの検出処理を行う。リファレンス圧PREFの検出処理の過程では、電動ポンプ40の両側にリファレンス圧PREFと大気圧Pとが作用する状態が作り出される。この場合、オリフィス42を流れる空気の流量QREFは、関数Φを用いた一般的なノズルの式より以下のように表すことができる。但し、以下に示す演算式(1)において、Aはオリフィス48の断面積、Rは一般気体定数、Maは空気の分子量、Tはオリフィス48の上流側温度(つまり、大気温度)である。
Figure 0004007299
リファレンス圧PREFの検出処理の過程では、オリフィス48を流れる空気の流量QREFが、そのまま電動ポンプ40による排出流量となる。従って、本実施形態の装置では、上記(1)式の演算を行うことで、ポンプの排出流量QREFと、ポンプの前後差圧(PREF−P)の双方を検知することができる。そして、それらのデータ対が判ると、既知の線形関係に従って、図6中に破線で示すような劣化特性、つまり、電動ポンプ40の現実の使用環境下での圧力導入特性を定めることができる。このようにして電動ポンプ40の劣化特性が定まると、既知の標準特性とその劣化特性との差を取ることで、ずれ量ΔAは簡単に求めることができる。
図7は、基準の定常圧到達時間TSATの過小分を補正するための補正時間ΔTと上記のずれ量ΔAとの関係を示すマップである。この図に示すように、補正時間ΔTは、ポンプ特性のずれ量ΔAに対して一義的に決まる値である。そこで、本実施形態では、リファレンス圧PREFの検出処理の直後に上記の手法でずれ量ΔAを算出し、更に、そのずれ量ΔAに対応する補正時間ΔTを算出し、その補正時間ΔTを基準の定常圧到達時間TSATに加えることにより、実状に沿った補正後定常圧到達時間TSATを算出することとした。
[実施の形態2における具体的処理]
図8は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートを示す。尚、このルーチンは、圧力センサ44により大気圧Pを検知し、更に、実施の形態1の場合と同様の手法でリファレンス圧PREFを検知した後に実行されるものとする。また、本実施形態の装置では、このルーチンが起動されると同時に、電動ポンプ40の作動が開始され、かつ、タンク内圧PTNKのモニタが開始されるものとする。
図8に示すルーチンでは、先ず、電動ポンプ40の圧力導入特性が決定される(ステップ120)。ここでは先ず、リファレンス圧PREF、大気圧P、大気温度Tなどが上記(1)式に代入され、ポンプの排出流量QREFが算出される。次いで、今回検出されたリファレンス圧PREFと排出流量QREFとの組み合わせを、既知の線形関係に当てはめることにより現在の電動ポンプ40の圧力導入特性(図6に示す破線参照)が決定される。
次に、補正時間ΔTが算出される(ステップ122)。具体的には、ここでは、図6に示すようなポンプ特性のずれ量ΔAが算出され、次に、そのずれ量Aに対応する補正時間ΔTが算出される。ECU50は、図7に示すようなマップを記憶しており、補正時間ΔTは、そのマップに従って決定される。
次いで、基準の定常圧到達時間TSATに補正時間ΔTを加えることにより、補正後定常圧到達時間T´SATが算出される(ステップ124)。基準の定常圧到達時間TSATは、既述した通り、燃料タンク10が空であり、かつ、電動ポンプ40が標準特性を示す場合にタンク内圧PTNKの収束に要する時間である。本実施形態において、その値TSATは固定値としてECU50に記憶されているものとする。
ECU50は、以後、負圧導入後の経過時間が補正後定常圧到達時間T´SATとなるのを待ってタンク内圧PTNKの収束値PSATを測定し(ステップ126)、その収束値PSATとリファレンス圧PREFとの比較結果に基づいて漏れ故障の有無を判断する(ステップ128〜132)。尚、ステップ126〜132の処理は、図5に示すステップ104〜110の処理と実質的に同じである。
以上説明した通り、図8に示すルーチンによれば、電動ポンプ40の特性ずれ分を補正後定常圧到達時間T´SATに反映させ、その補正後定常圧到達時間T´SATの経過を待って漏れ故障の有無を判断することができる。このため、本実施形態の装置によれば、印加電圧の変動等に起因して電動ポンプ40の圧力導入特性が変化したような場合にも、常に不足のない定常圧到達時間を確保し、正確な漏れ故障診断を実現することができる。
尚、上述した実施の形態2においては、電動ポンプ40が前記第2の発明における「圧力導入機構」に相当していると共に、ECU50が、上記ステップ126の処理を実行することにより前記第2の発明における「収束値検知手段」が、上記ステップ128〜132の処理を実行することにより前記第2の発明における「漏れ故障判断手段」が、上記ステップ120の処理を実行することにより前記第2の発明における「特性検出手段」が、上記ステップ122および124の処理を実行することにより前記第2の発明における「定常圧到達時間設定手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態2においては、ECU50が、基準の定常圧到達時間TSATを読み出すことにより前記第3の発明における「基準定常圧到達時間設定手段」が、ずれ量ΔAを求めることにより前記第3の発明における「特性差検出手段」が、上記ステップ124の処理を実行することにより前記第3の発明における「定常圧到達時間補正手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態3.
次に、図9を参照して本発明の実施の形態3について説明する。本実施形態の装置は、実施の形態2の装置において、ECU50に、上述した図8に示すルーチンに代えて、図9に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。実施の形態2の装置は、燃料タンク10が空であることを前提として基準の定常圧到達時間TSATを設定している。しかしながら、補正後定常圧到達時間T´SATをより精度良く現実の収束時間に合致させるためには、実施の形態1の場合と同様に、燃料タンク10内の空間容積VSPを考慮して基準の定常圧到達時間TSATを設定することが望ましい。
図9は、上記の機能を実現するためのルーチンのフローチャートである。尚、このルーチンにおいて、ステップ100および102は、図5に示す対応ステップと同一である。また、ステップ120〜132は、図8に示す対応ステップと同一である。図9に示すルーチンによれば、燃料タンク10の空間容積VSPと電動ポンプ40の圧力導入特性の双方を考慮した補正後定常圧到達時間T´SATを設定することができる。従って、本実施形態の装置によれば、実施の形態1の装置が奏する効果と実施の形態2の装置が奏する効果の双方を実現することができる。
尚、上述した実施の形態3においては、ECU50が図9に示すステップ100および102の処理を実行することにより前記第4の発明における「基準定常圧到達時間設定手段」が実現されており、更に、ECU50が上記ステップ100の処理を実行することにより前記第4の発明における「空間容積検知手段」が実現されている。
実施の形態4.
次に、図10乃至図12を参照して、本発明の実施の形態4について説明する。本実施形態の装置は、図1に示すハードウェア構成に対して、大気温度Tを検出するための大気温センサ、タンク内温度TTNKを検出するためのタンク温センサ、およびタンク内燃料温度Tlを検出するための燃料温度センサを加えると共に、ECU50に、後述する図11および図12に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
上述した実施の形態1の装置は、適合作業等により予め定めておいたマップを参照して、タンク内圧PTNKが収束値PSATに収束するのに要する定常圧到達時間TSATを定めることとしている。これに対して、本実施形態の装置は、電動ポンプ40による負圧導入が行われた場合に燃料タンク10の内部で起こる現象をモデル化し、そのモデル使って定常圧到達時間TSATを定める点に特徴を有している。
図10は、本実施形態において用いられるモデルを説明するための図である。このモデルは、燃料タンク10内のガスが電動ポンプ40により排出されている状態を表している。また、このモデルは、燃料タンク10に基準孔(φ0.5mmの穴)の漏れが形成されていることを仮定している。
燃料タンク10の空間容積VSPの領域には、空気と蒸発燃料との混合ガスが存在している。電動ポンプ40が作動すると、その混合ガスが燃料タンク10から排出される。図10には、その結果排出される空気量がmaと、また、その結果排出される蒸発燃料量がmgとして示されている。燃料タンク10内のガスが排出されると、タンク内圧PTNKが低下して燃料タンク10の内外に差圧が生ずるため、漏れ故障の部位からタンク内へ空気が流入する。図10には、その結果生ずる空気の流量がmとして示されている。燃料タンク10の内部では燃料の分圧がその飽和蒸気圧に維持される。つまり、上述したガスの流入出が生ずる過程において、燃料タンク10の内部では、燃料の分圧が常に温度に応じた飽和蒸気圧に維持されるように、燃料の蒸発が生じている。図10には、その結果生ずる蒸発量がmとして示されている。
タンク内圧PTNKは、次式に示す通り、燃料の分圧PFUELと空気の分圧PAIRの和である。
PTNK=PFUEL+PAIR ・・・(2)
従って、燃料の分圧PFUELが一定であるとの前提に立てば、タンク内圧PTNKの変動は、空気の分圧PAIRの変動のみに起因して生ずることになる。そして、図10に示すモデルによれば、燃料タンク10内の空気の増減量は「m+ma」として表すことができる。この増減量を空気を対象とした気体の状態方程式に当てはめると、次式(3)の関係が成立する。但し、次式(3)におけるVは、ここでは、燃料タンク10内の空間容積VSPである。
Figure 0004007299
タンク内温度TTNKは一定値と見なせるため、流入空気量mと流出空気量maとが判れば、上記の状態方程式(3)より、空気分圧PAIRの変動量「dPAIR/dt」、つまり、タンク内圧PTNKの変動量ΔPTNKを算出することが可能である。
ところで、流入空気量mは、基準孔を通って大気圧Pの空間からタンク内圧PTNKの空間に流入してくる空気の量である。この空気量mは関数Φを用いたノズルの式により、以下のように表すことができる。但し、次式(4)において、Aは基準孔の断面積、Rは一般気体定数、Maは空気の分子量、Tは基準孔の上流側温度(つまり、大気温度)である。
Figure 0004007299
上記(4)式の右辺は、タンク内圧PTNKを除いて、既知または検出可能な値により構成されている。従って、流入空気量mは、タンク内圧PTNKが判れば上記(4)式から算出することが可能である。
図10に示すモデルにおいて、電動ポンプ40から排出されるガスの総量は、「ma+mg」で表すことができる。一方、電動ポンプ40からの排出流量(ma+mg)は、既に説明した通り、その両側に作用する差圧(ここでは、PTNK−P)に対して線形の関係を示す(図6参照)。そして、ポンプの排出流量(ma+mg)と差圧(PTNK−P)との線形関係は、適合作業等により予め次式のように数式化しておくことが可能である。但し、次式(5)において、BおよびCは適合係数である。
ma+mg=B・(PTNK−P)+C ・・・(5)
電動ポンプ40から排出される空気量maと蒸発燃料量mgとの比は、燃料タンク10の内部における空気の質量分率aと等しいと見なすことができる。そして、その質量分率aは、次式(6)のように表すことができる。
Figure 0004007299
更に、上記(6)式に含まれる蒸発燃料の分圧PFUELは、燃料温度Tにより決まる飽和蒸気圧と見なせるから、次式(7)により求めることができる。但し、次式(7)に含まれるRVP(リードベーパプレッシャー)は、燃料の蒸発のし易さを示す係数である。
Figure 0004007299
上記(6)式および(7)式の関係によれば、空気の質量分率aは、タンク内圧PTNKが判れば算出することが可能である。そして、空気の質量分率aが判れば、電動ポンプ40により排出される空気量maは、上記(5)式の関係を用いて、次式の通り算出することができる。
ma=(ma+mg)・a
={B・(PTNK−P)+C}・a ・・・(8)
つまり、電動ポンプ40により排出される空気量maも、流入空気量m同様タンク内圧PTNKさえ判れば演算可能な値である。
図10に示すモデルは、タンク内圧PTNKが大気圧Pに収束している状況下で電動ポンプ40を始動させることを前提としている。このため、タンク内圧PTNKの初期値は、大気圧Pとして取り扱うことができる。そして、タンク内圧PTNKを大気圧Pとして上記の演算を行えば、電動ポンプ40の始動直後に生ずる流入空気量mおよび排出空気量maを算出することができる。
このようにして算出されたmおよびmaを上記の状態方程式(3)に当てはめると、そのmおよびmaに起因して生じたタンク内圧PTNKの変化量ΔPTNKを求めることができる。そして、その変化量ΔPTNKを大気圧Pから減じれば、変化後のタンク内圧PTNK=P−ΔPTNKを求めることができる。以後、変化後のタンク内圧PTNKを用いて流入空気量mおよび排出空気量maを算出する処理、および、その結果得られたmおよびmaを用いて変化後のタンク内圧を算出処理を繰り返すことにより、電動ポンプ40始動後のタンク内圧PTNKの推移を模擬することができる。
図11は、上記の手法でタンク内圧PTNKの推移を模擬するために、本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートを示す。ここでは、先ず、電動ポンプ40によって燃料タンク10から排出される空気量maが算出される(ステップ140;上記(6)〜(8)式参照)。次に、上記したノズルの式(4)を用いて、仮想の基準孔から流入する空気量mが算出される(ステップ142)。そして、それらの算出値量maおよびmを状態方程式(3)に当てはめることにより、変化後のタンク内圧PTNKが算出される(ステップ144)。以後、タンク内圧PTNKの算出値が定常的な値に収束するまで上記の繰り返し計算が継続される。
図11に示す処理により、電動ポンプ40の始動後におけるタンク内圧PTNKの推移が模擬できると、その始動から、タンク内圧PTNKが収束値に達するまでに要する時間、つまり定常圧到達時間TSATを模擬的に検知することができる。尚、タンク内圧PTNKの算出値が収束したか否かは、例えば、図11に示すルーチンの各サイクルで算出されるタンク内圧PTNKの変化率が所定の判定値より小さくなったか否かを見ることで判断することが可能である。
図12は、上記の手法で定常圧到達時間TSATを設定し、その時間TSATの経過を待って漏れ故障の診断を行うべくECU50が実行するルーチンのフローチャートを示す。尚、このルーチンは、圧力センサ44により大気圧Pを検知し、更に、実施の形態1の場合と同様の手法でリファレンス圧PREFを検知した後に実行されるものとする。また、本実施形態の装置では、このルーチンが起動されると同時に、電動ポンプ40の作動が開始され、かつ、タンク内圧PTNKのモニタが開始されるものとする。
図12に示すルーチンでは、先ず、燃料計12が示す燃料残量より燃料タンク10内の空間容積VSPが算出される(ステップ150)。尚、ここで算出された空間容積VSPは、後に定常圧到達時間TSATを算出する際に、状態方程式(3)中の「V」として使用される。
次に、電動ポンプ40の圧力導入特性が決定される(ステップ152)。具体的には、ここでは、上記ステップ120の場合と同様の手法で、電動ポンプ40に作用する差圧とポンプの排出流量との関係、つまり、上記(5)式の関係が求められる。
次いで、物理モデル(図10に示すモデル)を用いて、既述した手順で定常圧到達時間TSATが設定される(ステップ154)。具体的には、タンク内圧PTNKの算出値が収束するまで上記図11に示すルーチンが繰り返し実行され、その結果得られたタンク内圧PTNKの推移からタンク内圧PTNKの収束に要する定常圧到達時間TSATが演算により求められる。
ECU50は、以後、負圧導入後の経過時間が定常圧到達時間TSATとなるのを待ってタンク内圧PTNKの収束値PSATを測定し(ステップ156)、その収束値PSATとリファレンス圧PREFとの比較結果に基づいて漏れ故障の有無を判断する(ステップ158〜162)。尚、ステップ156〜162の処理は、図5に示すステップ104〜110の処理と実質的に同じである。
以上説明した通り、図12に示すルーチンによれば、図10に示す物理モデルを用いて、演算により定常圧到達時間TSATを算出することができる。そして、この演算には、燃料タンク10の空間容積VSPおよび電動ポンプ40の圧力導入特性が反映されている。このため、本実施形態の装置によれば、物理モデルを用いた演算により極めて精度良く過不足のない定常圧到達時間TSATを算出し、正確な漏れ故障診断を実現することができる。
尚、上述した実施の形態4においては、電動ポンプ40が前記第5の発明における「圧力導入機構」に相当していると共に、ECU50が、上記ステップ156の処理を実行することにより前記第5の発明における「収束値検知手段」が、上記ステップ158〜162の処理を実行することにより前記第5の発明における「漏れ故障判断手段」が、上記ステップ140の処理を実行することにより前記第5の発明における「授受空気量推定手段」が、上記ステップ142の処理を実行することにより前記第5の発明における「リーク空気量推定手段」が、上記ステップ144の処理を実行することにより前記第5の発明における「空気増減量推定手段」、「タンク内圧変化量算出手段」および「圧力推移推定手段」が、上記ステップ154の処理を実行することにより前記第5の発明における「定常圧到達時間設定手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態4においては、ECU50が、上記(5)式の演算を行うことにより前記第6の発明における「差圧算出手段」および「総ガス流量算出手段」が、上記(6)式の演算を行うことにより前記第6の発明における「質量分率算出手段」が、上記(8)式の演算を行うことにより前記第6の発明における授受空気量の「算出」が、また、上記(4)式の演算を行うことにより前記第6の発明におけるリーク空気量の「算出」が、それぞれ実現されている。
実施の形態5.
次に、図13および図14を参照して本発明の実施の形態5について説明する。本実施形態の装置は、図1に示すハードウェア構成において、ECU50に、後述する図14に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
本実施形態の装置は、実施の形態1の装置と同様に、電動ポンプ40により燃料タンク10に負圧を導入し、収束値PSATと予測されるタンク内圧PTNKをリファレンス圧PREFと比較することで装置内の漏れの有無を診断する。実施の形態1乃至3の装置は、このような手順で漏れ故障を診断するにあたり、予め設定した定常圧到達時間TSATが経過した時点でタンク内圧PTNKの収束を判定することとしている。これに対して、本実施形態の装置は、以下に説明する手法でタンク内圧PTNKの収束を判定する点に特徴を有している。
図13は、電動ポンプ40による負圧導入が開始された後のタンク内圧PTNKの推移を示す。この図に示す通り、単位時間当たりのタンク内圧PTNKの変化量ΔPTNKは、タンク内圧PTNKが収束値に近づくに連れて小さくなる。このため、その変化量ΔPTNKが十分に小さな値となったら、タンク内圧PTNKが収束値に近づいたと判断することができる。そこで、本実施形態では、負圧導入の開始後、タンク内圧PTNKの変化量(微分値)ΔPTNKをリアルタイムで監視し、その変化量ΔPTNKが判定値を下回った時点でタンク内圧PTNKの収束を判定し、漏れ診断を実行することとした。
図14は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートを示す。尚、このルーチンは、実施の形態1の場合と同様の手法でリファレンス圧PREFを検知した後に実行されるものとする。また、本実施形態の装置では、このルーチンが起動されると同時に、電動ポンプ40の作動が開始され、かつ、タンク内圧PTNKのモニタが開始されるものとする。
図14に示すルーチンでは、先ず、今回のサンプリング時刻Tにおけるタンク内圧PTNKの変化量ΔPTNKが算出される(ステップ170)。変化量ΔPTNKは、具体的には、前回のサンプリング時刻Tにおけるタンク内圧PT1から今回のサンプリング時刻Tにおけるタンク内圧PT2減じることにより算出される(ΔPTNK=PT1−PT2)。尚、ここでは、タンク内圧PTNK(PT1,PT2)は、タンク内圧センサ14の検出値であるものとする。
次に、その結果得られた変化量ΔPTNKが、判定値P1以下であるか否かが判別される(ステップ172)。ΔPTNK≦P1が成立しないと判別された場合は、未だタンク内圧PTNKには急激な減少が生じている、つまり、タンク内圧PTNKは未だ収束していないと判断できる。この場合は、再び上記ステップ170の処理が実行される。
一方、上記ステップ172において、ΔPTNK≦P1の成立が認められた場合は、タンク内圧PTNKが既に収束していると判断できる。ECU50は、この場合、その時点におけるタンク内圧PTNKとリファレンス圧PREFとの比較結果に基づいて漏れ故障の有無を判断する(ステップ174〜178)。上記の処理によれば、電動ポンプ40による負圧導入の開始後、タンク内圧PTNKの挙動からその収束を推定し、適正なタイミングで漏れ故障の有無を判定することができる。
ところで、上述した実施の形態5では、タンク内圧センサPTNKをタンク内圧センサ14により検出することとしているが、タンク内圧PTNKの取得方法はこれに限定されるものではない。例えば、タンク内圧PTNKは、ポンプモジュール30内の圧力センサ44により検出することとしてもよい。更には、タンク内圧PTNKは、電動ポンプ40の始動後に、実施の形態4の場合と同様に図10に示す物理モデルに従って、つまり、上記図11に示すルーチン(演算式(3)〜(8))に従って演算により求めることとしてもよい。
尚、上述した実施の形態5においては、電動ポンプ40が前記第7の発明における「圧力導入機構」に相当していると共に、ECU50が、上記ステップ170の処理を実行することにより前記第7の発明における「圧力変化量検出手段」が、上記ステップ172の処理を実行することにより前記第7の発明における「収束値検知手段」が、上記ステップ174〜178の処理を実行することにより前記第7の発明における「漏れ故障判断手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態5においては、ECU50に、図10に示す物理モデルに従ってタンク内圧PTNKを算出させることにより、前記第の発明における「授受空気量推定手段」、「リーク空気量推定手段」、「空気増減量推定手段」、「タンク内圧変化量算出手段」、および「圧力推移推定手段」を実現することができる。更に、ECU50に、上記(5)式の演算を実行させることにより前記第の発明における「差圧算出手段」および「総ガス流量算出手段」を、上記(6)式の演算を実行させることにより前記第の発明における「質量分率算出手段」を、上記(8)式の演算を実行させることにより前記第の発明における授受空気量の「算出」を、また、上記(4)式の演算を実行させることにより前記第の発明におけるリーク空気量の「算出」を、それぞれ実現させることができる。
本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。 図1に示す装置が備えるポンプモジュールの構成を説明するための図である。 図1に示す装置において燃料タンクへの負圧導入が開始された後のタンク内圧PTNKの変化を示す図である。 タンク内圧PTNKが収束値PSATに達するのに必要な定常圧到達時間TSATと空間容積VSPとの関係を示すマップの一例である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 図1に示す装置が備える電動ポンプの圧力導入特性を説明するための図である。 電動ポンプの圧力導入特性に生じている差ΔAと定常圧到達時間TSATに施すべき補正時間ΔTとの関係を示すマップである。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態3において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態4におい用いられる物理モデルを説明するための図である。 本発明の実施の形態4において物理モデルを用いてタンク内圧PTNKを算出すべく実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態4において漏れ故障を診断すべく実行されるルーチンのフローチャートである。 図1に示す装置において収束値に至る過程でのタンク内圧PTNKの推移を説明するための図である。 本発明の実施の形態5において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 燃料タンク
14 タンク内圧センサ
20 キャニスタ
30 ポンプモジュール
34 切り換え弁
40 電動ポンプ
44 圧力センサ
50 ECU(Electronic Control Unit)
VSP 空間容積
TSAT 定常圧到達時間(または基準の定常圧到達時間)
PSAT 収束値
PREF リファレンス圧
ΔA 電動ポンプの圧力導入特性のずれ量
ΔT 補正時間
SAT 補正後定常圧到達時間
m 流入空気量
ma 流出空気量
mg 流出蒸発燃料量
a 質量分率

Claims (8)

  1. 燃料タンクと、
    前記燃料タンクに正圧または負圧を導入する圧力導入機構と、
    内燃機関が停止している状況下で、前記正圧または負圧の導入が開始された後、定常圧到達時間が経過した時点でのタンク内圧を収束値として検知する収束値検知手段と、
    前記収束値に基づいて前記燃料タンクを含む系に漏れが生じているか否かを判断する漏れ故障判断手段と、
    前記燃料タンクの空間容積を検知する空間容積検知手段と、
    前記空間容積に基づいて前記定常圧到達時間を設定する定常圧到達時間設定手段と、
    を備えることを特徴とする燃料処理システムの故障診断装置。
  2. 燃料タンクと、
    前記燃料タンクに正圧または負圧を導入する圧力導入機構と、
    前記正圧または負圧の導入が開始された後、定常圧到達時間が経過した時点でのタンク内圧を収束値として検知する収束値検知手段と、
    前記収束値に基づいて前記燃料タンクを含む系に漏れが生じているか否かを判断する漏れ故障判断手段と、
    前記圧力導入機構の圧力導入特性を検出する特性検出手段と、
    検出された前記圧力導入特性に基づいて前記定常圧到達時間を設定する定常圧到達時間設定手段と、
    を備えることを特徴とする燃料処理システムの故障診断装置。
  3. 前記定常圧到達時間設定手段は、
    前記圧力導入特性が基準の圧力導入特性を示すことを前提とした基準定常圧到達時間を設定する基準定常圧到達時間設定手段と、
    検出された前記圧力導入特性と、前記基準の圧力導入特性との特性差を検出する特性差検出手段と、
    前記特性差に基づいて前記基準定常圧到達時間を補正することにより前記定常圧到達時間を算出する定常圧到達時間補正手段と、
    を備えることを特徴とする請求項2記載の燃料処理システムの故障診断装置。
  4. 前記基準定常圧到達時間設定手段は、
    前記燃料タンクの空間容積を検知する空間容積検知手段を備え、
    前記空間容積に基づいて前記基準定常圧到達時間を設定することを特徴とする請求項2記載の燃料処理システムの故障診断装置。
  5. 燃料タンクと、
    前記燃料タンクに正圧または負圧を導入する圧力導入機構と、
    前記正圧または負圧の導入が開始された後、定常圧到達時間が経過した時点でのタンク内圧を収束値として検知する収束値検知手段と、
    前記収束値に基づいて前記燃料タンクを含む系に漏れが生じているか否かを判断する漏れ故障判断手段と、
    前記圧力導入機構の作動に伴って当該圧力導入機構と前記燃料タンクとの間で授受されると想定される授受空気量を推定する授受空気量推定手段と、
    前記燃料タンクに基準穴が空いている場合に、前記圧力導入機構の作動に伴って当該基準穴からリークすると想定されるリーク空気量を推定するリーク空気量推定手段と、
    前記授受空気量と前記リーク空気量とに基づいて、前記燃料タンク内の空気量に生ずると想定される増減量を推定する空気増減量推定手段と、
    気体の状態方程式の関係に従って、前記増減量に対応するタンク内圧変化量を推定するタンク内圧変化量算出手段と、
    前記圧力導入機構の作動開始後に生ずると想定されるタンク内圧の推移を、前記タンク内圧変化量に基づいて推定する圧力推移推定手段と、
    推定された前記タンク内圧の推移に基づいて前記定常圧到達時間を設定する定常圧到達時間設定手段と、
    を備えることを特徴とする燃料処理システムの故障診断装置。
  6. 前記授受空気量推定手段は、前記圧力推移推定手段により推定される前記タンク内圧に基づいて、前記圧力導入機構の両側に作用する差圧を算出する差圧算出手段と、推定された前記差圧に対して前記圧力導入機構を流通すべき総ガス流量を算出する総ガス流量算出手段と、前記燃料タンク内における空気の質量分率を算出する質量分率算出手段とを備え、前記総ガス流量と前記質量分率に基づいて前記差圧に対して発生するべき前記授受空気量を算出し、
    前記リーク空気量推定手段は、前記圧力推移推定手段により推定される前記タンク内圧と、大気圧とに基づいて、前記リーク空気量を算出することを特徴とする請求項5記載の燃料処理システムの故障診断装置。
  7. 燃料タンクと、
    前記燃料タンクに正圧または負圧を導入する圧力導入機構と、
    前記正圧または負圧の導入が開始された後の前記タンク内圧の単位時間当たりの変化量を検出する圧力変化量検出手段と、
    前記タンク内圧の単位時間当たりの変化量が判定値以下となった時点でのタンク内圧を収束値として検知する収束値検知手段と、
    前記収束値に基づいて前記燃料タンクを含む系に漏れが生じているか否かを判断する漏れ故障判断手段と、を備え
    前記圧力変化量検出手段は、
    前記圧力導入機構の作動中に、当該圧力導入機構と前記燃料タンクとの間で授受される授受空気量を推定する授受空気量推定手段と、
    前記燃料タンクに基準穴が空いている場合に、前記圧力導入機構の作動中に当該基準穴からリークするリーク空気量を推定するリーク空気量推定手段と、
    前記授受空気量と前記リーク空気量とに基づいて、前記燃料タンク内の空気の増減量を推定する空気増減量推定手段と、
    気体の状態方程式の関係に従って、前記増減量に対応するタンク内圧変化量を推定するタンク内圧変化量算出手段と、
    前記圧力導入機構の作動開始後におけるタンク内圧の推移を、前記タンク内圧変化量に基づいて推定する圧力推移推定手段と、を備え
    前記タンク内圧変化量に基づいて、前記タンク内圧の単位時間当たりの変化量を検出することを特徴とする燃料処理システムの故障診断装置。
  8. 前記授受空気量推定手段は、前記圧力推移推定手段により推定される前記タンク内圧に基づいて、前記圧力導入機構の両側に作用する差圧を算出する差圧算出手段と、推定された前記差圧に対して前記圧力導入機構を流通すべき総ガス流量を算出する総ガス流量算出手段と、前記燃料タンク内における空気の質量分率を算出する質量分率算出手段とを備え、前記総ガス流量と前記質量分率に基づいて前記差圧に対して発生するべき前記授受空気量を算出し、
    前記リーク空気量推定手段は、前記圧力推移推定手段により推定される前記タンク内圧と、大気圧とに基づいて、前記リーク空気量を算出することを特徴とする請求項記載の燃料処理システムの故障診断装置。
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