JP5803699B2 - 燃料タンクシステム異常検知方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料タンクシステム異常検知方法に関する。
特許文献1には、燃料タンクからキャニスタに至るエバポラインに電磁式の封鎖弁(開閉弁)を配設した蒸発燃料排出抑制装置が記載されている。この文献に記載された構成では、封鎖弁によりエバポラインを完全に閉じることで、密閉式の燃料タンクシステムを構成できるようになっている。
燃料タンクシステムにおいては、負圧ポンプの駆動により負圧を燃料タンクに作用させ、燃料タンクの穴あき検知や、封鎖弁(開閉弁)等の異常検知を確実に行えるようにすることが望まれる。
特開2005−104394号公報
本発明は上記事実を考慮し、燃料タンクの穴あきや制御弁の異常を検知することが可能な燃料タンクシステム異常検知方法を得ることを課題とする。
請求項1に記載の発明では、内部に燃料を収容可能な燃料タンクと、前記燃料タンク内で生じた蒸発燃料を吸着剤によって吸着及び脱離するキャニスタと、前記キャニスタの内部を大気開放するための大気開放管と、前記燃料タンクと前記キャニスタとを連通し燃料タンク内の蒸発燃料をキャニスタに送るためのベント配管と、前記ベント配管において前記燃料タンクのタンク内圧が作用するように設けられた主室と該主室に対し弁部材本体を挟んで反対側の背圧室とに区画され、背圧室の圧力に対し主室の圧力が高くなって弁部材本体が移動すると開弁してベント配管を連通可能とする弁部材と、前記ベント配管における前記燃料タンクから前記弁部材までのタンク側ベント配管と前記弁部材から前記キャニスタまでのキャニスタ側ベント配管とを連通する第1バイパス通路と、前記第1バイパス通路の途中と前記背圧室とを連通する第2バイパス通路と、前記第1バイパス通路と前記第2バイパス通路との交点に設けられ、第1バイパス通路における該交点よりも前記燃料タンク側のタンク側バイパス通路と、該交点よりもキャニスタ側のキャニスタ側バイパス通路と、前記第2バイパス通路のいずれか2つを連通させ残り1つを閉塞する3つの状態の1つをとるよう制御される制御弁と、前記制御弁よりも前記大気開放管側から負圧を作用させることが可能な負圧ポンプと、前記燃料タンクのタンク内圧を検出するタンク内圧センサと、前記負圧ポンプの駆動時間と前記タンク内圧センサで検出された前記タンク内圧とから、前記燃料タンク及び前記制御弁の少なくとも一方の異常を検知可能な異常検知手段と、を有する燃料タンクシステムに対し、前記制御弁によって前記タンク側バイパス通路と前記キャニスタ側バイパス通路とを連通させると共に前記第2バイパス通路を閉塞した第1制御状態で前記負圧ポンプを駆動し、前記異常検知手段が、前記タンク内圧が判定基準圧よりも低くなる第1負圧導入時間T1を想定すると共に、実際の該第1負圧導入時間T1を検知し、第1負圧導入時間T1におけるタンク内圧が判定基準圧よりも高い場合に前記燃料タンクが穴あきであると判定し、前記制御弁によって前記キャニスタ側バイパス通路と前記第2バイパス通路とを連通させると共に前記タンク側バイパス通路を閉塞させるように制御した第2制御状態で前記負圧ポンプを駆動し、前記異常検知手段が、前記タンク内圧が前記判定基準圧よりも低くなる第2負圧導入時間T2を検知し、前記第1負圧導入時間T1と第2負圧導入時間T2との差T1−T2があらかじめ設定された第2基準時間S2以下である場合に前記制御弁が異常であると判定する
この燃料タンクシステム異常検知方法の異常検知対象である燃料タンクシステムは、燃料タンクとキャニスタとがベント配管によって連通可能とされている。また、ベント配管には、燃料タンクから弁部材までのタンク側ベント配管と、弁部材からキャニスタまでのキャニスタ側ベント配管とを連通する第1バイパス通路が設けられている。さらに、第1バイパス通路の途中と背圧室とを連通する第2バイパス通路が設けられている。
そして、第1バイパス通路と第2バイパス通路との交点に設けられた制御弁により、タンク側バイパス通路、キャニスタ側バイパス通路、第2バイパス通路のいずれか2つを連通させ、他の1つを閉塞する3つの状態のうち1つの状態をとりうる。これにより、たとえば、背圧室の内圧を調整して弁部材の開閉を制御すること等が可能になる。
制御弁としては、バイパス通路(第1バイパス通路及び第2バイパス通路)における流路を切り替えればよく、燃料タンクのタンク内圧が作用しないので、制御弁の小型化を図ることが可能である。
しかも、実質的に3つのバイパス通路(タンク側バイパス通路、キャニスタ側バイパス通路及び第2バイパス通路)の開閉を1つの制御弁で行えるので、これらのバイパス通路の開閉を複数の弁で行う構成と比較して、制御弁の数が少なくて済む。
また、この燃料タンクシステムでは、制御弁よりも大気開放管側から、負圧ポンプにより、負圧を作用させることが可能である。制御弁によるバイパス通路の切り替えにより、燃料タンク内あるいは背圧室に負圧を作用させることができる。さらに、この燃料タンクシステムでは、燃料タンクのタンク内圧を検出するタンク内圧センサを有しており、燃料タンクのタンク内圧を検出できる。
そして、燃料タンクシステム異常検知方法では、負圧ポンプの駆動時間と、タンク内圧センサで検出されたタンク内圧と、から異常検知手段により、燃料タンク及び前記制御弁の少なくとも一方の異常を検知することが可能である。すなわち、燃料タンクシステムは制御弁によって、バイパス通路の連通を制御する制御状態としては3つの状態を取りうるが、これら3つの状態に応じて、燃料タンクの穴あき検知や制御弁の異常検知を行うことが可能である。
制御弁によってタンク側バイパス通路とキャニスタ側バイパス通路とを連通させると共に第2バイパス通路を閉塞した状態(第1制御状態)で負圧ポンプを駆動すると、燃料タンクに負圧が導入される。このとき、燃料タンクに穴あきが生じていない場合には、短時間でタンク内圧は低下するが、穴あきが生じていると、タンク内圧が下がり難いので、判定基準圧に達するのに長い時間を要する(タンク内圧が全く低下しない場合も含む)。そこで、異常検知手段は、第1負圧導入時間において、タンク内圧が判定基準圧よりも高い場合に、燃料タンクが穴あきであると判定する。
制御弁によってキャニスタ側バイパス通路と第2バイパス通路とを連通させると共にタンク側バイパス通路を閉塞した状態(第2制御状態)で負圧ポンプを駆動すると、制御弁が正常であれば、背圧室に負圧が導入されるので、主室と背圧室との圧力差が弁部材の開弁圧に達し、弁部材が開弁される。さらに負圧ポンプを駆動してタンク内圧を低下させると、弁部材が開弁されているので、第2制御状態における第2負圧導入時間T2は、第1制御状態における第1負圧導入時間T1よりも短くなると想定される。そこで、第1負圧導入時間T1と第2負圧導入時間T2との差T1−T2が、あらかじめ設定された第2基準時間S2以下である場合に、異常検知手段は、制御弁が異常であると判定する
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記制御弁によって前記タンク側バイパス通路と前記第2バイパス通路とを連通させると共に前記キャニスタ側バイパス通路を閉塞させるように制御した第3制御状態で前記負圧ポンプを駆動し、前記タンク内圧が低下した場合に前記制御弁が異常であると判定する。
制御弁によってタンク側バイパス通路と第2バイパス通路とを連通させると共にキャニスタ側バイパス通路を閉塞した状態(第3制御状態)で負圧ポンプを駆動すると、制御弁が正常であれば、燃料タンクへの負圧の導入軽度は閉塞されているので、タンク内圧は低下しない。そこで、第3制御状態においてタンク内圧が低下した場合に、制御弁が異常であると判定できる。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明において、前記第3制御状態において前記負圧ポンプの駆動により前記タンク内圧が判定基準圧よりも低くなる第3負圧導入時間T3を検知し、該第3負圧導入時間T3が前記第1負圧導入時間T1と等しい場合には前記制御弁の異常により前記キャニスタ側バイパス通路と前記タンク側バイパス通路とが連通されていると判定する。
第3制御状態で、負圧ポンプの駆動によるタンク内圧の低下時に、タンク内圧が判定基準圧よりも低くなる第3負圧導入時間T3を検知する。制御弁の異常によりキャニスタ側バイパス通路とタンク側バイパス通路とが連通されてしまっていると、第3負圧導入時間T3が第1負圧導入時間T1と等しくなる。これを利用して、キャニスタ側バイパス通路とタンク側バイパス通路とが連通されていることが判定できる。なお、ここでいう「等しい」場合には、第3負圧導入時間T3と第1負圧導入時間T1とが完全に等しい場合の他に、キャニスタ側バイパス通路とタンク側バイパス通路とが連通されていない場合の第3負圧導入時間T3と第1負圧導入時間T1との差と比較して、キャニスタ側バイパス通路とタンク側バイパス通路とが連通されていると判定することができる程度に「等しい」場合を含む。
請求項4に記載の発明では、請求項2に記載の発明において、前記第3制御状態において前記負圧ポンプの駆動により前記タンク内圧が判定基準圧よりも低くなる第3負圧導入時間T3を検知し、該第3負圧導入時間T3が前記第2負圧導入時間T2と等しい場合には前記制御弁の異常により前記キャニスタ側バイパス通路と前記第2バイパス通路とが連通されていると判定する。
第3制御状態で、負圧ポンプの駆動によるタンク内圧の低下時に、タンク内圧が判定基準圧よりも低くなる第3負圧導入時間T3を検知する。制御弁の異常によりキャニスタ側バイパス通路と第2側バイパス通路とが連通されてしまっていると、第3負圧導入時間T3が第2負圧導入時間T2と等しくなる。これを利用して、キャニスタ側バイパス通路と第2バイパス通路とが連通されていることが判定できる。なお、ここでいう「等しい」場合には、第3負圧導入時間T3と第2負圧導入時間T2とが完全に等しい場合の他に、キャニスタ側バイパス通路と第2バイパス通路とが連通されていない場合の第3負圧導入時間T3と第2負圧導入時間T2との差と比較して、キャニスタ側バイパス通路と第2バイパス通路とが連通されていると判定することができる程度に「等しい」場合を含む。
本発明は上記構成としたので、燃料タンクの穴あきや制御弁の異常を検知することが可能となる。
本発明の第1実施形態の燃料タンクシステムの全体構成を示す概略図である。 本発明の第1実施形態の燃料タンクシステムにおいてダイヤフラム弁及びその近傍を電磁弁がキャニスタ側閉塞位置に移動しダイヤフラム弁が閉弁した状態で示す拡大断面図である。 本発明の第1実施形態の燃料タンクシステムにおいてダイヤフラム弁及びその近傍を電磁弁がタンク側閉塞位置に移動しダイヤフラム弁が閉弁した状態で示す拡大断面図である。 本発明の第1実施形態の燃料タンクシステムにおいてダイヤフラム弁及びその近傍を電磁弁がタンク側閉塞位置に移動しダイヤフラム弁が開弁した状態で示す拡大断面図である。 本発明の第1実施形態の燃料タンクシステムにおいてダイヤフラム弁及びその近傍を電磁弁が背圧室側閉塞位置に移動しダイヤフラム弁が閉弁した状態で示す拡大断面図である。 本発明の第1実施形態の燃料タンクシステムにおける燃料タンクシステム異常検知方法のフローチャートである。 本発明の燃料タンクシステム異常検知方法における第1制御状態での負圧導入時間とタンク内圧との関係を示すグラフである。 本発明の燃料タンクシステム異常検知方法における第2制御状態での負圧導入時間とタンク内圧との関係を示すグラフである。 本発明の燃料タンクシステム異常検知方法における第3制御状態での負圧導入時間とタンク内圧との関係を示すグラフである。
図1には、本発明の第1実施形態の燃料タンクシステム12が示されている。この燃料タンクシステム12は、内部に燃料を収容可能な燃料タンク14を有している。
燃料タンク14には給油配管82の下部が接続されている。給油配管82の上端は給油口16とされており、この給油口16に給油ガンを差し入れて、燃料タンク14に給油することができる。給油時以外は、給油口16はたとえば給油口用キャップ18等で閉塞されている。
自動車のボデーパネルには、給油口16及び給油口用キャップ18を車体の外側から覆うリッド20が設けられている。リッド20は、リッドオープナースイッチ22を操作することで、制御装置32によって矢印R1方向に回転される。リッド20がこのように矢印R1方向に回転した状態では、給油口用キャップ18を給油口16から脱着すると共に、給油口16に給油ガンを差し入れることが可能となる。なお、リッドオープナースイッチ22の操作により、リッド20のロックを外すようにし、手動でリッド20を矢印R1方向に回転させてもよい。
リッド20の開閉状態は、リッド開閉センサ20Sで検出されて、制御装置32に送られる。本実施形態では、リッド20が開放された状態を「燃料タンクへの給油状態」とみなしており、リッド開閉センサ20Sは給油状態センサの一例となっている。給油状態センサとしては、リッド開閉センサ20Sに代えて、給油口用キャップ18の着脱状態を検出するセンサ等を用いることも可能である。
燃料タンク14内には、燃料ポンプ24が備えられている。燃料ポンプ24とエンジン26とは燃料供給配管28で接続されている。燃料ポンプ24の駆動により、燃料タンク14内の燃料を、燃料供給配管28を通じてエンジン26に送ることができる。
燃料タンク14には、タンク内圧センサ30が備えられている。タンク内圧センサ30は、燃料タンク14のタンク内圧を検出し、その情報を制御装置32に送る。
燃料タンクシステム12は、キャニスタ34を有している。キャニスタ34の内部には、蒸発燃料を吸着可能な吸着剤(活性炭等)が収容されている。キャニスタ34と燃料タンク14の上部とは、ベント配管36で接続されている。燃料タンク14内で生じた蒸発燃料は、このベント配管36を通じてキャニスタ34に送られる。
キャニスタ34には、エンジン26と連通するパージ配管38と、キャニスタ34内を大気開放する大気開放配管40とが接続されている。エンジン26の駆動時等において、エンジン26の負圧を作用させて、キャニスタ34内の吸着剤に吸着された蒸発燃料を脱離させ、エンジン26に送ることができる。このとき、大気開放配管40を通じてキャニスタ34に大気が導入される。
大気開放配管40には、診断用ポンプ42が備えられている。診断用ポンプ42は、制御装置32によって、その駆動が制御される。診断用ポンプ42は、キャニスタ34を通じて燃料タンクシステム12に所定の圧力を作用させることで、燃料タンクシステム12の故障等を診断するときに用いられる。特に本実施形態では、燃料タンク14と、この燃料タンク14に接続された配管等による閉じた系(燃料タンク系)に負圧を作用させることで、後述するように、燃料タンク系に対する穴あきや電磁弁68の故障の有無の検知が可能な構成とされており、本発明に係る負圧ポンプの一例となっている。
なお、診断用ポンプ42(負圧ポンプ)の位置は、大気開放配管40に限定されず、ベント配管36及び背圧室56のいずれか通じて、大気開放配管40側から燃料タンク14内に負圧を導入することができればよい。
ベント配管36の一端(燃料タンク14内の端部)には、満タン規制バルブ44が取り付けられている。燃料タンク14内の燃料液面が所定の満タン液面以下では、満タン規制バルブ44は開弁されており、燃料タンク14内の蒸発燃料をキャニスタ34に送ることができる。燃料タンク14内の燃料液面が所定の液面(満タン液面)を超えると、満タン規制バルブ44は閉弁される。これにより、燃料タンク14内の蒸発燃料がキャニスタ34に流れなくなる。この状態で、さらに燃料タンク14内に給油されると、燃料が給油配管82を上昇して給油ガンに達する。給油ガンのオートストップ機能が働くと、給油が停止される。
ベント配管36の中間部分(燃料タンク14とキャニスタ34の間の部分)には、ダイヤフラム弁46が設けられている。ダイヤフラム弁46は、本発明の弁部材の一例である。以下、必要に応じて、このダイヤフラム弁46よりも燃料タンク側のベント配管36をタンク側ベント配管36Tといい、ダイヤフラム弁46よりもキャニスタ34側のベント配管36をキャニスタ側ベント配管36Cという。ベント配管36には、後述するように隔壁36Wが形成されており、実質的に、隔壁36Wによって、ベント配管36がタンク側ベント配管36Tとキャニスタ側ベント配管36Cとに区画されている。
図2に詳細に示すように、ダイヤフラム弁46は、タンク側ベント配管36Tの他端側を偏平な円筒状に拡径した弁ハウジング48を有している。弁ハウジング48の内部には、キャニスタ側ベント配管36Cの一端側が弁ハウジング48と同軸となるように収容されており、弁座50が構成されている。この弁座50と弁ハウジング48の間の部分が主室52となっている。図1から分かるように、主室52はタンク側ベント配管36Tを通じて燃料タンク14の内部と連通可能である。
弁座50の上端の開口部分は、弁部材本体54によって閉塞可能とされている。弁部材本体54の周囲は、ダイヤフラム56によって弁ハウジング48の内周面に固着されている。そして、弁部材本体54及びダイヤフラム56よりも図2において上側の空間が、背圧室58となっている。したがって、主室52と背圧室58とが、ダイヤフラム56によって区画されている。
弁部材本体54及びダイヤフラム56が圧力を受ける面積(受圧面積)は、背圧室58側の受圧面積の方が、主室52側の受圧面積よりも、弁座50の断面積の分だけ、広くなっている。
背圧室58には、圧縮コイルスプリング60が収容されている。圧縮コイルスプリング60は、弁部材本体54に対し、弁座50に向かう方向(矢印S1方向)の所定のバネ力を作用させている。さらに、ダイヤフラム56も、弁部材本体54に対し矢印S1方向への所定のバネ力を作用させている。これにより、弁部材本体54は、弁座50の開口部分を閉塞する方向に付勢されている。たとえば、主室52の内圧と背圧室58の内圧とが同程度である場合には、弁部材本体54は弁座50の開口部分に密着する。これにより、ダイヤフラム弁46は閉弁状態となり、ベント配管36における気体の移動が阻止される。
これに対し、たとえば、背圧室58が主室52よりも所定以上の負圧(内圧が低い状態)になると、圧縮コイルスプリング60及びダイヤフラム56のバネ力に抗して弁部材本体54が背圧室58側へ移動し、弁座50の開口部分を開放する。これにより、ダイヤフラム弁46は開弁状態となり、ベント配管36において、気体の移動が可能になる。
タンク側ベント配管36Tとキャニスタ側ベント配管36Cとの間には、第1バイパス配管62が設けられている。この第1バイパス配管62によって、タンク側ベント配管36Tとキャニスタ側ベント配管36Cとの間が、ダイヤフラム弁46を経由することなく気体が移動可能となる。第1バイパス配管62の流路断面積は、ベント配管36の流路断面積よりも小さくされている。
特に、本実施形態では、第1バイパス配管62の一部が背圧室58の近傍に位置している。そして、第1バイパス配管62には、第1バイパス配管62の流路断面積を部分的に大きくした収容室78が設けられると共に、この収容室78の位置に交点80が設定されている。
交点80(収容室78)と背圧室58との間には、第2バイパス配管66が設けられている。第2バイパス配管66は、第1バイパス配管62と背圧室58との間で気体を移動可能としている。以下では、必要に応じて、交点80よりも燃料タンク14側の第1バイパス配管62をタンク側バイパス配管62T、交点80よりもキャニスタ34側の第1バイパス配管62をキャニスタ側バイパス配管62Cという。
交点80には、電磁弁68が設けられている。電磁弁68は、電磁弁ハウジング70を有している。電磁弁ハウジング70内には、制御装置32(図1参照)によって通電制御されるコイル部72と、このコイル部72からの駆動力を受けて、矢印S2方向及びその反対方向に移動するプランジャ部74、及びプランジャ部74の先端に設けられると共に、収容室78内に収容された電磁弁本体76を有している。電磁弁本体76はさらに、図示しない移動機構によって、収容室78内で図2における左右方向に移動可能とされている。
具体的には、電磁弁本体76が、図2に示すように、キャニスタ側バイパス配管62Cを閉塞しタンク側バイパス配管62Tと第2バイパス配管66とを連通させた位置(以下、「キャニスタ側閉塞位置CP」という)、図3に示すように、タンク側バイパス配管62Tを閉塞しキャニスタ側バイパス配管62Cと第2バイパス配管66とを連通させた位置(以下、「タンク側閉塞位置TP」という)、及び、図4に示すように、第2バイパス配管66を閉塞し、タンク側バイパス配管62Tとキャニスタ側バイパス配管62Cとを連通させた位置(以下、「背圧室側閉塞位置SP」という)の3つの位置を取り得る。
そして、電磁弁68が上記したそれぞれの位置にあるときに、診断用ポンプ42を駆動しつつ、タンク内圧センサ30でタンク内圧を検知する。そして、診断用ポンプ42の駆動時間や、タンク内圧センサ30で検出されたタンク内圧に基づいて、制御装置32により、燃料タンク14の穴あきの有無や、電磁弁68の正常・異常が検知される。
燃料タンクシステム12は、報知装置98を有している。報知装置98は、制御装置32からの信号により、所定の情報を表示して、乗員や給油作業者等に報知する。この報知には、視覚によるもの(ディスプレイやランプの表示)、聴覚によるもの(音声など)が含まれる。
次に、本実施形態の燃料タンクシステム12の作用を説明する。
本実施形態の燃料タンクシステム12では、通常状態、すなわち、燃料タンク14に給油していない状態(車両は走行中であっても駐車中であってもよい)では、図2に示すように、電磁弁68の電磁弁本体76は制御装置32によって、キャニスタ側閉塞位置CPに維持されている(第3制御状態)。
このとき、燃料タンク14のタンク内圧が、ダイヤフラム弁46の主室52に作用している。また、上記したように電磁弁本体76がキャニスタ側閉塞位置CPにあり、タンク側バイパス配管62Tを第2バイパス配管66とは連通されているので、燃料タンク14のタンク内圧が、タンク側ベント配管36T、タンク側バイパス配管62T及び第2バイパス配管66を通じて背圧室58にも作用しており、主室52と背圧室58とは同圧になっている。
ダイヤフラム弁46は、主室52側の受圧面積が背圧室58側の受圧面積よりも広い。さらに、ダイヤフラム弁46の弁部材本体54には、圧縮コイルスプリング60及びダイヤフラム56のバネ力も作用している。これらにより、弁部材本体54は閉弁状態を維持しており、不用意に開弁されることはない。すなわち、燃料タンク14は、内部の蒸発燃料がキャニスタ34に移動しないように密閉状態となっている。
特に、本実施形態では、燃料タンク14のタンク内圧が背圧室58に作用するため、タンク内圧が高くなるほど、弁部材本体54を閉弁位置に維持する力(背圧室58から弁部材本体54に作用する圧力)も大きくなり、燃料タンク14の密閉状態を効果的に維持できる。
燃料の給油時には、リッドオープナースイッチ22が操作されると、制御装置32は、リッド20を開放する。さらに制御装置32は、図3に示すように、電磁弁本体76をタンク側閉塞位置TPに移動させる(第2制御状態)。これにより、ダイヤフラム弁46の背圧室58は、大気開放配管40からキャニスタ34、キャニスタ側ベント配管36C、キャニスタ側バイパス配管62C及び第2バイパス配管66を通じて大気開放される。すなわち、背圧室58の圧力が低下し大気圧に近づく。
これに対し、タンク側バイパス配管62Tは、電磁弁本体76によって閉塞されているので大気開放されず、主室52にはタンク内圧が作用した状態が維持される。すなわち、主室52と背圧室58との間に圧力差が生じた状態が維持される。そして、この圧力差により、図4に示すように、ダイヤフラム弁46が開弁される。本実施形態では、主室52と背圧室58とにダイヤフラム弁46を開弁させるための所定の圧力差を生じさせているので、このような圧力差が生じない(あるいは生じても短時間で解消される)構成と比較して、ダイヤフラム弁46をより小さな開弁圧で開弁させることができる。
なお、ダイヤフラム弁46を小さな開弁圧で開弁させるためには、弁部材本体54を小型化することが考えられる。しかし、弁部材本体54は、弁座50を閉塞する部材であるため、弁部材本体54を小型化すると、弁座50、すなわち、キャニスタ側ベント配管36Cの一部の内径も小さくする必要が生じる。したがって、ダイヤフラム弁46の開弁時に、ベント配管36の流量を確保する観点からは、弁座50を大径化することが望まれる。これに伴い、弁部材本体54も大型になるが、このように大型化された弁部材本体54であっても、小さな開弁圧で開弁可能となる。
そして、弁座50の内径を大きくしても、ダイヤフラム弁46の開弁圧、すなわち弁部材本体54の動作に必要な力は少なくて済む。弁座50すなわちベント配管36の内径を大きくすることで、ベント配管36の通気抵抗を低減することができる。これにより、給油時に燃料タンク14内で発生する蒸発燃料が、ベント配管36を通じてキャニスタ34へ流れやすくなり、給油を行いやすい燃料タンクシステム12となる。
また、給油前には、ダイヤフラム弁46が開弁されることで、燃料タンク14のタンク内圧が低下される。本実施形態では、ベント配管36の通気抵抗を小さくすることで、タンク内圧を低下させるために必要な時間も短縮され、より短時間での給油が可能になる。
車両の走行中は、図1に示すように、タンク内圧センサ30によって燃料タンク14のタンク内圧が検出されている。このタンク内圧が、あらかじめ設定された所定の内圧閾値を超えていない場合は、図2に示すように、制御装置32は電磁弁本体76をキャニスタ側閉塞位置CPに維持している。ダイヤフラム弁46も閉弁されているので、燃料タンク14は密閉されている。燃料タンク14内で発生した蒸発燃料がキャニスタ34に移動することはない。
タンク内圧が所定の内圧閾値を超えると、制御装置32は電磁弁本体76を、図5に示すように背圧室側閉塞位置SPに移動させる(第1制御状態)。これにより、燃料タンク14内の気体が、タンク側ベント配管36Tから第1バイパス配管62、キャニスタ側ベント配管36Cを経てキャニスタ34へ、移動可能となる。すなわち、燃料タンク14内の気体をキャニスタ34へ流すことで、タンク内圧の過度の上昇を抑制すること(いわゆる圧抜き)が可能である。
このとき、電磁弁本体76により、第2バイパス配管66は閉塞されているので、背圧室58の圧力は不用意に低下することなく維持され、ダイヤフラム弁46が閉弁状態に維持される。したがって、燃料タンク14内の気体が、ダイヤフラム弁46を通過して大量にキャニスタ34に流れ込むことはない。
特に、第1バイパス配管62の流路断面積は、ベント配管36の流路断面積よりも小さいため、ダイヤフラム弁46の閉弁状態で、第1バイパス配管62を流れる燃料タンク14からの気体の流量を制御することが容易である。
なお、このようにして燃料タンク14からベント配管36及び第1バイパス配管62を通じて排出された蒸発燃料は、キャニスタ34の吸着剤で吸着されてもよいが、エンジン26が駆動している場合には、さらにパージ配管38を通じてエンジン26に送り、エンジン26で燃焼させてもよい。
上記説明から分かるように、本実施形態の燃料タンクシステム12では、第1バイパス配管62(タンク側バイパス配管62T及びキャニスタ側バイパス配管62C)と第2バイパス配管66との交点80に設けた電磁弁68により、燃料タンク密閉時、給油時及び圧抜き時の3つの状態に最適な気体の流れを生じさせると共に、ダイヤフラム弁46を開閉制御することができる。それぞれのバイパス配管に電磁弁を設けた構成と比較して、省スペースとなり、且つ低コスト及び軽量な構造で燃料タンクシステム12を構成できるようになっている。
さらに本実施形態の燃料タンクシステム12では、図6に示すフローにしたがって、制御装置32により、燃料タンク14(厳密には燃料タンク系)に対する穴あき検知と、電磁弁68の異常の有無の検知(以下、これらを総称して「検知処理」という)を行うことが可能である。
この検知処理では、まず、穴あき検知を行う。ステップS102において、制御装置32は診断用ポンプ42を駆動する。
次いで、ステップS104において、制御装置32は、電磁弁68を制御し、タンク側バイパス通路62Tとキャニスタ側バイパス通路62Cとを連通させ、第2バイパス通路66は閉塞する(第1制御状態、図5参照)。これにより、燃料タンク14内に負圧が導入される。
この第1制御状態において、制御装置32は、ステップS106で、燃料タンク14のタンク内圧PTと、負圧導入時間(第1制御状態の開始時点T0からの経過時間)を検知する。そして、ステップS108では、燃料タンク系における穴あきの有無の判定(穴あき判定)を行う。
図7には、第1制御状態において診断用ポンプ42を駆動した場合の、タンク内圧PTの時間変化が示されている。このグラフにおいて、実線L1は、燃料タンク系に穴あきが生じていない場合の、一点鎖線L2は穴あきが生じている場合のタンク内圧PTの変化である。なお、穴あきの有無にかかわらず、タンク内圧PTは初期段階では、初期圧力P0となっている。
第1制御状態において燃料タンク系に穴あきが生じている場合は、穴あきが生じていない場合よりもタンク内圧PTが低下しづらい(タンク内圧PTが全く低下しない場合も含む)。そこで、ステップS108の穴あき判定においては、穴あき判定の基準となる穴あき判定基準圧P1を設定し、穴開きが生じていない場合において穴あき判定基準圧P1よりもタンク内圧が低くなると想定される負圧導入時間T1をさらに設定する。
制御装置32は、負圧導入時間T1を検知する。そしてこの時点で、タンク内圧PTが穴あき判定基準圧P1よりも低い場合は、穴あきなしと判断し、タンク内圧PTが穴あき判定基準圧P1よりも高い場合は、穴あきありと判断する。すなわち、特定の時間(負圧導入時間T1)におけるタンク内圧PTから、穴あきの有無を判定している。
ステップS108で穴あきありと判断した場合は、ステップS110において、穴あきが生じていることを表示装置98で表示すると共に診断用ポンプ42を停止し、この検知処理を終了する。
ステップS108で穴あきなしと判断した場合は、ステップS112において診断用ポンプ42を停止する。ここまでで、穴あき判定は終了する。
次に、電磁弁68の異常判定を行う。まず、ステップS122において、制御装置32は診断用ポンプ42を駆動する。
次いで、ステップS124において、制御装置32は、電磁弁68を制御し、キャニスタ側バイパス通路62Cと第2バイパス通路66とを連通させ、タンク側バイパス通路62Tは閉塞する(第2制御状態、図4参照)。これにより、背圧室58に負圧が導入されるので、ダイヤフラム弁46が開弁される。
この第2制御状態において、制御装置32は、ステップS126で、燃料タンク14のタンク内圧PTと、負圧導入時間(第2制御状態の開始時点からの経過時間)を検知する。そして、ステップS128では、電磁弁68の異常の有無の判定(電磁弁異常判定)を行う。
図8には、第2制御状態において診断用ポンプ42を駆動した場合の、タンク内圧PTの時間変化が示されている。このグラフにおいて、実線L3は、電磁弁68に異常が生じていない場合の、二点鎖線L4は異常が生じている場合のタンク内圧変化である。なお、このグラフにおいても、タンク内圧PTは初期段階では、初期圧力P0となっている。
第2制御状態において電磁弁68に異常が生じている場合は、背圧室58への負圧導入が不十分となり、ダイヤフラム弁46の開弁も不十分となる(全く開弁されない場合を含む)。そして、タンク内圧PTも低下しづらくなる。
そこで、ステップS128の電磁弁異常判定においては、電磁弁異常判定基準圧P2を導入し、この電磁弁異常判定基準圧P2よりもタンク内圧PTが低くなる第2負圧導入時間T2(第2制御状態の開始時点T0からの経過時間)を検知する。そして、第1負圧導入時間T1と第2負圧導入時間T2との差T1−T2が、あらかじめ設定された第2基準時間S2以下である場合(換言すれば、T2の値がT1の値に近い場合)に、電磁弁68が異常であると判定している。なお、電磁弁異常判定基準圧P2は、穴あき判定基準圧P1と同じであってもよいが、わずかに異なっていてもよい。
ステップS128で電磁弁68に異常ありと判断した場合は、ステップS130において電磁弁の異常を表示装置98で表示すると共に診断用ポンプ42を停止し、この検知処理を終了する。
ステップS128で電磁弁68に異常が無いと判断した場合は、ステップS132において診断用ポンプ42を一旦停止する。
次いで、ステップS142において、制御装置32は、診断用ポンプ42を再度駆動する。
そして、ステップS144において、制御装置32は、電磁弁68を制御し、タンク側バイパス通路62Tと第2バイパス通路66を連通させ、キャニスタ側バイパス通路62Cは閉塞する(第3制御状態、図3参照)。この第3制御状態では、電磁弁68が正常であれば、燃料タンク14及び背圧室58のいずれにも負圧は導入されない。
ステップS146では、制御装置32は、燃料タンク14のタンク内圧PTと、第3負圧導入時間(第3制御状態の開始時点T0からの経過時間)を検知する。そして、ステップS148では、電磁弁68の異常の有無の判定(電磁弁異常判定)を行う。
図9には、第3制御状態において診断用ポンプ42を駆動した場合の、タンク内圧PTの時間変化が示されている。このグラフにおいて、実線L5は、電磁弁68に異常が生じていない場合、点線L6及び二点鎖線L7はいずれも、電磁弁68に異常が生じている場合である。
第3制御状態では、電磁弁68に異常が生じていなければ、上記したようにキャニスタ側バイパス通路62Cが閉塞されているため、背圧室58の圧力は低下せず、燃料タンク14のタンク内圧も実線L5で示すように低下しない。
これに対し、電磁弁68の異常により、たとえばキャニスタ側バイパス通路62Tとタンク側バイパス通路62Tとが連通されていると、キャニスタ側ベント配管36C、第1バイパス通路62(キャニスタ側バイパス通路62T、タンク側バイパス通路62T)、タンク側ベント配管36Tを通じて燃料タンク14内に負圧が作用するため、二点鎖線L7で示すように燃料タンク14のタンク内圧が徐々に低下する。また、たとえば、キャニスタ側バイパス通路62Cと第2バイパス通路66とが連通されていると、背圧室58に負圧が作用してダイヤフラム弁46が開弁されてしまうため、点線L6で示すように燃料タンク14のタンク内圧が低下する。この場合のタンク内圧の低下速度は、キャニスタ側バイパス通路62Tとタンク側バイパス通路62Tとが連通されている場合(二点鎖線L7)よりも大きい。
そこで、ステップS148の電磁弁異常判定においては、タンク内圧PTが低下したか否かを検知している。タンク内圧PTが低下していない場合には、電磁弁68に異常が無いと判断する。そして、ステップS150において、診断用ポンプ42を停止し、この検知処理を終了する。
ステップS148においてタンク内圧PTが低下していると判断した場合には、ステップS162に移行し、異常内容診断を行う。すなわち、上記したように、キャニスタ側バイパス通路62Cと第2バイパス通路66とが連通されている場合(点線L6)は、キャニスタ側バイパス通路62Tとタンク側バイパス通路62Tとが連通されている場合(二点鎖線L7)よりも、タンク内圧が短時間で低下する。
そこで、ステップS128の電磁弁異常判定においては、電磁弁異常判定基準圧P3を導入し、この電磁弁異常判定基準圧P3よりもタンク内圧PTが低くなる第3負圧導入時間T2(第2制御状態の開始時点T0からの経過時間)を検知する。なお、電磁弁異常判定基準圧P3は、穴あき判定基準圧P1と同じであってもよいが、わずかに異なっていてもよい。
そして、キャニスタ側バイパス通路62Cと第2バイパス通路66とが連通されている場合(二点鎖線L7で示したタンク内圧変化の場合)には、第3負圧導入時間T3は、第1負圧導入時間T1と略等しくなる。また、キャニスタ側バイパス通路62Tとタンク側バイパス通路62Tとが連通されている場合(点線L6で示したタンク内圧変化の場合)には、第3負圧導入時間T3は、第2負圧導入時間T2と略等しくなる。
なお、ここでいう「略等しい」には、T3=T1、あるいはT3=T2の場合が含まれるのはもちろんであるが、実質的に、電磁弁68の異常が上記した2つの状態のいずれかであると判定することが可能であればよい。
そこで、ステップS152の電磁弁異常内容診断では、T3≒T1と、T3≒T2のいずれであるかを判断する。それぞれの場合において、制御装置32は、対応するステップS154、S156のいずれかに移行し、電磁弁68の異常内容を表示装置98で表示すると共に診断用ポンプ42を停止する。これにより、すべての処理が終了する。
以上の説明から分かるように、本実施形態の燃料タンクシステム12では、電磁弁68を制御することで採り得る3つの制御状態を適切に切り替えて所定の制御状態とすることで、燃料タンク14(燃料タンク系)に対する穴あき検知と、電磁弁68の異常検知、さらには電磁弁68の異常内容診断を行うことが可能であり、燃料タンクシステム12の信頼性が向上している。
上記では、本発明の第1バイパス流路及び第2バイパス流路として、第1バイパス配管62及び第2バイパス配管66を挙げたが、これらのバイパス流路は、配管として構成されているものに限定されず、要するに、流体(気体)が流れる流路となっていればよい。たとえば、実質的に収容室78と背圧室58とを略一体化した構成としてもよい。この構成では、収容室78と背圧室58との間の境界部分が、配管状ではないが、第1バイパス流路と背圧室とを連通可能とする第2バイパス流路として作用している。
また、上記では、本発明の制御弁として、3方向の通路のうち任意の2つを連通させると共に他の1つを閉塞可能な電磁弁68を用いた例を挙げているが、制御弁はこのような電磁弁68に限定されない。たとえば、タンク側バイパス通路62T、キャニスタ側バイパス通と62C、第2バイパス通路66のそれぞれを開閉可能な弁をそれぞれのバイパス通路に設けてもよい。上記実施形態のような電磁弁68を用いると、1つの電磁弁で3方向の通路の連通状態を切り替えることができ、低コスト且つ簡易な構成となる。
本発明の弁部材としても、上記ではダイヤフラム弁46を挙げているが、弁部材はダイヤフラム弁46に限定されない。たとえば、ダイヤフラム56を無くすと共に、弁部材本体54をその外周が弁ハウジング48の内周に接触するように大径化した構成でもよい。この構成では、弁部材本体54が単独で主室52と背圧室58とを区画すると共に、弁座50に接触することでベント配管36を閉塞する位置と、弁座50から離れることでベント配管36を開放する位置とを移動する。
12 燃料タンクシステム
14 燃料タンク
30 タンク内圧センサ
32 制御装置(異常検知手段)
34 キャニスタ
36 ベント配管
36T タンク側ベント配管
36C キャニスタ側ベント配管
40 大気開放配管
42 診断用ポンプ(負圧ポンプ)
46 ダイヤフラム弁(弁部材)
52 主室
58 背圧室
62 第1バイパス配管
62T タンク側バイパス配管
62C キャニスタ側バイパス配管
66 第2バイパス配管
68 電磁弁(制御弁)

Claims (4)

  1. 内部に燃料を収容可能な燃料タンクと、
    前記燃料タンク内で生じた蒸発燃料を吸着剤によって吸着及び脱離するキャニスタと、
    前記キャニスタの内部を大気開放するための大気開放管と、
    前記燃料タンクと前記キャニスタとを連通し燃料タンク内の蒸発燃料をキャニスタに送るためのベント配管と、
    前記ベント配管において前記燃料タンクのタンク内圧が作用するように設けられた主室と該主室に対し弁部材本体を挟んで反対側の背圧室とに区画され、背圧室の圧力に対し主室の圧力が高くなって弁部材本体が移動すると開弁してベント配管を連通可能とする弁部材と、
    前記ベント配管における前記燃料タンクから前記弁部材までのタンク側ベント配管と前記弁部材から前記キャニスタまでのキャニスタ側ベント配管とを連通する第1バイパス通路と、
    前記第1バイパス通路の途中と前記背圧室とを連通する第2バイパス通路と、
    前記第1バイパス通路と前記第2バイパス通路との交点に設けられ、第1バイパス通路における該交点よりも前記燃料タンク側のタンク側バイパス通路と、該交点よりもキャニスタ側のキャニスタ側バイパス通路と、前記第2バイパス通路のいずれか2つを連通させ残り1つを閉塞する3つの状態の1つをとるよう制御される制御弁と、
    前記制御弁よりも前記大気開放管側から負圧を作用させることが可能な負圧ポンプと、
    前記燃料タンクのタンク内圧を検出するタンク内圧センサと、
    前記負圧ポンプの駆動時間と前記タンク内圧センサで検出された前記タンク内圧とから、前記燃料タンク及び前記制御弁の少なくとも一方の異常を検知可能な異常検知手段と、
    を有する燃料タンクシステムに対し、
    前記制御弁によって前記タンク側バイパス通路と前記キャニスタ側バイパス通路とを連通させると共に前記第2バイパス通路を閉塞した第1制御状態で前記負圧ポンプを駆動し、
    前記異常検知手段が、前記タンク内圧が判定基準圧よりも低くなる第1負圧導入時間T1を想定すると共に、実際の該第1負圧導入時間T1を検知し、第1負圧導入時間T1におけるタンク内圧が判定基準圧よりも高い場合に前記燃料タンクが穴あきであると判定し、
    前記制御弁によって前記キャニスタ側バイパス通路と前記第2バイパス通路とを連通させると共に前記タンク側バイパス通路を閉塞させるように制御した第2制御状態で前記負圧ポンプを駆動し、
    前記異常検知手段が、前記タンク内圧が前記判定基準圧よりも低くなる第2負圧導入時間T2を検知し、前記第1負圧導入時間T1と第2負圧導入時間T2との差T1−T2があらかじめ設定された第2基準時間S2以下である場合に前記制御弁が異常であると判定する燃料タンクシステム異常検知方法。
  2. 前記制御弁によって前記タンク側バイパス通路と前記第2バイパス通路とを連通させると共に前記キャニスタ側バイパス通路を閉塞させるように制御した第3制御状態で前記負圧ポンプを駆動し、
    前記タンク内圧が低下した場合に前記制御弁が異常であると判定する請求項1に記載の燃料タンクシステム異常検知方法。
  3. 前記第3制御状態において前記負圧ポンプの駆動により前記タンク内圧が判定基準圧よりも低くなる第3負圧導入時間T3を検知し、該第3負圧導入時間T3が前記第1負圧導入時間T1と等しい場合には前記制御弁の異常により前記キャニスタ側バイパス通路と前記タンク側バイパス通路とが連通されていると判定する請求項2に記載の燃料タンクシステム異常検知方法。
  4. 前記第3制御状態において前記負圧ポンプの駆動により前記タンク内圧が判定基準圧よりも低くなる第3負圧導入時間T3を検知し、該第3負圧導入時間T3が前記第2負圧導入時間T2と等しい場合には前記制御弁の異常により前記キャニスタ側バイパス通路と前記第2バイパス通路とが連通されていると判定する請求項2に記載の燃料タンクシステム異常検知方法。
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