JP4006996B2 - 基板検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板収納容器に収納された基板の状態を検出する基板検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製品の製造工程等にて半導体ウェハーなどの基板を搬送する際、通常、複数の基板が、基板収納容器に収納されて各工程間を搬送され、基板処理装置において基板収納容器単位に所要の処理が施されていく。この場合、基板処理装置で処理する前に、基板収納容器ごとに基板の収納状態をまず把握する必要がある。そのため、基板収納容器に収納された基板を処理する基板処理装置においては、基板の有無を検出する基板検出装置が設けられている。この基板検出装置としては、例えば、特開平3−297156号公報に開示されたもの等がある。
【0003】
上記公報に記載の基板処理装置では、複数枚の基板を収納するための基板収納容器として、オープンカセットと呼ばれるものが使用されている。このオープンカセット(以下、単に「カセット」という)の前側には、基板を挿入及び取り出しを行うための開口が設けられ、更に、カセットの奥側には、前記開口よりも小さな開口が設けられている。また、カセット内には、基板をほぼ水平に保持するための複数段の溝が形成されている。かかるカセット内の基板収納状態を基板処理前に予め把握するため、カセット載置部に基板検出装置が設けられている。この基板検出装置は、カセットを前後から挟むように対向配置された投光素子と受光素子とで構成された透過型センサであり、この透過型センサをカセット内の最上段の溝から最下段の溝まで上下方向に移動させることで、カセット内の各溝内に収納された基板の有無を検知するものである。
【0004】
ところが、近年の基板の大型化に伴って、この基板を収納するカセットについて新たな規格が取り決められている。この規格に準じたカセットは、FOUP(Front Opening Unified Pod)カセットと呼ばれている。このFOUPカセットには、基板を挿入及び取り出するための開口が一つだけ設けられており、この開口に着脱可能な蓋が取り付けられている。
【0005】
上述したFOUPカセットにおいては、開口が一つのみであるため、特開平3−297156号公報に開示されたようにカセットを前後から挟む透過型センサによって、カセットの各溝に収納された基板の有無を検出することができない。このため、基板の検出を行うには、一旦、開口に取り付けられた蓋を開けるという動作が必要となるなどの種々の制約を受け、基板検出のための動作が複雑となり、正確に基板を検出することが難しい。
【0006】
このような制約を緩和すべく、例えば、米国特許第6、188、323号には、FOUPカセットの蓋を開けた後、一対の発光器と受光器とからなるセンサを下降させながら、カセットの上から順に基板の有無を遮光されることにより検出していく装置が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
米国特許第6、188、323号に記載された装置は、発光器および受光器が取り付けられた一対のフィンガが、ギヤ機構、または、ベルトとローラ、あるいは、ラックとピニオンで連動して駆動されるものである。
【0008】
しかしながら、ギヤ機構の場合、発光側と受光側とにそれぞれ取り付けられるギヤにはバックラッシュが存在するため、両センサの位置にガタが生じる。また、ベルトとローラの場合も、ベルトの伸縮や、ベルトとローラとの間での滑りが生じる可能性があり、ギヤ機構の場合と同様に、両センサの正確な位置決めが難しい。さらに、ラックとピニオンの場合も、ギヤ機構の場合と同様、バックラッシュの存在により、両センサの位置にガタが生じる。よって、いずれの場合も、発光器および受光器の正確な位置決めが難しく、発光器側から発せられた線光を受光側で確実に受け取れない場合が生じることになる。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、基板収納容器内に収納された基板の状態を正確に検出することができる基板検出装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る基板検出装置は、基板収納容器内の基板の有無を、当該基板を挟んで対峙する位置に受信器と送信器を配置することにより検出する基板検出装置において、前記受信器または送信器のいずれかをそれぞれ備える一対のアームと、前記一対のアームを互いに連動させる連動手段と、当該連動手段を駆動する駆動手段と、前記送信器と受信器が前記一対のアームの連動により基板を検出する位置に配置されたとき、前記一対のアームの連動を停止させる停止手段とを備え、前記一対のアームの連動が停止した後も、前記駆動手段を駆動しつづけることを第1の特徴とする。
【0011】
この構成によると、一対のアームは、連動手段を介して駆動され、この両アームの連動が停止手段により停止させられることで、両アームとも停止することになる。そして、両アームの連動が停止した後も、駆動手段を駆動しつづけることで、両アームが揺動しないような力が与えられることになる。すなわち、停止手段により停止させられた後も、駆動手段により揺動しないように付勢されているため、両アームはともに位置決めされることになる。このため、構成要素間に存在する隙間などにより、両アームの位置決めがずれることがなく、送信器および受信器を正確に位置決めすることができる。したがって、基板収納容器内に収納された基板の状態を正確に検出することができる検出装置を提供することができる。
【0012】
また、本発明に係る基板検出装置は、基板収納容器内の基板の有無を、当該基板を挟んで対峙する位置に受信器と送信器を配置することにより検出する基板検出装置において、前記送信器または受信器の一方を、その一端近傍に配置する駆動側アームと、当該駆動側アームの他端近傍に配置された駆動側ギヤと、前記送信器または受信器の他方を、その一端近傍に配置する従動側アームと、当該従動側アームの他端近傍に配置された従動側ギヤと、前記駆動側アームを回動する駆動手段とを備え、前記駆動側ギヤと前記従動側ギヤは相互に噛み合わされる位置に配置されるとともに、前記駆動側アームと前記動側アームの間に、前記送信器と受信器が前記基板を挟んで対峙する位置で、前記従動側アームを当接させて回動を停止させるための停止手段を設け、前記駆動側アームを当該停止手段方向に回動させて、前記従動側アームが前記停止手段により停止させられた後も、前記駆動側アームを前記停止手段方向に回動させる力が働くように上記駆動側ギヤと従動側ギヤを噛み合わせたことを第2の特徴とする。
【0013】
この構成によると、駆動側ギヤと従動側ギヤとの噛み合いにより一対のアームが連動して回動されるため、高い同期性が得られる。そして、従動側アームが停止手段と当接することで、駆動側アームもともに回動を停止し、さらに、従動側アームが停止手段により停止させられた後も、駆動側アームを停止手段方向に回動させる力が働くようにすることで、両アームはともに位置決めされる。これにより、歯車の噛み合い部分に存在するバックラッシュの影響を受けて両アームの位置決めがずれてしまうことがなく、送信器および受信器を正確に位置決めすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態例に係る基板検出装置1が、基板処理装置50内に設置された昇降装置51に対して取り付けられている様子を示したものであり、図1(a)は上面図、図1(b)は正面図である。図2は、基板検出装置1が用いられる基板検出装置50の概略構成を説明する図である。
【0015】
まず、図2において、基板検出装置1が用いられる基板処理装置50の概略について説明する。図2では、基板処理装置50は、一部断面を含む側面図として図示されている。なお、この基板処理装置50は、FOUP(Front Open Unified Pod)カセットと呼ばれ、基板の挿入及び取り出しを行うための開口に蓋が取り付けられている基板収納容器に対応した基板処理装置である。
【0016】
基板処理装置50は、基板WをFOUPカセット52(以下、「カセット52」という)から取り出して、この基板Wに所定の処理を行う処理部53(詳細図示せず)と、カセット52を載置する載置部54とが隔壁55で隔てられて構成されている。載置部54には、カセット52を載置する複数個のカセットステージ56が設けられている(図1では、一つのみを図示)。隔壁55のこれらの各カセットステージ56に対応する位置には、通過口55aが設けられ、通過口55aに向かって進退することで開閉するシャッター57aを有したシャッター駆動装置57と、本実施形態例に係る基板処理装置1が設置される昇降装置51とが、隔壁55と処理部53との間に設けられている。
【0017】
ここで、カセット52を図5に例示するが、基板Wを収納するための容器52aと、この容器52aに備える開口52cに着脱可能に嵌め込まれる蓋52bとで構成されている。容器52aの内壁には、多段の溝52dが対向して設けられ、各溝52dには、基板Wがほぼ水平に保持された状態で収納されている。蓋52bには、これを容器52aに固定する固定機構52eが埋設され、この固定機構52eは、ラックが刻切された2本のロック部材52fと、ラックに噛合う回転自在なピニオン52gとで構成される。ピニオン52gの回転により、ロック部材52fが蓋52bから突出し、容器52aと蓋52bとが固定される。
【0018】
再び、図2において、カセットステージ56は、その下方に設けられたカセット駆動機構58によって、隔壁55方向(Y方向)に進退移動可能に構成されている。そして、カセット駆動機構58は、カセットステージ56の下面に設けられた凸部56aに螺合する螺軸58bを電動機58aで駆動するよう構成されている。カセットステージ56にカセット52が載置されると、電動機58aが螺軸58bを正回転させてカセットステージ56を隔壁55に向かって前進させる。なお、カセット52の全ての基板Wの処理が終了すると、電動機58aは、螺軸58bを逆回転しカセットステージ56を後退させる。
【0019】
隔壁55には、先述した通過口55aが、カセット52に対向する位置に、カセット52とほぼ同じ大きさとなるように形成されている。この通過口55aは、カセット52から基板Wの取り出しおよび収納を行うためのものであり、カセット52が載置されていない場合には、処理部53と載置部56との雰囲気を遮断するためにシャッター57aによって閉じられている。
【0020】
シャッター駆動装置57のシャッター57aは、支持部材57bによって昇降機構57cに取り付けられている。支持部材57bは、下方に延びたL字型のアーム状に形成されており、この支持部材57bの基端部が取り付けられる昇降機構57cによってZ方向に昇降駆動され、昇降機構57cをさらに支持する進退機構57dによってY方向に進退駆動される。
【0021】
昇降機構57cは、支持部材57bの基端部に螺合する螺軸を電動機によって駆動する、いわゆる螺子送り機構によって構成されている。進退機構57dも、昇降機構57cをY方向に進退させる螺子送り機構で構成され、進退機構57dおよび昇降機構57cによって、シャッター57aは、進退および昇降が可能となる。図2においては、カセット52の蓋52bを取り外した後における昇降前後のシャッター57aの様子が図示されている。
【0022】
シャッター駆動装置57と隔壁55との間には、昇降装置51が設けられている。昇降装置51は、基部51aと昇降部51bとを備えており、基部51aに対して昇降部51bが、図示しない螺子送り機構等によって昇降駆動される。この昇降部51bには、後述する基板検出装置1が設置されている。
【0023】
なお、処理部53は、基板検出装置1によってカセット52内における基板Wの収納状態が検出された後に、カセット52から基板Wを取り出すとともに、処理後に再びカセット52内に収納する基板搬送装置(図示せず)を備えている。
【0024】
以上が、本実施形態例に係る基板検出装置1が用いられる基板処理装置50について説明であり、基板検出装置1によってカセット52内における基板Wの収納状態を検出し、この基板検出情報に基づいて、カセット52単位に基板Wの処理を行うものである。
【0025】
以下、基板検出装置1について説明する。図1において、基板検出装置1は、信号であるビーム(線光)を発する送信器2(発光センサ)と、送信器2から発せられた信号を受信する受信器3(受光センサ)とを備えている。そして、図1に示すように、送信器2および受信器3は、一対のアーム(4、5)の一端側(4a、5a)にそれぞれ取り付けられている。そして、この一対のアーム(4、5)は、昇降装置51の昇降部51aの上部に他端側(4b、5b)でそれぞれ回動可能に取り付けられている。また、一対のアーム(4、5)の回動動作は、駆動手段6により、連動手段10および揺動軸(7、8)を介して行われ、停止手段9によって停止される。基板検出装置1は、これらの構成要素、即ち、送信器2、受信器3、一対のアーム(4、5)、駆動手段6、揺動軸(7、8)、連動手段10、停止手段9を備えている。以下、これらの構造について詳しく説明する。
【0026】
まず、図1において、発光センサからなる送信器2は、図示しない発光源と例えば光ファイバで接続されており、さらに、一方のアーム4の一端側4a(一端近傍)に取り付けられている。そして、この送信器2は、後述するようにアーム4が回動駆動されることで、カセット52の開口52cに対して突出し、カセット52の各溝52dに収納された基板Wに向かって信号を発する。
【0027】
また、受光素子等からなる受信器3も、送信器2と同様に、他方のアーム5の一端側5a(一端近傍)に取り付けられている。そして、アーム5が回動駆動されることで、カセット52の各溝52dに収納された基板Wを挟んで送信器2と対峙するように突出する。これにより、送信器2から発せられた信号を受信可能な位置関係となる。なお、図1(a)には、両アーム(4、5)が回動される前(送信器2及び受信器3が開口52cに対して突出する前)の状態を実線で示し、回動後の状態(送信器2及び受信器3が開口52cに対して突出した状態)を2点鎖線で示している。
【0028】
一対のアーム(4、5)が回動駆動されて、送信器2及び受信器3とが、カセット52の開口52c内に突出した後、送信器2から対峙する受信器3に向かって信号が発せられる。このとき、送信器2から受信器3へと至る信号経路Sの途中に基板Wが存在していると、この基板Wによって信号経路Sが遮られる(図1(a)参照)。これにより、基板検出装置1によって、基板Wの有無や状態を検出することができるようになる。
【0029】
また、送信器2および受信器3は、一対のアーム(4、5)を介して昇降装置51に取り付けられているものであるため、カセット52に収納された複数の基板Wの収納方向(上下方向)に沿って移動可能に設置されることになる。すなわち、送信器2および受信器3が、カセット52の開口52c内に突出して基板Wを検出可能な状態のまま、昇降装置51の昇降部51bとともに下降することで、カセット52の最上段の溝から最下段の溝まで、基板Wの収納状態を順次効率よく検出していくことができる(図1および図2参照)。
【0030】
なお、基板検出装置1によって検出される基板Wのそれぞれの位置は、昇降装置51に備えられて昇降部51bのZ軸方向(図2参照)位置を検出する図示しない位置検出手段によって把握される。したがって、送信器2および受信器3が、昇降部51bとともに下降することで、カセット52の各溝52dにおける基板Wの収納の有無を検出することができる。また、図示しない信号処理部で、信号経路が遮られている区間の長さや位置の情報をもとに、各溝52dに複数枚の基板Wが収納された複数枚重ね状態や、異なる溝52dに跨るように基板Wが収納された斜め差し状態といった異常な収納状態をも検出することができる。
【0031】
つぎに、送信器2および受信器3が取り付けられている一対のアーム(4、5)を回動駆動する構造について説明する。図1に示すように、回動中心となるアーム(4、5)の他端側(4a、5a)は、回転自在に支持される揺動軸(7、8)にそれぞれ取り付けられている。揺動軸7および8は、昇降部51bに対して取り付けられた取付部材11によって、複数の軸受12を介して回転自在に支持されている。
【0032】
この揺動軸8は、軸受12で支持されて、その上端側で他方のアーム5を他端側5b(他端近傍)にて回動可能に支持している。そして、揺動軸7は、同じく軸受12で支持されて、その上端側で一方のアーム4を他端側4b(他端近傍)にて回動可能に支持し、さらに、その下端側で駆動手段6と連結されている。
【0033】
駆動手段6は、エアーシリンダ6a、ロッド6b、リンク部材6c及び6d、を備えており、エアーシリンダ6aに対してロッド6bが前後動することで、リンク部材6dに連結された揺動軸7を回動させるものである。すなわち、揺動軸7の下端側は、リンク部材6dと固着されており、このリンク部材6dの他端側は、リンク部材6cに揺動自在に取り付けられている。そして、そのリンク部材6cの他端側は、エアーシリンダ6aに設けられるロッド6bの先端部分に揺動自在に取り付けられている。これらの構成によって、エアーシリンダ6aへ供給する圧縮空気を切り替えてロッド6bを前後動させることにより(図中矢印α)、リンク部材6cおよび6dを介して揺動軸7が回動駆動される。さらに、この揺動軸7の回動に伴い、アーム4も回動することになる。すなわち、ロッド6bがエアーシリンダ6aから突出することで、アーム4の回動とともに、送信器2は、開口52cを通じてカセット52内に突出することになる。なお、図1(a)においては、エアーシリンダ6aに対して前後動するロッド6bの状態を前進限と後退限の2つの位置について図示している。
【0034】
上述したように、駆動手段6によって一方のアーム4(以下、「駆動側アーム4」ともいう)が回動駆動され、送信器2は、カセット52内に突出する。これに対して、他方のアーム5(以下、「従動側アーム5」ともいう)は、以下に述べる連動手段10を介して回動駆動され、受信器3が、カセット52内に突出されることになる。
【0035】
図1にて、連動手段10は、一対の歯車10を用いて構成されている。一対の歯車10は、駆動側ギヤ10aと従動側ギヤ10bとからなり、駆動側ギヤ10aは、揺動軸7の上端側に取り付けられており、一方、従動側ギヤ10bは、揺動軸8の上端側に取り付けられている。これら一対の歯車10(10a、10b)は、互いに噛合する位置関係となるように配設される。これにより、揺動軸7が回動駆動されると、揺動軸7とともに駆動側ギヤ10aが回転し、これと噛合する従動側ギヤ10bも回転される。そして、従動側ギヤ10bとともに、揺動軸8が回転され、結果として、従動側アーム5が、駆動側アーム4に従動して回動されることになる。このように、連動手段として一対の歯車10を用いることにより、歯車の噛み合いで一対のアーム(4、5)が連動して回動されるため、高い同期性が得られる。
【0036】
つぎに、上述したアーム(4、5)の連動して回動する動作を停止させて、送信器2および受信器3の正確な位置決めを行う停止手段9について説明する。停止手段9は、図1(a)に示すように、昇降部51bの上部に取り付けられ、両アーム(4、5)が回動したときに(図中2点鎖線位置)、両アーム(4、5)間に挟まれるような位置に配設される。そして、停止手段9は、従動側アーム5の側部5cと当接可能な斜面9aを備え、従動側アーム5を当接して停止させ得る厚みを備えた平板状に形成されている。
【0037】
上記のように停止手段9を設けることによって、従動側アーム5は、駆動側アーム4と連動して連動手段10を介して回動されるが、停止手段9の斜面9aと当接する位置で停止されることになる。そして、従動側アーム5が停止手段9と当接して停止することで、連動手段である歯車10a、10b間の噛み合いを介して駆動側アーム4も、ともに回動を停止することになる。このとき、駆動側アーム4に対して駆動手段6からの回動させる方向の力が作用したままの状態で、両アーム(4、5)が、停止手段9に対して押し付けられるようにして停止されることになる。すなわち、両アーム(4、5)の連動が停止手段9により停止され、両アーム(4、5)が、ともに停止することになる。そして、両アーム(4、5)の連動が停止した後も、駆動手段6を駆動しつづけることで、両アーム(4、5)が揺動しないよう付勢したまま位置決めすることができる。
【0038】
図3に駆動側ギヤ10aと従動側ギヤ10bとの噛み合いの様子を模式的に示すが、歯車には、当たり面(図中では、AとB)が滑らかに当接して回転が伝達されるようにバックラッシュ(当たり面間に形成される隙間)が設けられている。しかし、上記したように、両アーム(4、5)が、駆動手段6から加えられる力で停止手段9に対して押し付けられるようにして停止されるため、バックラッシュの影響を受けることなく、両アーム(4、5)ともに所定角度回動後、正確に停止されることになる。したがって、送信器2および受信器3ともに、正確に位置決めされることになり、カセット52内に収納された基板Wの状態を正確に検出することができる。
【0039】
なお、図1に示す停止手段9は、駆動側アーム4と対向する側にも斜面を備えているが、両アーム(4、5)が上述したように停止した際、この斜面と駆動側アーム4の側部との間には若干の隙間が生じるようになっている。
【0040】
以上が、本実施形態例に係る基板検出装置1の構造についての説明である。以下、既述した部分については適宜割愛しながら、基板検出装置1の動作について、本装置1が用いられる基板処理装置50の動作とともに説明する。
【0041】
まず、図2において、図示しない搬送設備等によって搬送されてきたカセット52が、載置部54のカセットステージ56の上に載置される。載置された後、カセット52は、カセット駆動機構58によって前進駆動される。このとき、シャッター57aは、通過口55aを塞いでいる。そして、カセット52がシャッター57aに近接する位置にまで移動してくると、シャッター57aに設けられている図示しないロック機構が、カセット52の蓋52bに設けられた固定機構52eのピニオン52gと連結し、固定機構52eが解除され(図5参照)、容器52aから蓋52bを取り外し可能な状態となるとともに、蓋52bがシャッター57aに保持される。
【0042】
つぎに、シャッター57aは、シャッター進退機構57dにより後退させられる。後退することで、カセット52の開口52cは、開いた状態となり、蓋52bを保持したシャッター57aとの間に空間が生じる。
【0043】
そして、隔壁55とシャッター駆動装置57との間に設置されている昇降装置51の昇降部51bが、基部51aに対して上昇するように駆動される(図2の2点鎖線で示す位置)。昇降部51bが、上昇限に達したときに、昇降部51bの上部に設置された両アーム(4、5)は、カセット52の開口52cに面し、且つ、最上段に位置する溝52dより若干上に位置するように調整されている。
【0044】
ここで、図1を参照すると、昇降部51bが上昇限に達し、カセット52の開口52cに対して突出可能な状態にある両アーム(4、5)の様子が実線で示されている。この状態から、ロッド6bがエアーシリンダ6aに対して突出するように前進動作を行うことで、リンク部材(6c、6d)および揺動軸7を介して、駆動側アーム4が回動し、その一端側4aに取り付けられた送信器2が、カセット52内に突出する。
【0045】
そして、このとき、揺動軸7に取り付けられた駆動側ギヤ10aと、揺動軸8に取り付けられた従動側ギア10bとの噛合を介して、従動側アーム5が回動し、その一端側5aに取り付けられた受信器3が、送信器2と同様カセット52内に突出する。
【0046】
駆動側アーム4と従動側アーム5とは、ギヤ10a、10bにより連動して回動するが、停止手段9の斜面9aと従動側アーム4の側部4aとが当接することで、両アーム(4、5)とも停止する。このとき、前述したように、駆動手段6によって両アーム(4、5)が停止手段9に対して押し付けられるように停止することで、バックラッシュの影響を受けず、送信器2および受信器3が、正確に位置決めされる。
【0047】
送信器2と受信器3とが、正確に位置決めされた後は、送信器2から受信器3に向かって信号が発せられる。そして、昇降部51bの下降とともに、送信器2と受信器3との間に形成されている信号経路Sが、基板Wの存在しているところでは遮られ、基板Wの存在していないところでは遮られずに受信器3に達することで、順次、基板Wの収納状態が検出されていく。
【0048】
こうして、カセット52内の全ての溝52dに関して、基板Wの収納状態に関する情報が得られることになる。そして、例えば、基板処理装置50の処理部53にて、当該カセット52の処理が行われる場合に、この基板検出情報に基づいて、カセット52の特定の溝52dから基板Wを取り出すとともに、処理後さらにその基板Wを取り出した溝52dへと返却収納するような場合に利用されることになる。
【0049】
なお、カセット52内で、基板Wの検出のための信号発信が終了すると、ロッド6bが、エアーシリンダ6aに対して縮退するように後退動作を行うことで、リンク部材(6c、6d)、揺動軸(7、8)、連動手段(10a、10b)を介して、両アーム(4、5)は、通過口55aに突出した状態から、再び、図1(a)に実線で示す状態へと退避する。
【0050】
以上が、本実施形態例に係る基板検出装置1についての説明であるが、この基板検出装置1によると、送信器2から発せられた信号を受信器3で確実に受信することができ、カセット52内に収納された基板Wの状態を正確に検出することができる。
【0051】
また、実施の形態は、上記に限定されるものではなく、例えば、次のように変更して実施してもよい。
(1)本実施形態例においては、送信器が取り付けられたアームを駆動手段によって直接的に駆動し、受信器が取り付けられたアームを連動手段を介して駆動する例を示しているが、逆の関係であっても本発明を適用し得る。すなわち、受信器が取り付けられたアームを駆動手段によって直接的に駆動し、送信器が取り付けられたアームを連動手段を介して駆動するものであってもよい。
【0052】
(2)本実施形態においては、連動手段は、一対の歯車より構成されているものであるが、必ずしもこの通りでなくてもよい。例えば、ラックとピニオンが組み合わされたものなど種々のものであっても、本発明を適用し得る。
【0053】
(3)本実施形態例においては、停止手段は、他方のアームと当接する斜面を備えるものを例示しているが、必ずしもこの通りでなくても本発明を適用し得る。例えば、他方のアームと当接するピン部材等であってもよい。
【0054】
(4)また、本実施形態例の基板検出装置1において、停止手段9の代わりに、図4に示すような停止手段91を設けるものであってもよい。すなわち、停止手段91のように、少なくとも他方のアーム5の側部5cと当接する斜面91aを備えるものであれば、本発明の効果を奏し得る。
【0055】
(5)本実施形態例においては、基板検出装置は、隔壁55とシャッター駆動装置57との間に設置される昇降装置51に対して取り付けられているものであるが、シャッター駆動装置57のシャッター57aに対して取り付けても、本発明と同様の効果を奏し得る。
【0056】
(6)本実施形態例においては、送信器と受信器との間に形成される信号経路が、基板の存在によって遮られることにより、基板の収納状態を検出していくものであるが、必ずしも、このとおりでなくもよい。例えば、基板の周囲側面に反射した信号を受信器で受信することで、基板の存在を検出するものであってもよい。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る基板検出装置の第1の特徴によると、一対のアームは、連動手段を介して駆動され、この両アームの連動が停止手段により停止させられることで、両アームとも停止することになる。そして、両アームの連動が停止した後も、駆動手段を駆動しつづけることで、両アームが揺動しないような力が与えられることになる。すなわち、停止手段により停止させられた後も、駆動手段により揺動しないように付勢されているため、両アームはともに位置決めされることになる。このため、構成要素間に存在する隙間などにより、両アームの位置決めがずれることがなく、送信器および受信器を正確に位置決めすることができる。したがって、基板収納容器内に収納された基板の状態を正確に検出することができる検出装置を提供することができる。
【0058】
また、本発明に係る基板検出装置の第2の特徴によると、駆動側ギヤと従動側ギヤとの噛み合いにより一対のアームが連動して回動されるため、高い同期性が得られる。そして、従動側アームが停止手段と当接することで、駆動側アームもともに回動を停止し、さらに、従動側アームが停止手段により停止させられた後も、駆動側アームを停止手段方向に回動させる力が働くようにすることで、両アームはともに位置決めされる。これにより、歯車の噛み合い部分に存在するバックラッシュの影響を受けて両アームの位置決めがずれてしまうことがなく、送信器および受信器を正確に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態例に係る基板検出装置が、昇降装置に取り付けられている状態を示す図であり、図1(a)は上面図、図1(b)は正面図を示す。
【図2】本実施形態例に係る基板検出装置が取り付けられる基板処理装置の概略図である。
【図3】本実施形態例の基板検出装置における一対の歯車の噛み合いを示す図である。
【図4】変形例に係る基板検出装置が、昇降装置に取り付けられている状態を示す図である。
【図5】FOUPカセット内に基板が収納されている状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基板検出装置
2 送信器
3 受信器
4 一方のアーム
4a 一端側
4b 他端側
5 他方のアーム
5a 一端側
5b 他端側
6 駆動手段
9 停止手段
10 連動手段
10a 駆動側ギヤ
10b 従動側ギヤ
51 昇降装置
52 カセット
52c 開口
52d 溝
S 信号経路
W 基板

Claims (2)

  1. 基板収納容器内の基板の有無を、当該基板を挟んで対峙する位置に受信器と送信器を配置することにより検出する基板検出装置において、
    前記受信器または送信器のいずれかをそれぞれ備える一対のアームと、
    前記一対のアームを互いに連動させる連動手段と、
    当該連動手段を駆動する駆動手段と、
    前記送信器と受信器が前記一対のアームの連動により基板を検出する位置に配置されたとき、前記一対のアームの連動を停止させる停止手段とを備え、
    前記一対のアームの連動が停止した後も、前記一対のアームが前記停止手段に対して押し付けられるように前記駆動手段を駆動しつづけることを特徴とする基板検出装置。
  2. 基板収納容器内の基板の有無を、当該基板を挟んで対峙する位置に受信器と送信器を配置することにより検出する基板検出装置において、
    前記送信器または受信器の一方を、その一端近傍に配置する駆動側アームと、
    当該駆動側アームの他端近傍に配置された駆動側ギヤと、
    前記送信器または受信器の他方を、その一端近傍に配置する従動側アームと、
    当該従動側アームの他端近傍に配置された従動側ギヤと、
    前記駆動側アームを回動する駆動手段とを備え、
    前記駆動側ギヤと前記従動側ギヤは相互に噛み合わされる位置に配置されるとともに、前記駆動側アームと前記動側アームの間に、前記送信器と受信器が前記基板を挟んで対峙する位置で、前記従動側アームを当接させて回動を停止させるための停止手段を設け、
    前記駆動側アームを当該停止手段方向に回動させて、前記従動側アームが前記停止手段により停止させられた後も、前記駆動手段を駆動しつづけることにより前記駆動側アームを前記停止手段方向に回動させる力が働くように上記駆動側ギヤと従動側ギヤを噛み合わせたことを特徴とする基板検出装置。
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