JP4005971B2 - 有機エレクトロルミネセンス発光装置の大量生産用製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネセンス発光装置の大量生産用製造装置に関し、特に、基板又は基板アセンブリと、互いに一体化されたマスクを、基板搬送チェインバー内に搬送し、基板投入及び洗浄、マスクアラインメント、蒸着、及び基板取出しの工程を、いくつかのプロセスチェインバーにおいて同時に行う、有機エレクトロルミネセンス発光装置の多層薄膜の製造装置に関する。
半導体装置や発光装置を製造する場合、多くの製造段階からなる工程が一般的に必要である。多段階の製造工程を行うため、通常、各工程毎のチェインバーが構成され、基板はチェインバーに搬送され、それぞれ異なる様々な工程を経る。
これまで、チェインバーは環状に配置され、チェインバーの中央に棒状磁石を設けるか、又はロボットアームを用いることによって、基板は各チェインバーに搬送されていた。すなわち、1つのチェインバー内において各基板に特定の処理が施され、その後、そのチェインバーから他のチェインバーに搬送され、他のチェインバー内において他の処理が施されていた。これらの工程を繰返すことによって、装置は製造されていた。
しかし、上記のように棒状磁石を用いることによって基板が搬送される場合、棒磁石の長さに限りがあり、また、基板を僅か2つのチェインバーの間でしか搬送できない。故に、複数の真空チェインバーを通した、連続した工程を行うのが困難であるという問題がある。
さらに、ロボットアームは、一般的に小さい基板を処理する場合に用いられる。そのため、ロボットアームが大きい基板に用いられる場合、さらなる搬送手段が必要となる。
また、真空状態においてロボットアームを用いて基板を搬送する場合、ロボットアームはバキュームリフトのような手段を使って、基板を保持することができない。従って、基板は、自重のみによりロボットアーム上に配置され、ロボットアームの作動の加速が増すとそれらの位置がずれる。故に、次のマスクアラインメント及び真空蒸着処理において、基板を正しい位置に保つことが容易でないという問題がある。
従って、このようなロボットアームを用いて基板を搬送する場合、ロボットアームは基板を搬送している間、その作動加速度を減少して用いられなければならない。その結果、基板を搬送するために必要な搬送時間が増えるという、別の問題がある。
さらに、基板のサイズが大きくなると、搬送時間はさらに増加し、搬送システムの中央に配置されている搬送チェインバーのサイズもまた大きくなる。故に、基板の搬送路が長くなり、真空ポンプへの負担も大きくなる。
さらに、このようなロボットアームを用いた搬送システムは、1つのチェインバーに配置された基板が他のチェインバー内に搬送され、また、その後他の空いたチェインバー内に搬送及び設置されるように構成されなければならない。従って、搬送作業を完了するために、基板は2度搬送されなければならず、また、この2度の搬送作業は各チェインバー内において同様になされなければならないという問題がある。
また、蒸着処理の間に蒸着源がなくなると、処理を終了し、チェインバー内の真空状態を、大気圧状態に変えなければならない。その後、新しい蒸着源を供給しなければならない。このような場合、薄膜を製造するのに多くの時間がかかってしまうという点で不利である。
一方、複数の蒸着セルが配置された1つのチェインバー内において多層薄膜の製造工程が行われる場合、層の製造工程の間に薄膜の各層が汚染される危険がある。故に、汚染を防ぐ、さらなる装置が必要である。特に、有機薄膜に関しては、その装置の必要性が大きい。
本発明は、上記問題を解決することを意図したものである。本発明の目的は、有機又は無機の多層薄膜を形成し基板上に有機エレクトロルミネセンス装置を製造するとき、効率よく基板を搬送することにより製造時間を短縮することができ、薄膜を相互に汚染することなく基板上で効率よく成長させることができる、有機エレクトロルミネセンス装置の大量生産用製造装置を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、有機エレクトロルミネセンス装置の大量生産用製造装置の蒸着チェインバー内において、真空状態を破壊することなく蒸着セルを交換することが可能な、回転式蒸着セル交換装置を提供することである。
本発明の上記目的を達成するため、複数の開口部が形成され、ポンプポートが取付けられ、そこに、基板投入、基板洗浄、マスクアラインメント、基板取出し及び複数の蒸着処理が行われるチェインバーが取付けられているリニア基板搬送チェインバーと、前記基板搬送チェインバーの開口部にそれぞれ取付けられた複数のチェインバー、前記基板搬送チェインバーに取付けられ、複数の開口部に取付けられた前記チェインバーにおいて処理された基板又は基板アセンブリと、互いに一体化されたマスクを、前記基板搬送チェインバーの次の開口部へ搬送するための基板搬送手段を有し、前記複数のチェインバーが、前記基板搬送チェインバーの長手方向の一方の端に配置され、ポンプポート及びドアを具えた投入チェインバーと、前記基板搬送チェインバーの長手方向の他方の端に配置され、ポンプポート及びドアを具えた取出しチェインバーと、前記開口部に取付けられ、ポンプポート及びドアを具えた基板洗浄チェインバーと、前記開口部に取付けられポンプポート及びドアを具えたマスクアラインメントチェインバーと、前記開口部に取付けられ、それぞれポンプポート及び蒸着セルポートを具えた複数の蒸着チェインバーを含むプロセスチェインバーからなる、有機エレクトロルミネセンス装置の大量生産用製造装置が提供される。
本発明の好適な実施形態を、添付の図面を参照して、以下、詳しく説明する。 図1は、本発明の好適な実施形態の有機エレクトロルミネセンス装置の大量生産用製造装置の分解斜視図、図2は、本発明の好適な実施形態の有機エレクトロルミネセンス装置の大量生産用製造装置の正断面図、図3は、本発明の好適な実施形態の有機エレクトロルミネセンス装置の大量生産用製造装置の側断面図である。これらの図に示されるように、本発明は、プロセスチェインバーを取付けるための複数の開口部110が形成され、ポンプポート120が取付けられた基板搬送チェインバー100と、基板搬送チェインバー100に取付けられ、それぞれの工程を複数の開口部110の1つで経た基板を、基板搬送チェインバー100内の次の開口部110へ搬送する基板搬送手段200と、基板チェインバー100の開口部にそれぞれ取付けられた複数のチェインバー300からなる。
基板搬送チェインバー100は細長い箱の形状に作られ、基板洗浄、マスク取付け及びマスクアラインメント、蒸着、基板投入、基板取出し等の工程を行うためのチェインバーを取付けることができる、複数の開口部110を具えて形成される。さらに、蓋130が基板搬送チェインバー100に取付けられ、基板搬送手段200がそこに容易に取付けられるようになっている。
複数のチェインバー300は、全体として、投入チェインバー310と、蒸着や他の工程のためのプロセスチェインバー330と、取出しチェインバー320からなる。投入チェインバー310は、基板搬送チェインバー100の長手方向の一方の端にある開口部111に取付けられ、ポンプポート311及びドア312を具えている。
取出しチェインバー320は、基板搬送チェインバー100の長手方向の他方の端に形成された開口部112に取付けられ、ポンプポート321及びドア322を具えている。複数のプロセスチェインバー330は、投入チェインバーと取出しチェインバーの間にあって、基板搬送チェインバー100の開口部110に取付けられ、各プロセスチェインバーは、ポンプポート331及び蒸着セルポート332を具えている。
プロセスチェインバー330は、基板搬送チェインバー100の開口部110に取付けられ、基板洗浄、マスク取付け及びマスクアラインメント、蒸着等の工程が行われる。プロセスチェインバーは、それぞれの機能に応じて、ポンプポート及びドアを具えた基板洗浄チェインバーや、基板搬送チェインバーの開口部に取付けられ、ポンプポート及びドアを具えたマスクアラインメントチェインバーや、それぞれがポンプポート及び蒸着セルポートを具えた複数の蒸着チェインバーに分類される。
各プロセスチェインバーは、上部に差込口330aが形成され、基板洗浄装置、マスクアラインメント装置又は蒸着処理のための蒸着セルを取付けるための蒸着ポート332が底部に形成され、真空ポンプ用ポンプポート331が後端部に取付けられるように構成される。
基板搬送チェインバー100上に設けられる開口部110及びプロセスチェインバー330の数は、製造される装置の数によって変わる。例えば、有機エレクトロルミネセンス装置の場合、開口部及びチェインバーの数は、それぞれ約20に達する。このように開口部及びチェインバーの数が大きい場合、基板搬送チェインバー100の長さは長くなる。故に、スペースの有効利用の観点から、基板搬送チェインバーは、直線や、ドーナツ、U字の形状であることが好ましい。
さらに、基板搬送手段200は、レール210と、レール210上を一方向に移動する移動部220と、移動部に取付けられ基板を保持する基板ホルダ230からなる。このような場合、基板は、コンベヤベルト型の移動手段に取付けられた状態で搬送されるのが好ましい。
それぞれの工程がチェインバー内で完了した後、複数の移動部220は、各プロセスチェインバー330上に沿って、連続的に移動される。完成した基板が取付けられた移動部220は、基板搬送チェインバーの一方において、順番に、蓄積又は回収される(図示せず。)。
場合によっては、各移動部220はさらに、基板搬送チェインバー100の開口部110を閉じるためのカバーバルブ240を有し、基板ホルダ230がプロセスチェインバー330へ下げられる際に、基板搬送チェインバー100の底部にある開口部110が、シール手段10を介してカバーバルブで閉じられるようにしてもよい。
シール手段には、一般に用いられているOリングを用いることが好ましい。
上記のとおり、基板搬送チェインバー100は、基板の蒸着の際にプロセスチェインバー330から分離されているため、プロセスチェインバーからの蒸発ガスによる汚染を防ぎ、高い真空度を維持することができる。
別の実施例として、基板搬送手段200は、一対のチェーンと、所定の間隔でチェーンに取付けられた複数の基板ホルダを有してもよく、その結果、同等の有利な効果を得ることができる(図示せず。)。
上記のとおり、基板搬送チェインバー100及び複数のチェインバー300は、複数のチェインバー300を基板搬送チェインバー100に取付けたりすることによって構成することができる。しかし、単一のチェインバーと相互に一体化された基板搬送チェインバーを具えたユニット構造150の複数が、図4及び図5に示すように連続して連結される場合においても、全体として、図2に示すような構造を得ることができる。
すなわち、1つのチェインバーと基板搬送チェインバーの一部が、それぞれ下部分152と上部分151として互いに一体化形成されているユニット構造150が、互いに連続して連結されると、隣接するユニット構造150の上部分151は、開放連絡部151aを通して互いに連通され、その結果、基板搬送手段200を収納する基板搬送チェインバー100が画定され、隣接するユニット構造150の下部分152は、壁を介して互いに連結され、その結果、蒸着、基板投入及び基板取出しを行うための各チェインバー300が画定される。
さらに、図6に示すように、ユニット構造150は、別々の上部分及び下部分151,152を互いに連結させて構成することができる。
2段構造の基板搬送手段200を図6に示す。図7は、図6の矢印aの方向から見た概略図である。図に示すように、基板搬送手段200は、ユニット構造150の上部分151内に、2段構造で構成されており、上レール211及び下レール212からなる一対のレール210とレール210に沿って移動する移動部220からなる。
本発明の好適な実施形態において、移動部220は下レール212に沿って一方向に移動し、連続するユニット構造150により画定されるチェインバー内で蒸着が行われる。一連の蒸着処理が完了し、移動部が連続したユニット構造の長手方向の端に到着すると、移動部220は、さらなるチェインバー内の上レール211に搬送され、その後反対方向に戻る。
また、図7に示すように、基板221及び蒸着に使用されるマスク222は、一体化されて各移動部220に取付けられ、それぞれの移動部220と一緒に移動しながら、蒸着が行われる。マスク222は、各工程によって、別々のチェインバー内で交換可能であることは明らかである。
一方、正孔注入層、正孔輸送(hole transport)層、発光層、電子輸送層、電極等から構成される有機エレクトロルミネセンス装置を製造する場合、装置の各有機薄膜の製造に必要な加工圧は、互いに同一である。故に、バルブを用いて各ユニットプロセスチェインバーを互いに分離する必要はない。従って、図7に示すように、各プロセスチェインバーは、上記の好適な実施形態のカバーバルブ240及びシール手段10を用いる替わりに、上部分及び下部分151、152の間に形成される凹凸状のバッフル153によりシールされるのが好ましい。同様に、レール210、移動部220、及びユニット構造150の内壁等から生じた粒子が、蒸着される基板221及びマスク222に移動することができる経路(図7中の点線矢印を参照。)を複雑にすることによって、粒子の大きな流動を防ぐことが好ましい。
さらに、移動部220を上レール211に搬送し戻す前述の工程や、分離されたチェインバー内でマスク222を交換する工程は、図8及び図9に示すように、垂直搬送チェインバー160及びマスク交換チェインバー170を用いて行うことができる。
すなわち、垂直搬送チェインバー160は、垂直方向に移動可能な垂直搬送パネル161及びレール210に対し所定の高低差を有して垂直方向に上に配置された交換レール213を含む。交換レール213は、マスク交換チェインバー170に接続するように構成される。
マスク交換チェインバー170は、連続するユニット構造150が互いに連結される方向に対する垂直搬送チェインバー160の両側(すなわち、その方向に対して直角となる両側)に配置され、使用済マスクが一方の側に配置され、新しいマスクが他方の側に配置される。
図10は、本発明のさらなる好適な実施形態の有機エレクトロルミネセンス装置の大量生産用製造装置の分解斜視図、図11は、本発明のさらなる好適な実施形態の有機エレクトロルミネセンス装置の大量生産用製造装置の底面図、図12は、本発明のさらなる好適な実施形態の有機エレクトロルミネセンス装置の大量生産用製造装置の断面図である。図に示される本発明の好適な実施形態は、ポンプポートが基板搬送チェインバー100の一つの面に設けられ、基板搬送チェインバー100が円筒又は多角形の箱の形状を有し、複数の開口部110が基板搬送チェインバー100の底面に箱の中心軸から等間隔に形成される技術的特徴を有する。
さらに、本実施形態の基板搬送手段200は、円筒又は多角形の箱の形状の基板搬送チェインバー100の中心部に取付けられた中心シャフト250と、中心シャフト250から枝分れした複数のロッド260と、複数のロッド260にそれぞれ取付けられた複数の基板ホルダ230からなり、中心シャフト250を回転させることで各基板が搬送される。
この時、基板搬送チェインバー100は蓋140を具えてもよい。この場合、蓋140は、中心シャフト250が配置可能な、蓋主部141を具えていることが好ましい。
故に、各蒸着処理完了後、中心シャフト250は、回転手段(図示せず。)を用いることにより、所定の角度回転し、その結果、基板への蒸着が次のプロセスチェインバー330内で行われる。
一方、多層薄膜基板の大量生産時に、蒸着セルの蒸着源がなくなれば、蒸着源を新しいものに交換する必要がある。図13及び図14は、本発明の有機エレクトロルミネセンス装置の大量生産用製造装置内の真空状態を破壊することなく、蒸着セルAをプロセスチェインバー330に連続的に投入することが可能な回転式蒸着セル交換手段400を示す。
このような回転式蒸着セル交換手段400は、プロセスチェインバー330の蒸着セルポート332と接続した接続ポート411を具えた上部チェインバー410と、上部チェインバー410と回転可能に連結され、複数の蒸着セルAが配置されている下部チェインバー420と、下部チェインバー420を回転させる回転手段(図示せず。)からなる。このように、各蒸着処理の間に蒸着源がなくなった場合においても、各チェインバー300内の真空状態を破壊することなく、蒸着セルAを効率よく交換することが可能である。
図14に示すように、複数の蒸着セルAは、下部チェインバー420の底面に周に沿って配置されているため、蒸着セルAが完全になくなるまで、処理は続けられる。
次に、本発明の作用及び効果を、図1乃至図14に基づいて、以下、詳しく説明する。
薄膜処理される基板は、投入チェインバー310で基板ホルダ230に取付けられる。基板ホルダ230に取付けられた基板は次のプロセスチェインバー330に搬送され、基板洗浄及びマスクアラインメント処理が順番に行われる。その後、プロセスチェインバーの様々な蒸着処理によって、多層薄膜が、基板アセンブリと、互いに一体化されたマスクの上に形成される。さらに、次に薄膜処理される基板が、同時に投入チェインバー310で基板ホルダ230に取付けられる。
この時、投入チェインバー310は、カバーバルブ240又はさらなるバルブにより真空状態の基板搬送チェインバー100から分離され、その結果、基板搬送チェインバー100内の真空状態を破壊することなく、投入チェインバーだけが大気に曝される。
投入チェインバーと同様に、取出しチェインバー320は、バルブを用いて基板搬送チェインバー100から分離され、完成した基板は、基板搬送チェインバー100及びプロセスチェインバー330の真空状態を破壊することなく、取出しチェインバー320から取出される。
基板投入及び取出しの工程と、いくつかの蒸着処理はこのように同時に行うことが可能なため、多層薄膜基板の大量生産が可能となり、製造時間を短縮することができる。
一方、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電極等から構成される有機エレクトロルミネセンス装置の製造工程について、以下に、説明する。
有機エレクトロルミネセンス装置は、基板洗浄、UVオゾン処理又はプラズマ処理、基板及び有機薄膜用マスクのアラインメント、正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層からなる薄膜の製造、基板及び電極用マスクのアラインメント、電極の薄膜加工、製造された装置を湿気や酸素から守るためのシール加工等を行うことで製造される。
洗浄された基板へUVオゾン処理又はプラズマ処理を行う工程は、有機薄膜の製造工程とは異なる圧力下でなされるため、この工程を行うためにさらなるバルブを取付けなければならない。基板とマスクが互いに整列される台は、蒸着が行われる領域の外にある。
整列された基板及びマスクによって、蒸着源から蒸発した有機物を用いて、薄膜が製造される。単一の炉が用いられる場合、薄膜の均一性を向上させるために基板は回転される。リニア蒸着源が用いられる場合、基板、マスク又はリニア蒸着源は、膜を製造するために、線状にスキャンされる。後に続く有機薄膜を製造する工程は、同様に繰返される。
上記の有機薄膜を製造する工程が完了した後、有機薄膜用マスクは取り外され、電極用マスクが基板に整列される。その後、基板は、電極の製造工程用の台に搬送される。
電極を製造する工程において、例えば、透明電極や金属電極は、蒸着やスパッタリング法を用いて製造される。
電極の製造が完了すると、基板は保護層の製造工程用の台に搬送され、装置を湿気や酸素などの性能低下の原因となるものから守るために、多重層構造が有機薄膜、酸化薄膜、窒化薄膜及びそれらの組合せによって製造される。
上記工程は、本発明の有機エレクトロルミネセンス装置の大量生産用製造装置にある複数の基板221に対し同時に行われ、また、基板搬送手段200により各チェインバー300に搬送された基板に対しても行われる。
このような有機エレクトロルミネセンス装置の製造工程が、多色装置又は自然色装置(multicolored or natural color devices)の製造に適用される場合には、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層等から構成される有機薄膜は、それぞれの色に合うように配置され、基板処理の後、工程が繰返される。
このような有機エレクトロルミネセンス装置を製造する際、各有機薄膜を製造するために必要な加工圧力は、互いに同一である。故に、ユニットプロセスチェインバーを、バルブで互いに分離する必要はない。装置全体の長さを極端に大きくすることが可能なため、図6乃至図9に示すように、同じユニット構造150は互いに連続して連結され、2段構造レール210及び垂直搬送チェインバー160は移動部220を回収できるように構成され、マスク交換チェインバー170は各蒸着処理後に取り外されるマスク222が元の位置に戻されるように構成するのが好ましい。
このような構成において、蒸着処理の手順は以下のとおりである。
すなわち、基板221及びマスク222が、基板搬送手段200の移動部220に取付けられた状態で、各チェインバー300に沿って移動するとともに、各蒸着処理が行われる。
そして、1つのユニットの工程が完了すると、基板221とマスク222が取付けられた移動部220は、搬送チェインバー160に到着する。
この時、次工程の異なる種類のマスク222は、垂直搬送チェインバー160の一方の側に配置された(例えば、図8の上側)マスク交換チェインバー170に配置される。第一に、移動部220は、垂直搬送チェインバー160を通って交換レール213に移動し、垂直搬送チェインバーの他方の側に位置する(例えば、図8の下側)マスク交換チェインバー170へ移動し、その結果、前工程で既に使用されたマスク222は分離され、回収される。
それから、移動部220は垂直搬送チェインバーの一方に位置するマスク交換チェインバー170に移動し、そこで異なる種類のマスク222が取付けられる。その後、移動部220は、交換レール213を経て垂直搬送チェインバーへ移動し、次の蒸着処理に入る。
上記蒸着処理が完了すると、移動部220及びマスク222は、上記のマスク交換の順序とは逆の順序で回収される。
すなわち、移動部220は垂直搬送チェインバー16の垂直搬送パネル161から上レール211に搬送され、その後上レール211に沿って、蒸着処理中の移動部とは逆の方向に移動する。
この時、移動部220に取付けられたマスク222は、元の位置に戻され、回収される。すなわち、マスクの回収は、マスク交換の順序とは逆の順序で行われる。
第一に、各移動部220は、他方の側に配置されたマスク交換チェインバー170(図8の下側)へ移動し、使用済マスク222が移動部220から離される。それから、移動部220は、一方の側に配置されたマスク交換チェインバー170(図8の上側)へ移動し、前の蒸着処理において離されたマスク222が移動部220に取付けられる。その後、移動部220は、元の位置へ移動する。このような手順は、マスク222の数と同じ回数繰返される。
図10乃至図12に示される好適な実施形態の、投入チェインバー310、取出しチェインバー320及びプロセスチェインバー330の基本的機能は、上記の実施形態と同じである。さらに、プロセスチェインバー330の数は調整可能である。
本実施形態によれば、薄膜製造装置は特に単純であり、ポンプポートがプロセスチェインバー330の後端部(すなわち、内部)に取付けられているため、装置を設置するために必要なスペースを減らすことができる。
さらに、回転式蒸着セル交換手段400は、複数の蒸着セルが配置された下部チェインバー420を用いて、各蒸着セルとともに蒸着を行い、蒸着源がなくなった際には、下部チェインバー420を所定の角度回転させるように構成されている。
また、新しい蒸着セルAは接続ポート411の近くの位置に配置されるため、蒸着処理は、新しい蒸着セルAを用いて、連続的に行われる。
この時、上部及び下部チェインバー410,420は上記のように、それぞれ互いに回転されるが、この2つのチェインバーの間にOリングが挿まれているため、2つのチェインバーによって画定されるスペースは、シールされる。従って、蒸着セルは、プロセスチェインバー内の真空状態及び蒸着処理に如何なる影響も与えずに、交換される。
本発明によれば、基板を真空状態の各プロセスチェインバーに連続的に搬送することができ、基板投入、基板洗浄、マスク取付け及びマスクアラインメント、基板取出し及び複数の蒸着処理を同時に行うことによって、多層薄膜を大量生産することができるという利点がある。
さらに、異なる種類の蒸着源を有する蒸着セルが各蒸着チェインバーに設置されているため、相互に汚染することなく、多層薄膜を製造することが可能である。
また、本発明において回転式蒸着セル交換手段が使用されているため、蒸着チェインバーの真空状態を破壊せずに、蒸着セルを交換することが可能である。
従って、製造時間を短縮できるというさらなる利点がある。
本発明の好適な実施形態の有機エレクトロルミネセンス装置の大量生産用製造装置の分解斜視図。 本発明の好適な実施形態の有機エレクトロルミネセンス装置の大量生産用製造装置の正断面図。 本発明の好適な実施形態の有機エレクトロルミネセンス装置の大量生産用製造装置の側断面図。 本発明の有機エレクトロルミネセンス装置の大量生産用製造装置を構成する、ユニット構造の斜視図。 複数のユニット構造が互いに連結されている状態を示す断面図。 本発明の有機エレクトロルミネセンス装置の大量生産用製造装置の基板搬送手段の概略図。 図6の矢印aの方向から見た基板搬送手段の概略図。 本発明の他の好適な実施形態の有機エレクトロルミネセンス装置の大量生産用製造装置の平面図。 本発明の他の好適な実施形態の有機エレクトロルミネセンス装置の大量生産用製造装置の側断面図。 本発明のさらなる好適な実施形態の有機エレクトロルミネセンス装置の大量生産用製造装置の分解斜視図。 本発明のさらなる好適な実施形態の有機エレクトロルミネセンス装置の大量生産用製造装置の底面図。 本発明のさらなる好適な実施形態の有機エレクトロルミネセンス装置の大量生産用製造装置の断面図。 本発明の有機エレクトロルミネセンス装置の大量生産用製造装置内で用いられる回転式蒸着セル交換手段の断面図。 本発明の有機エレクトロルミネセンス装置の大量生産用製造装置内で用いられる回転式蒸着セル交換手段の内部を示す斜視図。

Claims (11)

  1. 複数の開口部が形成され、ポンプポートが取付けられ、そこに、基板投入、基板洗浄、マスクアラインメント、基板取出し及び複数の蒸着処理が行われるチェインバーが取付けられているリニア基板搬送チェインバーと、
    前記基板搬送チェインバーの開口部にそれぞれ取付けられた複数のチェインバー
    前記基板搬送チェインバーに取付けられ、複数の開口部に取付けられた前記チェインバーにおいて処理された基板又は基板アセンブリと、互いに一体化されたマスクを、前記基板搬送チェインバーの次の開口部へ搬送するための基板搬送手段を有し、
    前記複数のチェインバーが、
    前記基板搬送チェインバーの長手方向の一方の端に配置され、ポンプポート及びドアを具えた投入チェインバーと、
    前記基板搬送チェインバーの長手方向の他方の端に配置され、ポンプポート及びドアを具えた取出しチェインバーと、
    前記開口部に取付けられ、ポンプポート及びドアを具えた基板洗浄チェインバーと、前記開口部に取付けられポンプポート及びドアを具えたマスクアラインメントチェインバーと、前記開口部に取付けられ、それぞれポンプポート及び蒸着セルポートを具えた複数の蒸着チェインバーを含むプロセスチェインバーからなる、
    有機エレクトロルミネセンス装置の大量生産用製造装置。
  2. 前記基板搬送チェインバー及び前記複数のチェインバーが、1つのチェインバーと前記基板搬送チェインバーとが互いに一体化されてなるユニット構造を連続して連結することにより構成されており、前記ユニット構造の1つの前記基板搬送チェインバーが、隣接したユニット構造の基板搬送チェインバーと開口通路部を介して連結され、前記ユニット構造の1つの前記チェインバーが、隣接したユニット構造のチェインバーと壁を介して連結されている、請求項1の装置。
  3. 前記基板搬送チェインバーが、全体として、直線、多角形、ドーナツ又は曲線の形状の細長い箱の形状である、請求項1の装置。
  4. 各前記蒸着チェインバーがさらに、前記蒸着チェインバーの蒸着セルポートに接続される接続ポート及びポンプポートを有する上部チェインバーと、該上部チェインバーと回転可能に連結され、複数の蒸着セルが配置されている下部チェインバーと、該下部チェインバーを回転させるための回転手段からなる回転式蒸着セル交換手段を有する、請求項1の装置。
  5. 前記プロセスチェインバーが、前記基板搬送チェインバーの開口部に取付けられた複数のチェインバーからなり、前記チェインバーが、基板投入、基板洗浄、マスク取付け、マスク洗浄、基板取出し等の工程を行うためのものであって、交互に真空環境及び大気環境にされるものであり、前記蒸着チェインバーに対して別々に、線状に又は並んで取付けられている、請求項1の装置。
  6. 前記基板搬送手段が、レールと、該レールに沿って移動する移動部と、該移動部にそれぞれ取付けられ、基板を保持する基板ホルダからなり、前記基板がコンベヤベルト型の移動手段に取付けられた状態で搬送される、請求項1の装置。
  7. 前記基板搬送手段が、上レール及び下レールの2段構造を有する一対のレールと、該レールに沿って移動し下部に基板及びマスクが取付けられる移動部からなり、上下レールの一方に沿って前記移動部が移動する間、蒸着処理が行われ、その後、前記移動部が他方の前記レールに沿って戻る、請求項1の装置。
  8. 前記基板の蒸着面のみを前記蒸着チェインバーに曝して、前記レールの摩擦によって粒子が発生するのを防ぐ凹凸状のバッフルが、さらに、前記基板搬送チェインバー及び前記蒸着チェインバーの間に設けられている、請求項7の装置。
  9. 前記移動部を上下に搬送するための垂直搬送パネルを有する垂直搬送チェインバーが、一連のユニット工程を行う前記プロセスチェインバーの間に、さらに設けられている、請求項7の装置。
  10. マスクが配置され、又は前記移動部から離されて取付けられたマスクが収納されるマスク交換チェインバーと、所定の蒸着処理が施されたマスクを洗浄するマスク洗浄チェインバーが、前記垂直搬送チェインバーのそれぞれ両側に設けられ、前記垂直搬送チェインバーと前記マスク交換チェインバーが交換レールを通じて互いに接続されている、請求項9の装置。
  11. 前記基板搬送チェインバーと各前記蒸着チェインバーの間の前記開口部を閉じるために、さらにカバーバルブが設けられている、請求項1の装置。
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