JP2000353593A - 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルの製造装置および製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルの製造装置および製造方法

Info

Publication number
JP2000353593A
JP2000353593A JP11161647A JP16164799A JP2000353593A JP 2000353593 A JP2000353593 A JP 2000353593A JP 11161647 A JP11161647 A JP 11161647A JP 16164799 A JP16164799 A JP 16164799A JP 2000353593 A JP2000353593 A JP 2000353593A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
chamber
vacuum
electrode
display panel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11161647A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Uchiumi
誠 内海
Goji Kawaguchi
剛司 川口
Yotaro Shiraishi
洋太郎 白石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP11161647A priority Critical patent/JP2000353593A/ja
Publication of JP2000353593A publication Critical patent/JP2000353593A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に長寿命で、発光特性の良好な有機エレク
トロルミネッセンスディスプレイパネルを作製する製造
装置および製造方法を提供する。 【解決手段】 基板8を紫外線照射処理するための洗浄
室1と、処理された基板上に薄膜を形成するための真空
成膜室と、該洗浄室1と該真空成膜室とを接続するため
の真空中間室2とを少なくとも有する有機エレクトロル
ミネッセンスディスプレイパネルの製造装置において、
前記洗浄室1が真空排気系5と、紫外線照射系6と、基
板支持機構4と、ガス供給系7とを少なくとも有し、か
つ、各室間に設けられた開閉可能なバルブを経由して各
室間で相互に基板8を搬送する基板搬送系10を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機エレクトロル
ミネッセンス(以下、単に「有機EL」とも称する)デ
ィスプレイパネルの製造装置(以下、単に「製造装置」
とも称する)、および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有機物層を含む発光デバイスであ
る有機エレクトロルミネッセンス素子が注目されてお
り、ディスプレイ等への利用に向けて研究が進められて
いる。かかる有機EL素子は、一般に、基板上に第一電
極、有機EL媒体、および第二電極を積層した構造を有
している。
【0003】一般に有機EL素子には、透明基板上に陽
極としてITO等を形成し、目的の形状にパターニング
してなる透明電極付基板が用いられる。かかる電極付基
板上に有機EL媒体および陰極を成膜する際には、まず
電極付基板をUV照射装置やプラズマ洗浄装置等により
洗浄し、その後、成膜を行なっている。
【0004】この際、洗浄後の電極付基板が大気に晒さ
れて、その表面に大気中の水分やダスト、有機物等が付
着することにより、基板表面が再び汚染されてしまう現
象が発生していた。この点を解消するために、特開平7
−142168号公報に示されるようにプラズマ処理を
行った後に同じ真空槽内で成膜を行う方法や、特開平8
−222368号公報に示されるように基板洗浄室にお
いてプラズマ表面処理をした後、大気に晒すことなく真
空成膜室に搬送し、この真空成膜室において成膜を行う
技術が公開されている。また、これらの技術に加え、特
開平9−232075号および特開平10−25597
2号公報に記載された技術に示されているように、基板
以外の範囲に付着した物質を除去して、基板表面に再付
着することを防ぐために、UV照射、イオン照射または
プラズマ処理を行う範囲を限定する技術が公開されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記技
術においては、電極付基板を洗浄する際に基板表面に発
生する処理ムラのために、有機ELディスプレイパネル
における表示面内での発光の均一性や、駆動時の劣化の
均一性が損なわれるという問題が生じていた。かかる処
理ムラを解決するために、処理に用いるUV光やプラズ
マの均一化を図り、処理ガスを洗浄室内で均一にする技
術が必要とされていた。
【0006】そこで本発明の目的は、上述の問題点を解
決し、特に長寿命で、発光特性の良好な有機エレクトロ
ルミネッセンスディスプレイパネルを作製する製造装置
および製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の製造装置は、基板を紫外線照射処理するた
めの洗浄室と、処理された基板上に薄膜を形成するため
の真空成膜室と、該洗浄室と該真空成膜室とを接続する
ための真空中間室とを少なくとも有する有機エレクトロ
ルミネッセンスディスプレイパネルの製造装置におい
て、前記洗浄室が真空排気系と、紫外線照射系と、基板
支持機構と、ガス供給系とを少なくとも有し、かつ、各
室間に設けられた開閉可能なバルブを経由して各室間を
相互に基板を搬送する機能を有することを特徴とするも
のである。
【0008】本発明の製造装置においては、前記洗浄室
が室内を所望の成分と圧力に制御するための真空排気系
とガス供給系とを備えることにより、基板面内で均質で
あり、かつ、処理バッチ間で再現性の高い洗浄処理が得
られる。
【0009】また、本発明においては、基板支持機構が
基板回転機能を有することが好ましい。このことによ
り、基板に対する紫外線照射系の照度ムラを小さくする
ことができる。
【0010】さらに、面状に配列された紫外線ランプを
紫外線照射源として用いることも有効である。例えば、
低圧水銀灯などのランプを用いる場合、直線状のランプ
を配列し平面状としたり、曲線状のランプを同心円状に
配列し円状としたりすることで、紫外線照射強度分布を
均質化することが可能である。また、上述の面状に配列
された紫外線ランプの基板と反対の面に、反射板を設け
ることも、照射強度均質化の有効な方法の一つである。
【0011】また、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンスディスプレイパネルの製造方法は、基板と、該基板
上に形成された複数の第一電極と、該第一電極を被覆す
る有機エレクトロルミネッセンス媒体と、該有機エレク
トロルミネッセンス媒体上に形成された複数の第二電極
とを備え、該第一電極と、該有機エレクトロルミネッセ
ンス媒体と、該第二電極との重なった部分をそれぞれ発
光画素とする有機エレクトロルミネッセンスディスプレ
イパネルの製造方法において、イ)前記基板上に前記第
一電極を形成する工程と、ロ)本発明の製造装置におけ
る洗浄室においてガス供給系より導入された酸素および
窒素の存在下、形成された第一電極付基板の上部に設け
られた紫外線ランプから紫外線を照射することにより該
第一電極付基板を洗浄する工程と、ハ)前記第一電極付
基板を大気に晒すことなく真空成膜室に移送する工程
と、ニ)前記真空成膜室において、洗浄された前記第一
電極付基板上に有機物層を含む薄膜を形成する工程と、
を含むことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。本発明に係る有機ELディス
プレイパネルは、マトリクス状に配置された複数の発光
画素を有するものであり、夫々の画素が赤、青、緑を表
示する場合や、同一色を表示する場合等を考えることが
できる。
【0013】かかる有機ELディスプレイパネルは、例
えば図2に示すように、透明基板31上に形成された複
数の第一電極(陽極)32と、第一電極32に直交する
複数の第二電極(陰極)34と、これらに挟持された有
機層33とから構成される。第一電極32と第二電極3
4との交差領域の発光部を1単位として1画素を形成
し、この画素を複数個配列させることにより表示部を形
成して、陽極および陰極を表示部から基板周囲へ延長し
て形成した接続部を介して、この表示部と外部駆動回路
とを接続することにより、画像表示装置が構成される。
【0014】この有機ELディスプレイパネルに応用さ
れる有機EL素子は、代表的には、基板と、この基板上
に成膜されたITO膜等からなる透明電極(陽極)と、
この透明電極上に成膜された有機物膜である正孔注入層
と、この正孔注入層上に成膜された有機物膜である発光
層と、この発光層上に成膜された有機物膜である電子注
入層と、この電子注入層上に成膜された電極(陰極)と
を備えている。尚、有機EL素子の構成は上記に限られ
ず、例えば、正孔注入層と発光層との間に正孔輸送層が
挿入された構成等も考えられる。
【0015】図1に、本発明の有機ELディスプレイパ
ネル製造装置の部分模式図を示す。かかる製造装置は、
電極付基板の洗浄を行うための洗浄室1と、処理された
電極付基板上に薄膜を形成するための真空成膜室(図示
せず)と、該洗浄室1と該真空成膜室とを接続するため
の真空中間室2と、前記真空成膜室と前記真空中間室2
との間および前記洗浄室1と前記真空中間室2との間の
各々に設けられた移送路9に付属する開閉可能なバルブ
3とを有して構成されている。
【0016】洗浄室1は、基板支持機構4と、真空排気
系5と、紫外線照射系6と、洗浄室の外部から処理ガス
を導入するガス供給系7とを有しており、このガス供給
系7から酸素および窒素等を洗浄室1内に導入して、例
えば、酸素の存在下、または酸素および窒素の存在下で
紫外線照射処理を行う。尚、基板支持機構4は、照度ム
ラを小さくするために、基板回転機能を有していること
が好ましい。
【0017】酸素の存在下、または酸素および窒素の存
在下で紫外線照射処理を行う効果として、以下のような
ことが挙げられる。陽極は一般的にフォトリソグラフ工
程によりパターニングされる。フォトリソグラフ工程で
用いられるフォトレジストは、溶剤等を用い剥離される
が完全には除去されず、陽極表面に僅かに付着してい
る。また、大気中で工程を行うために、炭化水素等が付
着してしまう。
【0018】この陽極表面に対して、紫外線照射を酸素
の存在下で行うことにより、雰囲気中にオゾンと原子状
酸素が生成する。陽極表面に残留しているフォトレジス
トや大気中から付着した炭化水素は、発生したオゾンお
よび原子状酸素と反応することにより、また紫外線を吸
収することにより、化学結合が切断され揮発除去され
る。このため、炭化水素のない清浄な陽極表面が得られ
る(例えば、特開平10−261484号公報参照)。
【0019】また、紫外線照射を酸素および窒素の存在
下で行うことにより、上述のようにして発生したオゾン
および原子状酸素は、雰囲気中の窒素と反応して窒素酸
化物を生じ、この窒素酸化物によって、陽極表面が修飾
される。この窒素酸化物の生成とその陽極表面への付着
は、時間飛行型二次イオン質量スペクトロスコピーによ
り確認することができる。これにより、清浄な陽極表面
が得られるとともに、有機EL媒体の透明導電膜への濡
れ性が改善され、発光特性が向上する。
【0020】例えば、正孔注入層として銅フタロシアニ
ン(CuPc)を用いた場合、CuPcの配向性が変化
する。また、面内で、緻密かつ成長が発生していると考
えられる。
【0021】このCuPcの膜成長の効果は、陽極表面
が窒素酸化物により修飾されている場合に、傾向が強
い。また、CuPcのみでなく、分子間のπ共役電子の
相関により導電性を示す他の有機化合物についても同様
の効果が観察されている。
【0022】尚、上述の紫外線照射を用いた窒素酸化物
修飾工程を終了した基板は、炭化水素化合物による再汚
染や水分の吸着を極力排除し、速やかに低分子蒸着膜形
成工程に用いられる蒸着装置内に導入することが好まし
い。
【0023】洗浄室1内における紫外線照射系6は、基
板8の表面に均一に紫外線を照射し得る機構を有するも
のとし、好適には、面状に配列された紫外線ランプ、例
えば、面状に配列された低圧水銀ランプや高圧水銀ラン
プを用いる。尚、図中の12は紫外線照射系の電源を示
す。
【0024】処理ガスとしては、上述したように、酸
素、好適には酸素および窒素を用いる。基板表面におけ
る気流のムラを小さくするためには、洗浄室1内を処理
ガスで満たして、一定圧力に保った後に紫外線照射を行
うことが望ましい。
【0025】また、本発明の装置においては、洗浄室1
が圧力調整のための真空バルブ18を備えていることが
好ましい。
【0026】洗浄室1には、真空排気系15を備えた真
空中間室2が併設され、バルブ3を備えた移送路9を介
して接続されている。また、真空中間室2にはさらに真
空成膜室(図示せず)およびロードロック室16を並設
可能であり、バルブを備えた移送路により同様に接続す
ることができる。移送路に開閉手段としてのバルブが設
けられていることにより、洗浄室1を大気中に開放する
ことなく、電極付基板1を、基板搬送系10により洗浄
室1から真空中間室2、ロードロック室16へと移送す
ることが可能となる。尚、本発明に係る基板搬送系10
は、各室間に設けられた開閉可能なバルブを経由して、
各室間で相互に基板を搬送する機能を有するものであ
る。また、図中の14、15および24、25は夫々、
真空中間室2およびロードロック室16に付属する基板
支持機構、真空排気系を表す。
【0027】真空成膜室は、真空成膜室を真空にするた
めの真空排気系と、蒸着材料を蒸発させる蒸着源と、こ
の蒸着源に対向して設けられた基板ホルダとを備え、有
機ELディスプレイパネルの有機EL媒体の成膜を行う
ことができるように構成されている。蒸着源は、蒸着材
料を入れるためのるつぼを有し、蒸着材料を入れたるつ
ぼを加熱することにより、基板ホルダに取り付けた基板
に有機EL媒体を蒸着することができる。
【0028】尚、本装置においては、同様な複数の真空
成膜室を、移送路およびバルブを介して連設し、各真空
成膜室において夫々の有機EL媒体を順次蒸着すること
も考えられる。
【0029】本装置に用いる基板搬送系10は、例えば
ベルト式のもの、またはトレイ式のものであってもよ
く、さらには、電極付基板を保持して移動させることの
できるアームを備えたロボットであってもよい。また、
装置全体の形態は、インライン形や、センターチャンバ
ーを中心として周囲に複数の真空成膜室および洗浄室を
配置したクラスタ形に構成することも可能である。
【0030】次に、図1に示す本実施形態の製造装置を
用いた有機ELディスプレイパネルの製造方法について
説明する。以下の方法においては、電極付基板を洗浄室
および真空成膜室へ順次移送して洗浄および成膜を行う
ことにより、ディスプレイパネルを連続的に製造するこ
とができる。
【0031】まず、基板上に透明電極を成膜し、フォト
リソグラフ工程等でパターニングして、電極付基板8を
作製する。次いで、ロードロック室16のバルブ23を
開き、電極付基板8を搬入口17からロードロック室1
6内に搬入し、基板ホルダ(図示せず)に装着する。搬
入後、バルブ23を閉めて、真空排気系25により、好
適には、ロードロック室16内の圧力が1.33×10
−3Pa未満になるまで排気する。尚、真空中間室とし
てのセンターチャンバー2および洗浄室1は、予め1.
33×10−3Pa未満まで排気しておくことが好まし
い。
【0032】次に、ロードロック室16とセンターチャ
ンバー2との間のバルブ13を開け、移送路19を通じ
て、電極付基板8を、ロボットアーム等によりロードロ
ック室16からセンターチャンバー2へ移送する。続い
てセンターチャンバー2と洗浄室1との間のバルブ3を
開けて移送路9を開放し、電極付基板8を、センターチ
ャンバー2からさらに洗浄室1内まで移送して、基板ホ
ルダに保持させる。この際、電極付基板8は、透明電極
側の面を紫外線照射系6側に向けるようにして装着す
る。続いてバルブ3を閉め、ガス供給系7から酸素およ
び窒素を夫々洗浄室1内に導入する。この際の洗浄室1
内の圧力は、4.00Pa〜大気圧になるように調整す
ることが好ましい。
【0033】次に、紫外線照射系6により紫外線を照射
して、電極付基板8を処理する。電極付基板8の表面
は、紫外線によって有機物からなる不純物が効率よく除
去されると共に、処理ガスに酸素と窒素の混合ガスを用
いることによって紫外線照射の際に発生する窒素酸化物
ガスにより電極表面が修飾されるため、有機EL媒体の
透明導電膜への濡れ性が変化して、発光特性が向上す
る。
【0034】紫外線による処理の後、洗浄室1を真空排
気して、洗浄された基板8をセンターチャンバー2へ移
送する。一方、真空成膜室の蒸着源には正孔注入層の蒸
着材料を入れたるつぼを装着しておく。次いで、センタ
ーチャンバー2と真空成膜室との間のバルブを開けて移
送路を開放して、洗浄後の電極付基板8を、基板搬送系
10により、移送路を通じてセンターチャンバー2から
真空成膜室内に移送して、基板ホルダに保持させる。こ
うすることにより、洗浄後の電極付基板8を、洗浄室1
から大気に晒されることなく真空成膜室に搬送すること
ができる。続いて、バルブを閉じて移送路を閉塞し、蒸
着源の正孔注入層の蒸着材料を加熱して蒸発させ、電極
付基板の陽極上に正孔注入層を成膜する。
【0035】さらに、正孔注入層の成膜と同様にして、
発光層、電子注入層および陰極を、順次各真空成膜室に
おいて成膜する。この際にも、真空成膜室間の電極付基
板8の搬送は、移送路を通じて、電極付基板8を大気に
晒すことなく行うことができる。
【0036】尚、複数の有機ELディスプレイパネルを
連続的に製造する場合には、洗浄を繰り返すことにより
洗浄室の内壁が徐々に汚染されるため、洗浄室の内部を
定期的に交換することが必要となることから、洗浄室1
を大気に晒すことなく内部を交換することのできる機構
を有していることが好ましい。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明する。実施例 ガラス透明基板上に、金属膜として膜厚300nmのM
oをスパッタ法により室温で成膜し、ポジ型フォトレジ
スト(OFPR−800、東京応化工業(株)製)をス
ピンコーターを用いて約1μmの厚さに塗布した後に、
温風循環式オーブンにてプリベークし、表示部でのピッ
チが110μm、幅が10μmであるパターンのフォト
マスクを用いて露光した。次いで、現像液(NMD−
3、東京応化工業(株)製)により現像した。しかる
後、燐酸、硝酸、酢酸の混合液を用いて、Mo膜のエッ
チングを行なった後、フォトレジストを剥離し、金属パ
ターンを形成した。
【0038】このMoパターンは、第一電極の外部信号
線との接続部まで配設させており、第一電極の抵抗を低
減するバスラインとして機能させてある。また、第二電
極の端子パッド部分に形成されている。
【0039】次に、この基板上に、第一電極として透明
導電性膜であるインジウム亜鉛酸化物(IDIXO、出
光興産(株)製)をスパッタリング法により室温で膜厚
約100nmに成膜した。次に、Moの場合と同様の方
法でレジストの形成を行ない、シュウ酸を用いてエッチ
ングを行なった後、フォトレジストを剥離し、第一電極
を形成した。インジウム亜鉛酸化物のパターンは、Mo
膜を完全に被覆するように形成されている。
【0040】次に、この基板上にネガ型フォトレジスト
(ZPN1100、日本ゼオン(株)製)をスピンコー
ターを用いて約5μmの厚さに塗布した後に、温風循環
式オーブンにてプリベークした。インジウム亜鉛酸化物
と直交するパターンのフォトマスクを用いて露光し、さ
らに温風循環式オーブンにてP.E.Bをしてから現像
を行い、電気絶縁性の隔壁を形成した。隔壁はピッチ3
30μm、幅30μmであった。
【0041】図1に示す製造装置のロードロック室16
を大気圧にし、ロードロック室16のバルブ23を開
き、上記電極付基板を搬入口17からロードロック室1
6内に搬入して、基板ホルダに装着した。この後、バル
ブ23を閉めて、真空排気系25により、ロードロック
室16内の圧力が1.33×10−3Pa未満になるま
で排気した。また、センターチャンバー2および洗浄室
1は予め1.33×10−3Pa未満まで排気しておい
た。
【0042】次いで、ロードロック室16とセンターチ
ャンバー2との間のバルブ13を開けて、ロボットアー
ム(図示せず)により電極付基板をロードロック室16
からセンターチャンバー2へ移動した。この後、センタ
ーチャンバー2と洗浄室1との間のバルブ3を開けて移
送路9を開放し、電極付基板をセンターチャンバー2か
ら移送路9を通じて洗浄室1内に移送し、基板ホルダに
保持させた。このとき、電極付基板は、透明電極側の面
を紫外線照射系6側に向けて装着した。続いて、バルブ
3を閉めてから、ガス供給系7から夫々酸素および窒素
を洗浄室1内に導入した。この際、洗浄室1内の圧力は
大気圧とし、酸素ガスと窒素ガスの比率は体積比にして
2:8とした。
【0043】次に、紫外線照射系6により紫外線を5分
間照射し、基板ホルダに装着された電極付基板を、10
rpmで回転させながら処理した。処理後、洗浄室1を
真空排気し、洗浄された基板をセンターチャンバー2へ
移動した。一方、真空成膜室(図示せず)の蒸着源には
正孔注入層の蒸着材料を入れたるつぼを装着しておい
た。次いで、センターチャンバー2と真空成膜室との間
のバルブを開けて移送路を開放し、ロボットアームによ
り、電極付基板をセンターチャンバー2から移送路を通
じて真空成膜室内に移送して基板ホルダに保持させた。
【0044】続いて、バルブを閉じて移送路を閉塞し、
正孔注入層の蒸着源としてのCuフタロシアニンを加熱
して蒸発させ、電極付基板の陽極上に正孔注入層を成膜
した。
【0045】この後、センターチャンバー2と真空成膜
室との間のバルブを開けて移送路を開放し、ロボットア
ームにより、電極付基板を、センターチャンバー2へ移
送した。
【0046】次いで、正孔注入層の成膜と同様にして、
正孔輸送層としてのN,N’−ジフェニル−N,N’−
ビス(3メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−
4,4’−ジアミンと、発光層としてのトリス(8−キ
ノリノール)アルミニウムと、陰極としてのMgAgと
を、夫々各真空成膜室において成膜した。
【0047】最後に、この基板を上記と同様の方法で封
止処理室へ移送し、基板の端部に室温硬化型接着剤を塗
布して、ガラス基板を貼り合せて封止を行った。
【0048】比較例 実施例と同様の方法で、透明電極付基板を洗浄室1内に
移送し、基板ホルダに保持させた。続いてバルブ3を閉
めてから、ガス供給系7から酸素のみを洗浄室1内に導
入し、大気圧とした。次に、紫外線照射系6により紫外
線を5分間照射し、電極付基板を処理した。
【0049】この後、実施例と同様な方法で、有機EL
媒体および陰極を成膜し、ガラス基板を張り合せて封止
を行った。
【0050】実施例と比較例の素子を比較すると、ダー
クスポット数、発光輝度の半減時間(初期輝度を100
cd/mとし、連続発光させたときの輝度が50cd
/mとなる時間)に大きな差は見られなかった。しか
し、実施例の素子においては、発光開始電圧の低下およ
び発光効率の向上の効果が見られた。
【0051】
【発明の効果】以上、本発明によれば、洗浄室内におけ
る処理ガスの流れ、紫外線の照度を均一にすることによ
り、電極付基板表面をムラなく洗浄することができ、長
寿命で、優れた発光特性を有する有機ELディスプレイ
パネルが得られる。
【0052】また、電極付基板洗浄と、有機EL媒体お
よび陰極の成膜とを、夫々洗浄室および真空成膜室に分
離することにより、連続生産におけるタクトタイムを短
縮することができる。
【0053】さらに、電極付基板を大気に晒すことなく
有機EL媒体の成膜が可能になるため、発光面内におけ
る未発光部分の発生を確実に抑制でき、優れた素子性能
を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機エレクトロルミネッセンスディス
プレイパネルの製造装置を示す部分模式図である。
【図2】有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパ
ネルの一例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 洗浄室 2 真空中間室(センターチャンバー) 3,13,23 バルブ 4,14,24 基板支持機構 5,15,25 真空排気系 6 紫外線照射系 7 ガス供給系 8 基板 9,19 移送路 10 基板搬送系 12 紫外線照射系の電源 16 ロードロック室 17 搬入口 18 真空バルブ
フロントページの続き (72)発明者 白石 洋太郎 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB11 AB18 CA01 CB01 DA01 DB03 EB00 FA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を紫外線照射処理するための洗浄室
    と、処理された基板上に薄膜を形成するための真空成膜
    室と、該洗浄室と該真空成膜室とを接続するための真空
    中間室とを少なくとも有する有機エレクトロルミネッセ
    ンスディスプレイパネルの製造装置において、 前記洗浄室が真空排気系と、紫外線照射系と、基板支持
    機構と、ガス供給系とを少なくとも有し、かつ、各室間
    に設けられた開閉可能なバルブを経由して各室間で相互
    に基板を搬送する基板搬送系を有することを特徴とする
    有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルの製
    造装置。
  2. 【請求項2】 前記基板支持機構が基板回転機能を有す
    る請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンスディス
    プレイパネルの製造装置。
  3. 【請求項3】 前記紫外線照射系が、面状に配列された
    紫外線ランプを少なくとも備える請求項1または2記載
    の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルの
    製造装置。
  4. 【請求項4】 基板と、該基板上に形成された複数の第
    一電極と、該第一電極を被覆する有機エレクトロルミネ
    ッセンス媒体と、該有機エレクトロルミネッセンス媒体
    上に形成された複数の第二電極とを備え、該第一電極
    と、該有機エレクトロルミネッセンス媒体と、該第二電
    極との重なった部分をそれぞれ発光画素とする有機エレ
    クトロルミネッセンスディスプレイパネルの製造方法に
    おいて、 イ)前記基板上に前記第一電極を形成する工程と、 ロ)請求項1〜3のうちいずれか一項記載の製造装置に
    おける洗浄室においてガス供給系より導入された酸素お
    よび窒素の存在下、形成された第一電極付基板の上部に
    設けられた紫外線ランプから紫外線を照射することによ
    り該第一電極付基板を洗浄する工程と、 ハ)前記第一電極付基板を大気に晒すことなく真空成膜
    室に移送する工程と、 ニ)前記真空成膜室において、洗浄された前記第一電極
    付基板上に有機物層を含む薄膜を形成する工程と、を含
    むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスディ
    スプレイパネルの製造方法。
JP11161647A 1999-06-08 1999-06-08 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルの製造装置および製造方法 Pending JP2000353593A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11161647A JP2000353593A (ja) 1999-06-08 1999-06-08 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルの製造装置および製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11161647A JP2000353593A (ja) 1999-06-08 1999-06-08 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルの製造装置および製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000353593A true JP2000353593A (ja) 2000-12-19

Family

ID=15739171

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11161647A Pending JP2000353593A (ja) 1999-06-08 1999-06-08 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルの製造装置および製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000353593A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004000987A1 (ja) * 2002-06-19 2003-12-31 Asahi Glass Company, Limited 有機el素子製造用蒸着装置のチャンバーの洗浄方法
JP2005158392A (ja) * 2003-11-25 2005-06-16 Pioneer Electronic Corp 有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法およびこれを用いる製造装置
CN100358109C (zh) * 2001-11-16 2007-12-26 郑光镐 用于大规模生产有机场致发光器件的设备
JP2009004104A (ja) * 2007-06-19 2009-01-08 Canon Inc 有機発光素子の製造方法
CN100452480C (zh) * 2004-04-08 2009-01-14 日本东北先锋公司 有机el元件的制造方法及制造装置
KR100942498B1 (ko) 2007-04-27 2010-02-12 캐논 가부시끼가이샤 유기발광장치의 제조방법
CN101789443A (zh) * 2010-03-08 2010-07-28 友达光电股份有限公司 像素结构及其制造方法以及电子装置的制造方法
KR101169055B1 (ko) * 2005-10-14 2012-07-26 엘지디스플레이 주식회사 유기 전계발광 표시소자 제조용 자외선 처리장치
JP2017152330A (ja) * 2016-02-26 2017-08-31 株式会社ジャパンディスプレイ 表示装置の製造方法、表示装置及び表示装置の製造装置
CN110783495A (zh) * 2018-07-24 2020-02-11 三星显示有限公司 显示装置制造方法及显示装置制造系统

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100358109C (zh) * 2001-11-16 2007-12-26 郑光镐 用于大规模生产有机场致发光器件的设备
WO2004000987A1 (ja) * 2002-06-19 2003-12-31 Asahi Glass Company, Limited 有機el素子製造用蒸着装置のチャンバーの洗浄方法
US7037380B2 (en) 2002-06-19 2006-05-02 Asahi Glass Company, Limited Method for cleaning chamber of deposition apparatus for organic EL device production
JP2005158392A (ja) * 2003-11-25 2005-06-16 Pioneer Electronic Corp 有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法およびこれを用いる製造装置
CN100452480C (zh) * 2004-04-08 2009-01-14 日本东北先锋公司 有机el元件的制造方法及制造装置
KR101169055B1 (ko) * 2005-10-14 2012-07-26 엘지디스플레이 주식회사 유기 전계발광 표시소자 제조용 자외선 처리장치
KR100942498B1 (ko) 2007-04-27 2010-02-12 캐논 가부시끼가이샤 유기발광장치의 제조방법
JP2009004104A (ja) * 2007-06-19 2009-01-08 Canon Inc 有機発光素子の製造方法
CN101789443A (zh) * 2010-03-08 2010-07-28 友达光电股份有限公司 像素结构及其制造方法以及电子装置的制造方法
JP2017152330A (ja) * 2016-02-26 2017-08-31 株式会社ジャパンディスプレイ 表示装置の製造方法、表示装置及び表示装置の製造装置
CN110783495A (zh) * 2018-07-24 2020-02-11 三星显示有限公司 显示装置制造方法及显示装置制造系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5072184B2 (ja) 成膜方法
JP4890654B2 (ja) 発光装置の作製方法及び成膜装置のクリーニング方法
JP4785269B2 (ja) 発光装置の作製方法及び成膜装置のクリーニング方法
TWI513075B (zh) 發光裝置的製造方法
JP4526776B2 (ja) 発光装置及び電子機器
JP4463492B2 (ja) 製造装置
JP3833066B2 (ja) 成膜装置、成膜方法及び表示装置の作製方法
TWI324184B (en) Method of fabricating light-emitting device and apparatus for manufacturing light-emitting device
KR100484702B1 (ko) 유기전기발광소자의제조방법
JP5166942B2 (ja) 発光装置の作製方法
KR101457653B1 (ko) 성막장치, 제조장치, 성막방법, 및 발광장치의 제조방법
JP4425438B2 (ja) El表示装置の作製方法
KR20030070534A (ko) 제조 시스템 및 발광장치의 제조방법
JPH10214682A (ja) 有機電界発光素子の製造装置及び製造方法
JP2000353593A (ja) 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイパネルの製造装置および製造方法
JP4252317B2 (ja) 蒸着装置および蒸着方法
JP4368633B2 (ja) 製造装置
JP4439827B2 (ja) 製造装置および発光装置の作製方法
US20080268136A1 (en) Method of producing organic light emitting apparatus
TWI429323B (zh) Organic electroluminescent element
JP2004288463A (ja) 製造装置
TW200901818A (en) Method of producing organic light emitting apparatus
JP2000340367A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法
JP4468328B2 (ja) El表示装置の作製方法
JP2003297549A (ja) 有機elディスプレイ及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040512

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041007