JP4005432B2 - 接客設備の緩衝構造 - Google Patents

接客設備の緩衝構造 Download PDF

Info

Publication number
JP4005432B2
JP4005432B2 JP2002203610A JP2002203610A JP4005432B2 JP 4005432 B2 JP4005432 B2 JP 4005432B2 JP 2002203610 A JP2002203610 A JP 2002203610A JP 2002203610 A JP2002203610 A JP 2002203610A JP 4005432 B2 JP4005432 B2 JP 4005432B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
buffer structure
customer service
sleeve partition
sleeve
passenger
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002203610A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004042807A (ja
Inventor
幸司 小美濃
宏明 白戸
綾乃 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Railway Technical Research Institute
Original Assignee
Railway Technical Research Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Railway Technical Research Institute filed Critical Railway Technical Research Institute
Priority to JP2002203610A priority Critical patent/JP4005432B2/ja
Publication of JP2004042807A publication Critical patent/JP2004042807A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4005432B2 publication Critical patent/JP4005432B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Passenger Equipment (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、客室内に設置された接客設備の棒状部材に乗客の胸部が衝突したときに、この乗客の胸部に加わる衝撃を緩和する接客設備の緩衝構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄道車両には、腰掛、握り棒、手すり、袖仕切りなどの種々の接客設備(車内設備)が設置されている。近年では、これらの接客設備の近代化や改善に対する社会的な要請が強く、乗客の利便性や快適性を考慮して接客設備の質の向上が図られており、接客設備の安全性については主として強度や耐久性が重要視されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
踏切内に閉じ込められた自動車などに列車が衝突(一次衝突)したときに、この衝突により生じた衝撃によって列車内の乗客が接客設備などに衝突(二次衝突)して傷害を負うことがある。列車事故の乗客被害調査報告には、傷害を負った乗客に関する特徴が明らかにされている。身体の傷害部位については、立位姿勢では頭部が20%を占めて最も多く、座位姿勢では胸部が48%を占めて最も多い。傷害を引き起こした加害物については、立位姿勢では床、支柱、人の3つで80%を占めており、座位姿勢では袖仕切りだけで64%を占めている。治療日数については、1ヶ月以上の重症は立位姿勢に多いが、座位姿勢についても1ヶ月程度の傷害が1週間以内の軽症と同程度の割合で発生している。座位姿勢で傷害を受けた乗客のうち座っていた位置が不明な者を除くと、24例中15例が衝突面寄りの袖仕切り脇に座っていたか、袖仕切りから離れて座っていたが袖仕切りとの間に空席があった乗客であった。しかも、1ヶ月程度又はそれ以上の治療日数を要した者は全てこの15例の中に含まれていた。このため、袖仕切り脇に座っていてこの袖仕切りによって胸部に重傷を負う乗客が多いと推察される。
【0004】
この発明の課題は、接客設備に乗客が衝突したときの安全性を向上させることができる接客設備の緩衝構造を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、客室内に設置された接客設備(2)の棒状部材(5)に乗客の胸部が衝突したときに、この乗客の胸部に加わる衝撃を緩和する接客設備の緩衝構造であって、前記棒状部材の一方の端部(5a)側を支持する支持部(7)と、前記棒状部材の他方の端部(5b)側を固定する固定部(8)とを備え、前記固定部は、前記棒状部材に前記乗客の胸部が衝突して、この棒状部材に 450 1120Nm の範囲内のトルクが加わったときに、前記支持部を支点(7c)としてこの棒状部材を開放することを特徴とする接客設備の緩衝構造(6,9)である。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の接客設備の緩衝構造において、前記固定部が前記棒状部材を開放したときに、前記支持部を中心とするこの棒状部材の回転角度を所定範囲内に規制する回転角度規制部(7d)を備えることを特徴とする接客設備の緩衝構造である。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の接客設備の緩衝構造において、前記固定部は、車両(1)の長さ方向に設置されたロングシート(3)の袖仕切り(5,11)を開放することを特徴とする接客設備の緩衝構造である。
【0008】
請求項4の発明は、請求項3に記載の接客設備の緩衝構造において、前記支持部は、前記袖仕切りの前記ロングシートの背ずり(3c)側を支持し、前記固定部は、前記袖仕切りの前記ロングシートの背ずり側とは反対側を固定することを特徴とする接客設備の緩衝構造(6,10)である。
【0009】
請求項5の発明は、請求項3に記載の接客設備の緩衝構造において、前記固定部は、前記袖仕切りの前記ロングシートの背ずり側(3c)を固定し、前記支持部は、前記袖仕切りの前記ロングシートの背ずり側とは反対側を支持することを特徴とする接客設備の緩衝構造(9,12)である。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の接客設備の緩衝構造において、前記固定部は、せん断応力が作用したときに破断するリベット(8e)を備えることを特徴とする接客設備の緩衝構造である。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る接客設備の緩衝構造を備える袖仕切りの外観図であり、図1(A)は正面図であり、図1(B)は平面図であり、図1(C)は左側面図である。
車両1は、電車や気動車などの鉄道車両である。車両1は、図1に示すように、床面1aと車両側面1bなどから構成されている。接客設備2は、乗客の利便性や快適性を図るために車両1内に設置された種々の設備である。接客設備2は、例えば、腰掛3、握り棒(つかみ棒)4、袖仕切り(袖仕切り棒)5などである。
【0012】
腰掛3は、乗客が腰を掛けるための設備である。図1に示す腰掛3は、車両1の長さ方向に沿って設置された縦形腰掛(ロングシート)である。腰掛3は、床面1aに固定される脚台3aと、この脚台3a上に支持される座ぶとん3bと、背もたれ部分を構成する背ずり(背ずりふとん)3cなどから構成されている。握り棒4は、立位姿勢の乗客が体を支えるためにつかまる設備であり、ステンレス製のパイプなどによって形成された棒状の部材である。握り棒4は、床面1aに対して垂直な方向に伸びた直線状のパイプ4aと、このパイプ4aから屈曲して床面1aに対して平行な方向に伸びた直線状のパイプ4bなどから構成されている。パイプ4bの先端部は、ねじ、ボルト又はリベットなどの固定部材によって車両側面1bに固定されている。
【0013】
袖仕切り5は、車両1の出入口や通路と腰掛3との間を仕切るための設備であり、車両1の客室内に設置されている。袖仕切り5は、ステンレス製のパイプなどによって形成された棒状の部材であり、腰掛3に乗客が座ったときにこの乗客の胸部の高さに位置する。袖仕切り5は、床面1aに対して平行な方向に伸びて配置されており、一方の端部5aは車両側面1b側に連結されており、他方の端部5bは握り棒4側に連結されている。
【0014】
図2は、この発明の第1実施形態に係る接客設備の緩衝構造の開放後の状態を示す外観図であり、図2(A)は正面図であり、図2(B)は平面図である。図3は、この発明の第1実施形態に係る接客設備の緩衝構造の外観図である。図4は、図3のIV-IV線で切断した状態を示す断面図である。図5は、この発明の第1実施形態に係る接客設備の緩衝構造の断面図であり、図5(A)は開放前の状態を示す断面図であり、図5(B)は開放後の状態を示す断面図である。
緩衝構造6は、袖仕切り5に乗客が衝突したときにこの乗客に加わる衝撃を緩和する構造である。緩衝構造6は、図2〜図5に示すように、支持部7と、固定部8などから構成されている。列車事故では、乗客が袖仕切り5と衝突したときにこの袖仕切り5を固定する部分が破壊され開放される事例があり、このような袖仕切り5の開放は乗客の胸部に加わる衝撃を抑える意味から望ましい状況であると考えられる。このため、緩衝構造6は、袖仕切り5の固定を積極的に開放して乗客が受ける衝撃を緩和する。
【0015】
支持部7は、袖仕切り5を支持する部分である。支持部7は、図3〜図5に示すように、取付部材7aと固定部材7b,7cなどから構成されている。支持部7は、図2に示すように、袖仕切り5の背ずり3c側(袖仕切り5の端部5a側)を支持している。
【0016】
取付部材7aは、袖仕切り5の端部5aを車両側面1bに取り付けるための金具である。取付部材7aは、図4に示すように、筒部7dとフランジ部7eとから構成されている。筒部7dは、端部5aが挿入される部分であり、筒部7dには貫通孔7fが形成されている。筒部7dの内径は、図5(A)に示すように、端部5aの外径よりも僅かに大きく長孔状に形成されており、筒部7dの内周部と端部5aの外周部との間には間隙d1 が形成されている。その結果、筒部7dは、図5(B)に示すように、袖仕切り5が開放されると端部5aと接触する。このため、筒部7dは、固定部8が袖仕切り5を開放したときに、支持部7を中心とする袖仕切り5の回転角度を所定範囲内に規制する回転角度規制部として機能する。フランジ部7eは、車両側面1bに固定される部分であり、筒部7dと一体に形成されている。フランジ部7eには等間隔に4つの貫通孔7gが形成されている。固定部材7bは、取付部材7aを車両側面1bに固定するためのねじであり、貫通孔7gをそれぞれ貫通して車両側面1bにねじ込まれている。
【0017】
固定部材7cは、袖仕切り5の端部5aを筒部7dに回転可能に連結(ヒンジ結合)するためのねじである。固定部材7cは、端部5aに等間隔に2つ形成された貫通孔5c,7fを貫通して筒部7dの内周面に先端部がねじ込まれている。固定部材7cは、図5(B)に示すように、袖仕切り5が開放されたときにこの袖仕切り5の回転中心(支点)となる。固定部材7cの外径は、図5(A)に示すように、貫通孔5cの内径よりも僅かに小さく形成されており、固定部材7cの外周部と貫通孔5cの内周部との間には間隙d2 が形成されている。このため、図5(B)に示すように、袖仕切り5が開放されたときにフランジ部8kからフランジ部8gが間隙d2 分だけ離間可能になり、固定部材7cを支点として袖仕切り5が容易に回転する。
【0018】
固定部8は、袖仕切り5を固定する部分である。固定部8は、袖仕切り5に設定値を越える衝撃が加わったときに支持部7を支点としてこの袖仕切り5を開放する。固定部8は、図2に示すように、袖仕切り5の背ずり3c側とは反対側(袖仕切り5の端部5b側)を固定している。固定部8は、図3〜図5に示すように、取付部材8a,8bと、固定部材8c,8dと、締結部材8eとから構成されている。
【0019】
取付部材8a,8bは、袖仕切り5の端部5bを握り棒4に取り付けるための部材である。取付部材8aは、図4及び図5に示すように、筒部8fとフランジ部8gとから構成された金具である。筒部8fは、袖仕切り5の端部5bと嵌合する部分であり、筒部8fには貫通孔8hが形成されている。フランジ部8gは、取付部材8b側のフランジ部8kと接合する部分であり、筒部8fと一体に形成されている。フランジ部8gには、等間隔に4つの貫通孔8iが形成されている。取付部材8bは、筒部8jとフランジ部8kとから構成された金具である。筒部8jは、握り棒4と嵌合する部分であり、筒部8jには等間隔に3つの貫通孔8mが形成されている。フランジ部8kは、取付部材8a側のフランジ部8gと接合する部分であり、筒部8jと一体に形成されている。フランジ部8kには、等間隔に4つの貫通孔8nが形成されている。固定部材8cは、袖仕切り5の端部5bを取付部材8aに固定するねじであり、筒部8fの貫通孔8hを貫通して端部5bの貫通孔5dに先端部がねじ込まれている。固定部材8dは、取付部材8bを握り棒4に固定するねじであり、筒部8jの貫通孔8mを貫通して握り棒4の貫通孔4cにねじ込まれている。
【0020】
締結部材8eは、せん断応力が作用したときに破断するリベットである。締結部材8eは、フランジ部8g側の貫通孔8iとフランジ部8k側の貫通孔8nとを貫通した状態でかしめられており、フランジ部8gとフランジ部8kとを締結する。締結部材8eは、袖仕切り5に乗客が衝突して設定値を越えるせん断応力が作用したときに破断して、フランジ部8kからフランジ部8gを分離させる。
【0021】
図6は、この発明の第1実施形態に係る接客設備の緩衝構造におけるシミュレーションの一例を示す斜視図であり、図6(A)は衝突直前の状態を示し、図6(B)は衝突後の状態を示す。図7は、この発明の第1実施形態に係る接客設備の緩衝構造のシミュレーションにおいて乗客に作用させた衝撃波の波形図である。図8は、この発明の第1実施形態に係る接客設備の緩衝構造のシミュレーションによる固定開放トルクと胸部傷害値との関係を示すグラフである。
【0022】
袖仕切り5を開放するのに必要なトルク(以下、固定開放トルクという)を0〜2000Nmの間で変化させたときに、自動車の安全評価に使用される指標である胸部傷害値の大きさがどのように変化するかをシミュレーションにより調査した。シミュレーションには、TNO社のMADYMO Ver5.2を使用した。図6(A)は、衝突直前(時刻t=0)の状態であり、図6(B)は衝突後0.07秒後の状態であり、図中向かって右側が衝突面である。図7に示すように、乗客モデルに作用させる衝撃加速度はピーク値が98m/s2 の台形波とした。図8に示すように、固定開放トルクを1270Nm以上に設定した場合には、袖仕切り5が開放されないままであり高い胸部傷害値を示している。一方、固定開放トルクを1270Nm以下に設定した場合には、胸部傷害値がより低い値を示している。その結果、シミュレーションでは、袖仕切り5を開放することによって胸部傷害値を低下させることが確認された。また、図8に示すように、固定開放トルクを450〜1120Nmの範囲内に設定した場合には、特に優れた衝撃緩和の効果があることが確認された。
【0023】
次に、この発明の第1実施形態に係る接客設備の緩衝構造の動作を説明する。衝突事故などによって腰掛3に座っている乗客が袖仕切り5と衝突するとこの袖仕切り5に衝撃力が作用して、図5(A)に示す固定部材7cを支点とするトルクTが発生する。このトルクTが固定開放トルクを超える場合には、締結部材8eに作用するせん断応力によってこれらの締結部材8eが破断して袖仕切り5を固定部8が開放する。図5(B)に示すように、フランジ部8kからフランジ部8gが分離して固定部材7cを中心として袖仕切り5が図中A方向に回転すると、この袖仕切り5の端部5aが筒部7dの内周面と接触して、袖仕切り5が所定角度だけ回転して停止する。その結果、乗客の胸部に加わる衝撃が緩和され抑えられる。なお、車両1の出入口の脇で袖仕切り5を背にして立っている乗客がこの袖仕切り5と衝突したときには、図5(B)に示すB方向に袖仕切り5が回転して乗客に加わる衝撃が緩和される。
【0024】
この発明の第1実施形態に係る接客設備の緩衝構造には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、設定値を越える衝撃が袖仕切り5に加わったときに、袖仕切り5を支持する支持部7を支点としてこの袖仕切り5を固定部8が開放する。その結果、袖仕切り5に乗客が衝突したときに乗客に加わる衝撃が緩和され抑えられるため、列車事故による乗客の傷害が軽減し車両1の安全性を向上させることができる。また、袖仕切り5を支持部7が支持した状態で固定部8が開放するため、袖仕切り5が脱落して他の乗客などに衝突する事故を防止することができる。
【0025】
(2) この第1実施形態では、固定部8が袖仕切り5を開放したときに、支持部7を中心とする袖仕切り5の回転角度を所定範囲内に筒部7dが規制する。このため、衝突時や混雑時などの衝撃によって袖仕切り5が開放されたときに、この袖仕切り5が大きく回転して他の乗客に衝突するのを防止することができる。
【0026】
(3) この第1実施形態では、車両1の長さ方向に設置された腰掛3の袖仕切り5を固定部8が開放する。その結果、座位姿勢の乗客に発生する傷害を低減することができる。特に、ロングシートに座っている乗客が袖仕切り5に衝突したときに発生する胸部傷害を低減することができる。
【0027】
(4) この第1実施形態では、袖仕切り5の背ずり3c側を支持部7が支持し、袖仕切り5の背ずり3c側とは反対側を固定部8が固定する。その結果、袖仕切り5を簡単に開放させて衝撃を緩和することができるとともに、既存の袖仕切り5を部分的に改良するだけで安全性を向上させることができる。
【0028】
(5) この第1実施形態では、せん断応力が作用したときに破断する締結部材8eを固定部8が備える。その結果、設定値を超える衝撃が袖仕切り5に作用したときにこの袖仕切り5を固定部8から簡単に開放することができるとともに、設定値を下回る僅かな衝撃が袖仕切り5に加わっただけで固定部8が不用意に開放するのを防止することができる。また、この第1実施形態では、締結部材8eとしてリベットを使用するので、袖仕切り5を簡単に固定することができるとともに、破断後のリベットを新しいリベットに交換して袖仕切り5を復元することができる。
【0029】
(第2実施形態)
図9は、この発明の第2実施形態に係る接客設備の緩衝構造の開放後の状態を示す外観図であり、図9(A)は正面図であり、図9(B)は平面図である。図10は、この発明の第2実施形態に係る接客設備の緩衝構造の外観図である。図11は、図10のXI-XI線で切断した状態を示す断面図である。図12は、この発明の第2実施形態に係る接客設備の緩衝構造の断面図であり、図12(A)は開放前の状態を示す断面図であり、図12(B)は開放後の状態を示す断面図である。以下では、図3〜図8に示す部分と同一の部分については、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図9〜図12に示す緩衝構造9は、図3〜図8に示す緩衝構造6と異なり、袖仕切り5の背ずり3c側(袖仕切り5の端部5a側)を固定部8によって固定し、袖仕切り5の背ずり3c側とは反対側(袖仕切り5の端部5b側)を支持部7によって支持する構造である。この緩衝構造9では、図12に示すように、袖仕切り5の背ずり3c側とは反対側(握り棒4側)が支点であり袖仕切り5の背ずり3c側が開放される。この第2実施形態には、第1実施形態と同様の効果がある。
【0030】
(第3実施形態)
図13は、この発明の第3実施形態に係る接客設備の緩衝構造の構成図であり、図13(A)は側面図であり、図13(B)は図13(A)のXIIIB部分の断面図であり、図13(C)は図13(A)のXIIIC部分の断面図である。
図13に示す緩衝構造10は、袖仕切り(袖仕切り板)11の端部11d側を支持部7によって3箇所で支持し、袖仕切り11の端部11e側を固定部8によって1箇所で固定する構造である。袖仕切り11は、金属製のフレーム11aと、このフレーム11aの両側に貼り付けられた化粧板11bと、このフレーム11aの外周面を覆う化粧板11cなどから構成されている。
【0031】
(第4実施形態)
図14は、この発明の第4実施形態に係る接客設備の緩衝構造の構成図であり、図14(A)は側面図であり、図14(B)は図14(A)のXIVB部分の断面図であり、図14(C)は図13(A)のXIVC部分の断面図である。
図14に示す緩衝構造12は、図13に示す緩衝構造10と異なり、袖仕切り11の端部11d側を固定部8によって固定し、袖仕切り11の端部11e側を支持部7によって支持する構造である。
【0032】
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、接客設備2として袖仕切り5,11を例に挙げて説明したがこれに限定するものではない。例えば、車両1の出入口の脇に設置された手すり、車両1の床面1aと天井との間に設置された握り棒、横形腰掛(クロスシート)の背ずりの通路側に設置された取っ手などについてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、袖仕切り5,11が袖仕切り棒や袖仕切り板の場合を例に挙げて説明したが、上下に間隔をあけて袖仕切り板と袖仕切り棒とを備える袖仕切りについてもこの発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、腰掛3の長さ方向の両端部に袖仕切り5,11を設置した場合を例に挙げて説明したが、腰掛3の長さ方向の中央部に設置された袖仕切りについてもこの発明を適用することができる。
【0033】
(2) この実施形態では、衝撃加速度がピーク値98m/s2 の台形波である場合の固定開放トルクの設定範囲を例示したが、想定される衝撃加速度の大きさや衝撃波形の形状などに応じて、固定開放トルクを最適な範囲に設定することができる。また、この実施形態では、列車事故などによって袖仕切り5,11に乗客が衝突した場合を例に挙げて説明したが、混雑時に接客設備2に乗客が押し付けられて衝撃を受けた場合についてもこの発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、鉄道車両に設置された接客設備2を例に挙げて説明したが、航空機、船舶、バスなどの他の交通機関についてもこの発明を適用することができる。
【0034】
(3) この実施形態では、袖仕切り5,11を回転可能に支持部7側で支持しているが、袖仕切り5,11が開放されたときに固定部8側を自由端としてこの袖仕切り5,11が撓むように、車両側面1b又は握り棒4と袖仕切り5,11とを一体に固定してもよい。また、この実施形態では、締結部材8eとしてリベットを例に挙げて説明したが、設定値を超えるせん断応力によって破断可能なねじやボルトなどの他の固定部材を使用してもよい。さらに、この実施形態では、筒部7dによって袖仕切り5,11の回転角度を一定範囲内に規制しているが、端部5a,5b,11d,11eが貫通可能な長孔を有するカバーを車両側面1b又は握り棒4に設置してこの袖仕切り5,11の回転角度を規制してもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によると、接客設備の安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係る接客設備の緩衝構造を備える袖仕切りの外観図であり、(A)は正面図であり、(B)は平面図であり、(C)は左側面図である。
【図2】この発明の第1実施形態に係る接客設備の緩衝構造の開放後の状態を示す外観図であり、(A)は正面図であり、(B)は平面図である。
【図3】この発明の第1実施形態に係る接客設備の緩衝構造の外観図である。
【図4】図3のIV-IV線で切断した状態を示す断面図である。
【図5】この発明の第1実施形態に係る接客設備の緩衝構造の断面図であり、(A)は開放前の状態を示す断面図であり、(B)は開放後の状態を示す断面図である。
【図6】この発明の第1実施形態に係る接客設備の緩衝構造におけるシミュレーションの一例を示す斜視図であり、(A)は衝突直前の状態を示し、(B)は衝突後の状態を示す。
【図7】この発明の第1実施形態に係る接客設備の緩衝構造のシミュレーションにおいて乗客に作用させた衝撃波の波形図である。
【図8】この発明の第1実施形態に係る接客設備の緩衝構造のシミュレーションによる固定開放トルクと胸部傷害値との関係を示すグラフである。
【図9】この発明の第2実施形態に係る接客設備の緩衝構造の開放後の状態を示す外観図であり、(A)は正面図であり、(B)は平面図である。
【図10】この発明の第2実施形態に係る接客設備の緩衝構造の外観図である。
【図11】図10のXI-XI線で切断した状態を示す断面図である。
【図12】この発明の第2実施形態に係る接客設備の緩衝構造の断面図であり、(A)は開放前の状態を示す断面図であり、(B)は開放後の状態を示す断面図である。
【図13】この発明の第3実施形態に係る接客設備の緩衝構造の構成図であり、(A)は側面図であり、(B)は(A)のXIIIB部分の断面図であり、(C)は(A)のXIIIC部分の断面図である。
【図14】この発明の第4実施形態に係る接客設備の緩衝構造の構成図であり、(A)は側面図であり、(B)は(A)のXIVB部分の断面図であり、(C)は(A)のXIVC部分の断面図である。
【符号の説明】
1 車両
2 接客設備
3 腰掛
3a 脚台
3b 座ぶとん
3c 背ずり
4 握り棒
5,11 袖仕切り
6,9,10,12 緩衝構造
7 支持部
7c 固定部材
7d 筒部(回転角度規制部)
8 固定部
8e 締結部材

Claims (6)

  1. 客室内に設置された接客設備の棒状部材に乗客の胸部が衝突したときに、この乗客の胸部に加わる衝撃を緩和する接客設備の緩衝構造であって、
    前記棒状部材の一方の端部側を支持する支持部と、
    前記棒状部材の他方の端部側を固定する固定部とを備え、
    前記固定部は、前記棒状部材に前記乗客の胸部が衝突して、この棒状部材に 450 1120Nm の範囲内のトルクが加わったときに、前記支持部を支点としてこの棒状部材を開放すること、
    を特徴とする接客設備の緩衝構造。
  2. 請求項1に記載の接客設備の緩衝構造において、
    前記固定部が前記棒状部材を開放したときに、前記支持部を中心とするこの棒状部材の回転角度を所定範囲内に規制する回転角度規制部を備えること、
    を特徴とする接客設備の緩衝構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の接客設備の緩衝構造において、
    前記固定部は、車両の長さ方向に設置されたロングシートの袖仕切りを開放すること、
    を特徴とする接客設備の緩衝構造。
  4. 請求項3に記載の接客設備の緩衝構造において、
    前記支持部は、前記袖仕切りの前記ロングシートの背ずり側を支持し、
    前記固定部は、前記袖仕切りの前記ロングシートの背ずり側とは反対側を固定すること、
    を特徴とする接客設備の緩衝構造。
  5. 請求項3に記載の接客設備の緩衝構造において、
    前記固定部は、前記袖仕切りの前記ロングシートの背ずり側を固定し、
    前記支持部は、前記袖仕切りの前記ロングシートの背ずり側とは反対側を支持すること、
    を特徴とする接客設備の緩衝構造。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の接客設備の緩衝構造において、
    前記固定部は、せん断応力が作用したときに破断するリベットを備えること、
    を特徴とする接客設備の緩衝構造。
JP2002203610A 2002-07-12 2002-07-12 接客設備の緩衝構造 Expired - Fee Related JP4005432B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002203610A JP4005432B2 (ja) 2002-07-12 2002-07-12 接客設備の緩衝構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002203610A JP4005432B2 (ja) 2002-07-12 2002-07-12 接客設備の緩衝構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004042807A JP2004042807A (ja) 2004-02-12
JP4005432B2 true JP4005432B2 (ja) 2007-11-07

Family

ID=31709433

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002203610A Expired - Fee Related JP4005432B2 (ja) 2002-07-12 2002-07-12 接客設備の緩衝構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4005432B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007153075A (ja) * 2005-12-02 2007-06-21 Kinki Sharyo Co Ltd 鉄道車両用接客設備の飾り縁構造
JP5164099B2 (ja) * 2008-02-27 2013-03-13 近畿車輌株式会社 鉄道車両
JP5223074B2 (ja) * 2008-07-10 2013-06-26 近畿車輌株式会社 鉄道車両
JP5191980B2 (ja) * 2009-11-19 2013-05-08 公益財団法人鉄道総合技術研究所 鉄道車両運転衝撃事故時の乗客被害低減用袖仕切り装置
JP2012180029A (ja) * 2011-03-02 2012-09-20 Railway Technical Research Institute 袖仕切り板の取り付け方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004042807A (ja) 2004-02-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5252155B2 (ja) チェアリフトのチェア
US3897974A (en) Cantilevered seat for motorcoach vehicles or the like
MXPA02005379A (es) Bastidor de asiento amortiguador de choques para vehiculos.
US20060152065A1 (en) Vehicle seat
RU2689922C2 (ru) Узел подлокотника транспортного средства и способ обеспечения опоры для поворачиваемого подлокотника в транспортном средстве
JP4005432B2 (ja) 接客設備の緩衝構造
US20050264053A1 (en) Automotive Seat Assembly With Improved Side Impact Rigidity
US2245899A (en) Guard arm for protection of passengers in motor vehicles
US6394492B1 (en) Bus seat safety restraint
US3899211A (en) Cantilevered seat for motorcoach vehicles or the like
CN106627623B (zh) 一种新型铁路客车纵向卧铺组成
CN113928359B (zh) 一种铁路客车翻转卧铺及其使用方法
USRE29271E (en) Cantilevered seat for motorcoach vehicles or the like
DE10349929A1 (de) Nackenstütze an der Kopfstütze
EP1657121A1 (en) Security partition for passenger cars
JP5164099B2 (ja) 鉄道車両
JP5223074B2 (ja) 鉄道車両
DE2330950A1 (de) Verfahren und vorrichtung fuer motorverkehrsmittel z.b. auto und dgl. und fuer eisenbahn und flugzeuge zu verwenden ist, um einen schnellen arbeitseinsatz, hilfeleistung und mehr schutz fuer den menschen und um gefahren und unfaelle auch bei menschlichen versagen zu verhindern
RU2620145C1 (ru) Адаптивное транспортное кресло с активными спинкой и подголовником
JP2007153075A (ja) 鉄道車両用接客設備の飾り縁構造
JP2002096728A (ja) 鉄道車両の運転室構造
JP3756789B2 (ja) 乗り物用シート
US11584277B1 (en) Reduced-impact-and-recoil headrest
Fisher et al. Development of an Australian Standard for wheelchair occupant restraint assemblies for motor vehicles
JP2012180029A (ja) 袖仕切り板の取り付け方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070522

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070712

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070821

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070823

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100831

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110831

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110831

Year of fee payment: 4

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110831

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees