JP4004966B2 - 噴射弁用アンカ部のメッキ処理方法 - Google Patents

噴射弁用アンカ部のメッキ処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4004966B2
JP4004966B2 JP2003007248A JP2003007248A JP4004966B2 JP 4004966 B2 JP4004966 B2 JP 4004966B2 JP 2003007248 A JP2003007248 A JP 2003007248A JP 2003007248 A JP2003007248 A JP 2003007248A JP 4004966 B2 JP4004966 B2 JP 4004966B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
anchor portion
anchor
valve
plating
masking jig
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003007248A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004218009A (ja
Inventor
典洋 矢出
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2003007248A priority Critical patent/JP4004966B2/ja
Publication of JP2004218009A publication Critical patent/JP2004218009A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4004966B2 publication Critical patent/JP4004966B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば硬質クロムメッキ等の電解メッキを燃料噴射弁のアンカ部に施すようにした噴射弁用アンカ部のメッキ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車用エンジン等に用いられる燃料噴射弁は、ケーシング内に変位可能に設けられた弁体を、電磁コイル等のアクチュエータで開,閉弁させることにより、前記ケーシング内に供給される燃料をエンジンの燃焼室等に向けて噴射するものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−8990号公報
【0004】
この種の従来技術による噴射弁は、電磁アクチュエータの作動によって開,閉される弁体が、ケーシング側の弁座に離着座する弁部と、一方の端部が該弁部に固着され他方の端部が噴射弁のコア筒に突当たる突当て面となった筒状のアンカ部とにより構成されている。
【0005】
そして、弁体のアンカ部は、磁性材料からなる筒体を冷間鍛造、切削加工等の手段を用いて所要形状に成形した後に、アンカ部の前記突当て面から外周側にかけて硬質クロムメッキ等の電解メッキによるメッキ層を形成し、アンカ部の耐摩耗性等を高めるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術による噴射弁用アンカ部は、電解メッキを行う場合に、例えば外径マスキング治具を用いてアンカ部を外側から部分的に覆い、この状態でアンカ部をメッキ浴槽内に浸漬して電気分解反応を生じさせることにより、当該アンカ部の前記突当て面から外周側にかけて硬質クロムメッキ等のメッキ層を形成する構成としている。
【0007】
しかし、従来技術では、電解メッキ処理の段階でメッキ浴槽内の溶液中から電気分解による水素ガスが発生し、この水素ガスが筒状のアンカ部内を通過するときにアンカ部の端面(特に、前記突当て部の内周側部位)に流れる電流が部分的に遮蔽されることがあり、アンカ部の突当て面に形成されるメッキ層は、その膜厚が不均一となってしまう。
【0008】
このため、従来技術によるアンカ部は、弁体の開,閉弁に伴ってその突当て面が噴射弁のコア筒に繰返し突当たる間に、早期摩耗等が発生し易く、例えば硬質クロムメッキ等によるアンカ部の耐摩耗性を十分には確保することができないという問題がある。
【0009】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、弁体のアンカ部に均一なメッキ層を形成することができ、アンカ部の耐摩耗性を向上できるようにした噴射弁用アンカ部のメッキ処理方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明による噴射弁用アンカ部のメッキ処理方法は、アンカ部の外周側に外径マスキング治具を取付け、該アンカ部の内周側には内径マスキング治具を取付ける治具取付工程と、前記各治具を取付けた状態で前記アンカ部をメッキ浴槽内に浸漬し、当該アンカ部に電解メッキを行う電解メッキ工程とを含み、前記内径マスキング治具は、前記メッキ浴槽内の溶液中から発生した水素ガスが前記アンカ部内を突当て面側に向けて通過するのを遮断するように、前記アンカ部内に嵌合して取付けている。
【0011】
このようなメッキ処理方法を採用することにより、電解メッキ工程でメッキ浴槽内の溶液中から電気分解による水素ガスが発生しても、この水素ガスが筒状のアンカ部内に流通するのを、該アンカ部の内周側に嵌合して取付けた内径マスキング治具により抑えることができ、例えばアンカ部の突当て面に流れる電流が水素ガスの影響によって遮蔽されるのを防止できる。このため、アンカ部の突当て面に均一な膜厚のメッキ層を形成することができ、アンカ部の耐摩耗性を確実に向上することができる。
【0012】
また、請求項2の発明によると、内径マスキング治具は、少なくとも表面側が電気絶縁性材料により形成され、突当て面側からアンカ部内に嵌合して取付けられる栓状体からなる構成としている。
【0013】
この場合には、栓状体からなる内径マスキング治具を突当て面側からアンカ部内に嵌合して取付けることにより、電解溶液中から発生した水素ガスがアンカ部内を突当て面側に向けて通過するのを遮断できる。また、内径マスキング治具は電気的に絶縁されているので、アンカ部の内径面に余分な電流が流れるのを遮蔽でき、突当て面側の電流密度を高めてメッキ層の密着性、耐摩耗性等を向上することができる
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による噴射弁用アンカ部のメッキ処理方法を、自動車用エンジンの燃料噴射弁に適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0017】
ここで、図1ないし図5は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は燃料噴射弁の外殻をなす弁ケーシングで、該弁ケーシング1は、後述の磁性筒体2、ヨーク5、樹脂カバー8等を含んで構成されている。
【0018】
2は弁ケーシング1の本体部分を構成する段付き筒状の磁性筒体で、該磁性筒体2は、例えば磁性を有するステンレス材料等の素材に例えば深絞り等のプレス加工を施すことにより、段付き形状をなす薄肉な金属パイプとして形成されている。
【0019】
そして、磁性筒体2は、軸方向の一側が大径部2Aとなり、軸方向の中間部が該大径部2Aよりも小径な中径部2Bとなり、軸方向の他側は該中径部2Bよりも小径な小径部2Cとなる段付筒体として形成されている。また、磁性筒体2内は燃料通路3となり、該燃料通路3内を燃料は、大径部2A側から小径部2C側に向けて流通するものである。
【0020】
4は磁性筒体2の大径部2A側に設けられた燃料フィルタで、該燃料フィルタ4は、大径部2Aの流入口側に圧入等の手段を用いて挿嵌され、外部から燃料通路3内に供給される燃料を濾過して清浄化するものである。
【0021】
5は磁性筒体2の中径部2B、小径部2Cの外周側に設けられたヨークで、該ヨーク5は、例えば磁性金属材料を用いて段付筒状に形成され、磁性筒体2等と共に弁ケーシング1を構成するものである。
【0022】
6は磁性筒体2の中径部2Bとヨーク5との間に設けられた連結コアで、該連結コア6は、ヨーク5と同様の磁性金属材料等を用いて略C字状に形成され、磁性筒体2の中径部2Bを外側から取囲むように設けられている。
【0023】
7は磁性筒体2とヨーク5との間に設けられた電磁コイルで、該電磁コイル7は、磁性筒体2、ヨーク5および後述のコア筒10と共に電磁アクチュエータを構成するものである。そして、電磁コイル7は、後述のコネクタ9を用いて外部から通電されたときに励磁され、ヨーク5、連結コア6、磁性筒体2、コア筒10および後述のアンカ部15等を通じて閉磁路を形成するものである。
【0024】
8は磁性筒体2の大径部2A、中径部2Bの外周側に設けられた樹脂カバーを示し、該樹脂カバー8は、磁性筒体2の外周側にヨーク5、連結コア6、電磁コイル7等を組付けた状態で、金型(図示せず)内に絶縁性樹脂材料を射出成形することにより形成される。また、樹脂カバー8には、電磁コイル7に給電するコネクタ9等が一体に成形されている。
【0025】
10は磁性筒体2の内周側に圧入して設けられたコア筒で、該コア筒10は、例えば磁性金属材料等により段付筒状に形成されている。そして、コア筒10は電磁コイル7への通電により励磁されると、後述するアンカ部15の吸着部15Bを弁ばね18のばね力に抗して磁気的に吸着するものである。
【0026】
また、コア筒10は、磁性筒体2の中径部2B内に圧入されることにより、その先端面が後述するアンカ部15の突当て面15Cに軸方向の隙間Sを挟んで対向している。そして、コア筒10は、軸方向の隙間Sにより弁体13のリフト量(弁開度)を規制するものである。
【0027】
11はコア筒10の下流側に位置して磁性筒体2の小径部2C内に設けられた筒状の弁座部材で、該弁座部材11には、図1に示す如く、燃料通路3内の燃料を外部に噴射する噴射口11Aと、該噴射口11Aを取囲んでロート状(テーパ状)に形成され燃料が流通する弁座11Bとが設けられている。
【0028】
12は弁座部材11の噴射口11Aを覆うように弁座部材11に設けられたノズルプレートで、該ノズルプレート12は、図1に示す如く弁座部材11の先端面に溶接手段を用いて固着され、弁座部材11の噴射口11Aと連通する複数のノズル孔12Aを有している。
【0029】
13はコア筒10と弁座部材11との間に位置して磁性筒体2の小径部2C内に変位可能に設けられた弁体で、該弁体13は、後述のアンカ部15と、アンカ部15の下流側端部に設けられ弁座部材11の弁座11Bに離着座する球状の弁部14とにより構成されている。
【0030】
15は弁部14と共に弁体13を構成する段付筒状のアンカ部で、該アンカ部15は、図1、図2に示す如く一方の端部(燃料通路3の下流側端部)が弁部14に溶接手段等を用いて固着された小径な筒状の軸部15Aと、該軸部15Aの上流側(軸方向一側)に位置してコア筒10と軸方向で対向しコア筒10側に吸着される大径な筒状の吸着部15Bとにより大略構成されている。
【0031】
また、吸着部15Bの端面は、吸着時にコア筒10に突当たる突当て面15Cとなり、吸着部15Bの外周面は、磁性筒体2の小径部2C内を軸方向に摺動する摺動面15Dとなっている。そして、これらの突当て面15Cおよび摺動面15Dには、耐摩耗性を高めるために後述のメッキ層16が形成されている。
【0032】
また、吸着部15Bの内側には、ばね収容部15Eが形成され、該ばね収容部15E内には後述の弁ばね18が配設されている。一方、アンカ部15の軸部15Aには、一対の通油孔15F(一方のみ図示)が径方向に穿設され、該通油孔15Fは、燃料通路3内の燃料を弁部14側に向けて流通させるものである。
【0033】
16はアンカ部15の吸着部15Bに形成されたメッキ層で、該メッキ層16は、例えば硬質クロムメッキ等の電解メッキ処理を後述の如く施すことにより形成され、図2、図3に示すように吸着部15Bの突当て面15Cから摺動面15Dにわたる部位を外側から被覆しているものである。
【0034】
そして、弁体13が磁性筒体2内を軸方向に摺動変位して弁座11Bに離着座するときに、メッキ層16は、吸着部15Bの突当て面15C、摺動面15Dに耐摩耗性を与え、突当て面15Cがコア筒10の端面に繰返し突当たる間に摩耗するのを防ぐと共に、摺動面15Dが磁性筒体2内を摺動変位することによる摺動摩耗も抑えるものである。
【0035】
17はコア筒10の内周側に圧入等の手段により固定された筒状のばね受、18は該ばね受17と共に磁性筒体2内に設けられた弁ばねで、該弁ばね18は、図1に示すように弁体13とばね受17との間に圧縮状態で配設され、弁体13を閉弁方向に常時付勢している。
【0036】
次に、21はアンカ部15のメッキ処理に用いる外径マスキング治具で、該外径マスキング治具21は、図4に示す如くアンカ部15の軸部15Aが内周側に挿入される有底筒状体として形成され、上端側の段付開口部21A内にはアンカ部15の吸着部15B下端側が嵌合して取付けられるものである。
【0037】
また、外径マスキング治具21の底部21Bには、後述するメッキ浴槽23内の溶液24が流出入する流出入穴21Cが穿設されている。また、外径マスキング治具21には、後述のカソード25を挿入するための挿入穴21Dが径方向に形成されている。
【0038】
ここで、外径マスキング治具21は、金属材料により形成され、図5に示す如くアンカ部15等と共にメッキ浴槽23の溶液24中に沈漬されるものである。なお、外径マスキング治具21は、全体を電気絶縁性材料等により形成してもよい。
【0039】
22はアンカ部15のメッキ処理に用いる内径マスキング治具で、該内径マスキング治具22は、図4に示す如くアンカ部15の吸着部15B内に嵌合して取付けられる栓状体として形成され、その上端側には内径マスキング治具22を吸着部15B内から脱着するための摘み部22Aが設けられている。
【0040】
そして、内径マスキング治具22は、表面側が電気絶縁性材料により被覆された金属材料により形成され、図5に示す如くアンカ部15、外径マスキング治具21等と共にメッキ浴槽23の溶液24中に沈漬されるものである。なお、内径マスキング治具22は、溶液24中から浮上がらない程度の重量が必要となるもので、重量を確保できる材料であれば全体を電気絶縁性材料により形成してもよい。
【0041】
23はアンカ部15のメッキ処理に用いるメッキ浴槽で、該メッキ浴槽23内には、例えば硬質クロムメッキを行うための電解液等からなる溶液24が貯留されている。そして、メッキ浴槽23の溶液24中には、数十個(例えば、50〜90個)の単位でアンカ部15がマスキング治具21,22と共に浸漬され、それぞれのアンカ部15に対する電解メッキが一括して施されるものである。
【0042】
25は外径マスキング治具21の挿入穴21Dに差込まれる陰極部としてのカソードで、該カソード25は、先端側がアンカ部15に当接され、アンカ部15全体を例えばアース電位に保つものである。
【0043】
26は陽極部となるアノードで、該アノード26は、図5に示す如くカソード25との間で直流電源27に接続され、メッキ浴槽23の溶液24中に浸漬されるものである。そして、アノード26は、カソード25側のアンカ部15との間に図5中に矢印Eで示すような電界を形成し、溶液24内で電気分解反応を生じさせることにより、アンカ部15(吸着部15Bの突当て面15Cから摺動面15D)に図2に示すメッキ層16を形成するものである。
【0044】
本実施の形態による燃料噴射弁は、上述の如き構成を有するもので、次に、アンカ部15のメッキ処理方法について図4、図5を参照して説明する。
【0045】
まず、アンカ部15の成形工程では、アンカ部15の素材となる磁性材料製の筒体を、冷間鍛造、切削加工等の手段を用いて所要形状に成形し、図4に示す如く軸部15A、吸着部15B、突当て面15C、摺動面15D、ばね収容部15Eおよび一対の通油孔15Fを有したアンカ部15を形成する。
【0046】
そして、治具取付工程では、アンカ部15の軸部15Aを外径マスキング治具21内に挿入し、吸着部15Bの下端側を外径マスキング治具21の段付開口部21A内に嵌合して取付ける。また、アンカ部15の吸着部15B内には、突当て面15C側からばね収容部15E内に向けて内径マスキング治具22を押込むように嵌合して取付ける。
【0047】
これにより、アンカ部15の軸部15Aおよび吸着部15Bの下端側を、外径マスキング治具21により径方向外側からマスクすることができ、アンカ部15の吸着部15B内を、内径マスキング治具22により内側からマスクすることができる。
【0048】
このため、吸着部15Bのばね収容部15E内は、内径マスキング治具22によって閉塞され、アンカ部15の軸部15A側から吸着部15B内に向けて、例えば図4中の矢示H方向に後述の水素ガス等が流通するのを遮断できるものである。
【0049】
次に、電解メッキ工程では、マスキング治具21,22が取付けられたアンカ部15を、図5に示すメッキ浴槽23内の溶液24中に浸漬し、カソード25とアノード26との間に直流電源27による電界を、図5中に矢印Eで示すように形成する。
【0050】
これにより、メッキ浴槽23内の溶液24中では、電気分解反応が生じて硬質クロムメッキからなるメッキ層16が、アンカ部15の突当て面15Cから摺動面15Dにかけて連続的に形成されている。そして、このメッキ層16は、マスキング治具21,22ではマスクされず、溶液24中に露出したアンカ部15の突当て面15Cから摺動面15Dにわたり、均一な膜厚をもって形成されるものである。
【0051】
また、電解メッキ処理が完了した後には、アンカ部15をマスキング治具21,22と共にメッキ浴槽23内から取出し、外径マスキング治具21をカソード25と共にアンカ部15の軸部15Aから取外す。また、内径マスキング治具22は、摘み部22Aを用いて吸着部15B内から抜取るように取外す。
【0052】
そして、このようにメッキ層16が形成されたアンカ部15には、図2に示すように軸部15Aの先端側に球形の弁部14をレーザ溶接等の手段を用いて固着し、これによって弁体13を完成させる。また、燃料噴射弁の組立工程では、磁性筒体2内に弁体13を、コア筒10、弁ばね18および弁座部材11等と共に組付けて噴射弁全体を図1に示す如く組立てる。
【0053】
次に、本実施の形態による燃料噴射弁の作動について説明する。まず、コネクタ9側から電磁コイル7に通電すると、例えばコア筒10等が励磁されることにより、弁体13のアンカ部15とコア筒10との間の隙間Sを通過する閉磁路が形成される。
【0054】
この結果、弁体13は、コア筒10によって磁気的に吸着され、弁ばね18に抗して軸方向に変位し、その弁部14が弁座部材11の弁座11Bから離座して開弁する。これにより、燃料通路3内に供給される燃料は、噴射口11Aからエンジンの吸気管、燃焼室(図示せず)等に向けて噴射される。
【0055】
一方、電磁コイル7への通電を停止すると、弁体13のアンカ部15とコア筒10との間の磁力が失われるので、弁体13の弁部14は、弁ばね18の付勢力により弁座部材11の弁座11Bに着座し、噴射口11Aを閉塞(閉弁)する。
【0056】
かくして、本実施の形態によれば、弁体13のアンカ部15に対しメッキ処理施す場合に、アンカ部15の軸部15A外周側には外径マスキング治具21を取付け、吸着部15Bの内周側には内径マスキング治具22を嵌合して取付ける治具取付工程を実行し、その後の電解メッキ工程で、アンカ部15をメッキ浴槽23の溶液24中に浸漬し、アンカ部15の突当て面15Cから摺動面15Dにかけてメッキ層16を形成するようにしている。
【0057】
これにより、電解メッキ工程でメッキ浴槽23内の溶液24中から電気分解による水素ガスが発生しても、この水素ガスが筒状のアンカ部15内で図4中の矢示H方向に流通するのを内径マスキング治具22によって抑えることができ、アンカ部15の突当て面15Cに流れる電流が水素ガスの影響等で遮蔽されるのを防止できる。
【0058】
また、内径マスキング治具22は、外径マスキング治具21と同様に電気絶縁性材料を用いて形成しているので、アンカ部15の内径面(例えば、ばね収容部15E内)等に余分な電流が流れるのを遮蔽でき、アンカ部15の突当て面15Cおよび摺動面15Dに均一な膜厚のメッキ層16を形成できると共に、突当て面15C側の電流密度を高めてメッキ層16の密着性、耐摩耗性等を向上することができる。
【0059】
従って、本実施の形態によれば、栓状体からなる内径マスキング治具22を突当て面15C側からアンカ部15の吸着部15B内に嵌合して取付けることにより、電解用の溶液24中から発生した水素ガスがアンカ部15の吸着部15B内を突当て面15C側に向けて通過するのを遮断でき、これによってアンカ部15の突当て面15Cに均一な膜厚のメッキ層16を形成することができる。
【0060】
そして、弁体13が磁性筒体2内を軸方向に摺動変位して弁座11Bに離着座するときには、メッキ層16によりアンカ部15の突当て面15C、摺動面15Dに十分な耐摩耗性を与えることができ、突当て面15Cがコア筒10の端面に繰返し突当たる間に摩耗、損傷されるのを長期にわたって防ぐことができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態による燃料噴射弁を示す縦断面図である。
【図2】 図1中の弁体を拡大して示す縦断面図である。
【図3】 図2に示す弁体の要部拡大図である。
【図4】 外径マスキング治具と内径マスキング治具をアンカ部に取付けた状態を示す縦断面図である。
【図5】 メッキ浴槽内にアンカ部を浸漬して電解メッキを施している状態を示す断面図である
【符号の説明】
1 弁ケーシング
2 磁性筒体
3 燃料通路
5 ヨーク
7 電磁コイル
10 コア筒
11 弁座部材
11A 噴射口
11B 弁座
13 弁体
14 弁部
15 アンカ部
15A 軸部
15B 吸着部
15C 突当て面
15D 摺動面(外周側)
16 メッキ層
17 ばね受
18 弁ばね
外径マスキング治具
内径マスキング治具
23 メッキ浴槽
25 カソード(陰極部)
26 アノード(陽極部)

Claims (2)

  1. 一方の端部が弁座に離着座する弁部に固着され他方の端部が噴射弁のコア筒に突当たる突当て面となった筒状のアンカ部に対し、当該アンカ部の前記突当て面から外周側にかけて電解メッキを施してなる噴射弁用アンカ部のメッキ処理方法であって、
    前記アンカ部の外周側に外径マスキング治具を取付け、該アンカ部の内周側には内径マスキング治具を取付ける治具取付工程と、
    前記各治具を取付けた状態で前記アンカ部をメッキ浴槽内に浸漬し、当該アンカ部に電解メッキを行う電解メッキ工程とを含み、
    前記内径マスキング治具は、前記メッキ浴槽内の溶液中から発生した水素ガスが前記アンカ部内を突当て面側に向けて通過するのを遮断するように、前記アンカ部内に嵌合して取付けてなる噴射弁用アンカ部のメッキ処理方法。
  2. 前記内径マスキング治具は、少なくとも表面側が電気絶縁性材料により形成され、前記突当て面側から前記アンカ部内に嵌合して取付けられる栓状体からなる請求項1に記載の噴射弁用アンカ部のメッキ処理方法。
JP2003007248A 2003-01-15 2003-01-15 噴射弁用アンカ部のメッキ処理方法 Expired - Fee Related JP4004966B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003007248A JP4004966B2 (ja) 2003-01-15 2003-01-15 噴射弁用アンカ部のメッキ処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003007248A JP4004966B2 (ja) 2003-01-15 2003-01-15 噴射弁用アンカ部のメッキ処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004218009A JP2004218009A (ja) 2004-08-05
JP4004966B2 true JP4004966B2 (ja) 2007-11-07

Family

ID=32897403

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003007248A Expired - Fee Related JP4004966B2 (ja) 2003-01-15 2003-01-15 噴射弁用アンカ部のメッキ処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4004966B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6937664B2 (ja) * 2017-10-27 2021-09-22 日立Astemo株式会社 ロッドの製造方法およびマスキング治具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004218009A (ja) 2004-08-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4591593B2 (ja) 燃料噴射弁
US7097151B2 (en) Electromagnetic fuel injection valve
EP2570648A1 (en) Electromagnetic fuel-injection valve
JP6481708B2 (ja) 燃料噴射弁
TWI231341B (en) Electromagnetic fuel injection valve
JPH10220319A (ja) 燃料噴射弁
EP1452717B1 (en) Fuel injection valve
JP4004966B2 (ja) 噴射弁用アンカ部のメッキ処理方法
JP4577654B2 (ja) 電磁駆動装置およびこれを用いた燃料噴射弁
JP6339389B2 (ja) 燃料噴射弁
JP2007247519A (ja) 燃料噴射弁およびその製造方法
JP2002004013A (ja) 電磁弁用コア
JP2001329928A (ja) インジェクタ
JP5003509B2 (ja) 電磁弁の製造方法
JP2010203411A (ja) 内燃機関用燃料噴射弁および燃料噴射弁を内燃機関本体に固定する固定部材
JP2004301051A (ja) 電磁式燃料噴射弁
JPH11247739A (ja) 電磁式燃料噴射弁
JP2009174423A (ja) 燃料噴射弁
JP5482272B2 (ja) 燃料噴射弁
JP2007182903A (ja) 燃料噴射弁
JP5578258B2 (ja) 燃料噴射弁
JP2006057638A (ja) 燃料噴射弁
JP2009167870A (ja) 燃料噴射弁
JP3798952B2 (ja) 燃料噴射弁
JP6137296B2 (ja) 燃料噴射弁

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20041216

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050914

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050914

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050926

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070403

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070508

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070706

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070731

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070822

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100831

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100831

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100831

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees