JP4004286B2 - ガラス成形体の成形用型、及びそれを用いたガラス光学素子の製造方法 - Google Patents

ガラス成形体の成形用型、及びそれを用いたガラス光学素子の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラスのプレス成形に使用する成形型と、それを用いたガラス光学素子の製造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス素材を成形型内でプレス成形して高精度のガラス光学素子を製造するための技術については種々の検討がなされている。例えば、ガラス素材をプレス成形するための成形型として、成形面が炭化ケイ素(SiC)や窒化ケイ素等から成る成形型が知られている。また特公平4−61816号公報は、炭化ケイ素から成る成形型の表面にスパッタ法で硬質炭素膜を形成した成形型を開示している。さらに特開平2−199036号公報には、表面がCVD法により成膜した炭化ケイ素から成る基盤上に、イオンプレーティング法によりi−カーボン膜を被覆した成形型が開示されている。また特開平6−191864号公報には、i−カーボン膜と、硬質炭素膜を順次積層した成形型の加工面が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
炭化ケイ素、窒化ケイ素等は、高温硬度、高温強度等の優れた材料であり、成形型の素材として適している。例えばCVD法で成形型の表面を製作すれば、気孔等の欠陥がなく緻密であり、研磨することにより非常に平滑な鏡面を得ることができる。こうした素材は、高温での耐酸化性が高い。耐酸化性が高いというのは、その極表面が酸化し、それが深さ方向に進行しにくいものである。しかしながら、その極表面に数10オングストローム程度の酸化物の層が生成し、プレス成形のために軟化したガラス素材により、ガラスの融着が発生しやすい問題がある。更に、プレス成形後の冷却の際に成形型のところどころに応力集中が起こるため、成形型の表層がスポット状にえぐり取られる現象(以下、この現象をプルアウトと呼ぶ)が発生することがある。
【0004】
前記特公平4−61816号公報や特開平2−199036号公報に開示されたように、スパッタ法やイオンプレーティング法により炭素系薄膜で成形型の炭化ケイ素または窒化ケイ素表面を被膜することは、離型性を向上し、融着及びプルアウトを防ぐために有効な手段である。炭化ケイ素や窒化ケイ素と炭素系薄膜の付着力は強い。そして、非酸化性雰囲気中で軟化ガラスをプレスすると、炭素系薄膜に対してガラスの融着が起きず、離型性がよい。このため、炭素系薄膜を被覆した成形型はプレスレンズ用成形型として有効に使用される。しかしながら、成膜技術で常に問題になるのは成形型のプレス成形面の全面にわたって、無欠陥で完全な成膜を行うことが生産技術上難しいことである。ミクロ的に見ると数ヶ所に異物の付着があったり、膜ヌケが存在したりする。このため、プルアウトを完全には防ぎきれない。
【0005】
更に、プレスを繰り返すうちに、炭素系薄膜は酸化されて消耗する。すなわち、プレス成形の雰囲気を非酸化性雰囲気にした場合でも、ガラス内外の水分や酸素による酸化を完全に防ぐことは困難なため、炭素系薄膜の酸化、消耗が起き、これがプルアウトの原因となる。そこで、ある期間、或いはあるプレス回数の経過後、炭素系薄膜を剥離除去して、新たな炭素系薄膜を形成する再生作業を行う必要がある。こうした努力を行っても、ある確率でプルアウトが発生することになる。
【0006】
また、ガラス成分が炭素系薄膜に拡散してSiCとの付着力が弱まり、膜剥離を起こす可能性もある。膜剥離を起こすとプレスによってガラスがSiCに融着し、冷却時の応力発生によってSiCがスポット状にえぐり取られるプルアウトが起きる。
プルアウトが発生すると、得られたガラス光学素子は欠陥を有して不良品となる。また、高価な成形型は最早使用できなくなる。尚、特開平8-277127号公報はガラスの組成や特性面からプルアウト低減を目指したものである。
【0007】
上記のとおり、炭素系薄膜やガラス組成により、ある程度の融着やプルアウトの現象を抑えることはできるが、依然としてガラス光学素子の不良品を防ぐためには、炭素系薄膜の再生等の型メンテナンスを相当頻度で行ったとしても、早晩融着やプルアウトが発生し、精度の高い光学素子の生産性上の問題となっていた。また、プルアウトが起きてしまうと、炭素系薄膜を再生しても、型自体が使用に耐えなくなるため、生産コストの面でも大きな課題であった。
【0008】
元来、SiCはガラスに比してはるかに強度が高い。にもかかわらず、上述したように例えばガラスが融着した際、又は冷却によって応力が集中した際にガラスに負けてえぐりとられる現象が起き、成形精度や型寿命を損なう。この点につき、本発明者は以下を見出した。例えばCVD法により作られたSiC(以下、CVD−SiCと記す)をダイヤモンド等で研削及び/又は研磨すると、研削キズや研磨キズが見られる。キズの下にはわずかにマイクロクラックがあり、またCVD−SiCは粒成長しているため粒界もあるものとみられた。こうした微細なキズやマイクロクラックは、型素材、例えばSiCの表面強度に影響し、力がかかった場合にSiC表面がえぐりとられてしまう。ホットプレス法による炭化ケイ素においても、同種の問題が存在し、粒子脱落による型の劣化が著しい。
【0009】
本発明は、このような知見に基づいて成されたものであり、成形面又はその近傍に用いられる素材の表面自体を強化することによって上記の課題を解決し、成形されるガラス素子の欠陥を防止すると共に、成形面の精度を良好に維持しながら、成形型の耐用期間を向上させることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討の結果、下記の成形型およびガラス光学素子の製造方法により、プルアウトの発生が抑えられ、成形型の寿命が飛躍的に延びるとともに、形状精度及び面精度の高いガラス光学素子を効率良く生産できることを見出した。
【0011】
すなわち、本発明の第1の態様によれば、少なくとも成形面又は成形面近傍が、炭化ケイ素又は窒化ケイ素から成るガラス成形体用の成形型であって、前記炭化ケイ素又は窒化ケイ素から成る部分が、研削後研磨され、所定の形状精度とRmaxで25nm以下の表面粗さの球面又は非球面に加工された後、1500〜2000℃の熱処理を施されたものであることを特徴とする成形型が提供される。
【0012】
また、本発明の第2の態様によれば、少なくとも成形面又は成形面近傍が、炭化ケイ素又は窒化ケイ素から成るガラス成形体用の成形型であって、前記炭化ケイ素又は窒化ケイ素から成る部分が、研削により所定の形状精度とRmaxで100nm以下の表面粗さの球面又は非球面に加工された後、1500〜2000℃の熱処理を施され、冷却された後に、該球面又は非球面を研磨されることによりRmaxで25nm以下の炭化ケイ素面又は窒化ケイ素面が作製されたものであることを特徴とする成形型が提供される。
【0013】
また、本発明の第3の態様によれば、少なくとも成形面又は成形面近傍が、炭化ケイ素又は窒化ケイ素から成るガラス成形体用の成形型であって、前記炭化ケイ素又は窒化ケイ素から成る部分が、研削及び研磨により所定の形状精度とRmaxで50nm以下の表面粗さの球面又は非球面に加工された後、1500〜2000℃の熱処理を施され、冷却された後に、該球面又は非球面を研磨されることによりRmaxで25nm以下の炭化ケイ素面又は窒化ケイ素面が作製されたものであることを特徴とする成形型が提供される。
【0014】
また、本発明の第4の態様によれば、第1〜第3のいずれかの態様による成形型において、前記成形面又は成形面近傍が、炭化ケイ素から成ることを特徴とする成形型が提供される。
【0015】
また、本発明の第5の態様によれば、第4の態様による成形型において、前記成形面又は成形面近傍が、CVD法により作られた炭化ケイ素から成ることを特徴とする成形型が提供される。
【0016】
また、本発明の第6の態様によれば、第1〜第5のいずれかの態様による成形型において、前記熱処理が非酸化雰囲気下で行われたことを特徴とする成形型が提供される。
【0017】
また、本発明の第7の態様によれば、第1〜第6のいずれかの態様による成形型において、前記成形面に炭素系薄膜が形成されていることを特徴とする成形型が提供される。
【0018】
また、本発明の第8の態様によれば、少なくとも成形面又は成形面近傍が、CVD法で作られた炭化ケイ素から成るガラス成形体用の成形型であって、前記炭化ケイ素から成る部分が、1500〜2000℃の熱処理を施されたものであることを特徴とする成形型が提供される。
【0019】
また、本発明の第9の態様によれば、第1〜第8のいずれかの態様による成形型を用いて、加熱軟化した被成形ガラス素材を加圧成形することにより、前記成形型の成形面を前記被成形ガラス素材に転写する工程を含むガラス光学素子の製造方法も提供される。
【0020】
ここで、成形面とは、被成形ガラス素子が接する、成形型の面をいう。
【0021】
成形面又は成形面近傍が炭化ケイ素又は窒化ケイ素から成る、との意味は、成形面が炭化ケイ素又は窒化ケイ素から成っていてもよく、炭化ケイ素又は窒化ケイ素から成る部分の上に更に製法の異なる炭化ケイ素や窒化ケイ素、又は他の組成による層や膜が施されていても良いということである。
好ましくは、成形型の表面に炭素系薄膜を施すことにより、離型性が向上するばかりでなく、融着やプルアウトが更に防止される。
【0022】
本発明では、少なくとも成形面又は成形面近傍がCVD法で作られた炭化ケイ素から成ることが好ましい。成形面又は成形面近傍のみがCVD法による炭化ケイ素から成っていてもよく、また成形型の基盤自体もCVD法による炭化ケイ素から成っていてもよい。前者の場合には、CVD法による炭化ケイ素から成る部分以外の成形型の素材に特に限定はなく、公知のものを適宜使用できる。例えば、超硬合金などの基盤材料上に直接又は中間層を介して炭化ケイ素からなる薄膜をCVD法によって成膜してもよい。超硬合金としては、炭化タングステンなどがある。型の基盤を焼結SiCとし、成形面近傍をCVD−SiCとする態様もある。好ましくは、CVD法による炭化ケイ素から成る基盤材料を用い、その成形面には上記した炭素系薄膜が施されていることが好適である。
【0023】
炭化ケイ素以外の基盤材料上にCVD法による炭化ケイ素薄膜を形成する場合、その膜厚を0.02[μm]〜2[μm]とするのが好ましい。また炭化ケイ素焼結体上にCVD法で厚膜を形成してもよい。
【0024】
前記炭素系薄膜は、非晶質および/または結晶質の、グラファイト構造および/またはダイヤモンド構造の単一成分層または混合層からなる炭素薄膜が融着防止性に特に優れているので好ましい。スパッタ法、イオンプレーティング法などにより施されることができる。重層構造にしても良い。好ましくは、イオンプレーティング法によるiカーボン層に、スパッタ法による硬質炭素膜を積層して成形膜を作製する。
【0025】
前記炭素系薄膜の膜厚は、消耗しにくく、効果が長続きする点から、0.02[μm]以上が好ましい。また、厚すぎると剥離しやすくなるので、0.5[μm]以下が好ましい。上記した積層の場合には、その合計がこの範囲に入ることが好ましい。このとき、i-カーボンの膜厚は、0.01[μm]〜0.49[μm]が好ましく、更には0.2[μm]以下が好ましい。これは、0.01[μm]以上のときに、非常に均一な膜生成が可能となり、0.2[μm]以下であることにより、歪のない、特に型密着性の良い膜が得られるからである。
硬質炭素膜の膜厚は、0.005[μm]〜0.2[μm]とするのが好ましい。その理由は、上記同様、最も膜質が高いからである。
【0026】
本発明の型を用いて、ガラス光学素子を成形する際は、炭化ケイ素又は窒化ケイ素部分、好ましくはCVD法で作られた炭化ケイ素部分を研削及び/又は研磨して、所定の形状精度と表面粗さを有する球面または非球面に加工している。ここで所定の形状精度とは、光学レンズとして要求される面精度のことで、例えばニュートン±3本、アス、クセが0.5本以内である。
【0027】
また、表面粗さはRmax25[nm]以下としてから本発明の熱処理を行う、又はRmax100[nm]以下としてから本発明の熱処理を行い、冷却後に成形面の研磨によりRmax25[nm]以下の面を作製すると、高精度の成形面を作製することが可能である。高精度の成形面の表面粗さは、好ましくは、10[nm]以下、更に好ましくは5[nm]以下である。
【0028】
ここでいう表面粗さRmaxは、JISの定義に従ったものを指す。すなわち、Rmaxは、表面粗さ規格のうち最大高さによるものを表わす。最大高さとは、断面曲線から基準長だけ抜き取った部分の平均線に平行な2直線で抜き取り部分を挟んだとき、この2直線の間隔を断面曲線の縦倍率の方向に測定した値を表わす。但し、通常はマイクロメートル(μm)の単位で表記するが、本願では数値が小さいためナノメートル(nm)の単位で表記した。尚、本発明実施例においては、接触式の測定機により測定した。
【0029】
本発明の成形型および製造方法により成形される被成形ガラス素材に特に限定されないが、バリウムホウケイ酸塩光学ガラスなどが、特に有効に用いられる。これらのガラス素材は、融着やプルアウトを起こしやすいが、本発明により、型寿命を損なうことなく、高精度での成形が可能となったものの例である。
【0030】
ガラス組成は例えば、ガラス成分として、
SiO2を30〜55wt%、
23を5〜30wt%
(但しSiO2とB23との合量が56〜70wt%でSiO2/B23の重量比が1.3〜12.0)、
Li2Oを7〜12wt%(但し7wt%は含まない)、
Na2Oを0〜5wt%、
2Oを0〜5wt%
(但しLi2OとNa2OとK2Oとの合量が7〜12wt%(但し7wt%は含まない))、
BaOを10〜30wt%、
MgOを0〜10wt%、
CaOを0〜20wt%、
SrOを0〜20wt%、
ZnOを0〜20wt%
(但しBaOとMgOとCaOとSrOとZnOとの合量が10〜30wt%)、
含有するガラスであって、前記ガラス成分のうちSiO2、B23、Li2OおよびBaOの合量が72wt%以上であり、TeO2を含まないことを特徴とする光学ガラスが好適に用いられる。
【0031】
又は、上記のガラスであって更に、
Al23を1〜7.5wt%、
25を0〜3wt%、
La23を0〜15wt%、
23を0〜5wt%、
Gd23を0〜5wt%、
TiO2を0〜3wt%、
Nb25を0〜3wt%、
ZrO2を0〜5wt%、
PbOを0〜5wt%、を
含有するガラスが好適に用いられる。
【0032】
具体的な被成形ガラス素材としては、SiO2を37.8wt%、B23を24.0wt%、Al23を5.3wt%、Li2Oを8.5wt%、CaOを5.0wt%、BaOを16.1wt%、La23を3.3wt%、As23を0.5wt%、Sb23を0.2wt%を含み、ガラス転移点Tgが500℃のものがある。
【0033】
また、具体的な被成形ガラス素材としては、SiO2を47.2wt%、B23を11.5wt%、Al23を3.2wt%、Li2Oを7.3wt%、K2Oを1.8wt%、BaOを21.8wt%、ZnOを5.0wt%、La23を2.2wt%、As23を0.5wt%含み、ガラス転移点Tgが495℃のもの等がある。
【0034】
本発明において熱処理は、1500℃〜2000℃で行なわれる。1500℃以上の熱処理により、拡散接合によるプルアウト防止効果が有為に認められ、また2000℃以下とすることで、成形型の外径寸法、成形面形状などを損なうことなく熱処理の効果が得られる。更に、本発明の熱処理は、1500℃〜2000℃で行うが、好ましくは1600℃〜1800℃である。
【0035】
本発明の成形型および製造方法は、製造するガラス光学素子の形状に特に限定はなく、広範囲の形状および用途に適用できる。特に、コバの薄い扁平な形状の凸メニスカスレンズに有効に用いられる。また、用途としては、例えばビデオカメラ用、デジタルカメラ用の光学素子が挙げられる。
【0036】
本発明の熱処理は、非酸化性雰囲気で行われることが好ましい。非酸化性雰囲気としては、例えばアルゴン、窒素、水素等を使用できる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
図1は、実施例による成形型を示す断面概略図であり、(a)はプレス直前の状態を示し、(b)はプレス中の状態を示す。
この成形型1では、上型2の成形面2aが非球面、下型3の成形面3aが球面となっている。これら一対の型2,3は、いずれもCVD法によるSiCから成り、その成形面2a,3aにはそれぞれ、i−カーボン膜21,31、及び硬質炭素膜22,32がこの順に積層されている。
【0038】
尚、図1において、符号4は一対の型2,3を案内する案内型であり、符号5は、被成形ガラス素材である。
また、図1(b)中に付してあるように、一対の型2,3のサイズは直径17[mm]であり、プレス中においては、熱軟化された被成形ガラス素材5が略直径15[mm]にまで伸延される。
以下、この図1に基づいて実施例1〜3について説明する。
〔実施例1〕
(1)成形型の作製方法
全体がCVD法で作られた等方晶系のβ型SiCの上型および下型形状に外径加工し、この一対の型の一方を非球面に加工し、他の一方を球面に加工した。
【0039】
まず非球面型の加工方法について説明する。最初に球面研削盤においてメタルボンドのダイヤモンド砥石を用いて、平面の状態から非球面に近似の球面に加工した後、非球面研削盤において、球面から非球面に加工した。このときの形状精度は10[μm]程度である。つぎにレジンボンドの砥石を用いて形状精度0.1[μm]に仕上げた。そして最後に非球面研磨機においてダイヤモンドペーストを用いて研削痕を除去した後、形状を維持しながら表面粗さがRmaxで5[nm]以下になるように研磨した。
【0040】
次に球面型の加工方法について説明する。まず、球面研削盤においてメタルボンドのダイヤモンド砥石を用いて、平面の状態から球面に加工した後、非球面研削盤において球面の形状精度が2[μm]〜3[μm]になるように加工を行った。次に球面研磨機において、ダイヤモンドスラリーを用い手前加工のキズ等を除去しながら所定の曲率半径および形状になるようにし、更にアス・クセが0.5本以内になる形状にして曲率半径を規格公差内に入れるとともに、表面粗さがRmaxで5[nm]以下になるように研磨加工を行った。
【0041】
以上のようにして作製した非球面型および球面型をAr(アルゴン)雰囲気下において、2時間で1600℃に昇温し、1時間保持した後、室温まで放冷した。このとき表面粗さはRmaxで10[nm]であった。
そして、これらの型をプレス成形に供した。
【0042】
一方、比較例用のサンプルとして、熱処理を施さないこと以外は、上記と同様にして作製した非球面及び球面型を用意した。
【0043】
(2)プレス成形
上記の方法で本実施例および比較例用の非球面型および球面型を多数作製し、公知の方法で、iカーボン膜21,31とスパッタ法による硬質炭素膜22,32とを積層させてなる炭素系薄膜を設け、バリウムホウケイ酸塩ガラス(SiO2:37.8[wt%]、B23:24.0[wt%]、Al23:5.3[wt%]、Li2O:8.5[wt%]、CaO:5.0[wt%]、BaO:16.1[wt%]、La23:3.3[wt%]、As23:0.5[wt%]、Sb23:0.2[wt%]、ガラス転移点Tgが495℃)からなる被成形ガラス素材5を窒素雰囲気中において加熱軟化し、610℃でプレス成形を繰り返した。ここでは、プレス成形500回毎に炭素系薄膜を一旦除去し、新たに炭素系薄膜を成膜することを繰り返した。
【0044】
その結果、比較例による成形型ではプレス回数平均10,000回でプルアウトが発生したのに対し、本実施例による成形型では平均15,000回までプルアウトの発生が起きず、型寿命が延びた。また、この成形型の成形面を被成形ガラス素材に高精度に連続して転写できた。
【0045】
〔実施例2〕
(1)型の作製方法
非球面型、球面型とも熱処理前までの加工工程は実施例1と同様である。実施例1では熱処理を1600℃で行ったが、実施例2では1800℃で行った。熱処理後において表面粗さがRmaxで25[nm]であった。非球面型は再度非球面研磨機において形状を崩さずかつ表面粗さがRmaxで5[nm]以下になるように研磨を行い加工終了とした。一方、球面型は再度球面研磨機において、形状・曲率を崩さずかつ表面粗さRmaxで5[nm]以下になるように研磨を行い加工終了とした。
【0046】
(2)プレス成形
実施例1と同様の方法でプレス成形を行ったところ、プルアウトが発生するプレス回数は平均20,000回まで延長され、型寿命がさらに延びた。
【0047】
(3)エッチング後のAFM観察
熱処理後研磨したものと、熱処理しないものをフッ酸でエッチングし、表面をAFM(原子間力顕微鏡)で観察したところ、熱処理して研磨したものは、熱処理しないものに比べて加工キズが浅くなっていることが観察された。CVD−SiCの表面のマイクロクラックが拡散接合されたとみられる。
【0048】
〔実施例3〕
実施例2では、非球面および球面を研削後、Rmaxで5[nm]になるまで研磨を行った後に熱処理したが、本実施例では、熱処理前は研削工程のみ実施し、研磨は行わずに、実施例2と同様の熱処理を行い、その後にRmaxで5[nm]までの研磨を行った。プレス成形の結果、実施例2と同様の結果が得られた。
【0049】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、成形型の表面に生じる融着やプルアウトが防止され、結果として成形型の寿命を大幅にのばすことができる。これにより、成形型のメンテナンス性が向上し、面精度の優れたガラス光学素子を効率良く製造できるようになる。
【0050】
また、本発明の成形型では熱処理を行う際にCVD‐SiCの表面などに生じた僅かな研削キズや研磨キズの下に生じているマイクロクラック等が拡散接合されるので、成形面の表面強度が向上する。これにより、プレスによる融着及びプルアウトが抑制される。更に、かかるプルアウト防止効果によって、精密プレスによって成形するガラス素材の選択肢が広がり、製造の自由度を広げることができる。
【0051】
成形型の表面に離型膜を設けることは、融着やプルアウトを防止する上で有効であるが、本発明では型の素材自体を強化することで、更に融着やプルアウトが抑制され、また炭素系薄膜を設けた場合にはその離型効果を更に高めることができる。また、仮に炭素系薄膜が消耗しても、プルアウトが防止されているため、炭素系薄膜を再生すれば何度も繰り返し型の使用が可能となる。すなわち、炭素系薄膜を用いた場合には、炭素系薄膜と本発明の熱処理による型素材の強化が、相互に協働し、型の寿命をいっそう長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例による成形型を示す断面概略図であり、(a)はプレス直前の状態を示し、(b)はプレス中の状態を示す。
【符号の説明】
1 成形型
2a、3a 成形面
5 被成形ガラス素材
21、31 i−カーボン膜(炭素系薄膜)
22、32 硬質炭素膜(炭素系薄膜)

Claims (8)

  1. 少なくとも成形面又は成形面近傍が、炭化ケイ素又は窒化ケイ素から成るガラス成形体用の成形型であって、前記炭化ケイ素又は窒化ケイ素から成る部分が、研削後研磨され、所定の形状精度とRmaxで25nm以下の表面粗さの球面又は非球面に加工された後、非酸化雰囲気下で1500〜2000℃の熱処理を施すことにより、前記成形面又は成形面近傍の表面のマイクロクラックが拡散接合されたものであることを特徴とする成形型。
  2. 少なくとも成形面又は成形面近傍が、炭化ケイ素又は窒化ケイ素から成るガラス成形体用の成形型であって、前記炭化ケイ素又は窒化ケイ素から成る部分が、研削により所定の形状精度とRmaxで100nm以下の表面粗さの球面又は非球面に加工された後、非酸化雰囲気下で1500〜2000℃の熱処理を施すことにより前記成形面又は成形面近傍の表面のマイクロクラックが拡散接合され、冷却された後に、該球面又は非球面を研磨されることによりRmaxで25nm以下の炭化ケイ素面又は窒化ケイ素面が作製されたものであることを特徴とする成形型。
  3. 少なくとも成形面又は成形面近傍が、炭化ケイ素又は窒化ケイ素から成るガラス成形体用の成形型であって、前記炭化ケイ素又は窒化ケイ素から成る部分が、研削及び研磨により所定の形状精度とRmaxで50nm以下の表面粗さの球面又は非球面に加工された後、非酸化雰囲気下で1500〜2000℃の熱処理を施すことにより、前記成形面又は成形面近傍の表面のマイクロクラックが拡散接合され、冷却された後に、該球面又は非球面を研磨されることによりRmaxで25nm以下の炭化ケイ素面又は窒化ケイ素面が作製されたものであることを特徴とする成形型。
  4. 前記成形面又は成形面近傍が、炭化ケイ素から成ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の成形型。
  5. 前記成形面又は成形面近傍が、CVD法により作られた炭化ケイ素から成ることを特徴とする請求項4に記載の成形型。
  6. 前記成形面に炭素系薄膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の成形型。
  7. 少なくとも成形面又は成形面近傍が、CVD法で作られた炭化ケイ素から成るガラス成形体用の成形型であって、前記炭化ケイ素から成る部分が研削または研磨された後、非酸化雰囲気下で1500〜2000℃の熱処理を施すことにより、前記成形面又は成形面近傍の表面のマイクロクラックが拡散接合されたものであることを特徴とする成形型。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の成形型を用いて、加熱軟化した被成形ガラス素材を加圧成形することにより、前記成形型の成形面を前記被成形ガラス素材に転写する工程を含むガラス光学素子の製造方法。
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