JP4003791B2 - プロジェクタ - Google Patents

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Description

本発明は、プロジェクタに関する。
従来、光源装置と、光源装置から射出された光束を変調する光変調装置と、光変調装置で変調された光束を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタが知られている。
このようなプロジェクタにおいては、投影画像の明るさを適宜変化させて投影画像の画像品質を向上させるために、遮光部を光路内外に移動させることで、光源から射出された光束の少なくとも一部の光束を遮光し、光変調装置に入射する光束の光量を調整する光学絞り装置を備えた構成が提案されている。しかしながら、経時変化や、遮光部を駆動する機構部品の製造誤差等により、所望の位置に遮光部を位置付けることができず、すなわち、投影画像を所望の明るさに変化させることができず、投影画像の画像品質を向上させることが難しいという問題があった。
このような問題に対して、光学絞り装置にて調整された光量を検出する光束検出手段を設けて、検出した光量に基づいて、光学絞り装置を駆動制御するプロジェクタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなプロジェクタでは、経時変化や、遮光部を駆動する機構部品の製造誤差等があった場合であっても、光学絞り装置にて調整された光量を検出することで光学絞り装置により調整される光量の変化を確実に検出し、投影画像の画像品質を向上させることを可能とする。
特開2005−55760号公報
ところで、プロジェクタに用いられる光源装置としては、例えば放電発光型の光源ランプが多用される。このような放電発光型の光源ランプは、可視光領域の光束のみならず、非可視光領域(例えば、赤外領域)の光束も射出する。
特許文献1に記載のプロジェクタにおいて、放電発光型の光源ランプを用いた場合には、光源装置から射出された非可視光領域の光束を含む光束が光変調装置等の光学部品に照射されると該光学部品の温度が上昇し、該光学部品の特性が劣化し、投影画像の画像品質を良好に維持することが難しい、という問題がある。
本発明の目的は、投影画像の画像品質を向上できるプロジェクタを提供することにある。
本発明のプロジェクタは、光源装置と、前記光源装置から射出された光束を変調する光変調装置と、前記光変調装置で変調された光束を拡大投射する投射光学装置と、前記光源装置、前記光変調装置、および前記投射光学装置を内部に収納配置する外装筐体とを備えたプロジェクタであって、前記光源装置および前記光変調装置の間の光路中に配設され、入射光束の少なくとも一部を遮光する遮光部を有し前記遮光部を前記光路内外に移動させることで前記光源装置から射出された光束の光量を調整する光学絞り装置と、前記光学絞り装置の光路後段に配設され、前記光源装置から射出された光束のうち非可視光領域の光束を反射または透過して前記光路外に導く非可視光除去手段と、前記非可視光除去手段にて前記光路外に導かれた前記非可視光領域の光束を受光して受光信号を出力する非可視光検出手段と、前記非可視光領域の光束を透過可能とし、前記非可視光除去手段にて前記光路外に導かれた前記非可視光領域の光束の少なくとも一部を前記外装筐体外部に排出する、前記外装筐体に設けられた非可視光透過部と、を備えていることを特徴とする。
ここで、光学絞り装置の構成としては、光源装置から射出された光束の光量を調整可能であれば、いずれの構成でも採用でき、例えば、遮光部を入射光束の光軸に対して略直交する方向にスライド移動させて光路内外に移動させる構成、遮光部を入射光束の光軸に対して略直交する平面内で回動させて光路内外に移動させる構成、あるいは、遮光部を入射光束の光軸に対して略直交する平面内の所定の軸を中心として回動させて光路内外に移動させる構成等を採用できる。
また、非可視光透過部としては、非可視光領域の光束を透過可能であれば、いずれの構成でも採用でき、例えば、外装筐体に開口を形成し、該開口にガラス材等の非可視光を透過可能とする部材を取り付けた構成や、非可視光を透過可能とする部材を取り付けずに開口を非可視光透過部とする構成等を採用できる。
本発明では、非可視光検出手段は、光学絞り装置の後段側に配設されているため、光学絞り装置にて光量が調整された光束のうち非可視光除去手段にて光路外に導かれた非可視光領域の光束を受光する。すなわち、非可視光検出手段にて受光する非可視光領域の光束の光量と、光学絞り装置にて光束を透過可能とする開口面積(開口率)とは、所定の相関関係があるため、非可視光検出手段は、非可視光領域の光束を受光することで光学絞り装置の開口率を検出する機能を有することとなる。そして、非可視光検出手段は、受光した非可視光領域の光束の光量に応じた受光信号を出力する。
以上のような構成により、光学絞り装置に経時変化や、遮光部を駆動する機構部品の製造誤差等があった場合であっても、光学絞り装置にて調整された光束のうち非可視光除去手段にて光路外に導かれた不要な光成分(非可視光領域の光束)を非可視光検出手段にて検出することで、光学絞り装置により調整された光量、すなわち、現状での光学絞り装置の開口率(以下、第2の開口率と記載する)を確実に検出できる。そして、例えば、非可視光検出手段から出力される受光信号に基づいて光学絞り装置を駆動制御したり、光変調装置に書き込むデータ(駆動信号)を補正したりすることで、投影画像を所望の明るさに変化させることができ、投影画像の画像品質を向上させることができる。
また、非可視光検出手段は、光路外に導かれた不要な光成分を検出するので、例えば光源装置から光変調装置に至る光束の光路内に配設して該光束を検出する構成や、スクリーン上に投影された投影画像の明るさを検出する構成に比較して、非可視光検出手段に光束が照射されて画像中に不要な像が形成されたりプロジェクタ外部に非可視光検出手段を配設したりする必要がなく、画像品質を良好に維持しつつ外装筐体内部における非可視光検出手段のレイアウトの自由度を向上できる。
さらに、例えば、光源装置として放電発光型の光源ランプを採用した場合であっても、光源装置から射出された光束のうち非可視光領域(例えば、赤外領域)の光束を非可視光除去手段にて光源装置から光変調装置に至る光束の光路外に導くことができるので、光変調装置等の光学部品に非可視光領域の光束が照射されることを回避でき、該光学部品の特性を良好に維持でき、すなわち、投影画像の画像品質を良好に維持できる。
また、外装筐体には、非可視光透過部が形成されているので、非可視光除去手段にて光路外に導かれた非可視光領域の光束の少なくとも一部を非可視光透過部を介して外装筐体外部に排出できる。このため、例えば光路外に導いた非可視光領域の光束を吸収体により吸収する構成と比較して、外装筐体内部に熱が篭ることがなく、外装筐体内部の温度上昇を回避できる。また、このような構成とすれば、外装筐体内部を冷却する冷却ファン等の冷却装置を大幅に省略でき、プロジェクタの構成の簡素化・軽量化を図れる。
本発明のプロジェクタでは、前記非可視光検出手段からの受光信号に基づいて前記光学絞り装置を駆動制御し前記遮光部を所定位置に位置付ける絞り制御装置を備えていることが好ましい。
本発明によれば、プロジェクタは、絞り制御装置を備えているので、以下に示すように、光学絞り装置を駆動制御できる。
絞り制御装置は、拡大投射する投影画像を所定の明るさに設定するための光学絞り装置の開口率(以下、第1の開口率と記載する)に関する情報を取得または生成する。また、絞り制御装置は、非可視光検出手段から出力される受光信号および前記所定の相関関係に基づいて、現状での光学絞り装置の開口率(第2の開口率)に関する情報を生成する。そして、絞り制御装置は、現状の第2の開口率を第1の開口率に合致させるように光学絞り装置を駆動制御する。
このため、絞り制御装置による駆動制御にて所望の位置(第1の開口率)に遮光部を位置付けることができ、すなわち、投影画像を所望の明るさに変化させることができ、投影画像の画像品質を向上させることができる。
本発明のプロジェクタでは、前記非可視光除去手段にて前記光路外に導かれた前記非可視光領域の光束を前記非可視光透過部に導く導光手段を備えていることが好ましい。
本発明によれば、プロジェクタは、導光手段を備えているので、非可視光除去手段にて光路外に導かれた非可視光領域の光束を所定位置に導くことができ、外装筺体における非可視光透過部の形成位置が非可視光除去手段の近傍位置に限定されず、外装筺体の製造の自由度が向上する。また、例えば、導光手段として、非可視光領域の光束を所定位置に収束する集光レンズを採用した場合には、非可視光透過部の形状を大きくする必要がなく、外装筺体の外観を良好に維持できる。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクタの構成〕
図1は、プロジェクタ1の概略構成を模式的に示す図である。
プロジェクタ1は、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像をスクリーン(図示略)上に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、図1に示すように、外装筺体2と、投射光学装置としての投射レンズ3と、光学ユニット4と、光学絞り装置5と、非可視光除去手段としての非可視光反射フィルタ6と、絞り制御装置としての制御装置7と、非可視光検出手段としての光学センサ8と、導光手段としての集光レンズ9等を備える。
〔外装筺体の構成〕
外装筺体2は、合成樹脂等から構成され、図1では図示を省略しているが、投射レンズ3、光学ユニット4、光学絞り装置5、非可視光反射フィルタ6、制御装置7、光学センサ8、および集光レンズ9を内部に収納配置する筺体である。
この外装筺体2において、非可視光反射フィルタ6の近傍位置には、図1に示すように、非可視光領域の光束を透過可能とする非可視光透過部21が設けられている。この非可視光透過部21としては、非可視光領域の光束を透過可能とすれば、いずれの構成でも採用でき、例えば、外装筺体2に開口を形成し、該開口にガラス材等を取り付けた構成でもよく、ガラス材等を取り付けずに前記開口を非可視光透過部21とする構成を採用してもよい。
なお、外装筺体2は、合成樹脂等に限らず、その他の材料にて形成してもよく、熱伝導性の良好な部材、例えば、金属等により構成してもよい。
〔投射レンズの構成〕
投射レンズ3は、光学ユニット4にて形成された光学像(カラー画像)をスクリーン(図示略)上に拡大投射する。この投射レンズ3は、筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組みレンズとして構成されている。
〔光学ユニットの構成〕
光学ユニット4は、制御装置7による制御の下、光源から射出された光束を、光学的に処理して画像情報に対応した光学像(カラー画像)を形成するものである。この光学ユニット4は、図1に示すように、照明光学装置41と、色分離光学装置42と、リレー光学装置43と、光学装置44等を備える。なお、具体的な図示は省略するが、照明光学装置41、色分離光学装置42、リレー光学装置43、光学装置44、光学絞り装置5、および非可視光反射フィルタ6は、光学部品用筐体内部に収納されてユニット化されている。また、前記光学部品用筐体において、非可視光反射フィルタ6の近傍位置には、外装筺体2に形成された非可視光透過部21と同様の非可視光透過部が形成されている。そして、非可視光反射フィルタ6にて反射された非可視光領域の光束は、前記非可視光透過部を介して前記光学部品用筐体外部に排出される。
照明光学装置41は、光学装置44を構成する後述する液晶パネルの画像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系である。この照明光学装置41は、図1に示すように、光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415とを備える。
光源装置411は、図1に示すように、放射状の光線を射出する光源ランプ416と、この光源ランプ416から射出された放射光を反射し所定位置に収束させるリフレクタ417と、リフレクタ417にて収束される光束を照明光軸Aに対して平行化する平行化凹レンズ418とを備える。光源ランプ416としては、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、高圧水銀ランプ等の放電発光型の光源ランプが多用される。また、リフレクタ417としては、回転楕円面を有する楕円面リフレクタで構成されているが、回転放物面を有する放物面リフレクタで構成してもよい。この場合には、平行化凹レンズ418を省略した構成とする。
第1レンズアレイ412は、光軸方向から見て略矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源装置411から射出される光束を、複数の部分光束に分割している。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を光学装置44の後述する液晶パネルの画像形成領域に結像させる機能を有している。
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413と重畳レンズ415との間に配置され、第2レンズアレイ413からの光を略1種類の偏光光に変換するものである。
具体的に、偏光変換素子414によって略1種類の偏光光に変換された各部分光は、重畳レンズ415によって最終的に光学装置44の後述する液晶パネルの画像形成領域にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源装置411からの光の略半分を利用できない。このため、偏光変換素子414を用いることで、光源装置411からの射出光を略1種類の偏光光に変換し、光学装置44での光の利用効率を高めている。
色分離光学装置42は、図1に示すように、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421,422により照明光学装置41から射出された複数の部分光束を赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学装置43は、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および反射ミラー432,434を備え、色分離光学装置42で分離された色光を青色光用の液晶パネルまで導く機能を有している。
この際、色分離光学装置42のダイクロイックミラー421では、照明光学装置41から射出された光束の青色光成分と緑色光成分とが反射するとともに、赤色光成分が透過する。ダイクロイックミラー421によって透過した赤色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ419を通って赤色光用の液晶パネルに達する。このフィールドレンズ419は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の緑色光および青色光用の液晶パネルの光入射側に設けられたフィールドレンズ419も同様である。
ダイクロイックミラー421にて反射した青色光と緑色光のうちで、緑色光はダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ419を通って緑色光用の液晶パネルに達する。一方、青色光はダイクロイックミラー422を透過してリレー光学装置43を通り、さらにフィールドレンズ419を通って青色光用の液晶パネルに達する。なお、青色光にリレー光学装置43が用いられているのは、青色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の拡散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ419に伝えるためである。なお、リレー光学装置43には、3つの色光のうち青色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、赤色光を通す構成としてもよい。
光学装置44は、光変調装置としての3つの液晶パネル441(赤色光用の液晶パネルを441R、緑色光用の液晶パネルを441G、青色光用の液晶パネルを441Bとする)と、3つの入射側偏光板442と、3つの射出側偏光板443と、クロスダイクロイックプリズム444とを備える。
3つの入射側偏光板442は、図1に示すように、各フィールドレンズ419の光路後段にそれぞれ配置される。これら入射側偏光板442は、偏光変換素子414で偏光方向が略一方向に揃えられた各色光が入射され、入射された光束のうち、偏光変換素子414で揃えられた光束の偏光方位と略同一方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。これら入射側偏光板442は、図示は省略するが、サファイアあるいは水晶等の透光性基板上に偏光膜が貼付された構成を有している。
3つの液晶パネル441は、図1に示すように、各入射側偏光板442の光路後段にそれぞれ配置される。これら液晶パネル441は、図示は省略するが、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有し、制御装置7から出力される駆動信号に応じて、所定の画素位置の前記液晶の配向状態が制御され、各入射側偏光板442から射出された偏光光束の偏光方位をそれぞれ変調する。
3つの射出側偏光板443は、図1に示すように、各液晶パネル441の光路後段にそれぞれ配置される。これら射出側偏光板443は、入射側偏光板442と略同様の構成を有し、図示は省略するが、透光性基板上に偏光膜が貼付された構成を有している。なお、射出側偏光板443を構成する前記偏光膜は、光束を透過する透過軸が、入射側偏光板442にて光束を透過する透過軸に略直交するように配置される。
クロスダイクロイックプリズム444は、射出側偏光板443の光路後段に配置され、各射出側偏光板443から射出された色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム444は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。これら誘電体多層膜は、液晶パネル441R,441Bから射出され各射出側偏光板443を介した各色光を反射し、液晶パネル441Gから射出され射出側偏光板443を介した色光を透過する。このようにして、各液晶パネル441にて変調された各色光が合成されてカラー画像が形成される。
〔光学絞り装置の構成〕
光学絞り装置5は、図1に示すように、第1レンズアレイ412と第2レンズアレイ413との間に配設され、制御装置7による制御の下、遮光部を移動させることで光束を透過可能とする開口面積(開口率)を変更して光源装置411から射出され第1レンズアレイ412を介した光束の光量を調整するものである。
図2および図3は、光学絞り装置5の概略構成の一例を示す図である。具体的に、図2は、光学絞り装置5を光束射出側(第2レンズアレイ413側)から見た斜視図である。図3は、光学絞り装置5を光束射出側(第2レンズアレイ413側)から見た分解斜視図である。
光学絞り装置5としては、例えば図2または図3に示すように、ベース板51と、遮光部としての4つの遮光羽根52と、4つの回動軸53(図3)と、羽根押え部材54と、4つのコイルばね55(図3)と、絞りリング56(図3)と、リング押え部材57(図3)と、電磁アクチュエータ58(図3)とを備えた構成を採用できる。
ベース板51は、光学絞り装置5全体を支持して前記光学部品用筐体内部に固定する部分である。このベース板51は、図3に示すように、ベース板本体511と、固定子接続部512とを備える。
図4は、ベース板本体511を光束入射側(第1レンズアレイ412側)から見た斜視図である。
ベース板本体511は、図2ないし図4に示すように、入射する光束の光軸に直交する平面に沿って延出する平面視略矩形形状を有する金属製の板体から構成されている。
このベース板本体511において、平面視略中央部分には、図3または図4に示すように、第1レンズアレイ412から射出された光束を通過可能とする平面視円形状の開口部5111が形成されている。
また、このベース板本体511において、光束射出側端面には、図3に示すように、該ベース板51の四隅位置近傍に平面視円形状の凹部5112(光束射出側から見て右上方側の凹部から時計回りに5112A,5112B,5112C,5112Dとする)がそれぞれ形成されている。そして、これら凹部5112は、4つの回動軸53の一方の端部側をそれぞれ固定するとともに、4つの遮光羽根52の後述する軸受け部を遊嵌状態でそれぞれ配置する。
以下では、説明の便宜上、図3または図4に示すように、ベース板本体511において、開口部5111周縁の領域を、凹部5112Aを含む上側の第1領域RA、凹部5112Bを含む光束射出側から見て右側の第2領域RB、凹部5112Cを含む下側の第3領域RC、および凹部5112Dを含む光束射出側から見て左側の第4領域RDとする。
さらに、このベース板本体511において、光束射出側端面の各領域RA〜RDには、図3に示すように、各凹部5112に近接した位置に、各凹部5112(各回動軸53)を中心とする平面視円弧形状を有する第1突条部5113Aが各凹部5112を囲うようにそれぞれ形成されている。これら第1突条部5113Aは、光学絞り装置5を組み立てた状態で、各遮光羽根52を構成する後述する各羽根板の板面にそれぞれ当接する部分である。
ここで、具体的な図示は省略するが、各第1突条部5113Aのうち、対角位置にある各領域RA,RCに形成された各第1突条部5113Aの各高さ寸法が同一に設定されている。同様に、対角位置にある各領域RB,RDに形成された各第1突条部5113Aの各高さ寸法が同一に設定されている。そして、各領域RA,RCに形成された第1突条部5113Aの各高さ寸法に対して、各領域RB,RDに形成された第1突条部5113Aの各高さ寸法が所定寸法、大きくなるように設定されている。
さらにまた、このベース板本体511において、光束射出側端面の各領域RA〜RDには、図3に示すように、各凹部5112から離間した位置に、各凹部5112(各回動軸53)を中心とする平面視円弧形状を有する第2突条部5113Bがそれぞれ形成されている。これら第2突条部5113Bは、光学絞り装置5を組み立てた状態で、上述した第1突条部5113Aと同様に、各遮光羽根52を構成する後述する各羽根板の板面にそれぞれ当接する部分である。なお、各第2突条部5113Bの高さ寸法は、上述した各第1突条部5113Aと同様に設定されている。
また、このベース板本体511において、各領域RA〜RDには、図3または図4に示すように、各凹部5112に近接した位置に、光束射出側端面および光束入射側端面を貫通し、各凹部5112(各回動軸53)を中心とする平面視円弧形状を有するトラック孔5114がそれぞれ形成されている。これらトラック孔5114は、光学絞り装置5を組み立てた状態で、各遮光羽根52の後述するピン状部がそれぞれ挿通され、各ピン状部の移動時に各ピン状部と機械的に干渉しないように形成された逃げ孔である。
さらに、このベース板本体511において、光束射出側端面の各領域RA〜RDには、図3に示すように、羽根押え部材54を取り付けるための取付用孔5115Aがそれぞれ形成されている。これら取付用孔5115Aは、ベース板本体511に各遮光羽根52が設置され各遮光羽根52が回動した場合であっても、各遮光羽根52と機械的に干渉しない位置にそれぞれ形成されている。
さらにまた、このベース板本体511において、上方端部側には、図3または図4に示すように、開口部5111の中心軸(入射光束の光軸)を中心とする平面視円弧形状の切り欠きとしての円弧状孔5116が形成されている。
この円弧状孔5116は、光学絞り装置5を組み立てた状態で、電磁アクチュエータ58の後述する可動子、および絞りリング56の後述する可動子接続部の一部を挿通可能とし、絞りリング56が回動した場合であっても、前記可動子および前記可動子接続部の一部と機械的に干渉しない逃げ孔である。
また、この円弧状孔5116の周縁部分の光束射出側端面には、図3に示すように、固定子接続部512を取り付けるための2つの位置決め突起5115Bおよび2つの取付用孔5115Cが形成されている。
また、このベース板本体511において、光束入射側端面には、図4に示すように、開口部5111周縁から光束入射側に向けて突出する平面視円形枠状のリング支持部5117が形成されている。このリング支持部5117は、絞りリング56の後述する円孔に遊嵌状態で嵌合する部分である。
このリング支持部5117の周縁部分には、図4に示すように、平面視円形状の凹部5118が形成されている。また、この凹部5118は、上方側がベース板本体511の上端縁にかけて延出するように形成されている。そして、この凹部5118は、絞りリング56が設置され、開口部5111の略中心軸(入射光束の光軸)を中心として絞りリング56を回動可能に支持する部分であり、絞りリング56の外形形状に対応した形状を有している。
さらに、このベース板本体511において、光束入射側端面の各領域RA〜RDには、図4に示すように、凹部5118の周縁部分に、リング押え部材57を取り付けるための取付用孔5115Dがそれぞれ形成されている。これら取付用孔5115Dは、ベース板本体511に絞りリング56を介してリング押え部材57が取り付けられ絞りリング56が回動した場合であっても、絞りリング56と機械的に干渉しない位置にそれぞれ形成されている。
さらにまた、このベース板本体511において、光束射出側端面の下方側、および光束入射側端面の上方側には、該ベース板本体511の面外方向に突出し、前記光学部品用筐体内部に固定するための固定部5110がそれぞれ形成されている。すなわち、これら固定部5110を介してベース板本体511を前記光学部品用筐体内部に固定することで、光学絞り装置5全体が前記光学部品用筐体内部に固定される。
固定子接続部512は、電磁アクチュエータ58の後述する固定子をベース板本体511に接続する部材である。この固定子接続部512は、図3に示すように、平面視略矩形状の板体から構成され、ベース板本体511の光束射出側端面に円弧状孔5116を覆うように取り付けられる。
この固定子接続部512において、光束射出側端面には、具体的な図示は省略するが、電磁アクチュエータ58の後述する固定子である電磁コイルの形状に対応して平面視略円形状の凹部が形成されている。この凹部は、前記電磁コイルを収納配置する部分である。
また、この固定子接続部512において、四隅角部分には、図3に示すように、ベース板本体511の2つの位置決め突起5115Bおよび2つの取付用孔5115Cに対応して、2つの位置決め用孔5112Aおよび2つの取付用孔5122Bがそれぞれ形成されている。そして、固定子接続部512は、前記電磁コイルを前記凹部に収納配置した状態で、ベース板本体511の2つの位置決め突起5115Bに2つの位置決め用孔5122Aを嵌合させることで位置決めされ、固定ねじ5Aを2つの取付用孔5122Bに挿通しベース板本体511の2つの取付用孔5115Cに螺合することで、ベース板本体511に固定される。
このように固定子接続部512をベース板本体511に固定した状態では、固定子接続部512の前記凹部に収納配置された前記電磁コイルは、ベース板本体511から光束射出側(絞りリング56から離間する側)にオフセットした位置に配置される。
4つの遮光羽根52は、金属製部材から構成され、図3に示すように、ベース板本体511の光束射出側端面における各領域RA〜RDにおいて、4つの回動軸53を介して各凹部5112に、入射する光束の光軸に直交する平面に沿って回動可能にそれぞれ軸支され、回動することで光束を透過可能とする開口面積(開口率)を変更して第1レンズアレイ412から射出される光束の光量を調整する。なお、以下では、各領域RA〜RDに配置される遮光羽根52をそれぞれ、52A〜52Dとする。
これら遮光羽根52は、同一形状を有し、図3に示すように、羽根板521と、軸受け部522と、ピン状部523とでそれぞれ構成されている。
羽根板521は、図3に示すように、端縁が曲線状に形成された平面視略L字形状を有し、入射光束を遮光する金属製の板体で構成される。そして、各羽根板521は、光学絞り装置5を組み立てた状態では、各羽根板521における各L字形状の内側部分が開口部5111内側に向き、開口部5111を囲うように配置される。また、各羽根板521は、光学絞り装置5を組み立てた状態では、各板面が入射する光束の光軸に直交するように配置される。
軸受け部522は、羽根板521におけるL字形状の一端側に一体的に設けられ、羽根板521を回動可能とする回動軸53の軸受けである。
この軸受け部522は、具体的な図示は省略するが、羽根板521の光束入射側端面から光束入射側に突出し、回動軸53を挿通可能とする略円筒形状を有している。すなわち、軸受け部522における光束の光軸方向の厚み寸法は、羽根板521における光束の光軸方向の厚み寸法よりも大きく形成されている。そして、軸受け部522は、回動軸53が挿通された状態で回動軸53に対して回動可能とし、回動軸53に対して回動することで、羽根板521を回動させる。このように各羽根板521が回動することで、各羽根板521における各L字形状の内側端縁で形成される光束を通過可能とする開口の開口面積が変更される。
そして、光学絞り装置5を組み立てた状態では、軸受け部522に回動軸53が挿通されるとともに、軸受け部522の光束入射側端面がベース板本体511の凹部5112の底部分に当接する。
また、羽根板521は、軸受け部522に対して略垂直となるように構成され、光学絞り装置5を組み立てた状態では、軸受け部522に挿通される回動軸53に対して略垂直となる。すなわち、各羽根板521は、光学絞り装置5を組み立てた状態では、ベース板本体511の板面に略平行な状態となる。
なお、各羽根板521は、軸受け部522に対して略垂直となる構成に限らず、各遮光羽根52の回動時に各羽根板521同士が接触しなければ、軸受け部522に対して略垂直以外の角度を有する構成を採用してもよい。すなわち、各遮光羽根52の回動時に各羽根板521同士が接触しなければ、各羽根板521がベース板本体511の板面に平行な平面に対して所定角度傾斜している構成を採用してもよい。
ここで、軸受け部522が当接するベース板本体511の各凹部5112の底部分の高さ寸法は、具体的な図示は省略するが、光学絞り装置5を組み立てた状態、すなわち、各遮光羽根52の各軸受け部522の光束入射側端面が各凹部5112の底部分に当接した状態で、隣接する各羽根板521間に所定寸法の隙間が形成されているように設定されている。
具体的に、各凹部5112A〜5112Dのうち、対角位置にある凹部5112A,5112Cの底部分の高さ寸法は、同一寸法で形成されている。対角位置にある凹部5112B,5112Dの底部分の高さ寸法も同様に、同一寸法で形成されている。そして、各凹部5112A,5112Cの底部分の高さ寸法は、各凹部5112B,5112Dの底部分の高さ寸法よりも所定寸法、大きく設定されている。このような構成により、光学絞り装置5を組み立てた状態、すなわち、各遮光羽根52の各軸受け部522の光束入射側端面が各凹部5112の底部分に当接した状態では、各遮光羽根52A〜52Dにおいて、ベース板本体511からの各羽根板521の高さ位置が異なるものとなる。
すなわち、対角位置にある各遮光羽根52の各羽根板521がベース板本体511から同一の高さ位置に位置付けられ、隣接する各遮光羽根52の各羽根板521がベース板本体511から異なる高さ位置に位置付けられている。このように設定することで、隣接する各羽根板521間に所定寸法の隙間を形成し、各羽根板521を回動させた際に、各羽根板521同士が機械的に干渉することを回避している。
ピン状部523は、軸受け部522の近傍であって、軸受け部522に対して羽根板521の他端側に設けられ、絞りリング56と係合し絞りリング56からの押圧力を受ける部分である。
このピン状部523は、図3に示すように、羽根板521の光束入射側端面から光束入射側に突出する。そして、ピン状部523は、光学絞り装置5を組み立てた状態では、図3に示すように、ベース板本体511のトラック孔5114に挿通され、トラック孔5114を介してベース板本体511の光束入射側端面から突出し、絞りリング56の後述する長孔と係合する。
4つの回動軸53は、略円柱形状を有する金属製部材から構成され、ベース板本体511および羽根押え部材54間に固定され、各遮光羽根52を回動可能に軸支する部分である。
羽根押え部材54は、図3に示すように、固定子接続部512と組み合わせることでベース板本体511と略同様の外形形状となり平面視略矩形形状を有し、合成樹脂製の板体から構成され、各遮光羽根52を回動可能にベース板51に対して押圧する部分である。
この羽根押え部材54において、平面視略中央部分には、図2または図3に示すように、ベース板本体511の開口部5111と同様の、第1レンズアレイ412から射出された光束を透過可能とする平面視円形状の開口部541が形成されている。
また、この羽根押え部材54には、図2または図3に示すように、ベース板本体511の各凹部5112に対応した位置に、光束射出側端面および光束入射側端面を貫通して、回動軸53の他方の端部を嵌合固定する軸固定孔542がそれぞれ形成されている。
さらに、この羽根押え部材54には、図2または図3に示すように、ベース板本体511の各取付用孔5115Aに対応した位置に、光束射出側端面および光束入射側端面を貫通した取付用孔543がそれぞれ形成されている。そして、各取付用孔543を介して固定ねじ5Bを挿通し、固定ねじ5Bを各取付用孔5115Aに螺合することで、ベース板本体511に対して各遮光羽根52を押圧した状態で羽根押え部材54が固定される。
4つのコイルばね55は、図3に示すように、各回動軸53を挿通可能とし、各回動軸53の他方の端部側を挿通した状態で各遮光羽根52と羽根押え部材54の間に配設され、一端側が各遮光羽根52の光束射出側(軸受け部522近傍)に当接し、他端側が羽根押え部材54の光束入射側端面(軸固定孔542周縁部分)に当接する。そして、各コイルばね55は、ベース板本体511に対して羽根押え部材54を取り付けた際に、各遮光羽根52をベース板本体511に向けて付勢し、各遮光羽根52の各軸受け部522をベース板本体511の凹部5112の底部分に当接させる。
絞りリング56は、ベース板本体511の凹部5118に回動可能に設置され、凹部5118に設置された状態で各遮光羽根52の各ピン状部523と係合し、回動することで各ピン状部523を押圧し、各遮光羽根52の各羽根板521を、各回動軸53を中心として回動させる。この絞りリング56は、合成樹脂から構成され、図3に示すように、羽根回動板本体としてのリング本体561と、可動子接続部562とが一体的に形成されたものである。
リング本体561は、ベース板本体511のリング支持部5117を挿通可能とする円孔5611を有し平面視円形枠状の板体で構成される。
このリング本体561には、図3に示すように、ベース板本体511の各トラック孔5114に対応した位置に、各トラック孔5114から突出した各ピン状部523を挿通可能とし、開口部5111の略中心軸を中心とする円周方向と交差する方向に略直線状に延びる長孔5612がそれぞれ形成されている。
可動子接続部562は、図3に示すように、リング本体561の外周縁からリング本体561の板面に沿って外側に延出し、電磁アクチュエータ58の後述する可動子をリング本体561に接続する部分である。そして、可動子接続部562は、光学絞り装置5を組み立てた状態では、図3に示すように、ベース板本体511の上方端部側に対向するように配置される。
この可動子接続部562は、図3に示すように、ベース板本体511の円弧状孔5116の形状に対応し、光束射出側に向けて突出する平面視略矩形枠形状の突出部5621が形成されている。この突出部5621は、その内部において、電磁アクチュエータ58の後述する可動子である永久磁石を収納配置する部分である。そして、光学絞り装置5を組み立てた状態では、突出部5621内部に収納配置された前記永久磁石、および突出部5621の一部がベース板本体511の円弧状孔5116に挿通される。
ここで、突出部5621における絞りリング56の回動方向(入射光束の光軸を中心とする回動方向)の長さ寸法は、ベース板本体511の円弧状孔5116における絞りリング56の回動方向の長さ寸法よりも小さく設定されている。このため、絞りリング56を回動させた場合であっても、円弧状孔5116と突出部5621とが機械的に干渉しないように構成されている。
そして、光学絞り装置5を組み立てた状態で、絞りリング56が回動することで、リング本体561の各長孔5612が開口部5111の略中心軸を中心とする円周方向と交差する方向に略直線状に延びるように形成されているので、各長孔5612の端縁にて各遮光羽根52の各ピン状部523が押圧され、各ピン状部523が各長孔5612に沿って移動する。また、各ピン状部523は、各長孔5612に沿って移動する際、ベース板51の各トラック孔5114に機械的に干渉することなく、ベース板51の各凹部5112(各回動軸53)を中心として回動するように移動する。そして、各ピン状部523の移動により、各遮光羽根52の各羽根板521が各回動軸53を中心として回動する。
リング押え部材57は、図3に示すように、ベース板本体511と略同様の外形形状で平面視略矩形形状を有し、金属製の板体から構成され、絞りリング56を回動可能にベース板51に対して押圧する部分である。
このリング押え部材57において、平面視略中央部分には、図3に示すように、ベース板本体511の開口部5111と同様の、第1レンズアレイ412から射出された光束を透過可能とする平面視円形状の開口部571が形成されている。
また、このリング押え部材57には、図3に示すように、ベース板本体511の各トラック孔5114に対応した位置に、各トラック孔5114と同様のトラック孔572が形成されている。これらトラック孔572は、各トラック孔5114と同様に、光学絞り装置5を組み立てた状態で、各遮光羽根52の各ピン状部523が挿通され、各ピン状部523の移動時に各ピン状部523と機械的に干渉しないように形成された逃げ孔である。
さらに、このリング押え部材57には、図3に示すように、ベース板本体511の取付用孔5115Dに対応した位置に、光束射出側端面および光束入射側端面を貫通した取付用孔573が形成されている。そして、各取付用孔573を介して固定ねじ5Cを挿通し、固定ねじ5Cを各取付用孔5115Dに螺合することで、ベース板本体511に対して絞りリング56を押圧した状態でリング押え部材57が固定される。
図5は、電磁アクチュエータ58の構造を模式的に示す図である。
電磁アクチュエータ58は、図3または図5に示すように、固定子としての電磁コイル581と、可動子としての永久磁石582とを備え、制御装置7による制御の下、電気的なエネルギを機械的なエネルギに変換して電磁コイル581に対して永久磁石582を移動させることで、絞りリング56を回動させるものである。
電磁コイル581は、図3に示すように、リング形状を有し、コイル軸が入射光束の光軸に略平行するように固定子接続部512の前記凹部に収納配置される。
永久磁石582は、図3または図5に示すように、第1磁石部5821(図5)と第2磁石部5822(図5)とが一体化された構成を有し、絞りリング56の可動子接続部562の突出部5621内側に嵌合固定される。
第1磁石部5821は、図5に示すように、可動子接続部562側をN極とし、可動子接続部562側と離間する側(電磁コイル581と対向する側)をS極とするように突出部5621内側に嵌合固定される。
第2磁石部5822は、図5に示すように、第1磁石部5821と逆に、可動子接続部562側をS極とし、可動子接続部562から離間する側(電磁コイル581と対向する側)をN極とするように突出部5621内側に嵌合固定される。
〔非可視光反射フィルタの構成〕
図6は、非可視光反射フィルタ6の波長・透過率特性の一例を示す図である。
非可視光反射フィルタ6は、図1に示すように、重畳レンズ415の光路後段(光学絞り装置5の光路後段)側であって、照明光軸Aに対して所定角度(例えば、45°)に傾斜するように配設されている。この非可視光反射フィルタ6は、図6に示すように、入射光束の所定のスペクトル成分(非可視光領域:図6に示す例では400nm程度以下、650nm程度以上)を反射し、他のスペクトル成分(可視光領域:図6に示す例では400nm程度〜650nm程度)を透過する、所謂ホットミラーで構成されている。この非可視光反射フィルタ6は、具体的な図示は省略するが、青板ガラスまたは白板ガラス等からなるガラス基板と、このガラス基板の表面に対して、蒸着等により、屈折率の異なる薄膜である高屈折率層および低屈折率層が交互に積層された光学変換膜とを含んで構成される。
そして、非可視光反射フィルタ6は、図1に示すように、非可視光領域の光束を反射させることで、該非可視光領域の光束を、各光学部品41〜44を辿る光束の光軸である照明光軸Aとは異なる光軸Bに沿って照明光軸Aの光路外に導く。また、非可視光反射フィルタ6を透過した可視光領域の光束は、図1に示すように、照明光軸Aを辿って進行する。
〔光学センサの構成〕
図7は、光学センサ8の出力値と光学絞り装置5の開口率との関係の一例を示す図である。
光学センサ8は、例えばフォトダイオード等で構成され、図1に示すように、非可視光反射フィルタ6にて反射された非可視光領域の光束が照射される照射位置に配設され、前記非可視光領域の光束を受光する。そして、光学センサ8は、受光した非可視光領域の光束の光量に応じた受光信号を制御装置7に出力する。光学センサ8は、光学絞り装置5の後段側に配設されているため、光学絞り装置5にて光量が調整された光束に含まれる非可視光領域の光束を受光する。すなわち、光学センサ8にて受光する非可視光領域の光束の光量と、光学絞り装置5にて光束を透過可能とする開口面積(4つの遮光羽根52にて形成される開口面積(開口率))とは、図7に示すような関係があるため、光学センサ8は、非可視光領域の光束を受光することで光学絞り装置5の開口率を検出する機能を有することとなる。
〔制御装置の構成〕
制御装置7は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理回路を含んで構成され、図示しないメモリに記憶された所定のプログラムにしたがって、プロジェクタ1全体を制御する。
例えば、制御装置7は、以下に示すように、液晶パネル441を駆動制御する。
すなわち、制御装置7は、各種外部機器から出力される画像情報(画像信号等)を入力し、入力した画像信号に対して所定の処理を施し、処理を施した画像に対応する駆動信号を液晶パネル441に出力して所定の光学像を形成させる。前記所定の処理としては、例えば、拡大・縮小等の画像サイズ調整処理、台形歪補正処理、画質調整処理、ガンマ補正処理等がある。
また、例えば、制御装置7は、以下に示すように、光学絞り装置5を駆動制御する。
すなわち、制御装置7は、入力した画像情報を解析して画像情報に対応した画像の明るさ情報を生成する。この明るさ情報としては、例えば、画像情報に対応した画像の各画素に対応する各輝度値において、最大輝度値、最小輝度値、平均輝度値等に関する情報を採用できる。また、制御装置7は、図示しないメモリに記憶された、明るさ情報と光学絞り装置5の開口率とが関連付けられたLUT(Look-Up Table)等に基づいて、生成した明るさ情報に対応する光学絞り装置5の開口率(以下、第1の開口率と記載する)を特定する。さらに、制御装置7は、図示しないメモリに記憶された、光学センサ8から出力される受光信号の出力値と光学絞り装置5の開口率とが関連付けられた例えば図7に示す関係を有するLUT等に基づいて、光学センサ8から出力される受光信号の出力値に対応する現状の光学絞り装置5の開口率(以下、第2の開口率と記載する)を特定する。そして、制御装置7は、特定した第1の開口率、および第2の開口率の差異を算出し、算出した差異に応じた駆動信号を光学絞り装置5に出力し、現状の光学絞り装置5の開口率(第2の開口率)を第1の開口率に合致させる。
例えば、光学絞り装置5が図2ないし図5に示す例の構成を有する場合には、制御装置7は、電磁コイル581に正通電あるいは逆通電を実施し、永久磁石582からの磁束と該磁束に略直交する電磁コイル581に通流される電流(図3中、電磁コイル581における上下方向に延びる部分に通流される電流)との相互作用による電磁力の方向を変更する。そして、電磁力により、永久磁石582を、図5(A)、(C)に示す終端位置や、図5(B)に示す中立位置に移動させる。永久磁石582の移動に応じて、絞りリング56が回動し、該絞りリング56の回動に連動して各遮光羽根52が回動し、各遮光羽根52で形成される現状の第2の開口率が第1の開口率に合致される。
〔集光レンズの構成〕
集光レンズ9は、図1に示すように、非可視光反射フィルタ6にて反射された非可視光領域の光束を外装筺体2の非可視光透過部21に集光する。すなわち、非可視光反射フィルタ6にて反射された非可視光領域の光束は、非可視光透過部21を介してプロジェクタ1外部に排出される。
上述した第1実施形態によれば、光学絞り装置5に経時変化や、複数の遮光羽根52を駆動する機構部品(例えば、ベース板51、絞りリング56、および電磁アクチュエータ58等)の製造誤差等があった場合であっても、光学絞り装置5にて調整された光束のうち非可視光反射フィルタ6にて照明光軸Aの光路外に導かれた不要な光成分(非可視光領域の光束)を光学センサ8にて検出することで、光学絞り装置5により調整された光量、すなわち、光学絞り装置5の第2の開口率を確実に検出できる。このため、制御装置7による駆動制御にて所望の位置(第1の開口率)に遮光羽根52を位置付けることができ、すなわち、投影画像を所望の明るさに変化させることができ、投影画像の画像品質を向上させることができる。
また、光学センサ8は、照明光軸Aの光路外に導かれた不要な光成分を検出するので、例えば光源装置411から液晶パネル441に至る光束の光路内に配設して該光束を検出する構成や、スクリーン上に投影された投影画像の明るさを検出する構成に比較して、光学センサ8に光束が照射されて画像中に不要な像が形成されたりプロジェクタ1外部に投影画像の輝度を検出する部材を配設したりする必要がなく、画像品質を良好に維持しつつ外装筐体2内部における光学センサ8のレイアウトの自由度を向上できる。
さらに、光源装置411から射出された光束のうち非可視光領域(例えば、赤外領域)の光束を非可視光反射フィルタ6にて照明光軸Aの光路外に導くことができるので、液晶パネル441、偏光板442,443等の光学部品に非可視光領域の光束が照射されることを回避でき、該光学部品の特性を良好に維持でき、すなわち、投影画像の画像品質を良好に維持できる。
さらにまた、外装筺体2には、非可視光透過部21が形成されているので、非可視光反射フィルタ6にて照明光軸Aの光路外に導かれた非可視光領域の光束を、非可視光透過部21を介して外装筺体2外部に排出できる。このため、例えば照明光軸Aの光路外に導いた非可視光領域の光束を吸収体により吸収する構成と比較して、外装筺体2内部に熱が篭ることがなく、外装筺体2内部の温度上昇を回避できる。また、このような構成とすれば、外装筺体2内部を冷却する冷却ファン等の冷却装置を大幅に省略でき、プロジェクタ1の簡素化・軽量化を図れる。
ここで、集光レンズ9により、非可視光反射フィルタ6にて照明光軸Aの光路外に導かれた非可視光領域の光束を所定位置に導くことができるので、外装筺体2における非可視光透過部21の形成位置が非可視光反射フィルタ6の近傍位置に限定されず、外装筺体2の製造の自由度が向上する。また、集光レンズ9が非可視光領域の光束を収束するので、非可視光透過部21の形状を大きくする必要がなく、外装筺体2の外観を良好に維持できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図8は、第2実施形態における非可視光除去手段の構成を示す図である。
本実施形態では、図8に示すように、前記第1実施形態で説明した非可視光除去手段としての非可視光反射フィルタ6の代わりに、非可視光除去手段としての可視光反射フィルタ61を用い、これに応じて照明光軸Aの形状を前記第1実施形態で説明した照明光軸Aの形状と異なるものにしている。その他の構成は、前記第1実施形態と同様のものである。
可視光反射フィルタ61は、前記第1実施形態で説明した非可視光反射フィルタ6と同様に、図8に示すように、重畳レンズ415の光路後段(光学絞り装置5の光路後段)側であって、照明光軸Aに対して所定角度(例えば、45°)に傾斜するように配設されている。この可視光反射フィルタ61は、前記第1実施形態で説明した非可視光反射フィルタ6とは逆に、入射光束のうち非可視光領域の光束を透過し、他の可視光領域の光束を反射する、所謂コールドミラーで構成されている。
そして、可視光反射フィルタ61は、図8に示すように、非可視光領域の光束を透過させることで、該非可視光領域の光束を、照明光軸Aとは異なる光軸Bに沿って照明光軸Aの光路外に導く。また、可視光反射フィルタ61にて反射した可視光領域の光束は、図8に示すように、照明光軸Aを辿って進行する。
可視光反射フィルタ61の光路後段には、具体的な図示は省略するが、前記第1実施形態と同様に、照明光軸Aに沿って光学部品42〜44が配設される。また、可視光反射フィルタ61にて透過した非可視光領域の光束が辿る光軸Bに沿って、前記第1実施形態と同様に、図8に示すように、光学センサ8、集光レンズ9、および非可視光透過部21が配設される。
上述した第2実施形態のように非可視光反射フィルタ6の代わりに可視光反射フィルタ61を採用した場合であっても、前記第1実施形態と同様の効果を享受できる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図9は、第3実施形態における非可視光検出手段の構成を示す図である。
本実施形態では、図9に示すように、前記第1実施形態で説明した非可視光検出手段としての光学センサ8の代わりに、非可視光検出手段81を用いた点のみが異なるのみである。その他の構成は、前記第1実施形態と同様のものである。
非可視光検出手段81は、前記第1実施形態で説明した光学センサ8と同様の配設位置に配設され、非可視光反射フィルタ6にて反射された非可視光領域の光束を受光して、受光した非可視光領域の光束の光量に応じた受光信号を制御装置7に出力するものである。この非可視光検出手段81は、図9に示すように、光拡散材811と、減光材812と、光学センサ813とを備える。
光拡散材811は、入射した非可視光領域の光束を表面および/または内部で拡散させて照度を略均一化させて射出する部材である。この光拡散材811としては、入射した非可視光領域の光束を表面および/または内部で拡散可能とする部材であれば、いずれの部材でも採用でき、例えば、すりガラス等を採用できる。
減光材812は、入射した非可視光領域の光束の光量を低減させる部材である。この減光材812としては、入射した非可視光領域の光束の光量を低減可能とする部材であれば、いずれの部材でも採用でき、例えば、ND(Neutral Density)フィルタを採用できる。
光学センサ813は、前記第1実施形態で説明した光学センサ8と同様のものを採用できる。
上述した第3実施形態によれば、前記第1実施形態と比較して、光拡散材811にて非可視光領域の光束を拡散させて照度を略均一化できるので、光学センサ813の配置位置による光学センサ813の出力値のばらつきを回避でき、制御装置7にて光学絞り装置5を高精度に駆動制御できる。
また、減光材812にて非可視光領域の光束の光量を低減させるので、光学センサ813のセンサ感度に応じた非可視光領域の光束を光学センサ813に供給することができ、光学センサ813にて非可視光領域の光束を良好に受光できる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図10は、第4実施形態における非可視光検出手段の構成を示す図である。
本実施形態では、図10に示すように、前記第1実施形態で説明した非可視光検出手段としての光学センサ8の代わりに、非可視光検出手段82を用いた点のみが異なるのみである。その他の構成は、前記第1実施形態と同様のものである。
非可視光検出手段82は、前記第1実施形態で説明した光学センサ8と同様に、非可視光反射フィルタ6にて反射された非可視光領域の光束を受光して、受光した非可視光領域の光束の光量に応じた受光信号を制御装置7に出力するものである。この非可視光検出手段82は、図10に示すように、非可視光導光部821と、光学センサ822とを備える。
非可視光導光部821は、一端側821Aから入射した光束を他端側821Bから射出させ、所定位置に光束を導く部材である。この非可視光導光部821としては、例えば、光ファイバケーブルを採用できる。そして、非可視光導光部821は、図10に示すように、非可視光反射フィルタ6にて反射された非可視光領域の光束が照射される照射位置に一端側821Aが位置付けられ、非可視光領域の光束が照射されない非照射位置に他端側821Bが位置付けられるように配設されている。
光学センサ822は、前記第1実施形態で説明した光学センサ8と同様のものを採用でき、非可視光導光部821の他端側821B近傍に配設され、他端側821Bから射出された非可視光領域の光束を受光する。
ところで、前記第1実施形態のように、非可視光領域の光束が照射される照射位置に光学センサ8が配置されている場合には、非可視光領域の光束の照射により光学センサ8の温度が変動し、該温度変動により光学センサ8の出力値に変動が生じる虞がある。
これに対して第4実施形態では、非可視光導光部821にて非可視光領域の光束を所定位置に導光するので、光学センサ822を非可視光領域の光束が照射されない非照射位置に配設できる。このため、光学センサ8に非可視光領域の光束が照射されることにより温度変動を回避でき、温度変動により光学センサ822の出力値に変動が生じる虞もない。したがって、制御装置7にて光学絞り装置5を高精度に駆動制御できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、光学絞り装置5の構成として、4つの遮光羽根52を入射光束の光軸に略直交する平面内で回動させて光路内外に移動させる構成を説明したが、これに限らず、光源装置411から射出された光束の光量を調整可能であれば、いずれの構成でも採用できる。例えば、遮光部を入射光束の光軸に対して略直交する方向にスライド移動させて光路内外に移動させる構成や、遮光部を入射光束の光軸に対して略直交する平面内の所定の軸を中心として回動させて光路内外に移動させる構成等を採用しても構わない。
また、遮光部の数としては、前記各実施形態では、4つで構成したが、これに限らず、1つでも、2つでも、3つでも、5つ以上であっても構わない。
さらに、遮光部を回動させる部材として、前記各実施形態では、電磁アクチュエータ58を採用したが、これに限らず、その他の駆動方式(静電、圧電、油圧、空気圧、あるいは熱等)のアクチュエータを採用しても構わない。
さらにまた、前記各実施形態では、電磁アクチュエータ58の構成として、固定子に電磁コイル581を用い、可動子に永久磁石582を用いていたが、これに限らず、逆に、固定子に永久磁石582を用い、可動子に電磁コイル581を用いた構成を採用しても構わない。このような構成では、前記実施形態と比較して、可動子の軽量化を図れ、すなわち、絞りリング56を円滑に移動させることができる。
前記各実施形態では、電磁アクチュエータ58として、電磁力により固定子に対して可動子を移動させる構成を採用したが、これに限らず、励磁させるステータ等の部材を採用して、磁力により固定子に対して可動子を移動させる構成を採用してもよい。
前記各実施形態では、光学絞り装置5は、第1レンズアレイ412と第2レンズアレイ413との間に配設されていたが、これに限らず、光源装置411から射出され各液晶パネル441に至る光束の光路中であれば、いずれの位置に配設しても構わない。
前記各実施形態では、導光手段として、集光レンズ9を採用したが、これに限らず、非可視光除去手段にて照明光軸Aの光路外に導かれた非可視光領域の光束を所定位置に導光可能であれば、いずれの構成でもよく、例えば、非可視光領域の光束を所定方向に屈折させる部材や、前記第4実施形態で説明した光ファイバケーブルを採用しても構わない。
前記第3実施形態および前記第4実施形態の非可視光検出手段81,82を第2実施形態の構成に採用しても構わない。
前記各実施形態では、非可視光検出手段として、非可視光領域の光束を受光する光学センサ8,813,822を採用していたが、これに限らず、非可視光領域の光束を検出可能であれば、いずれの部材を採用してもよい。例えば、非可視光領域の光束が照射されることによる熱量を検出する部材(例えば、サーミスタ等の温度検出手段)を非可視光検出手段とする構成を採用してもよい。すなわち、光学絞り装置5の開口率に応じて非可視光領域の光束の光量が変化するので、光学絞り装置5の開口率と、前記熱量とに、所定の相関関係がある。制御装置7は、前記部材から出力される熱量に応じた信号と前記所定の相関関係とに基づいて、現状の光学絞り装置5の開口率を特定できる。
前記各実施形態では、非可視光検出手段8,81,82から出力される受光信号に基づいて光学絞り装置5を駆動制御する構成としたが、これに限らず、前記受光信号に基づいて液晶パネル441に書き込むデータ(駆動信号)を補正する構成としても、本発明の目的を達成できる。
前記各実施形態では、非可視光透過部21を介してプロジェクタ1外部に非可視光を排出する構成としたが、これに限らない。例えば、非可視光透過部21の配設位置や、非可視光透過部21よりも非可視光の光路前段側あるいは光路後段側の位置に、非可視光を熱変換する光熱変換部を設けた構成を採用してもよい。例えば、光熱変換部としては、非可視光を吸収した熱に変換する非可視光吸収体と、前記非可視光吸収体に接続され前記非可視光吸収体の熱を放熱するヒートシンク等の放熱部材等で構成できる。例えば、前記光熱変換部を非可視光透過部21の光路後段側の位置に配設しておけば、非可視光透過部21を介して外装筺体2外部に排出された非可視光を前記光熱変換部にて熱に変換することができ、プロジェクタ1周囲に非可視光が照射されることがない。
前記各実施形態では、3つの液晶パネル441を用いたプロジェクタ1を説明したが、これに限らない。例えば、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、2つの液晶パネルを用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
前記各実施形態では、光変調装置として透過型の液晶パネル441を採用していたが、これに限らず、反射型の液晶パネル、ディジタル・マイクロミラー・デバイス(テキサス・インスツルメント社の商標)、光の回折現象を利用したGLV(Grating Light Valve)デバイス(Silicon Light Machines社の商標)等を採用してもよい。
前記各実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行うフロントタイプのプロジェクタの例のみを説明したが、本発明では、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射を行うリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明のプロジェクタは、投影画像の画像品質を向上できるため、プレゼンテーションやホームシアタに用いられるプロジェクタとして有用である。
第1実施形態におけるプロジェクタの概略構成を模式的に示す図。 前記実施形態における光学絞り装置の概略構成の一例を示す図。 前記実施形態における光学絞り装置の概略構成の一例を示す図。 前記実施形態におけるベース板本体を光束入射側から見た斜視図。 前記実施形態における電磁アクチュエータの構造を模式的に示す図。 前記実施形態における非可視光反射フィルタの波長・透過率特性の一例を示す図。 前記実施形態における光学センサの出力値と光学絞り装置の開口率との関係の一例を示す図。 第2実施形態における非可視光除去手段の構成を示す図。 第3実施形態における非可視光検出手段の構成を示す図。 第4実施形態における非可視光検出手段の構成を示す図。
符号の説明
1・・・プロジェクタ、2・・・外装筺体、3・・・投射レンズ(投射光学装置)、5・・・光学絞り装置、6・・・非可視光反射フィルタ(非可視光除去手段)、7・・・制御装置(絞り制御装置)、8・・・光学センサ(非可視光検出手段)、9・・・集光レンズ(導光手段)、21・・・非可視光透過部、52・・・遮光羽根(遮光部)、61・・・可視光反射フィルタ(非可視光除去手段)、81,82・・・非可視光検出手段。

Claims (3)

  1. 光源装置と、前記光源装置から射出された光束を変調する光変調装置と、前記光変調装置で変調された光束を拡大投射する投射光学装置と、前記光源装置、前記光変調装置、および前記投射光学装置を内部に収納配置する外装筐体とを備えたプロジェクタであって、
    前記光源装置および前記光変調装置の間の光路中に配設され、入射光束の少なくとも一部を遮光する遮光部を有し前記遮光部を前記光路内外に移動させることで前記光源装置から射出された光束の光量を調整する光学絞り装置と、
    前記光学絞り装置の光路後段に配設され、前記光源装置から射出された光束のうち非可視光領域の光束を反射または透過して前記光路外に導く非可視光除去手段と、
    前記非可視光除去手段にて前記光路外に導かれた前記非可視光領域の光束を受光して受光信号を出力する非可視光検出手段と
    前記非可視光領域の光束を透過可能とし、前記非可視光除去手段にて前記光路外に導かれた前記非可視光領域の光束の少なくとも一部を前記外装筐体外部に排出する、前記外装筐体に設けられた非可視光透過部と、を備えていることを特徴とするプロジェクタ。
  2. 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
    前記非可視光検出手段からの受光信号に基づいて前記光学絞り装置を駆動制御し前記遮光部を所定位置に位置付ける絞り制御装置を備えていることを特徴とするプロジェクタ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
    前記非可視光除去手段にて前記光路外に導かれた前記非可視光領域の光束を前記非可視光透過部に導く導光手段を備えていることを特徴とするプロジェクタ。
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